JPH05202077A - ビス(シロキシ)芳香環骨格、ビス(シロキシ)アルケン骨格を有するケイ素化合物、それらの製造方法、およびそれらを用いた感光性および/または耐熱性材料 - Google Patents

ビス(シロキシ)芳香環骨格、ビス(シロキシ)アルケン骨格を有するケイ素化合物、それらの製造方法、およびそれらを用いた感光性および/または耐熱性材料

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JPH05202077A
JPH05202077A JP4266628A JP26662892A JPH05202077A JP H05202077 A JPH05202077 A JP H05202077A JP 4266628 A JP4266628 A JP 4266628A JP 26662892 A JP26662892 A JP 26662892A JP H05202077 A JPH05202077 A JP H05202077A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビス(シロキシ)芳香環骨格あるいは1,2
−ビス(シロキシ)アルケン骨格を有するケイ素化合物
の効率的製造方法、それにより得られる新規なケイ素化
合物、およびそれらを用いる感光性および/または耐熱
性材料を提供する。 【構成】 少なくとも1個のケイ素−ケイ素結合を有す
るケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の全部あるいは一
部に、パラジウムあるいは白金触媒を用いて、キノン類
あるいは1,2−ジケトン類を挿入させ、ビス(シロキ
シ)芳香環骨格あるいは1,2−ビス(シロキシ)アル
ケン骨格を有するケイ素化合物を製造する方法、および
それにより得られる新規なケイ素化合物。新規な高分子
ケイ素化合物は紫外光による光分解性や高い耐熱性を示
し、感光性および/または耐熱性材料として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素−ケイ素結合を
有するケイ素化合物と、キノン類あるいは1,2−ジケ
トン類との反応による、ビス(シロキシ)芳香環骨格あ
るいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン骨格を有する
ケイ素化合物の効率的製造方法、それにより得られる新
規なケイ素化合物、およびそれらを用いる感光性および
/または耐熱性材料に関するものである。
【0002】本発明により提供される低分子のビス(シ
ロキシ)芳香族化合物および1,2−ビス(シロキシ)
アルケン類は医・農薬製造における中間体あるいは精密
合成用試剤として有用である。
【0003】一方、本発明の方法により、ケイ素−ケイ
素結合を有する各種の高分子ケイ素化合物に、それぞれ
特徴的な吸収波長を有する種々の芳香環を適当量制御性
よく導入できるので、本発明により提供される高分子ケ
イ素化合物は、新規な感光性材料としての利用が見込ま
れる。また、本発明により提供される高分子ケイ素化合
物は、熱的に安定なシロキサン結合、芳香環等を有して
いることから、耐熱材料、エンジニアリングプラスチッ
ク用材料等としての用途も期待できる。
【0004】
【従来の技術】従来、ビス(シロキシ)芳香族化合物あ
るいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン類の製造法と
しては、(1)アルカリ金属あるいはマグネシウム存在
下での、キノン類、1,2−ジケトン類、あるいはジエ
ステル類とクロロシランとの反応、(2)キノン類とビ
スシリル水銀との反応、(3)ロジウム触媒存在下での
キノン類とヒドロシランとの反応、(4)ヨウ素あるい
はパラジウム触媒存在下でのキノン類と特定のジシラン
化合物との反応、が主に知られていたが、それぞれに問
題点を有していた。たとえば、(1)の方法では、アル
カリ金属やマグネシウムの反応性が高いため、キノン類
や1,2−ジケトン類の置換基の種類が限定され、また
アルカリ金属を使用する場合には操作上の危険を伴っ
た。次の(2)の方法では、製造が困難で毒性の高い水
銀化合物を用いるという問題があり、また(3)の方法
では、入手が容易でないトリメチルシランを理論量の
2.5倍も使用する例が知られているだけだった。 最
後の(4)の方法としては、(a)ヨウ素触媒存在下で
のヘキサメチルジシランとp−キノン類との反応、
(b)パラジウム−トリフェニルホスフィン触媒存在下
での1,2−ジフルオロテトラメチルジシランとp−ベ
ンゾキノンとの反応が知られていた。しかし、(a)の
方法では、腐食性が高いヨウ素を使用しなければなら
ず、工業的に有利な方法とは言えなかった。また、
(b)の方法では、入手が容易でない1,2−ジフルオ
ロテトラメチルジシランの例が知られているだけで、ケ
イ素上にフッ素原子のような強い電子吸引性置換基を有
しない鎖状ジシランでは、アセチレンとの類似の反応に
おける反応性が一般にきわめて低いことなどから、フッ
素原子を有しないジシラン類とキノン類との反応はまっ
たく検討されていなかった。
【0005】一方、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素
化合物と1,2−ジケトン類から、1,2−ビス(シロ
キシ)アルケン類を製造する反応はまったく例がなく、
また、ケイ素−ケイ素結合を複数個有するポリシランあ
るいはポリカルボシランのケイ素−ケイ素結合に、キノ
ン類あるいは1,2−ジケトン類を挿入させ、ビス(シ
ロキシ)芳香環骨格、あるいは1,2−ビス(シロキ
シ)アルケン骨格を有する高分子ケイ素化合物を製造し
た例もまったくなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
法の問題点を克服し、ケイ素−ケイ素結合を有する入手
容易なケイ素化合物に対して、キノン類あるいは1,2
−ジケトン類を反応させて、ビス(シロキシ)芳香環骨
格あるいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン骨格を有
するケイ素化合物を効率的に製造する方法、それにより
得られる新規なケイ素化合物、およびそれらを用いた新
規な感光性および/または耐熱性材料を提供することを
その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウムあるい
は白金触媒存在下、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素
化合物が、ケイ素上の置換基としてアルキル基やアリー
ル基等のみを有する場合でも、それらとキノン類との反
応が速やかに進行しビス(シロキシ)芳香族化合物が高
収率で得られるという予想外の事実を見いだすととも
に、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素化合物が1,2
−ジケトン類と反応し、1,2−ビス(シロキシ)アル
ケン類が収率よく得られるという新規な事実を見いだ
し、それらに基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】本発明によれば、パラジウムあるいは白金
触媒存在下、ケイ素−ケイ素結合を有する入手容易なケ
イ素化合物を、キノン類あるいは1,2−ジケトン類
と、反応させることを特徴とする、ビス(シロキシ)芳
香族化合物あるいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン
化合物の効率的製造方法、それにより得られる新規なケ
イ素化合物、およびそれらを用いた新規な感光性および
/または耐熱性材料が提供される。
【0009】本発明において原料として用いられるケイ
素−ケイ素結合を有するケイ素化合物は、下記の一般式
(II−a)、(II−b)、あるいは(II−c)で
表わされるケイ素化合物である。
【0010】
【化14】
【0011】
【化15】
【0012】
【化16】
【0013】(これら式中、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11 、R12、R13は、
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、あるいは塩素原子
の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる1価の基
を表わし、R14は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素
基、あるいは芳香族複素環基の中から選ばれる2価の有
機基を表わし、mは3以上の整数、nは2以上の整数を
表わす。)
【0014】これら式中の、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13を、
塩素原子以外の場合について例示すれば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル
基、ナフチル基、ベンジル基、ビニル基、スチリル基、
メトキシ基、フェノキシ基等が挙げられ、また、R14
例示すれば、エチレン基、p−フェニレン基、m−フェ
ニレン基、1,4−ナフチレン基、2,5−チエニレン
基、ビニレン基、エチニレン基等が挙げられる。それら
の置換基等を有する一般式(II−a)、(II−
b)、あるいは(II−c)で表わされるジシラン、ポ
リシラン、ポリカルボシランを例示すれば、ヘキサメチ
ルジシラン、ヘキサエチルジシラン、1,2−ジフェニ
ル−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−
ジメチル−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、
1,1,1−トリメチル−2,2,2−トリフェニルジ
シラン、1,2−ジベンジル−1,1,2,2−テトラ
メチルジシラン、1,1,2,2−テトラメチル−1,
2−ジビニルジシラン、1,1,2,2−テトラメチル
−1,2−ジスチリルジシラン、1,2−ジメトキシ−
1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,1,2,
2−テトラメチル−1,2−ジフェノキシジシラン、
1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラメチルジシ
ラン、オクタメチルトリシラン、デカメチルテトラシラ
ン、テトラデカメチルヘキサシラン、ポリ(ジメチルシ
リレン)、ポリ(メチルプロピルシリレン)、ポリ(メ
チルフェニルシリレン)、ポリ[(テトラメチルジシラ
ニレン)エチレン]、ポリ[(1,2−ジメチル−1,
2−ジフェニルジシラニレン)エチレン]、ポリ[p−
(1,2−ジメチル−1,2−ジフェニルジシラニレ
ン)フェニレン]、ポリ[m−(1,2−ジメチル−
1,2−ジフェニルジシラニレン)フェニレン]、ポリ
[p−(1,2−ジエチル−1,2−ジメチルジシラニ
レン)フェニレン]、ポリ[p−(テトラメチルジシラ
ニレン)フェニレン]、ポリ[(1,2−ジエチル−
1,2−ジメチルジシラニレン)−1,4−ナフチレ
ン]、ポリ[(テトラメチルジシラニレン)−2,5−
チエニレン]、ポリ[(1,2−ジメチル−1,2−ジ
フェニルジシラニレン)ビニレン]、ポリ[(1,2−
ジメチル−1,2−ジフェニルジシラニレン)エチニレ
ン]等を挙げることができる。
【0015】一方、本発明において用いられるキノン類
は、環内の炭素数が20以下の芳香族炭化水素化合物を
母体化合物とし、一般式
【0016】
【化17】
【0017】(式中、bは0以上3以下の整数を表わ
す。)の骨格を有するキノン類であり、環上の水素原子
が、炭化水素基、塩素原子、含酸素基、含窒素基、ある
いは含硫黄基等の1価の基で置換されていても差し支え
ない。それらキノン類を例示すれば、oまたはp−ベン
ゾキノン、2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン、2,
