JPH06206429A - 車両用空調制御装置 - Google Patents

車両用空調制御装置

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JPH06206429A
JPH06206429A JP345193A JP345193A JPH06206429A JP H06206429 A JPH06206429 A JP H06206429A JP 345193 A JP345193 A JP 345193A JP 345193 A JP345193 A JP 345193A JP H06206429 A JPH06206429 A JP H06206429A
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JP
Japan
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solar radiation
amount
air conditioning
air
control device
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JP345193A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Hagino
光明 萩野
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員の温冷感覚のうち日射量変化に対する反
応の時間遅れに関する個人差を精度良く反映した制御特
性へと補正することにより,乗員の温冷感覚に最適な制
御特性へ精度良く近づける。 【構成】 手動操作により空調状態を設定する空調状態
手動設定手段102と,該設定手段102により設定さ
れた空調状態に起因する乗員の操作特性を記憶する操作
特性記憶手段107と,該記憶手段107に記憶された
操作特性から空調装置101の制御特性を補正する制御
装置104とを具備し,記憶手段107は,操作特性と
して,日射量と日射変化量に起因する乗員の操作内容で
ある応答操作特性および(または)日射が所定量以上の
変化をした時点から乗員が操作するまでの経過時間であ
る応答時間特性を記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,室温,外気温,日射
量,設定室温等の熱環境条件に基づいて目標空調条件を
演算し,空調条件が目標空調条件を維持するように自動
的に車室内の空気を調和させる車両用空調制御装置に関
し,特に,乗員のスイッチ操作パターン情報に基づいて
乗員の好みに合った制御特性を順次変更し,乗員の温冷
感覚に最適な制御特性へ精度良く近づけることができる
車両用空調制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,いわゆるオート・エアコンと呼ば
れる車両用空調制御装置は,室温センサ,外気温センサ
等の熱環境を検出するセンサから得られる信号に従って
最適な吹出温度を演算し,該演算された吹出温度の値に
基づいて,あらかじめ定められた制御特性により車室内
へ適当な空調風を吹き出す構成を採用していた。ただ
し,このような制御特性は一般的な人間の温冷感覚に基
づいて定められているが,乗員の温冷感覚に関しては個
人差が大きい感覚の1つであり,空調風の吹出特性を一
義的に決定することは,非常に困難であった。
【0003】そこで,例えば,特開平3−54015号
公報の「車両用空調制御装置」に開示されているよう
に,制御特性を乗員の温冷感覚に合わせて順次補正して
いく装置が提案されている。すなわち,この従来例によ
れば,例えば,乗員がファンの手動操作を行い,オート
エアコンの制御特性に設定されている目標吹出温度To
fであるFに達する以前に,VMAX よりも低電圧へ落と
した場合には,一定値αをFから減算した値を新しいF
として記憶し,次回のクールダウン制御時には,この新
しいF値をファン落ちの境界値として用いることにより
自動制御するものである。
【0004】また,逆に,乗員が始めの設定値Fよりも
高い目標吹出温度Tofでファン電圧を再びVMAX に修
正した場合には,Fに設定値αを加算した値を新しいF
値として記憶するものである。ここで,目標吹出温度T
