JP2776184B2 - ケイ素系高分子化合物 - Google Patents
ケイ素系高分子化合物Info
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Description
等として有用な新規なケイ素系高分子化合物に関する。
ケイ素結合(Si−Si結合)はσ結合のエネルギー準
位が炭素のそれに比べて非常に高くなっており、この結
果としてはポリシランに見られるようなσ共役や各種の
π結合との共役があることが知られている。
に発揮させ、材料化させるためには、規則性の高いポリ
マーの合成やそれらの効果的な配列が必要であると考え
られている。
するポリマーの合成方法としては、例えばジシラニレン
フェニレンをビス(ハロジアルキルシリル)ベンゼンの
ウルツカップリング反応により得る方法が一般的に行わ
れている。しかし、その反応機構は明らかになっていな
いばかりか、反応自体も複雑であり規則性の高いポリマ
ーを合成する手段としては問題がある。一方、ウルツカ
ップリング反応以外の合成方法としては、ジエチニル化
合物のヒドロカルビレーションによる方法が報告されて
いるが、位置選択性がないために2重結合と3重結合の
配列がばらばらで規則性の高いポリマーを得るには至っ
ていない。
uらはジエチニルシラン類と種々の芳香族ジハライドと
の反応によるポリマーの合成方法を報告している(Jo
urnal of Polymer Science:
Part C:Polymer Letters,Vo
l.28,431−437(1990))。また、これ
に類するポリマーの合成反応としては、Hua Qin
Liu & John F.Harrodによるヒド
ロシランとアセチレン化合物との脱水素反応の例におい
て、1,3−ジエチニルベンゼンとフェニルシランとの
間で銅触媒によるポリマーの合成が報告されている(C
an.J.Chem.,68,1100(199
0))。しかしながら、前者についてはジシラン類など
のポリシラン鎖の切断を引き起こす問題点があり、一方
後者についてはヒドロシランの種類により活性がかなり
異なっており、特にポリシラン鎖を含むポリマーの合成
反応として一般に利用するには制約が多いという欠点を
有する。
耐熱材料や導電材料として有用なケイ素系高分子化合物
として、ポリシラン鎖の切断を引き起こさず、かつ使用
するシラン化合物の制限を受け難く、しかも規則性が高
いポリシラン共重合体を得ることができるケイ素系高分
子化合物を提供することを目的とする。
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般
式(2)で示される含ケイ素アセチレン化合物と下記一
般式(3)で示される芳香族ハライドとをアミン溶媒中
にてパラジウム化合物を触媒としてハロゲン化水素を脱
離させたところ、前述したRobert J.P.Co
rriuらによる系がジシラン類などのポリシラン鎖を
持つようなアセチレン化合物にも、ポリシラン鎖の切断
を引き起こすことなく、しかもハロゲン化水素の脱離と
いう単純な系による反応であるため高い選択性を持って
下記一般式(1)のケイ素系高分子化合物が得られると
共に、この式(1)の化合物を耐熱材料や導電性材料等
として利用するのに適していることを知見した。
ムなどの遷移金属触媒に活性であり、各種の挿入反応や
ダブルシリル化反応を引き起こすことが知られている
(Nagai et.al., J. Organom
etal. Chem., 186, 51, (19
80), Tanaka et. al., Che
m. Lett., 241, (1991))が、本
発明者らはアミン大過剰、ヨウ化第一銅存在条件では上
記の反応が抑制され、脱ハロゲン化水素カップリングに
よる重合反応が選択性良く起こることを見い出し、本発
明に至った。本発明の方法によれば、基本的にはジシラ
ンのみならず両末端にアセチレン基を持つようないずれ
のポリシラン化合物にも応用可能である。
ケイ素系高分子化合物は下記式(1)で表されるもので
ある。
換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、アルキ
ル基としてはメチル基,エチル基,プロピル基等、シク
ロアルキル基としてはシクロペンチル基,シクロヘキシ
ル基等、アリール基としてはフェニル基,トリル基,ナ
フチル基等、アラルキル基としてはベンジル基,フェネ
チル基等が挙げられる。また、Aは下記に示す基であ
る。
より好ましくは20〜10,000である。
高分子化合物は、下記式(2)の含ケイ素アセチレン化
合物と下記式(3)の芳香族ハライドとをアミン溶媒中
でパラジウム化合物を触媒としてハロゲン化水素を脱離
することにより縮重合を行うことによって得ることがで
きる。
アセチレン化合物としては、具体的に1,2−ジエチニ
ルテトラメチルジシラン、1,2−ジエチニルテトラブ
チルシラン、1,2−ジエチニル−1,2−ジメチル−
1,2−ジフェニルシラン等のジアセチレン化合物を挙
げることができる。
イドにおけるXはハロゲン原子であり、塩素,臭素,ヨ
ウ素を例示することができるが、芳香族ハライドとして
は臭素又はヨウ素が結合したものを使用することが好ま
しい。この式(3)の芳香族ハライドとしては、2,6
−ジブロモピリジン、2,5−ジヨードチオフェン等を
挙げることができる。
ハライドとの配合割合は、アセチレン化合物1モルに対
して芳香族ハライド0.5〜2モル、特に0.9〜1.
