JP4474801B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員の手動による風向調整操作を学習して、空調自動制御時の風向制御を乗員の好みに合わせるようにした車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−208261号公報には、内気温度、日射量、および外気温度に基づいて風向を自動で制御するようにした車両用空調装置が示されている。より詳細には、例えば、夏期のクールダウン時には乗員をできるだけ早く冷やすように乗員方向に風を出すようにし、内気温度がある程度低下してくると風向を周期的に変化させる(スイングさせる)ようにするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置においては、予め決められた風向制御特性に基づいて風向を制御するため、例えばクールダウン時において風向が乗員方向からスイングに切り替わるタイミングが好みに合わない場合がある。すなわち、もっと長い間自分の方に風向が向いていて欲しいと思う人もいれば、もっと早くスイングに切り替わって欲しいと思う人もいるため、予め決められた風向制御特性では一人一人の好みに合わせることができないという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、風向を自動で制御する車両用空調装置において、乗員の好みにあった風向制御を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調風を送風する送風機(23、24)と、車室内に空調風を吹き出す部位に設置されて、空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整部材(10)と、車室内の空調に関係する環境条件から空調風の吹き出し方向を求めるための風向制御特性を記憶し、風向制御特性にて求めた結果に基づいて風向調整部材(10)を自動制御する制御手段(31)とを備え、制御手段(31)は、風向調整部材(10)自体が手動操作されて空調風の吹き出し方向が変更された時に、手動操作にて変更された空調風の吹き出し方向と手動操作された時の環境条件とに応じて風向制御特性を変更するとともに、送風機(23、24)の送風量を変更することを特徴とする。
【0006】
これによると、空調風の吹き出し方向が手動操作にて変更されると風向制御特性を変更するようにしているため、乗員の好みが学習され、次回からは手動操作しなくても環境条件に応じて乗員の好みにあった風向制御を自動的に行わせることができる。
また、例えば空調風の吹き出し方向が乗員方向に固定されている状態で、空調風の吹き出し方向が手動操作にて変更された時には、乗員は現在の風量が多いと感じていると考えられるので、このような場合には送風機の送風量を下げることにより、乗員のフィーリングにあった空調制御を行うことができる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、空調風を送風する送風機(23、24)と、車室内に空調風を吹き出す部位に設置されて、空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整部材(10)と、乗員の温感から空調風の吹き出し方向を求めるための風向制御特性を記憶し、風向制御特性にて求めた結果に基づいて風向調整部材(10)を自動制御する制御手段(31)とを備え、制御手段(31)は、風向調整部材(10)自体が手動操作されて空調風の吹き出し方向が変更された時に、手動操作にて変更された空調風の吹き出し方向と手動操作された時の乗員の温感とに応じて風向制御特性を変更するとともに、送風機(23、24)の送風量を変更することを特徴とする。
【0008】
ところで、請求項1の発明は環境条件から空調風の吹き出し方向を求めるのに対し、請求項3の発明は乗員の温感から空調風の吹き出し方向を求める点が相違している。
【0009】
そして、請求項3の発明によると、空調風の吹き出し方向が手動操作にて変更されると風向制御特性を変更するようにしているため、乗員の好みが学習され、次回からは手動操作しなくても乗員の温感に応じて乗員の好みにあった風向制御を自動的に行わせることができる。しかも、乗員の温感に応じて風向制御を行うため、乗員のフィーリングにあった風向制御を実現することができる。
【0011】
また、例えば空調風の吹き出し方向が乗員方向に固定されている状態で、空調風の吹き出し方向が手動操作にて変更された時には、乗員は現在の風量が多いと感じていると考えられるので、このような場合には送風機の送風量を下げることにより、乗員のフィーリングにあった空調制御を行うことができる。
【0012】