ofは,いわゆるオートエアコンの制御指標として一般
的に用いられているもので,車室内温度,外気温,日射
量,設定温度から決定される熱負荷の総合指標を意味す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから,上記特
開平3−54015号公報に開示されているような「車
両用空調制御装置」にあっては,乗員の環境変化に対す
る温冷感覚特性や操作特性に合致するように制御特性が
修正されない場合が発生する。以下,具体的に説明す
る。
【0006】第1に,従来における補正方法にあって
は,外気温,日射量,設定温度と車室温度の偏差などの
熱環境情報を目標吹出温度という総合的な1つの指標で
同等に扱っていが,日射量と外気温とでは,変動条件や
乗員が受ける感度に著しい差がある。すなわち,日射量
は,トンネルや建物等の影響や天候の変化のために一回
の走行中における変動が激しいが,外気温の変化は,よ
ほど高低差のある地点間を走行しない限り,急激に変動
することはない。
【0007】第2に,外気温はその季節の人体の熱容量
と,車体に加わる熱負荷を決定する主要因として指標式
のパラメータとなっているものであり,外気温変動は外
気,車体,車室内気との熱交換で間接的に伝わるため,
乗員に到達するまでに時間がかかる。このため,乗員は
一回の走行中に外気温変動を感じることは殆どなく,外
気温変動に対して乗員が反応することも少ない。これに
対し,日射は窓から乗員へ直接伝わるため,日射量変動
は乗員の温冷感覚に対して短時間で影響を与える。従っ
て,日射量の乗員に対する影響を把握するためには,そ
の絶対量ではなく,時間的な変動量を考慮する必要があ
る。
【0008】第3に,日射量の変動に対する乗員の反応
も個人差が大きい。例えば,日射が急激に増加した場
合,即座に反応して設定温度を下げたり,風量を増加さ
せたりする乗員もいれば,身体がかなり暖められてから
上記操作を実行する乗員もいる。ところが,従来におけ
る補正方法では,時間的な概念が学習補正の対象となっ
ていないため,日射量変化に対する反応の時間的遅れに
関する好みに対応させることができなかった。
【0009】この発明は,上記に鑑みてなされたもので
あって,乗員の温冷感覚のうち日射量変化に対する反応
の時間遅れに関する個人差を精度良く反映した制御特性
へと補正することにより,乗員の温冷感覚に最適な制御
特性へ精度良く近づけることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は,上記の目的
を達成するために,熱環境条件入力手段から入力された
室温,外気温,日射量,設定室温等の熱環境条件に基づ
いて目標空調条件を演算し,空調条件が前記目標空調条
件を維持するように自動的に車室内の空気を調和させる
車両用空調制御装置において,前記日射量と日射変化量
に起因する乗員の操作内容である応答操作特性および
(または)日射が所定量以上の変化をした時点から乗員
が操作するまでの経過時間である応答時間特性に基づい
て前記車両用空調制御装置を制御する制御手段を具備す
る車両用空調制御装置を提供するものである。
【0011】また,熱環境条件入力手段から入力された
室温,外気温,日射量,設定室温等の熱環境条件に基づ
いて目標空調条件を演算し,空調条件が前記目標空調条
件を維持するように自動的に車室内の空気を調和させる
車両用空調制御装置において,乗員の手動操作により空
調状態を設定する空調状態手動設定手段と,前記空調状
態手動設定手段により設定された空調状態に起因する乗
員の操作特性を記憶する操作特性記憶手段と,前記操作
特性記憶手段に記憶された操作特性から前記車両用空調
制御装置の制御特性を補正する制御特性補正手段とを具
備し,前記操作特性記憶手段は,前記操作特性として,
日射量と日射変化量に起因する乗員の操作内容である応
答操作特性および(または)日射が所定量以上の変化を
した時点から乗員が操作するまでの経過時間である応答
時間特性を記憶する車両用空調制御装置を提供するもの
である。
【0012】また,前記操作特性記憶手段における日射
量変化に起因する乗員の操作特性の記憶は,日射が所定
量以上の変化をした時点から規定時間内における操作の
みを対象とするものである。
【0013】また,前記規定時間は,日射量の変化方向
に応じて可変とするものである。
【0014】
