JP3500644B2 - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JP3500644B2
JP3500644B2 JP17249092A JP17249092A JP3500644B2 JP 3500644 B2 JP3500644 B2 JP 3500644B2 JP 17249092 A JP17249092 A JP 17249092A JP 17249092 A JP17249092 A JP 17249092A JP 3500644 B2 JP3500644 B2 JP 3500644B2
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光明 萩野
潤一郎 原
裕二 石原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動的に車室内の空調状
態を目標空調条件に調節する自動車用空調装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用空調装置の中には、乗員の操作
で設定された設定室温,車室内に設けられた室温センサ
で検出された室温(以下単に検出室温という),車体に
設けられた日射量センサで検出された日射量,車体に設
けられた外気温センサで検出された外気温などの車室内
外の熱環境情報により、最適な目標空調条件としての目
標吹き出し温度を演算し、この目標吹き出し温度にもと
づいて、予め設定された制御特性により、空調風を車室
内に吹き出すことにより、車室内の空調状態が目標空調
条件となるようにする、所謂自動空調装置(オートエア
コン)が知られている。
【0003】この自動空調装置における制御特性は、人
間の温冷感覚をもとに一義的に作成されている。しか
し、人間の温冷感覚には、個人差が有り、制御特性を一
義的に決定するのは、非常に困難である。
【0004】そこで、例えば、特開平3−54015号
公報に開示されているように、制御特性を乗員の温冷感
覚に合わせて順次補正していく自動空調装置が提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−54015号公報に開示された自動車用空調装置で
は、乗員の操作にもとづいて制御特性を補正するため、
補正された制御特性による自動制御時において、窓曇り
を発生し易くなるという場合がある。
【0006】つまり、自動制御時の吹き出し口モードと
しては、 ベントモード:空調風をベンチレータ吹き出し口からの
み吹き出させる バイレベルモード:空調風をベンチレータ吹き出し口と
足元吹き出し口から吹き出させる フットモード:空調風を足元吹き出し口とデフロスタ吹
き出し口とから吹き出させる の3つの吹き出し口モードが用いられている。そして、
冬期の低外気温時(目標吹き出し温度が低い場合)に
は、フットモードで吹き出すことにより、デフロスタ吹
き出し口を常に開成して窓曇りが起こることを防いでい
る。ところが、乗員の操作に応じて吹き出し口モードの
制御特性を補正していくと、例えば、乗員がバイレベル
モードを多用した場合には、冬期の低外気温時にも、バ
イレベルモードで吹き出し、窓曇りが起こり易くなる。
【0007】そこで、本発明は、乗員が吹き出し口モー
ドのような駆動モードを自動設定すると、そのときの窓
曇り度合いに応じて駆動制御特性を補正し、次回の自動
制御時の窓曇りを回避することを課題にしている。
【0008】第1の発明は、図1(A)に示すように、
熱環境情報検出手段aから入力された検出室温,外気
温,日射量,設定室温などの車室内外の熱環境情報によ
り、空調装置本体の駆動手段bを駆動して車室内を空調
する駆動制御手段cを備えた自動車用空調装置におい
て、乗員の操作により前記駆動手段の駆動モードを設定
する手動設定手段dと、前記熱環境情報により窓曇り度
合いを演算する窓曇り度合い演算手段eと、前記手動設
定手段dからの駆動モードの入力により窓曇り度合いを
予め設定された基準値と比較し、窓曇り度合いが基準値
以上のときその窓曇り度合いに応じた回避補正出力を前
記駆動制御手段cに出力する補正手段fと、を備え、
記窓曇り度合い演算手段eに、検出室温,車室内空気相
対湿度,エバポレータ通過直後空気温度からフロントウ
インドガラス車室内側付近空気の露点温度を演算する露
点温度演算手段と、検出室温,吹き出し風温度,吹き出
し口モードからフロントウインドガラス付近車室内空気
温度を演算するガラス近傍空気温度演算手段と、このガ
ラス近傍空気温度演算手段からのフロントウインドガラ
ス付近車室内空気温度,外気温,フロントウインドガラ
スの熱伝達特性からフロントウインドガラス車室内側表
面温度を演算するガラス内側表面温度演算手段と、この
ガラス内側表面温度演算手段からのフロントウインドガ
ラス車室内側表面温度と前記露点温度演算手段からのフ
ロントウインドガラス車室内側付近空気の露点温度との
温度差に応じた窓曇り度合いを演算する手段とを設けて
ある。
【0009】第2の発明は、図1(B)に示すように、
熱環境情報検出手段aから入力された検出室温,外気
温,日射量,設定室温などの車室内外の熱環境情報によ
り、空調装置本体の駆動手段bを駆動して車室内を空調
する駆動制御手段cを備えた自動車用空調装置におい
て、乗員の操作により前記駆動手段bの駆動モードを設
定する手動設定手段dと、前記熱環境情報により窓曇り
度合いを演算する窓曇り度合い演算手段eと、前記手動
設定手段dから入力された駆動モードと前記車室内外の
熱環境情報から演算される目標吹き出し温度と前記窓曇
り度合い演算手段eからの窓曇り度合いとから、前記駆
動制御手段cに予め設定されている駆動特性を学習して
補正する駆動特性学習補正手段gと、常時は目標吹き出
し温度と駆動制御学習補正手段により記憶された吹き出
し特性にもとづく吹き出しを行い、前記手動設定手段d
からの信号により窓曇り度合いが基準値以上のとき、そ
の窓曇り度合いに応じて、前記駆動特性学習補正手段g
で学習して補正された駆動制御特性とは異なる回避補正
出力を前記駆動制御手段cに出力する制御手段hと、を
備えている。なお、学習とは、駆動モードの手動設定時
において、手動によって選択された駆動モードと熱環境
情報から選択された駆動モードとの相異を検索し、窓曇
りが発生する可能性が高いか否かを判断することであ
る。
【0010】第3の発明は第2の発明における窓曇り
度合い演算手段eに、検出室温,車室内空気相対湿度,
エバポレータ通過直後空気温度からフロントウインドガ
ラス車室内側付近空気の露点温度を演算する露点温度演
算手段と、検出室温,吹き出し風温度,吹き出し口モー
ドからフロントウインドガラス付近車室内空気温度を演
算するガラス近傍空気温度演算手段と、このガラス近傍
空気温度演算手段からのフロントウインドガラス付近車
室内空気温度,外気温,フロントウインドガラスの熱伝
達特性からフロントウインドガラス車室内側表面温度を
演算するガラス内側表面温度演算手段と、このガラス内
側表面温度演算手段からのフロントウインドガラス車室
内側表面温度と前記露点温度演算手段からのフロントウ
インドガラス車室内側付近空気の露点温度との温度差に
応じた窓曇り度合いを演算する手段とを設けてある。
【0011】第4の発明は第2の発明における制御手
段hに、窓曇り度合いに応じた重みを求め、この重みに
より回避補正出力の補正幅を変更する手段を設けてあ
る。
【0012】第5の発明は第2の発明における制御手
段hに、駆動モードを吹き出し口モードとし、窓曇り度
合いが基準値以上であって、吹き出し口モードに対する
乗員の満足度に相当する維持時間が設定時間以上のと
き、デフロスタ吹き出し口の開成を含む吹き出し口モー
ドを選択する手段を設けてある。
【0013】
【作用】第1の発明では、乗員が手動設定手段dを操作
して、風量や吹き出し口モードまたは吸気モードのよう
な駆動モードのいずれかが手動設定されると、駆動手段
bが手動制御される一方、窓曇り度合い演算手段eが、
そのときの熱環境情報検出手段aからの熱環境情報から
窓曇り度合いとしての窓曇りが発生する可能性を演算し
て補正手段fに出力する。窓曇り度合い演算手段eが窓
曇り度合いを演算する場合に、先ず、フロントウインド
ガラス付近車室内空気温度を演算し、このフロントウイ
ンドガラス付近車室内空気温度を利用してフロントウイ
