JPH07309882A - 新規な有機ハロシラン化合物 - Google Patents

新規な有機ハロシラン化合物

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JPH07309882A
JPH07309882A JP12969294A JP12969294A JPH07309882A JP H07309882 A JPH07309882 A JP H07309882A JP 12969294 A JP12969294 A JP 12969294A JP 12969294 A JP12969294 A JP 12969294A JP H07309882 A JPH07309882 A JP H07309882A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光極大波長が可視領域にシフトし
た、優れた発光特性、光電導性及びレジスト特性をもつ
有機ケイ素系高分子の原料として、またシリコーン原料
またはシリル化剤として有用な化合物の提供。 【構成】 式〔1〕 【化1】 (式中、R1及びR2は同一のもしくは異なる炭素数1〜6
の直鎖状アルキル基であり、かつR1及びR2の炭素数の合
計が8以下であり、X1及びX2は同一のもしくは異なるハ
ロゲン原子である)で表される9,10−ビス(ジアル
キルハロシリル)アントラセン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な有機ハロシラン
化合物に関する。有機ハロシラン化合物は、シリコーン
原料またはシリル化剤として、また近年では、発光材
料、光電導性材料、レジスト材料等として注目されつつ
ある有機ケイ素系高分子の原料モノマーとして、工業的
にあるいは合成化学上重要な化合物である。本発明は、
発光材料、光電導性材料、レジスト材料等として有用な
新規な有機ケイ素系ポリマーの製造原料に用いることが
できる新規なモノマーに関する。
【0002】
【従来の技術】有機ケイ素系高分子は、発光機能等を有
する高分子として近年注目を浴びている。例えば、有機
ポリシランは主鎖のSi-Si 結合に由来するσ−σ共役に
より発光を示すことが明らかとなっている。例えば、代
表的なポリシランであるポリ(メチル−n−プロピルシ
ラン)は340nmを極大波長とする発光スペクトルを
示し、また、ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)は342
nmを極大波長とする発光を示す。しかしながら、上記
ポリシランは発光波長が紫外線領域にあるため、表示素
子等の材料として応用できるものではなかった。これに
対して、2つの置換基がすべてアリール基であるポリ
(ジフェニルシラン)において、その側鎖に位置する両
方のフェニル基のパラ位にアルキル基を導入した、有機
溶媒に可溶性のポリ(ジ−p−アルキルフェニルシラ
ン)は、可視領域である400nm付近に発光極大を有
することが知られている[ケミカルレビューズ(Chemic
al Reviews) 、第89巻、第6号、第1382頁(198
9年)]。しかしながら、発光効率はかなり低いもので
あり、しかも、有機溶媒に可溶性のポリ(ジ−p−アル
キルフェニルシラン)を得るためには、そのアルキル基
に比較的長鎖のn−ブチルやn−ヘキシルを導入するこ
とが必要であった。そのことによって、該ポリマーを得
るための原料モノマーの合成が非常に困難となる上に、
モノマーの反応性も落ち、生成ポリマーが数%程度の収
率でしか得られないという結果となり、発光効率の低さ
と併せて実用上充分満足できるものではなかった。ま
た、有機ケイ素系高分子に関する公報として、式
【0003】
【化2】
【0004】(式中、 Ra は炭素数2〜30のπ共役型
の2価の有機基を表し、 Rb は炭素数1〜30の炭化水
素基を表し、 Xa はハロゲン原子を表し、mは1≦m≦
2、nはn≧2を満たす数を表す)で表される含ケイ素
有機化合物(Ra として挙げられた種々の基中にアリーレ
ン基がある) を開示した特開平6−9786号公報があ
り、またこの公報中の先行技術の記載でポリ(ジシラニ
ンフェニレン)誘導体、ポリ(ジシラニレンナフチレ
ン)誘導体等が言及されている。なお、モノマーに関
し、式
【0005】
【化3】
【0006】で表される化合物が知られている(日本化
学会第68回春季大会予稿集353頁(1994))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、可視領
