JPH06265022A - 金属ガスケット - Google Patents

金属ガスケット

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JPH06265022A
JPH06265022A JP5175401A JP17540193A JPH06265022A JP H06265022 A JPH06265022 A JP H06265022A JP 5175401 A JP5175401 A JP 5175401A JP 17540193 A JP17540193 A JP 17540193A JP H06265022 A JPH06265022 A JP H06265022A
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bore hole
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジンの高性能化に対応してシリンダボア周
りに安定した高い面圧を付与して高いシール性を得る金
属ガスケットを提供する。 【構成】二以上のシリンダボア孔4と各シリンダボア孔
4の周囲の平坦部6を介した外周に形成されたボア孔ビ
ード7とそのうち隣合うシリンダボア孔4間に形成され
た直線状のボア孔ビード8とを備える二枚の基板1,2
間に,同形状のシリンダボア孔5の周囲に周縁部9と隣
合う周縁部9を連続した連続部10とからなる副板3を
介装し、前記副板3の周縁部9の外周端部を前記ボア孔
ビード7の幅の範囲内で変化させて当該副板3の幅を変
化させると共にボア孔ビード7の幅を変化させてエンジ
ン部材に発生する面圧を均一化し、副板3の連続部10
には,前記直線状のボア孔ビード8内に収納可能な直線
状のビード11を形成してシリンダボア間の面圧を制御
可能とする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関を構成するシ
リンダブロックとシリンダヘッドとの接合面に介装し
て,燃焼ガス,冷却水及び潤滑油等の漏洩を防止する金
属ガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関,一般に言うエンジンでは、シ
リンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間にガスケ
ットを介装して,ボルト等の締結具で両者を締付けるこ
とによりシール機能を付与している。このガスケットに
よるシールのうち,特に燃焼室,即ちシリンダボア周り
のシールは重要であり、この部分のシール性が不十分で
あると燃焼室内部の燃焼ガスの利用が不完全となり、圧
力低下となって現れる。従って、金属ガスケットの弾性
基板には,このシリンダボアと連通するように形成され
たシリンダボア孔と同心円状にビードを設け、この金属
ガスケットが前記ボルト等の締結具によりシリンダブロ
ックとシリンダヘッドとの間で締付けられるときに発生
するビードの反発力を利用して,金属ガスケットとシリ
ンダブロック若しくはシリンダヘッド(夫々を,エンジ
ン部材とも記す)との接合面間に発生する面圧を高め、
これにより前記シリンダボア周りのシール性を向上して
いる。
【0003】ところで、前記シリンダボア孔の周囲に形
成されるビードと当該シリンダボア孔との間には,基板
のその他の部位と同じく平坦な平坦部が形成されてい
る。これは、シリンダボア孔の打抜きプレスとビードの
成形プレスとの位置ずれを補償するためでもあるのだ
が、このような金属ガスケットを介装してシリンダブロ
ックとシリンダヘッドとを締付けると,前記ビードの反
発力からその近傍に高い面圧が発生する一方、シリンダ
ブロック或いはシリンダヘッドのうち,当該ビードの接
触部位よりシリンダボア孔寄りの部位,即ち前記平坦部
に対向或いは接触する部位が互いに離間するように変形
する。このため、この平坦部においてシリンダブロック
若しくはシリンダヘッドの各接合面と金属ガスケットと
の間の面圧は確保されても,シリンダブロック及びシリ
ンダヘッドによる金属ガスケットの締付け力は低下し、
いずれかの間に隙間ができてしまうこともある。このよ
うな状態のエンジンを運転すると、前記金属ガスケット
のうち,それへの締付け力の低下している平坦部からビ
ードにかけて振動が発生し、同時にエンジンの燃焼工程
で発生するシリンダボア内圧の増減に伴って金属ガスケ
ットへの締付け力が変化して当該ビードに振動が発生
し、更にマスがもたらす振動や各エンジン部材の温度変
化による体積変化に伴っても金属ガスケットへの締付け
力の変動が発生し、これらの振動や締付け力の変動によ
って,特に動きの規制されるビードの部位に疲労破壊が
発生する虞れがある。
【0004】そこで、例えば実願平3−56277号に
記載されるように前記平坦部にシム板(副板)を固着し
て前記平坦部からビードにかけての振動振幅の大きさを
規制しようとする提案がなされている。この金属ガスケ