ンドガラス車室内側表面温度を演算する。これと並行し
て、フロントウインドガラス車室内側付近空気の露点温
度を算出する。最後に、フロントウインドガラス車室内
側付近空気の露点温度とフロントウインドガラス車室内
側表面温度との温度差に応じた窓曇り度合いを演算す
る。すると、補正手段fが窓曇り度合いを基準値と比較
し、窓曇り度合いが基準値以上のとき、その窓曇り度合
いに応じた回避補正出力を駆動制御手段cに出力する。
これにより、自動制御時には、駆動手段bが駆動制御手
段c中の補正された駆動制御特性にもとづいて駆動さ
れ、窓曇りが自動的に防止される。
【0014】第2の発明では、乗員が手動設定手段dを
操作して、風量や吹き出し口モードまたは吸気モードの
ような駆動モードのいずれかが手動設定されると、駆動
手段bが手動制御される一方、窓曇り度合い演算手段e
が、そのときの熱環境情報検出手段aからの熱環境情報
から窓曇り度合いとしての窓曇りが発生する可能性を演
算して駆動特性学習補正手段gと制御手段hとに出力す
る。すると、駆動特性学習補正手段gが手動設定手段d
から入力された駆動モードとそのときの車室内外の熱環
境情報から演算される目標吹き出し温度と前記窓曇り度
合い演算手段eからの窓曇り度合いとから、前記駆動制
御手段cに予め設定されている駆動制御特性を学習補正
して、制御手段hに出力する。そして、制御手段hが窓
曇り演算手段eからの窓曇り度合いを基準値と比較し、
窓曇り度合いが基準値以上のとき、その窓曇り度合いに
応じて、駆動制御特性学習補正手段gからの駆動制御特
性とは異なる回避補正出力を駆動制御手段cに出力す
る。これにより、手動制御時には、制御手段hが窓曇り
の発生する可能性が少ないかを学習し、窓曇りの発生が
少ないときに、駆動特性を駆動モードに応じて補正す
る。そして、次からの自動制御時には、窓曇りの発生の
可能性があると、駆動手段bが駆動制御手段c中の補正
された駆動制御特性とは異なる回避出力にもとづいて駆
動され、窓曇りが自動的に防止される。
【0015】第3の発明では、窓曇り度合い演算手段e
が窓曇り度合いを演算する場合に、先ず、フロントウイ
ンドガラス付近車室内空気温度を演算し、このフロント
ウインドガラス付近車室内空気温度を利用してフロント
ウインドガラス車室内側表面温度を演算する。これと並
行して、フロントウインドガラス車室内側付近空気の露
点温度を算出する。最後に、フロントウインドガラス車
室内側付近空気の露点温度とフロントウインドガラス車
室内側表面温度との温度差に応じた窓曇り度合いを演算
する。
【0016】第4の発明では制御手段hが駆動制御特
性を補正する場合に、窓曇り度合いに応じて求めた重み
により、回避出力の補正幅を変更する。
【0017】第5の発明では制御手段hが駆動制御特
性を補正する場合に、窓曇り度合いが基準値以上で、乗
員が現在の吹き出し口モードを満足しているときに、デ
フロスタ吹き出し口の開成を含む吹き出し口モードを選
択する。
【0018】
【実施例】
第1実施例 図2は、第1実施例としての自動車用空調装置を示して
いる。図2において、空調装置本体1は、ブロアユニッ
ト2と、クーリングユニット3と、ヒータユニット4
と、ダクトユニット5とを備えている。
【0019】ブロアユニット2には、外気導入口6と、
内気導入口7と、インテークドア8と、ブロアファン9
とを設けてある。外気導入口6は、走行風圧を受けて外
気を導入する。内気導入口7は、車室内の空気を導入す
る。インテークドア8は、後述の制御装置50で駆動さ
れるアクチュエータ10により、外気導入口6と内気導
入口7とを任意の比率で開閉する。ブロアファン9は、
制御装置50で駆動されるアクチュエータとしてのブロ
アファンモータ11により回転駆動する。
【0020】クーリングユニット3には、エバポレータ
12を設けてある。エバポレータ12は、図外のコンプ
レッサと図外のコンデンサと図外の膨張弁などで構成し
た冷凍サイクルから供給される冷媒で、通過する空気を
冷却する。
【0021】ヒータユニット4には、ヒータコア13
と、エアミックスドア14と、エアミックスチャンバ1
5とを設けてある。ヒータコア13は、図外のエンジン
と図外の温水コックと図外の膨張弁などで構成した加熱
サイクルから供給される温水で、通過する空気を暖め
る。エアミックスドア14は、制御装置50で駆動され
るアクチュエータ16により、エバポレータ12を通過
して冷えている空気がヒータコア13を迂回して冷えた
ままの冷気と、エバポレータ12を通過して冷えている
空気がヒータコア13を通過して暖められた暖気との割
合を調整するように、開閉する。
【0022】ダクトユニット5には、デフロスタダクト
17と、ベンチレータダクト18と、足元ダクト19
と、デフロスタドア20と、ベンチレータドア21と、
足元ドア22とを設けてある。デフロスタダクト17
は、インストルメントパネル23に設けられたデフロス
タ吹き出し口24に接続され、図外のフロントウインド
ウに向けて空調風を吹き出す。デフロスタ吹き出し口2
4には、風向設定器としてのルーバ25を設けてある。
ベンチレータダクト18は、インストルメントパネル2
3に設けられたベンチレータ吹き出し口26に接続さ
れ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。ベンチレ
ータ吹き出し口26には、風向設定器としてのルーバ2
7,28を設けてある。足元ダクト19の吹き出し口
は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出す。デフロスタ
ドア20とベンチレータドア21と足元ドア22それぞ
れは、制御装置50で駆動されるアクチュエータ29,
30,31により、デフロスタダクト17とベンチレー
タダクト18と足元ダクト19とを個別に開閉する。イ
ンストルメントパネル23の乗員が見易い部分には、表
示器32を設けてある。表示器32は、制御装置50か
らの出力により、例えば、熱環境情報、または、目標空
調条件、あるいは、実吹き出し風温などのような、空調
装置の制御情報を、乗員が視認または聴覚できるように
表示するものであって、例えば、発光デバイスまたは音
声発生デバイスで構成されている。
【0023】熱環境情報検出手段35は、車室内外の複
数の熱環境情報を検出するものであって、室温センサ3
6と、外気温センサ37と、日射量センサ38と、室温
設定器39とで構成されている。室温センサ36は、現
在の車室内の雰囲気温度を検出室温Ticとして検出
し、この検出室温Ticに応じた電気量を制御装置50
に出力する。外気温センサ37は、現在の車室外の雰囲
気温度を外気温Tambとして検出し、この外気温Ta
mbに応じた電気量を制御装置50に出力する。日射量
センサ38は、受光した日射量Qsunに応じた電気量
を制御装置50に出力する。室温設定器39は、一般的
には車室内の乗員の操作し易い部分に配置された図外の
空調操作盤に、エアコンスイッチ(A/Cスイッチ)4
4やオートスイッチ45およびブロアファンスイッチ4
6ならびに吸気モード設定器47さらには吹き出し口モ
ード設定器48と一緒に組み付けられ、乗員の操作で乗
員が希望する温度を設定室温Tsetとして設定し、こ
の設定室温Tsetに応じた電気量を制御装置50に出
力する。
【0024】エバポレータ通過直後空気温度センサ40
は、エバポレータ12の空気下流側に設けられ、エバポ
レータ12を通過した直後の空気温度をエバポレータ通
過直後空気温度Tintとして検出し、この検出したエ
バポレータ通過空気温度Tintに応じた電気量を制御
装置50に出力する。
【0025】フロントウインドガラス温度センサ41
は、日射の影響を受けにくい部分、例えば図外のセンタ
ピラーの部分に設けられ、フロントウインドガラスの温
度をフロントウインドガラス温度Twとして検出し、こ
の検出したフロントウインドガラス温度Twに応じた電
気量を制御装置50に出力する。
【0026】車室内相対湿度センサ42は、車室内に設
けられ、車室内相対湿度Hicを検出し、この検出した
車室内相対湿度Hicに応じた電気量を制御装置50に
出力する。
【0027】制御装置50は、エアコンスイッチ44の
オン動作により起動するマイクロコンピュータに構成さ
れており、ブロアファンスイッチ46や吸気モード設定
器47および吹き出し口モード設定器48の操作によ