3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノン、2,5
−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,3,
5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジ
クロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2−メ
トキシ−p−ベンゾキノン、1,2または1,4−ナフ
トキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホニル=ク
ロリド、1,2または1,4または9,10−アントラ
キノン、9,10−フェナントレンキノン、1,6−ピ
レンキノン、3,10−ペリレンキノン等が挙げられ
る。
【0018】また、本発明において用いられる1,2−
ジケトン類は、一般式
【0019】
【化18】
【0020】(式中、R15は、脂肪族炭化水素、芳香族
炭化水素、あるいは複素環化合物の中から選ばれる化合
物から2個の水素原子を取り除いて得られる2価の有機
基を表わす。)あるいは、一般式
【0021】
【化19】
【0022】(式中、R16、R17はアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、あるいは複素環基の中から選ばれ
る互いに同一あるいは相異なる1価の基を表わす。)で
表わされるジケトン類であり、一般式(IV−a)で示
したものを例示すれば、1,2−シクロヘキサンジオ
ン、アセナフテンキノン、1,2−インダンジオン、
2,3−インドリンジオン、7,8−キノリンジオン、
カンファーキノン等が挙げられ、一般式(IV−b)で
示したものを例示すればジフェニルジケトン、ジ(p−
クロロフェニル)ジケトン、ジ(p−メチルフェニル)
ジケトン、メチルフェニルジケトン、ベンジルフェニル
ジケトン、ジ(3−ピリジル)ジケトン等が挙げられ
る。
【0023】反応に供されるキノン類あるいは1,2−
ジケトン類の量は、原料ケイ素化合物におけるケイ素−
ケイ素結合の数をmとし、生成物におけるビス(シロキ
シ)芳香環骨格あるいは1,2−ビス(シロキシ)アル
ケン骨格の数をnとすると、所望のn/m比に応じて任
意に選ぶことができるが、原料ケイ素化合物に対するモ
ル比は1/m以上、通常は1/mから10である。
【0024】本発明において用いられるパラジウム、白
金触媒としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、金属
または担持金属パラジウム触媒、白金錯体、白金塩、金
属または担持金属白金触媒等、従来公知のものを含む各
種のものが使用できる。それらのうちパラジウム触媒の
具体例を示すと、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラ
ジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、
ジ−μ−クロロビス(π- アリル)二パラジウム、ジク
ロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジク
ロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジヨー
ドビス(ジエチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ジブ
ロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]
パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィ
ン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、活
性炭担持パラジウム等が挙げられる。また、白金触媒の
具体例を示すと、ビス(ジベンジリデンアセトン)白
金、ビス(η−1,5−シクロオクタジエン)白金、ジ
クロロビス(ベンゾニトリル)白金、トリクロロ(η−
エチレン)白金(II)酸カリウム、(η−エチレン)
ビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジカルボニルビ
ス(トリフェニルホスフィン)白金、テトラキス(トリ
フェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリエチル
ホスフィン)白金、クロロヒドリドビス(メチルジフェ
ニルホスフィン)白金、塩化白金(II)、活性炭担持
白金等が挙げられる。
【0025】これらの錯体、塩等は、2種以上同時に用
いたり、上記例示した金属錯体に含まれる配位子や1−
ホスファ−2,6,7−トリオキサ−4−エチルビシク
ロ[2.2.2]オクタンやトリメチルホスファイト、
トリフェニルホスファイト等の配位子と共存させて使用
することもできる。パラジウム、白金触媒のケイ素化合
物あるいはジカルボニル化合物に対するモル比は、任意
に選ぶことができるが、通常、0.00001〜0.5
の範囲である。
【0026】本発明の反応は、0℃以上、好ましくは2
0〜200℃の反応温度で実施される。また、本発明の
方法は溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用
いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエーテル等の
エーテル系溶媒の他、原料のケイ素化合物、および、キ
ノン類あるいはジケトン類と反応するものを除いた各種
の有機溶媒を用いることができる。
【0027】反応混合物からの目的生成物の分離精製
は、一般に蒸留、クロマトグラフィー、再結晶または再
沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容易
に達せられる。一方、本発明により提供される、ビス
