JP2891000B2 - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JP2891000B2
JP2891000B2 JP29669792A JP29669792A JP2891000B2 JP 2891000 B2 JP2891000 B2 JP 2891000B2 JP 29669792 A JP29669792 A JP 29669792A JP 29669792 A JP29669792 A JP 29669792A JP 2891000 B2 JP2891000 B2 JP 2891000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動的に車室内の空調状
態を目標空調条件に調節する自動車用空調装置であっ
て、乗員のブロアファンスイッチや室温設定器などの操
作を学習して制御特性を補正するものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空調装置の中には、乗員の操作
で設定された設定室温,車室内に設けられた室温センサ
で検出された室温(以下単に検出室温という),車体に
設けられた日射量センサで検出された日射量,車体に設
けられた外気温センサで検出された外気温などの車室内
外の熱環境情報により、最適な目標空調条件としての目
標吹き出し温度を演算し、この目標吹き出し温度にもと
づいて、予め設定された制御特性により、空調風を自動
的に車室内に吹き出すことにより、車室内の空調状態が
目標空調条件となるようにする、所謂自動空調装置(オ
ートエアコン)が知られている。
【0003】この自動空調装置における制御特性は、人
間の温冷感覚にもとづいて作成されている。しかし、人
間の温冷感覚は、個人差が大きい感覚の1つである。よ
って、風量の吹き出し特性を一義的に決定するのは、非
常に困難である。
【0004】そこで、例えば、特開平3−54015号
公報に開示されているように、制御特性を乗員の感覚に
合わせて順次補正していく自動空調装置が提案されてい
る。この自動空調装置では、目標吹き出し温度Tofが
風量制御特性に設定されている最大風量切り替え値Fに
到達する前に、乗員がブロアファンスイッチを操作し、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanを最大レベルVm
axよりも低い電圧に落とした場合には、一定の値に設
定された補正値αを最大風量切り替え値Fから減算した
値を新しい最大風量切り替え値F=F−αとして更新
し、次回のクールダウン制御時には、この新しい最大風
量切り替え値F=F−αを使用する。逆に、乗員が、初
めの最大風量切り替え値Fよりも高い目標吹き出し温度
Tofで、ブロアファンモータ印加電圧Vfanを再び
最大レベルVmaxに修正した場合には、最大風量切り
替え値Fに補正値αを加算した値を新しい最大風量切り
替え設定値F+αとして更新するようになっている。な
お、目標吹き出し温度Tofは、制御指標として一般的
に用いられているもので、検出室温,外気温,日射量,
設定室温などから決定される熱負荷の総合指標である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平
3−54015号公報に開示された自動車用空調装置で
は、補正値αが一定値になっているので、乗員の環境変
化に対する温冷感覚特性やブロアファンスイッチや室温
設定器などの操作特性に合うように、目標吹き出し温度
や風量などに関する制御特性が乗員の期待どうりに修正
されない場合が生じる。
【0006】すなわち、この自動車用空調装置における
制御特性の補正は、外気温,日射量,設定室温と検出室
温との温度差などの熱環境情報を目標吹き出し温度とい
う総合的な1つの指標で判断している。このため、乗員
が、現在の空調状態に満足せず、ブロアファンスイッチ
や室温設定器などを操作して、車室内の空調状態を設定
変更すべき操作を行った場合に、外気温,日射量,設定
室温など、どの熱環境情報が要因となって、乗員がその
設定変更の操作を行ったのかが不明確であり、制御特性
が乗員の設定操作に合うものに補正されない場合があ
る。よって、乗員は、再び、ブロアファンスイッチや室
温設定器などを操作することになる。
【0007】例えば、外気温が一定であっても、日射量
が変化すると、設定室温を変更することが多い乗員の場
合、日射量の変化により、設定室温を下げたり、あるい
は、風量を上げたりしたとしても、上記自動車用空調装
置では、日射量の変化も、目標吹き出し温度の変化とみ
なされ、ある目標吹き出し温度において、乗員によるブ
ロアファンスイッチの操作がなされたものとして記憶さ
れる。このため、乗員が日射量に反応して風量を変更し
た情報にはならないとういう問題がある。
【0008】このようなことから、設定室温と検出室温
との温度差,外気温,日射量などの各要因を独立した指
標として扱い、それぞれの指標毎に、ブロアファンスイ
ッチや設定室温などに関する乗員の操作特性を記憶すれ
ば、上記のような問題は解決されることになる。例え
ば、前述の特開平3−54015号公報の自動車用空調
装置でも、外気温に応じた室温設定器の操作特性を記憶
することが開示されている。しかし、乗員は、室温や外
気温が一定であっても、日射量が異なれば、体感温度に
差を生じる。しかも、体感温度は、個人差が大きい。し
たがって、外気温に対する操作特性のみの記憶では、日
射量に対する乗員個々人の操作特性や温冷感覚特性を正
確に反映できたとは言い難い。
【0009】また仮に日射量の全範囲にわたって、乗員
の環境変化に対する操作特性や温冷感覚特性を記憶する
とすれば、記憶すべきデータ量が膨大となり、コスト的
に不利である。
【0010】そこで、本発明は、乗員がブロアファンス
イッチや室温設定器などの操作を学習して制御特性を補
正する自動車用空調装置において、外気温はもとより、
日射量に対する乗員の温冷感覚特性や操作特性を反映し
た制御特性の補正をするとともに、記憶容量を最小限に
とどめるようにすることを課題にしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、検出室温,外気温,日射量,設定室温などの
車室内外の熱環境情報aにより、目標空調条件を演算
し、車室内の空調状態が前記目標空調条件となるよう
に、空調装置本体bの送風手段または熱交換手段を駆動
して車室内を自動的に空調する空調自動制御手段cを備
えた自動車用空調装置において、乗員の操作により、前
記車室内の空調状態を設定変更可能な手動設定手段d
と、この手動設定手段dにより、車室内の空調状態に変
更があった場合に、車室内の熱負荷に応じて、前記熱環
境情報のいずれかを、車室内の空調状態設定変更の操作
情報として記憶するとともに、車室内の空調状態の設定
変更の際に日射量の変化を判定し、この日射量の変化が
所定量以上の変化をした場合に、前記目標空調条件演算
の日射量に対する補正量を、車室内の空調状態が設定変
更された空調状態から演算して記憶する設定情報記憶手
段eと、この設定情報記憶手段eに記憶された操作情報
および補正量から、前記空調自動制御手段cの制御特性
を補正する制御特性補正手段fと、を備えている。
【0012】第2の発明は、第1の発明における設定情
報記憶手段cに、前記日射量の変化の判定について、所
定時間内での日射量の変化量、または、異なる使用時で
の日射量の変化量を用いる手段を設けてある。
【0013】
【作用】第1の発明では、乗員が手動設定手段dを操作
して、車室内の空調状態を変更するごとに、空調装置本
体bの送風手段または熱交換手段が自動制御から手動制
御に変更される。一方、これと同期して設定情報記憶手
段eが、手動設定手段dの操作時の車室内の熱負荷に応
じて、検出室温,外気温,日射量,設定室温などの車室
内外の熱環境情報aのいずれかを、車室内の空調状態設
定変更の操作情報として記憶する。又、本願にあっては
車室内の空調状態の設定変更の際には日射量の変化を判
定し、この日射量の変化が所定量以上の変化をした場合
に、目標空調条件演算の日射量に対する補正量を、車室
内の空調状態が設定変更された空調状態から演算して記
憶した後、制御特性補正手段fに空調状態設定変更情報
を出力する。すると、制御特性補正手段fが、自動制御
手段cに補正指令を出力し、空調自動制御手段cに予め
設定された制御特性を、設定情報記憶手段eに記憶され
た操作情報および補正量に応じて補正する。これによ
り、次の空調自動制御時には、補正された制御特性にも
とづいて空調装置本体bの送風手段または熱交換手段が
自動制御で駆動される。
【0014】第2の発明では、設定情報記憶手段eが、
日射量の変化を判定する際に、所定時間内での日射量の
変化量、または、異なる使用時での日射量の変化量を使
う。
【0015】
【実施例】
第1実施例 図2は、第1実施例としての自動車用空調装置を示して
いる。図2において、空調装置本体1は、ブロアユニッ
ト2と、クーリングユニット3と、ヒータユニット4
と、ダクトユニット5とを備えている。
【0016】送風手段たるブロアユニット2には、外気