【作用】本発明によれば,日射量の変化に対する操作特
性として,日射変化量が所定量以上になった時点から乗
員が何らかの操作をするまでの反応時間の特性を記憶
し,該記憶データに基づいて次回自動制御時の日射量変
化があった場合における制御特性補正の開始時間を決定
する。その結果,乗員の温冷感覚に最適な制御特性へ精
度良く近づけることができる。
【0015】
【実施例】
〔実施例1〕以下,この発明の一実施例を添付図面を参
照して説明する。図1は,この発明に係る車両用空調制
御装置の概略構成を示す説明図であり,空調動作を行う
空調装置101と,室温,外気温,日射量等の各種熱環
境情報を入力する熱環境情報入力手段102と,空調装
置101のメインスイッチとしてのオートスイッチ10
3と,空調装置101全体を制御し,制御特性補正手段
を有する制御装置104と,各種モード等を手動にて設
定する空調状態手動設定手段105と,各種操作特性を
記憶する操作特性記憶手段107とを具備している。
【0016】(1)空調装置の構成 空調装置101について説明する。空調装置101は,
ブロアユニット110と,クーリングユニット111
と,ヒータユニット112と,ダクトユニット113と
から構成されている。
【0017】(1)−1 ブロアユニットの構成 ブロアユニット110には,外気導入口115,内気導
入口116,インテークドア117,ブロアファン11
8が設けられている。上記外気導入口115は,走行風
圧を受けて外気を導入する。また,上記内気導入口11
6は,車室内の空気を導入する。また,インテークドア
117は,制御装置104からの信号により駆動される
アクチュエータ119により外気導入口115と内気導
入口116とを選択的に開閉する。さらに,ブロアファ
ン118は,制御装置104からの信号により駆動され
るアクチュエータとしてのブロアファンモータ120に
より回転される。
【0018】(1)−2 クーリングユニットの構成 クーリングユニット111には,エバポレータ121が
設けられている。エバポレータ121は,コンプレッ
サ,コンデンサ,膨張弁等(各々図示せず)により構成
された冷凍サイクルから供給される冷媒により通過する
空気を冷却する。 (1)−3 ヒータユニットの構成 ヒータユニット112には,ヒータコア122,エアミ
ックスドア123,エアミックスチャンバ124が設け
られている。ヒータコア122は,エンジン,温水コッ
ク等(各々図示せず)により構成された加熱サイクルか
ら供給される温水で通過する空気を暖める。また,エア
ミックスドア123は,制御装置104からの信号によ
り駆動されるアクチュエータ125により,エバポレー
タ121を通過して冷えている空気がヒータコア122
を迂回して冷えたままの冷気と,ヒータコア122を通
過して暖められた暖気との割合をエアミックスチャンバ
124において調整するように開閉する。
【0019】(1)−4 ダクトユニットの構成 ダクトユニット113には,デフロスタダクト127,
ベンチレータダクト128,足元ダクト129,デフロ
スタドア130,ベンチレータドア131,足元ドア1
32が設けられている。デフロスタダクト127は,イ
ンストルメントパネル133に設けられたデフロスタ吹
出口134に接続され,フロントウインドウ(図示せ
ず)に向けて空調風を吹き出す。デフロスタ吹出口13
4には風向設定器としてのルーバ135が設けられてい
る。ベンチレータダクト128は,インストルメントパ
ネル133に設けられたベンチレータ吹出口136に接
続され,乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。ベン
チレータ吹出口136には風向設定器としてのルーバ1
37,138が設けられている。さらに,足元ダクト1
29の吹出口は乗員の足元に向けて空調風を吹き出す。
デフロスタドア130,ベンチレータドア131,足元
ドア132は,それぞれ制御装置104で駆動されるア
クチュエータ140,141,142によりデフロスタ
ダクト127,ベンチレータダクト128,足元ダクト
129を個別に開閉動作させる。
【0020】(2) 熱環境情報入力手段 熱環境情報入力手段102は,車室内外における複数の
熱環境情報を検出して,該検出値を制御装置104へ入
力するものであり,車両内の温度を検出する室温センサ
145,車両外の温度を検出する外気温センサ146,
