JPS638945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ゼンマイ巻上げ軸にプーリを連結
し、このプーリに巻回した引紐の引動によるプー
リの回転で上記軸を巻上げ回転させる形式のオル
ゴールの特に作動停止機構の改良に関する。

この種ゼンマイ巻上げ機構では、ゼンマイの巻
き上げ、巻戻り力は相当強く、従つて本案で取上
げようとするオルゴールの作動の途中で該オルゴ
ールを停止すべく引紐を引張るときには強い引き
力が必要であり、従つて幼児等の力では途中での
作動停止はできない。

そこでこの考案では、引紐を軽い力で引張るだ
けで容易にオルゴールの作動を停止できるように
工夫したものである。

以下図面に就いて実施例の詳細を述べる。

１はオルゴールを構成するフレーム、２はオル
ゴールのゼンマイ巻上げ軸で、該軸２には偏平円
筒ドラム状のプーリ受３が嵌合固着され、このプ
ーリ受３の外周面に引紐４を数巻き巻いたプーリ
５が回転並に軸方向に移動自在に遊嵌され、そし
て両者間には係合手段が設けられる。この係合手
段は、プーリ５の内側偏心位置に係合突片５ａを
等間隔毎に複数個設け、これら係合突片５ａをプ
ーリ受３の外周面部に設けた等間隔毎の凹陥部３
ａに介入させ、且これら各凹陥部３ａの一側には
上記係合突片５ａの一側縁と当接する従動縁３ｂ
を、凹陥部３ａの他側には上記係合突片５ａの排
除用斜面３ｃとこの斜面３ｃに連なる阻止縁３ｄ
を備えたものにて形成されている。

又プーリ５とフレーム１との間には、このプー
リ５を第２図で左方に移動付勢するバネ手段６が
介在される。

このバネ手段６は本例ではリング状の板部６ａ
の周縁に弾性脚６ｂを同一周方向に向けて斜めに
切起し、板部６ａの孔をプーリ５のボス部５ｂに
遊嵌してこの板部６ａをプーリ５の面に且上記弾
性脚６ｂをフレーム１の面に摺接させている。

又オルゴールの風切７にはこれの回転域中に侵
入するストツパー手段８が設けられる。

このストツパー手段８は本例では上記バネ手段
の板部６ａに突杆６ｃを一体形成し、この突杆６
ｃをフレーム１の孔１ａを通じて風切７の回転域
に侵入離脱自在に臨ませたものにて構成されてい
る。尚上記孔１ａはバネ手段６の回り止めをも兼
用している。

よつて動作は、第２図の状態で引紐４を引動す
ると、プーリ５はプーリ受３の周面をガイドとし
て回動しそしてプーリ５の係合突片５ａがプーリ
受３に設けた排除斜面３ｃに乗り上る。この乗り
上りによつてバネ手段６の弾性脚６ｂは圧縮さ
れ、その突杆６ｃが風切７に係合する。又上記斜
面３ｃを昇り切つた係合突片５ａが阻止縁３ｄに
係合すると、引続く引紐の引動でプーリ５が回転
しているのでこんどはプーリ受３が従動回転さ
れ、こゝで始めて巻上げ軸２が回動し、ゼンマイ
は巻上げられる。引紐の引動を解除すると上記ス
トツパー手段８の力でプーリ５は左方向に押戻し
復帰され、第２図の状態となる。そしてオルゴー
ルは鳴奏する。

そこで本考案の要旨とする上記鳴奏中のオルゴ
ールの途中停止動作としては、いま第２図の状態
が鳴奏中、つまりゼンマイ巻戻り中だとし、この
状態でゼンマイ巻上げ動作と同様に引紐４を引い
たときプーリ５の係合突片５ａがプーリ受３の斜
面３ｃの最頂部に乗り上つて阻止縁３ｄに当る
迄、つまり突杆６ｃが風切に係合する迄ゼンマイ
軸と結合されない状態が保たれることがわかる。
従つてゼンマイの強い巻戻り力がプーリにはかゝ
らないので軽い力で上記したストツパー手段を働
かせることになる。

第４図，第５図は、プーリ５とプーリ受３の関
係を上記例と同様にしておきプーリ復帰用のバネ
手段６とストツパー手段８とを別個に形成し、ス
トツパー手段８は枠状をなし、その一端止部８ｃ
をフレーム１に圧入固定し、他端遊離端８ｂを風
切７に臨ませ、且このストツパー手段８の当て部
８ａをプーリ５に設けた押しリング５ｃで押すよ
うにし、又バネ手段６はコイルバネで形成してフ
レーム１とプーリ５との間に摺接介在した変形例
である。

上述のように本考案によれば、オルゴールの作
動を停止すべく引紐を引動したときプーリは巻上
げ軸に対し所定角度フリーに回転し、この回転で
プーリを軸方向に移動させてストツパー手段を風
切中に侵入させオルゴールの作動を停止させるも
ので、要するにプーリの空転でストツパーを働か
せるので軽い引紐の引張力でオルゴールの作動を
停止させることができ、幼児等がこの操作を容易
に行うことができるもので、実用上の効果は極め
て大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の分解斜面図、第２図は要部の一
部切欠正面図、第３図は仝上要部の断面図、第４
図は第２実施例の側面図、第５図は仝上平面図、
である。 ２……ゼンマイ巻上げ軸、３ａ，３ｂ，３ｃ，
３ｄ，５ａ……係合手段、４……引紐、５……プ
ーリ、６……バネ手段、８……ストツパー手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゼンマイ巻上げ軸に引紐を巻回したプーリを連
   結し、引紐の引動によるプーリの回転で上記巻上
   げ軸をゼンマイ巻上げ方向に回転させる形式のオ
   ルゴールにおいて、上記引紐の引動時にプーリを
   巻上げ軸に対し所定角度回動できるように係合
   し、この回動時にプーリを一定量軸方向に移動さ
   せる手段と、上記プーリの軸方向移動によつてオ
   ルゴールの風切の回転域中に侵入する上記プーリ
   の移動に関連させたストツパー手段と、プーリを
   上記軸方向移動に抗して復帰付勢するバネ手段と
   でなるオルゴールの作動停止機構。