導入口6と、内気導入口7と、インテークドア8と、ブ
ロアファン9とを設けてある。外気導入口6は、走行風
圧を受けて外気を導入する。内気導入口7は、車室内の
空気を導入する。インテークドア8は、後述の制御装置
50で駆動されるアクチュエータ10により、外気導入
口6と内気導入口7とを任意の比率で開閉する。ブロア
ファン9は、制御装置50で駆動されるアクチュエータ
としてのブロアファンモータ11により回転駆動する。
【0017】クーリングユニット3には、エバポレータ
12を設けてある。熱交換手段たるエバポレータ12
は、図外のコンプレッサと図外のコンデンサと図外の膨
張弁などで構成した冷凍サイクルから供給される冷媒
で、通過する空気を冷却する。
【0018】熱交換手段たるヒータユニット4には、ヒ
ータコア13と、エアミックスドア14と、エアミック
スチャンバ15とを設けてある。ヒータコア13は、図
外のエンジンと図外の温水コックと図外の膨張弁などで
構成した加熱サイクルから供給される温水で、通過する
空気を暖める。エアミックスドア14は、制御装置50
で駆動されるアクチュエータ16により、エバポレータ
12を通過して冷えている空気がヒータコア13を迂回
して冷えたままの冷気と、エバポレータ12を通過して
冷えている空気がヒータコア13を通過して暖められた
暖気との割合を調整するように、開閉する。
【0019】ダクトユニット5には、デフロスタダクト
17と、ベンチレータダクト18と、足元ダクト19
と、デフロスタドア20と、ベンチレータドア21と、
足元ドア22とを設けてある。デフロスタダクト17
は、インストルメントパネル23に設けられたデフロス
タ吹き出し口24に接続され、図外のフロントウインド
ウに向けて空調風を吹き出す。デフロスタ吹き出し口2
4には、風向設定器としてのルーバ25を設けてある。
ベンチレータダクト18は、インストルメントパネル2
3に設けられたベンチレータ吹き出し口26に接続さ
れ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。ベンチレ
ータ吹き出し口26には、風向設定器としてのルーバ2
7,28を設けてある。足元ダクト19の吹き出し口
は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出す。デフロスタ
ドア20とベンチレータドア21と足元ドア22それぞ
れは、制御装置50で駆動されるアクチュエータ29,
30,31により、デフロスタダクト17とベンチレー
タダクト18と足元ダクト19とを個別に開閉する。イ
ンストルメントパネル23の乗員が見易い部分には、表
示器32を設けてある。表示器32は、制御装置50か
らの出力により、例えば、熱環境情報、または、目標空
調条件、あるいは、実吹き出し風温などのような、空調
装置の制御情報を、乗員が視認または聴覚できるように
表示するものであって、例えば、発光デバイスまたは音
声発生デバイスで構成されている。
【0020】熱環境情報検出手段35は、車室内外の複
数の熱環境情報を検出するものであって、室温センサ3
6と、外気温センサ37と、日射量センサ38とで構成
されている。室温センサ36は、現在の車室内の雰囲気
温度を検出室温Ticとして検出し、この検出室温Ti
cに応じた電気量を制御装置50に出力する。外気温セ
ンサ37は、現在の車室外の雰囲気温度を外気温Tam
bとして検出し、この外気温Tambに応じた電気量を
制御装置50に出力する。日射量センサ38は、受光し
た日射量Qsunに応じた電気量を制御装置50に出力
する。
【0021】手動設定手段40は、乗員の操作により車
室内の空調状態を設定したり変更したりするものであっ
て、オートスイッチ41と室温設定器42とブロアファ
ンスイッチ43と吸気モード設定器44と吹き出し口モ
ード設定器45とで構成されている。これらの手動設定
手段40は、一般的には車室内の乗員の操作し易い部分
に配置された図外の空調操作盤に、エアコンスイッチ
(A/Cスイッチ)46と一緒に組み付けられている。
【0022】オートスイッチ41は、乗員の操作で自動
制御信号を制御装置50に出力する。
【0023】室温設定器42は、乗員の操作で乗員が希
望する温度を設定室温Tsetとして設定し、この設定
室温Tsetに応じた電気量を制御装置50に出力す
る。
【0024】ブロアファンスイッチ43は、乗員の操作
で乗員が希望する風量をブロアファンモータ印加電圧V
fansetとして設定し、このブロアファンモータ印
加電圧Vfansetに応じた電気量を制御装置50に
出力する。
【0025】吸気モード設定器44は、乗員の操作で乗
員が希望する吸気状態を例えば内気循環モード,外気導
入モード,半内気循環・半外気導入モードなどの1つを
吸気モードとして設定し、この吸気モード信号を制御装
置50に出力する。
【0026】吹き出し口モード設定器45は、乗員の操
作で乗員が希望する吹き出し口状態を例えばフットモー
ド,バイレベルモード,ベントモードなどの1つを吹き
出し口モードとして設定し、この設定された吹き出し口
モード信号を制御装置50に出力する。
【0027】制御装置50は、前述の空調自動制御手段
cと前述の設定情報記憶手段eと前述の制御特性補正手
段fとを含むものであって、エアコンスイッチ46のオ
ン動作により起動するマイクロコンピュータに構成され
ており、室温設定器41やブロアファンスイッチ43や
吸気モード設定器44および吹き出し口モード設定器4
5の操作により、マイクロコンピュータのメモリにシス
テムベースとして予め設定されたマニュアルプログラム
にしたがって、検出室温Ticが設定室温Tsetとな
るように、空調装置本体1を駆動制御する。
【0028】また、制御装置50は、オートスイッチ4
1のオン動作により、マイクロコンピュータのメモリに
システムベースとして予め設定されたオートプログラム
にしたがって、検出室温Ticと外気温Tambと日射
量Qsunと設定室温Tsetなどの車室内外の熱環境
情報により、目標吹き出し温度Tofのような目標空調
条件を演算し、車室内の空調状態が演算された目標空調
条件となるように、空調装置本体1を駆動制御する。な
お、図1の符号S1は制御装置50からアクチュエータ
29への信号線、S2は制御装置50から表示器32へ
の信号線である。
【0029】この第1実施例の作用を、図3〜図8に示
したフローチャートを参照しながら詳述する。
【0030】エアコンスイッチ46がオン動作され、ス
テップ101で空調制御が始まると、ステップ102で
は、目標吹き出し温度Tofの計算式に用いる定数A〜
Eと、エアミックスドア開度Xの計算式に用いる定数
F,G,Hとブロアファンマップに用いる定数M,N,
P,Qと吹き出し口モードマップに用いる定数I,Jな
ど、この空調制御で用いる定数A〜Jの初期設定を行
う。ただし、Mは冷房側の最大風量切り替え値、Nは冷
房側の最小風量切り替え値、Pは暖房側の最小風量切り
替え値、Qは暖房側の最大風量切り替え値、Iはバイレ
ベルモードとベントモードとの切り替え値、Jはフット
モードとバイレベルモードとの切り替え値である。
【0031】ステップ103では、外気温センサ37が
検出した外気温Tambと、室温センサ36が検出した
検出室温Ticと、日射量センサ38が検出した日射量
Qsunと、乗員の操作による室温設定器42からの設
定室温Tptcと、乗員の操作によるブロアファンスイ
ッチ43からのブロアファンモータ印加電圧Vfans
etなどの各種のデータを読み込む。
【0032】ステップ104では、外気温Tambを予
め設定された制御特性中の設定室温補正マップに照合し
て設定室温補正量ΔTsetを求め、この設定室温補正
量ΔTsetを設定室温補正式、 Tset=Tset+ΔTset に代入して、補正設定室温Tsetを求める。
【0033】ステップ105では、検出室温Ticと外
気温Tambと日射量Qsunと補正設定室温Tset
とを、目標吹き出し温度式、 Tof=A×Tic+B×Tamb+C×Qsun+D
×Tset+E に代入して、目標吹き出し温度Tofを求める。
【0034】ステップ106では、目標吹き出し温度T
ofを、エアミックスドア開度式、 X=F×Tof2+G×Tof+H に代入して、エアミックスドア開度Xを求める。
【0035】ステップ107では、目標吹き出し温度T
ofを、予め設定された制御特性中のブロアファンマッ
プに照合して、自動制御時のブロアファンモータ印加電
圧Vfanを求める。
【0036】ステップ108では、目標吹き出し温度T
ofを、予め設定された制御特性中の吹き出し口モード
マップに照合して、フットモード,バイレベルモード,
ベントモードなどの1つの吹き出し口モードを求める。
【0037】ステップ109では、乗員による空調状態
の手動設定がなされたかを判断する。すなわち、乗員に
よる室温設定器42やブロアファンスイッチ43などの
操作があったことから、乗員による空調状態の手動設定
があったならば、乗員の操作を記憶するべく、ステップ
110に進む。逆に、乗員による室温設定器42やブロ
アファンスイッチ43などの操作がないことから、乗員
