JPH0627095B2 - アレン系不飽和化合物のカルボニル化方法 - Google Patents

アレン系不飽和化合物のカルボニル化方法

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JPH0627095B2
JPH0627095B2 JP61011240A JP1124086A JPH0627095B2 JP H0627095 B2 JPH0627095 B2 JP H0627095B2 JP 61011240 A JP61011240 A JP 61011240A JP 1124086 A JP1124086 A JP 1124086A JP H0627095 B2 JPH0627095 B2 JP H0627095B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/36Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates
    • C07C67/38Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates by addition to an unsaturated carbon-to-carbon bond

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水、アルコールおよび/またはカルボン酸の
存在下での、一酸化炭素によるアレン系不飽和化合物の
カルボニル化方法に関する。
アレン類が、水またはアルコールの存在下で、カルボニ
ル化されて、それぞれ、カルボン酸またはエステルを生
じ得るということが公知である。しかしながら、この公
知の方法は技術的規模で使用すするのには、やや魅力的
でなくする種々の欠点を有する。
英国特許明細書第1,110,405号は、パラジウムハロ
ゲン化物と有機ホスフインの存在下での、アレンのカル
ボニル化を記載している。英国特許明細書第1,123,3
67号は、パラジウムカルコゲナイド(palladium chal
cogenide)、有機ホスフインおよび酸の存在下でのポリ
オレフイン系不飽和化合物のカルボニル化を記載してい
る。一酸化炭素の極めて高い分圧を使用する必要性は、
これらの公知の方法の欠点である。
欧州特許明細書第106,379号は、パラジウム触媒、
パラジウム1グラム原子あたり少なくとも5モルのトリ
アリールホスフイン、およびハロゲン化水素酸とカルボ
ン酸をのぞく2より小さいpKaを有する酸の存在下での
二重結合を有しているオレフイン系不飽和化合物のカル
ボニル化を記載している。この公知の方法は高い反応速
度が一酸化炭素の比較的低い分圧で得られるということ
を利点として持つ。
アレン系不飽和化合物は、1.5より大きいpKaを有してい
る陽子酸(protonic acid)および/または2.0より大き
くないpKaを有しているカルボン酸を二価のパラジウム
の1グラム原子あたり少なくとも15モルの有機ホスフ
インと組合せた触媒システムを使用することによりアレ
ン系不飽和化合物が比較的低い圧力で迅速にカルボニル
化されるということが意外にもわかつた。それゆえ、本
発明は、水、アルコールおよび/またはカルボン酸の存
在下での一酸化炭素によるアレン系不飽和化合物のカル
ボニル化方法において、該方法が、 (a) 二価のパラジウムの化合物と、 (b) 二価のパラジウムの1グラム原子ああたり少なく
とも15モルの有機ホスフインと、 (c) 水溶液中で18℃で測定して1.5より大きいpKa
有している陽子酸および/または1.5以下のpKaを有して
いるカルボン酸と、を一緒にして形成される触媒システ
ムの存在下において成し逐げられることを特徴とする方
法を提供する。
意外にも、本発明に従う方法は、水、アルコール、カル
ボン酸から出発してカルボン酸、エステル、またはカル
ボン酸無水物にとても高い選択率をそれぞれ発揮すると
いうことがみいだされた。百分率で表わされるある化合
物への選択率は、次のように定義される: ここでaは該ある化合物に変換されたアレン系不飽和化
合物の量であり、bは変換されたアレン系不飽和化合物
