JP2976009B2 - ビスシロキシ化合物、その製造方法、およびそれを用いた感光性または耐熱性材料 - Google Patents

ビスシロキシ化合物、その製造方法、およびそれを用いた感光性または耐熱性材料

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JP2976009B2
JP2976009B2 JP4266628A JP26662892A JP2976009B2 JP 2976009 B2 JP2976009 B2 JP 2976009B2 JP 4266628 A JP4266628 A JP 4266628A JP 26662892 A JP26662892 A JP 26662892A JP 2976009 B2 JP2976009 B2 JP 2976009B2
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正人 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素−ケイ素結合を
有するケイ素化合物と、キノン類または1,2−ジケト
ン類との反応による、ビスシロキシ化合物の効率的製造
方法、それにより得られる新規なケイ素化合物、および
れを用いる感光性または耐熱性材料に関するものであ
る。
【0002】本発明により提供される低分子のビスシ
シ芳香族化合物および1,2−ビスシロキシアルケン
類は医・農薬製造における中間体または精密合成用試剤
として有用である。
【0003】一方、本発明の方法により、ケイ素−ケイ
素結合を有する各種の高分子ケイ素化合物に、それぞれ
特徴的な吸収波長を有する種々の芳香環を適当量制御性
よく導入できるので、本発明により提供される高分子ケ
イ素化合物は、新規な感光性材料としての利用が見込ま
れる。また、本発明により提供される高分子ケイ素化合
物は、熱的に安定なシロキサン結合、芳香環等を有して
いることから、耐熱材料、エンジニアリングプラスチッ
ク用材料等としての用途も期待できる。
【0004】
【従来の技術】従来、ビスシロキシ芳香族化合物または
1,2−ビスシロキシアルケン類の製造法としては、
(1)アルカリ金属またはマグネシウム存在下での、キ
ノン類、1,2−ジケトン類、またはジエステル類とク
ロロシランとの反応、(2)キノン類とビスシリル水銀
との反応、(3)ロジウム触媒存在下でのキノン類とヒ
ドロシランとの反応、(4)ヨウ素またはパラジウム触
媒存在下でのキノン類と特定のジシラン化合物との反
応、が主に知られていたが、それぞれに問題点を有して
いた。たとえば、(1)の方法では、アルカリ金属やマ
グネシウムの反応性が高いため、キノン類や1,2−ジ
ケトン類の置換基の種類が限定され、またアルカリ金属
を使用する場合には操作上の危険を伴った。次の(2)
の方法では、製造が困難で毒性の高い水銀化合物を用い
るという問題があり、また(3)の方法では、入手が容
易でないトリメチルシランを理論量の2.5倍も使用す
る例が知られているだけだった。最後の(4)の方法と
しては、(a)ヨウ素触媒存在下でのヘキサメチルジシ
ランとp−キノン類との反応、(b)パラジウム−トリ
フェニルホスフィン触媒存在下での1,2−ジフルオロ
テトラメチルジシランとp−ベンゾキノンとの反応が知
られていた。しかし、(a)の方法では、腐食性が高い
ヨウ素を使用しなければならず、工業的に有利な方法と
は言えなかった。また、(b)の方法では、入手が容易
でない1,2−ジフルオロテトラメチルジシランの例が
知られているだけで、ケイ素上にフッ素原子のような強
い電子吸引性置換基を有しない鎖状ジシランでは、アセ
チレンとの類似の反応における反応性が一般にきわめて
低いことなどから、フッ素原子を有しないジシラン類と
キノン類との反応はまったく検討されていなかった。
【0005】一方、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素
化合物と1,2−ジケトン類から、1,2−ビスシロキ
シアルケン類を製造する反応はまったく例がなく、ま
た、ケイ素−ケイ素結合を複数個有するポリシランまた
ポリカルボシランのケイ素−ケイ素結合に、キノン類
または1,2−ジケトン類を挿入させ、ビスシロキシ芳
環または1,2−ビスシロキシアルケンを含有する高
分子ケイ素化合物を製造した例もまったくなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
法の問題点を克服し、ケイ素−ケイ素結合を有する入手
容易なケイ素化合物に対して、キノン類または1,2−
ジケトン類を反応させて、ビスシロキシ化合物を効率的
に製造する方法、それにより得られる新規なケイ素化合
物、およびそれを用いた新規な感光性または耐熱性材料
を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の配位子を有
するパラジウムまたは白金触媒存在下、ケイ素−ケイ素
結合を有するケイ素化合物が、ケイ素上の置換基として
アルキル基やアリール基等のみを有する場合でも、それ
らとキノン類との反応が速やかに進行しビスシロキシ芳
香族化合物が高収率で得られるという予想外の事実を見
いだすとともに、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素化
合物が1,2−ジケトン類と反応し、1,2−ビスシ
シアルケン類が収率よく得られるという新規な事実を
見いだし、それらに基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0008】本発明によれば、パラジウムまたは白金触
媒存在下、ケイ素−ケイ素結合を有する入手容易なケイ
