JPH07224156A - ケイ素系化合物及びその製造方法 - Google Patents

ケイ素系化合物及びその製造方法

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JPH07224156A
JPH07224156A JP2952194A JP2952194A JPH07224156A JP H07224156 A JPH07224156 A JP H07224156A JP 2952194 A JP2952194 A JP 2952194A JP 2952194 A JP2952194 A JP 2952194A JP H07224156 A JPH07224156 A JP H07224156A
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silicon
compound
carbon atoms
group
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JP2952194A
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English (en)
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Tomohiro Fujisaka
朋弘 藤坂
Bunji Yamaguchi
文治 山口
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】導電性、光反応性及び耐熱性に優れたケイ素系
化合物を提供する。 【構成】一般式(1)で表されるケイ素化合物単位、一
般式(2)で表されるアセチレン単位及び一般式(3)
で表されるメタロセン単位を構成単位とするケイ素系化
合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性、光反応性及び
耐熱性などに優れた機能材料として有用な新規ケイ素系
化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐熱性に優れた機能性材料と
して多数のケイ素系化合物が提案されてきた。例えば、
芳香族環とアセチレン(C−C三重結合)ユニットを含
む高分子化合物は、芳香族ジアセチレンのジナトリウム
塩とジクロロシラン誘導体との重縮合反応により合成さ
れている [J. Organomet.Chem. 260,171 (1984)] 。ま
た、ジエチニルシラン化合物と芳香族ジハライドの重縮
合反応によっても同様の重合体が得られている [J.Poly
m.Sci:part C:Polym. Lett.,28,431 (1990)]。
【0003】一方、フェロセンユニットを含む高分子化
合物については、ビス(シクロペンタジエニル)シラン
誘導体と塩化鉄(II) との重縮合反応(USP3,060,215)
やシクロフェロセニルシランの開環重合 [J. Am. Chem.
Soc. 114, 6246 (1992)] により、フェロセン−シラン
共重合体が合成されている。また、ジエチニルシランと
1,1'-ジシリルフェロセンとのヒドロシリル化反応に
より、フェロセン−シラン−エチレン(炭素−炭素二重
結合)を含む高分子化合物が合成されている[J. Polym.
Sci. Polym. Chem. Ed. 21, 2529 (1983)]。
【0004】さらに、ルテノセン含有ケイ素系高分子
は、ルテノセンとアルデヒド化合物とを塩化亜鉛の存在
下で重縮合反応させることにより得られる[J. Organom
et. Chem., 6, 92(1966)]。
【0005】しかしながら、上記ケイ素系化合物は、い
ずれも耐熱性、導電性が十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑み、耐熱性、光反応性及び導電性に優れたケイ素系化
合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のケイ素系化合物
は、ケイ素化合物単位、アセチレン単位及びメタロセン
単位を構成単位とする。
【0008】上記ケイ素化合物単位は一般式(1)、ア
セチレン単位は一般式(2)、メタロセン単位は一般式
(3)でそれぞれ表される。
【0009】
【化12】
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】
【0012】式中、R1 、R2 、Y、M及びaは次のも
のを示す。R1 は、水素原子、アルキル基又はアリール
基を示し、同一であっても異なっていてもよい。R
2 は、水素原子、アルキル基、アリール基又はR1 3Si
で表されるシリル基を示し、同一であっても異なってい
てもよい。Yは芳香族環、アセチレン残基又は有機金属
化合物を示し、MはFe又はRuを示す。aは0〜10
の整数を示す。
【0013】上記R1 及びR2 で表されるアルキル基の
炭素数は、多くなると結合が切れ易くなり、得られるケ
イ素系化合物の耐熱性が低下するので1〜20に限定さ
れる。上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタ
デシル基、ノナデシル基、エイコデシル基等が挙げられ
る。
【0014】上記R1 及びR2 で表されるアリール基の
炭素数は、多くなると溶剤に対する溶解性が低下するの
で6〜12に限定される。上記アリール基としては、例
えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリ
ル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0015】上記R1 3Siで表されるシリル基として
は、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニ
ルメチルシリル基、メチルシリル基、ジメチルシリル
基、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、メチルフ
ェニルシリル基等が挙げられる。
【0016】上記Yで表される芳香族環としては、フェ
ニレン誘導体、ビフェニレン誘導体が、上記アセチレン
残基としては、一般式(3)で表されるフェロセン、ル
テノセン、金属がケイ素、ゲルマニウム又は錫であるフ
タロシアニン化合物又はポリフィリン化合物、一般式−
BR1 −で表されるホウ素化合物等が挙げられる。尚、
一般式で使用されるR1 、R2 、Y、M、a等の記号
は、本明細書中では同一であり、以下省略する。
【0017】上記各構成単位のモル比は、ケイ素化合物
単位:アセチレン単位:メタロセン単位=1:2:0.
