JPH05132559A - ポリシロキサン系ケイ素化合物、その製造方法、およびそれを用いた感光性材料 - Google Patents

ポリシロキサン系ケイ素化合物、その製造方法、およびそれを用いた感光性材料

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JPH05132559A
JPH05132559A JP32531591A JP32531591A JPH05132559A JP H05132559 A JPH05132559 A JP H05132559A JP 32531591 A JP32531591 A JP 32531591A JP 32531591 A JP32531591 A JP 32531591A JP H05132559 A JPH05132559 A JP H05132559A
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正人 田中
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浩 山下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビス(シリル)有機基骨格を有するポリシロ
キサン系ケイ素化合物、その製造方法、およびそれを用
いた感光性材料を提供する。 【構成】 一般式 【化1】 (式中、x、yは、2≦x≦6、y≧2の関係を満たす
整数を表わす。)で表わされるポリシロキサン化合物の
ケイ素−ケイ素結合の一部あるいは全部に、パラジウム
触媒を用いて、アセチレン類あるいはキノン類等の不飽
和有機化合物を挿入させ、1,2−ビスシリルアルケン
骨格あるいはビスシロキシ芳香環骨格等のビス(シリ
ル)有機基骨格を有するポリシロキサン系ケイ素化合物
を製造する方法、およびそれにより得られる新規なポリ
シロキサン系ケイ素化合物。それらは紫外光照射により
光分解を起こし、感光性材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一つのケイ
素−ケイ素結合を有するポリシロキサン化合物のケイ素
−ケイ素結合に不飽和有機化合物を挿入させるポリシロ
キサン系ケイ素化合物の効率的製造方法、それにより得
られる新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およびそ
れを用いる感光性材料に関するものである。
【0002】本発明の方法により製造されるポリシロキ
サン系ケイ素化合物は、現在さまざまな産業分野で広範
に利用されているシリコーン類の類縁化合物であり、各
種のオイル、グリース、ゴム、ワニス等としての用途が
見込まれる。また本発明により提供されるポリシロキサ
ン系ケイ素化合物が、二重結合や各種の芳香環等の感光
性部位を有する場合、それらはそれぞれ特徴的なUV吸
収を示すので、新規感光性材料としてそれらを利用でき
る。
【0003】
【従来の技術】一般式
【0004】
【化3】 (式中、m、n、pは、2≦m+n≦6、p≧2の関係
を満たす整数を表わす。)で表わされる骨格を有するポ
リシロキサン化合物のケイ素−ケイ素結合に不飽和有機
化合物を挿入させ、ビス(シリル)有機基骨格を有する
ポリシロキサン系ケイ素化合物を製造した例は知られて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ケイ素−ケ
イ素結合を有するポリシロキサン化合物のケイ素−ケイ
素結合に不飽和有機化合物を挿入させ有機基で主鎖を修
飾したポリシロキサン化合物を製造する方法、それによ
り得られる新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およ
び、それらを用いる新規な感光性材料を提供することを
その課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウム触媒存
在下、ケイ素−ケイ素結合を有するポリシロキサン化合
物のケイ素−ケイ素結合に有機不飽和化合物が速やかに
挿入するという新規な事実を見いだし、それに基づいて
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、パラジウム触
媒存在下、少なくとも一つのケイ素−ケイ素結合を有す
るポリシロキサン化合物を、有機不飽和化合物と反応さ
せることを特徴とする、ビス(シリル)有機基骨格を有
するポリシロキサン化合物の製造方法、それにより得ら
れる新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およびそれ
を用いた新規な感光性材料が提供される。
【0008】本発明において原料として用いられる少な
くとも一つのケイ素−ケイ素結合を有するポリシロキサ
ン化合物は、一般式 [(−SiR12 −)m+n −O−]p (II−a) (式中、R1 、R2 は、アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、アラルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、もしく
はハロゲン原子の中から選ばれる互いに同一もしくは相
異なる1価の基を表わし、m、n、pは、2≦m+n≦
6、p≧2の関係を満たす整数を表わす。)で表わされ
る骨格を有するポリシロキサンである。式(II−a)中
の置換基R1、R2 を例示すればハロゲン原子としては
塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、アルキル基として
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基等、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、
アントリル基等、アラルキル基としてはベンジル基、フ
ェネチル基、ナフチルメチル基等、アルケニル基として
はスチリル基、ビニル基、アリル基等、アルコキシ基と
してはメトキシ基、エトキシ基等、アリーロキシ基とし
てはフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキ
シ基等、アラルキルオキシ基としてはベンジルオキシ
基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基等、
アルケニルオキシ基としてはスチリルオキシ基、ビニル
オキシ基、アリルオキシ基等が挙げられる。それらの置
換基等を有する一般式(II−a)で表わされるポリシロ
キサン化合物を例示すれば、ポリ[オキシ(テトラメチ
ルジシラニレン)]、ポリ[オキシ(ヘキサメチルトリ
シラニレン)]、ポリ[オキシ(オクタメチルテトラシ
ラニレン)]、ポリ[オキシ(デカメチルペンタシラニ
レン)]、ポリ[オキシ(ドデカメチルヘキサシラニレ
ン)]、ポリ[オキシ(テトラエチルジシラニレ
ン)]、ポリ[オキシ(1,2,2−トリメチル−2−
フェニルジシラニレン)]、ポリ[オキシ(1,2−ジ
メチル−1,2−ジフェニルジシラニレン)]、ポリ
[オキシ(テトラフェニルジシラニレン)]、ポリ[オ
キシ(1,2−ジベンジル−1,2−ジメチルジシラニ
レン)]、ポリ[オキシ(1,2−ジメチル−1,2−
ジスチリルジシラニレン)]、ポリ[オキシ(テトラメ
トキシジシラニレン)]、ポリ[オキシ(テトラフェノ
キシジシラニレン)]、ポリ[オキシ(1,2−ベンジ
ルオキシ−1,2−ジメチルジシラニレン)]、ポリ
{オキシ[1,2−ジメチル−1,2−ジ(ビニルオキ
シ)ジシラニレン]}、ポリ[オキシ(1,2−ジクロ
ロ−1,2−ジメチルジシラニレン)]等を挙げること
ができる。
【0009】一方、本発明において用いられる不飽和有
機化合物は、アセチレン類、キノン類等の不飽和有機化
合物である。この中のアセチレン類は、一般式 R3 C≡CR4 (III−a) (式中、R3 、R4 は、水素原子、アルキル基、アリー
ル基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シロ
キシアルキル基、アルコキシカルボニル基、あるいはシ
リル基の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる1
価の基を表わす。)で表わされるものである。式(III−
a)中、R3 、R4 で表わされる基のうち水素原子以外
のものを例示すると、アルキル基としては、メチル基、
エチル基、ヘキシル基、オクチル基等、アリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等、複素
環基としては、チエニル基、ピリジル基、フリル基等、
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ピルオキシ基等、アリーロキシ基としては、フェノキシ
基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等、シロキ