素化合物を、キノン類または1,2−ジケトン類と、反
応させることを特徴とする、ビスシロキシ芳香族化合物
または1,2−ビスシロキシアルケン化合物の効率的製
造方法、それにより得られる新規なケイ素化合物、およ
びそれを用いた新規な感光性または耐熱性材料が提供さ
れる。
【0009】本発明において原料として用いられる少な
くとも1つのケイ素−ケイ素結合を有するケイ素化合物
は、下記の一般式(−a)または(II−)で表さ
れるケイ素化合物である。
【0010】
【化20】
【0011】
【化21】
【0012】(式中、 1 2 、R3 、R4 、R5
6 、R 11、R12、R13 及びR 14 は、アルキル基または
アリール基から選ばれる互いに同一または相異なる1価
の基を表わし、R 15 は脂肪族炭化水素基または芳香族炭
化水素基から選ばれる2価の有機基を表わし、シリレン
基側の末端基は、水素原子基、アルキル基またはアリー
ル基であり、2価の有機基側の末端基はシリル基または
水素原子であり、nは2以上の整数を表わす。)
【0013】 これら式中の、 1 2 、R3 、R4
5 、R 6 、R 11、R12、R13 及びR 14 を例示すれば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、また、R 15
を例示すれば、エチレン基、p−フェニレン基、m−フ
ェニレン基、1,4−ナフチレン基、ビニレン基、エチ
ニレン基等が挙げられる。それらの置換基等を有する一
般式(I−a)または(II−)で表わされるジシラ
、ポリカルボシランを例示すれば、ヘキサメチルジシ
ラン、ヘキサエチルジシラン、1,2−ジフェニル−
1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメ
チル−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,
1,1−トリメチル−2,2,2−トリフェニルジシラ
ン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラメチル
ジシラン、ポリ[(テトラメチルジシラニレン)エチレ
ン]、ポリ[(1,2−ジメチル−1,2−ジフェニル
ジシラニレン)エチレン]、ポリ[p−(1,2−ジメ
チル−1,2−ジフェニルジシラニレン)フェニレ
ン]、ポリ[m−(1,2−ジメチル−1,2−ジフェ
ニルジシラニレン)フェニレン]、ポリ[p−(1,2
−ジエチル−1,2−ジメチルジシラニレン)フェニレ
ン]、ポリ[p−(テトラメチルジシラニレン)フェニ
レン]、ポリ[(1,2−ジエチル−1,2−ジメチル
ジシラニレン)−1,4−ナフチレン]、ポリ[(1,
2−ジメチル−1,2−ジフェニルジシラニレン)ビニ
レン]、ポリ[(1,2−ジメチル−1,2−ジフェニ
ルジシラニレン)エチニレン]等を挙げることができ
る。
【0014】 一方、本発明において用いられるキノン類
は、環内の炭素数が20以下の芳香族炭化水素化合物
あり、一般式
【0015】
【化22】
【0016】(式中、bは0以上3以下の整数を表わ
す。)で表わされる骨格を有するキノン類であり、好ま
しくはo−もしくはp−フェニレン基、1,2−もしく
は1,4−ナフチレン基、9,10−アントリレン基ま
たは9,10−フェナントリレン基から選ばれる2価の
芳香環基を有するキノン類である。これらキノン類は、
環上の水素原子が、炭化水素基、塩素原子、含酸素基、
含窒素基、または含硫黄基等の1価の基で置換されてい
ても差し支えない。それらキノン類を例示すれば、o
またはp−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−p−ベン
ゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾ
キノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキ
ノン、2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノ
ン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾ
キノン、2−メトキシ−p−ベンゾキノン、1,2
たは1,4−ナフトキノン、1,2−ナフトキノン−4
−スルホニルクロリド、1,2または1,4または
9,10−アントラキノン、9,10−フェナントレン
キノン、1,6−ピレンキノン、3,10−ペリレンキ
ノン等が挙げられる。
【0017】 また、本発明において用いられる1,2−
ジケトン類は、一般式
【0018】
【化23】
【0019】(式中、R 20 は、脂肪族炭化水素もしくは
芳香族炭化水素から選ばれる化合物から2個の水素原子
を取り除いて得られる2価の有機基を表わす。)また
、一般式
【0020】
【化24】
【0021】(式中、R 21 、R 22 はアルキル基または
リール基から選ばれる互いに同一または相異なる1価の
基を表わす。)で表わされるジケトン類であり、一般式
(IV−a)で示したものを例示すれば、1,2−シク
ロヘキサンジオン、アセナフテンキノン、1,2−イン
ダンジオン、2,3−インドリンジオン、7,8−キノ
リンジオン、カンファーキノン等が挙げられ、一般式
(IV−b)で示したものを例示すればジフェニルジケ
トン、ジ(p−クロロフェニル)ジケトン、ジ(p−メ
チルフェニル)ジケトン、メチルフェニルジケトン等が
挙げられる。
【0022】 反応に供されるキノン類または1,2−ジ
ケトン類の量は、原料ケイ素化合物におけるケイ素−ケ
イ素結合の数をmとし、生成物におけるビスシロキシ芳
香環骨格または1,2−ビスシロキシアルケン骨格の数
