JPH06270649A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JPH06270649A
JPH06270649A JP5721793A JP5721793A JPH06270649A JP H06270649 A JPH06270649 A JP H06270649A JP 5721793 A JP5721793 A JP 5721793A JP 5721793 A JP5721793 A JP 5721793A JP H06270649 A JPH06270649 A JP H06270649A
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air conditioner
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Mitsuaki Hagino
光明 萩野
Junichiro Hara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境変化に対する乗員の操作特性に応じて制
御特性を精度良く補正することができる自動車用空調装
置の提供を目的とする。 【構成】 目標空調条件を維持するように自動的に空調
する空調風自動設定手段を有する空調装置本体1と、送
風状態を設定変更可能な手動設定手段5と、熱環境量入
力手段2からの熱環境量を記憶する制御装置4(熱環境
量記憶手段)と、自動車の運行状態を検出する車両運行
状態検出手段7と、前記制御装置4が前記車両運行状態
検出手段7の情報をもとに乗員の運転操作負荷を演算す
る運転操作負荷演算手段、設定変更された送風状態ある
いは送風状態変化量を記憶する設定情報記憶手段、手動
設定変更情報および熱負荷を基に、前記空調風自動設定
手段の制御特性を補正変更する制御特性補正手段とを兼
ねる構成となっていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空調装置の自動制御
特性を乗員の好みに合うように順次変更する自動車用空
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆるオートエアコンと呼ばれ
る自動車用空調装置は、室温センサ、外気温センサなど
の熱環境量を検出するセンサから得られる信号に応じ
て、最適な吹出温度を演算し、この吹出温度の値を基
に、あらかじめ制御特性を定め、その制御特性通りに車
室内へ空調風を吹き出すものであった。
【0003】この制御特性は一般的な人間の温冷感覚に
基づいて作成されているが、乗員の温冷感覚は個人差が
大きい感覚の一つであり、空調風の吹出特性を一義的に
決定するのは、非常に困難である。
【0004】そこで、例えば特開平3−54015号公
報などに開示されているように、制御特性を乗員の感覚
に合わせて順次補正していく装置が考案されている。す
なわち、この従来例によれば、例えば、最大ファン電圧
で急速冷房時、車室内温度の低下につれて目標吹出温度
ofは低い値から高い値へと変わっていくが、その低い
値から高い値へと変わっていく過程で乗員がファンのス
イッチを手動操作して、オートエアコンの制御特性に設
定されている目標吹出温度Tofである設定値Fより低い
温度段階で、最大ファン電圧から低電圧に落とした場合
(つまりファン風量を小さくした場合)には、一定値α
を設定値Fから減じた値を新しい設定値Fとして、次回
の急速冷房制御時にはこの新しい設定値Fをファン電圧
(つまりファン風量)を下げる境界値として自動制御す
るものである。また、逆に乗員が、初めの設定値Fより
も高い温度でファン電圧を最大ファン電圧に手動操作し
て上げた場合には、設定値Fに一定値αを加えた値を新
しい設定値とするものである。
【0005】ここで、目標吹出温度Tofは、いわゆるオ
ートエアコンの制御指標として一般に用いられているも
ので、車室内温度、外気温、日射量、設定室温から決定
される熱負荷の総合指標である。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、この特
開平3−54015号公報に示されているような自動車
用空調装置では、乗員の環境変化に対する温冷感覚特性
や、操作特性に合うように制御特性が補正されない場合
が生じる。
【0007】すなわち、従来の補正方法は、手動変更操
作がなされた瞬間の熱環境量を基に制御特性を補正して
いた。このため、乗員が日射量が増加したために設定温
度を下げたような場合、乗員が暑いと感じた日射量とは
異なった日射量のときに制御特性の変更が行われる恐れ
がある。例えば、日射量が増加した瞬間は運転操作に手
一杯でエアコンの操作をする余裕がなく、信号で停止し
てから操作したとすれば、信号のある場所の環境によっ
て制御特性が変更されることになる。ところが、一般に
信号のある場所は建物のために日陰となっている場合が
多いため、信号のある場所の日射量は、走行中に変更操
作の動機となった日射量増加点の日射量とは異なる可能
性が高い。したがって従来の方法によれば、実際の動機
となった熱環境変化時点とは異なった熱環境で制御特性
を補正してしまうという問題があった。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、車室内乗員の操作に応じて制御特
性を順次学習補正していく空調装置において、行われた
操作の動機となった環境変化を推測し、これを予測に適
用し、環境変化に対する乗員の操作特性に応じて制御特
性を精度良く補正することができる自動車用空調装置の
提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、熱環境量入力手段から入
力された検出室温、外気温、日射量などの熱環境量およ
び設定室温により目標空調条件を演算し、その目標空調
条件を維持するように、自動的に空調する空調風自動設
定手段を有した自動車用空調装置において、乗員の手動
操作によって前記空調装置の送風状態を設定変更可能な
手動設定手段と、現在の時刻から遡って予め定められた
