JPH062647A - 静油圧式無段変速機におけるシリンダブロックの製造方法 - Google Patents

静油圧式無段変速機におけるシリンダブロックの製造方法

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JPH062647A
JPH062647A JP4160932A JP16093292A JPH062647A JP H062647 A JPH062647 A JP H062647A JP 4160932 A JP4160932 A JP 4160932A JP 16093292 A JP16093292 A JP 16093292A JP H062647 A JPH062647 A JP H062647A
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cylinder
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勉 林
Mitsuru Saito
充 齋藤
Yoshihiro Nakajima
芳浩 中島
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
    • F05C2201/0469Other heavy metals
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  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】複数のポンプシリンダ孔と、複数のモータシリ
ンダ孔と、ポンプシリンダ孔およびモータシリンダ孔間
で同心に配置される内周環状油路および外周環状油路
と、ポンプシリンダ孔およびモータシリンダ孔間で放射
状に配置される複数の弁孔とが設けられるシリンダブロ
ックを備える静油圧式無段変速機において、シリンダブ
ロック素材への加工工数を極力低減してシリンダブロッ
クを製造する。 【構成】シリンダブロックBの軸方向に分割した複数の
分割素材84〜86を焼結成形し、相互に隣接する分割
素材84,85;85,86を位置決めした状態で、ろ
う材を溶融させて各分割素材84〜86表面の封孔処理
を施しながら各分割素材84〜86の分割面相互をろう
付けしてシリンダブロック素材83を形成し、該シリン
ダブロック素材83に必要な加工を施してシリンダブロ
ックBを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状配列で軸方向に延
びる複数のポンプシリンダ孔と、環状配列で軸方向に延
びる複数のモータシリンダ孔と、前記複数のポンプシリ
ンダ孔および前記複数のモータシリンダ孔間で同心に配
置される内周環状油路および外周環状油路と、前記複数
のポンプシリンダ孔および前記複数のモータシリンダ孔
間で放射状に配置される複数の弁孔とが設けられるシリ
ンダブロックを備える静油圧式無段変速機において、シ
リンダブロックを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる無段変速機は、たとえば特
開平3−163253号公報等により、既に知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示された無段変速機では、鍛造されたシリンダブロッ
ク素材に穿孔加工および切削加工等を施して、ポンプシ
リンダ孔、モータシリンダ孔、内、外周環状油路、各弁
孔等を形成することによりシリンダブロックを構成して
おり、シリンダブロックの製造にあたっての加工工数が
多くなる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、シリンダブロック素材への加工工数を極力低
減してシリンダブロックを製造し得るようにした静油圧
式無段変速機におけるシリンダブロックの製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明によれば、シリンダブロックの
軸方向に分割した複数の分割素材を焼結成形し、相互に
隣接する分割素材を位置決めした状態で、ろう材を溶融
させて各分割素材表面の封孔処理を施しながら各分割素
材の分割面相互をろう付けしてシリンダブロック素材を
形成し、該シリンダブロック素材に必要な加工を施して
シリンダブロックを製造する。
【0006】また請求項2記載の発明によれば、外周環
状油路および弁孔に対応する部分を少なくとも分割面と
してシリンダブロックの軸方向に分割した複数の分割素
材を準備し、外周環状油路に対応して相互に隣接する分
割素材の分割面に外周環状油路を協働して形成する環状
凹部をそれぞれ形成するとともに弁孔に対応して相互に
隣接する分割素材の分割面に弁孔の下穴を協働して形成
する凹部をそれぞれ形成しておき、相互に隣接する分割
素材を位置決めしながら各分割素材を相互に接合するこ
とによりシリンダブロック素材を形成し、該シリンダブ
ロック素材に必要な加工を施してシリンダブロックを製
造する。
【0007】
【実施例】以下、図面により本発明を自動二輪車用静油
圧式無段変速機に適用したときの実施例について説明す
る。
【0008】図1ないし図11は本発明の第1実施例を
示すものであり、図1は静油圧式無段変速機の縦断面