の全量である。
均質パラジウム触媒と不均質パラジウム触媒の両方が本
発明に従う方法で使用されてよい。均質触媒が好まし
い。適当な均質触媒は、たとえば、1分子あたり12よ
り多くない炭素原子を持つているアルカン酸、硝酸、ま
たは硫酸とのパラジウムの塩である。原則としてハロゲ
ン化水素酸の塩も使用されるが、それらはハロゲンイオ
ンが腐食作用を持ち得る欠点を有する。好ましく使用さ
れるパラジウム化合物は、酢酸パラジウムである。さら
にパラジウム複合体が使用され得、たとえばパラジウム
アセチルアセトネート、テトラキストリフエニルホスフ
インパラジウム、ビス−トリ−o−トリルホスフインパ
ラジウムアセテートまたはビストリフエニルホスフイン
パラジウムが使用され得る。イオン交換体(たとえばス
ルホン酸基を含んでなるイオン交換体)に結合したパラ
ジウムは適当な不均質触媒の例である。二価のパラジウ
ムの2種またはそれ以上の化合物の混合物も使用され得
る。
有機ホスフインは、第1、第2または好ましくは第3で
あつてもよい。適当なホスフインは次のような一般式I
のホスフインを含む: ここでR1、R2、およびR3は任意には置換されていてもよ
いアルキル基、任意には置換されていてもよいシクロア
ルキル基または任意には置換されていてもよいアリール
基またはR2とR3とが一緒になつて任意には置換されてい
てもよいアルキレン基またはホスフアシクロアルキレン
基を表わす。好ましくはアルキル基は、20個以下の炭
素原子を有し、シクロアルキル基は環に5ないし7個以
下の炭素原子を有し、そしてアリール基は環に18個以
下の炭素原子を有する。アリール基はアンスリル、ナフ
チルまたは好ましくはフエニル基であつてもよい。R1
R2がそれぞれ任意には置換れていてもよいフエニル基で
ある一般式Iのホスフインはホスフインの好ましい群で
ある;この群の中では、R3も任意には置換されていても
よいフエニル基を示すホスフインが特に好ましい。非常
に良好な結果がトリフエニルホスフインで得られた。
R2とR3とにより形成される任意には置換されていてもよ
いアルキレン基は適切には4ないしし9個好ましくは6
ないし8個の範囲の炭素原子を有し、このような基は燐
原子を含んでいる単環、または二環を形成してもよい。
このような化合物の例は以下である: 有機ホスフインのもう1つの好ましい群は、R3が基−PR
4R5(ここでR4は任意には置換されていてもよいフエニ
ル基を示し、R5は任意には置換されていてもよいアルキ
ル、任意には置換されていてもよいシクロアルキルまた
は任意には置換されていてもよいフエニル基を示す)で
終つている炭素原子の鎖を示す一般式Iの有機ホスフイ
ンの群である。この群のなかでR1とR2は好ましくは任意
には置換されていてもよいフエニル基を示す。好ましい
化合物は1,5−ジ(ジフエニルホスフイノ)ペンタンお
よび1,6−ジ(ジフエニルホスフイノ)ヘキサンであ
る。好ましくは、R4とR5はそれぞれR1とR2に等しい。炭
素原子の鎖は適切には2ないし6個の炭素原子を含み、
好ましくは2ないし6個のメチレン基を含んでなる。
触媒システムの有機ホスフインに存在するアリール基は
電子供与置換基たとえばアルキル基、p−アルコキシ基
(炭素−燐結合に関しパラ)およびジアルキルアミノ基
を有してよい。アルキル基およびp−アルコキシ基は好
ましくは5個以下の炭素原子を有する;このような基の
例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、sec−ブチルおよびtert−ブチル基である。適当な
ホスフインの例はトリ(p−メトキシフエニル)ホスフ
インである。
本発明に従う方法に用いられるホスフインはアリール基
に電子引つ込め置換基(electron−withdrawing substi
tuent)を有してよい。電子引つ込め置換基の例はハロ
ゲン原子およびm−アルコキシ基およびハロメチル基で
ある;ここで『ハロ』とは、ヨード、ブロモ、クロロお
よびフルオロを指し;ハロメチル基はモノハロメチル
基、ジハロメチル基およびトリハロメチル基を含む。非
常に良好な結果が、オルト燐酸と組合せたトリ(p−ク
ロロフエニル)ホスフインにより得られる。