域に発光を示し、通常の有機溶媒に可溶性の高分子量有
機ケイ素系ポリマーを効率良く得ることを目的として、
そのモノマーである有機ハロシランについて鋭意研究を
重ねた結果、アントラセンの9位及び10位にジアルキ
ルハロシリル基が導入されており、モノマーとしての合
成が容易で、またポリマーにした場合、可視領域に発光
を示し、可溶性の高分子量ポリマーを収率よく得ること
ができる新規な有機ハロシラン化合物を見い出し、本発
明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式〔1〕
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1及びR2は同一のもしくは異なる
炭素数1〜6の直鎖状アルキル基であり、かつR1及びR2
の炭素数の合計が8以下であり、X1及びX2は同一のもし
くは異なるハロゲン原子である)で表される9,10−
ビス(ジアルキルハロシリル)アントラセン(以下、ビ
スシリルアントラセン化合物〔1〕という)に関する。
【0011】本発明のビスシリルアントラセン化合物
〔1〕中のR1及びR2は、同一のもしくは異なる炭素数1
〜6の直鎖状アルキル基であり、かつR1及びR2の炭素数
の合計が8以内である。好ましくはR1もしくはR2は、炭
素数1〜4の直鎖状アルキル基であり、またさらに好ま
しくはR1及びR2のいずれか一方がメチル基である。R1
たはR2が分岐状であるか、R1またはR2の炭素数が6を越
えるか、またはR1及びR2の炭素数の合計が8を越える
と、その立体障害によりモノマーとしての反応性が落
ち、ポリマーの収率が低下する結果となり、工業的に不
利である。R1及びR2として具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基及
びn−ヘキシル基が挙げられる。ビスシリルアントラセ
ン化合物〔1〕のX1またはX2で示されるハロゲン原子と
しては、好ましくは塩素原子または臭素原子が挙げら
れ、特に好ましくは塩素原子である。
【0012】ビスシリルアントラセン化合物〔1〕の具
体例として9,10−ビス(ジメチルクロロシリル)ア
ントラセン、9,10−ビス(ジエチルクロロシリル)
アントラセン、9,10ビス(ジn−プロピルクロロシ
リル)アントラセン、9,10−ビス(ジn−ブチルク
ロロシリル)アントラセン、9,10−ビス(メチルエ
チルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス(メ
チルn−プロピルクロロシリル)アントラセン、9,1
0−ビス(メチルn−ブチルクロロシリル)アントラセ
ン、9,10−ビス(メチルn−ペンチルクロロシリ
ル)アントラセン、9,10−ビス(メチルn−ヘキシ
ルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス(エチ
ルn−プロピルクロロシリル)アントラセン、9,10
−ビス(エチルn−ブチルクロロシリル)アントラセ
ン、9,10−ビス(エチルn−ペンチルクロロシリ
ル)アントラセン、9,10−ビス(エチルn−ヘキシ
ルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス(n−
プロピルn−ブチルクロロシリル)アントラセン、9,
10−ビス(n−プロピルn−ペンチルクロロシリル)
アントラセンが挙げられ、好ましい例として9,10−
ビス(ジメチルクロロシリル)アントラセン、9,10
−ビス(メチルエチルクロロシリル)アントラセン、
9,10−ビス(メチルn−プロピルクロロシリル)ア
ントラセン、9,10−ビス(メチルn−ブチルクロロ
シリル)アントラセン、9,10−ビス(メチルn−ペ
ンチルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス
(メチルn−ヘキシルクロロシリル)アントラセンが挙
げられ、特に好ましい例として9,10−ビス(ジメチ
ルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス(メチ
ルエチルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス
(メチルn−プロピルクロロシリル)アントラセン、
9,10−ビス(メチルn−ブチルクロロシリル)アン
トラセンが挙げられる。ビスシリルアントラセン化合物
〔1〕は、例えば、式〔2〕
【0013】
【化5】
【0014】で表される9,10−ジリチオアントラセ
ンまたは式〔3〕
【0015】
【化6】