ットは図12に示すように、例えば二枚の基板30,3
1の夫々に形成されたビード32を内向き対向とし、こ
の金属ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッド
との間で締付けたときに,各基板30,31に形成され
たビード32とシリンダボア孔33との間の平坦部間3
5に生じる隙間を低減する板厚の副板36を、何れか一
方の基板(図では下側基板)31の平坦部35において
シリンダボア孔33の周囲に配設し、両者のシリンダボ
ア孔33,34を一致させて全周溶接等により固着した
ものである。図において37は固着ラインを示す。これ
により、前記平坦部35からビード32にかけて発生す
る振動振幅を抑制し、更に副板36の板厚を厚くするこ
とにより当該副板36を介した平坦部35にも反発力を
発生させて,前記ビード36にかかる締付け力を分散
し、前記燃焼工程で発生するシリンダボア内圧の増減や
エンジン部材の温度変化に伴う体積変化によるこれら振
動や締付け力の変動を抑制してビード32の疲労破壊を
抑制しようとするものである。
【0005】なお、前記シリンダボア孔が二以上形成さ
れ且つ隣合うシリンダボア孔の間隔が狭い場合には,前
記ビードは隣合うシリンダボア孔の間で重複することに
なる。このような場合には、シリンダボア孔の間のビー
ドを,互いに両者を共用し且つ隣合うシリンダボア孔の
中心点を結ぶ直線と直交する直線状に形成することが提
案されており(米国特許4815750号参照)、これ
によりボルト等の締結具の締付け力が及びにくいシリン
ダボア孔間でも面圧を確保することを可能としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、昨今の
急速な技術革新によるエンジンの小型化の要求から燃焼
室が接近され,しかもシリンダボアが大径化されてお
り、これによりシリンダボアの間隔が非常に狭くなって
いる。また、エンジンの軽量化,高出力化,省エネ化の
要求から、エンジン部材のアルミニウム化が進み,過給
器等の補記が取付けられ,また燃焼ガスは稀薄化される
傾向にある。これらの複合的要因により,前記金属ガス
ケットに発生する振動振幅は更に増大する傾向にある。
また、前記エンジン部材のアルミニウム化によって各材
料の全体剛性が低下している。また、小型軽量化に伴っ
て発生する材料の熱保有量の増大に対しては,冷却水路
の拡大等により対応しているが、このため前記エンジン
剛性は更に低下し、しかも冷却水路をシリンダボアに近
接させるために、前記ボルト等の締結具の締付け部位は
シリンダボアから更に離間されてしまい、前記金属ガス
ケットの締付け力の低下傾向は前記シリンダボア間に相
当する箇所で顕著となる。
【0007】これらの諸原因を考え合わせると、ボルト
等の締結具近傍における金属ガスケットの締付け力と,
締結具から離間した箇所,具体的にボルト間等の締付け
力とに大きな偏差が生じる。このように締付け力の偏差
が大きい状態では,前記シリンダボアの周囲に発生する
金属ガスケットの基板同士或いは基板とシリンダブロッ
ク又はシリンダヘッドとの間の隙間にバラツキが生じ
る。この状態で前記金属ガスケットの基板間でシリンダ
ボア孔の周囲に介装される副板を,均一幅で且つ均一厚
としたのでは,シリンダブロックやシリンダヘッド等の
エンジン部材のシリンダボア周囲における変形が一様で
なくなり、結果的にシリンダボアの真円度が低下し、燃
焼効率の低下やフリクションロスの増大,燃焼ガスの圧
力変動,耐久性の劣化等を誘発する。この問題は,特に
前記シリンダボア間で顕著であり、これは前記シリンダ
ボア間の狭小化のために副板の幅設定に限度があり、そ
れに起因して金属ガスケットのシリンダボア孔間の反発
力の制御が困難であることにある。
【0008】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、前記エンジンの高性能化に対応し得る金
属ガスケットを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本件発明者は前記諸問題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,以下の知見を得て
本発明を開発した。前記副板によりシリンダボア周りに
発生する隙間を均一化して当該部位の締付け力,或いは
面圧を均一化するには,当該副板の幅を変更してエンジ
ンの変形量を調整すればよい。このとき、前記図12の
ように二枚の基板に形成されるビードを互いに内向き対
向させたのでは、各ビードとシリンダボア孔との間に形
成される平坦部の幅で副板の幅が規制されてしまう。そ
こで、二枚の基板に形成されるビードを各基板の外側面
から外側に突出させ、このビードの凹陥部の幅内で副板
の幅を変更すればよい。既知のように、幅方向の断面形
状が山状のビードを押し潰すような締付け力が作用する
