JP3673856B2 - ビナフチルシロキサン系ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

ビナフチルシロキサン系ポリマーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビナフチル骨格、ポリシロキサン骨格、およびエチレン性二重結合を有する新規なポリマー、その製造法、およびそれを用いて得られる耐熱性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビナフチル骨格を有するポリマーは、ビナフチル骨格が軸不斉を伴うため、光学活性な不斉化合物を検出するためのセンサー等としての応用や、ビナフチル骨格が縮合多環芳香環で熱的に安定であるため耐熱性材料等への応用も期待される。しかしながら、ビナフチル骨格に加え、溶媒に対する溶解度や成形・加工性等の向上に役立つポリシロキサン骨格と、修飾・架橋等による物性向上を可能にするエチレン性二重結合をあわせて有するポリマーは、従来製造されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ビナフチル骨格、ポリシロキサン骨格、およびエチレン性二重結合を有する新規なポリマーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、6,6’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル誘導体が、H末端ポリシロキサン類と反応し、ビナフチル骨格を有するポリマーが得られるという新規な事実を見いだし、それに基づいて本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、一般式(I−1)
[−A1−X1−A1’−(SiMe−O)m−SiMe−]n1 (I−1)
(式中、X1は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X1中のRはアルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる1価の基である。また、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、mは1〜1000の整数で、n1は2〜50000の整数である。)
【0006】
【化5】
Figure 0003673856
【0007】
で表されるポリマー、および、一般式(I−2)
[−A2−X2−A2’−(SiMe−O)m−SiMe−]n2 (I―2)
(式中、X2は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X2中のRおよびRは、アルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる互いに同一または相異なる1価の基で、pは1〜3の整数である。また、A2およびA2’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、mは1〜1000の整数で、n2は2〜50000の整数である。)
【0008】
【化6】
Figure 0003673856
【0009】
で表されるポリマーを提供するものである。
【0010】
また本発明は、一般式(II−1)
HC≡C−X1−C≡CH (II−1)
(式中、X1は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X1中のRはアルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる1価の基である。)
【0011】
【化7】
Figure 0003673856
【0012】
で表されるジイン化合物と、一般式(III)
H−(SiMe−O)−SiMe−H (III)
(式中、mは1〜1000の整数である。)
で表されるH末端ポリシロキサン類とを反応させることを特徴とする
一般式(I−1)
[−A1−X1−A1’−(SiMe−O)m−SiMe−]n1 (I−1)
(式中、X1およびmは、前記式(II−1)および(III)中のものと同じで、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、n1は2〜50000の整数である。)
で表されるポリマーの製造方法、および、一般式(II−2)
HC≡C−X2−C≡CH (II−2)
(式中、X2は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X2中のRおよびRは、アルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる互いに同一または相異なる1価の基で、pは1〜3の整数である。)
【0013】
【化8】
Figure 0003673856
【0014】
で表されるジイン化合物と、一般式(III)
H−(SiMe−O)−SiMe−H (III)
(式中、mは1〜1000の整数である。)
で表されるH末端ポリシロキサン類とを反応させることを特徴とする
一般式(I−2)
[−A2−X2−A2’−(SiMe−O)m−SiMe−]n2 (I−2)
(式中、X2およびmは、前記式(II−2)および(III)中のものと同じで、A2およびA2’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、n2は2〜50000の整数である。)
で表されるポリマーの製造方法を提供するものである。
なお、本明細書中、Meはメチルを示す。
【0015】