り、マイクロコンピュータのメモリにシステムベースと
して予め設定されたマニュアルプログラムにしたがっ
て、検出室温Ticが設定室温Tsetとなるように、
空調装置本体1を駆動制御する。このマニュアルプログ
ラムによる駆動制御において、空調風の風量は、ブロア
ファンスイッチ46の乗員による操作量で選択される。
吸気モードは、吸気モード設定器47の乗員による操作
で、内気循環モードと外気導入モードと半内気循環・半
外気導入モードなどの1つが選択される。吹き出し口モ
ードは、吹き出し口モード設定器48の乗員による操作
で、例えば、フットモードとバイレベルモードとベント
モードなどの1つが選択される。
【0028】なお、ブロアファンスイッチ46と吸気モ
ード設定器47と吹き出し口モード設定器48とが、手
動設定手段49になっている。
【0029】また、制御装置50は、オートスイッチ4
5のオン動作により、マイクロコンピュータのメモリに
システムベースとして予め設定されたオートプログラム
にしたがって、検出室温Ticと外気温Tambと日射
量Qsunと設定室温Tsetなどの熱環境情報に応じ
て、車室内の熱環境状態が目標熱環境状態となるよう
に、空調装置本体1を駆動制御する。なお、図1の符号
1は制御装置50からアクチュエータ29への信号
線、S2は制御装置50から表示器32への信号線、S3
はエバポレータ通過直後空気温度センサ40から制御装
置50への信号線である。
【0030】この第1実施例の作用を、図3に示したフ
ローチャートを参照しながら詳述する。
【0031】エアコンスイッチ44がオン動作され、ス
テップ101で、空調制御が始まると、ステップ102
において、各制御定数の初期設定を行い、ステップ10
3において、室温センサ36と外気温センサ37,日射
量センサ38と室温設定器39それぞれから出力された
検出室温Ticと外気温Tambと設定室温Tsetと
日射量Qsunとを目標吹き出し温度式、 Tof=A×Tic+B×Tamb+C×Tset+D
×Qsun+E (A,B,C,D,Eは定数) に代入して、目標吹き出し温度Tofを演算する。
【0032】ステップ104において、目標吹き出し温
度Tofをエアミックスドア開度式、 X=F×Tof2+G×Tof+H (F,G,Hは定数) に代入して、エアミックスドア開度Xを演算し、アクチ
ュエータ16に駆動信号を出力して、エアミックスドア
14を駆動する。
【0033】ステップ105,106,107では、予
め記憶されている目標吹き出し温度Tofに応じた制御
特性によって決定される駆動モードを決定し、ブロアフ
ァンモータ11やアクチュエータ10,16,29,3
0,31に駆動信号を出力する。そして、ステップ10
8において、空調制御の1サイクルを終わる。なお、こ
の空調制御は、エアコンスイッチがオフ動作するまで、
繰り返される。
【0034】上記ステップ107に示した吹き出し口モ
ード制御について、図4および図5に示したフローチャ
ートを参照しながら詳述する。
【0035】ステップ201において、吹き出し口モー
ド制御が始まると、ステップ202において、吹き出し
口モードが手動設定であるかどうか判定する。つまり、
乗員がオートスイッチ45を操作し、吹き出し口モード
自動制御が選択されている場合(ステップ202がN
O)には、ステップ203に進んで、下記(1)に示す
吹き出し口モード自動制御を行う。逆に、乗員が吹き出
し口モード設定器48を操作し、吹き出し口モード手動
制御が選択されている場合(ステップ202がYES)
には、ステップ210に進んで、下記(2)に示す吹き
出し口モード手動制御を行う。
【0036】(1)吹き出し口モード自動制御の場合
は、ステップ203において、目標吹き出し温度Tof
を入力し、ステップ204において、吹き出し口制御特
性に相当する吹き出し口モードマップにしたがって、目
標吹き出し温度Tofに応じた吹き出し口モードを選択
する。この吹き出し口モードマップは、ステップ204
に示すように、目標吹き出し温度Tofの値に応じて、 フットモード:デフロスタドア20と足元ドア22とが
開成され、ベンチレータドア21が閉成され、空調風が
デフロスタ吹き出し口24と足元吹き出し口とから車室
内に吹き出される バイレベルモード:ベンチレータドア21と足元ドア2
2とが開成され、デフロスタドア20が閉成され、空調
風がベンチレータ吹き出し口26と足元吹き出し口とか
ら吹き出される ベントモード:ベンチレータドア21が開成され、デフ
ロスタドア20と足元ドア22とが閉成され、空調風が
ベンチレータ吹き出し口26からのみ吹き出される の3つのモードの中から吹き出し口モードを選択するよ
うになっている。つまり、吹き出し口モードは、目標吹
き出し温度Tofが低い状態から高い状態になるにした
がって、ベントモード,バイレベルモード,フットモー
ドの順に変更される。これによって、目標吹き出し温度
Tofが、夏期のように低い時にはベントモード、春や
秋のような中間期にはバイレベルモード、冬期のように
高い場合にはフットモードが選択される。そして、ベン
トモードとバイレベルモードとの境界温度T1、バイレ
ベルモードとフットモードとの境界温度T2それぞれ
は、各ドアのハンチングを防ぐために、ヒステリシスα
を設けてある。そして、これら境界温度T1,T2の値
は、後述するステップ216,218,220,221
に示すように、乗員による吹き出し口モードの手動設定
によって補正される。また、目標吹き出し温度Tof
は、冬期の低外気温時には、通常、30℃以上となる。
よって、初期設定時のバイレベルモードとフットモード
との境界温度T2は、例えば、30℃に設定してある。
このため、初期設定時のバイレベルモードとフットモー
ドとの境界温度T2が変更されない限り、冬期での吹き
出し口モードは、ほとんど、フットモードとなる。つま
り、冬期の低外気温時には、足元ドア22とデフロスタ
ドア20とが開成され、高温で相対湿度の低い気流が、
フロントウインドガラスに向けて吹き出され、窓曇り状
態を回避する。
【0037】引き続き、ステップ205において、その
時点での熱環境が窓曇りを引き起こし易い状態かどうか
を判断する。つまり、目標吹き出し温度Tofが基準値
Ta以下か、または、検出室温Ticと外気温Tamb
との温度差が別の基準値Tb以下の場合(ステップ20
5がNO)には、窓曇りが起こる可能性が無いことを意
味する。逆に、目標吹き出し温度Tofが基準値Taよ
り高いか、または、Tic−Tambなる温度差が基準
値Tbより高い場合(ステップ205がYES)には窓
曇りが起き易い状態であることを意味する。ここで、基
準値Taとしては、例えば、35℃を設定してある。ま
た、別の基準値Tbとしては、図外の湿り空気線図から
求められる車室内の露点温度によって算出している。例
えば、室温25℃で、湿気50%のとき、空気の露点温
度は約13℃であり、フロントウインドガラス内側温度
が約13℃以下、すなわち、Tic−Tambなる温度
差が12℃以上の場合には、窓曇りが起き易い状態であ
るので、このときの基準値Tbは12℃となる。
【0038】すなわち、窓曇り度合いの判定によって、
窓曇りが起こる可能性がほとんど無い場合(ステップ2
05がNO)には、ステップ208において、吹き出し
口モードマップによって選択された吹き出し口モードと
なるように、駆動信号をアクチュエータ29,30,3
1のいずれかに出力する。
【0039】逆に、窓曇り度合いの判定によって、窓曇
りが起き易い場合(ステップ205がYES)には、ス
テップ206において、吹き出し口モードマップから選
択された吹き出し口モードがフットモードであるかを判
断する。
【0040】そして、吹き出し口モードがフットモード
の場合(ステップ206がYES)には、ステップ20
8に進んで、現在の吹き出し口モードを維持する。
【0041】逆に、吹き出し口モードがフットモード以
外の場合(ステップ206がNO)には、ステップ20
7において、フットモードへの切り替え信号を出力し、
ステップ208において、ドア開度信号をアクチュエー
タ29,30に出力してデフロスタドア20と足元ドア
22とを開成し、吹き出し口モードをフットモードに変
更する。これにより、空調風がフロントウインドガラス
に向けて吹き出されて窓曇り状態を回避する。
【0042】(2)吹き出し口モード手動制御の場合