1モルとすることが好ましい。
香族ハライドは、パラジウム化合物を触媒として反応さ
せるものである。このパラジウム化合物触媒としては、
trans−塩化ビス(トリフェニルフォスフィン)パ
ラジウム,塩化パラジウム(II)等を例示することが
できるが、上記パラジウム触媒以外に他の種類の触媒と
してトリフェニルホスフィン、ヨウ化第一銅などを使用
することが好ましい。上記三成分の触媒を用いた場合、
特に限定されるものではないが、例えばトリフェニルホ
スフィン/パラジウム触媒/ヨウ化第一銅で2/1/1
程度の割合て使用することが好ましい。また、触媒量は
仕込み量(化合物(2)+(3))に対して0.1〜5
重量部が好ましい。
を使用するもので、これによりSi−Si結合の開裂を
防止して目的のポリシラン化合物を得ることができる。
即ち、Si−Si結合はパラジウムなどの遷移金属触媒
に活性であることが知られているものの、アミン溶媒、
アミン大過剰という条件ではSi−Si結合開裂反応は
進行せず、脱ハロゲン化水素によるポリマーを生成し得
ることを、本発明者によって初めて明らかにしたもので
ある。
アミン等を使用することができ、その使用量は仕込み量
(化合物(2)+(3))に対して2〜20倍量で、好
ましくは5〜10倍量とすることが好ましい。
溶媒を混合使用することは差し支えない。
特に60〜90℃で行うことができる。また、反応時間
は通常3〜8時間である。
ンのみならず両末端にアセチレン基を持つようないずれ
のポリシラン化合物にも応用可能なものである。
は、導電材料、耐熱材料として有用である。
高分子化合物)は、耐熱材料や導電性材料等として有用
なものである。
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。なお、以下の例において、ポリマーの平均分子量は
GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量を示
す。
チルジシラン1,000mgと芳香族ジハライドとして
2,6−ジブロモピリジン707mgとを溶媒として3
0mlのTHF及び30mlのトリエチルアミンに溶解
し、これに触媒としてtrans−塩化ビス(トリフェ
ニルフォスフィン)パラジウム10mg、トリフェニル
フォスフィン20mg及びヨウ化第一銅10mgを加え
て6時間、80〜90℃にて反応した。冷却後、濾過、
濃縮によりトリエチルアミンを除去し、次いでこれをト
ルエンに溶解させ、水洗、濃縮により平均分子量25,
000を主成分とするポリマーAを得た(収率78%、
収量955mg)。
析したところ、IRでは2,152cm−1に非対称ア
セチレンの特性吸収を示し、1H−NMRでは芳香族プ
ロトンとブチル基上のプロトンの積分比は3:36であ
った。
℃、1気圧の条件でヨウ素ドーピングを行ったものの電
気伝導度は2.2×10−4S/cmであった。
723mg使用した以外は実施例1と同様にして反応を
行い、平均分子量6,200を主成分とするポリマーB
を得た(収率63%、収量781mg)。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるケイ素系高
分子化合物。 【化1】
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JP5028692A Expired - Fee Related JP2776184B2 (ja) | 1993-01-25 | 1993-01-25 | ケイ素系高分子化合物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-01-25 JP JP5028692A patent/JP2776184B2/ja not_active Expired - Fee Related
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