による空調状態の手動設定がないならば、空調装置本体
1を自動制御すべく、ステップ118に進む。
【0038】ステップ110では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticを求め、そ
のときの車室内の熱負荷なる温度差Tset−Ticの
絶対値|Tset−Tic|が例えば2℃というような
基準値T0以内であるかを判断する。絶対値|Tset
−Tic|が基準値T0以内ならば、車室内の熱負荷が
小さいことを意味するので、ステップ111に進む。絶
対値|Tset−Tic|が基準値T0外ならば、車室
内の熱負荷が大きいことを意味するので、ステップ11
4に進む。
【0039】ステップ111では、乗員の操作内容が室
温設定器42かブロアファンスイッチ43のどちらであ
るかを判断する。室温設定器42が操作されたならば、
ステップ112に進み、ブロアファンスイッチ43が操
作されたならば、ステップ113に進む。
【0040】ステップ112では、車室内の空調状態に
より変化しない不変条件としての外気温Tambに対す
る設定室温補正量ΔTset(Tamb)(上記のΔTsetと
同じ)を演算して記憶する。この設定室温補正量ΔT
set(Tamb)の算出は、次のように行う。まず、現在の外
気温Tambに対して設定室温Tsetの変更幅に重み
Wを乗じた値を、その外気温Tambでの累積の変更幅
set(Tamb)に加えて、現在の外気温Tambでの操作
回数Nset(Tamb)で除算して荷重平均Mset(Tamb)を計算
する。そして、荷重平均Mset(Tamb)に、重み係数WD
setを乗算することにより、現在の外気温Tambに
対する設定室温補正量ΔTset(Tamb)を決定する。
【0041】ステップ113では、外気温Tambに対
するブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)
を演算して記憶する。このブロアファンモータ印加電圧
補正量ΔVfan(Tamb)の算出は、次のように行う。ま
ず、現在の外気温Tambに対してブロアファンモータ
印加電圧Vfanの変更幅に重みWを乗じた値を、その
外気温Tambでの累積の変更幅Sfan(Tamb)に加え
て、現在の外気温Tambでの操作回数Nfan(Tamb)
除算して荷重平均Mfan(Tamb)を計算する。そして、荷
重平均Mfan(Tamb)に、重み係数WDfanを乗算する
ことにより、現在の外気温Tambに対するブロアファ
ンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)を決定する。
【0042】ステップ114では、車室内の空調状態に
より変化する時変条件としての設定室温Tsetと検出
室温Ticとの温度差Tset−Ticに対するブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)を演算
して記憶する。このブロアファンモータ印加電圧補正量
ΔVfan(Tset-Tic)の算出は、次のように行う。まず、
現在の温度差Tset−Ticに対してブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanの変更幅に重みWを乗じた値を、
その温度差Tset−Ticでの累積の変更幅S
fan(Tset-Tic)に加えて、現在の温度差Tset−Ti
cでの操作回数Nfan(Tset-Tic)で除算して荷重平均M
fan(Tset-Tic)を計算する。そして、荷重平均M
fan(Tset-Tic)に、重み係数WDfanを乗算すること
により、現在の温度差Tset−Ticに対するブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)を決定
する。
【0043】ステップ115では、乗算による空調状態
の設定操作が行われたときの日射量変化率ΔQsun/
Δtの例えば30分間というような所定時間内での積分
値SQsunの絶対値|SQsun|が、200W/m2以上で
あるかを判断する。絶対値|SQsun|が200W/m2
以上ならばステップ116に進み、そうでなければステ
ップ117に進む。
【0044】ステップ116では、乗員による空調状態
の設定内容に応じて、前述の目標吹き出し温度式中の日
射量Qsunに対する定数C(以下、日射定数Cと称す
る)を、図7と図8とに示すザブルーチンにより補正す
る。
【0045】ステップ117では、ブロアファンスイッ
チ43が操作されたかを判断する。ブロアファンスイッ
チ43が操作されたならば、空調装置本体1の手動制御
を意味するので、ステップ122に進む。ブロアファン
スイッチ43が操作されていなければ、空調装置本体1
の自動制御を意味するので、ステップ118に進む。
【0046】ステップ118では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticの絶対値|
Tset−Tic|が、例えば2℃というような基準値
0以内にあるかを判断する。絶対値|Tset−Ti
c|が基準値T0以内ならば、車室内の熱負荷が小さ
く、車室内の空調状態が安定した定常状態であることを
意味するので、ステップ119に進む。絶対値|Tse
t−Tic|が基準値T 0外ならば、車室内の熱負荷が
大きく、車室内の空調状態が不安定な過渡状態であるこ
とを意味するので、ステップ120に進む。
【0047】ステップ119では、現在の外気温Tam
bに対して、ブロアファンモータ印加電圧補正量ΔV
fan(Tamb)をステップ113に示した操作特性マップか
ら求める。
【0048】ステップ120では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticに対して、
ブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)
をステップ114に示した操作特性マップから求める。
【0049】ステップ121では、ステップ107に示
したブロアファンマップから算出したブロアファンモー
タ印加電圧Vfanとステップ119で演算したブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)またはステ
ップ120で演算したブロアファンモータ印加電圧補正
量ΔVfan(Tset-Tic)とを、ブロアファンモータ印加電
圧補正式、 Vfan=Vfan+ΔVfan(Tamb) または、 Vfan=Vfan+ΔVfan(Tset-Tic) に代入して、最終的なブロアファンモータ印加電圧Vf
anを求めて設定する。
【0050】ステップ122では、乗員のブロアファン
スイッチ42の操作によるブロアファンモータ印加電圧
Vfansetを、最終的なブロアファンモータ印加電
圧Vfanとして、設定する。
【0051】ステップ123では、最終的なブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを、ファンモータ12に出力
する。
【0052】ステップ124では、吹き出し口モードマ
ップにより算出した吹き出し口モード信号を、デフロス
タドア20,ベンチレータドア22,足元ドア23など
を駆動する各種のアクチュエータ30,31,32に出
力する。
【0053】こうして1回の制御動作を終了する。そし
て、この制御動作は、エアコンスイッチ46がオフ動作
されるまで、ステップ103に戻って再度繰り返され
る。
【0054】前記日射定数Cの補正を、図7と図8とに
示したフローチャートにもとづいて詳述する。
【0055】ステップ201で日射定数Cの補正処理が
始まると、ステップ202では、室温設定器42とブロ
アファンスイッチ43と吹き出し口モード設定器45な
どの中で、乗員がどのスイッチを操作したかを判断す
る。乗員が室温設定器42を操作して、空調状態の設定
変更を行った場合には、ステップ203に進む。乗員が
ブロアファンスイッチ43を操作して、空調状態の設定
変更を行った場合には、ステップ204に進む。乗員が
吹き出し口モード設定器45を操作して、空調状態の設
定変更を行った場合には、ステップ205に進む。
【0056】つまり、乗員によって操作されたスイッチ
が室温設定器42であるならば、ステップ203におい
て、設定室温補正量ΔTset(Tamb)と日射量変化率積分
値ΔSQsunの符号が逆であるかを判断する。符号が一致
するならば、ステップ206に進む。符号が不一致なら
ば、ステップ218に進んで、サブルーチンを終わり、
前述のステップ117に戻る。つまり、一般的には、日
射量Qsunが増加すると、乗員は設定室温Tsetを
下げて、車室内の空調状態を現在よりも冷やされた状態
にしようとするでの、日射定数Cの補正は、日射量Qs
unの増加方向と設定室温Tptcの変更方向とが逆の
場合のみ行う。
【0057】ステップ206では、設定室温補正量ΔT
set(Tamb)と日射量変化率積分値SQsunとを日射定数補
正量補正式、 ΔC=(D×ΔTset(Tamb))/SQsun に代入して、日射定数補正量ΔCを求める。
