JPH08833B2 - ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 - Google Patents
ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法Info
- Publication number
- JPH08833B2 JPH08833B2 JP5088032A JP8803293A JPH08833B2 JP H08833 B2 JPH08833 B2 JP H08833B2 JP 5088032 A JP5088032 A JP 5088032A JP 8803293 A JP8803293 A JP 8803293A JP H08833 B2 JPH08833 B2 JP H08833B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- silicon
- aromatic ring
- compound
- bis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Silicon Polymers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも2個のケイ
素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノン類と
の反応による、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケ
イ素化合物の製造方法に関するものである。本発明によ
り提供されるケイ素化合物は、ビス(シロキシ)芳香環
を有し特徴的な紫外吸収を示すので、各種の感光性材料
としての利用が見込まれる。また本発明で得られる高分
子ケイ素化合物は、熱的に安定なシロキサン結合、芳香
環等を有していることから、耐熱材料、エンジニアリン
グプラスチック用材料等としての用途も期待できる。
素−ケイ素結合を有する鎖状ポリシラン類とキノン類と
の反応による、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケ
イ素化合物の製造方法に関するものである。本発明によ
り提供されるケイ素化合物は、ビス(シロキシ)芳香環
を有し特徴的な紫外吸収を示すので、各種の感光性材料
としての利用が見込まれる。また本発明で得られる高分
子ケイ素化合物は、熱的に安定なシロキサン結合、芳香
環等を有していることから、耐熱材料、エンジニアリン
グプラスチック用材料等としての用途も期待できる。
【0002】
【従来の技術】ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケ
イ素化合物は、一般には、Si−Cl、Si−OR、あ
るいはSi−NHR’結合(R,R’=アルキル、アリ
ール基)を有するケイ素化合物とジヒドロキシ芳香族化
合物との縮合反応で製造されていた。しかしこれらの方
法では、塩化水素、アルコール、あるいはアミンの副生
を伴い、それらを除去する必要があった。
イ素化合物は、一般には、Si−Cl、Si−OR、あ
るいはSi−NHR’結合(R,R’=アルキル、アリ
ール基)を有するケイ素化合物とジヒドロキシ芳香族化
合物との縮合反応で製造されていた。しかしこれらの方
法では、塩化水素、アルコール、あるいはアミンの副生
を伴い、それらを除去する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を克服し、少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有す
る鎖状ポリシラン類とキノン類とから、ビス(シロキ
シ)芳香環骨格を有するケイ素化合物を製造する方法を
提供することをその目的とする。
を克服し、少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有す
る鎖状ポリシラン類とキノン類とから、ビス(シロキ
シ)芳香環骨格を有するケイ素化合物を製造する方法を
提供することをその目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウム触媒存
在下での反応により、少なくとも2個のケイ素−ケイ素
結合を有する鎖状ポリシラン類のケイ素−ケイ素結合に
キノン類が速やかに挿入し、縮合反応の場合のような副
生物の生成を伴うことなくビス(シロキシ)芳香環骨格
を有するケイ素化合物が生成するという新規な事実を見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至っ
た。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、パラジウム触媒存
在下での反応により、少なくとも2個のケイ素−ケイ素
結合を有する鎖状ポリシラン類のケイ素−ケイ素結合に
キノン類が速やかに挿入し、縮合反応の場合のような副
生物の生成を伴うことなくビス(シロキシ)芳香環骨格
を有するケイ素化合物が生成するという新規な事実を見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、パラジウム触媒存在
下、ケイ素−ケイ素結合を少なくとも2個有する鎖状ポ
リシラン類(後記一般式(I)で示される化合物)とキ
ノン類とを反応させることを特徴とするビス(シロキ
シ)芳香環骨格を少なくとも1個有するケイ素化合物の
効率的製造方法を提供するものである。本発明において
原料として用いられる、少なくとも2個のケイ素−ケイ