をnとすると、所望のn/m比に応じて任意に選ぶこと
ができるが、原料ケイ素化合物に対するモル比は1/m
以上、通常は1/mから10である。
【0023】 本発明において用いられるパラジウム、白
金触媒としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、金属
または担持金属パラジウム触媒、白金錯体、白金塩、金
属または担持金属白金触媒等、従来公知のものを含む各
種のものが使用できる。それらのうちパラジウム触媒の
具体例を示すと、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラ
ジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、
ジ−μ−クロロビス(π- アリル)二パラジウム、ジク
ロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジク
ロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジヨー
ドビス(ジエチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ジブ
ロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]
パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィ
ン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、活
性炭担持パラジウム等が挙げられる。また、白金触媒の
具体例を示すと、ビス(ジベンジリデンアセトン)白
金、ビス(η−1,5−シクロオクタジエン)白金、ジ
クロロビス(ベンゾニトリル)白金、トリクロロ(η−
エチレン)白金(II)酸カリウム、(η−エチレン)
ビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジカルボニルビ
ス(トリフェニルホスフィン)白金、テトラキス(トリ
フェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリエチル
ホスフィン)白金、クロロヒドリドビス(メチルジフェ
ニルホスフィン)白金、塩化白金(II)、活性炭担持
白金等が挙げられる。
【0024】 これらの錯体、塩等は、2種以上同時に用
いたり、上記例示した金属錯体に含まれる配位子や1−
ホスファ−2,6,7−トリオキサ−4−エチルビシク
ロ[2.2.2]オクタンやトリメチルホスファイト、
トリフェニルホスファイト等の配位子と共存させて使用
することもできる。パラジウム、白金触媒のケイ素化合
物またはジカルボニル化合物に対するモル比は、任意に
選ぶことができるが、通常、0.00001〜0.5の
範囲である。
【0025】 本発明の反応は、0℃以上、好ましくは2
0〜200℃の反応温度で実施される。また、本発明の
方法は溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用
いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエーテル等の
エーテル系溶媒の他、原料のケイ素化合物、および、キ
ノン類またはジケトン類と反応するものを除いた各種の
有機溶媒を用いることができる。
【0026】 反応混合物からの目的生成物の分離精製
は、一般に蒸留、クロマトグラフィー、再結晶または再
沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容易
に達せられる。
【0027】トリアルキルホスフィンまたはホスファイ
トを配位子として用いた、パラジウム触媒または白金触
媒存在下で、本発明の方法によってジシランとキノンと
の反応で得られるビスシロキシ化合物は、下記の一般式
(I−b)で表わされるものである。
【0028】
【化25】
【0029】(式中、R〜R、メチル基またはフ
ェニル基から選ばれる互いに同一または相異なる1価の
基を表わし、Dは下記の一般式(I−c)で示される2
価の有機基を表わす。
【0030】
【化26】
【0031】(式中、Rは、o−もしくはp−フェニ
レン基、1,2−もしくは1,4−ナフチレン基、9,
10−アントリレン基または9,10−フェナントリレ
ン基から選ばれる骨格をもつ2価の芳香環基を表わ
す。)
【0032】一方、パラジウム触媒または白金触媒存在
下で、本発明の方法によって得られる一般式(I−b)
以外のビスシロキシ化合物は、下記の一般式(I−d)
または(II−b)で表わされるものである。
【0033】
【化27】
【0034】
【化28】
【0035】(式中、R〜R はアルキル基またはア
リール基から選ばれる互いに同一または相異なる1価の
基を表わし、R11〜R15は前記と同じ意味をもち、
c、dはc≧1、d≧0、c+d≧2の関係を満たす整
数を表わし、一般式(II−b)におけるシリレン基側
の末端基は、水素原子、アルキル基またはアリール基で
あり、2価の有機基側の末端基はシリル基または水素原
子である。また、Qは下記の一般式(I−e)または
(I−f)から選ばれる2価の有機基を表わし、Zは下
記の一般式(II−c)、(II−d)または(II−
e)から選ばれる2価の有機基を表わす。
【0036】
【化29】
【0037】
【化30】
【0038】
【化31】
【0039】
【化32】
【0040】
【化33】
【0041】(式中、R 16 は、環内の炭素数が20以下
の芳香族炭化水素化合物から、最短a個(a=0または
2)の環内炭素原子で隔てた位置の2個の環内炭素原子