前記の反応は、10族金属触媒および/または9族金属触媒存在下で行うことが好ましく、白金触媒および/またはロジウム触媒存在下で行うことがより好ましい。
【0016】
さらに本発明は、前記式(I−1)および/または(I−2)のポリマーを含むことを特徴とする耐熱性材料を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I−1)または(I−2)で表される新規なポリマーはビナフチル骨格を有するもので、その骨格が軸不斉を伴うため、相互作用が可能な各種不斉化合物を検出するためのセンサー等として有用であるほか、ビナフチル骨格が縮合多環芳香環で熱的に安定であるため耐熱性材料等としても有用である。本発明のポリマーは、溶媒に対する溶解度や成形・加工性等の向上に役立つポリシロキサン骨格と、修飾・位架橋等による物性向上を可能にするエチレン性二重結合をあわせて有するという構造的特徴をもつものである。
【0018】
本発明によれば、前記一般式(II−1)または(II−2)で表されるジイン化合物と、前記一般式(III)で表されるH末端ポリシロキサン類を反応させることにより、それぞれ前記一般式(I−1)または(I−2)で表されるポリマーを効率よく製造することができる。
【0019】
前記一般式(II−1)のX1中の置換基R1および前記一般式(II−1)のX2中の置換基RおよびRは、アルキル基またはアラルキル基であり、より詳しくは、炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜12のアルキル基、炭素数が好ましくは7〜20、より好ましくは7〜12のアラルキル基である。それらの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。また、X1中およびX2中のビナフチル環の水素原子の一部は、反応に関与しないアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の基で置換されていても差し支えない。
したがって、上記置換基等を有する一般式(II−1)で表わされるジイン化合物を例示すれば、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジエトキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジブトキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジオクチルオキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジドデシルオキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジベンジルオキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジフェネチルオキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジエチニル−2,2’−ジナフチルメチルオキシ−1,1’−ビナフチル等が挙げられる。
また、前記一般式(II−2)のX2中のpは1〜3の整数であり、上記置換基等を有する一般式(II−2)で表わされるジイン化合物を例示すれば、次の構造式で示されるもの等が挙げられる。
【0020】
【化9】
Figure 0003673856
【0021】
(ここで、Bu、Oct、Pr、Hex、Phは、それぞれ、ブチル、オクチル、イソプロピル、ヘキシル、フェニルを示す。)
本発明に用いられるジイン化合物としては、光学活性体のR体およびS体をそれぞれ単独で使用することもできれば、混合して使用することもできる。
【0022】
また、前記一般式(III)中のmは1〜1000の整数で、好ましくは1〜700、より好ましくは1〜500である。この一般式(III)で表されるH末端ポリシロキサン類は単独で用いることもできるが、mが異なる複数のものを混合して使用することもできる。本発明に用いられるH末端ポリシロキサン類として、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、H(SiMeO)qSiMeH(数平均分子量Mn=560のポリシロキサン混合物、平均値としてq=6.7)、H(SiMeO)SiMeH(Mn=4,000のポリシロキサン混合物、平均値としてr=53)、H(SiMeO)SiMeH(Mn=17,000のポリシロキサン混合物、平均値としてs=230)、H(SiMeO)SiMeH(Mn=63,000のポリシロキサン混合物、平均値としてt=850)などが挙げられる。
【0023】
本発明における反応に供されるH末端ポリシロキサン類のジイン化合物に対するモル比は任意に選ぶことができるが、ポリマーの収率を考慮すれば0.5〜2程度が望ましく、通常0.7〜1.5である。
【0024】
この反応を円滑に進行させるために、10族または9族金属触媒を使用することができる。10族金属としては、白金、パラジウム、およびニッケルが挙げられ、9族金属としては、イリジウム、ロジウム、およびコバルトが挙げられる。したがって、金属触媒としては、これらの金属錯体、金属塩、金属や担持金属、また、それらに配位子を添加した系など、金属触媒を用いたアセチレン結合のヒドロシリル化反応で使用されている従来公知のものを含む各種のものを使用できる。