(シロキシ)芳香環骨格あるいはビス(シロキシ)アル
ケン骨格を有する新規なケイ素化合物は、下記の一般式
(V−a)あるいは(V−b)で表わされるものであ
る。
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】(これら式中、R18、R19、R20、R21
22、R23は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、あるいは塩素原子の中から選ばれる互いに
同一あるいは相異なる1価の基を表わし、R24は脂肪族
炭化水素基、芳香族炭化水素基、あるいは芳香族複素環
基の中から選ばれる2価の有機基を表わし、p、q、
r、sはp≧1、q≧0、p+q≧3、r≧1、s≧
0、r+s≧2の関係を満たす整数を表わし、Aは下記
の一般式(VI−a)、(VI−b)、あるいは(VI
−c)の中から選ばれる2価の有機基を表わす。
【0031】
【化22】
【0032】
【化23】
【0033】
【化24】
【0034】(これら式中、R25は、環内の炭素数が2
0以下の芳香族炭化水素化合物から、最短a個(a=
0,2,4,または6)の環内炭素原子で隔てた位置の
2個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個の水素原子
を取り除いて得られる2価の芳香環基を表わす。また、
26は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、あるいは複
素環化合物から2個の水素原子を取り除いて得られる2
価の有機基を表わし、R27 、R28はアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、あるいは複素環基の中から選ばれ
る同一あるいは相異なる1価の基を表わす。))
【0035】本発明の方法によれば、ケイ素−ケイ素結
合を有する高分子ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合部
位の一部あるいは全部をビス(シロキシ)芳香環骨格あ
るいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン骨格に変換す
ることができる。こうして得られた高分子ケイ素化合物
は、ケイ素化合物が残存ケイ素−ケイ素結合や各種の芳
香環等の感光性部位を有する場合には、溶液あるいは薄
膜状態で光照射により一般に分子量低下を起こす。した
がって、これら高分子ケイ素化合物は、ポジ型感光材料
として利用できる。また、本発明により提供されるシロ
キサン結合や芳香環を有する高分子ケイ素化合物は、熱
重量測定において比較的高い耐熱性(低い重量減少率)
を示すことから、耐熱性材料にも応用できる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0037】実施例1 ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
0.008mmol、ヘキサメチルジシラン 0.44
mmol、p−ベンゾキノン 0.40mmolを窒素
下、封管中120℃で1時間加熱した。ガスクロマトグ
ラフィーで生成物を分析した結果、1,4−ビス(トリ
メチルシロキシ)ベンゼンが、仕込のp−ベンゾキノン
に対して定量的な収率で生成したことがわかった。
【0038】実施例2 実施例1と同様に反応を行い、反応混合物を減圧下濃縮
後、クーゲルロアで蒸留することにより、1,4−ビス
(トリメチルシロキシ)ベンゼンを0.38mmol
(仕込のp−ベンゾキノンに対して収率95%)得た。
【0039】実施例3〜18 実施例1あるいは2と同様に、ヘキサメチルジシランと
種々のジカルボニル化合物との反応を行なった結果を表
1及び表2に示す。
【0040】
【表1】
【表2】
【0041】実施例19 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
24mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロロ[2.2.2]オクタン 0.
0048mmol、ポリ[p−(1,2−ジメチル−
1,2−ジフェニルジシラニレン)フェニレン](重量
平均分子量 4.8×104 、分子量分布指数(重量平
均分子量/数平均分子量) 2.7、1分子当りのケイ
素−ケイ素結合の平均個数 56) 63.3mg
(構成繰り返し単位当り0.20mmol)、9,10
−フェナントレンキノン 0.06mmol、およびベ
ンゼン0.1mlを窒素下、封管中120℃で3時間加
熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した後、ろ
液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イソプロ
ピルアルコールから再沈殿させた結果、原料ケイ素化合
物のケイ素−ケイ素結合の29%に9,10−フェナン
トレンキノンが挿入した淡褐色固体の高分子ケイ素化合
物((メチルフェニルシリレン)オキシ−9,10−フ
ェナントリレンオキシ(メチルフェニルシリレン)−p
−フェニレンおよびp−(1,2−ジメチル−1,2−
ジフェニルジシラニレン)フェニレンを構成繰り返し単
位とし、それらの存在比が29:71である共重合体型
の高分子ケイ素化合物)が65.1mg(構成繰り返し
単位当り0.17mmol、収率86%)得られた。
【0042】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 軟化点:145〜155℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):5.8×1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.51 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.39−
0.87(br m,H3 C−Si), 7.02−7.