シアルキル基としては、トリメチルシロキシメチル基、
2−トリメチルシロキシエチル基、3−トリメチルシロ
キシプロピル基等、アルコキシカルボニル基としては、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピ
ルオキシカルボニル基等が挙げられる。また、R3 、R
4 で表わされる基が、アリール基、複素環基を有する場
合、環上の水素原子は他の基で置換されていても差し支
えなく、このような置換基としては、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シロキシ基、
ジアルキルアミノ基等が挙げられる。したがって、上記
一般式(III−a)で表わされるアセチレン類を例示すれ
ば、無置換アセチレン、プロピン、1−ブチン、1−オ
クチン、1−デシン、フェニルアセチレン、4−トリメ
チルシロキシフェニルアセチレン、4−エチニル−N,
N−ジメチルアニリン、2−エチニルナフタレン、2−
エチニルチオフェン、4−エチニルピリジン、エチルエ
チニルエーテル、フェニルエチニルエーテル、3−トリ
メチルシロキシプロピン、プロピオール酸エチル、アセ
チレンジカルボン酸ジメチル、トリメチルシリルアセチ
レン、クロロジメチルシリルアセチレン等を挙げること
ができる。
【0010】また、本発明において用いられるキノン類
は、環内炭素数が20以下の芳香族化合物を母体化合物
とし、一般式
【0011】
【化4】 (式中、aは0以上3以下の整数を表わす。)で表わさ
れる骨格を有するキノン類であり、環上の水素原子が、
炭化水素基(メチル基、エチル基、tert−ブチル基
等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、含酸素基(メトキシ基、アセチル基、メトキシカ
ルボニル基等)、含窒素基(シアノ基、ジメチルアミノ
基、ニトロ基等)、もしくは含硫黄基(クロロスルホニ
ル基、メシル基、メタンスルフィニル基、メチルチオ基
等)等の1価の基で置換されていても差し支えない。そ
れらキノン類を例示すれば、oまたはp−ベンゾキノ
ン、2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン、2,3,
5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ
−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,3,5,
6−テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロ
ロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2−メトキ
シ−p−ベンゾキノン、1,2または1,4−ナフトキ
ノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホニル=クロリ
ド、1,2または1,4−アントラキノン、9,10−
フェナントレンキノン、1,6−ピレンキノン、3,1
0−ペリレンキノン等が挙げられる。
【0012】反応に供される不飽和有機化合物の量は、
原料ケイ素化合物におけるケイ素−ケイ素結合の数をm
とし、生成物において導入される有機基の数をnとする
と、所望のn/m比に応じて任意に選ぶことができる
が、原料ケイ素化合物に対するモル比は1/m以上、通
常は1/mから10である。
【0013】本発明において用いられるパラジウム触媒
としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、担持パラジ
ウム触媒等、各種のものを使用できる。それらをさらに
具体的に示すと、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラ
ジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、
ジ−μ−クロロビス(π- アリル)二パラジウム、ジク
ロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジヨ
ードビス(ジエチルフェニルホスフィン)パラジウム、
ジクロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ジ
ブロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン]パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム、ジクロロビス(トリ−o−トリルホス
フィン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウ
ム、活性炭担持パラジウム等が挙げられる。これらの錯
体、塩等は、2種以上同時に用いたり、上記例示した金
属錯体に含まれる配位子や1−ホスファ−2,6,7−
トリオキサ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタ
ンやトリメチルホスファイト等の配位子と共存させて使
用することもできる。
【0014】パラジウム触媒のポリシロキサン化合物あ
るいは不飽和有機化合物に対するモル比は、任意に選ぶ
ことができるが、通常、ポリシロキサン化合物の1モル
構成繰り返し単位に対し0.00001〜0.5モルの
範囲である。
【0015】本発明の反応は、0℃以上、好ましくは2
0〜200℃の反応温度で実施される。また、本発明の
方法は溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用
いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエーテル等の
エーテル系溶媒の他、原料のポリシロキサン化合物およ
び不飽和有機化合物と反応するものを除いた各種の有機
溶媒を用いることができる。
【0016】反応混合物からの目的生成物の分離精製
は、一般に蒸留、クロマトグラフィー、再結晶または再
沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容易
に達せられる。
【0017】また、本発明により提供される新規なポリ
シロキサン系ケイ素化合物は、下記の一般式(V)で表
わされるものである。 {[(-SiR1R2-A-)r(-SiR1R2-)s]-O-}t[(-SiR1R2-)r+s-O-]u (V) (式中、R1 、R2 は、前記式(II−a)中のものと同
じである。またAは2価の有機基を表わし、r、s、
t、uは、r≧1、s≧1、2≦r+s≦6、t≧1、
u≧0、t+u≧2の関係を満たす整数を表わす。)
【0018】一般式(V)中、Aはアルケニレン基、ジ
オキシアリーレン基等の2価の有機基で、Aがアルケニ
レン基、ジオキシアリーレン基である場合には、それら
はそれぞれ下記の一般式(VI−a)、(VI−b)で表わ
される。 −(R3 )C=C(R4 )− (VI−a) (式中、R3 、R4 は、式(III−a)中のものと同じで
ある。) −O−R5 −O− (VI−b) (式中、R5 は、環内炭素数20以下の芳香族炭化水素
化合物から、最短b個(b=0,2,4,または6)の
環内炭素原子で隔てた2個の環内炭素原子にそれぞれ結
合した2個の水素原子を取り除いて得られる2価の芳香
環基を表わす。R5 の具体例としてはo−又はp−フェ
ニレン、1,2−又は1,4−ナフチレン、9,10−
フェナントリレン等が挙げられる。)
【0019】本発明のポリシロキサン系ケイ素化合物の
分子量は、通常500〜1000000、好ましくは2
000〜500000であるがこれに限定されるもので
はない。
【0020】本発明の方法によれば、ケイ素−ケイ素結
合を有するポリシロキサン化合物のケイ素−ケイ素結合
部位の一部あるいは全部を、1,2−ビスシロキシアル
ケン骨格あるいはビスシロキシ芳香環骨格等に変換する
ことができる。こうして得られた高分子ケイ素化合物
が、残存ケイ素−ケイ素結合や二重結合、各種の芳香環
等の感光性部位を有する場合、それらは溶液あるいは薄
膜状態で光照射により一般に分子量低下を起こす。した
がって、これらポリシロキサン系ケイ素化合物は、ポジ
型感光材料として利用できる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0022】実施例1 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
8mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.016
mmol、ポリ[オキシ(テトラメチルジシラニレ
ン)](重量平均分子量 1.6x105 、分子量分布
指数(重量平均分子量/数平均分子量)2.8、1分子
当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数433個)52.