10族金属触媒の具体例を示すと、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金、トリス(ジベンジリデンアセトン)二白金、ビス(エチレン)テトラクロロ二白金、シクロオクタジエンジクロロ白金、シクロオクタジエンジメチル白金、ビス(シクロオクタジエン)白金、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジブロモビス(ジメチルフェニルホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、塩化白金酸、ジクロロ白金、白金カーボン、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジブロモビス(ベンゾニトリル)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、活性炭担持パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル等が挙げられる。
また、9族金属触媒の具体例を示すと、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジ−μ−クロロ−ビス(シクロオクタジエン)二イリジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ヨードトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロカルボニルビス(メチルジフェニルホスフィン)ロジウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジ−μ−クロロ−ビス(シクロオクタジエン)二ロジウム、ジカルボニル(シクロペンタジエニル)ロジウム、塩化ロジウム、オクタカルボニル二コバルト、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)コバルト等が挙げられる。
これらの触媒系は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0025】
金属触媒の、ジイン化合物またはH末端ポリシロキサン類に対するモル比は任意に選ぶことができるが、通常0.000001〜0.5の範囲である。
【0026】
本発明における反応は、−100℃以上、好ましくは−50〜250℃、より好ましくは−20〜150℃の反応温度で行うことができる。また、本発明の方法は溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用いる場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒やテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒の他、原料のジイン化合物およびH末端ポリシロキサン類と反応するものを除いた各種の有機溶媒を用いることができる。
【0027】
反応混合物からの目的生成物の分離精製は、一般に再沈殿またはクロマトグラフィー等の有機化学的に通常用いられる手段により、容易に達せられる。
本発明の上記方法によって、前記一般式(I−1)または(I−2)で表されるポリマーが提供される。これら式において、繰り返し単位のn1およびn2は、好ましくは2〜50000、より好ましくは3〜20000の整数である。また、これら式中の−CH=CH−(ビニレン基)と>C=CH2(ビニリデン基)の比は、たとえば、(1)触媒の構造、(2)ジインの構造、(3)H末端ポリシロキサンの構造、(4)温度、溶媒等の反応条件等により制御できる。一方、これら式の末端の基については、A1およびA2に結合する基としてはシリル基等であり、SiMeに結合する基としては水素原子、アルケニル基等である。
本発明により提供されるポリマーを用いて、さまざまな耐熱性材料を得ることができる。その形状としては、膜状、糸状、塊状等各種のものが可能である。たとえば、本発明のポリマーを溶解した有機溶液を、基板上に、キャスト法、ディッピング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、またはスピンコート法等の方法で塗布し乾燥することにより、容易に耐熱性コーティング材料を得ることができる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
(S)−6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(II−1−a)1.1mmolのトルエン2ml溶液に、窒素下、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(III−a)1.1mmolを加え、さらに、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金のキシレン溶液(約2.2%白金濃度)28μlを加えた後、40℃で15時間撹拌した。反応液を撹拌2−プロパノール50ml中に滴下し、沈殿した固体を真空下、80℃で1時間加熱乾燥することにより、(−A1a−X1a−A1a’−SiMe−O−SiMe−)n1(式中、X1aは(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A1aおよびA1a’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基でそれらの存在比は62:38)で示されるポリマー(I−1−a)を、淡黄褐色粉末状固体として93%収率(構造繰り返し単位当たり1.02mmol)で得た。
【0030】
得られた(I−1−a)の物性、スペクトル測定等の分析値は次の通りである。
分子量(GPC、ポリスチレン基準): Mn 7,500、Mw 51,000
Figure 0003673856
