JPH0627106Y2 - 魚釣用リール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は魚釣用リールに関する。

（従来の技術） 一般に、此種釣用リールは、実開昭５６−３５２７２号
公報に見られるように、スプールを回転自由に支持する
リールボディの上面と下面との一方に取付脚を設けると
共に、糸止体を設け、前記スプールに巻装する釣糸の遊
端部を前記糸止体に係止し、釣糸のスプールへの巻回部
分がばらけないように構成されている。

所で、前記スプールに巻装された釣糸を、リールを装着
する釣竿の釣糸ガイドに挿通する場合、釣竿の竿尻側釣
糸ガイドから穂先側釣糸ガイドに順次挿通するのである
が、釣竿は長尺であるため、釣糸の穂先側ガイドへの挿
通に伴い釣竿の竿尻端が地面に付くと共に、釣竿に装着
したリールが、その自重により釣竿に対し地面側に位置
することになる。そして前記釣糸の穂先側釣糸ガイドへ
の挿通時、前記釣竿が、竿尻側の重さにより大きく湾曲
して、前記リールの取付脚と反対側表面が地面と当接
し、リールボディが損傷することになるのである。

そこで、従来、前記リールボディにおける前記取付脚と
反対側表面に、該リールボディの表面に対し外方に向か
って突出する接地片を設けて、釣糸の釣糸ガイドへの挿
通時、前記リールボディの地面との当接を防ぐようにし
たリールが提供されている。

（考案が解決しようとする課題） 所が、この従来のリールにおける前記接地片は、リール
ボディと一体に形成されていて、地面との当接による衝
撃を緩和できるようになっていないため、前記接地片の
地面との当接時、該接地片が部分的に欠けて外観が悪く
なり、又、欠けた部分の角で負傷し易い問題があった。

本考案は以上の問題点に鑑み考案したもので、目的は、
糸止体で釣糸を係止することができながら、この糸止体
を利用して地面との当接時における衝撃を緩和できるよ
うにする点にある。

（課題を解決するための手段） しかして、本考案は、上面と下面との一方に取付脚（１
０）をもったリールボディ（１）にスプール（２）を支
持して成る魚釣用リールであって、前記リールボディ
（１）における前記上面と下面との他方に、該他方の表
面に対し外片に向かって移動可能な糸止体（７）を設け
ると共に、この糸止体（７）を外方に向かって付勢する
弾性体（８）と、該弾性体（８）による前記糸止体
（７）の移動を規制して該糸止体との間に釣糸を係止す
る糸受け（９）とを設け、かつ前記糸止体（７）に、前
記糸受け（９）の頂面よりも外方に突出する接地部（７
１）を設けたものである。

スプール（２）に巻装した釣糸の遊端部を係止する場
合、糸止体（７）を弾性体（８）に抗して移動させ、こ
の糸止体（７）と糸受け（９）との間に前記釣糸を介装
して前記糸止体（７）の移動操作を開放することによ
り、この糸止体（７）が前記弾性体（８）の復元力で復
動し、前記釣糸を係止できるのである。又、リールを装
着した釣竿の釣糸ガイドに釣糸を挿通するとき、前記リ
ールにおけるリールボディの取付脚と反対側面に弾性体
（８）に抗して移動可能に設けた糸止体の接地部（７
１）が地面と当接し、この当接による衝撃により前記糸
止体（７）が弾性体（８）に抗して移動することになる
ので、前記当接時の衝撃を緩和できるのである。

（実施例） 図示したリールは、スプール（２）の軸方向一端側をリ
ールボディ（１）に回転自由に支持して成る片軸受リー
ルであって、前記リールボディ（１）は、中心部にスプ
ール軸（３）をもった円板部（１１）と該円板部（１
１）の外周部と所定間隔を置いて対向するリング部（１
２）と、これら円板部（１１）とリング部（１２）との
上端及び下端を連結する連結片（１３）（１３）とから
成り、前記上端側連結片（１３）に取付脚（１０）を設
けている。