と、当該山状のビードの中腹部で挫屈が発生し、1山の
ビードは2山,4山と変形し、このうち頂部でエンジン
部材に接触する部位の面圧が高く,谷部に掛けて次第に
低くなる。前述のようにビードの裏側,即ちビードの凹
陥部の幅内で副板の幅を変化すると,当該副板に掛かる
前記変形に伴うビードの山数が増減され、副板に掛かる
ビードの山数が多いほど,即ち副板の幅が広いほどビー
ドの反発力が増大し、副板に掛かるビードの山数が少な
いほど,即ち副板の幅が狭いほどビードの反発力が減少
する。一方、前記シリンダボア孔の間における反発力の
制御は非常に困難である。なぜならば、副板の幅制御に
限界があるためであり、であるからといって副板を重合
するなどしてその厚さ制御を行うと前記シリンダボアの
真円度が低下してしまう。そこで、副板のうち,隣合う
シリンダボア孔の間は連続し、この連続部に形成するビ
ードで金属ガスケットの反発力の制御を行う。前述のよ
うに狭いシリンダボア孔間の基板のビードは直線状に形
成される。このとき、連続部のシリンダボア孔寄りの両
端部を,隣合うシリンダボア孔近傍の平坦部に固着する
場合に、当該連続部を平坦なままとしてしまったので
は、ビードの変形を規制する力が大きくなりすぎて当該
部位の金属ガスケットの反発力は非常に大きくなってし
まい、シリンダボアの真円度が大きく低下してしまう。
一方でこのビードの変形を規制する力が小さいと、前述
のようにボルト等の締結具による締付け力が最も小さい
シリンダボア孔間では十分な面圧を得ることができず、
シール性が低下する。そこで、副板の連続部には,前記
基板の直線状のビードに収納されるような直線状のビー
ドを形成し、更にこのビードの高さを制御することによ
って基板のビードの変形を規制する力,即ち当該部位に
おける金属ガスケットの反発力を制御できることを見出
した。更に,従来のようにビード幅を変更することで前
記締付け力に対する挫屈強度を変更し、具体的にはビー
ドの幅を狭くすれば挫屈強度が向上するから当該部位に
おける金属ガスケットの反発力が増大し、ビードの幅を
広くすれば挫屈強度が低下するから当該部位における金
属ガスケットの反発力が減少する。これらを適宜にコン
バインすることによってシリンダボア周囲の面圧を適切
に高め且つこれをシリンダボア周りで均一化して当該シ
リンダボアの真円度を確保すると共にシリンダボア回り
のシール性を向上することを可能とする。
【0010】而して本発明のうち請求項1に係る金属ガ
スケットは、重合される二枚の弾性金属製基板の内側面
間に,各基板より板厚の薄い副板を介装して積層した金
属ガスケットであって、各基板及び副板にはそれらを積
層したときに貫通するシリンダボア孔を少なくとも二以
上形成し、各基板の各シリンダボア孔の周囲には,平坦
部を介したその外周に各基板の外側面から外側に突出す
るビードを形成し、各基板にあって隣合うシリンダボア
孔の間には,互いに両者を共用し且つ両シリンダボア孔
の中心点を結ぶ直線と直交する直線状のビードを形成
し、前記副板は前記各シリンダボア孔の周囲にのみ存在
する略円形の周縁部と当該副板の隣合うシリンダボア孔
の間に相当する部位を連続した連続部とからなり、何れ
か一方の基板の内側面には,前記副板のシリンダボア孔
の内周面を当該基板のシリンダボア孔の内周面に一致さ
せて,当該副板を前記基板の平坦部のうちのシリンダボ
ア孔寄りに全周固着し、その副板の周縁部の外周端部を
前記基板に形成されたビードの幅の範囲内で変化させて
各周縁部の幅に変化をもたせると共に,前記副板の連続
部にのみ前記基板の直線状のビード内に収納可能な直線
状のビードを形成したことを特徴とするものである。
【0011】また本発明のうち請求項2に係る金属ガス
ケットは、前記二枚の基板の夫々に形成されたシリンダ
ボア孔周縁のビードの幅に変化をもたせることを特徴と
するものである。また本発明のうち請求項3に係る金属
ガスケットは、前記副板のシリンダボア孔間に形成する
ビードは、その突出外側高さを,前記固着される基板の
シリンダボア孔間に形成されたビードの凹陥内側高さよ
り低く設定することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明のうち請求項1に係る金属ガスケットで
は、薄い副板を介装して重合される二枚の各基板に形成
された二以上の各シリンダボア孔の周囲には,各基板の
外側面から外側に突出するビードを,従来と同様に平坦
部を介した外周に形成し、このうち隣合うシリンダ孔の
間には,従来と同様に互いに両者を共用し且つ両シリン
ダボア孔の中心点を結ぶ直線と直交する直線状のビード
を形成する。これにより、シリンダブロック及びシリン
ダヘッド間に金属ガスケットを介装して両者をボルト等
の締結具によって締付けると,エンジンのシリンダボア
回りの面圧を向上することができる。一方、前記副板
は,前記シリンダボア孔の周囲にのみ存在する略円形の
周縁部と当該副板の隣合うシリンダボア孔の間に相当す