適当なホスフインの他の例は、フエニルジエチルホスフ
イン、エチルジフエニルホスフイン、フエニルジプロピ
ルホスフイン、プロピルジフエニルホスフイン、トリ−
o−トリルホスフイン、フエニル−ジ−ブチルホスフイ
ン、ジフエニルメチルホスフイン、トリシクロヘキシル
ホスフイン、トリ−n−ブチルホスフインおよびトリ−
n−オクチルホスフインである。適当なホスフインのさ
らに他の例を次ぎに示す;1,2−ジ(ジフエニルホスフ
イノ)エタン、1,2−ジ(ジフエニルホスフイノ)エテ
ン、1,2−ジ(ジフエニルホスフイノ)エチン、1,2−ジ
(ジフエニルホスフイノ)ベンゼン、1,2−ジフエニル
ホスフイノテトラフルオロ−1,2ジクロブテン、1,2−ジ
フエニルホスフイノ−ヘキサフルオロ−1,2−シクロペ
ンテン、1,2−ジフエニルホスフイノ−オクタフルオロ
−1,2−シクロヘキセン、1,4−ジフエニル−1,4−ジホ
スフアシクロヘキサン、ビス(o−ジフエニルホスフイ
ノフエニル)フエニルホスフインおよびトリス(o−ジ
フエニルホスフイノフエニル)ホスフイン。
2種またはそれ以上の有機ホスフインの混合物も用いら
れ得る。本発明に従う方法で用いられる1.5よりも大き
いpKaを有する陽子酸は有機酸であつても無機酸であつ
てもよい。無機酸の例はひ酸およびオルト燐酸である。
有機酸の例は、蟻酸、酢酸、アセト酢酸、安息香酸、n
−酪酸、メタクリル酸、モノクロロ酢酸、2,4,6−トリ
ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸である。非常に
良い結果がベンゼンホスホン酸により得られた。
pKa1.5以下有するカルボン酸の例はジクロロ酢酸、トリ
クロロ酢酸および修酸である。トリクロロ酢酸は特に好
ましい酸である。
1.5より大きいpKaを有する2種またはそれ以上の陽子酸
の混合物および/または1.5以下のpKaを有する2種また
はそれ以上のカルボン酸の混合物を用いてもよい。パラ
ジウム1グラム原子当り有機ホスフイン15モル未満を
用いいることによる本発明に従う方法の変更は、非常に
低い反応速度およびカルボン酸、エステルまたはカルボ
ン酸無水物に対する低くなつた選択率をもたらす。好ま
しくは、パラジウム1グラム原子当り有機ホスフイン2
0ないし500モルが用いられる;しかしながら500
モル以上の使用は除外する。
二価パラジウムの化合物の量は臨界的でない。アレン系
不飽和化合物1モル当りパラジウム10-5ないし10-1
グラム原子の量の使用が好ましい。
陽子酸1当量当りに用いられる有機ホスフインの当量数
は臨界的でなく、広い限度内で変えてよい。適切には、
陽子酸1当量当り有機ホスフイン0.2ないし50当量の
範囲が用いられる。
別個の溶剤は、本発明に従う方法で必須ではなく、反応
体の1つの大過剰、たとえばアルコールの大過剰が都合
のよい液相をしばしば形成してよい。しかかしながら、
ある場合には別個の溶剤を用いることが望ましく、任意
の不活性な溶剤を用いてよい。適当な溶剤は、たとえ
ば、スルホキシドおよびスルホン、例として、ジメチル
スルホキシド、ジイソプロピルスルホンまたはテトラヒ
ドロチオフエン1,1−ジオキシド(スルホランとも呼ば
れる)およびエーテルから選択されてよい。非常に良好
な結果は、エーテル特にアニソール、2,5,8−トリオキ
サノン(『ジグリム』とも呼ばれる)およびジフエニル
エーテルを用いて得られた。適当なエーテルの例は、ジ
イソプロピルエーテルである。
本発明に従う方法は非常に穏和な反応条件の使用を可能
にする。50ないし200℃特に100ないし150℃
の温度範囲が通常適当である。圧力は広い範囲で変えら
れ得る。通常、圧力範囲1ないし100バールが適当で
あり、5ないし50バールが好ましい。100バールよ
り高い圧力が用いられてもよいが、通常は商業的に魅力
がない。
アルコール(または水またはカルボン酸)対アレン系不
飽和結合のモル比は、臨界的でなく、広い範囲で変えて
よく、通常は0.1:1ないし10:1の範囲である。
本発明に従う方法は、広範囲な種類のアレン系不飽和化
合物を用いて行なうことができ、そのような化合物が反
応条件下で不活性な1個またはそれ以上の置換基たとえ