【0058】また、乗員によって操作されたスイッチが
ブロアファンスイッチ43であるならば、ステップ20
4において、目標吹き出し温度Tofによって選択され
た吹き出し口モード(ステップ108参照)がベントモ
ードまたはバイレベルモードであるかを判断する。つま
り、このステップ204では、空調風が乗員の上半身に
向けて吹き出されているかを判断する。なぜならば、乗
員が窓からの日射の変化を感じるのは、主に上半身だか
らで、足元に向けてのみに空調風が吹き出されていると
きと、上半身に向けて空調風が吹き出されているときと
では、風量を変化させる意味が異なるからである。すな
わち、ベントモードまたはバイレベルモードでは、日射
量Qsunの増加方向と風量の増加方向とは一致し、風
量増加は涼感を得るために行うが、フットモードでは、
冬期または夜間の低外気温時に設定されることが多く、
しかも、吹き出される空調風の温度が高いので、風量を
増加するのは車室内の温度が上昇することを意味し、日
射量の増加方向と風量の増加方向とは逆になる。よっ
て、自動制御により選択された吹き出し口モードがベン
トモードまたはバイレベルモードのいずれかならば、ス
テップ207に進む。自動制御により選択された吹き出
し口モードがフットモードならばステップ209に進
む。
【0059】ステップ207では、風量の変更方向と日
射量Qsunの増加方向とが一致するかを判断する。一
致するならば、ステップ207に進む。不一致ならば、
ステップ218に進んで、サブルーチンを終わり、前述
のステップ117に戻る。
【0060】ステップ207では、ブロアファンモータ
印加電圧補正量ΔVfan(ΔVfan(Tamb)
たはΔVfan(Tset-Tic))が、目標吹き出し温度Tof
の変化量で何度に相当するかを、前述のステップ107
に示したブロアファンマップから逆算することによっ
て、換算する。すなわち、ステップ107に示したブロ
アファンマップにおいて、冷房側の最大風量切り替え値
M<目標吹き出し温度Tof<冷房側の最小風量切り替
え値N間での制御線のブロアファンモータ印加電圧Vf
anの目標吹き出し温度Tofに対する変化率Kfan1
ΔVfan/ΔTofを目標吹き出し温度換算式、 ΔToffan=ΔVfan/Kfan1 に代入し、目標吹き出し温度換算量ΔToffanを求
める。
【0061】ステップ209では、風量の変更方向と日
射量Qsunの増加方向が一致するかを判断する。一致
するならば、ステップ218に進んで、サブルーチンを
終わり、前述のステップ117に進む。不一致ならば、
ステップ210に進む。
【0062】ステップ210では、ステップ208と同
様にブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfanが、
目標吹き出し温度Tofの変化量で何度に相当するかを
換算する。ただし、ここでは、前述のステップ107に
示したブロアファンマップにおいて、暖房側の最小風量
切り替え値P<目標吹き出し温度Tof<暖房側の最大
風量切り替え値Q間での制御線のブロアファンモータ印
加電圧Vfanの目標吹き出し温度Tofに対する変化
率ΔKfan2=ΔVfan/ΔTofを目標吹き出し温度
換算式、 ΔToffan=ΔVfan/Kfan2 に代入して、目標吹き出し温度換算量ΔToffanを
求める。
【0063】ステップ211では、ステップ208また
はステップ210で求めたΔToffanと日射量変化
率積分値SQsunとを日射定数補正式、 ΔC=(D×ΔToffan)/SQsun に代入して、日射定数補正量ΔCを求める。
【0064】また、乗員によって操作されたスイッチが
吹き出し口モード設定器45であるならば、ステップ2
05において、手動制御による吹き出し口モードの変更
方向が、バイレベルモードまたはフットモード→ベント
モード、フットモード→ベントモードまたはバイレベル
モード、のパターンであるかを判断する。すなわち、吹
き出し口モードの変更が上半身に向けて吹き出される空
調風が増加する方向への変更であるかを判断する。吹き
出し口モードの変更が上記パターンのいずれかであり、
上半身に向けて吹き出される空調風が増加する方向への
変更ならば、ステップ212に進む。吹き出し口モード
の変更が上記パターンのいずれにも該当せず、上半身に
向けて吹き出される空調風が減少する方向または変化し
ない方向への変更ならば、ステップ213に進む。
【0065】ステップ212では、日射量変化率積分値
Qsunが正であるか判断する。日射量変化率積分値S
Qsunが正ならば、日射量Qsunの増加方向と上半身へ
の風量の増加方向とが一致するので、ステップ214に
進む。日射量変化率積分値SQsunが負ならば、日射量Q
sunが減少しているにも拘わらず、上半身への風量を
増加する変更を行う乗員の操作は、乗員が不適切な操作
を行ったものとみなして無視すべくステップ218に進
んで、サブルーチンを終わり、前述のステップ117に
進む。
【0066】ステップ213では、ステップ212とは
逆の理由から、日射量変化率積分値SQsunが負であるか
を判断し、負ならばステップ214に進み、正ならばス
テップ218に進んでサブルーチンを終わり前述のステ
ップ117に進む。すなわち、このステップ213で
は、日射量Qsunが増加しているにも拘わらず、上半
身への風量を減少させる変更を行う乗員の操作は、乗員
が不適切な操作を行ったものとみなして無視する。
【0067】ステップ214では、下記表1に示すよう
な各吹き出し口モードの変更パターンに応じた換算表に
したがって、吹き出し口モードの変更を目標吹き出し温
度変化量ΔTofmodeを換算する。
【0068】
【表1】
【0069】ステップ215では、ステップ214で求
めた目標吹き出し温度変化量ΔTofmodeと日射量
変化率積分値SQsunとを日射定数補正量補正式、 ΔC=(D×ΔTofmode)/SQsun に代入して、日射定数補正量ΔCを求める。
【0070】ステップ216では、ステップ206,2
11,213で求めた日射定数補正量ΔCを、日射定数
補正式、 C=C+Ws×{M(ΔC)×Nsun+ΔC}/(N
sun+1) に代入して、新たな日射定数Cを求めて記憶する。上記
式中、M(ΔC)は現在までの日射定数補正量ΔCの平
均値、Nsunはエアコンスイッチ46のオンによる使
用開始から現時点までに日射定数Cの補正が行われた回
数、Wsは重み定数である。
【0071】ステップ217では、日射定数補正量平均
値M(ΔC)を更新し、補正回数Nsunを「+1」を
加算して記憶する。
【0072】ステップ218では、1回の日射定数Cの
補正処理を終了し、前述のステップ117に進む。
【0073】要するに、この第1実施例によれば、例え
ば、夏期において、車室内の空調状態が安定した定常状
態時に、日射が強くなってきたことにより、乗員が設定
室温Tsetを下げたとすれば、その設定室温補正量Δ
set(Tamb)と日射量変化率積分値SQsunとに応じて、
制御指標たる目標吹き出し温度式中の日射量Qsunに
対する定数Cを補正する。つまり、日射量Qsunの変
化に対する乗員の感度に合わせて、制御特性を補正する
ことができる。しかも、このときに記憶するデータ量
は、日射定数補正量ΔCの累積と補正回数Nsunのみ
であるので、日射量Qsunの全域にわたって乗員の操
作特性を記憶する場合に比べて、記憶容量を著しく節約
することができる。
【0074】第2実施例 この第2実施例は、数段階、例えば、3段階の日射量レ
ベルを設け、これらの日射量レベル毎に日射定数(目標
吹き出し温度式中の日射量に対する定数)の補正を行う
点に特徴がある。したがって、この第2実施例は、図9
〜図14に示すフローチャートにもとづいて詳述する。
なお、この第2実施例の説明では、空調装置の構成部品
に付した符号は図2のものを使用した。
【0075】図9〜図12において、エアコンスイッチ
46がオン動作され、ステップ301で空調制御が始ま
ると、ステップ302では、目標吹き出し温度Tofの
計算式に用いる定数A〜Eと、エアミックスドア開度X
の計算式に用いる定数F,G,Hと日射定数ΔCの補正
の計算式に用いる定数CL,CM,CHとブロアファンマ
ップに用いる定数M,N,P,Qと吹き出し口モードマ
ップに用いる定数I,Jなど、この空調制御で用いる定
数A〜J,CL,CM,CHの初期設定を行う。
【0076】ステップ303では、外気温センサ37が
検出した外気温Tambと、室温センサ36が検出した
検出室温Ticと、日射量センサ38が検出した日射量
Qsunと、乗員の操作による室温設定器42からの設
定室温Tsetと、乗員の操作によるブロアファンスイ
ッチ43からのブロアファンモータ印加電圧Vfans
etなどの各種のデータを読み込む。
【0077】ステップ304では、外気温Tambを予
め設定された制御特性中の設定室温補正マップに照合し
て設定室温補正量ΔTsetを求め、この設定室温補正
量ΔTsetを設定室温補正式、 Tset=Tset+ΔTset に代入して、補正設定室温Tsetを求める。
【0078】ステップ305では、ステップ303で読