る部位を連続した連続部とからなる。そして、この副板
を,前記何れか一方の基板のシリンダボア孔の内周面と
当該副板のシリンダボア孔の内周面とを一致させて,当
該基板の平坦部のうちのシリンダボア孔寄りに全周固着
する。このような基板を重合して前記副板をも積層した
金属ガスケットでは、基板のシリンダボア孔の周りの平
坦部及びビードの裏面,即ち内側に副板の周縁部が存在
し,且つ基板のシリンダボア孔間の直線状のビードの裏
面,即ち内側にも副板の連続部が存在する。そこで、前
記副板の周縁部の外周端部を,基板のシリンダボア孔の
周りのビードの幅の範囲内で変化させて各周縁部の幅に
変化をもたせる。これにより、前記締付け力の増大によ
り増加するビードの山数のうち,当該副板に掛かる山の
数が増減し、副板に掛かるビードの山数が多いほど,即
ち副板の幅が広いほどビードの反発力が増大し、副板に
掛かるビードの山数が少ないほど,即ち副板の幅が狭い
ほどビードの反発力が減少するから、前記ボルト等の締
結具から遠く,締付け力の小さい箇所では副板の幅を広
くし、同じくボルト等の締結具に近く,締付け力の大き
い箇所では副板の幅を狭くすることで、エンジン部材に
発生するシリンダボア周りの面圧を平均化することがで
きる。
【0013】ここで、本発明のうち請求項2に係る金属
ガスケットでは、基板のシリンダボア孔周縁に設けられ
たビードの幅に変化をもたせる構成としたため、例えば
前記ボルト等の締結具から遠く,締付け力が小さい箇所
ではビードの幅を狭めて挫屈強度を増加することにより
当該箇所の反発力を高め、同じくボルト等の締結具に近
く,締付け力が大きい箇所ではビードの幅を狭めて挫屈
強度を低下することにより当該箇所の反発力を低め、こ
れを前記副板の幅の制御に併用することにより,前記シ
リンダボア周りの面圧を均一化することができる。
【0014】また、前記副板のうち,隣合うシリンダボ
ア孔の周縁部を連続する連続部には,基板の直線状のビ
ード内に収納可能な直線状のビードを形成したことによ
り、当該連結部が隣合うシリンダボア孔の平坦部に固着
されても,基板のビードの変形を規制する力が大きくな
りすぎて金属ガスケットの当該部位における反発力が大
きくなったり、これによりシリンダボアの真円度が低下
したりすることがない。
【0015】ここで、本発明のうち請求項3に係る金属
ガスケットでは、前記副板のシリンダボア孔間に形成さ
れる直線状のビードは、その突出外側高さを,前記固着
される基板のシリンダボア孔間に形成される直線状のビ
ードの凹陥内側高さより低く設定する構成としたため、
両ビード間に形成される隙間を制御することで,基板の
直線状のビードを変形しようとする力に対して副板の直
線状のビードがそれを規制する力を制御することがで
き、前記ボルト等の締結具による締付け力が小さいシリ
ンダボア間で必要な反発力の制御が可能となり、これら
を適宜コンバインしてシリンダボア周囲の面圧を均一化
することができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の金属ガスケットの一実施例を
示すものである。この実施例では、重合される二枚の弾
性金属製基板1,2のうち下側の基板2に副板3を固着
し、これらを積層して構成される。そして各基板1,2
及び副板3には、これらを積層して金属ガスケットとな
したときに貫通するシリンダボア孔4,5が二以上形成
されている。勿論、これらのシリンダボア孔4,5は、
この金属ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッ
ドとの間に介装してエンジンを構築したときに,当該エ
ンジンのシンダボアに連通する箇所に設けられているこ
とは言うまでもない。従って、前記基板1,2に形成さ
れている油孔20はエンジンに形成されたオイルギャラ
リ等に連通し、基板1,2に形成されている水孔21は
エンジンに形成されたウオータジャケット等に連通し、
基板に形成されているボルト孔22はエンジンに形成さ
れたボルト孔に連通する箇所に設けられている。
【0017】ここで前記二枚の各基板1,2は互いに対
象に形成されている。図1において23はボルト孔22
の周囲に形成されたボルト孔ビードの中心線を表すボル
ト孔ビードライン,24は油孔20の周囲に形成された
油孔ビードの中心線を表す油孔ビードライン,25は基
板の外縁に形成された外縁ビードの中心線を表す外縁ビ
ードラインを示す。
【0018】また、前記基板1,2のシリンダボア孔4
の周囲には,他の部位と同等に平坦な平坦部6を介し
て,その外周にほぼ円形のボア孔ビード7が形成されて
いる。このボア孔ビード7は、図1bに示すように各基
板1,2の外側面1a,2aから更に外側に突出する山
状に湾曲された紐状の突条であり、主にプレス加工等に
より成形されてその内側は凹陥溝部となる。図1aでは
一点鎖線7CLでボア孔ビード7の中心線を示すボア孔ビ
ードラインを示しているが、このボア孔ビード7は隣合