請求項8に記載の発明では、送風機(23、24)の送風量を手動設定する風量設定手段(371、372)を備え、制御手段(31)は、風量設定手段(371、372)が操作された時に空調風の吹き出し方向を変更することを特徴とする。
【0013】
これによると、例えば空調風の吹き出し方向が乗員方向に固定されている状態で、送風量を下げるように風量設定手段が操作された時には、乗員は涼しいと感じていると考えられるので、このような場合には空調風の吹き出し方向を周期的に変化させることにより、乗員のフィーリングにあった空調制御を行うことができる。
【0014】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図6は本発明の第1実施形態を示すものである。まず、図1にて車両用空調装置の全体構成について説明する。空調ユニット20の空気流れ最上流側には内外気切替ダンパ22aが回動自在に設置されている。この内外気切替ダンパ22aは外気導入口と内気導入口とが分かれた部分に配置され、図示しないアクチュエータにより駆動されて、空調ユニット20に導入する空気の、内気と外気の切替、あるいは内気と外気の混合割合調整を行う。
【0016】
ブロワモータ24とこれに固定されたファン23は送風機を構成し、空調ユニット20内に空気を吸い込んでユニット20の下流側に送風するものであり、ファン23の下流にはエバポレータ25とヒータコア26が設けられている。
【0017】
冷却用熱交換器としてのエバポレータ25は、図示しないコンプレッサ等と結合されて冷凍サイクルを構成し、通過する空気を冷却する。加熱用熱交換器としてのヒータコア26は、図示しないエンジンの冷却水が内部を循環し、自身を通過する空気を加熱する。
【0018】
ヒータコア26の上流側には、吹出空気温度調整手段としてのエアミックスダンパ22bが回動自在に設けられ、エアミックスダンパ22bの開度は図示しないアクチュエータにより駆動されて調節され、これによってヒータコア26を通過する空気とヒータコア26をバイパスする空気の割合とが調整され、車室内に吹き出す空調風の温度がコントロールされる。
【0019】
空調ユニット20の最下流には、図示しないフロント窓ガラスに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ(DEF)吹出口を開閉するデフロスタダンパ22c、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すためのフェイス(FACE)吹出口を開閉するフェイスダンパ22d、および乗員の足元に向けて空調風を吹き出すためのフット(FOOT)吹出口を開閉するフットダンパ22eが設けられている。そして、吹出モード切替手段としてのこれら各ダンパ22c、22d、22eを、図示しないアクチュエータにより作動させることによって、吹出モードが設定される。そして、各吹出モードに応じて開口した吹出口から、温度コントロールされた空調風が吹き出される。
【0020】
送風量は、マイクロコンピュータ(制御手段)31からの出力信号に基づいてブロワモータ24を駆動する駆動回路30にて制御される。なお、上記した図示しない各アクチュエータも、マイクロコンピュータ31からの出力信号に基づいて駆動回路30にて制御される。マイクロコンピュータ31は図示しない中央演算処理装置(CPU)、ROM、RAM、スタンバイRAM、I/Oポート、A/D変換機能等を持ち、それ自体は周知のものである。
【0021】
スタンバイRAMはイグニションスイッチ(以下、IGと記す)オフの場合においても乗員の好みを学習した値を記憶(バックアップ)するためのRAMであり、IGがオフであってもバッテリーからIGを介さずに直接電源が供給される。また、バッテリーより電源がはずされた状況でも短時間ならばマイクロコンピュータ31には電源が供給される様な図示しないバックアップ用の電源から構成されている。
【0022】
マイクロコンピュータ31には、車室内計器盤に設置された操作部37からの出力信号が入力される。この操作部37には、空調装置の自動制御状態を設定する図示しないAUTOスイッチ、内外気モードを手動で設定するための図示しない手動内外気切換スイッチ、吹出モード(DEF、FACE,FOOT、バイレベル(B/L)、フットデフ(F/D))を手動で設定するための図示しない手動吹出モード切換スイッチ、ファン23の送風量を手動設定するための手動送風量切換スイッチ(風量設定手段)等が設けられている。
【0023】
手動送風量切換スイッチは、具体的には、風量アップスイッチ371と風量ダウンスイッチ372からなり、風量アップスイッチ371は1回押されるごとにブロワ電圧を1レベル上げる信号を出力し、風量ダウンスイッチ372は1回押されるごとにブロワ電圧を1レベル下げる信号を出力する。
【0024】