み込まれた日射量Qsunを、図15に示す日射に対す
る人間の輻射感度特性なる日射量レベルマップに照合し
て、日射量Qsunのレベルが高レベルCH,中レベル
M,低レベルCLのうちのどのレベルに属するか判断す
る。なお、図15において、輻射感が「ない」〜「弱
い」を低レベルCL、「弱い」〜「強い」を中レベル
M、「強い」〜「非常に強い」を高レベルCHと区分し
てある。
【0079】そして、日射量Qsunが低レベルCL
囲内ならば、ステップ306において、日射定数C=C
Lと設定する。
【0080】日射量Qsunが中レベルCM範囲内なら
ば、ステップ307において、日射定数C=CMと設定
する。
【0081】日射量Qsunが高レベルCH範囲内なら
ば、ステップ308において、日射定数C=CHと設定
する。
【0082】ステップ309では、検出室温Ticと外
気温Tambと日射量Qsunと補正設定室温Tset
とを、目標吹き出し温度式、 Tof=A×Tic+B×Tamb+C×Qsun+D
×Tset+E に代入して、目標吹き出し温度Tofを求める。
【0083】ステップ310では、目標吹き出し温度T
ofを、エアミックスドア開度式、 X=F×Tof2+G×Tof+H に代入して、エアミックスドア開度Xを求める。
【0084】ステップ311では、目標吹き出し温度T
ofを、予め設定された制御特性中のブロアファンマッ
プに照合して、自動制御時のブロアファンモータ印加電
圧Vfanを求める。
【0085】ステップ312では、目標吹き出し温度T
ofを、予め設定された制御特性中の吹き出し口モード
マップに照合して、フットモード,バイレベルモード,
ベントモードなどの1つの吹き出し口モードを求める。
【0086】ステップ313では、乗員による空調状態
の手動設定がなされたかを判断する。すなわち、乗員に
よる室温設定器42やブロアファンスイッチ43などの
操作があったことから、乗員による空調状態の手動設定
があったならば、乗員の操作を記憶するべく、ステップ
310に進む。逆に、乗員による室温設定器42やブロ
アファンスイッチ43などの操作がないことから、乗員
による空調状態の手動設定がないならば、空調装置本体
1を自動制御すべく、ステップ322に進む。
【0087】ステップ314では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticを求め、そ
のときの車室内の熱負荷なる温度差Tset−Ticの
絶対値|Tset−Tic|が例えば2℃というような
基準値T0以内であるかを判断する。絶対値|Tset
−Tic|が基準値T0以内ならば、車室内の熱負荷が
小さいことを意味するので、ステップ315に進む。絶
対値|Tset−Tic|が基準値T0外ならば、車室
内の熱負荷が大きいことを意味するので、ステップ31
8に進む。
【0088】ステップ315では、乗員の操作内容が室
温設定器42かブロアファンスイッチ43のどちらであ
るかを判断する。室温設定器42が操作されたならば、
ステップ316に進み、ブロアファンスイッチ43が操
作されたならば、ステップ317に進む。
【0089】ステップ316では、車室内の空調状態に
より変化しない不変条件としての外気温Tambに対す
る設定室温補正量ΔTset(Tamb)(上記のΔTsetと
同じ)を演算して記憶する。この設定室温補正量ΔT
set(Tamb)の算出は、次のように行う。まず、現在の外
気温Tambに対して設定室温Tsetの変更幅に重み
Wを乗じた値を、その外気温Tambでの累積の変更幅
set(Tamb)に加えて、現在の外気温Tambでの操作
回数Nset(Tamb)で除算して荷重平均Mset(Tamb)を計算
する。そして、荷重平均Mset(Tamb)に、重み係数WD
setを乗算することにより、現在の外気温Tambに
対する設定室温補正量ΔTset(Tamb)を決定する。
【0090】ステップ317では、外気温Tambに対
するブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)
を演算して記憶する。このブロアファンモータ印加電圧
補正量ΔVfan(Tamb)の算出は、次のように行う。ま
ず、現在の外気温Tambに対してブロアファンモータ
印加電圧Vfanの変更幅に重みWを乗じた値を、その
外気温Tambでの累積の変更幅Sfan(Tamb)に加え
て、現在の外気温Tambでの操作回数Nfan(Tamb)
除算して荷重平均Mfan(Tamb)を計算する。そして、荷
重平均Mfan(Tamb)に、重み係数WDfanを乗算する
ことにより、現在の外気温Tambに対するブロアファ
ンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)を決定する。
【0091】ステップ318では、車室内の空調状態に
より変化する時変条件としての設定室温Tsetと検出
室温Ticとの温度差Tset−Ticに対するブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)を演算
して記憶する。このブロアファンモータ印加電圧補正量
ΔVfan(Tset-Tic)の算出は、次のように行う。まず、
現在の温度差Tset−Ticに対してブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanの変更幅に重みWを乗じた値を、
その温度差Tset−Ticでの累積の変更幅S
fan(Tset-Tic)に加えて、現在の温度差Tset−Ti
cでの操作回数Nfan(Tset-Tic)で除算して荷重平均M
fan(Tset-Tic)を計算する。そして、荷重平均Mfan
(Tset-Tic)に、重み係数WDfanを乗算することによ
り、現在の温度差Tset−Ticに対するブロアファ
ンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)を決定す
る。
【0092】ステップ319では、乗算による空調状態
の設定操作が行われたときの日射量変化率ΔQsun/
Δtの例えば30分間というような所定時間内での積分
値SQsunの絶対値|SQsun|が、200W/m2以上で
あるかを判断する。絶対値|SQsun|が200W/m2
以上ならばステップ320に進み、そうでなければステ
ップ321に進む。
【0093】ステップ320では、乗員による空調状態
の設定内容に応じて、前述の目標吹き出し温度式中の日
射量Qsunに対する定数C(以下、日射定数Cと称す
る)を、図13と図14とに示すザブルーチンにより補
正する。
【0094】ステップ321では、ブロアファンスイッ
チ43が操作されたかを判断する。ブロアファンスイッ
チ43が操作されたならば、空調装置本体1の手動制御
を意味するので、ステップ326に進む。ブロアファン
スイッチ43が操作されていなければ、空調装置本体1
の自動制御を意味するので、ステップ322に進む。
【0095】ステップ322では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticの絶対値|
Tset−Tic|が、例えば2℃というような基準値
0以内にあるかを判断する。絶対値|Tset−Ti
c|が基準値T0以内ならば、車室内の熱負荷が小さ
く、車室内の空調状態が安定した定常状態であることを
意味するので、ステップ323に進む。絶対値|Tse
t−Tic|が基準値T0外ならば、車室内の熱負荷が
大きく、車室内の空調状態が不安定な過渡状態であるこ
とを意味するので、ステップ324に進む。
【0096】ステップ323では、現在の外気温Tam
bに対して、ブロアファンモータ印加電圧補正量ΔV
fan(Tamb)をステップ317に示した操作特性マップか
ら求める。
【0097】ステップ324では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticに対して、
ブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)
をステップ318に示した操作特性マップから求める。
【0098】ステップ325では、ステップ311に示
したブロアファンマップから算出したブロアファンモー
タ印加電圧Vfanとステップ323で演算したブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)またはステ
ップ324で演算したブロアファンモータ印加電圧補正
量ΔVfan(Tset-Tic)とを、ブロアファンモータ印加電
圧補正式、 Vfan=Vfan+ΔVfan(Tamb) または、 Vfan=Vfan+ΔVfan(Tset-Tic) に代入して、最終的なブロアファンモータ印加電圧Vf
anを求めて設定する。
【0099】ステップ326では、乗員のブロアファン
スイッチ42の操作によるブロアファンモータ印加電圧
Vfansetを、最終的なブロアファンモータ印加電
圧Vfanとして、設定する。
【0100】ステップ327では、最終的なブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを、ファンモータ12に出力