は、ステップ210において、目標吹き出し温度Tof
を入力し、ステップ211において、乗員の吹き出し口
モード設定器48の操作によって選択された吹き出し口
モードが、ステップ204で吹き出し口モードマップか
ら選択された吹き出し口モードと一致するか判断する。
【0043】そして、吹き出し口モードが一致する場合
(ステップ211がYES)には、その後の吹き出し口
モードの補正を行わずにステップ222において、吹き
出し口モード設定器48の操作によって選択された吹き
出し口モードとなるように、駆動信号をアクチュエータ
29,30,31のいずれかに出力する。
【0044】逆に、吹き出し口モードが一致しない場合
(ステップ211がNO)には、ステップ212におい
て、乗員の操作で設定された吹き出し口モードを判断
し、ベントモードとバイレベルモードとフットモードそ
れぞれに応じて、ステップ213,214,215に進
む。
【0045】(A)乗員の操作によって、吹き出し口モ
ードがベントモードになっている場合には、ステップ2
13において、目標吹き出し温度Tofと境界温度T1
との温度差がしきい値βより小さいかどうか判断する。
【0046】そして、Tof−T1なる温度差がしきい
値β以上場合(ステップ213がNO)には、吹き出し
口モードマップの補正を行わずに、ステップ222に進
む。
【0047】逆に、Tof−T1なる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ213がYES)には、ステッ
プ216において、Tof−T1なる温度差に重みWを
掛けた値を境界温度T1に加算することによって、吹き
出し口モードマップにおける境界温度T1を補正し、ス
テップ222に進む。
【0048】(B)乗員の操作によって、吹き出し口モ
ードがバイレベルモードになっている場合には、ステッ
プ214において、目標吹き出し温度Tofが境界温度
1より小さいか判断する。
【0049】そして目標吹き出し温度Tofが境界温度
1未満の場合(ステップ214がYES)には、ステ
ップ217において、T1−Tofなる温度差がしきい
値βより小さいか判断する。
【0050】そして、T1−Tofなる温度差がしきい
値β以上の場合(ステップ217がNO)には、吹き出
し口モードマップの補正を行わずに、ステップ222に
進む。
【0051】逆に、Tof−T1なる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ217がYES)には、ステッ
プ218において、T1−Tofなる温度差に重みWを
掛けた値を境界温度T1から減算することによって、吹
き出し口モードマップにおける境界温度T1を補正し、
ステップ222に進む。
【0052】また、目標吹き出し温度Tofが境界温度
1以上の場合(ステップ214がNO)には、ステッ
プ219において、Tof−T2なる温度差がしきい値
βより小さいか判断する。
【0053】そして、Tof−T2なる温度差がしきい
値β以上の場合(ステップ219がNO)には、吹き出
し口モードマップの補正を行わずに、ステップ222に
進む。
【0054】逆に、Tof−T1なる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ219がYES)には、ステッ
プ220において、Tof−T2の温度差に重みWを掛
けた値を境界温度T2に加算することによって、吹き出
し口モードマップにおける境界温度T2を補正し、ステ
ップ222に進む。
【0055】(C)乗員の操作によって、吹き出し口モ
ードがフットモードになっている場合には、ステップ2
15において、境界温度T2と目標吹き出し温度Tof
との温度差がしきい値βより小さいかどうか判断する。
【0056】そして、T2−Tofなる温度差がしきい
値β以上の場合(ステップ215がNO)には、吹き出
し口モードマップの補正を行わずに、ステップ222に
進む。
【0057】逆に、T2−Tofなる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ215がYES)には、ステッ
プ221において、T2−Tofなる温度差に重みWを
掛けた値を境界温度T2から減算することによって、吹
き出し口モードマップにおける境界温度T2を補正し、
ステップ222に進む。
【0058】要するに、乗員の操作に応じて制御特性補
正可能な自動車用空調装置では、例えば、冬期の低外気
温時に、乗員の操作によって、バイレベルモードが多用
されると、制御特性の1つである吹き出し口モードマッ
プの学習によって境界温度T2が、初期設定よりも高く
なる。したがって、一般的には、低外気温時において、
吹き出し口モードが自動制御によってバイレベルモード
が選択され、フロントウインドガラス表面温度が低いこ
とから窓曇りが起こり易くなることがある。このような
場合において、上記第1実施例によれば、吹き出し口モ
ードが乗員の操作によって好みの吹き出し口モードに変
更された場合には、窓曇りが起き易い状態か否かを監視
し、窓曇り状態への可能性の大小(窓曇り度合い)に応
じて、吹き出し口モードマップの補正量を変化させ、窓
曇りが起き易い環境状態での乗員の操作による吹き出し
口モードマップの境界温度T1,T2の変更を抑制するの
で、次回使用時での吹き出し口モードが自動選択されて
いる場合に、窓曇りに陥る可能性が、初期の吹き出しモ
ードマップよりも低減できる。したがって、窓曇り防止
性能を向上させることができる。
【0059】第2実施例 この第2実施例では、吹き出し口モード制御に際して、
吸気モードやコンプレッサの作動状態などの駆動モード
も調べて窓曇りを回避するようにした点に特徴がある。
したがって、この第2実施例は、図6および図7に示し
たフローチャートにもとづいて説明する。なお、この第
2実施例の説明において、自動車用空調装置としての各
構成部品名に付した符号は、図2にもとづくものであ
る。
【0060】ステップ301において、吹き出し口モー
ド制御が始まると、ステップ302において、その時点
での熱環境が窓曇りを引き起こしやすい状態かどうかを
判定するため、窓曇り度合い判定フラグDflgの値の
計算を、後述の図8に示すフローチャートによって行
う。引き続き、ステップ303において、目標吹き出し
温度Tofを入力し、ステップ304において、吹き出
し口制御特性に相当する吹き出し口モードマップにした
がって、目標吹き出し温度Tofに応じた吹き出し口モ
ードを選択する。この吹き出し口モードマップは、ステ
ップ304に示すように、目標吹き出し温度Tofの値
に応じて、フットモードとバイレベルモードとベントモ
ードのいずれかを選択する。なお、吹き出し口モードマ
ップ中の境界温度T1,T2の値は、後述するステップ3
32,335,338,340に示すように、乗員によ
る吹き出し口モードの手動設定によって補正される。
【0061】引き続き、ステップ305において、吹き
出し口モードが手動設定であるかどうか判定する。つま
り、乗員がオートスイッチ45を操作し、吹き出し口モ
ード自動制御が選択されている場合(ステップ305が
NO)には、ステップ306に進んで、下記(1)に示
す吹き出し口モード自動制御を行う。逆に、乗員が吹き
出し口モード設定器48を操作し、吹き出し口モード手
動制御が選択されている場合(ステップ305がYE
S)には、ステップ322に進んで、下記(2)に示す
吹き出し口モード手動制御を行う。
【0062】(1)吹き出し口モード自動制御の場合
は、ステップ306において、窓曇り度合い判定フラグ
Dflgの値が「3」であるかを判断する。
【0063】そして、窓曇り度合い判定フラグDflg
=3の場合(ステップ306がYES)には、窓曇りが
起こる可能性がほとんど無く、現状の吹き出し口モード
をそのまま維持すれば良いことを意味するので、ステッ
プ307において、吹き出し口モードを変更するか否か
を判断するためのカウンタCmodeと、その時点での
窓曇り防止用吹き出し口モードとなってからの経過時間
を計測するためのカウンタCdとをリセットして、計数
を停止する。引き続き、ステップ342において、現在
の窓曇り度合い判定フラグDflgの値をDflg0
して記憶した後、ステップ343において、吹き出し口
モードマップによって選択された吹き出し口モードとな
るように、駆動信号をアクチュエータ29,30,31