8mg(構成繰り返し単位当り0.40mmol)、フ
ェニルアセチレン 0.48mmol、およびベンゼン
0.1mlを窒素下、封管中120℃で2時間加熱し
た。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した後、ろ液を
減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−エタノールか
ら再沈殿させた結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ
素結合の55%にフェニルアセチレンが挿入した淡褐色
高粘性液体の高分子ケイ素化合物(オキシ(1,1,
4,4−テトラメチル−2または3−フェニル−1,4
−ジシラ−2−ブテニレン)およびオキシ(テトラメチ
ルジシラニレン)を構成繰り返し単位とし、それらの存
在比が55:45である共重合体型の高分子ケイ素化合
物)が59.0mg(構成繰り返し単位当り0.31m
mol、収率78%)得られた。
【0023】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.7x1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.91 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −0.12
−0.41(m,H3 C−Si), 6.18−6.4
2(m,HC=), 6.91−7.35(brm,ベ
ンゼン環プロトン)ppm(−0.12−0.41のシ
グナルと6.18−6.42のシグナルとの積分強度比
は21.8:1。) IR(KBr):1596 w, 1576 w, 1
544 w, 1490m, 1442 w, 140
4 w, 1292 w, 1254 s,1204
w, 1030 s, 924 m, 846 s,
822 s,780 s, 736 m, 698
s, 542 w, 476 m cm-1 UV(THF):λmax 255 nm
【0024】実施例2 フェニルアセチレン 0.48mmolのかわりに、
9,10−フェナントレンキノン 0.44mmolを
用いる他は、実施例1と同様に、反応、ろ過および濃縮
を行い、得られた褐色濃縮物をベンゼン−イソプロピル
アルコールから再沈殿させた結果、淡黄色固体の高分子
ケイ素化合物、ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)オキ
シ−9,10−フェナントリレンオキシ(ジメチルシリ
レン)]が57.7mg(構成繰り返し単位当り0.1
7mmol、収率42%)得られた。
【0025】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.5x1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.31 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −0.05
(s,12H,H3 C−Si),7.27−7.49
(m,4H,フェナトレン環プロトン),8.03,
8.07,and8.52(それぞれs,4H,フェナ
ントレン環プロトン)ppm UV(THF):λmax 261, 302, 314
nm
【0026】実施例3 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
3mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.006
mmol、ポリ[オキシ(テトラメチルジシラニレ
ン)](重量平均分子量 1.6x105 、分子量分布
指数(重量平均分子量/数平均分子量)2.8、1分子
当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数433個)66.
0mg(構成繰り返し単位当り0.50mmol)、
9,10−フェナントレンキノン 0.15mmol、
およびベンゼン0.1 mlを窒素下、封管中120℃
で1.5時間加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加え
ろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベン
ゼン−イソプロピルアルコールから再沈殿させた結果、
原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の27%に9,
10−フェナントレンキノンが挿入したゴム状灰色固体
の高分子ケイ素化合物(オキシ(ジメチルシリレン)オ
キシ−9,10−フェナントリレンオキシ(ジメチルシ
リレン)およびオキシ(テトラメチルジシラニレン)を
構成繰り返し単位とし、それらの存在比が27:73で
ある共重合体型の高分子ケイ素化合物)が53.8mg
(構成繰り返し単位当り0.29mmol、収率57
%)得られた。
【0027】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.8x1
5 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.91 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −0.07
−0.30(m,12H,H3 C−Si), 7.22
−7.63, 8.00−8.27, 8.41−8.