日射量を検出する日射量センサ147が各々所定箇所に
設けられている。
【0021】室温センサ145は,現在の車室内の雰囲
気温度を検出室温TICとして検出し,該検出室温TIC
応じた電気量を制御装置104に対して出力する。外気
温センサ146は,現在の車室外の雰囲気温度を検出室
温TAMB として検出し,該検出室温TAMB に応じた電気
量を制御装置104に対して出力する。日射量センサ4
7は,受光した日射量QSUN を検出し,該日射量QSUN
に応じた電気量を制御装置104に対して出力する。
【0022】(3) オートスイッチ/空調状態手動設
定手段の構成 オートスイッチ103は,空調状態手動設定手段105
とともに空調装置101のメインスイッチを構成するも
のであり,一般的には空調操作盤に組み付けられてい
る。空調状態手動設定手段105は,室温設定器14
8,ファン風量スイッチ149,吹出口モードスイッチ
150,内外気モードスイッチ151から構成され,そ
れぞれ乗員の操作で乗員が希望する温度,ファン風量,
吹出口モード,内外気モードを設定室温TSET ,設定フ
ァン風量VSET ,設定吹出口モード,設定内外気モード
として設定し,各設定値に応じた電気量が制御装置10
4に対して出力される。
【0023】(4) 制御装置の構成 制御装置104は,マイクロコンピュータにより構成さ
れており,上記空調状態手動設定手段105のON動作
により,マイクロコンピュータのメモリにシステムベー
スとして予め設定されたマニュアルプログラムに従っ
て,検出室温TICが設定室温TSET となるように,空調
装置101を駆動制御する。このマニュアルプログラム
による駆動制御において,空調風の風量は上記ファン風
量スイッチ149の乗員によるON操作量により選択さ
れ,内外気モードは上記内外気モードスイッチ151の
乗員による所定の操作により内気循環モード,外気導入
モード,半内気循環/半外気導入モードの内から1つが
選択され,吹出口モードスイッチ149の乗員による操
作により,例えば,ベントモード,フットモード,デフ
ロスタモードの1つが適宜選択される。
【0024】また,制御装置104は,オートスイッチ
103のON動作により,マイクロコンピュータのメモ
リにシステムベースとして予め設定されたオートプログ
ラムに従って,検出室温TIC,外気温TAMB ,日射量Q
SUN などの熱環境情報と設定室温TSET の設定値に応じ
て,車室内の熱環境状態が目標熱環境状態となるように
空調装置101を駆動制御する。操作特性記憶手段10
7は,空調状態手動設定手段105の設定操作パターン
を熱環境情報に応じて記憶するものであり,設定操作が
行われると制御装置104により演算される特性量が変
更更新される。 (5) 車両用空調制御装置の動作 以上の如く構成された車両用空調制御装置の動作を図2
〜図6に示すフローチャートに基づいて説明する。図2
において,空調装置101の起動スイッチがONされて
装置が起動すると,タイマ類をリセットし,後述する日
射補正フラグをOFFする(S201)。次に,目標吹
出温度Tof,エアミックスドア開度X,ブロアファン
風量,吹出口モードの計算式に用いる定数A〜Qをセッ
トし(S202),各センサ(室温センサ145,外気
温センサ146,日射量センサ147)から熱環境情報
として,外気温TAMB ,室温TIC,設定温TSET ,日射
量QSUN ,乗員によるファンSWのファン設定値VSET
が制御装置104に入力される(S203)。
【0025】その後,入力補正を実行するか否かの判断
に用いる日射補正フラグがONか否かを判断し(S20
4),OFFであると判断した場合には,日射量の変化
が所定量よりも大きいか否かを判断する(S205)。
すなわち,現在t=t0 までの最近30秒間の日射量平
均値Qpを数1により求める。
【0026】
【数1】
【0027】また,上記日射量平均値Qpと,エアコン
始動を開始t=0から現在t=t0までの日射量時間平
均値Qmを数2により求める。
【0028】
【数2】
【0029】そして,上記日射量平均値Qpと日射量時
間平均値Qmとの偏差|Qp−Qm|が,所定量DQSUN
よりも大きいか否か判断し,大きいと判断した場合に
は,日射量補正を行う(S206)。すなわち,その時
点までの平均日射量QmをQm 0 として記憶する。この