のいずれかに出力する。
【0064】逆に、窓曇り度合い判定フラグDflg=
1または2の場合(ステップ306がNO)には、ステ
ップ308において、窓曇り度合い判定フラグDflg
の値が、前回値Dflg0より小さいかどうかを判断す
る。すなわち、窓曇り度合い判定フラグDflgが「3
から2」、または、「2から1」となり、前回よりも窓
曇りが起き易い状態となったかどうかを判断する。
【0065】そして、窓曇り度合い判定フラグDflg
の値が、「現在と同じか」、あるいは、「1から2」に
変化しただけで、窓曇りが生じる可能性が少ない場合
(ステップ308がNO)には、ステップ309におい
て、カウンタCdの値が基準値Cd0よりも大きいかど
うか判断する。
【0066】そして、カウンタCdの値が基準値Cd0
以上の場合(ステップ309がYES)には、ステップ
310に進む。カウンタCdの値が基準値Cd0以下の
場合(ステップ309がNO)には、アクチュエータ2
9,30,31の応答遅れなどの要因によって、変更し
た吹き出し口モードに完全に切り替わっていないだけで
あることを意味するので、ステップ342に進んで、現
状を維持する。
【0067】逆に、窓曇り度合い判定フラグDflgの
値が前回値Dflg0未満で、窓曇りが起こり易くなっ
た場合(ステップ308がYES)、または、カウンC
dの値が基準値Cd0より大きい場合(ステップ309
がYES)には、現在の吹き出し口モードでの効果が見
られず、新たな吹き出し口モードへの変更が必要である
ことを意味するので、ステップ310において、カウン
タCdをリセットして計数を開始し、吹き出し口モード
を変更して、窓曇りを防止するべく、ステップ311に
おいて、吸気モードが外気導入モードか内気循環モード
かを判断する。
【0068】そして、内気循環モードの場合(ステップ
311が内気)には、ステップ312において、吸気モ
ード制御(図3のステップ108参照)により、内気循
環モードを外気導入モードに切り替える、外気導入信号
をアクチュエータ10に出力してインテークドア8を駆
動し、外気導入口6を開成して、ステップ342に進ん
で、現在の吹き出し口モードを維持する。これは、一般
に、低外気温時には、内気よりも外気の方が露点温度が
低いため、窓曇りを起こしにくくするには、外気を導入
するのが得策だからである。
【0069】逆に、既に、外気導入モードとなっている
場合(ステップ311が外気)には、ステップ313に
おいて、エバポレータ12の冷凍サイクル中のコンプレ
ッサが作動中であるかを判断する。
【0070】そして、コンプレッサが作動していなけれ
ば(ステップ313がNO)、ステップ314におい
て、エバポレータ直後空気温度センサで検出したエバポ
レータ通過直後空気温度Tintがエバポレータ凍結臨
界温度Tlimより低いかどうか判断する。
【0071】そして、エバポレータ通過直後空気温度T
intがエバポレータ凍結臨界温度Tlimよりも高い
場合(ステップ314がNO)には、エバポレータ12
が凍結しないことを意味するので、ステップ315にお
いて、コンプレッサ駆動信号を図外のコンプレッサモー
タに出力して、コンプレッサを駆動した後、ステップ3
42に進んで、相対湿度の低い空調風を車室内に吹き出
させる。
【0072】逆に、エバポレータ通過直後空気温度Ti
ntがエバポレータ凍結臨界温度Tlim以下の場合
(ステップ314がYES)には、コンプレッサを作動
すると、エバポレータ12が凍結のため、冷媒との熱交
換率が低下し、冷媒が液体のままコンプレッサに戻り、
コンプレッサが液圧縮を引き起こす可能性があることを
意味するので、ステップ316に進む。
【0073】引き続き、コンプレッサが作動中である場
合(ステップ313がYES)、または、コンプレッサ
が作動していないが、エバポレータ直後空気温度Tin
tがエバポレータ凍結臨界温度Tlim以下である場合
(ステップ314がYES)には、ステップ316にお
いて、窓曇り度合い判定フラグDflgの値が「1」で
あるか「2」であるかを判断する。
【0074】そして、窓曇り度合い判定フラグDflg
が「2」の場合(ステップ316がNO)には、すぐ
に、窓曇り状態に陥ることは無く、現在の吹き出し口モ
ードを維持しても問題ないことを意味するので、ステッ
プ342に進んで、現在の吹き出し口モードを維持す
る。
【0075】逆に、窓曇り度合い判定フラグDflgが
「1」の場合(ステップ316がYES)には、すぐ
に、窓曇り状態となる可能性が大きいことを意味するの
で、ステップ317において、カウンタCmodeをリ
セットして計数を開始し、ステップ318において、吹
き出し口モードマップから選択された吹き出し口モード
がフットモードであるかを判断する。
【0076】そして、吹き出し口モードがフットモード
以外の場合(ステップ318がNO)には、ステップ3
19において、カウンタCmodeの値が基準値Csa
tを越えているかを判断する。
【0077】そして、カウンタCmodeの値が基準値
Csat以上の場合(ステップ319がNO)には、ス
テップ320において、ドア開度信号をアクチュエータ
29,30に出力してデフロスタドア20と足元ドア2
2とを開成し、吹き出し口モードをフットモードに変更
し、ステップ342に進む。これにより、相対湿度の低
い高温の空調風がフロントウインドガラスに向けて吹き
出され、即座に、窓曇り状態を回避する。
【0078】また、吹き出し口モードがフットモードに
なっている場合(ステップ318がYES)、または、
吹き出し口モードがフットモード以外であるが、カウン
タCmodeの値が基準値Csat未満の場合(ステッ
プ319がYES)には、ステップ321において、エ
アミックスドア開度増加信号をアクチュエータ16に出
力してエアミックスドア14の開度を大きくし、エバポ
レータ通過後の冷風のヒータコア13への流入割合を多
くし、空調風の温度を高くし、ステップ342に進む。
これにより、相対湿度の低いより高温の空調風がフロン
トウインドガラスに向けて吹き出され、即座に、窓曇り
状態を回避する。
【0079】ここで、上記基準値Csatが大きいほ
ど、吹き出し口モードを現状に維持する時間が長くなる
というように、基準値Csatの大きさは、吹き出し口
モードの変更の応答性に影響を与える。そして、基準値
Csatは、後述のステップ333,336,393,
341での吹き出し口モード特性維持時間tsatに応
じて設定される。この吹き出し口モード特性維持時間t
satとは、車室内外の熱負荷に応じて切り替えられた
吹き出し口モード特性の維持時間であって、その切り替
えられた吹き出し口モードに対する乗員の満足度を検出
するための時間である。即ち、吹き出し口モード特性維
持時間tsatの値が大きいほど、乗員がその時点での
吹き出し口モードに満足していることを意味するので、
できるだけ吹き出し口モードマップの変更をしないほう
が望ましい。したがって図9に示すように、吹き出し口
モード特性維持時間tsatの値が大きいほど、基準値
Csatの値を大きくして、吹き出し口モード変更の応
答性を遅くする。なお、図9中の数値は、これに規定さ
れるものではなく、時間のオーダーが同程度であれば他
の値でも良い。
【0080】また、エアミックスドア14の開度の変更
は、車室内に吹き出される空調風の温度の変更を意味
し、その空調風の温度の変更は、快適性に及ぼす熱環境
要因の中で相対湿度の変化よりも影響が大きい。よっ
て、上記ステップ321において、エアミックスドア1
4の開度変更を最終的に行うようにしてある。ただし、
車室内に吹き出される空調風の温度の変化は、エアミッ
クスドア14の開度を変化した後、すぐに起きるもので
は無く、ある程度、時間的に余裕があるため、エアミッ
クスドア14の開度が多少の変更であるならば、快適性
の阻害要因となることはない。これに対し、吹き出し口
モードの変更は、アクチュエータ29,30,31など
の作動直後から、空調風の吹き出し状態が変更されるの
で、快適性に及ぼす変化が大きい。しかしながら、窓曇
りを防止するには、相対湿度の低い空調風を、フロント
ウインドガラスに直接吹き付けるフットモードに変更す
る方が、エアミックスドア14の開度変更に比べて速効
性が有り、その効果が大きい。そこで、快適性維持性と
防曇速効性とのどちらを優先させるかを、ステップ31