うシリンダボア孔4の間において図1cに明示するよう
に互いに両者を共用し且つ両シリンダボア孔4の中心点
を結ぶ直線と直交する直線状のボア孔ビード8に形成さ
れている。これは,前述したエンジンの小型化並びにシ
リンダボアの大径化によってシリンダボア間が狭小化し
たためであり、前述のようにシリンダボア孔4の周囲に
プレス加工の位置ずれを補償する平坦部6を形成し、そ
の外周にボア孔ビード7を形成すると,図1aに示すよ
うにシリンダボア孔4でボア孔ビードライン7CLが重複
する。そのため、この重複部においては互いに共用し合
う直線状のボア孔ビード8を形成する。換言すれば隣合
うボア孔ビード7が,このシリンダボア孔4間で合流/
分岐するために,このシリンダボア孔4間のボア孔ビー
ド7を直線状にすると解してもよい。
【0019】また、このボア孔ビード7,8のうち,前
記シリンダボア孔4間の直線状のボア孔ビード8を除い
て、その幅が変化されている。具体的には、前記ボルト
孔22の近傍ではボア孔ビード7の幅が広くしてあり、
それから遠い箇所,即ちボルト孔22の間ではボア孔ビ
ード7の幅が狭くしてある。これは、ボア孔ビード7の
幅の変化がもたらす挫屈強度の変更によって各部位で反
発力を変更制御するためであり、具体的なその作用・効
果については後段に詳述する。
【0020】一方、前記副板3は前記各シリンダボア孔
5の周囲にのみ存在する略円形の周縁部9と当該副板3
の隣合うシリンダボア孔5の間に相当する部位を連続し
た連続部10とから構成される。この副板3は、前記各
基板1,2より板厚の薄い金属板からなり且つ少なくと
も本実施例では均一な板厚の平板を打抜きプレス等によ
って形成してなる。この副板3は、本来的には,前記ボ
ア孔ビード7によって発生するエンジン部材の変形,即
ちシリンダブロック及びシリンダヘッドのエンジン部材
のシリンダボア寄り部位が互いに離間するような変形の
結果、生じる両者の接合面と基板1,2若しくは基板
1,2同士の隙間を低減し、前記平坦部6及びボア孔ビ
ード7の振動振幅を低減してそれらの疲労破壊を抑制す
ると共に、両基板1,2間に介装される楔としてエンジ
ン部材のシリンダボア周りに面圧を付与するためのもの
でもある。従って、この副板3は,そのシリンダボア孔
5の内周面を下側基板2のシリンダボア孔4の内周面に
一致させて,前記平坦部6のシリンダボア孔4寄りでビ
ーム溶接等により当該シリンダボア孔4の周囲に全周固
着されている。図1aに二点鎖線12で固着ラインを示
す。
【0021】従って、副板3の隣合うシリンダボア孔5
間に形成された連続部10のうち両シリンダボア孔5側
端部は,下側基板2の平坦部6のシリンダボア孔4寄り
部位に固着されている。この連続部10が平坦なままで
あると,前述したように基板1,2の隣合うシリンダボ
ア孔4間に形成された前記直線状のボア孔ビード8がシ
リンダブロック及びシリンダヘッド間で締付けられたと
きに、当該直線状のボア孔ビード8の挫屈を伴う変形を
抑制する力が大きく作用する。即ち、基板1,2の直線
状のボア孔ビード8を挫屈させると,副板3を固着して
いる平坦部6間に伸びが発生し、この伸びは副板3の連
続部10の純粋な材料伸びを要求する応力として作用す
るが、勿論,この応力に対する副板3の引張強度の方が
大きいから,前記直線状のボア孔ビード8を挫屈させる
ような変形力,即ち締付け力に対しては大きな抑制力が
作用する。これにより金属ガスケットとしてのシリンダ
ボア孔4間の反発力が大きくなりすぎて,エンジン部
材,即ちシリンダブロック及びシリンダヘッドのシリン
ダボア間に大きな変形力が作用するからシリンダボアの
真円度が低下する。そこで、本発明では副板3にも前記
下側基板2の直線状のボア孔ビード8内に収納可能な直
線状のビード11を形成し、前記下側基板2の直線状の
ボア孔ビード8の変形を抑制する力を制御できるように
してある。詳細な作用については後段に詳述するが、即
ち下側基板2の直線状のボア孔ビード8を締付けて発生
する伸びを副板3の直線状のビード11の伸びによって
補償することで、それらの変形力を抑制する力,即ち反
発力を低下せしめると共に、両者の伸び量,即ち両者の
ビード8,11の高さを変更することで前記反発力の低
下量を制御できるようにしてある。
【0022】一方、この副板3の周縁部9の外周端部
は,前記基板1,2のボア孔ビード7の幅内に位置する
ようにしてあるが、本発明では更にこの外周端部の位置
を当該ボア孔ビード7の幅内で変化させて副板3の周縁
部9の幅を変化させている。後段に詳述するように,前
記山状のボア孔ビード7の凸部を抑え付けるような締付
け力が作用すると、当該ボア孔ビード7はその中腹部で
挫屈が発生して山の数が2山,4山といったように増加
する。このように増加する山の頂部に接触するエンジン
部材の部位の面圧は高く,谷部に至るにつれて低くな
る。前述のように副板3の外周端部の位置をボア孔ビー
ド7の幅内で変化させて副板3の周縁部9の幅を変化さ