01〜1である。
【0018】上記ケイ素化合物の重量平均分子量は、小
さくなると十分な耐熱性及び導電性が得られなくなるの
で500以上に限定されるが、重量平均分子量が大きく
なり過ぎると溶解性が悪くなるので5万以下が好まし
い。
【0019】次に、本発明2のケイ素系化合物について
説明する。本発明2のケイ素系化合物は、一般式(4)
で表される。
【0020】
【化15】
【0021】一般式(4)において、bは1以上の整数
を示す。
【0022】一般式(4)で表されるケイ素系化合物
は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される単位が
1:2:1の割合で反応したものである。
【0023】次に、本発明3のケイ素系化合物について
説明する。本発明3のケイ素系化合物は、一般式(5)
で表される構成単位と一般式(6)で表される構成単位
よりなる。
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】一般式(5)及び(6)において、c,d
はc+d≧2を満足する1以上の整数を示す。即ち、本
発明2のケイ素系化合物において、MがFeの構成単位
とRuの構成単位が混合して反応したケイ素系化合物で
ある。
【0027】次に、本発明4のケイ素系化合物の製造方
法について説明する。本発明4の製造方法は、ジエチニ
ルシリル化合物と、ジハロゲン化メタロセンを遷移金属
触媒の存在下で重縮合反応させることを特徴とする。
【0028】上記ジエチニルシリル化合物は、一般式
(7)で表されるものである。
【0029】
【化18】
【0030】上記ジハロゲン化メタロセンは、一般式
(8)で表されるものである。
【0031】
【化19】
【0032】式中、Xはハロゲン原子を示す。
【0033】上記ジエチニルシリル化合物としては、例
えば、ジエチニルジメチルシラン、ジエチニルジエチル
シラン、ジエチニルジプロピルシラン、ジエチニルジブ
チルシラン、ジエチニルジヘキシルシラン、ジエチニル
ジオクチルシラン、ジエチニルジドデシルシラン、ジエ
チニルジエイコデシルシラン、ジエチニルジフェニルシ
ラン、ジエチニルジトリルシラン、ジエチニルジビフェ
ニリルシラン、ジエチニルメチルフェニリシラン、ジエ
チニルメチルトリルシラン、ビス(ジメチルクロロシリ
ル)フタロシアニナシリコン、ビス(ジメチルクロロシ
リル)フタロシアニナゲルマニウム、ビス(ジメチルク
ロロシリル)フタロシアニナチン、ビス(ジメチルクロ
ロシリル)ポルフィリナトシリコン、ビス(ジメチルク
ロロシリル)ポルフィリナトゲルマニウム、ビス(ジメ
チルクロロシリル)ポルフィリナトチン、ビス(ジメチ
ルクロロシリル)フェニルボロン、ビス(ジフェニルク
ロロシリル)メチルボロン、ビス(4−クロロジメチル
シリルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−クロロジ
フェニルシリルフェニル)ジメチルシラン、1,7−ジ
クロロ−1,1,4,4,7,7−ヘキサメチル−1,
4,7−トリシラ−2,5−ヘプタジエン等が挙げられ
る。
【0034】上記ジエチニルシリル化合物は、種々の方
法によって合成されているが、例えば、一般式R1 3Si
Cl2 で表されるジクロルシランと、エチニルマグネシ
ウムブロマイドとから調製するのが好ましい。
【0035】上記ジハロゲン化メタロセンのハロゲン原
子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ
るが、好ましくはヨウ素である。
【0036】上記ジハロゲン化メタロセンとしては、例
えば、1,1'-ジヨードフェロセン、1,1'-ジヨード
−3,3'-ジメチルフェロセン、1,1'-ジヨード−
3,3'-ジフェニルフェロセン、1,1'-ジヨード−
3,3'-ジエチルフェロセン、1,1'-ジヨード−3,
3'-ジビフェニルフェロセン、1'-ジヨード−3,3'-
ビス(トリメチルシリル)フェロセン、1,1'-ジヨー
ドルテノセン、1,1'-ジヨード−3,3'-ジメチルル
テノセン、1,1'-ジヨード−3,3'-ジフェニルルテ
ノセン、1,1'-ジヨード−3,3'-ジエチルルテノセ
ン、1,1'-ジヨード−3,3'-ジビフェニルルテノセ
ン、1'-ジヨード−3,3'-ビス(トリメチルシリル)
ルテノセン、及びこれらの臭化物、塩化物などが挙げら
れる。
【0037】上記ジハロゲン化メタロセンは、種々の方
法によって合成されているが、例えば、メタロセンとn
−ブチルリチウムとから、一般式(12)で表されるジ
リチオメタロセンを調製した後、一般式CF2 ZCF2
Z(式中、Zはフッ素以外のハロゲン原子を示す)で表
されるハロゲン化剤として1,2−ジハロ−1,1,
2,2−テトラフルオロエタンを反応させることにより
合成することができる。上記Zで示されるハロゲン原子
としてはヨウ素が好ましく、ハロゲン化剤としてハロゲ
ンを用いてもよい。
【0038】
【化20】
【0039】上記ジエチニルシリル化合物の使用量は、
少なくなっても多くなっても生成するケイ素系化合物の
分子量が低下し、十分な耐熱性が得られなくなるので、
ジハロゲン化メタロセンのモル数に対して0.5〜2倍
のモル数が好ましく、より好ましくは0.8〜1.2倍
のモル数である。
【0040】上記遷移金属触媒としては、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム〔Pd(PPh
3)4 〕、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムク
ロライド〔(PPh3)PdCl2 〕等が挙げられる。
【0041】上記遷移金属触媒の使用量は、少なくなる
と重縮合反応系の反応性が低下し、多くなると得られる
ケイ素系化合物に残存し易くなり物性の低下をもたらす
ので、ジハロゲン化メタロセンのモル数に対して0.0
001〜1倍のモル数が好ましく、より好ましくは0.