Qm0 は日射補正フラグのON/OFFの判断基準とし
て用いられる。
【0030】次に,日射補正フラグをONし,日射補正
タイマtqを0にリセットしてカウントを開始する(S
207)。その後,日射補正遅れ時間Δtqを演算によ
り求める(S208)。ここにおける日射補正遅れ時間
Δtqは,後述する乗員の日射変化応答時間特性マップ
を用いて計算される値であり,日射変化後,対象乗員が
どれくらいの時間遅れで操作をするかを示す値である。
【0031】また,上記ステップ204において,日射
補正フラグがONであると判断された場合には,日射補
正フラグがONされていることにより,(t=t0 −t
q)から現在t=t0 までの日射量平均値Qm1 を数3
により求める。
【0032】
【数3】
【0033】また,上記ステップ206で記憶したQm
0 との偏差|Qm1 −Qm0 |が所定値D0 より大きい
か否かを判断し(S209),小さいと判断した場合に
は,日射補正フラグをOFFする(S210)。ここで
は,日射量に大きな変化が生じた後,もとの日射量の状
態に戻ったか否かを判断して,もとに戻った場合には日
射補正を中止するために,日射補正フラグをOFFす
る。反対に,大きいと判断した場合には,日射補正タイ
マの値tqが日射補正遅れ時間Δtqよりも大きいか否
かを判断する。
【0034】次に,日射補正タイマの値tqが日射補正
遅れ時間Δtqよりも大きいか否かを判断し(S21
1),小さいと判断した場合には,日射補正量ΔVSUN
=0として補正を実行しない(S213)。反対に,大
きいと判断した場合には,日射補正を実行するために,
後述する日射量QSUN と日射変化量ΔQSUN を変数とし
た日射による風量補正マップを用い,現時点の日射状態
(QSUN ,ΔQSUN )から風量日射補正ΔVSUN を求め
る(S212)。このようにすれば,日射量が大きく変
化し始めてから日射量の変化に伴う補正が乗員が反応し
やすい時間後から始まることになり,乗員独自の温冷感
覚に適切に合致した補正が可能となる。
【0035】次に,図3において,設定室温における補
正量の算出を実行する(S301)。すなわち,各外気
温に対して,乗員の設定温度ステップの操作内容を重み
付け平均して記憶し,該記憶した内容に基づいて補正量
を決定したマップにより,設定室温の補正量ΔTSET
決定し,補正量ΔTSET を設定温TSET に加算して,補
正設定温TSET ’を求める。
【0036】次に,各センサ値と補正設定温から,目標
吹出温度Tofの値を数4を用いて演算する(S30
2)。
【0037】
【数4】
【0038】上記ステップ302により求めたTofの
値に基づいて,エアミックスドア開度Xを数5を用いて
演算し(S303),ブロアファン電圧VFAN を演算し
(S304),図4において,吹出口モードを演算する
(S401)。
【0039】
【数5】
【0040】ステップ402からステップ605は,操
作特性記憶手段107と制御特性記憶手段の具体的な内
容を示したものである。すなわち,乗員の設定温SWの
操作,ファンSWの操作などが行われた場合に,その内
容を環境条件に対して記憶する。まず,乗員の手動によ
る設定変更があったか否かを判断し(S402),乗員
の手動による設定変更があったと判断した場合には,次
に,日射補正フラグがONか否かを判断し(S40
3),ONであると判断した場合には,日射量の変化に
伴う操作とみなしてステップ404へ処理が移行する。
反対に,OFFであると判断した場合には,日射変化以
外の要因による操作とみなして図5に示したステップ5
01へ処理が移行する。
【0041】まず,風量補正タイマtqが所定値ΔtD
より小さいか否かを判断し(S404),小さいと判断
した場合には,日射による風量補正マップを変更記憶し
(S405),さらに,日射変化応答時間特性マップを
変更記憶する(S406)。すなわち,ここでは設定操
作が日射変化に伴うものか否かをより精度よく抽出する
ために,日射変化が生じてから所定期間内の操作のみを
特性記憶の対象とするものである。反対に,大きいと判
断した場合には図5に示したステップ501へ処理が移
行する。
【0042】上記の如く,日射変化に伴う操作として上
記ステップ405へ処理が移行した場合には,図7に示
すような日射による風量補正マップのうち,現時点の日