時間内の熱環境量を記憶している熱環境量記憶手段と、
自動車の運行状態を検出する車両運行状態検出手段と、
前記運行状態を基に、乗員の運転操作負荷を演算する運
転操作負荷演算手段と、前記手動設定手段によって送風
状態に変更があった場合に、前記熱環境量記憶手段に記
憶されている熱環境量のうち、変更操作が行われた時刻
を起点として前記運転操作負荷に応じた時間範囲を走査
時間として、該走査時間内の熱環境量を基に熱負荷を演
算し、記憶し、該熱負荷条件下で設定変更された送風状
態あるいは送風状態変化量を記憶する設定情報記憶手段
と、前記設定情報記憶手段に記憶された前記送風状態あ
るいは送風状態変化量および熱負荷を基に、前記空調風
自動設定手段の制御特性を補正変更する制御特性補正手
段とを備えたことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1記載
の自動車用空調装置において、前記車両運行状態検出手
段は、自動車の運行状態として、少なくとも、車速、転
舵角速度、アクセル開度、変速レバー操作量、ブレーキ
踏み込み量、空調装置以外のスイッチ操作量のうちいず
れかを検出することを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1記載
の自動車用空調装置において、前記設定情報記憶手段
は、熱負荷演算の際に、前記走査時間内の熱環境量を、
変更操作が行われた時刻を起点として遡り、累加平均
し、相隣る累加平均値の差が予め定められた値以内とな
ったときの熱環境量平均値を用いることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1記載
の自動車用空調装置において、前記設定情報記憶手段
は、熱負荷演算の際に、前記走査時間内の熱環境量を、
変更操作が行われた時刻を起点として遡り、予め定めら
れた個数の熱環境量を移動平均し、前記個数分の熱環境
量の分散値が予め定められた値以内となったときの熱環
境量平均値を用いることを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、乗員が熱環境
の変化に応じて手動操作をした場合、制御特性を補正す
る際に、手動操作が行われた時刻を起点として過去のあ
る期間内の熱環境変化量を記憶しており、手動操作の動
機となった熱環境変化量の演算には、そのときの運行状
態により乗員が受ける運転操作負荷に応じて決定される
時間内の前記熱環境変化量データを用いる。こうして、
手動操作とその動機となった熱環境変化との間に時間的
なずれがあっても、手動操作以前に遡って動機となった
環境変化を的確に推測でき、それを環境変化に対する乗
員の操作特性と予測して制御特性を精度良く補正変更で
きる。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、乗員の個
人差に応じて制御特性を補正する際に、乗員の受ける運
転操作負荷を演算し記憶するのに、車速、転舵角速度、
アクセル開度、変速レバー操作量、ブレーキ踏み込み
量、空調装置以外のスイッチ操作量などのデータを用い
る。こうして、運転操作負荷を正確に把握し、これをも
とに走査時間を決定する。従って、例えば運転操作負荷
が高く操作困難な状況にあるにも拘らず、空調の手動操
作が行われた場合は、熱環境変化に応じて直ちに手動操
作が行われたものと判断することができる。こうして走
査時間の設定を正確に行うことができ、制御特性を精度
良く補正できる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、乗員の個
人差に応じて制御特性を補正する際に、運転操作負荷に
応じた走査時間内の熱環境量を累加平均した平均値を用
いる。こうして、走査時間内の熱環境量の変化を正確に
把握することができる。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、乗員の個
人差に応じて制御特性を補正する際に、運転操作負荷に
応じた走査時間内の熱環境量を、予め定められた個数分
移動平均し、その個数分の分散値を用いる。こうして、
熱環境量に変動がある場合、熱環境量の平均値として、
所定値以上に変動している区間のデータを排除して、安
定している区間の平均値を採用でき、熱環境量を精度良
く記憶できる。
【0017】
【実施例】請求項1〜請求項3に記載の発明の第1実施
例を説明する。
【0018】図1は第1実施例の自動車用空調装置本体
の構成図である。空調装置は空調装置本体1と、熱環境
量入力手段2と、空調装置のメインスイッチとしてのオ
ートスイッチ3と、制御装置4と、手動設定手段5と、
車両運行状態検出手段7などを備えている。
【0019】空調装置本体1は、ブロアユニット10
と、クーリングユニット11と、ヒータユニット12
と、ダクトユニット13とを備えている。ブロアユニッ
ト10には外気導入口15と内気導入口16とインテー
クドア17とブロアファン18とが設けられている。外
気導入口15は走行風圧を受けて外気を導入する。内気
導入口16は車室内の空気を導入する。インテークドア
17は制御装置4で駆動されるアクチュエータ19によ
り外気導入口15と内気導入口16とを選択的に開閉す
る。ブロアファン18は制御装置4で駆動されるアクチ
ュエータとしてのブロアファンモータ20により回転駆
動される。クーリングユニット11にはエバポレータ2
1が設けられている。エバポレータ21は図外のコンプ
レッサ、コンデンサ、膨脹弁などで構成した冷凍サイク
ルから供給される冷媒で通過する空気を冷却する。ヒー
タユニット12にはヒータコア22とエアミックスドア
23とエアミックスチャンバ24とが設けられている。
ヒータコア22は図外のエンジン、温水コックなどで構
成した加熱サイクルから供給される温水で通過する空気
を暖める。エアミックスドア23は制御装置4で駆動さ
れるアクチュエータ25により、エバポレータ21を通
過して冷えている空気がヒータコア22を迂回して冷え
たままの冷気と、ヒータコア22を通過して暖められた
暖気との割合を調整するように開閉する。ダクトユニッ
