JPH06271522A - 光学活性シアノヒドリンエステルの製造方法 - Google Patents

光学活性シアノヒドリンエステルの製造方法

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JPH06271522A
JPH06271522A JP22363593A JP22363593A JPH06271522A JP H06271522 A JPH06271522 A JP H06271522A JP 22363593 A JP22363593 A JP 22363593A JP 22363593 A JP22363593 A JP 22363593A JP H06271522 A JPH06271522 A JP H06271522A
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JP
Japan
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group
alkyl group
formula
halogen atom
atom
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JP22363593A
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English (en)
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Tomoko Oike
智子 大池
Atsushi Furuya
敦史 古谷
Shinji Nishii
真二 西井
Takeo Suzukamo
剛夫 鈴鴨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1段階で光学純度の高い光学活性シアノヒド
リンエステルを製造する方法を提供する。 【構成】(a)アルデヒドと不斉相間移動触媒との混合
物に、水溶性シアン化物とカルボン酸の酸ハライドおよ
び/または酸無水物とを並注すること、または(b)ア
ルデヒドに、不斉相間移動触媒、水溶性シアン化物およ
びカルボン酸の酸ハライドおよび/または酸無水物を並
注することを特徴とする光学活性シアノヒドリンエステ
ルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性シアノヒドリン
エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(XI) で示されるシアノヒドリンエステルは生理活性を示すこ
とが知られている。例えばR1 がm−フェノキシフェニ
ル基、R8 が(4−クロロフェニル)イソプロピルメチ
ル基である光学活性な化合物は優れた殺虫活性を示す。
【0003】これまでに、光学活性シアノヒドリンエス
テルの製造方法はいくつか提出されている。例えば (1)
アルデヒドとシアン化水素とを不斉触媒の存在下に反応
させて光学活性シアノヒドリンを得た後、これとカルボ
ン酸ハライドとを反応させるという2段階よりなる方法
(特開昭59−116256号公報)、 (2)水溶性シア
ン化物と不斉相間移動触媒との混合物にベンズアルデヒ
ドと無水酢酸との混合物を加えるという1段階よりなる
方法(Tetrahedron Lett.2171(1979) )などが知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが (1)の方法は
2段階よりなるため、生産性等の点で満足できるもので
はなかった。また (2)の1段階よりなる方法では目的物
の光学純度が低いという問題があった。本発明は、これ
らの欠点を克服して1段階で光学純度の高い光学活性シ
アノヒドリンエステルを製造する方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、アルデヒドおよび不斉相間移動触媒の混合
物に、水溶性シアン化物と酸ハライドおよび/または酸
無水物とを並注すること、またはアルデヒドに、不斉相
間移動触媒、水溶性シアン化物および酸ハライドおよび
/または酸無水物を並注することにより、1段階で光学
純度の高い光学活性シアノヒドリンエステルを製造する
方法を見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、(a) 一般式(I) R1 −CHO (I) 〔式中、R1 は鎖状もしくは環状アルキル基またはアラ
ルキル基、または下記式(II)または(III) (式中、R2 は水素原子、ハロゲン原子.アルキル基も
しくはアルコキシ基、またはハロゲン原子、アルキル基
もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル
基、またはハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキ
シ基で置換されていてもよいフェノキシ基、またはフェ
ニルアミノ基を表す。Aは炭素または窒素原子を表す。
Dは水素またはハロゲン原子を表す。)を表す。〕で表
されるアルデヒドおよび
【0007】一般式(IV) 〔式中、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に、ハロ
ゲン原子または水酸基で置換されていてもよい、アルキ
ル基、アルキル基を有していてもよいアラルキル基また
はアリール基を表す。R6 は低級アルキル基、またはハ
ロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換さ
れていてもよいフェニル基もしくはナフチル基を表す。
5 とR6 とは連結して、隣接する炭素原子および窒素
原子とともに五員環または六員環を形成することができ
る。R7 はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基またはフェノキシ基で置換されていてもよい、フ
ェニル基またはナフチル基を表す。E- はハロゲン化物
イオン、ClO4 - 、H2PO4 - 、HSO4 - 、MeSO4 - またはEtSO
4 - を表す。〕で表される不斉相間移動触媒の混合物
に、
【0008】水溶性シアン化物および一般式(V) 〔式中、R8 は下記一般式(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)