射量QSUN と日射変化量ΔQSUN に該当する領域の風量
補正量ΔVSUN を演算する。演算は次のようにして実行
される。まず,操作に伴う風量変更幅ΔVFANPを求め
る。すなわち,操作SWが風量SWの場合には操作前と
操作後の風量変更幅をそのままΔVFANPとする。また,
操作SWが設定温SWの場合には,設定温変更量ΔT
SET に伴う目標吹出温度変化幅ΔTofを計算し,上記
ステップ304の目標吹出温度Tofによるブロアファ
ン電圧VFAN 特性から,ΔTofに相当するブロアファ
ン電圧変化量を算出し,これをΔVFANPとする。
【0043】次に,求めたΔVFANPと,日射状態の該当
領域に記憶されている風量補正量ΔVSUNPと,現在の日
射状態でのこれまでの操作回数NSUNPとを用いて数6に
より平均化し,新しい補正量ΔVSUNP〔NEW〕を求め
変更記憶する。
【0044】
【数6】
【0045】次に,上記ステップ406では,日射補正
フラグがONされてから現在までの日射補正タイマの値
tqによって,図8に示した日射変化応答時間特性マッ
プの該当領域の遅れ時間Δtqを変更記憶する。すなわ
ち,記憶されているΔtqと現日射状態でのこれまでの
操作回数NSUNPを用いて数7により新しい遅れ時間Δt
q〔NEW〕を求め変更記憶する。
【0046】
【数7】
【0047】次に,日射量以外の熱環境情報に応じた操
作特性を記憶する。まず,設定室温TSET と室温TIC
差温が2℃以内か否かを判断し(S501),2℃以内
であると判断した場合には,ステップ502へ処理を移
行させ,反対に,2℃以内ではないと判断した場合に
は,ステップ505へ処理を移行させる。
【0048】すなわち,2℃以内であると判断した場合
には,操作内容に関し,設定スイッチが設定温SWかブ
ロアファンSWかを判断し(S502),設定温SWの
操作であると判断した場合には,外気温に対する設定温
度の補正量ΔTSET を演算して記憶し(S503),ブ
ロアファンSWの操作であると判断した場合には,外気
温TAMB に対するブロアファン電圧の補正量ΔVFAN
演算して記憶する(S504)。また,上記ステップ5
01において,2℃以内ではないと判断した場合には,
設定室温と室温の偏差に対するブロアファン電圧の補正
量ΔVFAN を演算して記憶する(S505)。
【0049】ここで,各補正量の算出方法は次のように
実行する。すなわち,ステップ503〔504〕では,
まず,現在の外気温度TAMB に対して,設定温度〔ブロ
アファン電圧〕の変更幅に重みWを乗じた値を,その外
気温での累積の変更幅SSET(TAMB )〔SFAN (T
AMB )〕に加える。そして,その外気温での操作回数N
SET (TAMB )〔NFAN (TAMB )〕で除して荷重平均
SET (TAMB )〔MFAN (TAMB )〕を計算する。そ
して,このMSET (TAMB )〔MFAN (TAMB )〕に重
み係数WD SET 〔WD FAN 〕を乗じることによっ
て,その外気温での設定温度の補正幅ΔT
SET (TAMB )〔ΔV(TAMB )〕が決定される。その
後,上記の外気温度TAMB を,設定温度と車室内温度の
偏差TSET −TICに置き換えた方法によってΔV(T
SET −TIC)を決定する。
【0050】次に,図6において,ブロアファンSWが
手動設定されているか否かを判断し(S601),手動
設定されていると判断した場合には,ステップ606へ
処理を移行し,手動設定されておらず自動制御であると
判断した場合には,ステップ602へ処理を移行させ
る。
【0051】すなわち,設定温度TSET と車室内温度T
ICの偏差の絶対値|TSET −TIC|が2℃以内であるか
否かを判断する(S602)。ここでは,室温状態が安
定状態か否かを判断しており,安定状態にあってはステ
ップ603へ処理を移行させ,反対に,不安定状態にあ
ってはステップ604へ処理を移行させる。
【0052】すなわち,現在の外気温度TAMB に対して
ブロアファン電圧の補正量ΔVFANを上記ステップ50
4において示した操作特性マップによって求める(S6
03)。また,設定温度TSET と車室内温度TICの偏差
に対して,ブロアファン電圧の補正量ΔVFAN を上記ス
テップ505において示した操作特性マップによって求
める(S604)。