ト13にはデフロスタダクト27とベンチレータダクト
28と足元ダクト29とデフロスタドア30とベンチレ
ータドア31と足元ドア32とが設けられている。デフ
ロスタダクト27はインストルメントパネル33に設け
られたデフロスタ吹出口34に接続され、図外のフロン
トウィンドウに向けて空調風を吹き出す。デフロスタ吹
出口34には風向設定器としてルーバ35が設けられて
いる。ベンチレータダクト28はインストルメントパネ
ル33に設けられたベンチレータ吹出口36に接続さ
れ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。ベンチレ
ータ吹出口36には風向設定器としてのルーバ37,3
8が設けられている。足元ダクト29の吹出口は乗員の
足元に向けて空調風を吹き出す。デフロスタドア30、
ベンチレータドア31、足元ドア32はそれぞれ制御装
置4で駆動されるアクチュエータ40,41,42によ
りデフロスタダクト27、ベンチレータダクト28、足
元ダクト29を個別に開閉する。
【0020】熱環境量入力手段2は車室内外の複数の熱
環境量を入力するものであって、室温センサ45と外気
温センサ46と日射量センサ47とで構成されている。
室温センサ45は現在の車室内の雰囲気温度を検出室温
ICとして検出し、この検出室温TICに応じた電気量を
制御装置4に出力する。外気温センサ46は現在の車室
外の雰囲気温度を検出外気温TAMB として検出し、この
検出外気温TAMB に応じた電気量を制御装置4に出力す
る。日射量センサ47は受光した日射量QSUNに応じた
電気量を制御装置4に出力する。
【0021】オートスイッチ3は起動スイッチを兼ねて
おり、手動設定手段5とで空調装置のメインスイッチを
構成するものであつて、一般的には空調操作盤に組み付
けられている。
【0022】手動設定手段5は、室温設定器48、ファ
ン風量スイッチ49、吹出口モードスイッチ50、内外
気モードスイッチ51から構成され、それぞれ乗員の操
作で乗員が希望する室温、ファン風量、吹出口モード、
内外気モードを設定室温TSE T 、設定ファン風量
SET 、設定吹出口モード、設定内外気モードとして設
定し、各設定値に応じた電気量を制御装置4に出力す
る。
【0023】制御装置4(空調風自動設定手段)はマイ
クロコンピュータによって構成されており、前記手動設
定手段5のオン動作により、マイクロコンピュータのメ
モリにシステムベースとして予め設定されたマニュアル
プログラムにしたがって、検出室温TICが設定室温T
SET となるように、空調装置本体1を駆動制御する。こ
のマニュアルプログラムによる駆動制御において、空調
風の風量は前記ファン風量スイッチ49の乗員によるオ
ン操作量で選択され、内外気モードは前記内外気モード
スイッチ51の乗員による操作で内気循環モード、外気
導入モード、半内気循環・半外気導入モードの内から一
つが選択され、吹出口モードスイッチ50の乗員による
操作で、例えばベントモード、フットモード、デフロス
タモードの一つが選択される。また、制御装置4はオー
トスイッチ3のオン動作により、マイクロコンピュータ
のメモリにシステムベースとして予め設定されたオート
プログラムにしたがって、検出室温TIC、外気温
AMB 、日射量QSUN などの熱環境量と設定室温TSET
などの設定値に応じて、車室内の熱環境状態が目標熱環
境状態となるように、空調装置本体1を駆動制御する。
【0024】車両運行状態検出手段7は、車速センサ、
転舵角センサやアクセル開度、ブレーキペダル踏み込み
量、変速レバー操作量などの各センサからなり、自動車
が走行するために乗員が操作する空調装置以外の装置の
操作状態を検出して制御装置4へ検出信号を送信する。
【0025】こうして前記制御装置4は、空調風自動設
定手段を構成し、かつ熱環境量入力手段2からの熱環境
量と手動設定手段5からの設定情報と車両運行状態検出
手段7からの運行状態情報とを受け、熱環境量記憶手段
と、運転操作負荷演算手段と、設定情報記憶手段と、制
御特性補正手段とを構成している。
【0026】以上の構成からなる自動車用空調装置の作
動を図2ないし図8を用いて説明する。
【0027】まず、図2ないし図6のフローチャートに
従って制御のフローを説明する。
【0028】空調装置の起動スイッチであるオートスイ
ッチ3がONになり装置が起動されると、ステップ10
1では、初期設定として、走査用タイマ(日射補正タイ
マ)と制御特性補正用フラグ(日射補正フラグ)のリセ
ットおよび定数の初期設定を行う。すなわち、日射補正
タイマをリセットし、日射補正フラグをOFFとし、目
標吹出温度Tof、エアミックスドア開度X、ファン風量
(ファン電圧)、吹出口モードの計算式に用いる定数A
〜Nをセットする。
【0029】ステップ102では、各センサとスイッチ
から熱環境量として、検出室温TIC、外気温TAMB 、日
射量QSUN 、設定室温TSET 、乗員によるファン風量ス
イッチ49の設定値(ファン電圧設定値)VFAN を入力
し、日射量QSUN の値を日射量履歴メモリに積み重ねす
る。ここで、日射量履歴メモリには、一定時間内の日射
量の履歴が記憶されており、アドレスの小さいほど新し
いデータである。また記憶されている日射量の個数には
制限があり、新しい日射量が読み込まれると、最も古い
日射量データを捨ててデータを更新するようになってい
る。
【0030】ステップ103では、設定室温TSET の補
正量ΔTSET の算出を行う。すなわち、各外気温TAMB
に対して、乗員の室温設定器48の操作内容を重み付き
平均して記憶し、その記憶した内容に基づいて補正量Δ
SET を決定したマップによって、設定室温TSET の補
正量ΔTSET を決定し、補正量ΔTSET を設定室温T
SET に加算して、補正設定室温TSET ´を求める。
【0031】ステップ104では、各センサ値と補正設
定室温TSET ´から、目標吹出温度Tofの値を次式を用
いて演算する。
【0032】Tof=A×TIC+B×TAMB +C×QSUN