にそれぞれ結合した2個の水素原子を取り除いて得られ
る2価の芳香環基を表わし、R 8 、R 17 は、脂肪族炭化
水素または芳香族炭化水素から2個の水素原子を取り除
いて得られる2価の有機基を表わし、R 9 、R 10
18 、R 19 はアルキル基またはアリール基の中から選ば
れる同一または相異なる1価の基を表わす。))
【0042】 一方、本発明により提供される、ビスシロ
キシ化合物のうち新規なものは、下記の一般式(V)で
表わされるものである。
【0043】
【化34】
【0044】(式中、R23、R24、R25、R26
は、メチル基またはフェニル基から選ばれる互いに同一
または相異なる1価の基を表わし、R27エチレン基
またはフェニレン基から選ばれる2価の基を表わし、
r、sはr≧1、s≧10の関係を満たす整数を表わ
し、Aは下記の一般式(VI−a)または(VI−c)
の中から選ばれる2価の有機基を表わし、シリレン基
の末端基は、水素原子、アルキル基またはアリール基で
あり、2価の有機基の末端基はシリル基または水素原
子である。
【0045】
【化35】
【0046】
【0047】
【化37】
【0048】(式中、R28は、p−フェニレン基また
は9,10−フェナントリレン基を表わし、R 30、R
31フェニル基を表わす。))
【0049】 本発明の方法によれば、ケイ素−ケイ素結
合を有する高分子ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合部
位の一部または全部をビスシロキシ芳香環または1,2
−ビスシロキシアルケンに変換することができる。こう
して得られた高分子ケイ素化合物は、ケイ素化合物が残
存ケイ素−ケイ素結合や各種の芳香環等の感光性部位を
有する場合には、溶液または薄膜状態で光照射により一
般に分子量低下を起こす。したがって、これら高分子ケ
イ素化合物は、ポジ型感光材料として利用できる。ま
た、本発明により提供されるシロキサン結合や芳香環を
有する高分子ケイ素化合物は、熱重量測定において比較
的高い耐熱性(低い重量減少率)を示すことから、耐熱
性材料にも応用できる。
【0050】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0051】参考 例1 ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
0.008mmol、ヘキサメチルジシラン 0.44
mmol、p−ベンゾキノン 0.40mmolを窒素
下、封管中120℃で1時間加熱した。ガスクロマトグ
ラフィーで生成物を分析した結果、1,4−ビス(トリ
メチルシロキシ)ベンゼンが、仕込のp−ベンゾキノン
に対して定量的な収率で生成したことがわかった。
【0052】参考 例2参考 例1と同様に反応を行い、反応混合物を減圧下濃縮
後、クーゲルロアで蒸留することにより、1,4−ビス
(トリメチルシロキシ)ベンゼンを0.38mmol
(仕込のp−ベンゾキノンに対して収率95%)得た。
【0053】実施例1〜及び参考例3〜11 参考例1または2と同様に、ヘキサメチルジシランと種
々のジカルボニル化合物との反応を行なった結果を表1
及び表2に示す。
【0054】
【表1】
【表2】
【0055】実施例 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
24mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロロ[2.2.2]オクタン 0.
0048mmol、ポリ[p−(1,2−ジメチル−
1,2−ジフェニルジシラニレン)フェニレン](重量
平均分子量 4.8×10、分子量分布指数(重量平
均分子量/数平均分子量) 2.7、1分子当りのケイ
素−ケイ素結合の平均個数 56) 63.3mg
(構成繰り返し単位当り0.20mmol)、9,10
−フェナントレンキノン 0.06mmol、およびベ
ンゼン0.1mlを窒素下、封管中120℃で3時間加
熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した後、ろ
液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イソプロ
ピルアルコールから再沈殿させた結果、原料ケイ素化合
物のケイ素−ケイ素結合の29%に9,10−フェナン
トレンキノンが挿入した淡褐色固体の高分子ケイ素化合
物((メチルフェニルシリレン)オキシ−9,10−フ
ェナントリレンオキシ(メチルフェニルシリレン)−p
−フェニレンおよびp−(1,2−ジメチル−1,2−
ジフェニルジシラニレン)フェニレンを構成繰り返し単
位とし、それらの存在比が29:71である共重合体型
の高分子ケイ素化合物)が65.1mg(構成繰り返し
単位当り0.17mmol、収率86%)得られた。
【0056】 この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 軟化点:145〜155℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):5.8×104 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):2.51 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.39−
0.87(br m,H3C−Si), 7.02−7.
75(br m,ベンゼン環およびフェナントレン環プ
ロトン), 7.75−7.90 および 8.34−
8.57(それぞれ br m,フェナントレン環プロ
トン) ppm(0.39−0.87のシグナルと8.