する。
【0101】ステップ328では、吹き出し口モードマ
ップにより算出した吹き出し口モード信号を、デフロス
タドア20,ベンチレータドア22,足元ドア23など
を駆動する各種のアクチュエータ30,31,32に出
力する。
【0102】こうして1回の制御動作を終了する。そし
て、この制御動作は、エアコンスイッチ46がオフ動作
されるまで、ステップ303に戻って再度繰り返され
る。
【0103】前記日射定数Cの補正を、図13と図14
とに示したフローチャートにもとづいて詳述する。な
お、この図13と図14とのフローチャートでは、日射
定数CをCxと記載し、前述のステップ306,30
7,308で設定したCL,CM,CHのいずれかを意味
する。また、日射定数補正量平均値M(ΔCx)および
日射定数補正回数Nsunxも日射レベルに応じて、そ
れぞれ[M(ΔCL)、NsunL]、[M(ΔCM)、
NsunM]、[M(ΔCH)、NsunH]のいずれか
を意味する。
【0104】ステップ401で日射定数Cxの補正処理
が始まると、ステップ402では、室温設定器42とブ
ロアファンスイッチ43と吹き出し口モード設定器45
などの中で、乗員がどのスイッチを操作したかを判断す
る。乗員が室温設定器42を操作して、空調状態の設定
変更を行った場合には、ステップ403に進む。乗員が
ブロアファンスイッチ43を操作して、空調状態の設定
変更を行った場合には、ステップ404に進む。乗員が
吹き出し口モード設定器45を操作して、空調状態の設
定変更を行った場合には、ステップ405に進む。
【0105】つまり、乗員によって操作されたスイッチ
が室温設定器42であるならば、ステップ403におい
て、設定室温補正量ΔTset(Tamb)と日射量変化率積分
値ΔSQsunの符号が逆であるかを判断する。符号が一致
するならば、ステップ406に進む。符号が不一致なら
ば、ステップ418に進んで、サブルーチンを終わり、
前述のステップ317に戻る。つまり、一般的には、日
射量Qsunが増加すると、乗員は設定室温Tsetを
下げて、車室内の空調状態を現在よりも冷やされた状態
にしようとするでの、日射定数Cxの補正は、日射量Q
sunの増加方向と設定室温Tsetの変更方向とが逆
の場合のみ行う。
【0106】ステップ406では、設定室温補正量ΔT
set(Tamb)と日射量変化率積分値SQsunとを日射定数補
正量補正式、 ΔCx=(D×ΔTset(Tamb))/SQsun に代入して、日射定数補正量ΔCxを求める。
【0107】また、乗員によって操作されたスイッチが
ブロアファンスイッチ43であるならば、ステップ40
4において、目標吹き出し温度Tofによって選択され
た吹き出し口モード(ステップ308参照)がベントモ
ードまたはバイレベルモードであるかを判断する。つま
り、このステップ404では、空調風が乗員の上半身に
向けて吹き出されているかを判断する。なぜならば、乗
員が窓からの日射の変化を感じるのは、主に上半身だか
らで、足元に向けてのみに空調風が吹き出されていると
きと、上半身に向けて空調風が吹き出されているときと
では、風量を変化させる意味が異なるからである。すな
わち、ベントモードまたはバイレベルモードでは、日射
量Qsunの増加方向と風量の増加方向とは一致し、風
量増加は涼感を得るために行うが、フットモードでは、
冬期または夜間の低外気温時に設定されることが多く、
しかも、吹き出される空調風の温度が高いので、風量を
増加するのは車室内の温度が上昇することを意味し、日
射量の増加方向と風量の増加方向とは逆になる。よっ
て、自動制御により選択された吹き出し口モードがベン
トモードまたはバイレベルモードのいずれかならば、ス
テップ407に進む。自動制御により選択された吹き出
し口モードがフットモードならばステップ409に進
む。
【0108】ステップ407では、風量の増減と日射量
Qsunの増減とが一致するかを判断する。一致するな
らば、ステップ407に進む。不一致ならば、ステップ
418に進んで、サブルーチンを終わり、前述のステッ
プ317に戻る。
【0109】ステップ407では、ブロアファンモータ
印加電圧補正量ΔVfan(ΔVfan(Tamb)またはΔV
fan(Tset-Tic))が、目標吹き出し温度Tofの変化量
で何度に相当するかを、前述のステップ307に示した
ブロアファンマップから逆算することによって、換算す
る。すなわち、ステップ307に示したブロアファンマ
ップにおいて、冷房側の最大風量切り替え値M<目標吹
き出し温度Tof<冷房側の最小風量切り替え値N間で
の制御線のブロアファンモータ印加電圧Vfanの目標
吹き出し温度Tofに対する変化率Kfan1=ΔVfan
/ΔTofを目標吹き出し温度換算式、 ΔToffan=ΔVfan/Kfan1 に代入し、目標吹き出し温度換算量ΔToffanを求
める。
【0110】ステップ409では、風量の増減と日射量
Qsunの増減が一致するかを判断する。一致するなら
ば、ステップ418に進んで、サブルーチンを終わり、
前述のステップ317に進む。不一致ならば、ステップ
410に進む。
【0111】ステップ410では、ステップ408と同
様にブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfanが、
目標吹き出し温度Tofの変化量で何度に相当するかを
換算する。ただし、ここでは、前述のステップ307に
示したブロアファンマップにおいて、暖房側の最小風量
切り替え値P<目標吹き出し温度Tof<暖房側の最大
風量切り替え値Q間での制御線のブロアファンモータ印
加電圧Vfanの目標吹き出し温度Tofに対する変化
率ΔKfan2=ΔVfan/ΔTofを目標吹き出し温度
換算式、 ΔToffan=ΔVfan/Kfan2 に代入して、目標吹き出し温度換算量ΔToffanを
求める。
【0112】ステップ411では、ステップ408また
はステップ410で求めたΔToffanと日射量変化
率積分値SQsunとを日射定数補正式、 ΔCx=(D×ΔToffan)/SQsun に代入して、日射定数補正量ΔCxを求める。
【0113】また、乗員によって操作されたスイッチが
吹き出し口モード設定器45であるならば、ステップ4
05において、手動制御による吹き出し口モードの変更
方向が、バイレベルモードまたはフットモード→ベント
モード、フットモード→ベントモードまたはバイレベル
モード、のパターンであるかを判断する。すなわち、吹
き出し口モードの変更が上半身に向けて吹き出される空
調風が増加する方向への変更であるかを判断する。吹き
出し口モードの変更が上記パターンのいずれかであり、
上半身に向けて吹き出される空調風が増加する方向への
変更ならば、ステップ412に進む。吹き出し口モード
の変更が上記パターンのいずれにも該当せず、上半身に
向けて吹き出される空調風が減少する方向または変化し
ない方向への変更ならば、ステップ413に進む。
【0114】ステップ412では、日射量変化率積分値
Qsunが正であるか判断する。日射量変化率積分値S
Qsunが正ならば、日射量Qsunの増加と上半身への風
量の増加とが一致するので、ステップ414に進む。日
射量変化率積分値SQsunが負ならば、日射量Qsunが
減少しているにも拘わらず、上半身への風量を増加する
変更を行う乗員の操作は、乗員が不適切な操作を行った
ものとみなして無視すべくステップ418に進んで、サ
ブルーチンを終わり、前述のステップ317に進む。
【0115】ステップ413では、ステップ412とは
逆の理由から、日射量変化率積分値SQsunが負であるか
を判断し、負ならばステップ414に進み、正ならばス
テップ418に進んでサブルーチンを終わり前述のステ
ップ317に進む。すなわち、このステップ413で
は、日射量Qsunが増加しているにも拘わらず、上半
身への風量を減少させる変更を行う乗員の操作は、乗員
が不適切な操作を行ったものとみなして無視する。
【0116】ステップ414では、前述した第1実施例
中の表1に示すような各吹き出し口モードの変更パター
ンに応じた換算表にしたがって、吹き出し口モードの変
更を目標吹き出し温度変化量ΔTofmodeを換算す
る。
【0117】ステップ415では、ステップ414で求
めた目標吹き出し温度変化量ΔTofmodeと日射量
変化率積分値SQsunとを日射定数補正量補正式、 ΔCx=(D×ΔTofmode)/SQsun に代入して、日射定数補正量ΔCxを求める。
【0118】ステップ416では、ステップ406,4
11,413で求めた日射定数補正量ΔCxを、日射定
数補正式、 Cx=Cx+Ws×{M(ΔCx)×Nsun+ΔC
x}/(Nsun+1) に代入して、新たな日射定数Cxを求めて記憶する。上
記式中、M(ΔCx)は現在までの日射定数補正量ΔC
xの平均値、Nsunはエアコンスイッチ46のオンに
よる使用開始から現時点までに日射定数Cxの補正が行
われた回数、Wsは重み定数である。
【0119】ステップ417では、日射定数補正量平均
値M(ΔCx)を更新し、補正回数Nsunを「+1」
を加算して記憶する。