【0053】その後,上記ステップ212,213にお
いて求めた日射補正量ΔVSUN と,ステップ603また
はステップ604において求めた補正量ΔVFAN を用い
て,ブロアファン電圧VFAN を補正する(S605)。
また,ステップ605において補正されたブロアファン
電圧VFAN か,またはマニュアル設定されたファン電圧
FAN をブロアファンモータへ出力する(S606)。
さらに,エアミックスドア,吹出口モード,吸込口の各
ドアアクチュエータへ制御信号を出力した(S607)
後,上記ステップ203へ戻り,空調装置101のスイ
ッチがOFFされるまで同様のループを繰り返す。
【0054】上記の如き制御を実行すれば,例えば,夏
期の室温安定時に日射が増加したために乗員が設定温度
を下げたとすれば,まず,日射量が大きく増加してから
操作するまでの時間に基づいて日射変化応答特性マップ
に該当する領域の記憶量を変更する。また,日射補正マ
ップに,その時点の日射量,日射変化量,操作した変更
量に応じて過去の操作特性を記憶した日射補正マップに
該当する領域の特性量を変更記憶する。その結果,次回
自動制御時において,同様な日射増加現象が生じた場合
にあっても,過去の乗員の操作特性に基づいて風量補正
の応答時間に対するフィーリングを日射量と日射変化量
に応じて精度よく再現することができる。
【0055】〔実施例2〕次に,本発明に係る他の実施
例について図9〜図13に示すフローチャートに基づい
て説明する。この実施例では,上記第1の実施例と大部
分が同じなので,異なる部分のみ説明する。
【0056】この実施例にあっては,日射量の変化方向
によって日射変化応答時間特性の変更記憶を行う時間の
長さを可変とする。すなわち,市街地の走行実験によ
り,乗員が日射の増加方向には敏感に反応するが,減少
方向には反応しにくいことが確認されている。従って,
日射の増加方向では,日射変化に伴う操作特性を短時間
で抽出しやすいが,日射減少方向では抽出しにくい。こ
のため,日射減少方向の変化が生じた場合には,増加方
向よりも長く日射に対する応答操作を抽出し続ける必要
がある。
【0057】そこで,本実施例では,図9におけるステ
ップ906〜908において,日射変化方向フラグFD
SUN を設定し,日射変化方向が増加方向か否かを判断し
(S906),日射変化方向が増加方向であると判断し
た場合には,FDSUN =0とし(S907),減少方向
であると判断した場合には,FDSUN =1とする(S9
08)。そして,ステップ1107,1108の日射変
化への応答特性を記憶するステップへ移行するか否かの
判断をFDSUN の値によって区別する。すなわち,ステ
ップ1104において,FDSUN =0か否かを判断し,
FDSUN =0の場合にはステップ1105へ処理を移行
し,FDSUN =1の場合には,ステップ1106へ処理
を移行する。
【0058】ステップ1105,ステップ1106にあ
っては,日射補正タイマtqがそれぞれ所定値tD1,t
D2より小さいか否かを判断し,小さいと判断したときの
み上記ステップ1107,ステップ1108以降の特性
記憶演算処理を実行する。ただしtD1,tD2は,tD1
D2を満たす定数であり,例えば, D1=300秒,t
D2=600秒程度の値である。
【0059】上記の如く,第2の実施例にあっては,日
射の変化方向によって,乗員の日射量変化に伴う操作特
性を記憶する期間の長さを可変としたので,日射量の減
少方向に対する応答操作特性を抽出しやすくする効果が
ある。
【0060】
【発明の効果】以上説明した通り,本発明に係る車両用
空調制御装置によれば,日射量の変化に対する操作特性
として,日射変化量が所定量以上になった時点から乗員
が何らかの操作をするまでの反応時間の特性を記憶し,
該記憶データに基づいて次回自動制御時の日射量変化が
あった場合における制御特性補正の開始時間を決定する
ため,乗員の温冷感覚のうち日射量変化に対する反応の
時間遅れに関する個人差を精度良く反映した制御特性へ
と補正することにより,乗員の温冷感覚に最適な制御特
性へ精度良く近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用空調制御装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】この発明に係る車両用空調制御装置の動作を示