または (X) (式中、Gは鎖状もしくは環状アルキル基またはアルケ
ニル基を表し、Jは水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、ハロアルコキシ基またはアルコキシ基を表す。L1
およびL2 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、ハロアルキル基またはカルボ
アルコキシ基を表す。M1 は水素原子またはアルキル基
を表し、M2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシアルキル基、アルケニロキシアルキル基または
アルキニロキシアルキル基を表す。QおよびTは同一の
または相異なるハロゲン原子を表す。X1 は水素または
ハロゲン原子を表し、X2 は水素原子またはハロアルキ
ル基を表す。)で示される基を表す。〕で示されるカル
ボン酸の酸ハライドおよび/または酸無水物を並注する
こと、または(b) 一般式(I)で表されるアルデヒ
ドに、一般式(IV)で表される不斉相間移動触媒、水溶
性シアン化合物および一般式(V)で表されるカルボン
酸の酸ハライドおよび/または酸無水物を並注すること
を特徴とする
【0009】一般式(XI) 〔式中、R1 およびR8 は前述と同じ意味を表す。〕で
示される光学活性シアノヒドリンエステルの製造方法を
提供するものである。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いられるアルデヒドは前記一般式(I)で示さ
れる。式中、R1 は鎖状もしくは環状アルキル基または
アラルキル基、または下記式(II)または(III) (式中、R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基も
しくはアルコキシ基、またはハロゲン原子、アルキル基
もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル
基、またはハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキ
シ基で置換されていてもよいフェノキシ基、またはフェ
ニルアミノ基を表す。Aは炭素または窒素原子を表す。
Dは水素またはハロゲン原子を表す。)を表す。
【0011】かかる鎖状アルキル基としては、例えばメ
チル、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシルな
どの炭素数1〜10の鎖状アルキル基が挙げられ、環状
アルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロデシルなどの炭素数5〜1
0の環状アルキル基が挙げられる。アラルキル基として
は、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピルなどの炭
素数7〜12のアラルキル基が挙げられる。
【0012】式(II)または(III)においてR2 は、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキ
シ基、またはハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコ
キシ基で置換されていてもよいフェニル基、またはハロ
ゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換され
ていてもよいフェノキシ基、またはフェニルアミノ基を
表す。R2 におけるハロゲン原子としては、例えばフッ
素原子、塩素原子、臭素原子が、アルキル基としては、
例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシルなどの炭素
数1〜6のアルキル基が、またアルコキシ基としては、
例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキ
シなどの炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。式
(II)において、Aは炭素または窒素原子を表す。Dは
水素またはハロゲン原子を表す。かかるハロゲン原子と
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの原子が挙げ
られる。
【0013】かかるアルデヒドの具体例としては、例え
ばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルア
ルデヒド、ヘキサヒドロベンズアルデヒド、フェニルア
セトアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒド、
ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、クロロベンズア
ルデヒド、ブロモベンズアルデヒド、トルアルデヒド、
エチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、
エトキシベンズアルデヒド、フェニルベンズアルデヒ
ド、(クロロフェニル)ベンズアルデヒド、トリルベン
ズアルデヒド、(メトキシフェニル)ベンズアルデヒ
ド、フェニルナフトアルデヒド、フェノキシベンズアル
デヒド、(クロロフェニルオキシ)ベンズアルデヒド、
トリルオキシベンズアルデヒド、(メトキシフェニルオ
キシ)ベンズアルデヒド、フェノキシナフトアルデヒ
ド、4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒド、
6−フェノキシ−2−ピリジンカルボキシアルデヒド、
3−フェニルアミノベンズアルデヒドなどを挙げること
ができる。
【0014】本発明で用いられる不斉相間移動触媒は前
記一般式(IV)で示される。式中、R3 、R4 およびR
5 はそれぞれ独立に、ハロゲン原子または水酸基で置換
されていてもよい、アルキル基、アルキル基を有してい
てもよいアラルキル基またはアリール基を表す。
【0015】かかるアルキル基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ドデシル、
ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、8−ブロモ
オクチル、、12−ブロモドデシル、12−ヒドロキシ
ドデシルなどの炭素数1〜20のアルキル基が挙げら
れ、アラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチ
ル、フェニルプロピル、4−クロロベンジル、トリフル
オロメチルベンジル、ヒドロキシベンジルなどの炭素数
7〜12のアラルキル基が挙げられる。アリール基とし
ては、例えばフェニル基、トリル基、クロロフェニル
基、ヒドロキシフェニル基が挙げられる。中でもR3
4 およびR5 はそれぞれがアルキル基であって、それ
らの合計炭素数が6〜30であるものが好ましい。
【0016】R6 は低級アルキル基、またはハロゲン原
子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていて
もよいフェニル基もしくはナフチル基を表す。かかる低
級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、イソブチル、ペンチルなどの炭素数1〜5
のアルキル基が挙げられる。フェニル基もしくはナフチ
ル基上に置換しうるハロゲン原子、アルキル基およびア
ルコキシ基としては、例えばフッ素、塩素、臭素などの
ハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、ヘキシルなどの炭素数1〜6のアルキル
基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシ
などの炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。また
5 とR6 とが連結して、隣接する炭素原子および窒素
原子とともに五員環または六員環を形成してもよい。
【0017】R7 はハロゲン原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基またはフェノキシ基で置換されていても
よい、フェニル基またはナフチル基を表す。かかるハロ
ゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素
原子などが挙げられ、低級アルキル基としては、例えば
メチル、エチル、プロピル、ペンチルなどの炭素数1〜
5のアルキル基が挙げられる。また低級アルコキシ基と
しては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペン
チルオキシなどの炭素数1〜5のアルコキシ基が挙げら
れる。E- は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イ
オンなどのハロゲン化物イオン、ClO4 - 、H2PO4 - 、HSO
4 - 、MeSO4 - またはEtSO4 - を表す。
【0018】該不斉相間移動触媒の代表的なものとし
て、例えば臭化ジメチルドデシル(1,2−ジフェニル
−2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、臭化ジメチル
ドデシル(1−クロロフェニル−2−フェニル−2−ヒ
ドロキシエチル)アンモニウム、臭化ドデシルメチルエ
フェドリニウム、臭化ジメチルドデシル(1−エチル−
2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アンモニウム、
臭化ジメチルドデシル(1−エチル−2−トリル−2−
ヒドロキシエチル)アンモニウム、臭化ジメチルドデシ
ル(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−メトキシフェニ
ルエチル)アンモニウム、臭化(12−ブロモドデシ
ル)メチルエフェドリニウム、臭化(12−ヒドロキシ
ドデシル)メチルエフェドリニウム、臭化(クロロフェ
ニルメチル)メチルエフェドリニウム、臭化(ヒドロキ
シフェニルエチル)メチルエフェドリニウム、臭化メチ
ルフェニルエフェドリニウム、臭化(クロロフェニル)
メチルエフェドリニウム、臭化(ヒドロキシフェニル)
メチルエフェドリニウム、臭化ジメチルドデシル〔2−
(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル
エチル〕アンモニウム、臭化ジメチルドデシル〔2−
(2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシ−1−
メチルエチル〕アンモニウム、臭化ジメチルドデシル
〔2−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル〕アンモニウム、臭化ジメチルド
デシル〔2−(3−フェノキシフェニル)−2−ヒドロ
キシ−1−メチルエチル〕アンモニウム、臭化ジオクチ
ルエフェドリニウム、臭化ジメチル(1,2−ジフェニ
ル−2−ヒドロキシエチル)(p−トリフルオロメチル
ベンジル)アンモニウム、臭化ジメチルドデシル(1−
イソブチル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)ア
ンモニウム、臭化ドデシルメチル−2−(1−ヒドロキ
シ−1−フェニルメチル)ピロリジニウム、ヨウ化ジオ
クチルエフェドリニウム、臭化ジメチルドデシル(2−
(1−ナフチル)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチ
ル)アンモニウム、臭化ジメチルドデシル(1−(p−
tert−ブチルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−フェニ
ルエチル)アンモニウム、臭化ジメチルドデシル(1−
シクロヘキシルメチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル
エチル)アンモニウム、臭化ジメチルトリデシル(2−
p−トリル−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)ア
ンモニウム、臭化ジメチルドデシル(1−(2−ナフチ
ル)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アンモニ
ウム、臭化ジメチル(1,2−ジ(2−ナフチル)−2