001〜0.1倍のモル数である。
【0042】上記遷移金属触媒に助触媒として、ヨウ化
銅(I)、トリフェニルホスフィン等を加えてもよい。
このような助触媒を加えなくても重縮合反応は進行する
が、助触媒の添加により反応時間の短縮及び生成物の収
率向上を達成しうる。
【0043】上記助触媒の使用量は、ジハロゲン化メタ
ロセンのモル数に対して0.001〜1倍のモル数が好
ましく、より好ましくは0.01〜0.1倍のモル数で
ある。
【0044】上記触媒の他に、反応系中で発生するハロ
ゲン化水素を捕捉するために添加剤が用いられてもよ
い。このような添加剤としては、ジイソプロピルアミ
ン、トリエチルアミン等が挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0045】上記重縮合反応は溶媒中で行われるのが好
ましく、溶媒としては、極性、無極性のいずれでもよい
が、好ましくは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、トルエン、キシレンなどの非プロトン性溶媒が挙げ
られ、特に好ましくはトルエンである。
【0046】重縮合反応の反応温度としては特に限定さ
れないが、−150℃から用いられる溶媒の沸点との間
が好ましい。溶媒としてトルエンを用いる場合は、50
〜110℃の反応温度が好ましい。
【0047】上記反応は、空気又は不活性ガス雰囲気下
のいずれでも進行するが、特にアルゴン又は窒素雰囲気
下で行うのが好ましい。
【0048】上記反応時間は、短くても長くても得られ
るケイ素系化合物の収率が低下するので、15〜35時
間が好ましい。
【0049】上記重縮合反応で得られるケイ素系化合物
の精製方法としては、例えば、各種溶媒による再沈殿
法、分取ゲルパーミエーションクロマトグラフを用いて
分離する方法が挙げられるが、好ましくは、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、石油
エーテル等の貧溶媒又はこれらの混合溶媒による再沈殿
法であり、より好ましくはイソプロパノールによる再沈
殿法である。
【0050】上記重縮合反応によって、本発明及び本発
明2のケイ素系化合物が得られる。また、ジハロゲン化
メタロセン(8)として、フェロセンとルテノセンを併
用することにより、本発明3のケイ素系化合物が得られ
る。
【0051】次に、本発明5のケイ素系化合物の製造方
法について説明する。本発明5の製造方法は、1,1'-
ビス(トリメチルシリルエチニル)メタロセン誘導体と
リチオ化剤を反応させた後、ハロゲン化シリル化合物と
重縮合反応させることを特徴とする。
【0052】上記1,1'-ビス(トリメチルシリルエチ
ニル)メタロセン誘導体は、一般式(9)で表されるも
のである。
【0053】
【化21】
【0054】上記リチオ化剤は一般式(10)で表され
るものである。
【0055】
【化22】
【0056】上記ハロゲン化シリル化合物は、一般式
(11)で表されるものである。
【0057】
【化23】
【0058】上記1,1'-ビス(トリメチルシリルエチ
ニル)メタロセン誘導体としては、例えば、フェロセン
誘導体、ルテノセン誘導体等が好適に使用され、例え
ば、1,1'-ビス(トリメチルシリルエチニル)フェロ
セン、1,1'-ビス(トリメチルシリルエチニル)−
3,3'-ジメチルフェロセン、1,1'-ビス(トリメチ
ルシリルエチニル)−3,3'-ジフェニルフェロセン、
1,1'-ビス(トリメチルシリルエチニル)−3,3'-
ジエチルフェロセン、1,1'-ビス(トリメチルシリル
エチニル)−3,3'-ジビフェニルフェロセン、1,
1'-ビス(トリメチルシリルエチニル)−3,3'-ビス
(トリメチルシリル)フェロセン等のフェロセン誘導
体、及びこれらのルテノセン誘導体が挙げられる。
【0059】上記1,1'-ビス(トリメチルシリルエチ
ニル)メタロセン誘導体は、種々の方法により合成可能
であり、例えば、1,1'-ジヨードメタロセンとトリメ
チルシリルアセチレンをパラジウム触媒存在下で反応さ
せる方法が挙げられる〔Organometalics,11,2757(199
2)] 。
【0060】上記リチオ化剤としては、特に限定されな
いが、メチルリチウムが好ましい。リチオ化剤の使用量
は、少なくなっても多くなっても生成するケイ素系化合
物の分子量が低下し、十分な耐熱性が得られなくなるの
で、1,1'-ビス(トリメチルシリルエチニル)メタロ
セン誘導体のモル数に対して1〜4倍のモル数が好まし
く、より好ましくは1.5〜3倍のモル数である。
【0061】上記ハロゲン化シリル化合物としては、例
えば、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラ
ン、ジプロピルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラ
ン、ジペンチルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシ
ラン、ジオクチルジクロロシラン、ジノニルジクロロシ
ラン、ジデシルジクロロシラン、ジウンデシルジクロロ
シラン、ジドデシルジクロロシラン、ジトリデシルジク
ロロシラン、ジテトラデシルジクロロシラン、ジペンタ
デシルジクロロシラン、ジヘキサデシルジクロロシラ
ン、ジヘプタデシルジクロロシラン、ジオクタデシルジ
クロロシラン、ジノナデシルジクロロシラン、ジエイコ
デシルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジ
トリルジクロロシラン、ジキシリルジクロロシラン、ジ
ビフェニルジクロロシラン、ジナフチルジクロロシラ
ン、メチルフェニルジクロロシラン、メチルトリルジク
ロロシラン、1,4−ビスクロロジフェニルシリルベン
ゼン、1,4−ビスクロロメチルフェニルベンゼン、
1,3−ビスクロロジメチルシリルベンゼン、1,3−
ビスクロロジフェニルシリルベンゼン、1,3−ビスク
ロロメチルフェニルベンゼン、1,2−ビスクロロジメ
チルシリルベンゼン、1,2−ビスクロロジフェニルシ
リルベンゼン、1,2−ビスクロロメチルフェニルベン
ゼン、1,2−ビスクロロジメチルシリルアセチレン、
1,2−ビスクロロジフェニルシリルアセチレン、1,
2−ビスクロロメチルフェニルシリルアセチレン、1,
1'-ビスクロロジメチルシリルフェロセン、1,1'-ビ
スクロロジフェニルシリルフェロセン、1,1'-ビスク
ロロメチルフェニルシリルフェロセン等の塩化物及びそ
の臭素化物、ヨウ素化物、フッ素化物が挙げられる。
【0062】上記重縮合反応で使用される溶媒として
は、本発明4で使用されるものと同一の溶媒が挙げら
れ、特に好ましいのはテトラヒドロフランである。上記
重縮合反応の反応温度としては、本発明と同様な温度範
囲が好ましいが、溶媒としてテトラヒドロフランを用い
る場合は−80〜50℃が特に好ましい。
【0063】また、上記重縮合反応は、本発明4と同様