9において、乗員の吹き出し口モードの好みを参照する
ことによって決定するようにしてある。
【0081】(2)吹き出し口モード手動制御の場合
は、ステップ322において、乗員の吹き出し口モード
設定器48の操作によって選択された吹き出し口モード
が、ステップ304で吹き出し口モードマップから選択
された吹き出し口モードと一致するか判断する。
【0082】そして、吹き出し口モードが一致する場合
(ステップ322がYES)には、その後の吹き出し口
モードの補正を行わずにステップ342に進む。
【0083】逆に、吹き出し口モードが一致しない場合
(ステップ322がNO)には、ステップ323におい
て、ステップ302で計算した窓曇り度合い判定フラグ
Dflgの値が「1」で窓曇りが最も起き易い状態かど
うか判断する。
【0084】そして、窓曇り度合い判定フラグDflg
=1の場合(ステップ323がYES)には、乗員によ
る吹き出し口モードの設定が窓曇りが起き易い状態に手
動操作されたことを意味するので、この窓曇りが起き易
い吹き出し口モードへの変更は学習せずに無視して、ス
テップ342に進む。
【0085】逆に、窓曇り度合い判定フラグDflg≠
1の場合(ステップ323がNO)には、ステップ32
4において、窓曇り度合い判定フラグDflgの値が
「2」であるかを判断する。
【0086】引き続き、窓曇り度合い判定フラグDfl
g=2の場合(ステップ324がYES)には、ステッ
プ325において、吹き出し口モードがフットモードで
あるかを判断する。
【0087】そして、吹き出し口モードがフットモード
以外の場合(ステップ325がフットモード以外)に
は、ステップ326において、境界温度T1,T2を補正
する際に用いる重みWをW2と設定し、ステップ328
に進む。
【0088】逆に、窓曇り度合い判定フラグDflg≠
2の場合(ステップ324がNO)、または、窓曇り度
合い判定フラグDflg=2であるが、吹き出し口モー
ドがフットモードの場合(ステップ325がフットモー
ド)場合には、ステップ327において、重みWをW1
と設定し、ステップ328に進む。なお、W1とW2
は、W1>W2の関係がある。したがって、重みWとし
て、窓曇りが起きにくい場合には、大きい値W1を用
い、窓曇りが起き易い場合には、小さい値W2を用いて
いる。つまり、ステップ324から327までの処理
は、窓曇り度合い応じて、吹き出し口モードマップの境
界温度T1,T2の補正幅を設定している。
【0089】引き続き、ステップ328において、乗員
の操作で設定された吹き出し口モードを判断し、ベント
モードとバイレベルモードとフットモードそれぞれに応
じて、ステップ329,330,331に進む。
【0090】(A)乗員の操作によって、吹き出し口モ
ードがベントモードになっている場合には、ステップ3
29において、目標吹き出し温度Tofと境界温度T1
との温度差がしきい値βより小さいかどうか判断する。
【0091】そして、Tof−T1なる温度差がしきい
値β以上場合(ステップ329がNO)には、吹き出し
口モードマップの補正を行わずに、ステップ342に進
む。
【0092】逆に、Tof−T1なる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ329がYES)には、ステッ
プ332において、Tof−T1なる温度差に重みWを
掛けた値を境界温度T1に加算することによって、吹き
出し口モードマップにおける境界温度T1を補正し、ス
テップ333において、タイマをリセットして吹き出し
口モード特性維持時間tsatの計時を開始させた後、
ステップ342に進む。この吹き出し口モード特性維持
時間tsatを計時するタイマは、吹き出し口モードが
現在の吹き出し口モードに変更されてからの時間を測る
ことによって、その吹き出し口モード特性に対する乗員
の満足度を検出するためものである。なお、このタイマ
は、空調装置の作動中のみカウントされ、乗員がエアコ
ンスイッチをオン動作したときに初期設定される。
【0093】(B)乗員の操作によって、吹き出し口モ
ードがバイレベルモードになっている場合には、ステッ
プ330において、目標吹き出し温度Tofが境界温度
より小さいか判断する。
【0094】そして目標吹き出し温度Tofが境界温度
未満の場合(ステップ330がYES)には、ステ
ップ334において、T1−Tofなる温度差がしきい
値βより小さいか判断する。
【0095】そして、T1−Tofなる温度差がしきい
値β以上の場合(ステップ334がNO)には、吹き出
し口モードマップの補正を行わずに、ステップ342に
進む。
【0096】逆に、Tof−T1なる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ334がYES)には、ステッ
プ335において、T1−Tofなる温度差に重みWを
掛けた値を境界温度T1に加算することによって、吹き
出し口モードマップにおける境界温度T1を補正し、ス
テップ336において、タイマをリセットして吹き出し
口モード特性維持時間tsatの計時を開始させた後、
ステップ342に進む。
【0097】また、目標吹き出し温度Tofが境界温度
1以上の場合(ステップ330がNO)には、ステッ
プ337において、Tof−T2なる温度差がしきい値
βより小さいか判断する。
【0098】そして、Tof−T2なる温度差がしきい
値β以上の場合(ステップ337がNO)には、吹き出
し口モードマップの補正を行わずに、ステップ342に
進む。
【0099】逆に、Tof−T1なる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ337がYES)には、ステッ
プ338において、Tof−T2の温度差に重みWを掛
けた値を境界温度T2に加算することによって、吹き出
し口モードマップにおける境界温度T2を補正し、ステ
ップ339において、タイマをリセットして吹き出し口
モード特性維持時間tsatの計時を開始させた後、ス
テップ342に進む。
【0100】(C)乗員の操作によって、吹き出し口モ
ードがフットモードになっている場合には、ステップ3
31において、境界温度T2と目標吹き出し温度Tof
との温度差がしきい値βより小さいかどうか判断する。
【0101】そして、T2−Tofなる温度差がしきい
値β以上の場合(ステップ331がNO)には、吹き出
し口モードマップの補正を行わずに、ステップ342に
進む。
【0102】逆に、T2−Tofなる温度差がしきい値
β未満の場合(ステップ331がYES)には、ステッ
プ340において、T2−Tofなる温度差に重みWを
掛けた値を境界温度T2に加算することによって、吹き
出し口モードマップにおける境界温度T2を補正し、ス
テップ341において、タイマをリセットして吹き出し
口モード特性維持時間tsatの計時を開始させた後、
ステップ342に進む。
【0103】一方、上記ステップ302に示した窓曇り
度合い判定フラグDflgの値の計算について、図8に
示すフローチャートを参照しながら詳述する。つまり、
ステップ401において、窓曇り度合い判定フラグDf
lgの値の計算が始まると、ステップ402において、
検出室温Ticと外気温Tambとを比較するととも
に、外気温Tambと検出室温Ticとの温度差が、規
定値Td以上かを判断する。この規定値Tdは、例え
ば、1〜3℃程度の低い値になっている。
【0104】そして、Tamb−Ticなる温度差が規
定値Td未満で、外気温Tambが検出室温Ticより
も一定温度以上高い場合(ステップ402がNO)に
は、窓曇りは起こらないことを意味するので、ステップ
403において、窓曇り度合い判定フラグDflgの値
を、窓曇りが起こらないことを意味する「3」に設定
し、ステップ414に進む。
【0105】逆に、Tamb−Ticなる温度差が規定
値Td以上の場合(ステップ402がYES)には、窓
曇りが起こる可能性があることを意味するので、ステッ
プ404において、目標吹き出し温度Tofに応じて、
吹き出し口モードマップから選択された吹き出し口モー
ド(前述のステップ304参照)が、フットモードであ
るか判断する。
【0106】そして、吹き出し口モードがフットモード
の場合には、ステップ405において、実吹き出し風温
Toutの値を、 Tout=η(Tw−Tint)+Tint (η:ヒータ熱交換率) によって計算し、ステップ406において、フロントウ