75(br m,ベンゼン環およびフェナントレン環プ
ロトン), 7.75−7.90 および 8.34−
8.57(それぞれ br m,フェナントレン環プロ
トン) ppm(0.39−0.87のシグナルと8.
34−8.57のシグナルとの積分強度比は10.3:
1。) IR(KBr):1600 m, 1496 m, 14
54 m, 1430s, 1374 m, 1340
m, 1248 m, 1178 m,1114
s, 1066 m, 1038 m, 928 m,
840 m, 784 s, 772 s, 758
s, 736 s, 696 s,500 s cm
-1 UV(THF):λmax 264, 306, 318
nm
【0043】実施例20 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
36mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロロ[2.2.2]オクタン 0.
0072mmol、ポリ[(テトラメチルジシラニレ
ン)エチレン](重量平均分子量 2.5×105 、分
子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量) 2.
3、1分子当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数 76
0) 43.2mg (構成繰り返し単位当り0.30
mmol)、9,10−フェナントレンキノン 0.0
9mmol、およびベンゼン 0.1mlを窒素下、封
管中120℃で3時間加熱した。褐色反応溶液にベンゼ
ンを加えろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮
物をベンゼン−イソプロピルアルコールから再沈殿させ
た結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の30
%に9,10−フェナントレンキノンが挿入した灰色ゴ
ム状固体の高分子ケイ素化合物((ジメチルシリレン)
オキシ−9,10−フェナントリレンオキシ(ジメチル
シリレン)エチレンおよび(テトラメチルジシラニレ
ン)エチレンを構成繰り返し単位とし、それらの存在比
が30:70である共重合体型の高分子ケイ素化合物)
が49.6mg(構成繰り返し単位当り0.24mmo
l、収率80%)得られた。
【0044】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):1.2×1
5 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.01 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −0.22
−0.34(m,H3 C−Si), 0.34−0.5
6(m,−CH2 CH2 −Si−Si−), 0.56
−0.81(m,−CH2 CH2 −Si−O−),
7.39−7.65, 7.91−8.16,および
8.46−8.68(それぞれ br m,フェナント
レン環プロトン) ppm(0.34−0.56のシグ
ナルと0.56−0.81のシグナルとの積分強度比は
2.30:1。) IR(KBr):1602 m, 1496 m, 1
454 m, 1424m, 1410 m, 137
6 m, 1360 m, 1346 m,1256
s, 1066 m, 1038 m, 930 m,
834 s, 788 s, 760 s, 728
s, 700 m, 610 mcm-1 UV(THF):λmax 265, 307, 319
nm
【0045】実施例21 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
36mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロ[2,2,2]オクタン0.00
72mmolのかわりにジクロロビス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム 0.0036mmolを用い、
9,10−フェナントレンキノン 0.09mmolの
かわりにp−ベンゾキノン 0.09mmolを用いる
他は実施例20と同様に反応、ろ過および再沈殿を行な
った結果、原料ケイ素化合物のケイ素−ケイ素結合の2
5%にp−ベンゾキノンが挿入した灰色固体の高分子ケ
イ素化合物((ジメチルシリレン)オキシ−p−フェニ
レンオキシ(ジメチルシリレン)エチレンおよび(テト
ラメチルジシラニレン)エチレンを構成繰り返し単位と
し、それらの存在比が25:75である共重合体型の高
分子ケイ素化合物)が15.6mg(構成繰り返し単位
当り0.091mmol、収率30%)得られた。
【0046】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータは以下の通りであった。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.8×1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.61 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.10
(s,H3 C−Si−Si−), 0.19(s,H3
C−Si−O−), 0.45−0.70(m,−CH
2 CH2 −Si−O−), 0.48(s, −CH2
CH2 −Si−Si−), 6.67(s,ベンゼン環
プロトン) ppm(0.10のシグナルと0.19の
シグナルとの積分強度比は3.06:1。) IR(KBr):1508 m, 1406 w, 1
240 s, 1132m, 1158 m, 914
m, 834 s, 780 s, 720m, 6
94 m, 608 m, 524 w cm-1 UV(THF):λmax 294 nm
【0047】実施例22 実施例19で得られた高分子ケイ素化合物のベンゼン溶
液(3mg/1ml)を石英セルに入れ、15cm離れ
た位置から低圧水銀灯(30W)により紫外光を照射し
たところ、高分子ケイ素化合物の重量平均分子量は、未
照射時の5.8×104 から、10分照射後の3.8×
104 、40分照射後の3.1×104に順次低下する
ことがわかった。
【0048】実施例23 実施例19で得られた高分子ケイ素化合物の熱重量測定
をヘリウム気流中(50ml/分)、10度/分の昇温
速度で行なったところ、440℃までの重量減少率は2
%で、この高分子ケイ素化合物は高い耐熱性を有するこ
とがわかった。
【0049】実施例24〜43 実施例1と同様に、ジシラン類と種々のジカルボニル化
合物との反応を行なった結果を表3、表4及び表5に示
す。
【0050】
【表3】
【表4】
【表5】
【0051】実施例44 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
24mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ
−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.00
48mmolのかわりに、ビス(ジベンジリデンアセト
ン)パラジウム 0.004mmol、1−ホスファ−
2,6,7−トリオキサ−4−エチルビシクロ[2.