な雰囲気で行われるのが好ましく、反応時間は短くても
長くてもケイ素系化合物の収率が低下するので、1〜4
8時間が好ましい。
【0064】上記重縮合反応によって得られるケイ素系
化合物の精製方法としては、本発明4と同様な精製方法
が好ましい。
【0065】本発明5の製造方法によって、本発明2の
ケイ素系化合物が得られる。また、メタロセン誘導体
(8)として、フェロセン誘導体とルテノセン誘導体と
を併用することにより、本発明3のケイ素系化合物が得
られる。
【0066】次に、本発明6のケイ素系化合物の製造方
法について説明する。本発明6の製造方法は、本発明5
の製造方法において1,1'-ビス(トリメチルシリルエ
チニル)メタロセン誘導体とリチオ化剤を反応させた
後、ハロゲン化シリル化合物と重縮合反応させる際に、
添加剤を加えることを特徴とする。
【0067】上記添加剤としては、塩化リチウム、臭化
リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム等のハロゲ
ン化リチウム;テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサ
メチルフォスフォリックトリアミド、ヘキサメチルフォ
スフォラストリアミド等のアミン系多座配位子及び、1
2−クラウン−4(1,4,7,10−テトラオキサシ
クロドデカン)、15−クラウン−5(1,4,7,1
0,13−ペンタオキサシクロペンタデカン)、18−
クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサ
オキサシクロオクタデカン)などのクラウンエーテル等
が挙げられる。
【0068】上記添加剤の使用量は、少なくなると反応
系を十分に活性化することができず、多くなると反応生
成物から除去するのが難しくなるので、ハロゲン化シリ
ル化合物のモル数に対して、0.0001〜100倍の
モル数が好ましく、より好ましくは0.01〜10倍の
モル数である。
【0069】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)攪拌装置、還流冷却管及び滴下ロート付5
0mlの2口フラスコ中へ、ビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウムジクロライド17mg、ヨウ化銅
(I)48mg及びトリフェニルホスフィン66mgを
供給し、真空ポンプにて脱気して圧力1.3×10-5
圧とし、アルゴンを入れて圧力1気圧のアルゴン雰囲気
とした後、さらに1,1’−ジヨードフェロセン1.0
1g、ジフェニルジエチニルシラン0.58g、トルエ
ン7.5ml及びジイソプロピルアミン7.5mlを供
給し、温度90℃で16時間還流しながら攪拌して反応
させて固形分を沈殿させた。反応終了後、反応溶液にテ
トラヒドロフラン及び水を加えて固形分を溶解し、得ら
れた溶液の有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥してグラ
スフィルターにて濾過し、得られた濾液から有機溶媒を
減圧留去し、減圧蒸留後の残存物をテトラヒドロフラン
に溶解して得られた溶液をイソプロパノール中に滴下し
て再沈殿させ、ケイ素系化合物0.45g(収率43
%)を得た。
【0070】得られたケイ素系化合物については、以下
の測定を行って同程した。分取ゲルパーミエーションク
ロマトグラフ(東ソー社製「GPC−8000」)によ
り重量平均分子量を測定した結果、ポリスチレン換算で
4200であり、 1H核磁気共鳴スペクトル(日本電子
社製「JNM−GX270」)を測定した結果、4.5
ppm付近にフェロセンのシクロペンタジエニル環のプ
ロトンに由来するピークが、7〜8ppmにフェニル基
のプロトンに由来するピークがそれぞれ確認された。ま
た、13C核磁気共鳴スペクトル(日本電子社製「JNM
−GX270」)を測定した結果、65〜75ppmに
フェロセンのシクロペンタジエニル環の炭素に由来する
ピークが、85及び107ppm付近にはエチニレン基
の炭素に由来するピークが、125〜135ppmには
フェニル基の炭素に由来するピークがそれぞれ確認され
た。さらに、29Si核磁気共鳴スペクトル(日本電子社
製「JNM−GX270」)を測定した結果、−48p
pmにエチニレン基に結合しているケイ素に由来するピ
ークが確認され、赤外線吸収スペクトル(日立製作所製
「270−30」)を測定した結果、2150cm-1
エチニレン基の炭素−炭素三重結合に由来する吸収が確
認された。
【0071】上記結果より、得られたケイ素系化合物
は、一般式(13)で表される構成単位からなるケイ素
系化合物と同定された。尚、上記 1H核磁気共鳴スペク
トルの測定結果を図1に、13C核磁気共鳴スペクトルの
測定結果を図2に、29Si核磁気共鳴の測定結果を図3
に、赤外線吸収スペクトルの測定結果を図4にそれぞれ
示した。
【0072】
【化24】
【0073】(実施例2)メタロセン、ケイ素化合物、
遷移金属触媒、助触媒、HCl捕捉剤及び溶媒の成分な
らびに使用量を表1に示したように変えたこと以外は、
実施例1と同様にして反応させ、ケイ素系化合物を得
た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を表3に示
した。
【0074】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で4400であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4.5ppm付近にフェロセン
のシクロペンタジエニル環のプロトンに由来するピーク
が確認され、赤外線吸収スペクトルを測定した結果、2
150cm-1にエチニレン基のC−C三重結合に由来す
る吸収が確認された。上記結果より、得られたケイ素系
化合物は、一般式(13)で表される構成単位からなる
ケイ素系化合物であると同定された。
【0075】(実施例3)メタロセン、ケイ素化合物、
遷移金属触媒、助触媒、HCl捕捉剤及び溶媒の成分な
らびに使用量を表1に示したように変えたこと以外は、
実施例1と同様にして反応させ、ケイ素系化合物を得
た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を表3に示
した。
【0076】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で6600であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、0.2ppm付近にトリメチル
シリル基のプロトンに由来するピークが、4ppm前後
にはフェロセンのシクロペンタジエニル環のプロトンに
由来するピークが確認された。また、13C核磁気共鳴ス
ペクトルを測定した結果、0ppm付近にはトリメチル
シリル基の炭素に由来するピークが、75ppm前後に
はフェロセンのシクロペンタジエジル環の炭素に由来す