素結合を有する鎖状ポリシラン類は、下記の一般式
(I)
下、ケイ素−ケイ素結合を少なくとも2個有する鎖状ポ
リシラン類(後記一般式(I)で示される化合物)とキ
ノン類とを反応させることを特徴とするビス(シロキ
シ)芳香環骨格を少なくとも1個有するケイ素化合物の
効率的製造方法を提供するものである。本発明において
原料として用いられる、少なくとも2個のケイ素−ケイ
素結合を有する鎖状ポリシラン類は、下記の一般式
(I)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R2 及びR3 はアルキル基または
アルコキシ基であり、それらは互いに同一でも異なって
もよい。nは3以上の整数を示す。末端基はアルキル
基、アルコキシ基または水素原子である。)で表わされ
るポリシラン骨格を有するものである。
アルコキシ基であり、それらは互いに同一でも異なって
もよい。nは3以上の整数を示す。末端基はアルキル
基、アルコキシ基または水素原子である。)で表わされ
るポリシラン骨格を有するものである。
【0008】一般式(I)中のR2 及びR3 を例示すれ
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、メトキシ基等が挙げられる。それらの置換基等
を有する一般式(I)で表わされる鎖状ポリシラン類を
例示すれば、オクタメチルトリシラン、デカメチルテト
ラシラン、テトラデカメチルヘキサシラン、ポリ(ジメ
チルシリレン)、ポリ(ジエチルシリレン)、ポリ(メ
チルプロピルシリレン)、ポリ(ブチルメチルシリレ
ン)、ポリ(ヘキシルメチルシリレン)、ポリ(メトキ
シメチルシリレン)等を挙げることができる。また、本
発明において用いられるキノン類は、環内の炭素数が2
0以下の芳香族炭化水素化合物を母体化合物とし、一般
式
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、メトキシ基等が挙げられる。それらの置換基等
を有する一般式(I)で表わされる鎖状ポリシラン類を
例示すれば、オクタメチルトリシラン、デカメチルテト
ラシラン、テトラデカメチルヘキサシラン、ポリ(ジメ
チルシリレン)、ポリ(ジエチルシリレン)、ポリ(メ
チルプロピルシリレン)、ポリ(ブチルメチルシリレ
ン)、ポリ(ヘキシルメチルシリレン)、ポリ(メトキ
シメチルシリレン)等を挙げることができる。また、本
発明において用いられるキノン類は、環内の炭素数が2
0以下の芳香族炭化水素化合物を母体化合物とし、一般
式
【0009】
【化5】
【0010】(式中、bは1である。)で表わされる骨
格を有するキノン類であり、環上の水素原子が、炭化水
素基、塩素原子、含酸素基、含窒素基又は含硫黄基等の
1価の基で置換されていてもよい。それらのキノン類を
例示すれば、oまたはp−ベンゾキノン、2,5−ジメ
チル−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチ
ル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル
−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ−
p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラフルオロ−
p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−p−ベンゾキノン、2−メトキシ−p−ベンゾキノ
ン、1,2または1,4−ナフトキノン、1,2−ナフ
トキノン−4−スルホニル=クロリド、1,2−、1,
4−または9,10−アントラキノン、9,10−フェ
ナントラキノン、1,6−ピレンキノン及び3,10−
ペリレンキノン等が挙げられる。
格を有するキノン類であり、環上の水素原子が、炭化水
素基、塩素原子、含酸素基、含窒素基又は含硫黄基等の
1価の基で置換されていてもよい。それらのキノン類を
例示すれば、oまたはp−ベンゾキノン、2,5−ジメ
チル−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチ
ル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル
−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ−
p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラフルオロ−
p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−p−ベンゾキノン、2−メトキシ−p−ベンゾキノ
ン、1,2または1,4−ナフトキノン、1,2−ナフ
トキノン−4−スルホニル=クロリド、1,2−、1,
4−または9,10−アントラキノン、9,10−フェ
ナントラキノン、1,6−ピレンキノン及び3,10−
ペリレンキノン等が挙げられる。
【0011】本発明方法により提供される、少なくとも
1個のビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合
物は、下記の一般式(III) で表わされる骨格を有するも
のである。
1個のビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合
物は、下記の一般式(III) で表わされる骨格を有するも
のである。