また、マイクロコンピュータ31には、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件を検出する各センサからの信号が入力される。具体的には、車室内の空気温度(内気温度)を検出する内気温センサ33、車室外の空気温度(外気温度)を検出する外気温センサ34、および車室内に入射する日射量を検出する日射センサ35からの各信号が、それぞれのレベル変換回路32を介してマイクロコンピュータ31に入力され、これらはマイクロコンピュータ31においてA/D変換されて読み込まれる。また、乗員の好みの温度を設定するための温度設定スイッチ36の信号は、レベル変換回路32でレベル変換され、マイクロコンピュータ31に入力される。
【0025】
前述したフェイス吹出口は車室内計器盤において車両左右方向の中央部に設置されており、このフェイス吹出口には、空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整手段としてのスインググリル10が設けられている。
【0026】
このスインググリル10について図2を併用して説明する。なお、図2は図1のスインググリル10をA方向から見た模式的な断面図である。スインググリル10は、空調風の吹き出し方向のうち車両左右方向の吹き出し方向を調整する複数個の縦ルーバ11と、空調風の吹き出し方向のうち車両上下方向の吹き出し方向を調整する複数個の横ルーバ12とを備えている。
【0027】
これらのルーバ11、12のうち、縦ルーバ11はステップモータ13にて駆動されるようになっている。具体的には、ステップモータ13の回転軸にアーム14が装着され、このアーム14と縦ルーバ11がリンクレバー15にて連結されている。そして、マイクロコンピュータ31の出力信号に基づいてステップモータ13が駆動されるとアーム14が揺動し、アーム14の揺動によりリンクレバー15が車両左右方向に変位して、縦ルーバ11の車両左右方向の向きが調整されるようになっている。
【0028】
また、スインググリル10は、空調風の車両左右方向吹き出し方向を検出する吹出方向検出手段としてのポテンショメータ16を備えている。このポテンショメータ16は、ステップモータ13の回転軸の回転位置(回転角度)を検出し、その信号はマイクロコンピュータ31に入力される。そして、マイクロコンピュータ31は、ポテンショメータ16の信号に基づいて縦ルーバ11の車両左右方向の向きを演算するようになっている。
【0029】
図3は操作部37に設置された図示しないAUTOスイッチにより空調装置の自動制御状態が設定されたときに、マイクロコンピュータ31により実行される制御の全体のフローチャートであり、基本的な制御を図3に基づいて説明する。
【0030】
マイクロコンピュータ31は、IGオンと共にステップ100にて制御を開始し、ステップ110に進み、各種変換、フラグ等の初期値を設定する。次のステップ150では、内気温センサ33、外気温センサ34、および日射センサ35からの環境条件信号を入力すると共に、ポテンショメータ16からの信号を入力し、さらに温度設定スイッチ36および操作部37より操作スイッチの状態を入力する。
【0031】
次のステップ200では、ステップ150で入力した環境条件信号等に基づいて、車室内に吹き出す空調風の目標吹出温度(TAO)を下記数式1に従って演算する。
【0032】
【数1】
TAO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+Cただし、KSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数、TSETは設定温度、TRは内気温度、TAMは外気温度、TSは日射量である。
【0033】
次にステップ300に進み、TAOに対してエアミックスダンパ22bの開度が演算され、この開度となる様に図示しないエアミックスダンパ駆動用アクチュエータを駆動回路30を介して制御することにより、吹出口から車室内へ吹き出される空調風の温度をコントロールする。
【0034】
次にステップ400に進み、送風量を演算し、駆動回路30を介してブロワモータ24に印加する電圧(ブロワ電圧)を制御する。これによりファン23の回転数を制御して、車室内へ吹き出される送風量を制御する。次にステップ500に進み、内外気切換ダンパ22aによる内外気の導入割合を演算し、図示しない内外気切換ダンパ駆動用アクチュエータを駆動回路30を介して制御する。
【0035】
次にステップ600に進み、吹出モードを演算し、デフロスタダンパ22c、フェイスダンパ22d、およびフットダンパ22eを駆動する図示しないアクチュエータを駆動回路30を介して制御する。なお、吹出モードが手動で選択されている場合には、選択されたモードになるように各ダンパ22c、22d、ダンパ22eを制御する。
【0036】