インドガラス付近室内空気温度Tagを、 Tag=K0・Tout+K1 (K0,K1:定数) によって計算する。つまり、吹き出し口モードがフット
モードの場合には、デフロスタドア20が開成され、空
調風がデフロスタ吹き出し口24からフロントウインド
ガラスに向けて吹き出されているため、フロントウイン
ドガラス付近室内空気温度Tagは、デフロスタ吹き出
し口24からの空調風の温度に近い値となるからであ
る。ただし、ヒータ熱交換率ηは、エアミックスドア開
度Xを変数として実験的に求めることができる。
【0107】引き続き、ステップ407において、吸気
モードが内気循環モードか外気導入モードかを判断す
る。
【0108】そして、吸気モードが内気循環モードの場
合には、ステップ408において、コンプレッサが作動
しているかを判断する。
【0109】そして、吸気モードが内気循環モードであ
るが、コンプレッサが作動している場合(ステップ40
8がYES)、または、吸気モードが外気導入モードの
場合には、ステップ409において、フロントウインド
ガラス付近室内空気の露点温度Tdpとして、エバポレ
ータ通過直後空気温度Tintを設定して、ステップ4
12に進む。つまり、この場合には、空調装置本体1へ
の吸い込み空気は、外気か、または、内気でもエバポレ
ータ12によって熱交換された空気のいずれかである。
このため、デフロスタ吹き出し口24からフロントウイ
ンドガラスに向けて吹き出される空調風の露点温度Td
pが不明である。しかしながら、コンプレッサが作動中
で、エバポレータ12によって熱交換された空気は、一
般に低温(5℃以下)で相対湿度Hicが高い。よっ
て、エバポレータ通過直後空気温度Tintと露点温度
の差は小さい。また、外気をコンプレッサ不作動状態で
吹き出す場合でも、デフロスタ吹き出し口24から吹き
出される空調風は、エバポレータ12を通過した後、ヒ
ータコア13で加熱されるのみである。このため、露点
温度がエバポレータ通過直後空気温度Tintを越える
ことは無い。また、窓曇りの起き易い低温高湿度の外気
の場合には、エバポレータ通過直後空気温度Tintは
露点温度に近い値である。したがって、フロントウイン
ドガラス付近室内空気の露点温度Tdpとして、エバポ
レータ通過直後空気温度Tintを近似的に用いても精
度上問題は無い。
【0110】一方、吹き出し口モードがフットモード以
外の場合(ステップ404がNO)には、空調風が空調
装置本体からフロントウインドガラスに直接吹き出され
ないため、ステップ410において、フロントウインド
ガラス付近室内空気温度Tagとして、検出室温Tic
を設定する。
【0111】この後、または、吹き出し口モードがフッ
トモードでも、吸気モードが内気循環モードで、コンプ
レッサが不作動である場合(ステップ408がNO)に
は、ステップ411において、検出室温Ticと検出室
内相対湿度Hicとから図外の湿り空気線図によって室
内空気の露点温度を求め、これをガラス付近室内空気の
露点温度Tdpに設定する。この場合には、エバポレー
タ12を通過した後の空気が室内空気と同一なので、ま
た、室内空気は乗員自身が湿源となって加湿されていく
ため、検出室内Ticと検出室内相対湿度Hicとを用
いて、露点温度Tdpを精度良く求めている。そして、
ステップ412に進む。
【0112】ステップ412では、フロントウインドガ
ラス付近室内空気温度Tagと外気温Tambとを、フ
ロントウインドガラス内側表面温度式、 Tgin={1−(Kg/αin)}Tag+(Kg/
αin)Tamb (Kg:フロントウインドガラスの熱還流率) (αin:ウインドガラス内表面の熱伝達率) に代入して、フロントウインドガラス内側表面温度Tg
inを計算する。なお、フロントウインドガラス内側表
面温度式は、一般的なフロントウインドガラスの内外空
気温度の関係式、 Kg(Tag−Tamb)=αin(Tag−Tgi
n) (Kg,αinはフロントウインドガラスの厚さや材質
から定まる定数) を変形したものである。
【0113】引き続き、ステップ413において、フロ
ントウインドガラス内側表面温度Tginとガラス付近
室内空気の露点温度Tdpの温度差によって、窓曇り度
合い判定フラグDflgの値を設定する。すなわち、T
gin−Tdp<Taならば、Dflg=1、Ta<T
gin−Tdp<Tbならば、Dflg=2、Tgin
−Tdp>Tbならば、Dflg=3と設定する。これ
は、一般に、窓曇りは、フロントウインドガラス内側表
面温度Tginがフロントウインドガラス付近室内空気
の露点温度Tdpとなったときに生じるので、Tgin
−Tdpなる温度差が小さいほど、窓曇りが起き易なる
からである。したがって、窓曇り度合い判定フラグDf
lgの値が小さいほど、窓曇りが起き易い状態を意味し
ていることになる。ここで、基準値Taは、0〜1℃程
度の温度で、結露臨界点である。基準値Tbは、基準値
Taよりも少し高い5℃程度の温度である。つまり、窓
曇り度合い判定フラグDflg=1の室内環境は、現在
の吹き出し口モードでは、すぐに窓曇りを生じる状態で
ある。窓曇り度合い判定フラグDflg=2の室内環境
は、現在の吹き出し口モードでも、すぐには結露しない
が、現在の吹き出し口モードをある程度継続すると、窓
曇りが生じる可能性が高い状態である。また、窓曇り度
合い判定フラグDflg=3の室内環境は、現在の吹き
出し口モードでも、窓曇りの生じる可能性の無い状態で
ある。
【0114】要するに、この第2実施例によれば、例え
ば、冬期の低外気温時に、乗員の操作によって、バイレ
ベルモードが多用され、制御特性の1つである吹き出し
口モードマップの学習によって境界温度T2が、初期設
定よりも高くなり、窓曇りが起こり易くなった場合にお
いては、先ず、吹き出し口モード以外の吸気モードやコ
ンプレッサの作動状態などの駆動モードを調べ、吸気モ
ードは外気導入モードに変更し、コンプレッサは作動状
態に変更して、空調風の相対湿度を下げるようにして窓
曇りが発生するのを防止する。そして、これらの変更の
後でも、まだ窓曇りの発生する可能性が有るときのみ、
吹き出し口モードをデフロスタ吹き出し口24が開成さ
れるフットモードに変更するか、または、エアミックス
ドア14の開度を変更してヒータコア13への通過風量
を増加し、空調風の温度を上昇させ、相対湿度の低い空
調風をフロントウインドガラスに吹き付ける。また、上
記吹き出し口モードの変更に際しては、遅延時間を設け
て行うようにしている。しかも、吹き出し口モードを変
更するか否かの判断には、乗員が現在の吹き出し口モー
ド特性マップに変更されからの維持時間を参照すること
によって、その制御特性への乗員の満足度を判断する。
そして、維持時間が長く現在の吹き出し口モード制御特
性に乗員が満足している場合ほど、吹き出し口モードの
変更の遅延時間を長くしている。よって、吹き出し口モ
ードの自動制御は、乗員の好みに応じたものとなる。し
たがって、窓曇り防止性能と快適性とを両立させること
ができる。
【0115】なお、前記第1実施例および第2実施例で
は、窓曇りを回避するためにフットモードを用いたが、
本発明にあっては、デフロスタ吹き出し口を開成する吹
き出し口モードであればフットモード以外の吹き出し口
モードを選択してもよい。
【0116】また、窓曇り度合いの判定条件として目標
吹き出し温度Tofが基準値Taより高いか、あるい
は、検出室温Ticと外気温Tambとの温度差が基準
値Tbより高いかという推論を用いたが、湿度センサな
どのセンサを用いることによって窓曇りを検出してもよ
い。
【0117】さらに、吹き出し口モード制御についての
み例示して説明したが、風量制御あるいは吸気モード制
御を用いてもよい。
【0118】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、乗
員が空調装置本体の駆動モードを手動設定すると、熱環
境情報から窓曇り度合いを演算し、この窓曇り度合いが
基準値以上のとき、その窓曇り度合いに応じて駆動制御
特性を補正するので、空調装置本体の自動制御時には、
駆動手段が補正された駆動制御特性にもとづいて駆動さ
れ、窓曇りを自動的に回避することができる。特に、演
算したフロントウインドガラス付近車室内空気温度を利
用してフロントウインドガラス車室内側表面温度を演算