68(それぞれ m,8H,フェナントレン環プロト
ン)ppm(−0.07−0.30のシグナルと8.4
1−8.68のシグナルとの積分強度比は22.0:
1。) IR(KBr):1618 m, 1602 m, 1
494 m, 1454m, 1344 m, 125
2 s, 1062 s, 1034 s,930
m, 842 s, 810 s, 770 s, 7
58 s, 726m cm-1 UV(THF):λmax 264, 304, 316
nm
【0028】実施例4 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
3mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.006
mmolのかわりにジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム0.003mmol、9,10−フェ
ナントレンキノン 0.15mmolのかわりに1,4
−ベンゾキノン 0.15mmolをそれぞれ用いる他
は、実施例3と同様に、反応、ろ過および濃縮を行い、
得られた褐色濃縮物をベンゼン−メチルアルコールから
再沈殿させた結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素
結合の28%に1,4−ベンゾキノンが挿入した淡褐色
高粘性液体の高分子ケイ素化合物(オキシ(ジメチルシ
リレン)オキシ−p−フェニレンオキシ(ジメチルシリ
レン)およびオキシ(テトラメチルジシラニレン)を構
成繰り返し単位とし、それらの存在比が28:72であ
る共重合体型の高分子ケイ素化合物)が66.7mg
(構成繰り返し単位当り0.41mmol、収率82
%)得られた。
【0029】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.8x1
5 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.41 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.04−
0.31(m,12H,H3 C−Si), 6.69−
6.74(m,4H,ベンゼン環プロトン)ppm
(0.04−0.31のシグナルと6.69−6.74
のシグナルとの積分強度比は10.9:1。) IR(neat):1503 s, 1402 m,
1250 s, 1050 s, 930 s, 83
6 m, 800 s, 766 s, 680m,
642 m, 520 w cm-1 UV(THF):λmax 290 nm
【0030】実施例5 実施例3で得られた高分子ケイ素化合物のベンゼン溶液
(3mg/1ml)に低圧水銀灯(30W)で紫外光を
照射したところ、高分子ケイ素化合物の重量平均分子量
は、未照射時の1.8x105 から、10分照射後の1
5 、30分照射後の104 に順次低下することがわか
った。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法により、アセチレン類ある
いはキノン類等の入手容易な不飽和有機化合物、および
少なくとも一つのケイ素−ケイ素結合を有するポリシロ
キサン化合物から、1,2−ビスシロキシアルケン骨格
あるいはビスシロキシ芳香環骨格等の有機基を有するポ
リシロキサン系ケイ素化合物を、簡単な操作で効率よく
製造でき、またそれらの分離、精製も容易である。ま
た、本発明により、1,2−ビスシロキシアルケン骨格
あるいはビスシロキシ芳香環骨格等で主鎖が修飾された
新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およびそれを用
いた新規な感光性材料が提供される。したがって、本発
明の工業的意義は多大である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一つのケイ
素−ケイ素結合を有するポリシロキサン化合物のケイ素
−ケイ素結合に不飽和有機化合物を挿入させるポリシロ
キサン系ケイ素化合物の効率的製造方法、それにより得
られる新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およびそ
れを用いる感光性材料に関するものである。
【0002】本発明の方法により製造されるポリシロキ
サン系ケイ素化合物は、硯在さまざまな産業分野で広範
に利用されているシリコーン類の類縁化合物であり、各
種のオイル、グリース、ゴム、ワニス等としての用途が
見込まれる。また本発明により提供されるポリシロキサ
ン系ケイ素化合物が、二重結合や各種の芳香環等の感光
性部位を有する場合、それらはそれぞれ特徴的なUV吸
収を示すので、新規感光性材料としてそれらを利用でき
る。
【0003】
【従釆の技術】一般式
【0004】
【化3】 (式中、m、n、pは、2≦m+n≦6、p≧2の関係
を満たす整数を表わす。)で表わされる骨格を有するポ
リシロキサン化合物のケイ素−ケイ素結合に不飽和有機
化合物を挿入させ、ビス(シリル)有機基骨格を有する
ポリシロキサン系ケイ素化合物を製造した例は知られて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ケイ素−ケ
イ素結合を有するポリシロキサン化合物のケイ素−ケイ
素結合に不飽和有機化合物を挿入させ有機基で主鎖を修
飾したポリシロキサン化合物を製造する方法、それによ
り得られる新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およ
び、それらを用いる新規な感光性材料を提供することを
その課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウム触媒存
在下、ケイ素−ケイ素結合を有するポリシロキサン化合
物のケイ素−ケイ素結合に有機不飽和化合物が速やかに
挿入するという新規な事実を見いだし、それに基づいて
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、パラジウム触
媒存在下、少なくとも一つのケイ素−ケイ素結合を有す
るポリシロキサン化合物を、有機不飽和化合物と反応さ
せることを特徴とする、ビス(シリル)有機基骨格を有
するポリシロキサン化合物の製造方法、それにより得ら
れる新規なポリシロキサン系ケイ素化合物、およびそれ
を用いた新規な感光性材料が提供される。
【0008】本発明において原料として用いられる少な
くとも一つのケイ素−ケイ素結合を有するポリシロキサ
ン化合物は、一般式 [(−SiR−)m+n−O−] (II−a) (式中、R、Rは、アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、アラルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、もしく
はハロゲン原子の中から選ばれる互いに同一もしくは相
異なる1価の基を表わし、m、n、pは、2≦m+n≦
6、p≧2の関係を満たす整数を表わす。)で表わされ
る骨格を有するポリシロキサンである。式(II−a)
中の置換基R、Rを例示すればハロゲン原子として
は塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、アルキル基とし
てはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基等、アリール基としてはフェニル基、ナフチル
基、アントリル基等、アラルキル基としてはベンジル
基、フェネチル基、ナフチルメチル基等、アルケニル基
としてはスチリル基、ビニル基、アリル基等、アルコキ
シ基としてはメトキシ基、エトキシ基等、アリーロキシ
基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリ
ルオキシ基等、アラルキルオキシ基としてはベンジルオ
キシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基
等、アルケニルオキシ基としてはスチリルオキシ基、ビ
ニルオキシ基、アリルオキシ基等が挙げられる。それら
の置換基等を有する一般式(II−a)で表わされるポ
リシロキサン化合物を例示すれば、ポリ[オキシ(テト
ラメチルジシラニレン)]、ポリ[オキシ(ヘキサメチ
ルトリシラニレン)]、ポリ[オキシ(オクタメチルテ
トラシラニレン)]、ポリ[オキシ(デカメチルペンタ
シラニレン)]、ポリ[オキシ(ドデカメチルヘキサシ
ラニレン)]、ポリ[オキシ(テトラエチルジシラニレ
ン)]、ポリ[オキシ(1,2,2−トリメチル−2−
フェニルジシラニレン)]、ポリ[オキシ(1,2−ジ
メチル−1,2−ジフェニルジシラニレン)]、ポリ
[オキシ(テトラフェニルジシラニレン)]、ポリ[オ
キシ(1,2−ジベンジル−1,2−ジメチルジシラニ
レン)]、ポリ[オキシ(1,2−ジメチル−1,2−
ジスチリルジシラニレン)]、ポリ[オキシ(テトラメ
トキシジシラニレン)]、ポリ[オキシ(テトラフェノ
キシジシラニレン)]、ポリ[オキシ(1,2−ベンジ
ルオキシ−1,2−ジメチルジシラニレン)]、ポリ
{オキシ[1,2−ジメチル−1,2−ジ(ビニルオキ
シ)ジシラニレン]}、ポリ[オキシ(1,2−ジクロ
ロ−1,2−ジメチルジシラニレン)]等を挙げること
ができる。
【0009】一方、本発明において用いられる不飽和有
機化合物は、アセチレン類、キノン類等の不飽和有機化
合物である。この中のアセチレン類は、一般式 RC≡CR (III−a) (式中、R、Rは、水素原子、アルキル基、アリー
ル基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シロ
キシアルキル基、アルコキシカルボニル基、あるいはシ