すフローチャートである。
【図3】この発明に係る車両用空調制御装置の動作を示
すフローチャートである。
【図4】この発明に係る車両用空調制御装置の動作を示
すフローチャートである。
【図5】この発明に係る車両用空調制御装置の動作を示
すフローチャートである。
【図6】この発明に係る車両用空調制御装置の動作を示
すフローチャートである。
【図7】日射による風量補正マップを示す説明図であ
る。
【図8】日射変化応答時間特性マップを示す説明図であ
る。
【図9】この発明の他の実施例に係る車両用空調制御装
置の動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の他の実施例に係る車両用空調制御
装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の他の実施例に係る車両用空調制御
装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の他の実施例に係る車両用空調制御
装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】この発明の他の実施例に係る車両用空調制御
装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】 101 空調装置 102 熱環境情報入力手段 104 制御装置 105 空調状態手動設定手段 107 操作特性記憶手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱環境条件入力手段から入力された室
    温,外気温,日射量,設定室温等の熱環境条件に基づい
    て目標空調条件を演算し,空調条件が前記目標空調条件
    を維持するように自動的に車室内の空気を調和させる車
    両用空調制御装置において,前記日射量と日射変化量に
    起因する乗員の操作内容である応答操作特性および(ま
    たは)日射が所定量以上の変化をした時点から乗員が操
    作するまでの経過時間である応答時間特性に基づいて前
    記車両用空調制御装置を制御する制御手段を具備するこ
    とを特徴とする車両用空調制御装置。
  2. 【請求項2】 熱環境条件入力手段から入力された室
    温,外気温,日射量,設定室温等の熱環境条件に基づい
    て目標空調条件を演算し,空調条件が前記目標空調条件
    を維持するように自動的に車室内の空気を調和させる車
    両用空調制御装置において,乗員の手動操作により空調
    状態を設定する空調状態手動設定手段と,前記空調状態
    手動設定手段により設定された空調状態に起因する乗員
    の操作特性を記憶する操作特性記憶手段と,前記操作特
    性記憶手段に記憶された操作特性から前記車両用空調制
    御装置の制御特性を補正する制御特性補正手段とを具備
    し,前記操作特性記憶手段は,前記操作特性として,日
    射量と日射変化量に起因する乗員の操作内容である応答
    操作特性および(または)日射が所定量以上の変化をし
    た時点から乗員が操作するまでの経過時間である応答時
    間特性を記憶することを特徴とする車両用空調制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記操作特性記憶手段における日射量変
    化に起因する乗員の操作特性の記憶は,日射が所定量以
    上の変化をした時点から規定時間内における操作のみを
    対象とすることを特徴とする請求項2記載の車両用空調
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記規定時間は,日射量の変化方向に応
    じて可変とすることを特徴とする請求項3記載の車両用
    空調制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016166938A1 (ja) * 2015-04-16 2018-02-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 空調制御装置

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