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R2 及びR3 は、各々前記と同じ
意味をもつ。R1 は、環内の炭素数が20以下の芳香族
炭化水素化合物から、最短2個の環内炭素原子で隔てら
れた位置の2個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個
の水素原子を取り除いて得られる2価の芳香環基を表わ
す。また、p及びqはp≧1、q≧0、p+q≧3の関
係を満たす整数を示す。末端基はアルキル基、アルコキ
シ基または水素原子である。)
意味をもつ。R1 は、環内の炭素数が20以下の芳香族
炭化水素化合物から、最短2個の環内炭素原子で隔てら
れた位置の2個の環内炭素原子にそれぞれ結合した2個
の水素原子を取り除いて得られる2価の芳香環基を表わ
す。また、p及びqはp≧1、q≧0、p+q≧3の関
係を満たす整数を示す。末端基はアルキル基、アルコキ
シ基または水素原子である。)
【0014】一般式(III) 中のR1 を例示すると、p−
フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4
−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、9,1
0−アントリレン基及び9,10−フェナントリレン基
等が挙げられる。また、それらの基等を有する一般式
(III) で表わされるケイ素化合物を具体的に示すと、
ジメチルビス(p−トリメチルシロキシフェニルオキ
シ)シラン、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジエ
チルシリレン]、ポリ[(2,3,5,6−テトラクロ
ロ−1,4−フェニレンジオキシ)ジメチルシリレ
ン]、ポリ[(2,3,5,6−テトラフルオロ−1,
4−フェニレンジオキシ)メチルプロピルシリレン]、
ポリ[(1,4−ナフチレンジオキシ)ジメチルシリレ
ン]、ポリ[(9,10−アントリレンジオキシ)ジメ
チルシリレン]、及びポリ[(9,10−フェナントリ
レンジオキシ)ジメチルシリレン]等を挙げることがで
きる。
フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4
−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、9,1
0−アントリレン基及び9,10−フェナントリレン基
等が挙げられる。また、それらの基等を有する一般式
(III) で表わされるケイ素化合物を具体的に示すと、
ジメチルビス(p−トリメチルシロキシフェニルオキ
シ)シラン、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジメチ
ルシリレン]、ポリ[(p−フェニレンジオキシ)ジエ
チルシリレン]、ポリ[(2,3,5,6−テトラクロ
ロ−1,4−フェニレンジオキシ)ジメチルシリレ
ン]、ポリ[(2,3,5,6−テトラフルオロ−1,
4−フェニレンジオキシ)メチルプロピルシリレン]、
ポリ[(1,4−ナフチレンジオキシ)ジメチルシリレ
ン]、ポリ[(9,10−アントリレンジオキシ)ジメ
チルシリレン]、及びポリ[(9,10−フェナントリ
レンジオキシ)ジメチルシリレン]等を挙げることがで
きる。
【0015】本発明の反応に用いられるキノン類の量
は、用いられる鎖状ポリシラン類中のケイ素−ケイ素結
合の数をnとし、生成物におけるビス(シロキシ)芳香
環骨格の数をmとすると、所望のm/nすなわちポリシ
ラン鎖へのキノン類の挿入の程度に応じて任意に選ぶこ
とができるが、原料の鎖状ポリシラン類に対するモル比
として1/n:1以上、通常は1/n:1〜10:1で
ある。
は、用いられる鎖状ポリシラン類中のケイ素−ケイ素結
合の数をnとし、生成物におけるビス(シロキシ)芳香
環骨格の数をmとすると、所望のm/nすなわちポリシ
ラン鎖へのキノン類の挿入の程度に応じて任意に選ぶこ
とができるが、原料の鎖状ポリシラン類に対するモル比
として1/n:1以上、通常は1/n:1〜10:1で
ある。
【0016】本発明において用いられるパラジウム触媒
としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、金属または
担持金属パラジウム触媒等、従来公知のものを含む各種
のものが使用できる。それらの具体例を示すと、ビス
(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス
(ベンゾニトリル)パラジウム、ジ−μ−クロロビス
(π−アリル)二パラジウム、ジクロロ(η−1,5−
シクロオクタジエン)パラジウム、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメ
チルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチ
ルホスフィン)パラジウム、ジヨードビス(ジエチルフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリブ
チルホスフィン)パラジウム、ジブロモ[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロ
ロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム、酢
酸パラジウム、塩化パラジウム、活性炭担持パラジウム
等が挙げられる。これらの錯体、塩等は、それらを2種
以上同時に用いてもよく、また上記例示した金属錯体に