リル基の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる1
価の基を表わす。)で表わされるものである。式(II
I−a)中、R、Rで表わされる基のうち水素原子
以外のものを例示すると、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等、アリール基
としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等、
複素環基としては、チエニル基、ピリジル基、フリル基
等、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロピルオキシ基等、アリーロキシ基としては、フェノ
キシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等、シ
ロキシアルキル基としては、トリメチルシロキシメチル
基、2−トリメチルシロキシエチル基、3−トリメチル
シロキシプロピル基等、アルコキシカルボニル基として
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プ
ロピルオキシカルボニル基等が挙げられる。また、
、Rで表わされる基が、アリール基、複素環基を
有する場合、環上の水素原子は他の基で置換されていて
も差し支えなく、このような置換基としては、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シロ
キシ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。したがっ
て、上記一般式(III−a)で表わされるアセチレン
類を例示すれば、無置換アセチレン、プロピン、1−ブ
チン、1−オクチン、1−デシン、フェニルアセチレ
ン、4−トリメチルシロキシフェニルアセチレン、4−
エチニル−N,N−ジメチルアニリン、2−エチニルナ
フタレン、2−エチニルチオフェン、4−エチニルピリ
ジン、エチルエチニルエーテル、フェニルエチニルエー
テル、3−トリメチルシロキシプロピン、プロピオール
酸エチル、アセチレンジカルボン酸ジメチル、トリメチ
ルシリルアセチレン、クロロジメチルシリルアセチレン
等を挙げることができる。
【0010】また、本発明において用いられるキノン類
は、環内炭素数が20以下の芳香族化合物を母体化合物
とし、一般式
【0011】
【化4】 (式中、aは0以上3以下の整数を表わす。)で表わさ
れる骨格を有するキノン類であり、環上の水素原子が、
炭化水素基(メチル基、エチル基、tert−ブチル基
等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、含酸素基(メトキシ基、アセチル基、メトキシカ
ルボニル基等)、含窒素基(シアノ基、ジメチルアミノ
基、ニトロ基等)、もしくは含硫黄基(クロロスルホニ
ル基、メシル基、メタンスルフィニル基、メチルチオ基
等)等の1価の基で置換されていても差し支えない。そ
れらキノン類を例示すれば、oまたはp−ベンゾキノ
ン、2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン、2,3,
5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ
−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,3,5,
6−テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロ
ロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2−メトキ
シ−p−ベンゾキノン、1,2または1,4−ナフトキ
ノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホニル=クロリ
ド、1,2または1,4−アントラキノン、9,10−
フェナントレンキノン、1,6−ピレンキノン、3,1
0−ペリレンキノン等が挙げられる。
【0012】反応に供される不飽和有機化合物の量は、
原料ケイ素化合物におけるケイ素−ケイ素結合の数をm
とし、生成物において導入される有機基の数をnとする
と、所望のn/m比に応じて任意に選ぶことができる
が、原料ケイ素化合物に対するモル比は1/m以上、通
常は1/mから10である。
【0013】本発明において用いられるパラジウム触媒
としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、担持パラジ
ウム触媒等、各種のものを使用できる。それらをさらに
具体的に示すと、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラ
ジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、
ジ−μ−クロロビス(π−アリル)二パラジウム、ジク
ロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジク
ロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジヨー
ドビス(ジエチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ジブ
ロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]
パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィ
ン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、活
性炭担持パラジウム等が挙げられる。これらの錯体、塩
等は、2種以上同時に用いたり、上記例示した金属錯体
に含まれる配位子や1−ホスファ−2,6,7−トリオ
キサ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタンやト
リメチルホスファイト等の配位子と共存させて使用する
こともできる。
【0014】パラジウム触媒のポリシロキサン化合物あ
るいは不飽和有機化合物に対するモル比は、任意に選ぶ
ことができるが、通常、ポリシロキサン化合物の1モル
構成繰り返し単位に対し0.00001〜0.5モルの
範囲である。
【0015】本発明の反応は、0℃以上、好ましくは2
0〜200℃の反応温度で実施される。また、本発明の
方法は溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用
いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエーテル等の
エーテル系溶媒の他、原料のポリシロキサン化合物およ
び不飽和有機化合物と反応するものを除いた各種の有機
溶媒を用いることができる。
【0016】反応混合物からの目的生成物の分離精製
は、一般に蒸留、クロマトグラフィー、再結晶または再
沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容易
に達せられる。
【0017】また、本発明により提供される新規なポリ
シロキサン系ケイ素化合物は、下記の一般式(V)で表
わされるものである。 {[(−SiR−A−)(−SiR−)]−O−}[(−S iR−)r+s−O−] (V) (式中、R、Rは、前記式(II−a)中のものと
同じである。またAは2価の有機基を表わし、r、s、
t、uは、r≧1、s≧1、2≦r+s≦6、t≧1、
u≧0、t+u≧2の関係を満たす整数を表わす。)
【0018】一般式(V)中、Aはアルケニレン基、ジ
オキシアリーレン基等の2価の有機基で、Aがアルケニ
レン基、ジオキシアリーレン基である場合には、それら
はそれぞれ下記の一般式(VI−a)、(VI−b)で
表わされる。 −(R)C=C(R)− (VI−a) (式中、R、Rは、式(III−a)中のものと同
じである。) −O−R−O− (VI−b) (式中、Rは、環内炭素数20以下の芳香族炭化水素
化合物から、最短b個(b=0,2,4,または6)の
環内炭素原子で隔てた2個の環内炭素原子にそれぞれ結
合した2個の水素原子を取り除いて得られる2価の芳香
環基を表わす。Rの具体例としてはo−又はp−フェ
ニレン、1,2−又は1,4−ナフチレン、9,10−
フェナントリレン等が挙げられる。)
【0019】本発明のポリシロキサン系ケイ素化合物の
分子量は、通常500〜1000000、好ましくは2
000〜500000であるがこれに限定されるもので
はない。
【0020】本発明の方法によれば、ケイ素−ケイ素結
合を有するポリシロキサン化合物のケイ素−ケイ素結合
部位の一部あるいは全部を、1,2−ビスシロキシアル
ケン骨格あるいはビスシロキシ芳香環骨格等に変換する
ことができる。こうして得られた高分子ケイ素化合物
が、残存ケイ素−ケイ素結合や二重結合、各種の芳香環
等の感光性部位を有する場合、それらは溶液あるいは薄
膜状態で光照射により一般に分子量低下を起こす。した
がって、これらポリシロキサン系ケイ素化合物は、ポジ
型感光材料として利用できる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0022】実施例1 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
8mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.016
mmol、ポリ[オキシ(テトラメチルジシラニレ
ン)](重量平均分子量 1.6x10、分子量分布
指数(重量平均分子量/数平均分子量)2.8、1分子
当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数433個)52.