H−NMR(CDCl中、δ、ppm): 0.16−0.34(br m,SiMe),3.57−3.75(br m,OMe),5.62−5.71および5.89−5.98(それぞれbr m,=CH),6.27−6.50(br m,Si−CH=),6.92−7.95(br m,芳香環HおよびSi−C=CH−)
29Si−NMR(CDCl中、δ、ppm): −2.3,−2.1,−2.0,−1.8
IR(KBr、cm−1): 1571,1480,1342,1253,1043,842,805
旋光度(THF中,c=0.4,27℃): 比旋光度 +167°、モル旋光度(構造繰り返し単位当たり) +830°
DSC: T 152℃
【0031】
実施例2
(S)−6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(II−1−a)0.28mmolのトルエン1.5ml溶液に、窒素下、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(III−b)0.28mmolを加え、さらに、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金のキシレン溶液(約2.2%白金濃度)7μlを加えた後、40℃で3時間撹拌した。反応液を撹拌2−プロパノール10ml中に滴下し、沈殿した固体を真空下、80℃で1時間加熱乾燥することにより、[−A1−X1−A1’−(SiMe−O)−SiMe−]n1(式中、X1は(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基でそれらの存在比は71:29)で示されるポリマー(I−1−b)を、淡黄褐色粉末状固体として81%収率(構造繰り返し単位当たり0.227mmol)で得た。
【0032】
得られた(I−1−b)の物性、スペクトル測定等の分析値は次の通りである。
分子量(GPC、ポリスチレン基準): Mn 11,000、Mw 70,000
Figure 0003673856
H−NMR(CDCl中、δ、ppm): 0.16−0.28(br m,SiMe),3.60−3.73(br m,OMe),5.63−5.71および5.89−5.96(それぞれbr m,=CH),6.32−6.45(br m,Si−CH=),6.94−7.91(br m,芳香環HおよびSi−C=CH−)
29Si−NMR(CDCl中、δ、ppm): −19.7,−19,6,−3.3,−3.1
IR(KBr、cm−1): 1586,1480,1343,1257,1031,844,793
旋光度(THF中,c=0.4,27℃): 比旋光度 +169°、モル旋光度(構造繰り返し単位当たり) +962°
DSC: T 106℃
【0033】
実施例3
(S)−6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(II−1−a)0.13mmolのトルエン1ml溶液に、窒素下、H末端ポリジメチルシロキサン(H(SiMeO)SiMeH、Mn=560のポリシロキサン混合物、平均値としてq=6.7)(III−c)0.13mmolを加え、さらに、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金のキシレン溶液(約2.2%白金濃度)4μlを加えた後、40℃で3時間撹拌した。反応液を撹拌メタノール30ml中に滴下し、沈殿した粘性固体を真空下、80℃で1時間加熱乾燥することにより、[−A1−X1−A1’−(SiMe−O)−SiMe−]n1(式中、X1は(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基でそれらの存在比は77:23)で示されるポリマー(I−1−c)を、淡黄褐色ゴム状固体として78%収率(構造繰り返し単位当たり0.101mmol)で得た。
【0034】
得られた(I−1−c)の物性、スペクトル測定等の分析値は次の通りである。
分子量(GPC、ポリスチレン基準): Mn 15,000、Mw 54,000
Figure 0003673856
H−NMR(CDCl中、δ、ppm): 0.12−0.48(br m,SiMe),3.12−3.32(br m,OMe),5.78−5.84および6.00−6.06(それぞれbr m,=CH),6.50−6.64(br m,Si−CH=),7.00−8.08(br m,芳香環HおよびSi−C=CH−)
29Si−NMR(CDCl中、δ、ppm): −21.8,−20.7,−3.4,−3.1
IR(KBr、cm−1): 1588,1476,1341,1256,1023,840,799
旋光度(THF中,c=0.4,27℃): 比旋光度 +116°、モル旋光度(構造繰り返し単位当たり) +1060°
DSC: T 21℃
【0035】
実施例4
(S)−6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(II−1−a)0.037mmolおよびH末端ポリジメチルシロキサン(H(SiMeO)SiMeH、Mn=4,000のポリシロキサン混合物、平均値としてr=53)(III−d)0.037mmolのトルエン1.5ml溶液に、窒素下、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金のキシレン溶液(約2.2%白金濃度)1μlを加えた後、40℃で4時間撹拌した。反応液を撹拌メタノール30ml中に滴下し、沈殿した粘性固体を真空下、80℃で1時間加熱乾燥することにより、[−A1−X1−A1’−(SiMe−O)−SiMe−](式中、X1は(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基でそれらの存在比は87:13)で示されるポリマー(I−1−d)を、淡黄褐色ゴム状固体として75%収率(構造繰り返し単位当たり0.0278mmol)で得た。