せると、前記締付け力によって増加する基板のボア孔ビ
ード7の山のうち,副板3に掛かる山の数が変化する。
そして副板3に掛かる山はその変形が規制され,つまり
相対的に大きな締付け力が作用するから、当然,その抗
力として発生する反発力が大きくなる。従って、副板3
の幅を変化させることは反発力を変化させることになる
から、エンジン部材のシリンダボア周りの面圧を変化さ
せて制御することができる。
【0023】以上のような本発明の基本原理を踏まえ
て,これらの技術を適宜にコンバインした本実施例の各
部の詳細な断面図を用いながら作用について説明する。
まず前記金属ガスケットのボルト孔22の近傍,即ち図
1cのY−Y断面について図2,図3及び図4,図5を
用いて説明する。前述のように副板3の周縁部9は,図
2の詳細図に示すように当該副板3のシリンダボア孔5
の内周面と下側基板2のシリンダボア孔4の内周面とを
一致させて前記基板2の平坦部6のうちのシリンダボア
孔4寄りの固着ライン12で全周固着されている。一
方、副板3の周縁部9の外周端部は積層された基板1,
2のボア孔ビード7の凹陥部25内でフリーになってお
り、当該外周端部はその位置をボア孔ビード7の幅の範
囲内で変化して副板3の周縁部9の幅に変化をもたせる
こととした。このうち、前記ガスケットのボルト孔22
の近傍では副板3の周縁部9の幅は比較的狭い。これに
対して副板3の周縁部9の幅が比較的広いものを図3に
示す。説明の便宜上,ボア孔ビード7の幅はB1 で一定
とし、図2に示す幅狭の副板3の幅をb1 ,幅広の副板
3の幅をb0 とする。
【0024】まず、基板間に図2の幅狭の副板3を介装
した金属ガスケットをシリンダブロック及びシリンダヘ
ッド等のエンジン部材により挟持してそれらのボア孔ビ
ード7に締付け力が作用した状態を図4に基づいて説明
する。図4aに示すように基板1,2に形成された山状
のボア孔ビード7の頂部に締付け力が作用するとその山
状の中腹部で挫屈が発生して中凹となり、その結果,図
4bに示すように1山のボア孔ビード7は2山になる。
更に締付け力が作用すると図4cに示すようにボア孔ビ
ード7は4山,8山…といったように倍加して増加す
る。勿論,山の増加に伴って山の高さも幅も小さくな
る。このとき、副板3が存在しなければ変形して増加し
たボア孔ビード7の山の頂部と各エンジン部材の接合面
との接触部位で面圧が高く,谷部に至るにつれて次第に
面圧が低下する。ところが、二枚の基板1,2のボア孔
ビード7間に副板3が存在すると,前記変形に伴って増
加するボア孔ビード7の山のうち,図4cに示すように
副板3に掛かる山は変形が規制され、なおも増大する締
付け力に対して,ビードのその他の部位よりも高い反発
力が発生するから面圧が増大する。そして、副板3の外
周端部に相当する基板1,2のボア孔ビード7の部位に
は局部的な応力集中が発生して、結果的にその部分の面
圧が局部的に大きくなる。勿論、この場合のエンジン部
材の変形は前記副板3の存在部位で局部的に大きくなる
が、全体としての傾斜角度(エンジン部材が或る程度の
剛性を有する弾性体であると考えたときの変形の傾向)
は小さくなる。なお、この場合のエンジンの局部的変形
は所謂,弾性変形範囲内であって、窪みを形成するよう
なものではない。
【0025】これを図3のように二枚の基板1,2間に
幅広の副板3を介装した金属ガスケットで検証すると、
図4の場合と異なり,図5に示すようにボア孔ビード7
の変形に伴って増加する山のうち,副板3に掛かる山の
数が増大し、全体的な面圧も増大する。更に、図4の場
合と同じ締付け力が作用するとすれば,副板3の外周端
部に相当する基板1,2のボア孔ビード7の部位には更
に大きな局部的応力集中が発生するから、当該部位に面
圧は局部的に非常に大きくなる。また、この場合のエン
ジン部材の変形は全体の傾斜角度が大きくなるようにし
て発生する。
【0026】これらを考え合わせると、一般にボルト孔
の近傍では締付け力が大きく,ボルト孔間ではエンジン
部材の弾性変形に伴って締付け力が小さくなる傾向にあ
り、このような傾向は、エンジン部材のアルミニウム化
や水路の拡大によって当該エンジン部材の剛性が低下す
る昨今,特に顕著であるから、締付け力の大きいボルト
孔22近傍では副板3の幅を狭くするように当該副板3
の周縁部9の外周端部をボア孔ビード7の幅内で変化さ
せ、締付け力の小さいボルト孔22の間では副板3の幅
を広くするように当該副板3の周縁部9の外周端部をボ
ア孔ビード7の幅内で変化させることにより、エンジン
部材のシリンダボア周りに発生する面圧を平均化するこ
とができる。
【0027】次に前記金属ガスケットのボルト孔22の
間の部位,即ち図1cのX−X断面について図6を用い
て説明する。このボルト孔22の間の部位では,基板
1,2のボア孔ビード7の幅B0 が、前記図2にしめす
ボルト孔22の近傍のボア孔ビード7の幅B1 よりも狭
くしてある。前述のように基板1,2のボア孔ビード7