ばハロゲン原子およびシアノ、エステル、アルコキシお
よびアリール基を有することを除外しない。さらに、ア
レン系不飽和化合物は、反応条件下で不活性でない1個
またはそれ以上の置換基たとえばヒドロキシ基を含んで
いてよい。そのような基のなりゆきは正確な反応条件に
依存しよう。1個またはそれ以上のアレン系不飽和結合
が炭素鎖のどの位置に存在していてもよい。置換されて
いないアルカジエン特に1分子当り20個以下の炭素原
子を有する置換されていないアルカジエンさらに詳細に
はアレンを用いて非常に良好な結果が得られた。適当な
アレンの他の例は、1,2−ブタジエン、1,2−ペンタジエ
ン、3,4−オクタジエンおよび3−メチル−1,2−ブタジ
エンである。アレン系不飽和化合物はそのままで用いて
もよく、不活性な化合物で希釈して用いてもよく、また
は反応条件下で不活性でない化合物で希釈して用いても
よい。後者の例は、アレン系およびアセチレン系不飽和
化合物の混合物であり、たとえば、エチレンの製造のた
めに蒸気の存在下での炭化水素の分解により得られるよ
うなプロピンと混合されたアレンを上げることができ
る。アセチレン系およびエチレン系不飽和化合物は、有
機ホスフインがアリール基が置換されていないかまたは
電子供与置換基を有している一般式Iのホスフインであ
り、陽子酸が1.5より大きなpKaを有する非カルボキシル
陽子酸であるかまたはカルボン酸であるとき、カルボキ
シル化される。アセチレン系不飽和化合物のカルボニル
化は英国特許出願第8432376号に記載されている。
広範囲のアルコールが本発明の方法で反応体として用い
られ得る。たとえば、アルコールは、脂肪族、脂環式ま
たは芳香族であつてよく、1個またはそれ以上の不活性
な置換基たとえばハロゲン原子およびシアノ、エステ
ル、アルコキシおよびアリール基を有していてもよい。
アルコールは適切には1分子当り20個以下の炭素原子
を有している。1個またはそれ以上のヒドロキシ基が存
在してもよく、その場合、使用反応体のモル比に依存し
て、異つた生成物が所望のよううに得られる。たとえ
ば、三価アルコールを少量のアレン系不飽和化合物と反
応させてモノエステルを製造してもよく、あるいは多量
のアレン系不飽和化合物と反応させてトリエステルを製
造してもよい。
したがつて、アルコールの選択は所望の生成物に全く依
存する。水の使用はアルフアーベータ不飽和カルボン酸
を初期生成物として生ずる。アルコールの使用はアルフ
アーベータ不飽和エステルを生じ、これらは前記したよ
うに当然ポリエステルであり得る。アルカノールたとえ
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノ
ール、tert−ブタノール、ステアリルアルコール、ベン
ジルアルコール、シクロヘキサノール、アリルアルコー
ル、クロロカプリルアルコール、エチレングリコール、
1,2−ジヒドロキシプロパン、1,4−ジヒドロキシブタ
ン、グリセロール、1,6−ヘキシサンジオール、フエノ
ール、2,2−ジヒドロキシメチル−1−ブタノール、お
よびエーテル結合を含むアルコールたとえばトリエチレ
ングリコールも用いてよい。
広範囲のカルボン酸を本発明に従う方法の反応体として
用いることができる。このカルボン酸は触媒システムに
存在していて、1.5より大きいpKaを有する陽子酸と同じ
でも異なつていてもよい。カルボン酸は、脂肪族、脂環
式または芳香族であつてもよく、1個またはそれ以上の
不活性な置換基たとえばハロゲン原子およびシアノ、エ
ステル、アルコキシおよびアリール基を有していてもよ
い。カルボン酸は1個またはそれ以上のエチレン系およ
び/またはアセチレン系の不飽和炭素−炭素結合を含ん
でよく、適切には分子1個当りに20個以下の炭素原子
を含んでいる。1個またはそれ以上のカルボキシル基が
存在してもよく、この場合、使用反応体のモル比に依存
して各種の生成物が所望のように得られる。たとえば、
ジカルボン酸を少量のアレン系不飽和化合物と反応させ
てカルボキシル基を含む無水物を製造するようにしても
よく、あるいは多量のアレン系不飽和化合物と反応させ
てカルボキシル基を含まない無水物を製造してもよい。