+D×TSET ´+E ステップ105、106、107では、ステップ104
で求めた目標吹出温度Tofの値に基づいて、それぞれエ
アミックスドア開度X、ファン電圧VFAN 、吹出口モー
ドを決定する。
【0033】こうして、目標空調条件が演算されて決定
される。つぎに、日射量QSUN に変化が生じたかどうか
を判定し、変化が生じていれば、その日射量変化に対す
る乗員の操作特性を推測するモードを始動(日射補正フ
ラグをON)させるフローがステップ108から始ま
る。まず、ステップ108では、日射補正フラグがすで
にON状態になっているかどうかを判定する。すなわ
ち、日射量変化に対する乗員の操作特性を推測するモー
ドが始動済み(ON)になっているか、まだ始動してい
ない(OFF)か、どちらなのかを判定する。ON状態
の場合はステップ112へ進んで走査タイマ値が所定時
間内かどうかを判断し、OFF状態の場合はステップ1
09へ進んで日射量変化の程度を判断する。
【0034】ステップ109へ進むと、瞬間日射量Qp
と長時間(10分程度)の日射量平均値Qm との差の絶
対値が、所定値DQSUNより大きいかどうかを判定し、大
きい場合にはステップ110へ、小さい場合には図5の
ステップ126へ進む。大きい場合、すなわち日射量変
化が所定値DQSUNより大きい場合にはステップ110
で、その時点の平均日射量Qm の値を、後段階の処理で
必要となる初期日射量QM0とし、記憶する。そしてステ
ップ111で、日射補正フラグをONし、日射補正タイ
マtqの値をリセットしてカウントを開始する。
【0035】一方、前記ステップ108で日射補正フラ
グがON状態の場合はステップ112へ進んで、このス
テップ112では日射補正タイマtqの値が所定値tD
を越えたかどうかを判定し、越えている場合にはステッ
プ113で日射補正フラグをOFFして図5のステップ
126へ進む。越えていない場合にはそのままステップ
114へ進む。
【0036】つぎのステップ114からステップ125
では、乗員が空調装置の手動設定変更をしたかどうかを
判定し、設定変更をした場合は設定変更内容を記憶す
る。すなわち、乗員の設定室温の操作、ファン電圧(フ
ァン風量スイッチ)の操作などがあった場合は、その内
容を環境条件に対応させて記憶する。すなわち、まず、
ステップ114では、乗員が設定変更したかどうかを判
定し、設定変更した場合はステップ115へ進む。ステ
ップ115以降は乗員が設定変更した場合のフローであ
る。一方、設定変更しなかった場合は図5のステップ1
26へ進む。
【0037】ステップ115では、日射補正フラグがO
Nかどうかを判定し、ONの場合にはステップ116な
いしステップ118の日射量変化に対する操作特性に関
する処理を行うためにステップ116へ、OFFの場合
にはその処理を行わずに図4のステップ120へ進む。
【0038】つぎにステップ116では、車速センサか
ら現在の車速Vcar (km/h)を読み込む。
【0039】続いてステップ117では、得られた車速
car に応じて環境判定用記憶データのスキャン時間t
scan(走査時間)を決定(後述)する。
【0040】ステップ118では、手動設定変更操作の
操作因子として記憶すべき日射量QSUN (熱負荷)の値
を演算(後述)する。
【0041】日射量QSUN が決定されると、ステップ1
19に進んで、ステップ118で得られた初期日射量Q
M0をもとに、日射によるファン風量補正マップ(後述)
を変更記憶する。すなわち、日射量QSUN の変化と乗員
によるファン風量設定変更操作との間の関係データを変
更記憶する。そして、ファン風量マップが変更される
と、日射量QSUN と日射変化量ΔQSUN を変数としてフ
ァン電圧補正量ΔVSUNを求める重回帰式 ΔVSUN =a・QSUN +b・ΔQSUN +c (1) を演算する。
【0042】つぎに、ステップは図4のステップ120
に進むが、ステップ120以降では、日射量QSUN 以外
の熱環境量(外気温、設定室温、検出室温)に応じた乗
員の操作特性を記憶する。まず、ステップ120では、
設定室温の補正値TSET ´と検出室温TICとの差の絶対
値|TSET ´−TIC|が2℃以内かどうかを判定する。
すなわち、室温状態が安定状態に達したかどうかを判定
しており、安定状態(2℃以内)に達していればステッ
プ121へ進み、達していなければ図5のステップ12
4へ進む。
【0043】安定状態に達していればステップ121
で、乗員の操作内容が設定室温なのかファン風量スイッ
チなのかを判定し、設定室温の場合にはステップ122
へ進んで外気温に対する設定室温の補正量ΔTSET を演
算して記憶し、ファン風量スイッチの場合にはステップ
123へ進んで外気温TAMB に対するファン電圧補正量
ΔVFAN を演算して記憶する。また、前記の室温状態が
安定状態に達していない場合には、図5のステップ12
4で、補正設定室温TSET ´と検出室温TICとの差に対
するファン電圧の補正量ΔVFAN を演算して記憶する。
【0044】こうして、日射量QSUN 以外の熱環境量に
応じた乗員の操作特性が演算され、記憶される。
【0045】つぎにステップ125へ進むと、ファン風
量スイッチ49が手動設定変更されているかどうかを判
定し、手動設定変更されている場合には図6のステップ
133へ進み、その手動設定変更通りにブロアファンモ
ータへ出力する。一方、ファン風量スイッチ49が手動
設定されていない場合にはステップ126へ進む。ステ
ップ126以降では乗員の手動設定変更に基づき補正さ
れた制御が行われる。ここで補正される制御特性はファ
ン電圧VFAN である。
【0046】ステップ126では、補正設定室温TSET
´と検出室温TICとの差の絶対値|TSET ´−TIC|が
2℃以内かどうかを判定する。すなわち、室温状態が安
定状態かどうかを判定しており、安定状態(2℃以内)
であればステップ127へ、そうでなければステップ1
28へ進む。
【0047】安定状態であれば、ステップ127で、現
在の外気温TAMB に対してファン電圧補正量ΔVFAN
ステップ123で示した操作特性マップによって求め
る。