−ヒドロキシエチル)(p−トリフルオロメチルベンジ
ル)アンモニウム、過塩素酸ドデシルメチルエフェドリ
ニウム、リン酸ドデシルメチルエフェドリニウム、硫酸
水素ドデシルメチルエフェドリニウム、メチル硫酸ドデ
シルメチルエフェドリニウム、エチル硫酸ドデシルメチ
ルエフェドリニウムなどを挙げることができる。
【0019】該不斉相間移動触媒は通常の4級アンモニ
ウム塩の合成に準じて調製することができる。例えば、
(1R,2S)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタ
ノールと臭化ドデシルとをアセトニトリル溶媒中で加熱
還流し、通常の後処理を施すことにより、臭化(1S,
2R)−ジメチルドデシル(1,2−ジフェニル−2−
ヒドロキシエチル)アンモニウムを得ることができる。
また、ハロゲン化物イオン以外を対陰イオンとする光学
活性4級アンモニウム塩は、例えば、上記方法で得られ
たハロゲン化4級アンモニウムを陰イオン交換樹脂で処
理して対応する水酸化4級アンモニウムとし、これを過
塩素酸、リン酸等の酸で中和することにより得ることが
できる。
【0020】該不斉相間移動触媒の使用量は、通常アル
デヒド1モル当たり0.001〜0.8モルであるが、好ま
しくは0.01〜0.2モルである。
【0021】前記(a)法においては、アルデヒドおよ
び不斉相間移動触媒は、通常非プロトン性溶媒の存在下
に混合するが、この際に更に水を共存させることもでき
る。かかる非プロトン性溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、クロロベンゼンなどの塩素原子で置換さ
れていてもよい芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、
ジクロロメタンなどの塩素原子で置換されていてもよい
アルカン、ジエチルエーテルなどのエーテル、またはこ
れらの混合物が挙げられる。中でもトルエンおよびクロ
ロベンゼンが好ましい。
【0022】該非プロトン性溶媒の使用量は、通常アル
デヒドに対して2〜100重量倍である。また共存させ
得る水の量は、通常アルデヒドに対して100重量倍以
下、好ましくは30倍重量以下である。
【0023】一方(b)法においては、アルデヒドは、
通常予め上記と同様の非プロトン性溶媒と混合しておく
が、この際に更に水を共存させることもできる。該非プ
ロトン性溶媒の使用量は、通常アルデヒドに対して2〜
100重量倍である。また、共存させ得る水の量は、通
常アルデヒドに対して100重量倍以下、好ましくは3
0重量倍以下である。
【0024】(b)法において、不斉相間移動触媒は、
通常上記と同様の非プロトン性溶媒の溶液として用いら
れ、このときの溶液の濃度は通常0.002〜0.2 mol/
l、好ましくは0.01〜0.1 mol/lである。
【0025】本発明において用いられる酸ハライドおよ
び酸無水物は、一般式(V) 〔式中、R8 は下記一般式(VI)、(VII) 、(VIII)、(IX)
または (X) (式中、Gは鎖状もしくは環状アルキル基またはアルケ
ニル基を表し、Jは水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基またはハロアルコキシ基を表す。L1
およびL2 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、ハロアルキル基またはアルコ
キシカルボニル表す。M1 は水素原子またはアルキル基
を表し、M2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシアルキル基、アルケニロキシアルキル基または
アルキニロキシアルキル基を表す。QおよびTは同一の
または相異なるハロゲン原子を表す。X1 は水素または
ハロゲン原子を表し、X2 は水素原子またはハロアルキ
ル基を表す。)で示される基を表す。〕で示されるカル
ボン酸の酸ハライドおよび酸無水物である。これらの酸
ハライドおよび酸無水物として光学活性体を使用するこ
ともできる。酸ハライドとしては酸クロライド、酸ブロ
マイド酸などが挙げられる。
【0026】式(VI)中、Gは鎖状もしくは環状アルキル
基またはアルケニル基を表すが、かかる鎖状もしくは環
状アルキル基としては、イソプロピル、シクロプロピル
基などが、アルケニル基としてはイソプロペニル基など
が挙げられる。Jは水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基またはハロアルコキシ基を表すが、か
かるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原
子、臭素原子が、アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピルなどの炭素数1〜6のアルキル基が挙
げられる。またアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシなどの炭素数1〜6のアルコ
キシ基が、ハロアルコキシ基としては、例えばジフルオ
ロメトキシ、トリフルオロメトキシ基などが挙げられ
る。
【0027】式(VII) 中、L1 およびL2 はそれぞれ独
立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、ハロアルキル基またはアルコキシカルボニル基を表
すが、かかるハロゲン原子としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、またアルキル基と
しては、例えばメチル、エチル、プロピルなどの炭素数
1〜6のアルキル基が挙げられる。アリール基として
は、フェニル基、クロロフェニル基などが、ハロアルキ
ル基としては、トリフルオロメチル基などが挙げられ
る。また、アルコキシカルボニル基としては、ヘキサフ
ルオロイソプロピルオキシカルボニル基などが挙げられ
る。
【0028】式(VIII)中、M1 は水素原子またはアルキ
ル基を表すが、かかるアルキル基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピルなどの炭素数1〜6のアルキル基
が挙げられる。M2 は水素原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシアルキル基、アルケニロキシアルキル基