8mg(構成繰り返し単位当り0.40mmol)、フ
ェニルアセチレン 0.48mmol、およびベンゼン
0.1mlを窒素下、封管中120℃で2時間加熱し
た。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した後、ろ液を
減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−エタノールか
ら再沈殿させた結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ
素結合の55%にフェニルアセチレンが挿入した淡褐色
高粘性液体の高分子ケイ素化合物(オキシ(1,1,
4,4−テトラメチル−2または3−フェニル−1,4
−ジシラ−2−ブテニレン)およびオキシ(テトラメチ
ルジシラニレン)を構成繰り返し単位とし、それらの存
在比が55:45である共重合体型の高分子ケイ素化合
物)が59.0mg(構成繰り返し単位当り0.31m
mol、収率78%)得られた。
【0023】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.7x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.9 H−NMR(CDCl,TMS):δ −0.12
−0.41(m,HC−Si),6.18−6.42
(m,HC=),6.91−7.35(br m,ベン
ゼン環プロトン)ppm(−0.12−0.41のシグ
ナルと6.18−6.42のシグナルとの積分強度比は
21.8:1。) IR(KBr):1596 w, 1576 w, 1
544 w, 1490m, 1442 w, 140
4 w, 1292 w, 1254 s,1204
w, 1030 s, 924 m, 846 s,
822 s,780 s, 736 m, 698
s, 542 w, 476 m cm−1 UV(THF):λmax 255 nm
【0024】実施例2 フェニルアセチレン 0.48mmolのかわりに、
9,10−フェナントレンキノン 0.44mmolを
用いる他は、実施例1と同様に、反応、ろ過および濃縮
を行い、得られた褐色濃縮物をベンゼン−イソプロピル
アルコールから再沈殿させた結果、淡黄色固体の高分子
ケイ素化合物、ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)オキ
シ−9,10−フェナントリレンオキシ(ジメチルシリ
レン)]が57.7mg(構成繰り返し単位当り0.1
7mmol、収率42%)得られた。
【0025】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.5x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.3 H−NMR(CDCl,TMS):δ −0.05
(s,12H,HC−Si),7.27−7.49
(m,4H,フェナトレン環プロトン),8.03,
8.07,and8.52(それぞれs,4H,フェナ
ントレン環プロトン)ppm UV(THF):λmax 261, 302, 31
4 nm
【0026】実施例3 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
3mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルピシクロ[2.2.2]オクタン0.006
mmol、ポリ[オキシ(テトラメチルジシラニレ
ン)](重量平均分子量 1.6x10、分子量分布
指数(重量平均分子量/数平均分子量)2.8、1分子
当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数433個)66.
0mg(構成繰り返し単位当り0.50mmol)、
9,10−フェナントレンキノン 0.15mmol、
およびベンゼン0.1 mlを窒素下、封管中120℃
で1.5時間加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加え
ろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベン
ゼン−イソプロピルアルコールから再沈殿させた結果、
原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の27%に9,
10−フェナントレンキノンが挿入したゴム状灰色固体
の高分子ケイ素化合物(オキシ(ジメチルシリレン)オ
キシ−9,10−フェナントリレンオキシ(ジメチルシ
リレン)およびオキシ(テトラメチルジシラニレン)を
構成繰り返し単位とし、それらの存在比が27:73で
ある共重合体型の高分子ケイ素化合物)が53.8mg
(構成繰り返し単位当り0.29mmol、収率57
%)得られた。
【0027】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.8x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.9 H−NMR(CDCl,TMS):δ −0.07
−0.30(m,12H,HC−Si), 7.22
−7.63, 8.00−8.27, 8.41−8.