【0036】
得られた(I−1−d)の物性、スペクトル測定等の分析値は次の通りである。
分子量(GPC、ポリスチレン基準): Mn 23,000、Mw 46,000
Figure 0003673856
H−NMR(C中、δ、ppm): 0.12−0.40(br m,SiMe),3.22−3.35(br m,OMe),5.80−5.85および6.02−6.06(それぞれbr m,=CH),6.52−6.63(br m,Si−CH=),6.83−7.90(br m,芳香環HおよびSi−C=CH−)
29Si−NMR(C中、δ、ppm): −21.3,−2.4
IR(KBr、cm−1): 1588,1404,1328,1260,1019,867,795
旋光度(THF中,c=0.4,27℃): 比旋光度 +29°、モル旋光度(構造繰り返し単位当たり) +1260°
DSC: T −118℃
【0037】
実施例5
(S)−6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(II−1−a)0.0376mmolおよびH末端ポリジメチルシロキサン(H(SiMeO)SiMeH、Mn=4,000のポリシロキサン混合物、平均値としてr=53)(III−d)0.0376mmolのTHF1.9ml溶液に、窒素下、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金のキシレン溶液(約2.2%白金濃度)1μlを加えた後、40℃で11時間撹拌した。反応液のGPC分析により、分子量(ポリスチレン基準)がMn 23,000、および、Mw 51,000であり、[−A1−X1−A1’−(SiMe−O)−SiMe−](式中、X1は(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基)で示されるポリマー(I−1−e)が生成したことがわかった。
【0038】
実施例6
(S)−6,6’−ジエチニル−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル(II−1−a)0.15mmolのトルエン0.49ml溶液に、窒素下、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(III−a)0.15mmolを加え、さらに、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム0.00039mmolを加えた後、40℃で15時間撹拌し、さらに50℃で4時間撹拌した。反応液を撹拌2−プロパノール15ml中に滴下し、沈殿した固体を真空下、80℃で1時間加熱乾燥することにより、[−A1−X1−A1’−SiMe−O−SiMe−]n1(式中、X1は(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基でそれらの存在比は99:≦1)で示されるポリマー(I−1−f)を、淡黄褐色粉末状固体として53%収率(構造繰り返し単位当たり0.0795mmol)で得た。
【0039】
得られた(I−1−f)の物性、スペクトル測定等の分析値は次の通りである。
分子量(GPC、ポリスチレン基準): Mn 3,000、Mw 9,500H−NMR(CDCl中、δ、ppm): −0.06−0.35(br m,SiMe),3.45−3.79(br m,OMe),5.73−5.83および6.25−6.49(br m,それぞれシスおよびトランス体のSi−CH=),6.91−8.07(br m,芳香環HおよびSi−C=CH−)
29Si−NMR(CDCl中、δ、ppm): −9.4,−5.5,−2.2,−2.0
【0040】
実施例7
下記構造式で示される(S)−1,1’−ビナフチル化合物(II−2−a)0.20mmolおよび1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(III−a)0.20mmolのベンゼン0.4ml溶液に、窒素下、トリス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)二白金のキシレン溶液(約2.2%白金濃度)5μlを加え、40℃で5時間加熱した。反応液を撹拌2−プロパノール10ml中に滴下し、沈殿した固体を真空下、80℃で1時間加熱乾燥することにより、[A2a−X2a−A2a’−SiMe−O−SiMe]n2(式中、X2aは下記構造式で示される(S)−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、A2aおよびA2a’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基でそれらの存在比は61:39)で示されるポリマー(I−2−a)を、淡黄色粉末状固体として89%収率(構造繰り返し単位当たり0.178mmol)で得た。
【0041】
【化10】
Figure 0003673856
【0042】
【化11】
Figure 0003673856
【0043】
得られた(I−2−a)の物性、スペクトル測定等の分析値は次の通りである。
分子量(GPC、ポリスチレン基準): Mn 7,000、Mw 27,000
Figure 0003673856
H−NMR(C中、δ、ppm): −0.04(br s,SiMe−C),0.02−0.48(br m,SiMe−O),3.57−4.08(br m,CH−O),5.63−5.80および5.89−6.04(それぞれbr m,=CH),6.36−6.66(br m,Si−CH=),6.83−8.11(br m,芳香環HおよびSi−C=CH−)