含まれる配位子、1−ホスファ−2,6,7−トリオキ
サ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン及びト
リメチルホスファイト等の配位子と共存させて使用する
こともできる。パラジウム触媒の原料の鎖状ポリシラン
類あるいはキノン類に対するモル比は、任意に選ぶこと
ができるが、通常、0.00001:1〜0.5:1の
範囲である。
としては、パラジウム錯体、パラジウム塩、金属または
担持金属パラジウム触媒等、従来公知のものを含む各種
のものが使用できる。それらの具体例を示すと、ビス
(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス
(ベンゾニトリル)パラジウム、ジ−μ−クロロビス
(π−アリル)二パラジウム、ジクロロ(η−1,5−
シクロオクタジエン)パラジウム、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメ
チルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチ
ルホスフィン)パラジウム、ジヨードビス(ジエチルフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリブ
チルホスフィン)パラジウム、ジブロモ[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロ
ロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム、酢
酸パラジウム、塩化パラジウム、活性炭担持パラジウム
等が挙げられる。これらの錯体、塩等は、それらを2種
以上同時に用いてもよく、また上記例示した金属錯体に
含まれる配位子、1−ホスファ−2,6,7−トリオキ
サ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタン及びト
リメチルホスファイト等の配位子と共存させて使用する
こともできる。パラジウム触媒の原料の鎖状ポリシラン
類あるいはキノン類に対するモル比は、任意に選ぶこと
ができるが、通常、0.00001:1〜0.5:1の
範囲である。
【0017】本発明方法において反応は、0℃以上、好
ましくは20〜200℃の反応温度で実施される。ま
た、本発明方法においては、溶媒の有無にかかわらず鎖
状ポリシラン類とキノン類を反応させることができる
が、溶媒を用いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒の他、原料の鎖状ポリシラン
類及びキノン類と反応するものを除いた各種の有機溶媒
を用いることができる。反応液からの目的生成物の分離
精製は、一般に、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶、
再沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容
易に行われる。
ましくは20〜200℃の反応温度で実施される。ま
た、本発明方法においては、溶媒の有無にかかわらず鎖
状ポリシラン類とキノン類を反応させることができる
が、溶媒を用いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、デカリン等の炭化水素溶媒やジブチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒の他、原料の鎖状ポリシラン
類及びキノン類と反応するものを除いた各種の有機溶媒
を用いることができる。反応液からの目的生成物の分離
精製は、一般に、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶、
再沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容
易に行われる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0019】実施例1 ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
0.01mmol、ポリ(ジメチルシリレン)(重量平
均分子量 〜4.7×103 、分子量分布指数(重量平
均分子量/数平均分子量) 〜1.8、1分子当りのケ
イ素−ケイ素結合の平均個数 〜45) 58mg(構
成繰り返し単位当り1.0mmol)、p−ベンゾキノ
ン 1.1mmol、及びベンゼン 0.5mlを窒素
下、封管中120℃で18時間かき混ぜながら加熱し
た。褐色反応溶液にベンゼンを加えてろ過した後、ろ液
を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をヘキサンで洗浄し、減
圧下乾燥させた結果、ポリ[(p−ジオキシフェニレ
ン)ジメチルシリレン] 141mg(重量平均分子量
1.5×104 、構成繰り返し単位当り0.85mm
ol、収率85%)を得た。この生成ポリマーをベンゼ
ンに溶解し、イソプロピルアルコールに添加した後、混
合溶液を減圧下濃縮すると、褐色沈殿物が生成した。こ
れをイソプロピルアルコールで洗浄し、減圧下乾燥させ
て生成ポリマーの高分子量成分 77mg(構成繰り返
し単位当り0.46mmol、収率46%)を得た。こ
の高分子量成分のスペクトルデータ等は以下の通りであ
った。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.3×1