カルボン酸の例は1分子当りに20個以下の炭素原子を
有するカルボン酸が上げられ、たとえば、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、バレイ
ン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、
ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタ
デカン酸、安息香酸、フタル酸(o−、m−およびp
−)およびトルイル酸(o−、m−およびp−)であ
る。
本発明に従う方法では、一酸化炭素は純粋のまま用いて
もよく、あるいは不活性ガスたとえば窒素、貴ガスまた
は二酸化炭素で希釈して用いてもよい。通常、水素10
容量%を越える存在は望ましくなく、その理由は、反応
条件下で、アレン系不飽和化合物の水素化を起し得るか
らである。通常、5容量%未満の水素を含む一酸化炭素
または一酸化炭素含有ガスの使用を参考として上げるこ
とができる。
以下例を上げて本発明をさらに説明する。
例1−5および比較実験A−D 250ml磁気撹拌ハステロイ(Hastelloy)Cオートク
レーブ(『ハステロイ』は商標である)に、10mlのメ
タノール、40mlの溶剤、酢酸パラジウム、ホスフイン
および陽子酸(用いる場合)を入れた。後述の表にどの
溶剤、ホスフインおよび陽子酸を用いたか、また、3種
の触媒成分のそれぞれの量を示した。オートクレーブを
一酸化炭素でフラツシングしてから、アレンで加圧して
アレンの分圧2バールとさせ、さらに一酸化炭素で加圧
して分圧が20バールとなるようにしてから、密封し、
温度115℃まで加熱した。表に示した反応時間の後、
オートクレーブの中味を気−液クロマトグラフイーの手
段により分析した。反応速度およびメタクリル酸メチル
に対する選択率は表に示してある。
例1は、反応速度およびメタクリル酸メチルに対する選
択率が、パラジウム1グラム原子当りに50mlのホスフ
インおよびベンゼンホスフイン酸(pKa=1.8)を用いた
とき非常に高いことを示している。例1と2との比較
は、パラジウム1グラム原子に対するモル割合のホスフ
インを15に減ずると選択率と反応時間のかなりの減少
があることを示している。
例3はトリフルオロ酢酸の存在が非常に高い反応速度お
よびメタクリル酸メチルに対する非常に高い選択率を与
えることを示している。
例4は、メタクリル酸(pKa=4.5)およびパラジウム1
グラム当り25モルのホスフインを用いると良好な結果
が得られることを示している。
例5は、反応速度およびメタクリル酸メチルに対する選
択率が、3つのフエニル基のそれぞれが電子引つ込め置
換基を有しているトリフエニルホスフインを1.5より大
きいpKaを有する陽子酸と組合せて用いるとき、非常に
高いことを示している。
比較実験Aは、パラジウム1グラム原子当りのホスフイ
ンのモル割合6の使用が、非常に低い反応速度をもたら
すことを示している。
比較実験BおよびCは、反応速度が、強い非カルボキシ
ル陽子酸を用いたとき非常に低いことを示している。比
較実験Cも、フエニル基を電子引つ込め置換基を有する
ホスフインと強い非カルボキシル陽子酸との組合せが非
常に低い反応速度をもたらすことを示している。
比較実験Dは、陽子酸の存在下で反応速度が非常に低い
ことを示している。
例6 40mlのアニソールの代りに40mlのジフエニルエーテ
ルおよび10mlのメタノールの代りに10mlのメタノー
ル酸を用いて例1の実験を繰り返した。反応速度は、ア
レン1400モル/パラジウム1グラム原子/時であり、0.
5時間後に測定した無水メタクリル酸に対する選択率は
95%であつた。
例7 ベンゼンホスフイン酸の不在下で例6の実験を繰返し
た。反応速度は、アレン1100モル/パラジウム1グラム
原子/時であり、無水メタクリル酸に対する選択率は0.
5時間後、92%であつた。
例8 10mlのメタノールの代りに5mlの水および40mlのア
ニソールの代りに40mlのジグリム(diglyme)40ml
を用いて例1の実験を繰り返した。反応速度は、アレン
1000モル/パラジウム/グラム原子/時より大きく、0.