またはアルキニロキシアルキル基を表すが、かかるアル
キル基としては、例えばメチル、エチル、プロピルなど
の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、アリール基と
しては、例えばフェニル基、トリル基、tert−ブチルフ
ェニル基などが挙げられる。アルコキシアルキル基とし
ては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシ
メチル基などが挙げられ。アルケニロキシアルキル基と
しては、アリルオキシメチル基、アリルオキシエチル基
などが、アルキニロキシアルキル基としては、プロパル
ギルオキシメチル基、プロパルギルオキシメチル基など
挙げられる。
【0029】式(IX)中、QおよびTは同一のまたは相異
なるハロゲン原子を表すが、かかるハロゲン原子として
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
【0030】式 (X) 中、X1 は水素原子またはハロゲ
ン原子を表し、X2 は水素原子またはハロアルキル基を
表す。
【0031】一般式(V)で示されるカルボン酸の代表
例としては、例えば2−(4−クロロフェニル)イソ吉
草酸、2−(4−メチルフェニル)イソ吉草酸、2−
(4−メトキシフェニル)イソ吉草酸、cis−2,2
−ジメチル−3−(2’−メチル−1’−プロペニル)
シクロプロパン−1−カルボン酸、2−(2,2−ジク
ロロビニル)−3,3−ジメチルシクロプロパンカルボ
ン酸、2−(2,2−ジブロモビニル)−3,3−ジメ
チルシクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボン酸、2,2,3−トリメチルシクロ
プロパンカルボン酸、2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボン酸、3−(1,2−ジクロロ−
2,2−ジフルオロエチル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボン酸、2,2−ジメチル−3−(1,
1,2,2−テトラクロロエチル)シクロプロパンカル
ボン酸、(4−クロロフェニル)シクロプロピル酢酸、
2−(4−クロロフェニル)−3−メチル−3−ブテン
酸、2−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニ
ル)−3,3−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、2
−(2−クロロ−2−クロロフェニルビニル)−3,3
−ジメチルシクロプロンパンカルボン酸、2,2−ジメ
チル−3−〔2−(2,2,2−トリフルオロ−1−ト
リフルオロメチル−エトキシカルボニル)ビニル〕シク
ロプロパンカルボン酸、3−(2−フルオロ−2−メト
キシカルボニルビニル)−2,2−ジメチルシクロプロ
パンカルボン酸、2−(4−tert−ブチルフェニル)−
3,3−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、3−エト
キシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン
酸、3−アリルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボン酸、3−プロパルギルオキシメチル−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、2−(2
−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ)イ
ソ吉草酸などが挙げられ、これらは光学活性体であって
もよい。
【0032】該カルボン酸の酸ハライドおよび酸無水物
は、どちらか一方のみを用いてもよいし、両者を併用す
ることもできる。該酸ハライドおよび酸無水物の使用量
は、通常アルデヒド1モル当たり1.0〜2.0モル、好ま
しくは1.0〜1.2モルである。
【0033】該酸ハライドおよび酸無水物は、ベンゼ
ン、トルエン、クロロベンゼンなどの前述と同様の実質
的に水と混ざり合わない非プロトン性溶媒に溶解して用
いることができる。かかる非プロトン性溶媒の量は、通
常酸ハライド、酸無水物に対して1〜50重量倍であ
る。
【0034】本発明において用いられる水溶性シアン化
物としては、例えばアルカリ金属シアン化物、アルカリ
土類金属シアン化物が挙げられるが、中でもシアン化ナ
トリウムおよびシアン化カリウムが好ましい。かかる水
溶性シアン化物の使用量は、通常アルデヒド1モル当た
り1.0〜1.5モル、好ましくは1.0〜1.2モルである。
該水溶性シアン化物は通常水溶液として使用される。こ
のときの水溶液の濃度は通常0.05〜10 mol/l、好
ましくは0.2〜2.5 mol/lである。
【0035】反応系の温度は通常−10℃以上であれば
よいが、好ましくは0℃〜50℃、より好ましくは0℃
〜30℃である。反応系のpHは通常3〜12であり、
好ましくは6〜10である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、1段階で光学純度の高
いシアノヒドリンエステルを製造することができる。ま
た本発明は、取扱の容易な水溶性シアン化物を使用する
ことができる点でも工業的に有利である。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0038】実施例1 m−フェノキシベンズアルデヒド(990mg)、臭化
(1S,2R)−ジメチルドデシル(1,2−ジフェニ
ル−2−ヒドロキシエチル)アンモニウム(490m
g)、水20mlおよびトルエン50mlを300mlの丸底
フラスコに入れた。次いでこの混合物を攪拌しながら塩
化(S)−(4−クロロフェニル)イソプロピルアセチ
ル(1150mg)のトルエン溶液10mlおよびシアン化
ナトリウム(250mg)の水溶液10mlを約2時間で滴
下した。このとき系内のpHは8に保たれていた。滴下
終了後、反応液のトルエン相を水洗し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下にトルエンを留去した後、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−