2.2]オクタン 0.008mmolを用い、9,1
0−フェナントレンキノン 0.06mmolのかわり
に、9,10−フェナントレンキノン 0.21mmo
lを用いる他は、実施例19と同様に反応、ろ過および
再沈殿を行なった結果、ポリ[(メチルフェニルシリレ
ン)オキシ−9,10−フェナントリレンオキシ(メチ
ルフェニルシリレン)−p−フェニレン]が94.5m
g(構成繰り返し単位当り0.18mmol、収率90
%)得られた。
【0052】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータ等は以下の通りであった。 軟化点:177〜195℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):5.8×1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.01 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.47
(br s,6H,H3 C−Si), 7.03−7.
63(m,18H,ベンゼン環およびフェナントレン環
プロトン), 7.73−7.95 および 8.37
−8.60(それぞれ m,4H,フェナントレン環プ
ロトン) ppm13 C−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −2.3
および −2.2(2C,C−Si), 122.1
(2C), 123.3(2C), 124.8(2
C), 125.8(2C), 127.6(4C),
128.3(2C), 129.2(2C), 12
9.8(2C), 133.7(4C), 134.6
(4C), 135.2(2C), 137.0(2
C), 137.4(2C) ppm IR(KBr):1600 m, 1492 m, 1
450 m, 1426s, 1370 m, 134
0 m, 1256 m, 1178 m,1136
s, 1114 s, 1064 m, 1034
m, 924m, 840 m, 784 s, 75
6 s, 736 m, 724m,698 m, 5
16 m cm-1 UV(THF):λmax (ε(構成繰り返し単位当
り)) 259(5.4×104 ), 273(2.3
×104 ), 299(1.4×104 ), 312
(1.4×104 ),348(1.5×103 ),36
5(1.6×103 )nm 元素分析 測定値 C 77.25%,H 5.31% 計算値 C 77.82%,H 5.38%
【0053】実施例45 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム 0.00
4mmol、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−
4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン0.008
mmol、ポリ[(テトラメチルジシラニレン)エチレ
ン](重量平均分子量 2.5×105 、分子量分布指
数(重量平均分子量/数平均分子量)2.3、1分子当
りのケイ素−ケイ素結合の平均個数 760) 28.
8mg (構成繰り返し単位当り0.2mmol)、
9,10−フェナントレンキノン 0.21mmol、
およびベンゼン 0.1mlを窒素下、封管中120℃
で1時間加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過
した後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン
−イソプロピルアルコールから再沈殿させた結果、淡灰
色固体のポリ[(ジメチルシリレン)オキシ−9,10
−フェナントリレンオキシ(ジメチルシリレン)エチレ
ン]が、59.2mg(構成繰り返し単位当り0.17
mmol、収率84%)得られた。
【0054】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータ等は以下の通りであった。 軟化点:82〜90℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):5.0×1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.51 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.08
(s,12H,H3 C−Si), 0.61(s,4
H,CH2 CH2 −Si),7.37−7.52,7.
92−8.04, および 8.44−8.59(それ
ぞれ m,ベンゼン環およびフェナントレン環プロト
ン) ppm13 C−NMR(CDCl3 ,TMS):δ −1.7
(4C,C−Si), 8.6(2C,CH2 ), 1
22.3(2C), 122.6(2C), 124.
8(2C), 126.1(2C), 127.5(2
C), 129.7(2C), 137.2(2C)
ppm IR(KBr):1601 m, 1491 m, 1
452 m, 1423m, 1373 m, 135
7 m, 1340 m, 1253 m,1180
m, 1137 m, 1118 m, 1065
m, 1035m, 926 m, 820 s, 7
93 m, 754 s, 725m cm-1 UV(THF):λmax (ε(構成繰り返し単位当
り)) 258(4.1×104 ), 273(1.5
×104 ), 299(8.8×103 ), 311
(9.4×103 ), 350(9.6×102 ) 3
67(9.8×102 )nm 元素分析 測定値 C 68.08%,H 6.66% 計算値 C 68.13%,H 6.86%
【0055】実施例46 ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
0.008mmol、ポリ[(テトラメチルジシラニレ
ン)エチレン](重量平均分子量 2.5×105 、分
子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量) 2.