34−8.57のシグナルとの積分強度比は10.3:
1。)IR(KBr):1600 m, 1496 m,
1454 m, 1430s, 1374 m, 1
340 m, 1248 m, 1178 m,111
4 s, 1066 m, 1038 m, 928
m, 840 m, 784 s, 772 s, 7
58 s, 736 s, 696 s,500 s
cm-1 UV(THF):λmax 264, 306, 318
nm
【0057】実施例 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
36mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロロ[2.2.2]オクタン 0.
0072mmol、ポリ[(テトラメチルジシラニレ
ン)エチレン](重量平均分子量 2.5×10、分
子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量) 2.
3、1分子当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数 76
0) 43.2mg (構成繰り返し単位当り0.30
mmol)、9,10−フェナントレンキノン 0.0
9mmol、およびベンゼン 0.1mlを窒素下、封
管中120℃で3時間加熱した。褐色反応溶液にベンゼ
ンを加えろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮
物をベンゼン−イソプロピルアルコールから再沈殿させ
た結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の30
%に9,10−フェナントレンキノンが挿入した灰色ゴ
ム状固体の高分子ケイ素化合物((ジメチルシリレン)
オキシ−9,10−フェナントリレンオキシ(ジメチル
シリレン)エチレンおよび(テトラメチルジシラニレ
ン)エチレンを構成繰り返し単位とし、それらの存在比
が30:70である共重合体型の高分子ケイ素化合物)
が49.6mg(構成繰り返し単位当り0.24mmo
l、収率80%)得られた。
【0058】 この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.2×105 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):3.01 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −0.22
−0.34(m,H3 C−Si), 0.34−0.5
6(m,−CH2 CH2 −Si−Si−), 0.56
−0.81(m,−CH2 CH2 −Si−O−),
7.39−7.65, 7.91−8.16,および
8.46−8.68(それぞれ br m,フェナント
レン環プロトン) ppm(0.34−0.56のシグ
ナルと0.56−0.81のシグナルとの積分強度比は
2.30:1。) IR(KBr):1602 m, 1496 m, 1
454 m, 1424m, 1410 m, 137
6 m, 1360 m, 1346 m,1256
s, 1066 m, 1038 m, 930 m,
834 s, 788 s, 760 s, 728
s, 700 m, 610 mcm-1 UV(THF):λmax 265, 307, 319
nm
【0059】実施例10 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.003
6mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2,2,2]オクタン0.007
2mmolのかわりにジクロロビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム0.0036mmolを用い、9,
10−フェナントレンキノン 0.09mmolのかわ
りにp−ベンゾキノン 0.09mmolを用いる他は
実施例と同様に反応、ろ過および再沈殿を行なった結
果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の25%に
p−ベンゾキノンが挿入した灰色固体の高分子ケイ素化
合物((ジメチルシリレン)オキシ−p−フェニレンオ
キシ(ジメチルシリレン)エチレンおよび(テトラメチ
ルジシラニレン)エチレンを構成繰り返し単位とし、そ
れらの存在比が25:75である共重合体型の高分子ケ
イ素化合物)が15.6mg(構成繰り返し単位当り
0.091mmol、収率30%)得られた。
【0060】 この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.8×104 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):3.61 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.10
(s,H3 C−Si−Si−), 0.19(s,H3
C−Si−O−), 0.45−0.70(m,−CH
2 CH2 −Si−O−), 0.48(s, −CH2
CH2 −Si−Si−), 6.67(s,ベンゼン環
プロトン) ppm(0.10のシグナルと0.19の
シグナルとの積分強度比は3.06:1。)IR(KB
r):1508 m, 1406 w, 1240
s, 1132m, 1158 m, 914 m,
834 s, 780 s, 720m, 694
m, 608 m, 524 w cm-1UV(TH
F):λmax 294 nm
【0061】実施例11 実施例で得られた高分子ケイ素化合物のベンゼン溶液
(3mg/1ml)を石英セルに入れ、15cm離れた
位置から低圧水銀灯(30W)により紫外光を照射した
ところ、高分子ケイ素化合物の重量平均分子量は、未照
射時の5.8×10から、10分照射後の3.8×1
、40分照射後の3.1×10に順次低下するこ
とがわかった。
【0062】実施例12 実施例で得られた高分子ケイ素化合物の熱重量測定を
ヘリウム気流中(50ml/分)、10度/分の昇温速
度で行なったところ、440℃までの重量減少率は2%
で、この高分子ケイ素化合物は高い耐熱性を有すること
がわかった。
【0063】実施例1331及び参考例12 参考例1と同様に、ジシラン類と種々のジカルボニル化
合物との反応を行なった結果を表3、表4及び表5に示
す。
【0064】
【表3】
【表4】
【表5】
【0065】実施例32 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
24mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.00
48mmolのかわりに、ビス(ジベンジリデンアセト
ン)パラジウム 0.004mmol、1−ホスファ−
2,6,7,トリオキサ−4−エチルビシクロ[2.