次にステップ700に進み、図示しないコンプレッサの制御を行なう。次にステップ800に進み風向制御を行なう。この風向制御については後述する。ステップ800の処理後、ステップ150に戻って再び各種信号を読み込み、それによりステップ200でTAOを演算し、以下このTAOとステップ150により読み込まれたスイッチの状態によってステップ300、400、500、600、700、800により空調の制御が繰り返される。
【0037】
図4は風向制御を行うステップ800の詳細なフローチャートを示すもので、以下、図4に基づいて説明する。
【0038】
ここで、マイクロコンピュータ31には、車室内の空調に関係する環境条件に基づいてフェイス吹出口からの空調風の吹き出し方向を求めるための風向制御特性(マップ)が、外気温度と日射量の条件毎に多数記憶されている。そして、外気温度と日射量に基づいて多数の風向制御特性の中から1つの風向制御特性が選択され、選択された風向制御特性から内気温度に基づいて空調風の吹き出し方向が決定されるようになっている。
【0039】
図5は風向制御特性の一例を示すもので、図5において実線が予め決められた風向制御特性であり、内気温度によって固定モードかスイングモードかを決定するようになっている。なお、固定モードは、フェイス吹出口からの空調風の吹き出し方向が一定方向に(本実施形態では乗員方向)に固定された制御状態である。一方、スイングモードは、フェイス吹出口からの空調風の吹き出し方向が周期的に変化する制御状態である。本実施形態においては、図6に示すように、スイングモード時の空調風の吹き出し方向は、乗員方向と、車両の真後ろ方向(すなわち、乗員から外れた非乗員方向)との間で変化する。
【0040】
図4において、ステップ810では、ステップ150で入力された外気温度と日射量に基づいて1つの風向制御特性を選択し、選択された風向制御特性から内気温度に基づいてフェイス吹出口からの空調風の吹き出し方向を決定する。
【0041】
次のステップ820では、風向が手動で操作(変更)されたか否かを、以下述べるようにして判定する。すなわち、マイクロコンピュータ31は、ステップモータ13への出力信号に基づいて演算した縦ルーバ11の向きと、ポテンショメータ16の信号に基づいて演算した縦ルーバ11の向きとを比較し、両者が一致する場合は風向の手動操作なしと判定する。一方、乗員によって縦ルーバ11の向きが変えられると、ステップモータ13への出力信号に基づいて演算した縦ルーバ11の向きと、ポテンショメータ16の信号に基づいて演算した縦ルーバ11の向きとが一致しなくなり、この場合は風向の手動操作有りと判定する。
【0042】
風向の手動操作なし(ステップ820がNO)の場合、ステップ830に進み、ステップ810で決定した空調風の吹き出し方向となるようにスインググリル10を制御する。具体的には、例えば夏期のクールダウン時の空調開始初期には内気温度が高いため固定モードが選択され、空調風が乗員に向けて吹き出されるように縦ルーバ11の向きが制御される。内気温度が第1設定温度TR1まで低下してくるとスイングモードが選択され、図6に示すスイング特性に基づいて縦ルーバ11の向きが周期的に変化させられる。
【0043】
一方、風向の手動操作有り(ステップ820がYES)の場合、ステップ840に進み、風向制御特性の変更(学習)を行う。具体的には、例えば夏期のクールダウン時において、内気温度が第1設定温度TR1よりも高い内気温度TR2の時、すなわち固定モードが選択されている時に、冷房感を低下させるために風向の手動操作がなされた場合は、図5に破線で示すように、風向の手動操作がなされた時の内気温度TR2で固定モードからスイングモードに切り替わるように風向制御特性を変更する。そして、ステップ840にて風向制御特性を変更した後ステップ830に進み、ステップ830にて直ちにスイングモードを実行する。
【0044】
また、次回のステップ810では、変更後の風向制御特性に基づいてフェイス吹出口からの空調風の吹き出し方向を決定する。従って、乗員の好みが学習され、固定モードからスイングモードへの切り替わりのタイミングあるいはスイングモードから固定モードへの切り替わりのタイミングを、乗員の好みにあわせることができ、次回からは手動操作しなくても乗員の好みにあった風向制御が自動的に行われる。
【0045】
(第2実施形態)
風向の変え方としては、一般的にはクールダウン時の空調開始初期(内気温度が高い時)には風向を乗員の方に向け、ある程度温感的に満足してくると風向を乗員から外すという操作が行われる。そこで、第2実施形態では、乗員の温感に基づいて風向制御特性の変更(学習)を行うようにしている。
【0046】
本実施形態では、乗員の皮膚温を検出する皮膚温センサが図1の車両用空調装置に追加され、皮膚温センサで検出した皮膚温から乗員の温感を推定する。なお、皮膚温センサとしては、例えば乗員の皮膚温を非接触で検出できる赤外線センサを用いる。