3、1分子当りのケイ素−ケイ素結合の平均個数 76
0) 57.6mg (構成繰り返し単位当り0.4m
mol)、p−ベンゾキノン 0.42mmol、およ
びベンゼン0.2mlを窒素下、封管中120℃で3時
間加熱した。褐色反応溶液にベンゼンを加えろ過した
後、ろ液を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イ
ソプロピルアルコールから再沈殿させた結果、淡灰色固
体のポリ[(ジメチルシリレン)オキシ−p−フェニレ
ンオキシ(ジメチルシリレン)エチレン](A)が、4
6.5mg(構成繰り返し単位当り0.18mmol、
収率46%)得られた。また、再沈殿時の母液を濃縮す
ることにより、さらに淡灰色固体の同化合物(B)が3
7.1mg(構成繰り返し単位当り0.15mmol、
収率37%)得られた。
【0056】この高分子ケイ素化合物(Aおよび/また
はB)の物性値およびスペクトルデータ等は以下の通り
であった。 軟化点:76〜79℃(A) 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):3.6×1
4 (A), 1.1×104 (B) 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
2.6(A), 2.0(B)1 H−NMR(CDCl3 ,TMS)(A,B):δ
0.20(s,12H,H3 C−Si), 0.67
(s,4H,CH2 CH2 −Si), 6.67(s,
4H,ベンゼン環プロトン) ppm13 C−NMR(CDCl3 ,TMS)(A,B):δ
−2.1(4C,C−Si), 7.8(2C,CH
2 ), 120.5(4C), 149.4(2C)
ppm IR(KBr)(A):1506 s, 1470
m, 1367 m, 1253 s, 1226
s, 1131 m, 1052 m, 922 s,
835 s, 785 s, 756 m, 717
m, 526 mcm-1 UV(THF)(A):λmax (ε(構成繰り返し単位
当り)) 287(2.4×103 ) nm 元素分析(A) 測定値 C 56.80%,H 7.
87% 計算値 C 57.09%,H 7.98%
【0057】実施例47 ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム
0.0024mmol、ポリ[p−(1,2−ジメチル
−1,2−ジフェニルジシラニレン)フェニレン](重
量平均分子量 4.8×104 、分子量分布指数(重量
平均分子量/数平均分子量) 2.7、1分子当りのケ
イ素−ケイ素結合の平均個数 56) 63.3mg
(構成繰り返し単位当り0.20mmol)、ジフェニ
ルジケトン0.06mmol、およびベンゼン 0.1
mlを窒素下、封管中120℃で8時間加熱した。褐色
反応溶液にベンゼンを加えろ過した後、ろ液を減圧下濃
縮した。褐色濃縮物をベンゼン−イソプロピルアルコー
ルから再沈殿させた結果、原料ケイ素化合物のケイ素−
ケイ素結合の27%にジフェニルジケトンが挿入した淡
褐色固体の高分子ケイ素化合物(p−(1,6−ジメチ
ル−1,3,4,6−テトラフェニル−2,5−ジオキ
サ−1,6−ジシラ−3−ヘキセニレン)フェニレンお
よびp−(1,2−ジメチル−1,2−ジフェニルジシ
ラニレン)フェニレンを構成繰り返し単位とし、それら
の存在比が27:73である共重合体型の高分子ケイ素
化合物)が65.6 mg(構成繰り返し単位当り0.