5時間後に測定したメタクリル酸に対する選択率は85
%であつた。
例9 10ミリモルのベンゼンホスホン酸の代りに10ミリモ
ルのトリフルオロ酢酸および40mlのアニソールの代り
に40mlのジフエニルエーテルを用い、さらに10mlの
メタクリル酸を用いて例1の実験を繰り返した。反応速
度は、アレン1400モル/パラジウム1グラム原子/時よ
り大きく、0.5時間後に測定した無水メタクリル酸に対
する選択率は90%であつた。
例10 アレンの分圧1.5バール、プロピンの分圧1.5バール、4
0mlのアニソールの代りに40mlのジフエニルエーテル
40mlを用いて例1の実験を繰り返した。全反応速度
は、(アレン+プロピン)320モル/パラジウム1グ
ラム原子/時であり、0.2時間後に測定したメタクリル
酸メチルに対する選択率は91%であつた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 31/04 X 7821−4G 31/20 X 7821−4G 31/24 X 7821−4G C07B 61/00 300

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水、アルコールおよび/またはカルボン酸
    の存在下での一酸化炭素によるアレン系不飽和化合物の
    カルボニル化方法において、該方法が、 (a) 二価のパラジウムの化合物と、 (b) 二価のパラジウムの1グラム原子あたり少なくと
    も15モルの有機ホスフインと、 (c) 水溶液中で18℃で測定して1.5より大きいpKa
    有している陽子酸および/または1.5以下のpKaを有して
    いるカルボン酸と、を一緒にして形成される触媒システ
    ムの存在下において成し遂げられることを特徴とする一
    酸化炭素によるアレン系不飽和化合物のカルボニル化方
    法。
  2. 【請求項2】該有機ホスフインが次の一般式I: (ここでR1、R2、およびR3は任意には置換されていても
    よいアルキル基、任意には置換されていてもよいシクロ
    アルキル基または任意には置換されていてもよいアリー
    ル基を相互に無関係に表わすか、またはR2とR3とが一緒
    になつて任意には置換されていてもよいアルキレン基ま
    たはホスフアシクロアルキレン基を示す)を有する特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】R1、R2、およびR3がそれぞれ任意には置換
    されていてもよいフエニル基を示す特許請求の範囲第2
    項記載の方法。
  4. 【請求項4】有機ホスフインがトリフエニルホスフイン
    である特許請求の範囲第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】R1およびR2が任意には置換されていてもよ
    いフエニル基をそれぞれ示し、R3が基−PR4R5(ここでR
    4は任意には置換されていてもよいフエニル基を示し、
    そしてR5は任意には置換されていてもよいアルキル基、
    任意には置換されていてもよいシクロアルキル基または
    任意には置換されていてもよいフエニル基を示す)で終
    つている炭素原子の鎖を示す特許請求の範囲第2項記載
    の方法。
  6. 【請求項6】炭素原子の鎖が2ないし6個のメチレン基
    を含んでなる特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】ホスフインが1,6−ジ(ジフエニルホスフ
    イノ)ヘキサンである特許請求の範囲第6項記載の方
    法。
  8. 【請求項8】陽子酸がベンゼンホスホン酸である特許請
    求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】pKaが1.5以下のカルボン酸がトリフルオロ
    酢酸である特許請求の範囲第1項ないし第8項のいずれ
    か1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】二価パラジウムの化合物が酢酸パラジウ
    ムである特許請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか
    1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】パラジウム1グラム原子当り有機ホスフ
    イン20ないし500モルが用いられる特許請求の範囲
    第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】陽子酸1当量当り有機ホスフイン0.2な
    いし50当量が用いられる特許請求の範囲第1項ないし
    第11項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】エーテルが溶剤として用いられる特許請
    求の範囲第1項ないし第12項のいずれか1項に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】温度範囲50ないし200℃で行なわれ
    る特許請求の範囲第1項ないし第13項のいずれか1項
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】全圧1ないし10バールで行なわれる特
    許請求の範囲第1項ないし第14項のいずれか1項に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】アレン系不飽和化合物がアルカジエンで
    ある特許請求の範囲第1項ないし第15項のいずれか1
    項に記載の方法。
  17. 【請求項17】アレン系不飽和化合物がアセチレン系不
    飽和化合物と混合され、有機ホスフインはアリール基が
    置換されていないかまたは電子供与置換基を有している
    一般式Iのホスフインであり、陽子酸が1.5より大きいp
    Kaを有する非カルボキシル陽子酸であるかまたはカルボ
    ン酸である特許請求の範囲第1項ないし第16項のいず
    れか1項に記載の方法。
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