ヘキサン/酢酸エチル=90/10)で精製し、2−
(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノ
キシフェニル)メチル1.88gを得た。収率は89.5
%、(SS)体のdeは40.0%であった。
【0039】実施例2 m−フェノキシベンズアルデヒド(990mg)、臭化
(1R,2S)−ドデシルメチルエフェドリニウム(2
10mg)、水10mlおよびトルエン50mlを300mlの
丸底フラスコに入れた。次いでこの混合物を攪拌しなが
ら塩化(S)−(4−クロロフェニル)イソプロピルア
セチル(1150mg)のトルエン溶液10mlおよびシア
ン化ナトリウム(250mg)の水溶液10mlを約2時間
で滴下した。このとき系内のpHは10に保たれてい
た。滴下終了後、混合物を1時間攪拌した。反応液のト
ルエン相をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3
−フェノキシフェニル)メチルの収率は91.6%であ
った。また高速液体クロマトグラフィーにより分析した
結果、(SS)体のdeは28.1%であった。
【0040】実施例3 m−フェノキシベンズアルデヒド(990mg)、臭化
(1R,2S)−ドデシルメチルエフェドリニウム(4
29mg)およびトルエン50mlを200mlの丸底フラス
コに入れた。次いでこの混合物を攪拌しながら塩化
(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボニル
(663mg)のトルエン溶液10mlおよびシアン化ナト
リウム(250mg)の水溶液10mlを約2時間かけて滴
下した。 滴下終了後、反応液のトルエン相をガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボン酸シアノ(3−フェノキシフェ
ニル)メチルの収率は68.0%であった。また高速液
体クロマトグラフィーにより分析した結果、deは3
6.8%であった。
【0041】実施例4 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに臭化(1S,2R)−ジメ
チルドデシル〔2−(2,5−ジメトキシフェニル)−
2−ヒドロキシ−1−メチルエチル〕アンモニウム(2
44mg)を用いた以外は実施例2と同様の条件で反応を
行った。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ
(3−フェノキシフェニル)メチルの収率は83.2%
であり、(SS)体のdeは15.0%であった。
【0042】実施例5 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに臭化(1R,2S)−ジオ
クチルエフェドリニウム(259mg)を用いた以外は実
施例2と同様の条件で反応を行った。2−(4−クロロ
フェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノキシフェニ
ル)メチルの収率は58.7%であり、(SS)体のd
eは13.3%であった。
【0043】実施例6 実施例2におけるトルエンの代わりにクロロベンゼンを
用いた以外は実施例2と同様の条件で反応を行った。2
−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェ
ノキシフェニル)メチルの収率は88.9%であり、
(SS)体のdeは22.6%であった。
【0044】実施例7 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに臭化(1S,2R)−ドデ
シルメチルエフェドリニウム(210mg)を用いた以外
は実施例2と同様の条件で反応を行った。2−(4−ク
ロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノキシフェ
ニル)メチルの収率は89.8%であり、(SR)体の
deは12.8%であった。
【0045】実施例8 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに臭化(1S,2R)−ジメ
チル(1,2−ジフェニル−2−ヒドロキシエチル)
(p−トリフルオロメチルベンジル)アンモニウム(4
80mg)を用い、系内のpHを9に保った以外は実施例
2と同様の条件で反応を行った。2−(4−クロロフェ
ニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノキシフェニル)メ
チルの収率は73.4%であり、(SS)体のdeは2
6.9%であった。
【0046】実施例9 実施例2におけるm−フェノキシベンズアルデヒドの代
わりにヘキサヒドロベンズアルデヒド(560mg)を用
いた以外は実施例2と同様の条件で反応を行った。2−
(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノシクロヘキシ
ルメチルの収率は81.8%であり、deは16.0%
であった。
【0047】実施例10 実施例2におけるm−フェノキシベンズアルデヒドの代
わりにベンズアルデヒド(530mg)を用い、系内のp
Hを8.5に保った以外は実施例2と同様の条件で反応を
行った。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ
フェニルメチルの収率は87.0%であり、deは1
3.7%であった。
【0048】実施例11 実施例2におけるm−フェノキシベンズアルデヒドの代
わりに1−ナフトアルデヒド(781mg)を用い、系内
のpHを8.5に保った以外は実施例2と同様の条件で反
応を行った。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シ
アノ−α−ナフチルメチルの収率は84.6%であり、
deは12.4%であった。
【0049】実施例12 m−フェノキシベンズアルデヒド(990mg)、臭化
(1R,2S)−ドデシルメチルエフェドリニウム(2
10mg)、トルエン50mlを200mlの丸底フラスコに
入れた。次いでこの混合物を攪拌しながら、(+)ci
s−2,2−ジメチル−3−(2’−メチル−1’−プ
ロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸クロリド
(933mg)のトルエン溶液10mlとシアン化ナトリウ
ム(250mg)の水溶液10mlを同時に滴下した。反応
液のトルエン相をガスクロマトグラフィーにより分析し
たところ、2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロペ
ニル)シクロプロパンカルボン酸シアノ(3−フェノキ
シフェニル)メチルの収率は81.0%であった。また
高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、(d,
cis,d)体のdeは12.4%であった。
【0050】実施例13 実施例2における塩化(S)−(4−クロロフェニル)
イソプロピルアセチルの代わりに無水(S)−(4−ク
ロロフェニル)イソプロピル酢酸2.04gを用いた以外
は実施例2と同様の条件で反応を行った。2−(4−ク
ロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノキシフェ
ニル)メチルの収率は51.1%であり、(SS)体の
deは17.8%であった。
【0051】実施例14 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに臭化(1S,2R)−ジメ
チルドデシル(1−イソブチル−2−ヒドロキシ−2−
フェニルエチル)アンモニウム(235mg)を用い、系
内のpHを7.3に保った以外は実施例2と同様の条件で
反応を行った。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸
シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルの収率は7
5.5%であり、(SS)体のdeは31.4%であっ
た。
【0052】実施例15 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに臭化(2S)−ドデシルメ
チル−2−〔(R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルメ
チル〕ピロリジニウム220mgを用い、系内のpHを7.
5に保った以外は実施例2と同様の条件で反応を行っ
た。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3
−フェノキシフェニル)メチルの収率は75.8%であ
り、(SS)体のdeは21.2%であった。
【0053】実施例16 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりにヨウ化(1R,2S)−ジ
オクチルエフェドリニウム259mgを用いた以外は実施
例2と同様の条件で反応を行った。2−(4−クロロフ
ェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノキシフェニル)
メチルの収率は58.7%であり、(SS)体のdeは
13.3%であった。
【0054】実施例17 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに、臭化(1S,2R)−ジ
メチルドデシル(2−(1−ナフチル)−2−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル)アンモニウム(220mg)を用
い、系内のpHを6.5に保った以外は実施例2と同様の
条件で反応を行った。2−(4−クロロフェニル)イソ
吉草酸シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルの収率
は85.2%であり、(SS)体のdeは13.9%で
あった。
【0055】実施例18 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに、臭化(1S,2R)−ジ
メチルドデシル(1−(2−ナフチル)−2−ヒドロキ
シ−2−フェニルエチル)アンモニウム(270mg)を
用い、系内のpHを7に保った以外は実施例2と同様の
条件で反応を行った。2−(4−クロロフェニル)イソ
吉草酸シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルの収率
は86.5%であり、(SS)体のdeは27.7%で
あった。
【0056】実施例19 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに、臭化(1S,2R)−ジ
メチルドデシル(1−(p−tert−ブチルフェニル)−
2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アンモニウム
(273mg)を用い、系内のpHを8.5に保った以外は
実施例2と同様の条件で反応を行った。2−(4−クロ
ロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノキシフェニ
ル)メチルの収率は90.7%であり、(SS)体のd
eは37.8%であった。
【0057】実施例20 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに、臭化(1S,2R)−ジ
メチルドデシル(1−シクロヘキシルメチル−2−ヒド
ロキシ−2−フェニルエチル)アンモニウム(510m
g)を用いた以外は実施例2と同様の条件で反応を行っ
た。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3
−フェノキシフェニル)メチルの収率は85.7%であ
り、(SS)体のdeは35.4%であった。
【0058】実施例21 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに、臭化(1S,2R)−ジ
メチル(1,2−ジ(2−ナフチル)−2−ヒドロキシ
エチル)(p−トリフルオロメチルベンジル)アンモニ
ウム(580mg)を用いた以外は実施例2と同様の条件
で反応を行った。2−(4−クロロフェニル)イソ吉草
酸シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルの収率は8
2.4%であり、(SS)体のdeは17.3%であっ
た。