【0048】また、ステップ128では、補正設定室温
SET ´と検出室温TICとの差に対して、ファン電圧補
正量ΔVFAN をステップ124で示した操作特性マップ
によって求める。
【0049】ステップ129では、日射補正フラグがO
Nしているかどうかを判定し、ONの場合にはステップ
130へ進んで、現在の日射量QSUN と日射変化量ΔQ
SUNに相当するファン電圧補正量ΔVSUN をステップ1
19で決定される(1)式 ΔVSUN =a・QSUN +b・ΔQSUN +c から決定した後、図6のステップ132へ進む。
【0050】一方、ステップ129で日射補正フラグが
OFFの場合には、ステップ131でファン電圧補正量
ΔVSUN の値を0にしてステップ132へ進む。
【0051】ステップ132では、図2のステップ10
6で求めたファン電圧VFAN を、ステップ130または
ステップ131で決定したファン電圧補正量ΔV
SUN と、ステップ127またはステップ128で求めた
ファン電圧補正量ΔVFAN を用いて、 VFAN ´=VFAN +K1 ×ΔVFAN +K2 ×ΔVSUN によって補正する。
【0052】ステップ133では、ステップ132で補
正されたファン電圧VFAN ´か、または乗員により手動
設定されたファン電圧VFAN をブロアファンモータ20
へ出力する。
【0053】ステップ134では、エアミックスドア、
吹出口モード、吸込口の各ドアアクチュエータへ制御信
号を出力した後、図2のステップ102へ戻って空調装
置のオートスイッチ3がオフにされるまで同様のループ
を繰り返す。
【0054】つぎに、以上の各ステップの説明におい
て、詳細説明を省略した箇所について説明を補足する。
【0055】前記ステップ117で決定するスキャン時
間は、車速に基づいて決定する。図7は車速Vcar とス
キャン時間tscanとの関係を示す。図7に示すように、
車速Vcar が遅い程スキャン時間tscanが長くなるよう
な略反比例の関係に設定している。図中のt0 、t1
予め定められたtscanの最小値、最大値である。
【0056】つぎに、前記ステップ118での、手動設
定変更操作の操作因子として記憶すべき日射量QSUN
演算方法を図8のフローチャートを用いて説明する。
【0057】まず、ステップ201で走査時間用のカウ
ンタiの値をリセットして0とする。つぎにステップ2
02では、i×ΔtS の値がtscanを越えていないかど
うかを判定する。越えていない場合には、ステップ20
3へ進み、越えている場合にはステップ209へ進んで
操作因子として記憶する日射量QSUN をその時点での平
均日射量Qmi(後述)に設定してルーチンを終了する。
【0058】前記の走査時間tscanを越えていない場合
のステップ203では、日射量履歴メモリに記憶された
日射量のi番目のデータQpiを読み込む。そしてステッ
プ204で平均日射量Qmiを数1から求める。
【0059】
【数1】 つぎに、ステップ205でQmiと前回の平均日射量Q
m(i-1)との差の絶対値が、所定値QD 以内かどうかを判
定する。所定値QD 以内であればステップ206で収束
カウンタCconvをCconv+1に増進し、所定値QD を越
えていればステップ207で収束カウンタCconvをリセ
ットして0とする。
【0060】ステップ208では収束カウンタCconv
値が所定値Nd を越えているかどうかを判定し、越えて
いる場合にはステップ209へ進んで操作因子として記
憶する日射量QSUN の値にQmiを設定してルーチンを終
了する。ステップ208で収束カウンタCconvの値が所
定値Nd を越えていない場合にはステップ210へ進ん
でカウンタiをi+1に増進した後、ステップ202へ
戻って処理を繰り返す。
【0061】こうして、手動設定変更操作の操作因子と
して記憶すべき日射量QSUN の値が演算されるが、この
フローチャート(図8)で示した平均日射量Qmiの演算
結果を図9、図10を用いて説明する。
【0062】日射量QSUN が図9に示したような変化を
したとき、停車中で(図中のC0 点)で操作が行われた
とすると、図8のフローに従ってC0 ,C1 ,C2 ,C
3 ,……という順でスキャンを進めていくと、QP0,Q
P1,QP2,QP3,……の順に日射量が読み込まれてい
き、各時点での平均日射量は図10のQm0,Qm1
m2,Qm3,……の順に演算(累加平均)される。ここ
で、tscan秒まで|Qmi−Qm(i-1)|の値が安定しなか
った場合には、n=tscan/ΔtS 回スキャンすること
になるが、|Qmi−Qm(i-1)|の値が安定し、所定値Q
D 以内が所定値Nd 回連続した場合には、n回に至る以
前に演算を終了する。これにより、n回までスキャンす
るよりは演算時間を短縮することができる。
【0063】つぎに、前記ステップ119で変更記憶す
る、日射による風量補正マップを図11を用いて説明す
る。
【0064】日射による風量補正マップは、ファン電圧
に換算した設定変更操作量を、日射量QSUN と日射変化
量ΔQSUN (日射量QSUN と初期日射量QM0との差)と
を条件として、過去数回分記憶するものである。記憶す
る回数枠は予め定められており、例えば、20回程度で
ある。ここで記憶する設定変更操作量の電圧への換算
は、設定変更操作後の(つまり現在の)ファン電圧V
FAN と設定変更操作前のファン電圧VPRE との差から求
める。ただし、日射量変化方向とファン設定変更操作方
向ΔV=VFAN −VPRE の符号が一致しない場合には、
矛盾した操作として記憶しない。なぜなら、日射が増加
した場合には、風量を増加させる方向の操作がなされる
べきだからである。
【0065】つぎに、前記ステップ122ないしステッ
プ124での各補正量の算出方法を説明する。
【0066】すなわち、ステップ122では、まず、現
在の外気温TAMB に対して、設定室温の変更幅に重みW
を乗じた値を、その外気温での累積の変更幅SSET (T
AMB)に加える。そして、その外気温での操作回数N
SET (TAMB )で除して加重平均MSET (TAMB )を計