【0016】(式中、X3はハロゲン原子である。)で表
されるグリニャール試薬、すなわち9,10−ジマグネ
シウムハロゲノアントラセンと、式〔4〕
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R1及びR2は前記と同様であり、X4
はビスシリルアントラセン化合物〔1〕のX1またはX2
同義である)で表されるジアルキルジハロシランとを、
不活性溶媒中不活性ガス雰囲気下において反応させるこ
とにより、容易にしかも高収率で得ることができる。X3
で示されるハロゲン原子としては、好ましくは塩素原子
または臭素原子が挙げられる。X4で示されるハロゲン原
子としては、好ましくは塩素原子または臭素原子が挙げ
られ、特に好ましくは塩素原子である。
【0019】ジアルキルジハロシラン〔4〕の具体例と
してジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラ
ン、ジn−プロピルジクロロシラン、ジn−ブチルジク
ロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、メチルn−
プロピルジクロロシラン、メチルn−ブチルジクロロシ
ラン、メチルn−ペンチルジクロロシラン、メチルn−
ヘキシルジクロロシラン、エチルn−プロピルジクロロ
シラン、エチルn−ブチルジクロロシラン、エチルn−
ペンチルジクロロシラン、エチルn−ヘキシルジクロロ
シラン、n−プロピルn−ブチルジクロロシラン、n−
プロピルn−ペンチルジクロロシランが挙げられ、好ま
しい例としてジメチルジクロロシラン、メチルエチルジ
クロロシラン、メチルn−プロピルジクロロシラン、メ
チルn−ブチルジクロロシラン、メチルn−ペンチルジ
クロロシラン、メチルn−ヘキシルジクロロシランが挙
げられ、特に好ましい例としてジメチルジクロロシラ
ン、メチルエチルジクロロシラン、メチルn−プロピル
ジクロロシラン、メチルn−ブチルジクロロシランが挙
げられる。
【0020】不活性溶媒としては非プロトン性有機溶媒
が好適であり、具体例としてはジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−ペ
ンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ
る。不活性ガスとしてはアルゴン、窒素等が挙げられ
る。不活性溶媒は9,10−ジリチオアントラセン
〔2〕または9,10−ジマグネシウムハロゲノアント
ラセン〔3〕の濃度が100mmol/L 〜2mol/Lとなる程度に
用いるのが好適である。ジアルキルジハロシラン〔4〕
と9,10−ジリチオアントラセン〔2〕または9,1
0−ジマグネシウムハロゲノアントラセン〔3〕との反
応割合は、9,10−ジリチオアントラセン〔2〕また
は9,10−ジマグネシウムハロゲノアントラセン
〔3〕に対し、ジアルキルジハロシラン〔4〕が2〜1
0当量であるのが好ましく、更に好ましくは2〜6当量
である。2当量未満では反応生成物の収量が低下する恐
れがあり、10当量を越えても目的生成物の収率に好影
響はなく、ジアキルジハロシラン〔4〕を無駄に使用す
ることとなる。反応温度は−30〜70℃が好ましく、
更に好ましくは0〜50℃であり、最適には10〜50
℃である。−30℃未満では反応速度が十分でない場合
があり、70℃を越えると反応の選択率が低下する恐れ
がある。反応時間は反応温度、反応溶媒等により変化す
るが、反応は通常24時間以内で終了する。
【0021】上記でX1とX2とが異なるビスシリルアント
ラセン化合物〔1〕を得る場合には、例えば、X4がX1
あるジアルキルジハロシラン〔4〕とX4がX2であるジア
ルキルジハロシラン〔4〕の混合物を用いるとか、両化
合物を時間をずらして9,10−ジリチオアントラセン
〔2〕または9,10−ジマグネシウムハロゲノアント
ラセン〔3〕と順次反応させる等の手段を取ることがで
きる。上記反応による反応液から、生成したビスシリル
アントラセン化合物〔1〕を取得するには、副生したハ
ロゲン化リチウムまたはハロゲン化マグネシウムの沈澱
を濾過、デカンテーション等により反応液から除去した
後、反応溶媒を例えば減圧留去し、残渣をペンタン等の
不活性溶媒から再結晶する等の方法により精製すればよ
い。取得されるビスシリルアントラセン化合物〔1〕は
黄色の固体である。
【0022】
【発明の効果】本発明の9,10−ビス(ジアルキルジ
ハロシリル)アントラセン〔1〕は、発光極大波長が可
視領域にシフトした、優れた発光特性、光電導性及びレ