【0059】実施例22 実施例2における臭化(1R,2S)−ドデシルメチル
エフェドリニウムの代わりに、臭化(1S,2R)−ジ
メチルトリデシル(2−p−トリル−2−ヒドロキシ−
1−フェニルエチル)アンモニウム(252mg)を用い
た以外は実施例2と同様の条件で反応を行った。2−
(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3−フェノ
キシフェニル)メチルの収率は84.3%であり、(S
S)体のdeは26.6%であった。
【0060】比較例1 ジクロロメタン2ml、シアン化カリウム0.8g、臭化
(1R,2S)−ドデシルメチルエフェドリニウム17
1mg、水2mlに0℃でベンズアルデヒド1.06gと無水
酢酸1.1gのジクロロメタン溶液3mlを10℃で20分
間かけて滴下し、同温度で20分間攪拌した。更に20
℃で1.5時間攪拌した後、反応液の有機相をガスクロマ
トグラフィーにより分析したところ、酢酸シアノフェニ
ルメチルの収率は76.6%であった。また高速液体ク
ロマトグラフィーによる分析の結果、0.7%eeであっ
た。
【0061】比較例2 トルエン50ml、水20ml、シアン化ナトリウム(25
0mg)および臭化(1R,2S)−ドデシルメチルエフ
ェドリニウム(210mg)の混合物に、m−フェノキシ
ベンズアルデヒド990mgと塩化(S)−(4−クロロ
フェニル)イソプロピルアセチル(1150mg)との混
合物のトルエン溶液10mlを、10℃で1時間かけて滴
下した。更に同温度で2時間攪拌した後、反応液のトル
エン相をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、2−(4−クロロフェニル)イソ吉草酸シアノ(3
−フェノキシフェニル)メチルの収率は79.5%であ
った。また高速液体クロマトグラフィーによる分析の結
果、(SS)体のdeは0.3%であった。
【0062】比較例3 実施例10におけるm−フェノキシベンズアルデヒドの
代わりにベンズアルデヒド(530mg)、塩化(S)−
(4−クロロフェニル)イソプロピルアセチルの代わり
に無水酢酸(510mg)を用いた以外は実施例2と同様
の条件で反応を行った。酢酸シアノフェニルメチルの収
率は80%、eeは0%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴鴨 剛夫 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 一般式(I) R1 −CHO (I) 〔式中、R1 は鎖状もしくは環状アルキル基またはアラ
    ルキル基、または下記式(II)または(III) (式中、R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基も
    しくはアルコキシ基、またはハロゲン原子、アルキル基
    もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル
    基、またはハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキ
    シ基で置換されていてもよいフェノキシ基、またはフェ
    ニルアミノ基を表す。Aは炭素または窒素原子を表す。
    Dは水素またはハロゲン原子を表す。)を表す。〕で表
    されるアルデヒドおよび一般式(IV) 〔式中、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に、ハロ
    ゲン原子または水酸基で置換されていてもよい、アルキ
    ル基、アルキル基を有していてもよいアラルキル基また
    はアリール基を表す。R6 は低級アルキル基、またはハ
    ロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換さ
    れていてもよいフェニル基もしくはナフチル基を表す。
    5 とR6 とは連結して、隣接する炭素原子および窒素
    原子とともに五員環または六員環を形成することができ
    る。R7 はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシ基またはフェノキシ基で置換されていてもよい、フ
    ェニル基またはナフチル基を表す。E- はハロゲン化物
    イオン、ClO4 - 、H2PO4 - 、HSO4 - 、MeSO4 - またはEtSO
    4 - を表す。〕で表される不斉相間移動触媒の混合物
    に、水溶性シアン化物および一般式(V) 〔式中、R8 は下記一般式(VI)、(VII) 、(VIII)、(IX)
    または (X) (式中、Gは鎖状もしくは環状アルキル基またはアルケ
    ニル基を表し、Jは水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アルコキシ基またはハロアルコキシ基を表す。L1
    およびL2 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
    アルキル基、アリール基、ハロアルキル基またはカルボ
    アルコキシ基を表す。M1 は水素原子またはアルキル基
    を表し、M2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシアルキル基、アルケニロキシアルキル基または
    アルキニロキシアルキル基を表す。QおよびTは同一の
    または相異なるハロゲン原子を表す。X1 は水素または
    ハロゲン原子を表し、X2 は水1原子またはハロアルキ
    ル基を表す。)で示される基を表す。〕で示されるカル
    ボン酸の酸ハライドおよび/または酸無水物を並注する
    こと、または(b) 一般式(I)で表されるアルデヒ
    ドに、一般式(IV)で表される不斉相間移動触媒、水溶
    性シアン化物および一般式(V)で表されるカルボン酸
    の酸ハライドおよび/または酸無水物を並注することを
    特徴とする一般式(XI) 〔式中、R1 およびR8 は前述と同じ意味を表す。〕で
    示される光学活性シアノヒドリンエステルの製造方法。
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