算する。そして、このMSET (TAMB )に重み係数WD,
SET を乗じることによって、その外気温での設定室温の
補正量ΔTSET (TAMB)が決定される。
【0067】つぎに、ステップ123では、上記と同様
に、まず、現在の外気温TAMB に対して、ファン電圧の
変更幅に重みWを乗じた値を、その外気温での累積の変
更幅SFAN (TAMB )に加える。そして、その外気温で
の操作回数NFAN (TAMB )で除して加重平均M
FAN (TAMB )を計算する。そして、このMFAN (T
AMB )に重み係数WD,FAN を乗じることによって、その
外気温でのファン電圧の補正量ΔVFAN (TAMB )が決
定される。
【0068】また、ステップ124では、上記の外気温
AMB を、補正設定室温と検出室温との差TSET ´−T
ICに置き換えた方法によってΔVFAN (TSET ´−
IC)を決定する。
【0069】以上、図2から図6までのフローチャート
で示した作動を、図12を用いて説明する。
【0070】図12において、ある車速(図中のa)で
走行していた車両を想定する。それまで曇っていた天気
が晴れに変わり、日射量が急に上昇(図中のb点)した
ため、空調装置は日射補正フラグがONとなって、日射
量変化に対する乗員の操作特性を推測する学習モードと
なった(図中のc点)。乗員は設定室温を下げたいと感
じたが、車両は走行状態であり前方に信号があるため停
止操作に入らねばならず、空調装置の操作は行わなかっ
た。間もなく信号で停止(図中のd点)してから日射量
上昇分を見込んで、設定室温を25℃から23℃へと下
げた(図中のe点)。信号の周囲は建物の陰のため、日
射量はほぼ0(図中のf点)であるが、本第1実施例に
よれば、操作がなされた時刻から遡って、車両が建物の
陰に入る前の日射量が急に上昇して高かったときの日射
量(図中のg点)が、この操作の要因として記憶される
ことになる。
【0071】このようにして、本第1実施例によれば、
乗員が熱環境の変化に応じて手動操作をした場合、制御
特性を補正する際に、手動操作が行われた時刻を起点と
して過去のある期間内の熱環境変化量を記憶しており、
手動操作の動機となった熱環境変化量の演算には、その
ときの運行状態により乗員が受ける運転操作負荷に応じ
て決定される時間内の前記熱環境変化量データを用い
る。こうして、手動操作とその動機となった熱環境変化
との間に時間的なずれがあっても、手動操作以前に遡っ
て動機となった環境変化を的確に推測でき、その後は、
それを環境変化に対する乗員の操作特性と予測して制御
特性を精度良く補正変更できる。
【0072】つぎに請求項1〜請求項3に記載の発明の
第2実施例を説明する。
【0073】本第2実施例では、構成、作動は前記第1
実施例と大部分が同じなので、異なる部分のみを説明す
る。
【0074】本第2実施例では、車両運行状態検出手段
7は車速だけではなく転舵角速度、アクセル開度、変速
レバー操作量、ブレーキ踏み込み量、空調装置以外のス
イッチ操作量などの、全操作量を検出する。従って、こ
の全操作量をもとに演算される乗員の運転操作負荷MDr
を用いて、図4のステップ117のスキャン時間tsc an
が決定される。
【0075】図13にスキャン時間tscanと運転操作負
荷MDrとの関係を示す。運転操作負荷MDrが高いときは
スキャン時間tscanが短くなるように決定される。
【0076】運転操作負荷MDrの値はつぎのようにして
求める。すなわち、演算対象となる各操作系の負荷を、
例えばドライバーの代謝量に換算して求める。そして、
得られた各操作仕事量、車速負荷M1 、転舵負荷M2
変速レバー負荷M3 、ブレーキ負荷M4 、スイッチ類負
荷M5 、……、MN の値を数2にて加重平均して運転操
作負荷MDrを求める。
【0077】
【数2】 このようにして、例えば図14に示したような運行状態
にあった場合に、手動操作時点が停車中かどうかという
判定だけではなく、走行中でも運転操作負荷が高く空調
装置の操作をできる状況かどうかを判定できる。すなわ
ち、運転操作負荷が高く、操作困難な状況(図中のa)
にあるにも拘らず、空調の手動操作が行われた場合は、
日射量変化に即反応した操作と見做すことができる。こ
のため、図13に示したように、運転操作負荷が高い場
合のスキャン時間tscanは短くほぼ0に設定している。
【0078】このようにして、本第2実施例によれば、
走査時間の決定は、第1実施例の車速だけを基にするの
と異なり、熱環境変化と手動操作時点とのずれの要因と
なる運転操作負荷を演算し、それをもとに決定される。
従って、走査時間の設定を正確に行うことができ、制御
特性を精度良く補正できる。
【0079】つぎに、請求項1〜請求項3に記載の発明
の第3実施例を,図15〜図19を用いて説明する。
【0080】これまでの第1,第2実施例では、補正さ
れる制御特性をファン電圧VFAN にしているが、本第3
実施例は本発明の目的を達成する他の例として、補正さ
れる制御特性を設定室温TSET としている。
【0081】本第3実施例は大部分が第1,第2実施例
と共通なので、異なる部分のみを説明する。すなわち、
図15のフローチャートにおいて、ステップ401、ス
テップ402は第1実施例の説明に用いた図2のフロー
チャートにおけるステップ101、ステップ102と同
じである。
【0082】ステップ403では設定室温TSET の補正
量のうち、外気温TAMB をパラメータとする補正量ΔT
SETAMBを、図17のステップ426(後述)で決定され
る補正量マップから読み込む。
【0083】つぎに、ステップ404では,日射補正フ
ラグがONされて乗員の操作特性を推測するモードにな
っているかどうかを判定し、ONされている場合には、
ステップ405で日射量QSUN をパラメータとする設定
室温補正量ΔTSETSUNを、図17のステップ423(後
述)で記憶される補正量マップから決定される重回帰式 ΔTSETSUN=a・QSUN +b・ΔQSUN +c から決定する。一方ステップ404で日射補正フラグが
OFFと判定されるとステップ406へ進んで設定室温