18mmol、収率88%)得られた。
【0058】この高分子ケイ素化合物の物性値およびス
ペクトルデータ等は以下の通りであった。 軟化点:105〜115℃ 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):3.1×1
4 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.11 H−NMR(CDCl3 ,TMS):δ 0.12
(s,trans−(H3CSiO−C=C−OSiC
3 ), 0.36(s,cis−(H3 CSiO−C
=C−OSiCH3 ), 0.59(s,H3 C−Si
−Si), 6.67−9.94(br m,ベンゼン
環プロトン) ppm(0.12、0.36、0.59
のシグナルの積分強度比は1:8.8:26。) IR(KBr):1640 w, 1588 w, 1
490 w, 1446w, 1430 s, 140
6 w, 1380 m, 1280 m,1252
m, 1190 w, 1132 s, 1066
m, 1024m, 1000 w, 938 m,
782 s, 772 s, 736s, 698
s, 572 w, 506 s cm-1 UV(THF):λmax 250(sh), 300
(sh) nm 元素分析 測定値 C 76.02%,H 5.91% 計算値 C 76.51%,H 6.13%
【0059】実施例48 実施例44で得られた高分子ケイ素化合物の熱重量分析
を、実施例23と同様の条件で行なったところ、418
℃までの重量減少率は2%で、この高分子ケイ素化合物
は高い耐熱性を有することがわかった。
【0060】
【発明の効果】本発明の方法により、入手容易なキノン
類あるいは1,2−ジケトン類、および少なくとも1個
のケイ素−ケイ素結合を有するケイ素化合物から、ビス
(シロキシ)芳香環類あるいは1,2−ビス(シロキ
シ)アルケン類を、簡単な操作で効率よく安全に製造で
き、またそれらの分離、精製も容易である。さらに、本
発明により、ビス(シロキシ)芳香環骨格あるいは1,
2−ビス(シロキシ)アルケン骨格を有する新規なケイ
素化合物、およびそれらを用いる新規な感光性および/
または耐熱性材料が提供される。したがって、本発明の
工業的意義は多大である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウムあるいは白金触媒存在下、少
    なくとも1個のケイ素−ケイ素結合を有するケイ素化合
    物のケイ素−ケイ素結合に、キノン類あるいは1,2−
    ジケトン類を挿入させることを特徴とする一般式 【化1】 (式中、R1 は、芳香族炭化水素化合物から、最短a個
    (a=0,2,4,または6)の環内炭素原子で隔てた
    位置の2個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個の水
    素原子を取り除いて得られる2価の芳香環基を表わ
    す。)で表わされるビス(シロキシ)芳香環骨格、ある
    いは一般式 【化2】 で表わされるビス(シロキシ)アルケン骨格を少なくと
    も1個有するケイ素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個のケイ素−ケイ素結合を
    有するケイ素化合物が、下記の一般式(II−a)、
    (II−b)、あるいは(II−c)で表わされるケイ
    素化合物であることを特徴とする請求項1の方法。 【化3】 【化4】 【化5】 (これら式中、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 、R9 、R10、R11 、R12、R13は、アルキル基、
    アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリーロキシ基、あるいは塩素原子の中から選ばれ
    る互いに同一あるいは相異なる1価の基を表わし、R14
    は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、あるいは芳香
    族複素環基の中から選ばれる2価の有機基を表わし、m
    は3以上の整数、nは2以上の整数を表わす。)
  3. 【請求項3】 キノン類が、環内の炭素数が20以下の
    芳香族炭化水素化合物を母体化合物とし、一般式 【化6】 (式中、bは0以上3以下の整数を表わす。)の骨格を
    有するキノン類であることを特徴とする請求項1または
    2の方法。
  4. 【請求項4】 1,2−ジケトン類が、一般式 【化7】 (式中、R15は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、あ
    るいは複素環化合物の中から選ばれる化合物から2個の
    水素原子を取り除いて得られる2価の有機基を表わ
    す。)あるいは、一般式 【化8】 (式中、R16、R17はアルキル基、アリール基、アラル
    キル基、あるいは複素環基の中から選ばれる互いに同一
    あるいは相異なる1価の基を表わす。)で表わされるジ
    ケトン類であることを特徴とする請求項1または2の方
    法。
  5. 【請求項5】 下記の一般式(V−a)あるいは(V−
    b)で表わされることを特徴とするケイ素化合物。 【化9】 【化10】 (これら式中、R18、R19、R20、R21、R22、R
    23は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケ
    ニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、あるいは塩素
    原子の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる1価
    の基を表わし、R24は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
    素基、あるいは芳香族複素環基の中から選ばれる2価の
    有機基を表わし、p、q、r、sはp≧1、q≧0、p
    +q≧3、r≧1、s≧0、r+s≧2の関係を満たす
    整数を表わし、Aは下記の一般式(VI−a)、(VI
    −b)、あるいは(VI−c)の中から選ばれる2価の
    有機基を表わす。 【化11】 【化12】 【化13】 (これら式中、R25は、環内の炭素数が20以下の芳香
    族炭化水素化合物から、最短a個(a=0,2,4,ま
    たは6)の環内炭素原子で隔てた位置の2個の環内炭素
    原子にそれぞれ結合した2個の水素原子を取り除いて得
    られる2価の芳香環基を表わす。また、R26は、脂肪族
    炭化水素、芳香族炭化水素、あるいは複素環化合物から
    2個の水素原子を取り除いて得られる2価の有機基を表
    わし、R27 、R28はアルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基、あるいは複素環基の中から選ばれる同一あるいは
    相異なる1価の基を表わす。))
  6. 【請求項6】 請求項5に示されたビス(シロキシ)芳
    香環骨格あるいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン骨
    格を有するケイ素化合物からなることを特徴とする感光
    性材料。
  7. 【請求項7】 請求項5に示されたビス(シロキシ)芳
    香環骨格あるいは1,2−ビス(シロキシ)アルケン骨
    格を有するケイ素化合物からなることを特徴とする耐熱
    性材料。
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