【0120】ステップ418では、1回の日射定数Cx
の補正処理を終了し、前述のステップ317に進む。
【0121】要するに、この第2実施例によれば、日射
定数Cの補正を3段階に分けた低レベルCL,中レベル
M,高レベルCHに応じた日射量Qsunの大小による
乗員の感度の差、つまり、日射に対する個々人差を考慮
に入れて、制御特性を補正することができる。しかも、
このときに記憶するデータ量は、日射定数補正量ΔCx
の累積と補正回数Nsunxのみであるので、日射量Q
sunの全域にわたって乗員の操作特性を記憶する場合
に比べて、記憶容量を著しく節約することができる。
【0122】第3実施例 この第3実施例は、乗員による空調状態の手動設定変更
の際に、日射量が変化したかどうかの判定に、前回使用
時と現在の日射量の変化量を用いる点に特徴がある。し
たがって、この第3実施例は、図16〜図19に示すフ
ローチャートにもとづいて詳述する。なお、この第3実
施例の説明でも、空調装置の構成部品に付した符号は図
2のものを使用した。
【0123】図16〜図19において、エアコンスイッ
チ46がオン動作され、ステップ501で空調制御が始
まると、ステップ502では、目標吹き出し温度Tof
の計算式に用いる定数A〜Eと、エアミックスドア開度
Xの計算式に用いる定数F,G,Hとブロアファンマッ
プに用いる定数M,N,P,Qと吹き出し口モードマッ
プに用いる定数I,Jなど、この空調制御で用いる定数
A〜Jの初期設定を行うとともに、前回使用時の日射量
Qsunoldを記憶したメモリから読み込む。
【0124】ステップ503では、エアコンスイッチ4
6のオン動作からの経過時間を計測するためのタイマを
リセットして計時を開始する。このタイマで計時された
時間、つまりエアコンスイッチ46のオン動作からの経
過時間はtとする。
【0125】ステップ504では、外気温センサ37が
検出した外気温Tambと、室温センサ36が検出した
検出室温Ticと、日射量センサ38が検出した日射量
Qsunと、乗員の操作による室温設定器42からの設
定室温Tsetと、乗員の操作によるブロアファンスイ
ッチ43からのブロアファンモータ印加電圧Vfans
etなどの各種のデータを読み込む。
【0126】ステップ505では、エアコンスイッチ4
6がオフであるか判断し、エアコンスイッチ46がオフ
動作ならばステップ506に進み、エアコンスイッチ4
6がオン動作ならばステップ508に進む。
【0127】ステップ506では、エアコンスイッチ4
6がオフ動作されたことを意味するので、その時点での
日射量QsunをQsunoldとして記憶した後、ス
テップ507で制御動作を終わる。
【0128】ステップ508では、経過時間tが予め設
定された一定時間tdを経過したか判断する。この一定
時間tdは、数分程度の時間になっており、空調開始直
後、数分間での乗員による室温設定器42やブロアファ
ンスイッチ43などの手動設定手段40の操作を処理す
るためのしきい値である。経過時間tが一定時間tdを
経過したならば、ステップ509に進み、経過していな
ければステップ510に進む。
【0129】ステップ509では、日射定数補正フラグ
をオフ動作した後、ステップ512に進む。
【0130】ステップ510では、ステップ504で読
み込まれた現在の日射量Qsunと前回使用時の日射量
Qsunoldとの日射量差Qsun−Qsunold
の絶対値|Qsun−Qsunold|が、300W/
2以上であるか判断する。絶対値|Qsun−Qsu
nold|が300W/m2以上ならば、ステップ51
1に進む。絶対値|Qsun−Qsunold|が30
0W/m2以下ならば、そのままステップ512に進
む。
【0131】ステップ511では、日射定数補正フラグ
をオン動作した後、ステップ512に進む。
【0132】ステップ512では、外気温Tambを予
め設定された制御特性中の設定室温補正マップに照合し
て設定室温補正量ΔTsetを求め、この設定室温補正
量ΔTsetを設定室温補正式、 Tset=Tset+ΔTset に代入して、補正設定室温Tsetを求める。
【0133】ステップ514では、検出室温Ticと外
気温Tambと日射量Qsunと補正設定室温Tset
とを、目標吹き出し温度式、 Tof=A×Tic+B×Tamb+C×Qsun+D
×Tset+E に代入して、目標吹き出し温度Tofを求める。
【0134】ステップ508では、目標吹き出し温度T
ofを、エアミックスドア開度式、 X=F×Tof2+G×Tof+H に代入して、エアミックスドア開度Xを求める。
【0135】ステップ515では、目標吹き出し温度T
ofを、予め設定された制御特性中のブロアファンマッ
プに照合して、自動制御時のブロアファンモータ印加電
圧Vfanを求める。
【0136】ステップ516では、目標吹き出し温度T
ofを、予め設定された制御特性中の吹き出し口モード
マップに照合して、フットモード,バイレベルモード,
ベントモードなどの1つの吹き出し口モードを求める。
【0137】ステップ517では、乗員による空調状態
の手動設定がなされたかを判断する。すなわち、乗員に
よる室温設定器42やブロアファンスイッチ43などの
操作があったことから、乗員による空調状態の手動設定
があったならば、乗員の操作を記憶するべく、ステップ
518に進む。逆に、乗員による室温設定器42やブロ
アファンスイッチ43などの操作がないことから、乗員
による空調状態の手動設定がないならば、空調装置本体
1を自動制御すべく、ステップ526に進む。
【0138】ステップ518では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticを求め、そ
のときの車室内の熱負荷なる温度差Tset−Ticの
絶対値|Tset−Tic|が例えば2℃というような
基準値T0以内であるかを判断する。絶対値|Tset
−Tic|が基準値T0以内ならば、車室内の熱負荷が
小さいことを意味するので、ステップ519に進む。絶
対値|Tset−Tic|が基準値T0外ならば、車室
内の熱負荷が大きいことを意味するので、ステップ52
2に進む。
【0139】ステップ519では、乗員の操作内容が室
温設定器42かブロアファンスイッチ43のどちらであ
るかを判断する。室温設定器42が操作されたならば、
ステップ520に進み、ブロアファンスイッチ43が操
作されたならば、ステップ521に進む。
【0140】ステップ520では、車室内の空調状態に
より変化しない不変条件としての外気温Tambに対す
る設定室温補正量ΔTset(Tamb)(上記のΔTsetと
同じ)を演算して記憶する。この設定室温補正量ΔT
set(Tamb)の算出は、次のように行う。まず、現在の外
気温Tambに対して設定室温Tsetの変更幅に重み
Wを乗じた値を、その外気温Tambでの累積の変更幅
set(Tamb)に加えて、現在の外気温Tambでの操作
回数Nset(Tamb)で除算して荷重平均Mset(Tamb)を計算
する。そして、荷重平均Mset(Tamb)に、重み係数WD
setを乗算することにより、現在の外気温Tambに
対する設定室温補正量ΔTset(Tamb)を決定する。
【0141】ステップ521では、外気温Tambに対
するブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)
を演算して記憶する。このブロアファンモータ印加電圧
補正量ΔVfan(Tamb)の算出は、次のように行う。ま
ず、現在の外気温Tambに対してブロアファンモータ
印加電圧Vfanの変更幅に重みWを乗じた値を、その
外気温Tambでの累積の変更幅Sfan(Tamb)に加え
て、現在の外気温Tambでの操作回数Nfan(Tamb)
除算して荷重平均Mfan(Tamb)を計算する。そして、荷
重平均Mfan(Tamb)に、重み係数WDfanを乗算する
ことにより、現在の外気温Tambに対するブロアファ
ンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)を決定する。
【0142】ステップ522では、車室内の空調状態に
より変化する時変条件としての設定室温Tsetと検出
室温Ticとの温度差Tset−Ticに対するブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)を演算
して記憶する。このブロアファンモータ印加電圧補正量
ΔVfan(Tset-Tic)の算出は、次のように行う。まず、
現在の温度差Tset−Ticに対してブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanの変更幅に重みWを乗じた値を、
その温度差Tset−Ticでの累積の変更幅S
fan(Tset-Tic)に加えて、現在の温度差Tset−Ti
cでの操作回数Nfan(Tse t-Tic)で除算して荷重平均M
fan(Tset-Tic)を計算する。そして、荷重平均M
fan(Tset-Tic)に、重み係数WDfanを乗算すること