【0047】
また、風向制御特性(マップ)が外気温度と日射量の条件毎に多数記憶され、外気温度と日射量に基づいて多数の風向制御特性の中から1つの風向制御特性が選択される。図7は風向制御特性の一例を示すもので、図7において実線が予め決められた風向制御特性であり、本実施形態では、皮膚温から推定した乗員温感によって固定モードかスイングモードかを決定するようになっている。
【0048】
そして、例えば夏期のクールダウン時の空調開始初期には乗員温感は通常やや暑いないしは非常に暑いになるため固定モードが選択され、空調風が乗員に向けて吹き出されるように縦ルーバ11の向きが制御される。空調によって内気温度が低下し乗員温感がやや涼しいになるとスイングモードが選択され、図6に示すスイング特性に基づいて縦ルーバ11の向きが周期的に変化させられる。
【0049】
ここで、クールダウン時において例えば乗員温感が無感の時に、冷房感を低下させるために風向の手動操作がなされた場合は、図7に破線で示すように、乗員温感が無感になった時に固定モードからスイングモードに切り替わるように風向制御特性を変更する。
【0050】
本実施形態によれば、空調風の吹き出し方向が手動操作にて変更されると風向制御特性を変更するようにしているため、乗員の好みが学習され、次回からは手動操作しなくても乗員の温感に応じて乗員の好みにあった風向制御を自動的に行わせることができる。しかも、乗員の温感に応じて風向制御を行うため、乗員のフィーリングにあった風向制御を実現することができる。
【0051】
(他の実施形態)
第1実施形態では、乗員が手動操作で風向を変える場合、縦ルーバ11を直接操作するようになっているが、固定モードからスイングモードへあるいはスイングモードから固定モードへ切り替えるための風向切替スイッチを設け、この風向切替スイッチの操作により固定モードとスイングモードとを切り替えるようにしても良い。そして、風向切替スイッチが操作された場合、図4のステップ820で風向の手動操作有りと判定する。
【0052】
また、第1実施形態では、固定モードが選択されている時に手動操作にて縦ルーバ11の向きが変えられた場合は、固定モードからスイングモードに切り替わるようにしたが、固定モードが選択されている状態で乗員の方に向いていた風向を乗員方向から外す操作が行われた場合は、乗員は現在の送風量が多いと感じていると考えられるので、このような場合には風向を変えるとともに送風量を減らすようにしても良い。
【0053】
また、固定モードが選択されている時に手動送風量切換スイッチ(風量設定手段)371、372を操作して送風量を下げた場合には、送風量を減らすとともにスイングモードに切り替えるようにしても良い。
【0054】
また、第1実施形態では、固定モードが選択されている時に手動操作にて縦ルーバ11の向きが変えられた場合は、固定モードからスイングモードに切り替わるように風向制御特性を変更したが、固定モードが選択されている時に手動操作にて縦ルーバ11の向きが変えられた場合は、モードの切り替えは行わずに、その手動操作にて設定された縦ルーバ11の向きを学習するようにしても良い。すなわち、手動操作がなされた時の内気温度で縦ルーバ11の向きが変更されるように、図4のステップ840にて風向制御特性を変更する。
【0055】
また、第2実施形態では、スイングモードが選択された時のスイングパターンは、図6に示すように時間に対して一定のパターンで空調風の吹き出し方向を変化させるものであったが、スイングモードが選択された時のスイングパターンは、乗員の温感が一定になるように乗員温感に基づいて空調風の吹き出し方向を変化させるものでも良い。具体的には、例えば乗員温感が無感の時には風向を乗員の方に向け、乗員温感がやや涼しいの時には風向を乗員から外すように、風向を制御することにより、乗員の温感を無感ないしはやや涼しいの一定の範囲にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の空調装置を示す全体構成図である。
【図2】図1のスインググリルをA方向から見た模式的な断面図である。
【図3】図1のマイクロコンピュータによる制御を示すフローチャートである。
【図4】図3の風向制御を行うステップ800の詳細なフローチャートである。
【図5】第1実施形態の作動説明に供する風向制御特性図である。
【図6】第1実施形態の作動説明に供するスイング特性図である。
【図7】第2実施形態の作動説明に供する風向制御特性図である。
【符号の説明】
10…風向調整手段をなすスインググリル、
23、24…送風機を構成するファンおよびブロワモータ、
31…制御手段をなすマイクロコンピュータ。

Claims (9)

  1. 空調風を送風する送風機(23、24)と、