29Si−NMR(C中、δ、ppm): −3.33,−3.26,−1.8,−1.5,−1.3
IR(KBr、cm−1): 1589,1471,1336,1252,1209,1078,1040,1012,845,806
【0044】
実施例8〜12
実施例1〜4および実施例7で得られたポリマーは、下記の実施例8〜12で示すように、熱重量分析(TGA)において、窒素中および空気中での5%重量減温度(Td)がいずれも330℃以上の高い値を示すことから、耐熱性材料として有用であることがわかった。
Figure 0003673856
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリマーは、ビナフチル骨格、ポリシロキサン骨格、およびエチレン性二重結合を有し、良好な熱安定性、溶媒に対する溶解度や成形・加工性等、又は修飾・架橋等による物性向上を可能にしており、耐熱性材料等に好適である。また、本発明のポリマーの製造方法によれば、上記ポリマーを簡便に製造することができる。

Claims (7)

  1. 一般式(I−1)
    [−A1−X1−A1’−(SiMe−O)m−SiMe−]n1 (I−1)
    (式中、X1は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X1中のRはアルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる1価の基である。また、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、mは1〜1000の整数で、n1は2〜50000の整数である。Meはメチルを示す。)
    Figure 0003673856
    で表されるポリマー。
  2. 一般式(I−2)
    [−A2−X2−A2’−(SiMe−O)m−SiMe−]n2 (I―2)
    (式中、X2は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X2中のRおよびRは、アルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる互いに同一または相異なる1価の基で、pは1〜3の整数である。また、A2およびA2’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、mは1〜1000の整数で、n2は2〜50000の整数である。Meはメチルを示す。)
    Figure 0003673856
    で表されるポリマー。
  3. 一般式(II−1)
    HC≡C−X1−C≡CH (II−1)
    (式中、X1は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X1中のRはアルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる1価の基である。)
    Figure 0003673856
    で表されるジイン化合物と、一般式(III)
    H−(SiMe−O)−SiMe−H (III)
    (式中、mは1〜1000の整数である。Meはメチルを示す。)
    で表されるH末端ポリシロキサン類とを反応させることを特徴とする
    一般式(I−1)
    [−A1−X1−A1’−(SiMe−O)m−SiMe−]n1 (I−1)
    (式中、X1およびmは、前記式(II−1)および(III)中のものと同じで、A1およびA1’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、n1は2〜50000の整数である。Meはメチルを示す。)
    で表されるポリマーの製造方法。
  4. 一般式(II−2)
    HC≡C−X2−C≡CH (II−2)
    (式中、X2は下記式で表される1,1’−ビナフチル−6,6’−ジイル基で、X2中のRおよびRは、アルキル基およびアラルキル基の中から選ばれる互いに同一または相異なる1価の基で、pは1〜3の整数である。)
    Figure 0003673856
    で表されるジイン化合物と、一般式(III)
    H−(SiMe−O)−SiMe−H (III)
    (式中、mは1〜1000の整数である。Meはメチルを示す。)
    で表されるH末端ポリシロキサン類とを反応させることを特徴とする
    一般式(I−2)
    [−A2−X2−A2’−(SiMe−O)m−SiMe−]n2 (I−2)
    (式中、X2およびmは、前記式(II−2)および(III)中のものと同じで、A2およびA2’は−CH=CH−(ビニレン基)および>C=CH(ビニリデン基)の中から選ばれる互いに同一あるいは相異なる2価の基で、n2は2〜50000の整数である。Meはメチルを示す。)
    で表されるポリマーの製造方法。
  5. 10族金属触媒および/または9族金属触媒の存在下で反応を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のポリマーの製造方法。
  6. 前記10族金属触媒および/または9族金属触媒が白金触媒および/またはロジウム触媒であることを特徴とする請求項5に記載のポリマーの製造方法。
  7. 請求項1または2に記載の一般式(I−1)および/または(I−2)のポリマーを含むことを特徴とする耐熱性材料。
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