68(それぞれ m,8H,フェナントレン環プロト
ン)ppm(−0.07−0.30のシグナルと8.4
1−8.68のシグナルとの積分強度比は22.0:
1。) IR(KBr):1618 m, 1602 m, 1
494 m, 1454m, 1344 m, 125
2 s, 1062 s, 1034 s,930
m, 842 s, 810 s, 770 s, 7
58 s, 726m cm−1 UV(THF):λmax 264, 304, 31
6 nm
【0028】実施例4 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
3mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.006
mmolのかわりにジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム0.003mmol、9,10−フェ
ナントレンキノン 0.15mmolのかわりに1,4
−ベンゾキノン 0.15mmolをそれぞれ用いる他
は、実施例3と同様に、反応、ろ過および濃縮を行い、
得られた褐色濃縮物をベンゼン−メチルアルコールから
再沈殿させた結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素
結合の28%に1,4−ベンゾキノンが挿入した淡褐色
高粘性液体の高分子ケイ素化合物(オキシ(ジメチルシ
リレン)オキシ−p−フェニレンオキシ(ジメチルシリ
レン)およびオキシ(テトラメチルジシラニレン)を構
成繰り返し単位とし、それらの存在比が28:72であ
る共重合体型の高分子ケイ素化合物)が66.7mg
(構成繰り返し単位当り0.41mmol、収率82
%)得られた。
【0029】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.8x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.4 H−NMR(CDCl,TMS):δ 0.04−
0.31(m,12H,HC−Si), 6.69−
6.74(m,4H,ベンゼン環プロトン)ppm
(0.04−0.31のシグナルと6.69−6.74
のシグナルとの積分強度比は10.9:1。) IR(neat):1503 s, 1402 m,
1250 s, 1050 s, 930 s, 83
6 m, 800 s, 766 s, 680m,
642 m, 520 w cm−1 UV(THF):λmax 290 nm
【0030】実施例5 実施例3で得られた高分子ケイ素化合物のベンゼン溶液
(3mg/1ml)に低圧水銀灯(30W)で紫外光を
照射したところ、高分子ケイ素化合物の重量平均分子量
は、未照射時の1.8x10から、100分照射後の
10、300分照射後の10に順次低下することが
わかった。
【0031】実施例6 熱時間を1.5時間から40分にする他は、実施例3
と同様に反応を行なった。褐色反応溶液にベンゼンを加
え、フロリジルカラムを通した。無色の流出液を減圧下
濃縮すると、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の
22%に9,10−フェナントレンキノンが挿入したゴ
ム状淡灰色固体の高分子ケイ素化合物(オキシ(ジメチ
ルシリレン)オキシ−9,10−フェナントリレンオキ
シ(ジメチルシリレン)およびオキシ(テトラメチルジ
シラニレン)を構成繰り返し単位とし、それらの存在比
が22:78である共重合体型の高分子ケイ素化合物)
が88.5mg(構成繰り返し単位当り0.50mmo
l、収率100%)得られた。この高分子ケイ素化合物
の物性値およびスペクトルデータ等は以下の通りであっ
た。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.8x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.4 H=NMR(CDCl,TMS):δ −0.09
−0.37(m,HC−Si), 7.11−7.6
8, 8.02−8.31, および 8.45−8.
72(それぞれ m,フェナントレン環プロトン)pp
m(−0.09−0.37のシグナルと8.45−8.
72のシグナルとの積分強度比は12.2:1。)13 C−NMR(CDCl,TMS):δ −0.
2, 0.4,1.4,および 2.0(C−Si),
122.2, 123.1, 123.4,124.
8, 126.2, 127.6, 129.5, 1
29.8, 136.4, および 136.7(フェ
ナントレン環炭素)ppm IR(neat):1620 m, 1603 m,
1493 m, 1456 m, 1425 m, 1
404 m, 1375 m, 1357 m,134
2 m, 1251 s, 1183 m, 1116
m, 1036s, 932 m, 843 s,
804 s, 766 s, 725m,681 m,
646 m cm−1 UV(THF):λmax(ε(構成繰り返し単位当
り)) 257(1.2x10), 273 (4.
0x10), 297(2.6x10), 309
(2.9x10) nm 元素分析 測定値 C 47.45%, H 7.85% 計算値 C 47.74%, H 7.79%
【0032】実施例7 ジクロロビス(トリフェニル ホスフィン)パラジウム
0.003mmol、ポリ[オキシ(テトラメチルジシ
ラニレン)](重量平均分子量 1.6x10、分子
量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量)2.8、
1分子当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数433個)
66.0mg(構成繰り返し単位当り0.5mmo
l)、1,4−ベンゾキノン 0.15mmol、およ
びベンゼン0.1mlを窒素下、封管中120℃で40
分加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加え、フロリジ
ルカラムを通した。淡黄色の流出液を減圧下濃縮する
と、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の22%に
1,4−ベンゾキノンが挿入した淡褐色高粘性液体の高
分子ケイ素化合物(オキシ(ジメチルシリレン)オキシ
−p−フェニレンオキシ(ジメチルシリレン)およびオ
キシ(テトラメチルジシラニレン)を構成繰り返し単位
とし、それらの存在比が22:78である共重合体型の
高分子ケイ素化合物)が53.7mg(構成繰り返し単
位当り0.34mmol、収率69%)得られた。この
高分子ケイ素化合物の物性値およびスペクトルデータ等
は以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準 :2.5x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.5 H−NMR(CDCl,TMS):δ 0.11−
0.24(m,HC−Si), 6.72(br
s,ベンゼン環プロトン)ppm(0.11−0.24
のシグナルと6.72のシグナルとの積分強度比は1
3.6:1。) 13C−NMR(CDCl,TM
S):δ −0.7,−0.3, 1.5,および
2.0(C−Si), 120.36, 120.4
2, 148.6, 148.9, および 149.