により、現在の温度差Tset−Ticに対するブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)を決定
する。
【0143】ステップ523では、乗算による空調状態
の設定操作が行われたときの日射量変化率ΔQsun/
Δtの例えば30分間というような所定時間内での積分
値SQsunの絶対値|SQsun|が、200W/m2以上で
あるか、または、日射定数フラグがオン動作しているか
を判断する。絶対値|SQsun|が200W/m2以上な
らば、または、日射定数フラグがオン動作しているなら
ばステップ524に進み、そうでなければステップ52
5に進む。
【0144】ステップ524では、乗員による空調状態
の設定内容に応じて、前述の目標吹き出し温度式中の日
射量Qsunに対する定数C(以下、日射定数Cと称す
る)を、前述の第1実施例で説明した図7と図8とに示
すザブルーチンにより補正する。
【0145】ステップ525では、ブロアファンスイッ
チ43が操作されたかを判断する。ブロアファンスイッ
チ43が操作されたならば、空調装置本体1の手動制御
を意味するので、ステップ530に進む。ブロアファン
スイッチ43が操作されていなければ、空調装置本体1
の自動制御を意味するので、ステップ526に進む。
【0146】ステップ526では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticの絶対値|
Tset−Tic|が、例えば2℃というような基準値
0以内にあるかを判断する。絶対値|Tset−Ti
c|が基準値T0以内ならば、車室内の熱負荷が小さ
く、車室内の空調状態が安定した定常状態であることを
意味するので、ステップ527に進む。絶対値|Tse
t−Tic|が基準値T0外ならば、車室内の熱負荷が
大きく、車室内の空調状態が不安定な過渡状態であるこ
とを意味するので、ステップ528に進む。
【0147】ステップ527では、現在の外気温Tam
bに対して、ブロアファンモータ印加電圧補正量ΔV
fan(Tamb)をステップ521に示した操作特性マップか
ら求める。
【0148】ステップ528では、設定室温Tsetと
検出室温Ticとの温度差Tset−Ticに対して、
ブロアファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tset-Tic)
をステップ522に示した操作特性マップから求める。
【0149】ステップ529では、ステップ515に示
したブロアファンマップから算出したブロアファンモー
タ印加電圧Vfanとステップ527で演算したブロア
ファンモータ印加電圧補正量ΔVfan(Tamb)またはステ
ップ528で演算したブロアファンモータ印加電圧補正
量ΔVfan(Tset-Tic)とを、ブロアファンモータ印加電
圧補正式、 Vfan=Vfan+ΔVfan(Tamb) または、 Vfan=Vfan+ΔVfan(Tset-Tic) に代入して、最終的なブロアファンモータ印加電圧Vf
anを求めて設定する。
【0150】ステップ530では、乗員のブロアファン
スイッチ42の操作によるブロアファンモータ印加電圧
Vfansetを、最終的なブロアファンモータ印加電
圧Vfanとして、設定する。
【0151】ステップ531では、最終的なブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを、ファンモータ12に出力
する。
【0152】ステップ532では、吹き出し口モードマ
ップにより算出した吹き出し口モード信号を、デフロス
タドア20,ベンチレータドア22,足元ドア23など
を駆動する各種のアクチュエータ30,31,32に出
力する。
【0153】こうして1回の制御動作を終了する。そし
て、この制御動作は、エアコンスイッチ46がオフ動作
されるまで、ステップ504に戻って再度繰り返され
る。
【0154】要するに、この第3実施例によれば、ステ
ップ523に示したように、日射定数Cの補正を行うか
どうかの判定条件に、日射量変化率積分値SQsunの絶対
値|SQsun|が200W/m2以上ということだけでは
なく、日射定数補正フラグがオン動作していることを加
えてある。ただし、ステップ524での日射定数補正量
ΔCの計算(図7と図8とに示したフローチャート)に
用いる日射量の変化幅なる日射量変化率積分値SQsun
しては、日射定数補正フラグがオン動作の場合は、Qs
un=Qsunoldを用いる。
【0155】したがって、この第3実施例では、日射定
数Cの補正に、現在の日射量と前回使用時の日射量との
差を考慮に入れてあるので、例えば、昼間と夜間とで、
必ず設定温度を変えるような、乗員の日射量に対する感
度特性を制御特性に反映できる。
【0156】なお、本発明では、第2実施例と第3実施
例とを組み合わせて、日射定数Cを日射量レベルに応じ
て補正することにより、各使用時での日射量Qsunの
レベルに応じた補正が実現できる。
【0157】
【発明の効果】第1の発明によれば、乗員によるブロア
ファンスイッチや室温設定器などの操作を学習して制御
特性を補正する自動車用空調装置において、外気温はも
ちろんのこと、日射量に対する乗員の温冷感覚特性や操
作特性を制御特性の補正の指標として扱っているので、
制御特性を個人差の激しい温冷感覚に最も合うように精
度よく近づけることができる。しかも、日射量の変化が
所定値以上のときのみ、日射量に対する補正量を記憶す
るので、全ての熱環境情報を指標として記憶する場合に
比べて、記憶すべきデータ量が少なくなり、記憶容量を
最小限にとどめることができ、コスト的に有利である。
【0158】第2の発明によれば、第1の発明に加え
て、市街地と郊外とか、トンネル内外とか、昼間とか夜
間とかいうように、ある期間での通常的な日射量の違い
を考慮した制御特性の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図。
【図2】第1実施例の構成図。
【図3】第1実施例のフローチャート。
【図4】第1実施例のフローチャート。
【図5】第1実施例のフローチャート。
【図6】第1実施例のフローチャート。
【図7】第1実施例のサブルーチンを示すフローチャー
ト。
【図8】第1実施例のサブルーチンを示すフローチャー
ト。
【図9】第2実施例のフローチャート。
【図10】第2実施例のフローチャート。
【図11】第2実施例のフローチャート。
【図12】第2実施例のフローチャート。
【図13】第2実施例のサブルーチンを示すフローチャ
ート。
【図14】第2実施例のサブルーチンを示すフローチャ
ート。
【図15】第2実施例の輻射感度特性図。
【図16】第3実施例のフローチャート。
【図17】第3実施例のフローチャート。
【図18】第3実施例のフローチャート。
【図19】第3実施例のフローチャート。
【符号の説明】
a…熱環境情報検出手段 b…空調装置本体 c…空調自動制御手段 d…手動設定手段 e…設定情報記憶手段 f…制御特性補正手段 1…空調装置本体 9…ブロアファン 12…エバポレータ 13…ヒータコア 14…エアミックスドア 35…熱環境情報検出手段 36…室温センサ 37…外気温センサ 38…日射量センサ 40…手動設定手段 41…オートスイッチ 42…室温設定器 43…ブロアファンスイッチ 45…吹き出し口モード設定器 50…制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出室温,外気温,日射量,設定室温な
    どの車室内外の熱環境情報により、目標空調条件を演算
    し、車室内の空調状態が前記目標空調条件となるよう
    に、空調装置本体の送風手段または熱交換手段を駆動し
    て車室内を自動的に空調する空調自動制御手段を備えた
    自動車用空調装置において、 乗員の操作により、前記車室内の空調状態を設定変更可
    能な手動設定手段と、 この手動設定手段により、車室内の空調状態に変更があ
    った場合に、車室内の熱負荷に応じて、前記熱環境情報
    のいずれかを、車室内の空調状態設定変更の操作情報と
    して記憶するとともに、車室内の空調状態の設定変更の
    際に日射量の変化を判定し、この日射量の変化が所定量
    以上の変化をした場合に、前記目標空調条件演算の日射
    量に対する補正量を、車室内の空調状態が設定変更され
    た空調状態から演算して記憶する設定情報記憶手段と、 この設定情報記憶手段に記憶された操作情報および補正
    量から、前記空調自動制御手段の制御特性を補正する制
    御特性補正手段と、 を備えたことを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記設定情報記憶手段に、前記日射量の
    変化の判定について、所定時間内での日射量の変化量、
    または、異なる使用時での日射量の変化量を用いる手段
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載した自動車用
    空調装置。
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