は,エンジン部材の締付け力によって,その山数が増加
するように挫屈変形する。この挫屈変形は弾性範囲内で
現れるから、ボア孔ビード7の挫屈強度は当該ビードの
バネ定数であるとも言える。ここで、ボア孔ビード7の
幅を狭くすると、加工硬化等の影響で当該ビードの挫屈
強度が増大し、これは当該ビードのバネ定数を増大せし
めるから,このような幅狭のボア孔ビード7では締付け
力一定の下で幅広のボア孔ビード7よりも反発力が増大
する。しかもこのボルト孔22の間の金属ガスケットで
は前記図2に示す幅b1 の幅狭の副板3よりも幅の広い
図3に示す幅b0 の幅広の副板3が介装されているか
ら、やはり締付け力一定の条件下では全体的な反発力が
相当に増大する。
【0028】これらの技術をコンバインした本実施例の
金属ガスケットにおける面圧分布状態を図7及び図8に
示す。図7aはボルト孔22の近傍におけるシリンダボ
アの径方向へのシリンダヘッドの面圧分布,図8aはボ
ルト孔22の間におけるシリンダボアの径方向へのシリ
ンダヘッドの面圧分布を示し、更に図9aはボルト孔2
2の間において図7と同様に幅狭の副板3を用いた場合
のシリンダボアの径方向へのシリンダヘッドの面圧分布
を示し、各図bは基板のボア孔ビード7及び副板3の存
在状態を示す。
【0029】これらの図から明らかなように、ボルト孔
22の近傍では締付け力が大きいから副板3の周縁部9
の外周端部で発生する面圧は当然高いが、エンジン部材
の変形,即ちシリンダボア側への傾斜角度は小さい。一
方、ボルト孔22の間では締付け力が小さいにも関わら
ずエンジン部材の変形,即ちシリンダボア側への傾斜角
度が大きく,結果として副板3の周縁部9の外周端部で
は、前記ボルト孔22の近傍と同等の高い面圧が発生し
ている。これに対してボルト孔22の間で幅狭の副板3
を介装した場合には,当該副板3の周縁部9の外周端部
でも発生する面圧は低く、シリンダボア周りの面圧に変
化が生じて当該シリンダボアの真円度が低下することが
予測される。
【0030】次に、前記金属ガスケットのシリンダボア
孔4間,即ち図1cのZ−Z断面について図10,図1
1を用いて説明する。このシリンダボア孔4,5間にお
いては、前述のように下側基板2に形成された直線状の
ボア孔ビード8内に収納可能な直線状のビード11が副
板3にも形成されている。ここで、図11における下側
基板2の直線状のボア孔ビード8の凹陥内側高さを
0 ,副板3のビード11の突出外側高さをh1 と定義
する。そして、副板3の連続部10のうち隣合うシリン
ダボア孔5両端部は下側基板2の隣合うシリンダボア孔
4の平坦部6に固着ライン12で固着されている。従っ
て、図10のように基板2の直線状のボア孔ビード7の
凹陥内側高さh0 と副板3のビード11の突出外側高さ
1 とが等しいとき,即ち基板2の直線状のボア孔ビー
ド8の凹陥部25内側面に副板3のビード11の突出外
側面が接触しているような場合、基板1,2の外側面1
a,2aから掛かる締付け力に対して,図の下側基板2
の直線状のボア孔ビード8の挫屈強度に応じた反発力と
副板3のビード11の挫屈強度に応じた反発力との和が
当該金属ガスケットの下側基板2のシリンダボア孔4間
における反発力として作用する。ここで基板2のボア孔
ビード8の挫屈強度に応じた反発力と副板3のビード1
1の挫屈強度に応じた反発力とを区別したのは、基板2
を構成する材料と副板3を構成する材料との相違や,成
形加工量の差異から生じる加工硬化等の影響が異なるた
めである。また、両者の挫屈変形に伴う伸びの量は微妙
に異なるはずであるから、前記総合的な反発力は厳密に
はその他の要因が介在して前述の理論通りではない。
【0031】ところで一方、図11に示すように下側基
板2の直線状のボア孔ビード8の凹陥内側高さh0 より
も副板3のビード11の突出外側高さh1 が低い場合,
即ち具体的には基板2の直線状のボア孔ビード8の凹陥
部25内側面と副板3のビード11の突出外側面とに隙
間があるような場合、前記隣合うシリンダボア孔4の平
坦部6における両者の固着ライン12までの長さは基板
2の方が副板3よりも長い。このような基板2の直線状
のボア孔ビード8の外側面の頂部に接触するシリンダブ
ロック又はシリンダヘッドから締付け力を受けると,当
該基板2のボア孔ビード8の中腹部から挫屈が生じて中
凹となり、内側に窪んだ基板2のボア孔ビード8の中央
部が副板3のビード11の頂部を押圧し、これにより副
板3のビード11の中腹部から挫屈が生じて当該副板3
のビード11も中凹となる。これを順次繰り返して,基
板及び副板3のビードは夫々1山から2山,4山といっ
たように挫屈を繰り返してゆく。やがて副板3のビード
11は全屈するが、前記隣合うシリンダボア孔4の平坦
部6における両者の固着ライン12までの長さは基板2
側が副板3よりも長いから,未だ基板2のボア孔ビード
8は全屈していない。この下側基板2の直線状のボア孔
ビード8を更に挫屈させる締付け力に対して副板3は純