2.2]オクタン 0.008mmolを用い、9,1
0−フェナントレンキノン 0.06mmolのかわり
に、9,10−フェナントレンキノン 0.21mmo
lを用いる他は、実施例と同様に反応、ろ過および再
沈殿を行なった結果、ポリ[(メチルフェニルシリレ
ン)オキシ−9,10−フェナントリレンオキシ(メチ
ルフェニルシリレン)−p−フェニレン]が94.5m
g(構成繰り返し単位当り0.18mmol、収率90
%)得られた。
【0066】 この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータ等は以下の通りであった。 軟化点:177〜195℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):5.8×104 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):3.01 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.47
(br s,6H,H3 C−Si), 7.03−7.
63(m,18H,ベンゼン環およびフェナントレン環
プロトン), 7.73−7.95 および 8.37
−8.60(それぞれ m,4H,フェナントレン環プ
ロトン) ppm13 C−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −2.3
および −2.2(2C,C−Si), 122.1
(2C), 123.3(2C), 124.8(2
C), 125.8(2C), 127.6(4C),
128.3(2C), 129.2(2C), 12
9.8(2C), 133.7(4C), 134.6
(4C), 135.2(2C), 137.0(2
C), 137.4(2C) ppm IR(KBr):1600 m, 1492 m, 1
450 m, 1426s, 1370 m, 134
0 m, 1256 m, 1178 m,1136
s, 1114 s, 1064 m, 1034
m, 924m, 840 m, 784 s, 75
6 s, 736 m, 724m,698 m, 5
16 m cm-1 UV(THF):λmax (ε(構成繰り返し単位当
り)) 259(5.4×104 ), 273(2.3
×104 ), 299(1.4×104 ), 312
(1.4×104 ),348(1.5×103 ),36
5(1.6×103 )nm 元素分析 測定値 C 77.25%,H 5.31% 計算値 C 77.82%,H 5.38%
【0067】実施例33 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
4mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.008
mmol、ポリ[(テトラメチルジシラニレン)エチレ
ン](重量平均分子量 2.5×10、分子量分布指
数(重量平均分子量/数平均分子量)2.3、1分子当
りのケイ素−ケイ素結合の平均個数 760) 28.
8mg(構成繰り返し単位当り0.2mmol)、9,
10−フェナントレンキノン0.21mmol、および
ベンゼン 0.1mlを窒素下、封管中120℃で1時
間加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した
後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イ
ソプロピルアルコールから再沈殿させた結果、淡灰色固
体のポリ[(ジメチルシリレン)オキシ−9,10−フ
ェナントリレンオキシ(ジメチルシリレン)エチレン]
が、59.2mg(構成繰り返し単位当り0.17mm
ol、収率84%)得られた。
【0068】 この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータ等は以下の通りであった。 軟化点:82〜90℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):5.0×104 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):2.51 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.08
(s,12H,H3 C−Si), 0.61(s,4
H,CH2 CH2 −Si),7.37−7.52,7.
92−8.04, および 8.44−8.59(それ
ぞれ m,ベンゼン環およびフェナントレン環プロト
ン) ppm13 C−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −1.7
(4C,C−Si), 8.6(2C,CH2 ), 1
22.3(2C), 122.6(2C), 124.
8(2C), 126.1(2C), 127.5(2
C), 129.7(2C), 137.2(2C)
ppm IR(KBr):1601 m, 1491 m, 1
452 m, 1423m, 1373 m, 135
7 m, 1340 m, 1253 m,1180
m, 1137 m, 1118 m, 1065
m, 1035m, 926 m, 820 s, 7
93 m, 754 s, 725m cm-1 UV(THF):λmax (ε(構成繰り返し単位当
り)) 258(4.1×104 ), 273(1.5
×104 ), 299(8.8×103 ), 311
(9.4×103 ), 350(9.6×102 ) 3
67(9.8×102 )nm 元素分析 測定値 C 68.08%,H 6.66% 計算値 C 68.13%,H 6.86%
【0069】実施例34 ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
0.008mmol、ポリ[(テトラメチルジシラニレ
ン)エチレン](重量平均分子量 2.5×10、分
子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量) 2.