04 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.81 H−NMR(C6 D6 ):δ 0.22(br s,
6H,H3 C−Si),6.91(br s,4H,ベ
ンゼン環プロトン)ppm13 C−NMR(C6 D6 ):δ −2.5(2C,C−
Si), 120.9(4C), 149.5(2C)
ppm29 Si−NMR(C6 D6 ):δ −5.2ppm IR(KBr):1502 s, 1263 m, 1
234 m, 1214 s, 936 s, 839 s, 806 m cm
-1
0.01mmol、ポリ(ジメチルシリレン)(重量平
均分子量 〜4.7×103 、分子量分布指数(重量平
均分子量/数平均分子量) 〜1.8、1分子当りのケ
イ素−ケイ素結合の平均個数 〜45) 58mg(構
成繰り返し単位当り1.0mmol)、p−ベンゾキノ
ン 1.1mmol、及びベンゼン 0.5mlを窒素
下、封管中120℃で18時間かき混ぜながら加熱し
た。褐色反応溶液にベンゼンを加えてろ過した後、ろ液
を減圧下濃縮した。褐色濃縮物をヘキサンで洗浄し、減
圧下乾燥させた結果、ポリ[(p−ジオキシフェニレ
ン)ジメチルシリレン] 141mg(重量平均分子量
1.5×104 、構成繰り返し単位当り0.85mm
ol、収率85%)を得た。この生成ポリマーをベンゼ
ンに溶解し、イソプロピルアルコールに添加した後、混
合溶液を減圧下濃縮すると、褐色沈殿物が生成した。こ
れをイソプロピルアルコールで洗浄し、減圧下乾燥させ
て生成ポリマーの高分子量成分 77mg(構成繰り返
し単位当り0.46mmol、収率46%)を得た。こ
の高分子量成分のスペクトルデータ等は以下の通りであ
った。 重量平均分子量(標準ポリスチレン基準):2.3×1
04 分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量):
3.81 H−NMR(C6 D6 ):δ 0.22(br s,
6H,H3 C−Si),6.91(br s,4H,ベ
ンゼン環プロトン)ppm13 C−NMR(C6 D6 ):δ −2.5(2C,C−
Si), 120.9(4C), 149.5(2C)
ppm29 Si−NMR(C6 D6 ):δ −5.2ppm IR(KBr):1502 s, 1263 m, 1
234 m, 1214 s, 936 s, 839 s, 806 m cm
-1
【0020】実施例2 ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム
0.008mmol、オクタメチルトリシラン 0.2
0mmol、p−ベンゾキノン 0.44mmol、及
びベンゼン 0.05mlを窒素下、封管中120℃で
12時間加熱した。ガスクロマトグラフィーで生成物を
分析した結果、ジメチルビス(p−トリメチルシロキシ
フェニルオキシ)シランが15%の収率で生成したこと
がわかった。このケイ素化合物のスペクトルデータは以
下の通りであった。 MS(EI,70eV):m/z(相対強度) 420
(M+ ,100), 73(64) HI−MS(EI,70eV): 計算値(C20H32S
i3 O4 ) 420.1609; 観測値 420.1
593
0.008mmol、オクタメチルトリシラン 0.2
0mmol、p−ベンゾキノン 0.44mmol、及
びベンゼン 0.05mlを窒素下、封管中120℃で
12時間加熱した。ガスクロマトグラフィーで生成物を
分析した結果、ジメチルビス(p−トリメチルシロキシ
フェニルオキシ)シランが15%の収率で生成したこと
がわかった。このケイ素化合物のスペクトルデータは以
下の通りであった。 MS(EI,70eV):m/z(相対強度) 420
(M+ ,100), 73(64) HI−MS(EI,70eV): 計算値(C20H32S
i3 O4 ) 420.1609; 観測値 420.1
593
【0021】
【発明の効果】本発明の方法により、入手容易なキノン
類と少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有する鎖状
ポリシラン類とから、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有
するケイ素化合物を簡単な操作で製造でき、またそれら
の分離、精製も容易である。したがって、本発明の工業
的意義は多大である。
類と少なくとも2個のケイ素−ケイ素結合を有する鎖状
ポリシラン類とから、ビス(シロキシ)芳香環骨格を有
するケイ素化合物を簡単な操作で製造でき、またそれら
の分離、精製も容易である。したがって、本発明の工業
的意義は多大である。
Claims (1)
- 【請求項1】 パラジウム触媒存在下、少なくとも2個
のケイ素−ケイ素結合を有する、一般式 【化1】 (式中、R 2 及びR 3 はアルキル基またはアルコキシ基
であり、それらは互いに同一でも異なってもよい。nは
3以上の整数を示す。また、末端基は、アルキル基、ア
ルコキシ基または水素原子である。) で表わされる鎖状ポリシラン類と、環内の炭素数が20
以下の芳香族炭化水素化合物を母体化合物とし、一般式 【化2】 (式中、bは1である。) で表わされる骨格を有するキノン類を反応させることを
特徴とする、一般式 【化3】 (式中、R 1 は、前記の芳香族炭化水素化合物から、最
短2個の環内炭素原子で隔てられた位置の2個の環内炭
素原子にそれぞれ結合した2個の水素原子を取り除いて
得られる2価の芳香環基を表わす。R 2 及びR 3 は前記
と同じ意味をもつ。また、末端基は、アルキル基、アル