るピークが、81及び117ppm付近にはエチニレン
基の炭素に由来するピークがそれぞれ確認された。赤外
線吸収スペクトルを測定した結果、2150cm-1にエ
チニレン基の炭素−炭素三重結合に由来する吸収が確認
された。上記結果より、得られたケイ素系化合物は、一
般式(14)で表される構成単位からなるケイ素系化合
物であると同定された。
【0077】
【化25】
【0078】(実施例4)メタロセン、ケイ素化合物、
遷移金属触媒、助触媒、HCl捕捉剤及び溶媒の成分な
らびに使用量を表1に示したように変えたこと以外は、
実施例1と同様にして反応させ、ケイ素系化合物を得
た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を表3に示
した。
【0079】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で3500であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4.4〜5.2ppm付近にル
テノセンのシクロペンタジエニル環のプロトンに由来す
るピークが、7〜8ppmにはフェニル基のプロトンに
由来するピークがそれぞれ確認された。また、13C核磁
気共鳴スペクトルを測定した結果、65〜80ppm付
近にはルテノセンのシクロペンタジエニル環の炭素に由
来するピークが、85及び107ppm付近にはエチニ
レン基の炭素に由来するピークが、125〜135pp
m付近にはフェニル基の炭素に由来するピークがそれぞ
れ確認された。赤外線吸収スペクトルを測定した結果、
2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素三重結合に
由来する吸収が確認された。上記結果より、得られたケ
イ素系化合物は、一般式(15)で表される構成単位か
らなるケイ素系化合物であると同定された。尚、上記 1
H核磁気共鳴スペクトルの測定結果を図5に、13C核磁
気共鳴スペクトルの測定結果を図6に、赤外線吸収スペ
クトルの測定結果を図7にそれぞれ示した。
【0080】
【化26】
【0081】(実施例5)メタロセン、ケイ素化合物、
遷移金属触媒、助触媒、HCl捕捉剤及び溶媒の成分な
らびに使用量を表1に示したように変えたこと以外は、
実施例1と同様にして反応させ、ケイ素系化合物を得
た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を表3に示
した。
【0082】得られたケイ素系化合物の重量平均分子量
につき、実施例1と同様の測定を行ったところはポリス
チレン換算で5200であった。また、誘導結合プラズ
マ発光分析(セイコー電子工業社製「SPS400
0」)により元素分析を行った結果、ケイ素系化合物中
のケイ素4.9重量%、鉄0.6重量%であった。 1
核磁気共鳴スペクトルを実施例1と同様に測定した結
果、4.17及び4.42ppm付近にフェロセンのシ
クロペンタジエニル環のプロトンに由来するピークが確
認され、赤外線吸収スペクトルを実施例1と同様に測定
した結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素
三重結合に由来する吸収が確認された。尚、上記 1H核
磁気共鳴スペクトルの測定結果を図8に、赤外線吸収ス
ペクトルの測定結果を図9に示した。
【0083】
【表1】
【0084】(実施例6)攪拌装置、還流冷却管及び滴
下ロート付50mlの3口フラスコ中へ、1,1’−ビ
ス(トリメチルシリルエチニル)フェロセン1g、テト
ラヒドロフラン50mlを供給し、真空ポンプにて脱気
して圧力1.3×10-5気圧とし、アルゴンを入れて圧
力1気圧のアルゴン雰囲気とした後、温度−78℃に冷
却して攪拌しながら1.4Nメチルリチウム/エーテル
溶液3.8mlを滴下し、温度25℃に昇温して24時
間攪拌を続けた。攪拌終了後、温度−78℃に冷却して
ジフェニルジクロロシラン0.67gを加え、温度25
℃に昇温して30時間攪拌を続けた。攪拌終了後、反応
溶液を氷水中に入れてテトラヒドロフランを加え、得ら
れた溶液の有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥してグラ
スフィルターにて濾過し、得られた濾液から有機溶媒を
減圧蒸留し、減圧蒸留後の残存物をテトラヒドロフラン
に溶解して得られた溶液をイソプロパノール中に滴下し
て再沈殿させ、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素
系化合物の収量及び収率を表3に示した。
【0085】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で4800であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4ppm付近にフェロセンのシ
クロペンタジエニル環のプロトンに由来するピークが、
7〜8ppmにはフェニル基のプロトンに由来するピー
クがそれぞれ確認された。また、13C核磁気共鳴スペク
トルを測定した結果、65.0、72.2及び73.9
ppmにはフェロセンのシクロペンタジエニル環の炭素
に由来するピークが、85.4及び107.6ppmに
はエチニレン基の炭素に由来するピークが、125〜1
35ppm付近にはフェニル基の炭素に由来するピーク
がそれぞれ確認された。さらに、29Si核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、−48.6ppmにエチニレン
基に結合しているケイ素に由来するピークが確認され、
赤外線吸収スペクトルを測定した結果、2150cm-1
にエチニレン基の炭素−炭素三重結合に由来する吸収が
確認された。
【0086】上記結果より、得られたケイ素系化合物
は、一般式(13)で表される構成単位からなるケイ素
系化合物であると同定された。尚、上記 1H核磁気共鳴
スペクトルの測定結果を図10に、13C核磁気共鳴スペ
クトルの測定結果を図11に、赤外線吸収スペクトルの
測定結果を図12にそれぞれ示した。
【0087】(実施例7)ケイ素化合物の成分及び量を
表2に示したように変えたこと以外は、実施例6と同様
にして、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素系化合
物の収量及び収率を表3に示した。
【0088】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で600であり、 1H核磁気共鳴スペク
トルを測定した結果、0.45ppmにはケイ素に結合
したメチル基のプロトンに由来するピークが、4.26
〜4.34ppmにはフェロセンのシクロペンタジエニ
ル環のプロトンに由来するピークが確認された。また、
13C核磁気共鳴スペクトルを測定した結果、66.1、
69.5及び75.8ppm付近にはフェロセンのシク
ロペンタジエニル環の炭素に由来するピークが、88.