粋な材料伸び変形を強いられるように引張応力が作用す
るが、勿論,基板2のボア孔ビード8の挫屈強度よりも
副板3の引張強度の方が大きいから、当該基板2のボア
孔ビード8に作用する締付け力には当該ビード8の変形
を抑制する大きな反発力が作用し、これが基板2のボア
孔ビード8を介してシリンダブロック又はシリンダヘッ
ド等のエンジン部材のシリンダボア間に発生する面圧を
高める。換言すれば、基板1,2の直線状のボア孔ビー
ド8の挫屈を規制する副板3の長さ,即ち基板2の直線
状のボア孔ビード8の凹陥内側高さh0 と副板3のビー
ド11の突出外側高さh1 との隙間を制御することによ
り、当該金属ガスケットのシリンダボア孔4間の反発力
を制御することができる。
【0032】なお、これらの副板の幅制御及びボア孔ビ
ードの幅制御は,実際に組み付けたシリンダボア周りの
隙間を実測し、これに合わせて行うことも勿論可能では
あるが、FEM,所謂有限要素法等によってエンジン部
材の応力分布状態を求め、この応力分布から締付け力に
対応して均一な面圧が発生するような算出式によって行
ってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の金属ガスケ
ットによれば、少なくともシリンダボア周りの面圧を均
一化せしめてシール性を向上すると共に、シリンダボア
の真円度を確保してエンジンの性能向上に寄与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ガスケットの一実施例を示すもの
であり、(A)は下側基板及びそれに固着された副板の
上面図,(b)は中央縦端面図,(c)は底面図であ
る。
【図2】図1のY−Y断面図である。
【図3】図2において幅狭の副板を用いた断面図であ
る。
【図4】図2において締付け力を増大した状態の説明図
である。
【図5】図3において締付け力を増大した状態の説明図
である。
【図6】図1のX−X断面図である。
【図7】図2における面圧分布の説明図である。
【図8】図6における面圧分布の説明図である。
【図9】図8において幅狭の副板を用いた場合の面圧分
布の説明図である。
【図10】図1のZ−Z断面図である。
【図11】図10において基板のビードと副板のビード
とに隙間をもたせた状態の説明図である。
【図12】従来の金属ガスケットの一例を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1,2は基板 1a,2aは外側面 3は副板 4,5はシリンダボア孔 6は平坦部 7はボア孔ビード 8は直線状のボア孔ビード 9は周縁部 10は連続部 11はビード 22はボルト孔 25は凹陥部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合される二枚の弾性金属製基板の内側
    面間に,各基板より板厚の薄い副板を介装して積層した
    金属ガスケットであって、各基板及び副板にはそれらを
    積層したときに貫通するシリンダボア孔を少なくとも二
    以上形成し、各基板の各シリンダボア孔の周囲には,平
    坦部を介したその外周に各基板の外側面から外側に突出
    するビードを形成し、各基板にあって隣合うシリンダボ
    ア孔の間には,互いに両者を共用し且つ両シリンダボア
    孔の中心点を結ぶ直線と直交する直線状のビードを形成
    し、前記副板は前記各シリンダボア孔の周囲にのみ存在
    する略円形の周縁部と当該副板の隣合うシリンダボア孔
    の間に相当する部位を連続した連続部とからなり、何れ
    か一方の基板の内側面には,前記副板のシリンダボア孔
    の内周面を当該基板のシリンダボア孔の内周面に一致さ
    せて,当該副板を前記基板の平坦部のうちのシリンダボ
    ア孔寄りに全周固着し、その副板の周縁部の外周端部を
    前記基板に形成されたビードの幅の範囲内で変化させて
    各周縁部の幅に変化をもたせると共に,前記副板の連続
    部にのみ前記基板の直線状のビード内に収納可能な直線
    状のビードを形成したことを特徴とする金属ガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記二枚の基板の夫々に形成されたシリ
    ンダボア孔周縁のビードの幅に変化をもたせることを特
    徴とする請求項1に記載の金属ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記副板のシリンダボア孔間に形成する
    ビードは、その突出外側高さを,前記固着される基板の
    シリンダボア孔間に形成されたビードの凹陥内側高さよ
    り低く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の金属ガスケット。
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