コキシ基または水素原子であり、p及びqは、p≧1、
q≧0、p+q≧3の関係を満たす整数を示す。) で表わされるビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ
素化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088032A JPH08833B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088032A JPH08833B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271591A JPH06271591A (ja) | 1994-09-27 |
JPH08833B2 true JPH08833B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=13931490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5088032A Expired - Lifetime JPH08833B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08833B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2716380B2 (ja) * | 1994-11-04 | 1998-02-18 | 平岡織染株式会社 | 耐熱性シート |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04266628A (ja) * | 1990-12-21 | 1992-09-22 | Knorr Bremse Ag | 実用車の圧力媒体によって操作されるディスクブレーキのためのライニング摩耗表示装置 |
-
1993
- 1993-03-23 JP JP5088032A patent/JPH08833B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04266628A (ja) * | 1990-12-21 | 1992-09-22 | Knorr Bremse Ag | 実用車の圧力媒体によって操作されるディスクブレーキのためのライニング摩耗表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06271591A (ja) | 1994-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6362074B2 (ja) | ポリボロシロキサンおよびその製造方法、ボロシラン化合物の製造方法 | |
JP2574012B2 (ja) | ポリシラン化合物の製造方法 | |
JP3041424B1 (ja) | カルボシランボラジン系ポリマ―およびその製造方法 | |
JPH08833B2 (ja) | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有するケイ素化合物の製造方法 | |
JP2682962B2 (ja) | 含金属高分子ケイ素化合物の製造方法 | |
JP2791397B2 (ja) | 新規な有機ハロシラン化合物 | |
JP2976009B2 (ja) | ビスシロキシ化合物、その製造方法、およびそれを用いた感光性または耐熱性材料 | |
JP3602754B2 (ja) | カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 | |
JPH06256526A (ja) | 主鎖にケイ素を含む有機ポリマーとその製造方法 | |
JP3567250B2 (ja) | 芳香族ポリカルボシラン類 | |
JPH06128381A (ja) | 高分子量ポリシランの製造法 | |
JP2721860B2 (ja) | ポリシラン化合物の製造方法 | |
JP3062737B2 (ja) | 含ケイ素ラダーポリマー及びその製造方法 | |
JP2776184B2 (ja) | ケイ素系高分子化合物 | |
JP3468685B2 (ja) | カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 | |
JPH05132559A (ja) | ポリシロキサン系ケイ素化合物、その製造方法、およびそれを用いた感光性材料 | |
JP3101706B2 (ja) | 含ケイ素ラダーポリマー及びその製造方法 | |
JP3468680B2 (ja) | カルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法 | |
JP2914221B2 (ja) | 新規な有機ハロシラン化合物 | |
JPH0696640B2 (ja) | ビス(シロキシ)芳香環骨格を有する高分子ケイ素化合物の製造方法 | |
JP2500539B2 (ja) | ポリシランの製造方法 | |
JP3479681B2 (ja) | 可溶性含ケイ素ステップラダー型ポリマーとその製造方法 | |
JPH11116687A (ja) | カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 | |
JP3063718B2 (ja) | ケイ素系高分子化合物の製造方法 | |
JPH07233176A (ja) | 含ケイ素5環性化合物、含ケイ素ラダーポリマー及びその製造方法 |