又、前記スプール（２）は、前記リールボディの円板部
（１１）と対向する円板部（２１）と該円板部の外周側
に設ける環状の糸巻凹部（２２）と前記円板部（２１）
の中心側に設ける筒軸部（２３）とから成り、このスプ
ール（２）の前記筒軸部（２３）を前記スプール軸
（３）に着脱自由に嵌合している。又、前記スプール軸
（３）におけるリールボディとスプールとの間の外周に
は、円板状のスプール制動板（４）と、円板状の回転部
材（５）とをそれぞれ回転自由に支持し、この回転部材
（５）と前記筒軸部（２３）とを連動ピン（６９で連動
させてスプール（２）とともに回転部材（５）を回転さ
せるようにし、これらスプール制動板（４）と回転部材
（５）との間に逆転防止歯（２０ａ）と逆転防止爪（２
０ｂ）とをもった一方向回転伝動機構（２０）を設ける
一方、前記リールボディ（１）における円板部（１１）
の外周側部分に、前記制動板（４）の外周部を挟んで該
制動板（４）の回転に制動力を付与し、かつその制動力
を調整可能とした調整体（３０）を設けて、スプール
（２）の釣糸巻取方向への正回転時は、前記スプール
（２）をスプール制動板（４）に対しフリー回転させ、
又、スプール（２）の釣糸繰出方向への逆回転時は、前
記一方向回転伝動機構（２０）を介して前記スプール制
動板（４）をスプール（２）とともに回転させて、該ス
プール（２）の回転に抵抗を与えることができるように
している。

しかして第１、２図に示した実施例では、前記リールボ
ディ（１）における前記取付脚（１０）と反対側連結片
（１３）に、該連結片（１３）の表面に対し外方に向か
って突出する一対の突出部（１４）（１４）と、これら
突出部（１４）間の位置から各突出部と同方向に突出す
る台座軸（１５）とを一体的に設けて、前記各突出部
（１４）（１４）間に、前記台座軸（１５）を受入れる
貫通孔をもった糸止体（７）を前記各突出部（１４）の
突出方向と同方向に移動可能に設け、この糸止体（７）
と前記連結片（１３）との間に、前記糸止体（７）を外
方に向かって付勢するコイルスプリングから成る弾性体
（８）を介装すると共に、前記台座軸（１５）に、前記
弾性体（８）による前記糸止体（７）の移動を規制して
該糸止体（７）との間に釣糸を係止する糸受け（９）を
設け、かつ前記糸止体（７）に、前記突出部（１４）及
び糸受け（９）の頂面よりも外方に突出する接地部（７
１）を設けたのである。

以上の構成において、前記突出部（１４）は、前記スプ
ール（２）の軸方向に対向させて、その内側面で前記糸
止体（７）をガイドするようにしている。又、この突出
部（１４）は、前記スプール（２）の外周面よりも外方
に突出させて、スプール（２）の外周面が地面と当接し
ないようにしている。尚、前記突出部（１４）は、一つ
であってもよい。

又、前記糸止体（７）は、中心部に前記貫通孔をもった
四角形状に形成して、前記各突出部（１４）と対向する
二つの対向辺側に、前記接地部（７１）をそれぞれ一体
に設けると共に、この接地部（７１）と反対方向に向か
って突出する当たり（７２）を設けて、この当たり（７
２）の前記連結片（１３）との当接により前記接地部
（７１）の頂面が前記突出部（１４）の頂面と面一状と
なるようにしている。

又、前記糸受け（９）は、取付ねじ（３１）の前記台座
軸（１５）への螺着により取付けるのであって、この糸
受け（９）と前記糸止体（７）との一方に糸止め溝（３
２）を設けている。

又、前記スプール（２）には、糸巻凹部（２２）の一側
部片を半径方向外方に延長して前記リング部（１２）よ
りも大径の環状指当部（２４）を設け、リールを装着す
る釣竿を把持する手の指を前記指当部（２４）に容易に
接触させることができるようにしている。

又、前記弾性体（８）は、コイルスプリングである他、
波形ばね或はゴム材であってもよい。

尚、図中（３３）は前記スプール（２）のハンドル、
（３４）は前記スプール（２）をスプール軸（３）に対
し着脱可能に取付けるためのスライドレバー、（３５）
は前記制動板（４）の外周に周設する音鳴り歯と係合し
て前記制動板（４）の回転時音鳴りさせるための音鳴り
爪である。