3、1分子当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数 76
0) 57.6mg (構成繰り返し単位当り0.4m
mol)、p−ベンゾキノン 0.42mmol、およ
びベンゼン0.2mlを窒素下、封管中120℃で3時
間加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した
後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イ
ソプロピルアルコールから再沈殿させた結果、淡灰色固
体のポリ[(ジメチルシリレン)オキシ−p−フェニレ
ンオキシ(ジメチルシリレン)エチレン](A)が、4
6.5mg(構成繰り返し単位当り0.18mmol、
収率46%)得られた。また、再沈殿時の母液を濃縮す
ることにより、さらに淡灰色固体の同化合物(B)が3
7.1mg(構成繰り返し単位当り0.15mmol、
収率37%)得られた。
【0070】 この高分子ケイ素化合物(Aおよび/また
はB)の物性値およびスペクトルデータ等は以下の通り
であった。 軟化点:76〜79℃(A) 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):3.6×1
4 (A), 1.1×104 (B) 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.6(A), 2.0(B)1 H−NMR(CDCl3 ,TMS)(A,B):δ
0.20(s,12H,H3 C−Si), 0.67
(s,4H,CH2 CH2 −Si), 6.67(s,
4H,ベンゼン環プロトン) ppm13 C−NMR(CDCl3 ,TMS)(A,B):δ
−2.1(4C,C−Si), 7.8(2C,CH
2 ), 120.5(4C), 149.4(2C)
ppm IR(KBr)(A):1506 s, 1470
m, 1367 m, 1253 s, 1226
s, 1131 m, 1052 m, 922 s,
835 s, 785 s, 756 m, 717
m, 526 mcm-1 UV(THF)(A):λmax (ε(構成繰り返し単位
当り)) 287(2.4×103 ) nm 元素分析(A) 測定値 C 56.80%,H 7.87% 計算値 C 57.09%,H 7.98%
【0071】実施例35 ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム
0.0024mmol、ポリ[p−(1,2−ジメチル
−1,2−ジフェニルジシラニレン)フェニレン](重
量平均分子量 4.8×10、分子量分布指数(重量
平均分子量/数平均分子量) 2.7、1分子当りのケ
イ素−ケイ素結合の平均個数 56) 63.3mg
(構成繰り返し単位当り0.20mmol)、ジフェニ
ルジケトン0.06mmol、およびベンゼン 0.1
mlを窒素下、封管中120℃で8時間加熱した。褐色
反応溶液にベンゼンを加えろ過した後、ろ液を減圧下濃
縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イソプロピルアルコー
ルから再沈殿させた結果、原料ケイ素化合物のケイ素−
ケイ素結合の27%にジフェニルジケトンが挿入した淡
褐色固体の高分子ケイ素化合物(p−(1,6−ジメチ
ル−1,3,4,6−テトラフェニル−2,5−ジオキ
サ−1,6−ジシラ−3−ヘキセニレン)フェニレンお
よびp−(1,2−ジメチル−1,2−ジフェニルジシ
ラニレン)フェニレンを構成繰り返し単位とし、それら
の存在比が27:73である共重合体型の高分子ケイ素
化合物)が65.6mg(構成繰り返し単位当り0.1
8mmol、収率88%)得られた。
【0072】 この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータ等は以下の通りであった。 軟化点:105〜115℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):3.1×104 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):3.11 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.12
(s,trans−(H3CSiO−C=C−OSiC
3 ), 0.36(s,cis−(H3 CSiO−C
=C−OSiCH3 ), 0.59(s,H3 C−Si
−Si), 6.67−9.94(br m,ベンゼン
環プロトン) ppm(0.12、0.36、0.59
のシグナルの積分強度比は1:8.8:26。) IR(KBr):1640 w, 1588 w, 1
490 w, 1446w, 1430 s, 140
6 w, 1380 m, 1280 m,1252
m, 1190 w, 1132 s, 1066
m, 1024m, 1000 w, 938 m,
782 s, 772 s, 736s, 698
s, 572 w, 506 s cm-1 UV(THF):λmax 250(sh), 300
(sh) nm 元素分析 測定値 C 76.02%,H 5.91% 計算値 C 76.51%,H 6.13%
【0073】実施例36 実施例32で得られた高分子ケイ素化合物の熱重量分析
を、実施例12と同様の条件で行なったところ、418
℃までの重量減少率は2%で、この高分子ケイ素化合物
は高い耐熱性を有することがわかった。
【0074】
【発明の効果】本発明の方法により、入手容易なキノン
または1,2−ジケトン類、および少なくとも1個の
ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素化合物から、ビスシ
ロキシ化合物を、簡単な操作で効率よく安全に製造で
き、またそれらの分離、精製も容易である。さらに、本
発明により、新規なシロキシ化合物、およびそれを用い
る新規な感光性または耐熱性材料が提供される。したが
って、本発明の工業的意義は多大である。
フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Organo metalic Chemistry, 146(1)P87−93(1978)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリアルキルホスフィンまたはホスファ
    イトを配位子として用いた、パラジウム触媒または白金
    触媒存在下において、一般式(I−a) 【化1】 (式中、R、R、R、R、R、Rは、メチ
    ル基またはフェニル基から選ばれる互いに同一または相
    異なる1価の基を表わす。)で表わされるジシランのケ
    イ素−ケイ素結合にキノン類を挿入させることを特徴と
    する一般式(I−b)で表わされるケイ素化合物の製造
    方法。 【化2】 (式中、R〜Rは前記と同じ意味をもち、Dは下記
    の一般式(I−c)で示される2価の有機基を表わす。 【化3】 (式中、Rは、o−もしくはp−フェニレン基、1,
    2−もしくは1,4−ナフチレン基、9,10−アント
    リレン基または9,10−フェナントリレン基から選ば
    れる2価の芳香環基を表わす。)
  2. 【請求項2】 パラジウム触媒または白金触媒存在下に
    おいて、一般式(I−a)、 【化4】 (式中、R、R、R、R、R、Rは、アル
    キル基またはアリール基から選ばれる互いに同一または
    相異なる1価の基を表わす。)で表わされるジシランの
    ケイ素−ケイ素結合に1,2−ジケトン類を挿入させる
    ことを特徴とする一般式(I−d)で表わされるケイ素
    化合物の製造方法。 【化5】 (式中、R〜Rは前記と同じ意味をもち、Qは下記
    の一般式(I−e)または(I−f)で示される2価の
    有機基を表わす。 【化6】 【化7】 (式中、Rは、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素
    から2個の水素原子を取り除いて得られる2価の有機基
    を表わし、R、R10はアルキル基またはアリール基
    から選ばれる同一または相異なる1価の基を表わ
    す。))
  3. 【請求項3】 パラジウム触媒または白金触媒存在下に
    おいて、一般式(II−a)、 【化8】 (式中、R11、R12、R13、R14は、アルキル
    基またはアリール基から選ばれる互いに同一または相異
    なる1価の基を表わし、R15は脂肪族炭化水素基また
    は芳香族炭化水素基から選ばれる2価の有機基を表わ
    し、nは2以上の整数を表わす。)で表わされるポリカ
    ルボシランの少なくとも1つのケイ素−ケイ素結合に、
    キノン類または1,2ジケトン類を挿入させることを
    特徴とする一般式(II−b)で表わされるケイ素化合
    物の製造方法。 【化9】 (式中、R11〜R15は前記と同じ意味をもち、c、
    dはc≧1、d≧0、c+d≧2の関係を満たす整数を
    表わし、Zは下記の一般式(II−c)、(II−d)
    または(II−e)から選ばれる2価の有機基を表わ
    し、シリレン基側の末端基は、水素原子、アルキル基ま
    たはアリール基であり、2価の有機基側の末端基はシリ
    ル基または水素原子である。 【化10】 【化11】 【化12】 (式中、R16は、環内の炭素数が20以下の芳香族炭
    化水素化合物から、最短a個(a=0または2)の環内
    炭素原子で隔てた位置の2個の環内炭素原子にそれぞれ
    結合した2個の水素原子を取り除いて得られる2価の芳
    香環基を表わし、R17は、脂肪族炭化水素または芳香
    族炭化水素から2個の水素原子を取り除いて得られる2
    価の有機基を表わし、R18、R19はアルキル基また
    はアリール基から選ばれる同一または相異なる1価の基
    を表わす。))
  4. 【請求項4】 キノン類が、環内の炭素数が20以下の
    芳香族化合物であり、一般式 【化13】 (式中、bは0または1を表わす。)で表される骨格を
    有するキノン類であることを特徴とする請求項3の方
    法。
  5. 【請求項5】 1,2−ジケトン類が、一般式 【化14】 (式中、R20は、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水
    素から選ばれる化合物から2個の水素原子を取り除いて
    得られる2価の有機基を表わす。)または、一般式 【化15】 (式中、R21、R22はアルキル基またはアリール基
    から選ばれる互いに同一または相異なる1価の基を表わ
    す。))で表わされるジケトン類であることを特徴とす
    る請求項2または3の方法。
  6. 【請求項6】 下記の一般式(V)で表わされることを
    特徴とするケイ素化合物。 【化16】 (式中、R23、R24、R25、R26は、メチル基
    またはフェニル基から選ばれる互いに同一または相異な
    る1価の基を表わし、R27エチレン基またはフェニ
    レン基から選ばれる2価の基を表わし、r、sはr≧
    1、s≧10の関係を満たす整数を表わし、Aは下記の
    一般式(VI−a)または(VI−c)の中から選ばれ
    る2価の有機基を表わし、シリレン基側の末端基は、水
    素原子、アルキル基またはアリール基であり、2価の有
    機基側の末端基はシリル基または水素原子である。 【化17】 【化18】 (式中、R28は、p−フェニレン基または9,10−
    フェナントリレン基を表わし、R 30、R31フェニ
    ル基を表わす。))
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の一般式(V)で表わさ
    れるケイ素化合物からなることを特徴とする感光性材
    料。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の一般式(V)で表わさ
    れるケイ素化合物からなることを特徴とする耐熱性材
    料。
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