1(ベンゼン環炭素)ppm IR(neat):1506 s, 1404 m,
1251 s, 1054 s, 932 s, 83
5 s, 816 s, 799 s, 766s,
681 m, 646 m cm−1 UV(THF):λmax(ε(構成繰り返し単位当
り)) 283(5.2x10) nm 元素分析 測定値 C 40.74%, H 8.05% 計算値 C 40 94%, H 8.32%
【0033】実施例8 ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
0.0 03mmolのかわりにジクロロビス(トリエチ
ルホスフィン)パラジウム 0.003mmolを用
い、加熱時間を40分から15分とする他は、実施例7
と同様に、反応および後処理を行なった結果、原料ケイ
素化合物のケイ素−ケイ素結合の22%に1,4−ベン
ゾキノンが挿入した淡黄色高粘性液体の高分子ケイ素化
合物(オキシ(ジメチルシリレン)オキシ−p−フェニ
レンオキシ(ジメチルシリレン)およびオキシ(テトラ
メチルジシラニレン)を構成繰り返し単位とし、それら
の存在比が22:78である共重合体型の高分子ケイ素
化合物)が51.8mg(構成繰り返し単位当り0.3
3mmol、収率66%)得られた。この高分子ケイ素
化合物の物性値およびスペクトルデータは以下の通りで
あった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.1x1
分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.2 H−NMR(CDCl,TMS):δ 0.02−
0.31(m,HC−Si), 6.73(br
s,ベンゼン環プロトン)ppm(0.02−0.31
のシグナルと6.73のシグナルとの積分強度比は1
3.5:1。) IR(neat):1506 s, 1404 m,
1251 s, 1054 s, 932 s, 83
5 s, 801 s, 768 s, 683m,
646 m cm−1 UV(THF) :λmax(ε(構成繰り返し単位当
り)) 285(4.4x10) nm
【0034】
【発明の効果】本発明の方法により、アセチレン類ある
いはキノン類等の入手容易な不飽和有機化合物、および
少なくとも一つのケイ素−ケイ素結合を有するポリシロ
キサン化合物から、1,2−ビスシリルアルケン骨格あ
るいはビスシロキシ芳香環骨格等の有機基を有するポリ
シロキサン系ケイ素化合物を、簡単な操作で効率よく製
造でき、またそれらの分離、精製も容易である。また、
本発明により、1,2−ビスシリルアルケン骨格あるい
はビスシロキシ芳香環骨格等で主鎖が修飾された新規な
ポリシロキサン系ケイ素化合物、およびそれを用いた新
規な感光性材料が提供される。したがって、本発明の工
業的意義は多大である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム触媒存在下、少なくとも一つ
    のケイ素−ケイ素結合を有するポリシロキサン化合物の
    ケイ素−ケイ素結合の少なくとも一つに、不飽和有機化
    合物を挿入させ一般式 【化1】 (式中、Aは2価の有機基を表わし、m、nは、m≧
    1、n≧1、2≦m+n≦6の関係を満たす整数を表わ
    す。)で表わされる骨格を有する化合物を得ることを特
    徴とするポリシロキサン系ケイ素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つのケイ素−ケイ素結合を
    有するポリシロキサン化合物が、一般式 [(−SiR12 −)m+n −O−]p (II−a) (式中、R1 、R2 は、アルキル基、アリール基、アラ
    ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、アラルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、もしく
    はハロゲン原子の中から選ばれる互いに同一もしくは相
    異なる1価の基を表わし、m、n、pは、2≦m+n≦
    6、p≧2の関係を満たす整数を表わす。)で表わされ
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 不飽和有機化合物が、一般式 R3 C≡CR4 (III−a) (式中、R3 、R4 は、水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シロ
    キシアルキル基、アルコキシカルボニル基、もしくはシ
    リル基の中から選ばれる互いに同一もしくは相異なる1
    価の基を表わす。)で表わされるアセチレン類であり、
    2価の有機基Aが、一般式 −(R3 )C=C(R4 )− (IV−a) (式中、R3 およびR4 は前記式(III−a)中のものと
    同じ。)で表わされることを特徴とする請求項1または
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 不飽和有機化合物が、環内炭素数が20
    以下の芳香族化合物を母体化合物とし、一般式 【化2】 (式中、aは0以上3以下の整数を表わす。)で表わさ
    れる骨格を有するキノン類であり、2価の有機基Aが、
    一般式 −O−R5 −O− (IV−b) (式中、R5 は、環内炭素数20以下の芳香族炭化水素
    化合物から、最短b個(b=0,2,4,または6)の
    環内炭素原子で隔てた2個の環内炭素原子にそれぞれ結
    合した2個の水素原子を取り除いて得られる2価の芳香
    環基を表わす。)で表わされるジオキシアリーレン基で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 一般式 {[(-SiR1R2-A-)r(-SiR1R2-)s]-O-}t [(-SiR1R2- )r+s-O-]u (V) (式中、R1 、R2 は、アルキル基、アリール基、アラ
    ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基、アラルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、もしく
    はハロゲン原子の中から選ばれる互いに同一もしくは相
    異なる1価の基を表わし、Aは2価の有機基を表わし、
    r、s、t、uは、r≧1、s≧1、2≦r+s≦6、
    t≧1、u≧0、t+u≧2の関係を満たす整数を表わ
    す。)で表わされることを特徴とするポリシロキサン系
    ケイ素化合物。
  6. 【請求項6】 2価の有機基Aが、一般式 −(R3 )C=C(R4 )− (VI−a) (式中、R3 、R4 は、水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シロ
    キシアルキル基、アルコキシカルボニル基、もしくはシ
    リル基の中から選ばれる互いに同一もしくは相異なる1
    価の基を表わす。)で表わされるアルケニレン基である
    ことを特徴とする請求項5のポリシロキサン系ケイ素化
    合物。
  7. 【請求項7】 2価の有機基Aが、一般式 −O−R5 −O− (VI−b) (式中、R5 は、環内炭素数20以下の芳香族炭化水素
    化合物から、最短b個(b=0,2,4,または6)の
    環内炭素原子で隔てた2個の環内炭素原子にそれぞれ結
    合した2個の水素原子を取り除いて得られる2価の芳香
    環基を表わす。)で表わされるジオキシアリーレン基で
    あることを特徴とする請求項5のポリシロキサン系ケイ
    素化合物。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7に記載されたポリシロキサ
    ン系ケイ素化合物を有することを特徴とする感光性材
    料。
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WO2000020927A1 (fr) * 1998-10-05 2000-04-13 Tonen General Sekiyu K.K. Composition de polysilazane photosensible et procede de formation d'une couche mince de polysilazane a motif
JP2000129211A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Shin Etsu Chem Co Ltd 金属パターン用被膜形成用ポリシラン組成物及び金属パターン形成方法
KR100737593B1 (ko) * 1999-04-21 2007-07-10 인피니언 테크놀로지스 노쓰 아메리카 코포레이션 싱글 엔드 신호를 차동 신호로 변환하기 위한 시스템 및방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01287138A (ja) * 1988-01-04 1989-11-17 Dow Corning Corp ビスシリル置換ヘテロ環式化合物から誘導されたオルガノポリシロキサン

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