ジスト特性をもつ有機ケイ素系高分子の原料として、ま
たシリコーン原料またはシリル化剤として有用な化合物
である。例えば本発明のビスシリルアントラセン化合物
〔1〕と、式〔5〕
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R3及びR4は同一であっても異なっ
ていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基またはアラルキル基であり、X5及びX6は同一のもしく
は異なるハロゲン原子である)で表されるシラン化合物
とを、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の共存下
に、不活性溶媒中で反応させて得られる、式A
【0025】
【化9】
【0026】(式中、R1及びR2は前記と同義である)で
表される構造単位Aと式B
【0027】
【化10】
【0028】(式中、R3及びR4は前記と同義である)で
表される構造単位Bからなり、構造単位A/構造単位B
のモル比(%)が0.5〜10%であって重量平均分子量が
1,000 〜1,000,000 である、主鎖の一部にアントリレン
基を有するポリシラン誘導体(参考例参照)は可視領域
に発光を示し、発光効率に優れ、通常の有機溶媒に可溶
性の高分子量有機ケイ素系ポリマーであり、発光材料、
光電導性材料、レジスト材料等として有用である。本発
明のビスシリルアントラセン化合物〔1〕は上記のごと
きポリマーの製造の原料モノマーとして用いる場合、反
応性が優れている。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び参考例に基づいて本発明を
具体的に説明する。参考例中、重量平均分子量及び数平
均分子量はGPC法(ポリスチレン換算)によって、構
造単位のモル比(%)及び発光効率は以下に記述する方
法によって求めた。 (1)構造単位のモル比(%) 下記〜の手順により算出する。 アントラセンについて標準吸光度を次の通り求める。
所定モル量のアントラセンをクロロホルム溶媒に溶解し
た標準溶液を調製して、そのUV吸光のλmaxにおけ
るモル吸光度を測定し、これを標準吸光度とする。 目的生成中の構造単位Aのモル数を次の通り求める。
標準溶液と同一溶媒でかつ同モル濃度(ポリマー全体の
数平均分子量から換算)の目的生成物(ポリマー)溶液
を調製し、UV吸光におけるアントラセンに帰属される
λmaxのモル吸光度を測定し、先の標準吸光度をで除
することにより、目的生成中におけるアントリレン基の
モル数を求める。この構造単位Aのモル数に等しい。 目的生成中の構造単位Aの重量を下式により算出す
る。構造単位Aの重量=(原料に用いたビスシリルアン
トラセン化合物〔1〕からハロゲン原子X1及びX2を差し
引いた構造単位Aの分子量)×(構造単位Aのモル数) 目的生成中の構造単位Bのモル数を下式により算出す
る。構造単位Bのモル数=(モル吸光度の測定に用いた
目的生成物の重量−構造単位Aの重量)/(原料に用い
たシラン化合物〔2〕からハロゲン原子X3及びX4を差し
引いた構造単位Bの分子量) 目的生成中の構造単位A/構造単位Bのモル比(%)
を下式により算出する。構造単位A/構造単位B〔モル
比(%)〕=(で求めた構造単位Aのモル数)×10
0/(で求めた構造単位Bのモル数) (2)の発光効率 クロロホルム中、標準物質として式
【0030】
【化11】
【0031】で表されるAlq3(発光効率10.1%)を用い
て測定した。 実施例1 攪拌装置及び外部冷却外套を備えた反応器に9,10−
ジブロモアントラセン2.11g(6mmol)を入れ、系内を真空
脱気後、乾燥アルゴン雰囲気にした。脱水精製したジエ
ルチルエーテル30mlを加え、n−ブチルリチウム(1.
0g) のヘキサン(9.8ml) 溶液を徐々に反応器に供給し、
アルゴン雰囲気下、10〜30℃で3時間攪拌を行い、
9,10−ジリチオアントラセンを製造した。攪拌装置
及び外部冷却外套を備えた別の反応器に、ジエチルエー
テル10ml及びジメチルジクロロシラン4.0g(31mmol)を
入れ、アルゴン雰囲気下、常温において、上記で得た
9,10−ジリチオアントラセンを内容物に滴下し、1
0〜30℃で20時間攪拌を行い反応させた。副生した
塩化リチウムを濾別し、反応溶媒を減圧留去した後、n
−ペンタンから再結晶することにより、9,10−ビス
(ジメチルクロロシリル)アントラセンを黄色固体とし
て得た。収率は70%であった。
【0032】この化合物の塩素含有量を分析した結果、
塩素含有量が19.40重量%であり、計算値の19.