しかして、スプール（２）に巻装した釣糸の遊端部を係
止して釣糸がばらけるのを防止する場合、接地部（７
１）を押圧し、糸止体（７）を弾性体（８）に抗して移
動させ、この糸止体（７）と糸受け（９）との間の糸止
め溝（３２）に前記釣糸を入れて前記糸止体（７）の操
作を開放することにより、この糸止体（７）が前記弾性
体（８）の復元力で復動し、前記釣糸を糸受け（９）と
糸止体（７）との間で係止できるのである。

又、以上の如く構成したリールは、多数の釣糸ガイドを
備えた釣竿の竿尻側に設けられたリール取付具に装着し
て、スプール（２）に巻装された前記釣糸を前記各釣糸
ガイドに挿通するのである。そして、この釣糸の釣糸ガ
イドへの挿通時、前記リールは、その自重により前記釣
竿に対し下方側に位置し、又、前記釣竿が湾曲するた
め、前記リールにおけるリールボディ（１）の取付脚
（１０）と反対側面が地面と対接することになるのであ
る。この場合、先ず糸止体（７）の接地部（７１）が地
面と当接し、この当接による衝撃により前記糸止体
（７）が弾性体（８）に抗して移動するので、前記当接
による衝撃を緩和できるのであり、又、この衝撃が緩和
された後、突出部（１４）が地面と当接するので、この
突出部（１４）及び前記糸止体（７）が部分的に欠けた
りするのを防止できるのである。

又、リールボディ（１）の円板部（１１）とリング部
（１２）との上端を連結する連結片（１３）に取付脚
（１０）を設けて、この取付脚（１０）を前記スプール
（２）に近ずけると共に、前記スプール（２）の外周側
に、前記取付脚（１０）の近傍位置に配置する環状の指
当部（２４）を設けて、前記釣竿を把持した手の指を前
記指当部（２４）に接触させ易いようにしているため、
前記釣竿を把持した手で前記スプール（２）の回転に抵
抗を与えるためのサミングを容易にできるのである。

尚、以上説明した実施例では、接地部（７１）が地面と
当接して糸止体（７）が弾性体（８）に抗して移動した
後、突出部（１４）が地面と当接するごとく構成した
が、その他、前記糸止体（７）が弾性体（８）に抗して
移動した後で前記突出部（１４）が地面と当接しないよ
うに構成してもよいことは勿論である。

又、本考案のリールは、図示した如く片軸受リールであ
る他、両軸受リールなどのリールであってもよい。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、上面と下面との一方に取付脚（１
０）をもったリールボディ（１）における前記上面と下
面との他方に、該他方の表面に対し外方に向かって移動
可能な糸止体（７）を設けると共に、この糸止体（７）
を外方に向かって付勢する弾性体（８）と、該弾性体
（８）による前記糸止体（７）の移動を規制して該糸止
体との間に釣糸を係止する糸受け（９）とを設け、かつ
前記糸止体（７）に、前記糸受け（９）の頂面よりも外
方に突出する接地部（７１）を設けたから、前記糸止体
（７）を移動操作してスプール（２）に巻装された釣糸
を係止することができながら、しかもリールを装着した
釣竿の釣糸ガイドに前記釣糸を挿通するとき、前記リー
ルにおけるリールボディの取付脚（１０）と反対側面が
地面と当接することになっても、弾性体（８）で付勢さ
れた糸止体（７）の接地部（７１）が地面と当接して、
前記糸止体（７）が前記弾性体（８）に抗して移動し、
前記衝撃を緩和できるので、地面と当接する糸止体の接
地部（７１）が、地面との当接によって欠けたりするの
を防止できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案リールの一実施例を示す縦断側面図、第
２図は一部切欠正面図である。 （１）……リールボディ （１４）……突出部 （２）……スプール （７）……糸止体 （７１）……接地部 （８）……弾性体 （９）……糸受け

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面と下面との一方に取付脚（１０）をも
   ったリールボディ（１）にスプール（２）を支持して成
   る魚釣用リールであって、前記リールボディ（１）にお
   ける前記上面と下面との他方に、該他方の表面に対し外
   方に向かって移動可能な糸止体（７）を設けると共に、
   この糸止体（７）を外方に向かって付勢する弾性体
   （８）と、該弾性体（８）による前記糸止体（７）の移
   動を規制して該糸止体（７）との間に釣糸を係止する糸
   受け（９）とを設け、かつ、前記糸止体（７）に、前記
   糸受け（９）よりも外方に突出する接地部（７１）を設
   けたことを特徴とする魚釣用リール。