    車室内に前記空調風を吹き出す部位に設置されて、前記空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整部材(10)と、
    前記車室内の空調に関係する環境条件から前記空調風の吹き出し方向を求めるための風向制御特性を記憶し、前記風向制御特性にて求めた結果に基づいて前記風向調整部材(10)を自動制御する制御手段(31)とを備え、
    前記制御手段(31)は、前記風向調整部材(10)自体が手動操作されて前記空調風の吹き出し方向が変更された時に、手動操作にて変更された前記空調風の吹き出し方向と手動操作された時の前記環境条件とに応じて前記風向制御特性を変更するとともに、前記送風機(23、24)の送風量を変更することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御手段(31)は、前記空調風の吹き出し方向が一定方向になるように前記風向調整部材(10)を制御する固定モードと、前記空調風の吹き出し方向が周期的に変化するように前記風向調整部材(10)を制御するスイングモードとを、前記環境条件に基づいて選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 空調風を送風する送風機(23、24)と、
    車室内に前記空調風を吹き出す部位に設置されて、前記空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整部材(10)と、
    乗員の温感から前記空調風の吹き出し方向を求めるための風向制御特性を記憶し、前記風向制御特性にて求めた結果に基づいて前記風向調整部材(10)を自動制御する制御手段(31)とを備え、
    前記制御手段(31)は、前記風向調整部材(10)自体が手動操作されて前記空調風の吹き出し方向が変更された時に、手動操作にて変更された前記空調風の吹き出し方向と手動操作された時の前記乗員の温感とに応じて前記風向制御特性を変更するとともに、前記送風機(23、24)の送風量を変更することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 前記制御手段(31)は、前記空調風の吹き出し方向が一定方向になるように前記風向調整部材(10)を制御する固定モードと、前記空調風の吹き出し方向が周期的に変化するように前記風向調整部材(10)を制御するスイングモードとを、前記乗員の温感に基づいて選択することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御手段(31)は、前記乗員の温感が一定になるように、前記風向調整部材(10)を自動制御することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  6. 前記風向調整部材(10)は、前記空調風の車両左右方向の吹き出し方向を調整する縦ルーバ(11)を備え、
    前記制御手段(31)の出力信号に基づいて作動するステップモータ(13)にて前記縦ルーバ(11)が駆動され、
    前記ステップモータ(13)の回転軸の回転位置に応じた信号が、吹出方向検出手段(16)から前記制御手段(31)に入力され、
    前記制御手段(31)は、前記ステップモータ(13)への出力信号に基づいて演算した前記縦ルーバ(11)の向きと、前記吹出方向検出手段(16)の信号に基づいて演算した前記縦ルーバ(11)の向きとを比較し、両者が一致する場合は風向の手動操作なしと判定し、両者が一致しない場合は風向の手動操作有りと判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記制御手段(31)は、前記空調風の吹き出し方向が乗員方向に固定されている状態で、前記空調風の吹き出し方向が手動操作にて変更された時に、前記送風機(23、24)の送風量を下げることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記送風機(23、24)の送風量を手動設定する風量設定手段(371、372)を備え、
    前記制御手段(31)は、前記風量設定手段(371、372)が操作された時に前記空調風の吹き出し方向を変更することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記制御手段(31)は、前記空調風の吹き出し方向が乗員方向に固定されている状態で前記送風機(23、24)の送風量を下げるように前記風量設定手段(371、372)が操作された時に、前記空調風の吹き出し方向を周期的に変化させることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
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