し、これと並行して、フロントウインドガラス車室内側
付近空気の露点温度を算出し、これら、フロントウイン
ドガラス車室内側付近空気の露点温度とフロントウイン
ドガラス車室内側表面温度との温度差に応じて窓曇り度
合いを演算するので、窓曇り度合いの精度が向上する。
しかも、センサ数が少なくなるので、コストダウンが図
れる。
【0119】第2の発明では、手動制御時に、駆動制御
特性を学習し、窓曇りが起こりにくいときにのみ、駆動
制御特性を補正するので、自動制御時での窓曇り防止性
能が向上する。
【0120】第3の発明では、演算したフロントウイン
ドガラス付近車室内空気温度を利用してフロントウイン
ドガラス車室内側表面温度を演算し、これと並行して、
フロントウインドガラス車室内側付近空気の露点温度を
算出し、これら、フロントウインドガラス車室内側付近
空気の露点温度とフロントウインドガラス車室内側表面
温度との温度差に応じて窓曇り度合いを演算するので、
窓曇り度合いの精度が向上する。しかも、センサ数が少
なくなるので、コストダウンが図れる。
【0121】第4の発明では、駆動制御特性の補正幅を
窓曇り度合いに応じて変更するので、自動制御時の窓曇
り防止性能が向上する。
【0122】第5の発明では、駆動制御特性を補正する
場合に、現在の吹き出し口モードに対する乗員の満足度
を取り入れているので、自動制御時の窓曇り防止性能と
快適性とを両立されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図。
【図2】第1実施例の全体を示す構成図。
【図3】第1実施例の空調制御のフローチャート。
【図4】第1実施例の吹き出し口モード制御のフローチ
ャート。
【図5】第1実施例の吹き出し口モード制御のフローチ
ャート。
【図6】第2実施例の吹き出し口モード制御のフローチ
ャート。
【図7】第2実施例の吹き出し口モード制御のフローチ
ャート。
【図8】第2実施例の窓曇り度合い判定フラグ値を計算
するフローチャート。
【図9】第2実施例の重みを示す特性図。
【符号の説明】
a…熱環境情報入力手段 b…駆動手段 c…駆動制御手段 d,49…手動設定手段 e…窓曇り度合い演算手段 f…補正手段 1…空調装置本体 2…ブロアファン 45…オートスイッチ 48…吹き出し口モード設定器 50…制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 尋章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−47612(JP,A) 特開 昭63−269718(JP,A) 特開 昭60−189625(JP,A) 特開 昭56−63513(JP,A) 特開 平4−135917(JP,A) 特開 平3−54015(JP,A) 特開 平2−175413(JP,A) 特開 平2−88321(JP,A) 特開 平1−289711(JP,A) 実開 昭64−22665(JP,U) 実開 昭63−32019(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101 B60H 1/00 103

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱環境情報検出手段から入力された検出
    室温,外気温,日射量,設定室温などの車室内外の熱環
    境情報により、空調装置本体の駆動手段を駆動して車室
    内を空調する駆動制御手段を備えた自動車用空調装置に
    おいて、 乗員の操作により前記駆動手段の駆動モードを設定する
    手動設定手段と、 前記熱環境情報により窓曇り度合いを演算する窓曇り度
    合い演算手段と、 前記手動設定手段からの駆動モードの入力により窓曇り
    度合いを予め設定された基準値と比較し、窓曇り度合い
    が基準値以上のときその窓曇り度合いに応じた回避補正
    出力を前記駆動制御手段に出力する補正手段と、を備
    え、前記窓曇り度合い演算手段に、 検出室温,車室内空気相対湿度,エバポレータ通過直後
    空気温度からフロントウインドガラス車室内側付近空気
    の露点温度を演算する露点温度演算手段と、 検出室温,吹き出し風温度,吹き出し口モードからフロ
    ントウインドガラス付近車室内空気温度を演算するガラ
    ス近傍空気温度演算手段と、 このガラス近傍空気温度演算手段からのフロントウイン
    ドガラス付近車室内空気温度,外気温,フロントウイン
    ドガラスの熱伝達特性からフロントウインドガラス車室
    内側表面温度を演算するガラス内側表面温度演算手段
    と、 このガラス内側表面温度演算手段からのフロントウイン
    ドガラス車室内側表面温度と前記露点温度演算手段から
    のフロントウインドガラス車室内側付近空気の露点温度
    との温度差に応じた窓曇り度合いを演算する手段とを設
    けたことを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 熱環境情報検出手段から入力された検出
    室温,外気温,日射量,設定室温などの車室内外の熱環
    境情報により、空調装置本体の駆動手段を駆動して車室
    内を空調する駆動制御手段を備えた自動車用空調装置に
    おいて、 乗員の操作により前記駆動手段の駆動モードを設定する
    手動設定手段と、 前記熱環境情報により窓曇り度合いを演算する窓曇り度
    合い演算手段と、 前記手動設定手段から入力された駆動モードと前記車室
    内外の熱環境情報から演算される目標吹き出し温度と前
    記窓曇り度合い演算手段からの窓曇り度合いとから、前
    記駆動制御手段に予め設定されている駆動制御特性を学
    習して補正する駆動制御学習補正手段と、 常時は目標吹き出し温度と駆動制御学習補正手段により
    記憶された吹き出し特性にもとづく吹き出しを行い、前
    記手動設定手段からの信号により窓曇り度合いが基準値
    以上のとき、その窓曇り度合いに応じて、前記駆動特性
    学習補正手段で学習して補正された駆動制御特性とは異
    なる回避補正出力を前記駆動制御手段に出力する制御手
    段と、を備えたことを特徴とする自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記窓曇り度合い演算手段に、 検出室温,車室内空気相対湿度,エバポレータ通過直後
    空気温度からフロントウインドガラス車室内側付近空気
    の露点温度を演算する露点温度演算手段と、 検出室温,吹き出し風温度,吹き出し口モードからフロ
    ントウインドガラス付近車室内空気温度を演算するガラ
    ス近傍空気温度演算手段と、 このガラス近傍空気温度演算手段からのフロントウイン
    ドガラス付近車室内空気温度,外気温,フロントウイン
    ドガラスの熱伝達特性からフロントウインドガラス車室
    内側表面温度を演算するガラス内側表面温度演算手段
    と、 このガラス内側表面温度演算手段からのフロントウイン
    ドガラス車室内側表面温度と前記露点温度演算手段から
    のフロントウインドガラス車室内側付近空気の露点温度
    との温度差に応じた窓曇り度合いを演算する手段とを設
    けたことを特徴とする請求項に記載した自動車用空調
    装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段または前記制御手段に、窓
    曇り度合いに応じた重みを求め、この重みにより回避補
    正出力の補正幅を変更する手段を設けたことを特徴とす
    る請求項に記載した自動車用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段または前記制御手段に、駆
    動モードを吹き出し口モードとし、窓曇り度合いが基準
    値以上であって、吹き出し口モードに対する乗員の満足
    度に相当する維持時間が設定時間以上のとき、デフロス
    タ吹き出し口の開成を含む吹き出し口モードを選択する
    手段を設けたことを特徴とする請求項に記載した自動
    車用空調装置。
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