51重量%と良く一致した。またこの化合物の赤外吸収
スペクトル ( KBr法による) を測定した結果、125
0,1440cm-1 (Si−CH3)で吸収を示した。また1H核
磁気共鳴スペクトル( 重クロロホルム(7.25ppm) を標準
として測定した) を図1に示す。図1よりケミカルシフ
トδ(ppm) は8.5〜7.4(9,10−置換アントラ
セン),0.7(Si−CH3)であり、また、MSスペクトル
で測定した結果、m/z 362(M + ) であり、取得した化合
物が、9,10−ビス(ジメチルクロロシリル)アント
ラセンであることを示している。
【0033】実施例2 攪拌装置及び外部冷却外套を備えた反応器に、ジエチル
エーテル10ml及びメチルn−プロピルジクロロシラン
5.0g(32mmol)を入れ、アルゴン雰囲気下、10〜3
0℃において、実施例1と同様の操作で製造した9,1
0−ジリチオアントラセンを内容物に滴下した。滴下終
了後、室温において20時間攪拌を行い反応を完結さ
せ、副生した塩化リチウムを濾別し、反応溶媒を減圧留
去した後、n−ペンタンから再結晶することにより、
9,10−ビス(メチルn−プロピルクロロシリル)ア
ントラセンを黄色固体として得た。収率は65%であっ
た。この化合物の塩素含有量を分析した結果、塩素含有
量16.54 重量%であり、計算値の16.90 重量%と良く一
致した。またこの化合物の1H核磁気共鳴スペクトル( 重
クロロホルム(7.25ppm) を標準として測定した) を図2
に示す。図2よりケミカルシフトδ(ppm) は8.5 〜7.5
(9,10−置換アントラセン),1.54(-Si-CH2-CH
2-)、1.09(-Si-CH3) 、1.03 (-CH2-CH2-CH3 ) であり、
またMSスペクトルで測定した結果、m/z 418(M + ) であ
り、取得した化合物が9,10−ビス(メチルn−プロ
ピルクロロシリル)アントラセンであることを示してい
る。
【0034】参考例1アントリレン基含有メチルn−プロピルポリシランの合
アルゴン雰囲気中で500mlの容器にナトリウム4.6
g及びトルエン160mlを仕込んだ。次に系内をトルエ
ンの沸点まで加熱し、還流雰囲気でナトリウムを溶融さ
せ、激しく攪拌してナトリウムを細かく分散させた。そ
の後攪拌しながら内容物温度を溶媒の沸点付近に保ち、
実施例2で得られた9,10−ビス(メチルn−プロピ
ルクロロシリル)アントラセン3mmol(1.26g)及
び20倍モル量のメチルn−プロピルジクロロシラン
(9.42g)の混合物を徐々に滴下した。滴下終了
後、溶媒の沸点付近で3時間反応させた。重合反応終了
後、室温まで冷却し、副生した塩化ナトリウム及び過剰
の金属ナトリウムを濾別した後、濾液をメタノールに滴
下してポリマーを沈澱させた。沈澱ポリマーを分取、乾
燥させることにより、R1=メチル基、R2=n−プロピル
基である構造単位AとR3=メチル基、R4=n−プロピル
基である構造単位Bからなる目的ポリマー2.12g
(収率34.2%)を黄色固体として得た。本ポリマー
は重量平均分子量(Mw)が335,000 の成分と9,600 の成分
からなるバイモーダルの 分子量分布を示した(図
3)。本ポリマー全体の数平均分子量(Mn)は4,500であ
り、また本ポリマーの構造単位A/構造単位Bのモル比
(%)は1.5%であった。また本ポリマーは発光スペ
クトルによれば455nmに発光を示した。
【0035】参考例2アントリレン基含有メチルフェニルポリシランの合成 メチルn−プロピルジクロロシランの代わりにメチルフ
ェニルジクロロシラン、及び実施例2で得られた9,1
0−ビス(メチルn−プロピルクロロシリル)アントラ
センを用いて参考例1と同様の仕込量、条件、手順でR1
=メチル基、R2=n−プロピル基である構造単位AとR3
=メチル基、R4=フェニル基である構造単位Bからなる
黄色のポリマーを合成した。ポリマー収量は3.94g
(収率47.8%)であった。本ポリマーはMwが 415,0
00の成分と6,200 の成分からなるバイモーダルの分子量
分布を示した(図4)。本ポリマー全体のMnは3,500 で
あり、また本ポリマーの構造単位A/構造単位Bのモル
比(%)は3.5%であった。また本ポリマーは発光ス
ペクトルによれば480nmに発光を示した。さらに本ポ
リマーの発光効率は Alq3 の1.5 倍で15%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の9,10−ビス(ジメチルクロロシ
リル)アントラセンの1H核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図2】実施例2の9,10−ビス(メチルn−プロピ
ルクロロシリル)アントラセンの1H核磁気共鳴スペクト
ルを示す。
【図3】参考例1で得られたポリマーの分子量分布を示
す。
【図4】参考例2で得られたポリマーの分子量分布を示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 (式中、R1及びR2は同一のもしくは異なる炭素数1〜6
    の直鎖状アルキル基であり、かつR1及びR2の炭素数の合
    計が8以下であり、X1及びX2は同一のもしくは異なるハ
    ロゲン原子である)で表される9,10−ビス(ジアル
    キルハロシリル)アントラセン。
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