5及び104.1ppmにはエチニレン基の炭素に由来
するピークがそれぞれ確認され、赤外線吸収スペクトル
を測定した結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素
−炭素三重結合に由来する吸収が確認された。
【0089】直鎖状重合体の場合末端にくるアセチレン
基(−C≡CH)及びシラノール基(−Si−OH)の
スペクトルが赤外線吸収スペクトル又は 1H核磁気共鳴
スペクトルで確認できなかった。上記結果より、得られ
たケイ素系化合物は、一般式(16)で表される構成単
位からなるケイ素系化合物であると同定された。
【0090】
【化27】
【0091】(実施例8)ケイ素化合物の成分及び量を
表2に示したように変えたこと以外は、実施例6と同様
にして、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素系化合
物の収量及び収率を表3に示した。
【0092】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で5600であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、0.69ppmにはケイ素に結
合したメチル基のプロトンに由来するピークが、4.3
4及び4.58ppmにはフェロセンのシクロペンタジ
エニル環のプロトンに由来するピークが確認された。ま
た、13C核磁気共鳴スペクトルを測定した結果、0.6
5ppmにはケイ素に結合したメチル基の炭素に由来す
るピークが、65.1、72.0及び73.7ppm付
近にはフェロセンのシクロペンタジエニル環の炭素に由
来するピークが、86.8及び106.0ppm付近に
はエチニレン基の炭素に由来するピークがそれぞれ確認
され、赤外線吸収スペクトルを測定した結果、2150
cm-1にエチニレン基の炭素−炭素三重結合に由来する
吸収が確認された。上記結果より、得られたケイ素系化
合物は、一般式(17)で表される構成単位からなるケ
イ素系化合物であると同定された。
【0093】
【化28】
【0094】(実施例9)攪拌装置、還流冷却管及び滴
下ロート付50mlの3口フラスコ中へ、1,1’−ビ
ス(トリメチルシリルエチニル)フェロセン1g、テト
ラヒドロフラン50mlを供給し、真空ポンプにて脱気
して圧力1.3×10-5気圧とし、アルゴンを入れて圧
力1気圧のアルゴン雰囲気とした後、温度−78℃に冷
却して攪拌しながら1.4Nメチルリチウム/エーテル
溶液3.8mlを滴下し、温度25℃に昇温して24時
間攪拌を続けた。攪拌終了後、温度−78℃に冷却して
ジトリルジクロロシラン0.74gを加え、温度25℃
に昇温して24時間攪拌を続けた。攪拌終了後、反応溶
液を氷水中に入れてテトラヒドロフランを加え、得られ
た溶液の有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥してグラス
フィルターにて濾過し、得られた濾液から有機溶媒を減
圧蒸留し、減圧蒸留後の残存物をテトラヒドロフランに
溶解して得られた溶液をイソプロパノール中に滴下して
再沈殿させ、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素系
化合物の収量及び収率を表3に示した。
【0095】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で2900であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4〜5ppm付近にフェロセン
のシクロペンタジエニル環のプロトンに由来するピーク
が、7〜8ppmにはフェニル基のプロトンに由来する
ピークが、2.4ppmにベンジルのプロトンに由来す
るピークがそれぞれ確認された。また、13C核磁気共鳴
スペクトルを測定した結果、74.4、72.6及び6
4.8ppmにはシクロペンタジエニル環の炭素に由来
するピークが、107.4及び86.0ppmにはエチ
ニレン基の炭素に由来するピークが、125〜135p
pmにはフェニル基に由来するピークがそれぞれ確認さ
れ、赤外線吸収スペクトルを測定した結果、2150c
-1にエチニレン基の炭素−炭素三重結合に由来する吸
収が確認された。上記結果より、得られたケイ素系化合
物は、一般式(18)で表される構成単位からなるケイ
素系化合物であると同定された。得られたケイ素系化合
物の収率を表3に示した。
【0096】
【化29】
【0097】(実施例10)ケイ素化合物の成分及び量
を表2に示したように変えたこと以外は、実施例9と同
様にして、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素系化
合物の収量及び収率を表3に示した。
【0098】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で3400であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4〜5ppm付近にフェロセン
のシクロペンタジエニル環のプロトンに由来するピーク
が、7〜8ppmにはフェニル基に由来するピークが、
5.0ppmにはケイ素のプロトンに由来するピークが
それぞれ確認された。赤外線吸収スペクトルを測定した
結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素三重
結合に由来する吸収が確認された。上記結果より、得ら
れたケイ素系化合物は、一般式(19)で表される構成
単位からなるケイ素系化合物であると同定された。
【0099】
【化30】
【0100】(実施例11)ケイ素化合物の成分及び量
を表2に示したように変えたこと以外は、実施例9と同
様にして、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素系化
合物の収量及び収率を表3に示した。
【0101】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で1500であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4〜5ppm付近にフェロセン
のシクロペンタジエニル環のプロトンに由来するピーク
が、0.4〜1.6ppmにはブチル基に由来するピー
クがそれぞれ確認された。赤外線吸収スペクトルを測定
した結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素
三重結合に由来する吸収が確認された。上記結果より、
得られたケイ素系化合物は、一般式(20)で表される
構成単位からなるケイ素系化合物であると同定された。
【0102】
【化31】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】(実施例12)攪拌装置、還流冷却管及び
滴下ロート付50mlの3口フラスコ中へ、1,1’−
ビス(トリメチルシリルエチニル)−3,3'-ビス(ト
リメチルシリル)フェロセン1.5g、テトラヒドロフ
ラン50mlを供給し、真空ポンプにて脱気して圧力
1.3×10-5気圧とし、アルゴンを入れて圧力1気圧
のアルゴン雰囲気とした後、温度−78℃に冷却して攪
拌しながら1.4Nメチルリチウム/エーテル溶液4.