補正量ΔTSETSUNを0にセットする。
【0084】そしてステップ407で、ステップ40
3,405,406で決定された各補正量を用いて設定
室温の補正を次式によって行う。
【0085】TSET ´=TSET +K1 ×ΔTSETAMB+K
2 ×ΔTSETSUN (ここにK1 、K2 は定数である) 続くステップ408から図17のステップ422まで
は、第1実施例の説明に用いた図2のステップ104か
ら図4のステップ118までと同じである。
【0086】ステップ423では、日射量をパラメータ
とする設定室温補正量ΔTSETSUNを決定するためのマッ
プを変更記憶する。このマップは図19に示したように
前記図11と同様の形式となっており、日射量QSUN
日射変化量ΔQSUN を条件としてその時点でのファン風
量設定変更操作量を設定室温変更量ΔTSET に換算して
過去数回分記憶するものである。ここで、手動操作によ
るファン風量設定変更操作量の設定室温変更操作量への
換算は前記図11のマップと同様に、ステップ410の
ファン電圧の制御特性マップを用いて行う。そして、こ
こで決定されたマップ(図19)を基に、日射による設
定室温補正量ΔTSETSUNを決定する重回帰式 ΔTSETSUN=a・QSUN +b・ΔQSUN +c を決定する。
【0087】こうして、日射量をパラメータとする設定
室温補正マップが変更記憶されると、ステップ424以
降では前記第1実施例と同様に、日射量QSUN 以外の熱
環境量に応じた乗員の操作特性を記憶する。
【0088】ステップ424から図18のステップ43
2までは前記図4のステップ120から図5のステップ
128までと同じである。
【0089】ステップ433では、ステップ431また
はステップ432で決定されたファン電圧補正量ΔV
FAN を基に、ファン電圧VFAN ´を VFAN ´=VFAN +K3 ×ΔVFAN (ここにK3
定数である)によって決定する。
【0090】ファン風量設定変更操作が行われている場
合のステップ434、ステップ435はそれぞれ前記図
6のステップ133、ステップ134と同じで、設定変
更通りにブロアファンモータへ出力する。
【0091】このようにして、このフローチャートに従
う本第3実施例によれば、前記第1,第2実施例と同様
の効果が得られると共に、固有の効果として、日射量の
変化による制御特性の補正が設定室温によってなされる
ため、ファン風量のみならず目標吹出温度にもとづくエ
アミックスドア開度による吹出温度、吹出口モード、内
外気モードの全制御へ、乗員の操作特性を反映すること
が可能となる。
【0092】つぎに、請求項4に記載の発明の一実施例
を説明する。
【0093】本実施例では、構成、作動は前記第1実施
例と大部分が同じなので、異なる部分のみを説明する。
本実施例では、前記図4のステップ118の操作因子と
して記憶する日射量の演算方法のみが第1実施例と異な
る。
【0094】すなわち、本実施例では、スキャン時間t
scan内の日射量を、ファン風量設定変更操作が行われた
時刻を起点として、予め定められたND 個分の日射量を
移動平均し、ND 個の分散値Vsun が所定値Vd 以内と
なったときの平均値を記憶するものである。
【0095】これを図20のフローチャートを用いて説
明する。
【0096】まずステップ301では、走査用カウンタ
iの値をリセットして0とする。
【0097】つぎにステップ302では、i×Δts
値がスキャン時間tscanを越えていないかどうかを判定
する。越えていない場合には、ステップ303へ進み、
越えている場合にはステップ307へ進んで操作因子と
して記憶する日射量QSUN をその時刻での平均日射量Q
mi(後述)に設定してルーチンを終了する。
【0098】越えていない場合のステップ303では、
日射量履歴メモリに記憶された日射量のi番目から(i
+Ns −1)番目までの日射量データQpkを読み込む。
そして、ステップ304で平均日射量Qmiを数3から求
める。
【0099】
【数3】 ここで、Ns は平均を求めるための個数として予め定め
た定数であり、例えば20程度である。
【0100】つぎに、ステップ305では、i番目から
(i+Ns −1)番目までのNs 個の日射量データの分
散を数4から求める。
【0101】
【数4】 ステップ306では、分散VQmi の値が、所定値Vd
内かどうかを判定する。所定値Vd 以内であれば、ステ
ップ307へ進んで記憶する日射量QSUN の値にQmi
設定してルーチンを終了する。ステップ306で所定値
d を越えている場合にはステップ308でiをi+1
に増進した後、ステップ302へ戻って処理を繰り返
す。
【0102】こうして、本実施例によれば、前記分散V
Qmi の値が所定値Vd 以内になったときの平均日射量Q
miを用いるので、熱環境量に変動がある場合、分散V
Qmi の値が所定値以上に変動している区間のデータを排
除して、安定している区間の平均値を採用でき、熱環境
量を精度良く記憶できる。
【0103】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、乗員が熱環境の変化に応じて
手動操作をした場合、制御特性を補正する際に、手動操
作が行われた時刻を起点として過去のある期間内の熱環
境変化量を記憶しており、手動操作の動機となった熱環
境変化量の演算には、そのときの運行状態により乗員が
受ける運転操作負荷に応じて決定される時間内の前記熱
環境変化量データを用いる。こうして、手動操作とその
動機となった熱環境変化との間に時間的なずれがあって
も、手動操作以前に遡って動機となった環境変化を的確
に推測でき、その後は、それを環境変化に対する乗員の
操作特性と予測して制御特性を精度良く補正変更でき
る。
【0104】請求項2に記載の発明によれば、乗員の個
人差に応じて制御特性を補正する際に、乗員の受ける運
転操作負荷を演算し記憶するのに、車速、転舵角速度、
アクセル開度、変速レバー操作量、ブレーキ踏み込み
量、空調装置以外のスイッチ操作量などのデータを用い
る。こうして、運転操作負荷を正確に把握し、これをも