1mlを滴下し、温度25℃に昇温して24時間攪拌を
続けた。攪拌終了後、温度−78℃に冷却してジフェニ
ルジクロロシラン1.34gを加え、温度25℃に昇温
して24時間攪拌を続けた。攪拌終了後、反応溶液を氷
水中に入れてテトラヒドロフランを加え、得られた溶液
の有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥してグラスフィル
ターにて濾過し、得られた濾液から有機溶媒を減圧蒸留
し、減圧蒸留後の残存物をテトラヒドロフランに溶解し
て得られた溶液を、混合比8:2のイソプロパノール:
水混合溶媒中に滴下して再沈殿させ、ケイ素系化合物を
得た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を表6に
示した。
【0106】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で3200であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、0.27ppm付近にトリメチ
ルシリル基のプロトンに由来するピークが、3.80、
4.24及び4.57ppmにはフェロセンのシクロペ
ンタジエニル環のプロトンに由来するピークがそれぞれ
確認された。また、13C核磁気共鳴スペクトルを測定し
た結果、−0.02ppm付近にはトリメチルシリル基
の炭素に由来するピークが、73.1、76.5、7
6.6、77.0及び77.1ppmにはフェロセンの
シクロペンタジエニル環の炭素に由来するピークが、8
0.7及び117.5ppmにはエチニレン基の炭素に
由来するピークがそれぞれ確認され、赤外線吸収スペク
トルを測定した結果、2150cm-1にエチニレン基の
炭素−炭素三重結合に由来する吸収が確認された。 上
記結果より、得られたケイ素系化合物は、一般式(1
4)で表される構成単位からなるケイ素系化合物である
と同定された。
【0107】(実施例13)メタロセン、ケイ素化合物
及びリチオ化剤の成分ならびに使用量を表4に示したよ
うに変えたこと以外は、実施例6と同様にして、ケイ素
系化合物を得た。得られたケイ素系化合物の収量及び収
率を表6に示した。
【0108】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で3500であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4.4〜5.2ppm付近にル
テノセンのシクロペンタジエニル環のプロトンに由来す
るピークが、7〜8ppmにはフェニル基のプロトンに
由来するピークががそれぞれ確認された。また、13C核
磁気共鳴スペクトルを測定した結果、65〜80ppm
にはルテノセンのシクロペンタジエニル環の炭素に由来
するピークが、85及び107ppm付近にはエチニレ
ン基の炭素に由来するピークが、125〜135ppm
付近にはフェニル基の炭素に由来するピークがそれぞれ
確認された。さらに、赤外線吸収スペクトルを測定した
結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素三重
結合に由来する吸収が確認された。上記結果より、得ら
れたケイ素系化合物は、一般式(15)で表される構成
単位からなるケイ素系化合物であると同定された。
【0109】(実施例14)攪拌装置及び還流冷却管付
50mlの2口フラスコ中へ、1,1’−ビス(トリメ
チルシリルエチニル)フェロセン1.0g及びテトラヒ
ドロフラン50mlを供給し、真空ポンプにて脱気して
圧力1.3×10-5気圧とし、アルゴンを入れて圧力1
気圧のアルゴン雰囲気とした後、温度−78℃に冷却し
て攪拌しながら1.4Nメチルリチウム/エーテル溶液
3.7mlを滴下し、3時間かけて温度25℃に昇温し
て24時間攪拌を続けた。次いで、再び反応液を−78
℃に冷却し、10mlのテトラヒドロフランに溶解させ
たビスクロロジメチルシリルベンゼン0.690gを1
0分間かけて滴下した後、3時間かけて25℃に昇温し
て24時間攪拌を続けた。得られた反応液を氷水中に入
れて100mlのテトラヒドロフランを加え、得られた
溶液の有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥してグラスフ
ィルターにて濾過し、得られた濾液から有機溶媒を減圧
蒸留し、減圧蒸留後の残存物を3mlのテトラヒドロフ
ランに溶解して得られた溶液を、イソプロパノールに滴
下して再沈殿させ、ケイ素系化合物を得た。得られたケ
イ素系化合物の収量及び収率を表6に示した。
【0110】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で3500であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4.20〜4.35ppm付近
と4.40〜4.50ppm付近にフェロセンのシクロ
ペンタジエニル環のプロトンに由来するピークが、0.
40ppmにはメチル基のプロトンに由来するピークが
がそれぞれ確認された。また、この積分比は約2:3で
あった。さらに、赤外線吸収スペクトルを測定した結
果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素三重結
合に由来する吸収が確認された。上記結果より、得られ
たケイ素系化合物は、一般式(21)で表される構成単
位からなるケイ素系化合物であると同定された。尚、上
記赤外線吸収スペクトルの測定結果を図13に示した。
【0111】
【化32】
【0112】(実施例15)メタロセン、ケイ素化合
物、リチオ化剤、助触媒及び溶剤の成分ならびに使用量
を表4に示したように変えたこと以外は、実施例9と同
様にして、ケイ素系化合物を得た。得られたケイ素系化
合物の収量及び収率を表6に示した。
【0113】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で7300であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトル、13C核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペ
クトルを測定した結果、実施例6と同様なピーク及び吸
収が確認された。
【0114】(実施例16)メタロセン、ケイ素化合
物、リチオ化剤及び溶剤の成分ならびに使用量を表4に
示したように変え、さらに反応時間を表6に示すように
変えたこと以外は、実施例9と同様にして、ケイ素系化
合物を得た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を
表6に示した。
【0115】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で2900であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4〜5ppm付近にフェロセン
のシクロペンタジエニル環のプロトンに由来するピーク
が、0〜1ppmにはメチル基のプロトンに由来するピ
ークががそれぞれ確認された。また、13C核磁気共鳴ス
ペクトルを測定した結果、73.7、72.0及び6
5.4ppmにはフェロセンのシクロペンタジエニル環
の炭素に由来するピークが、104.2及び88.4p
pm付近にはエチニレン基の炭素に由来するピークが
1.0ppm付近にはメチル基に由来するピークがそれ
ぞれ確認された。さらに、赤外線吸収スペクトルを測定
した結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素
三重結合に由来する吸収が確認された。
【0116】(実施例17)メタロセン、ケイ素化合
物、リチオ化剤及び溶剤の成分ならびに使用量を表4に
示したように変え、さらに反応時間を表6に示すように
変えたこと以外は、実施例9と同様にして、ケイ素系化
合物を得た。得られたケイ素系化合物の収量及び収率を
表6に示した。
【0117】得られたケイ素系化合物について、実施例
1と同様の測定を行った同定した。重量平均分子量はポ
リスチレン換算で3400であり、 1H核磁気共鳴スペ
クトルを測定した結果、4.4及び4.6ppm付近に
フェロセンのシクロペンタジエニル環のプロトンに由来
するピークが、4.7ppm及び5.0ppmにはルテ
ノセンのシクロペンタジエニル環のプロトンに由来する
ピークががそれぞれ確認された。それらの積分比は約