とに走査時間を決定する。従って、例えば運転操作負荷
が高く操作困難な状況にあるにも拘らず、空調の手動操
作が行われた場合は、熱環境変化に応じて直ちに手動操
作が行われたものと判断することができる。従って走査
時間の設定を正確に行うことができ、制御特性を精度良
く補正できる。
【0105】請求項3に記載の発明によれば、乗員の個
人差に応じて制御特性を補正する際に、運転操作負荷に
応じた走査時間内の熱環境量を順次累加平均した平均値
を用いることができる。こうして、走査時間内の熱環境
量の変化を正確に把握することができる。
【0106】請求項4に記載の発明によれば、乗員の個
人差に応じて制御特性を補正する際に、運転操作負荷に
応じた走査時間内の熱環境量を、予め定められた個数分
移動平均し、その個数分の分散値を用いる。こうして、
熱環境量に変動がある場合、熱環境量の平均値として、
所定値以上に変動している区間のデータを排除して、安
定している区間の平均値を採用でき、熱環境量を精度良
く記憶できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4に記載の発明の実施例における空
調装置本体の構成図である。
【図2】請求項1〜3に記載の発明の第1,第2実施例
におけるフローチャートである。
【図3】請求項1〜3に記載の発明の第1,第2実施例
におけるフローチャートである。
【図4】請求項1〜3に記載の発明の第1,第2実施例
におけるフローチャートである。
【図5】請求項1〜3に記載の発明の第1,第2実施例
におけるフローチャートである。
【図6】請求項1〜3に記載の発明の第1,第2実施例
におけるフローチャートである。
【図7】請求項1〜3に記載の発明の第1実施例におけ
る説明図である。
【図8】請求項1〜3に記載の発明の第1実施例におけ
るフローチャートである。
【図9】請求項1〜3に記載の発明の第1実施例におけ
る説明図である。
【図10】請求項1〜3に記載の発明の第1実施例にお
ける説明図である。
【図11】請求項1〜3に記載の発明の第1実施例にお
ける説明図である。
【図12】請求項1〜3に記載の発明の第1実施例にお
ける説明図である。
【図13】請求項1〜3に記載の発明の第2実施例の作
動説明のための説明図である。
【図14】請求項1〜3に記載の発明の第2実施例の作
動説明のための説明図である。
【図15】請求項1〜3に記載の発明の第3実施例にお
けるフローチャートである。
【図16】請求項1〜3に記載の発明の第3実施例にお
けるフローチャートである。
【図17】請求項1〜3に記載の発明の第3実施例にお
けるフローチャートである。
【図18】請求項1〜3に記載の発明の第3実施例にお
けるフローチャートである。
【図19】請求項1〜3に記載の発明の第3実施例にお
ける説明図である。
【図20】請求項4に記載の発明の一実施例におけるフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 空調装置本体 2 熱環境量入力手段 4 制御装置(空調風自動設定手段、熱環境量記憶手
段、運転操作負荷演算手段、設定情報記憶手段、制御特
性補正手段) 5 手動設定手段 7 運行状態検出手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱環境量入力手段から入力された検出室
    温、外気温、日射量などの熱環境量および設定室温によ
    り目標空調条件を演算し、その目標空調条件を維持する
    ように、自動的に空調する空調風自動設定手段を有した
    自動車用空調装置において、 乗員の手動操作によって前記空調装置の送風状態を設定
    変更可能な手動設定手段と、 現在の時刻から遡って予め定められた時間内の熱環境量
    を記憶している熱環境量記憶手段と、 自動車の運行状態を検出する車両運行状態検出手段と、 前記運行状態を基に、乗員の運転操作負荷を演算する運
    転操作負荷演算手段と、 前記手動設定手段によって送風状態に変更があった場合
    に、前記熱環境量記憶手段に記憶されている熱環境量の
    うち、変更操作が行われた時刻を起点として前記運転操
    作負荷に応じた時間範囲を走査時間として、該走査時間
    内の熱環境量を基に熱負荷を演算し、記憶し、該熱負荷
    条件下で設定変更された送風状態あるいは送風状態変化
    量を記憶する設定情報記憶手段と、 前記設定情報記憶手段に記憶された前記送風状態あるい
    は送風状態変化量および熱負荷を基に、前記空調風自動
    設定手段の制御特性を補正変更する制御特性補正手段と
    を備えたことを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、 前記車両運行状態検出手段は、自動車の運行状態とし
    て、少なくとも、車速、転舵角速度、アクセル開度、変
    速レバー操作量、ブレーキ踏み込み量、空調装置以外の
    スイッチ操作量のうちいずれかを検出することを特徴と
    する自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、 前記設定情報記憶手段は、熱負荷演算の際に、前記走査
    時間内の熱環境量を、変更操作が行われた時刻を起点と
    して遡り、累加平均し、相隣る累加平均値の差が予め定
    められた値以内となったときの熱環境量平均値を用いる
    ことを特徴とする自動車用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、 前記設定情報記憶手段は、熱負荷演算の際に、前記走査
    時間内の熱環境量を、変更操作が行われた時刻を起点と
    して遡り、予め定められた個数の熱環境量を移動平均
    し、前記個数分の熱環境量の分散値が予め定められた値
    以内となったときの熱環境量平均値を用いることを特徴
    とする自動車用空調装置。
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