3:2であった。さらに、赤外線吸収スペクトルを測定
した結果、2150cm-1にエチニレン基の炭素−炭素
三重結合に由来する吸収が確認された。上記結果より、
得られたケイ素系化合物は、一般式(22)で表される
構成単位と一般式(23)で表される構成単位からな
り、そのモル比が3:2のケイ素系化合物であると同定
された。尚、上記赤外線吸収スペクトルの測定結果を図
14に示した。
【0118】
【化33】
【化34】
【0119】
【表4】
【0120】(比較例1〜2)表5に示した各成分を使
用したこと以外は、実施例6と同様にして反応を行っ
た。
【0121】
【表5】
【0122】上記各実施例及び比較例で得られたケイ素
系化合物について、熱重量分析(セイコー電子社製「S
SC5200」)により、10℃/分の昇温速度で30
℃から800℃まで昇温し、初期重量に対して5重量%
及び10重量%減少した時の温度(以下T5 及びT10
記す)ならびに800℃における重量残存率(以下W
800 と記す) を測定して耐熱性を評価し、その結果を表
5及び表6に示した。
【0123】
【表6】
【0124】
【発明の効果】本発明のケイ素系化合物の構成は、上述
の通りであるから、導電性、光反応性及び耐熱性に優れ
ており、航空宇宙材料、建築材料等に好適に用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたケイ素系化合物の 1H核磁
気共鳴スペクトル図である。
【図2】実施例1で得られたケイ素系化合物の13C核磁
気共鳴スペクトル図である。
【図3】実施例1で得られたケイ素系化合物の29Si核
磁気共鳴スペクトル図である。
【図4】実施例1で得られたケイ素系化合物の赤外線吸
収スペクトル図である。
【図5】実施例4で得られたケイ素系化合物の 1H核磁
気共鳴スペクトル図である。
【図6】実施例4で得られたケイ素系化合物の13C核磁
気共鳴スペクトル図である。
【図7】実施例4で得られたケイ素系化合物の赤外線吸
収スペクトル図である。
【図8】実施例5で得られたケイ素系化合物の 1H核磁
気共鳴スペクトル図である。
【図9】実施例5で得られたケイ素系化合物の赤外線吸
収スペクトル図である。
【図10】実施例6で得られたケイ素系化合物の 1H核
磁気共鳴スペクトル図である。
【図11】実施例6で得られたケイ素系化合物の13C核
磁気共鳴スペクトル図である。
【図12】実施例6で得られたケイ素系化合物の赤外線
吸収スペクトル図である。
【図13】実施例14で得られたケイ素系化合物の赤外
線吸収スペクトル図である。
【図14】実施例17で得られたケイ素系化合物の赤外
線吸収スペクトル図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されるケイ素化合物単
    位、一般式(2)で表されるアセチレン単位及び一般式
    (3)で表されるメタロセン単位を構成単位とし、各構
    成単位のモル比が、ケイ素化合物単位:アセチレン単
    位:メタロセン単位=1:2:0.01〜1であり、か
    つ重量平均分子量が500以上であることを特徴とする
    ケイ素系化合物。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、同一であっ
    ても異なっていてもよい。R2 は、水素原子、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は
    1 3Siで表されるシリル基を示し、同一であっても異
    なっていてもよい。Yは芳香族環、アセチレン残基又は
    有機金属化合物を示し、MはFe又はRuを示す。aは
    0〜10の整数を示す。)
  2. 【請求項2】一般式(4)で表される構成単位よりなる
    請求項1記載のケイ素系化合物。 【化4】 (式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、同一であっ
    ても異なっていてもよい。R2 は、水素原子、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は
    1 3Siで表されるシリル基を示し、同一であっても異
    なっていてもよい。Yは芳香族環、アセチレン残基又は
    有機金属化合物を示し、MはFe又はRuを示す。aは
    0〜10の整数を示し、bは1以上の整数を示す。)
  3. 【請求項3】一般式(5)で表される構成単位と一般式
    (6)で表される構成単位よりなる請求項1記載のケイ
    素系化合物。 【化5】 【化6】 (式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、同一であっ
    ても異なっていてもよい。R2 は、水素、炭素数1〜2
    0のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はR1 3
    Siで表されるシリル基を示し、同一であっても異なっ
    ていてもよい。Yは芳香族環、アセチレン残基又は有機
    金属化合物を示す。c,dはc+d≧2を満足する1以
    上の整数を示す。)
  4. 【請求項4】一般式(7)で表されるジエチニルシリル
    化合物と、一般式(8)で表されるジハロゲン化メタロ
    センを遷移金属触媒の存在下で重縮合反応させることを
    特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のケイ
    素系化合物の製造方法。 【化7】 【化8】 (式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、同一であっ
    ても異なっていてもよい。R2 は、水素、炭素数1〜2
    0のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はR1 3
    Siで表されるシリル基を示し、同一であっても異なっ
    ていてもよい。Yは芳香族環、アセチレン残基又は有機
    金属化合物を示し、MはFe又はRuを示し、Xはハロ
    ゲン原子を示す。)
  5. 【請求項5】一般式(9)で表される1,1'-ビス(ト
    リメチルシリルエチニル)メタロセン誘導体と一般式
    (10)で表されるリチオ化剤とを反応させた後、一般
    式(11)で表されるハロゲン化シリル化合物と重縮合
    反応させることを特徴とする請求項1、請求項2又は請
    求項3記載のケイ素系化合物の製造方法。 【化9】 【化10】 【化11】 (式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、同一であっ
    ても異なっていてもよい。R2 は、水素、炭素数1〜2
    0のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はR1 3
    Siで表されるシリル基を示し、同一であっても異なっ
    ていてもよい。R3 は炭素数1〜20のアルキル基又は
    炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは芳香族環、ア
    セチレン残基又は有機金属化合物を示し、MはFe又は
    Ruを示す。aは0〜10の整数を示す。)
  6. 【請求項6】重縮合反応させる際に、ハロゲン化リチウ
    ム、アミン系多座配位子及びクラウンエーテルのうち少
    なくともいずれか1種の添加剤を添加することを特徴と
    する請求項5記載のケイ素系化合物の製造方法。
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JP5-311888 1993-12-13
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011148900A1 (ja) * 2010-05-26 2011-12-01 住友化学株式会社 高分子化合物及びそれを用いた光電変換素子
JP2014172970A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Tokyo Institute Of Technology フェロセン構造を有する有機ヘテロ高分子

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