図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3
−3線拡大断面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、
図5は図2の5−5線拡大断面図、図6はシリンダブロ
ックの縦断面図であって図9の6−6線に沿う断面図、
図7は図6の7矢視図、図8は図6の8矢視図、図9は
図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断
面図、図11はシリンダブロック素材成形状態を示す断
面図である。
【0009】先ず図1において、静油圧式無段変速機
は、定容量型の斜板式油圧ポンプPと、可変容量型の斜
板式油圧モータMとが、通常の負荷運転中には低圧路と
なるが逆負荷運転中には高圧路となる内周環状油路1
1、ならびに通常の負荷運転中には高圧路となるが逆負
荷運転中には低圧路となる外周環状油路12を介して油
圧閉回路を構成すべく接続されて成るものである。
【0010】斜板式油圧ポンプPは、図示しないエンジ
ンに連結される入力ギヤ13を備えた入力筒軸14と、
この入力筒軸14の内周壁にボールベアリング15を介
して相対回転自在に支承されるポンプシリンダ16と、
該ポンプシリンダ16にその回転軸線を囲むように環状
配列で設けられた複数のポンプシリンダ孔17…にそれ
ぞれ摺動自在に嵌合される複数のポンププランジャ18
…と、各ポンププランジャ18…の外端に前面を係合、
当接させるポンプ斜板19と、このポンプ斜板19をポ
ンプシリンダ16の軸線と直交する仮想トラニオン軸線
1 を中心にしてポンプシリンダ16の軸線に対し一定
角度傾斜させた状態に保持すべくスラストベアリング2
0およびラジアルベアリング21を介して該斜板19を
支承するポンプ斜板ホルダ22とから構成される。而し
てポンプ斜板ホルダ22は入力筒軸14と一体に形成さ
れており、ケーシング24および入力筒軸14間にはボ
ールベアリング23が介装される。
【0011】前記ポンプ斜板19は、入力筒軸14の回
転時、ポンププランジャ18…に往復動を与えて吸入お
よび吐出行程を繰返させることができる。
【0012】油圧モータMは、ポンプシリンダ16と同
軸上で図1の左方に配置されるモータシリンダ27と、
該モータシリンダ27にその回転軸線を囲むように設け
られたモータシリンダ孔28…にそれぞれ摺動可能に嵌
合される複数のモータプランジャ29…と、各モータプ
ランジャ29…の外端に前面を係合、当接させるモータ
斜板30と、スラストベアリング31およびラジアルベ
アリング32を介して前記モータ斜板30を支承するモ
ータ斜板ホルダ33と、該モータ斜板ホルダ33の背面
を支承するモータ斜板アンカ34とから構成される。前
記モータシリンダ孔28…は、この実施例では油圧ポン
プPにおけるポンプシリンダ孔17…と同数であるが、
ポンプシリンダ孔17…とは異なる数のモータシリンダ
孔28…がモータシリンダ26に設けられていてもよ
い。また相互に当接するモータ斜板ホルダ33およびモ
ータ斜板アンカ34の対向当接面は、モータシリンダ2
7の軸線とトラニオン軸線O2 との交点を中心とする球
面状に形成される。しかもモータ斜板ホルダ33は、前
記トラニオン軸線O2 まわりの相対回動を可能としてモ
ータ斜板アンカ34に支承される。
【0013】モータ斜板アンカ34のモータシリンダ2
7側端部には筒状のシリンダホルダ35が連設され、こ
のシリンダホルダ35とモータシリンダ27の外周との
間にはボールベアリング36が介設される。
【0014】モータ斜板30は、パルスモータ37に連
結されているボールねじ機構38によりモータ斜板ホル
ダ33がトラニオン軸線O2 まわりに回動せしめられる
ことにより、モータシリンダ27の軸線に対し直角とな
る直立位置と、或る角度で傾倒する最大傾斜位置との間
で作動するものであり、その傾斜状態では、モータシリ
ンダ27の回転に伴いモータプランジャ29…に往復動
を与えて膨脹および収縮行程を繰り返させることができ
る。
【0015】ポンプシリンダ16およびモータシリンダ
27は相互に一体に結合されてシリンダブロックBを構
成するものであり、このシリンダブロックBの中心部に
は、回転軸39が貫通され、該回転軸39はシリンダブ
ロックBにスプライン40を介して結合される。回転軸
39の一端と入力筒軸14との間にはアンギュラコンタ
クトボールベアリング41が介装される。回転軸39の
他端は、モータ斜板30、モータ斜板ホルダ33および
モータ斜板アンカ34を貫通するように延びており、モ
ータ斜板アンカ34よりも軸方向外方側で回転軸39の
端部には、静油圧式無段変速機から出力される動力を伝
達するためのスプロケット42が取付けられる。また回
転軸39とモータ斜板アンカ34との間には、アンギュ
ラコンタクトボールベアリング43が介装される。さら
にモータシリンダ27の外周には、回転数検出用ギヤ4
8が設けられる。
【0016】回転軸39には、その一端側に開口すると
ともに他端側を閉じた補給油路44が同軸に設けられて
おり、該補給油路44の一端側にはフィルタ45が装着
される。しかも該補給油路44は、図示しないオイルポ
ンプに接続されるものであり、入力筒軸14には、前記
オイルポンプを駆動するためのギヤ46が設けられる。
【0017】図2および図3を併せて参照して、ポンプ
シリンダ16のポンプシリンダ孔17…群とモータシリ
ンダ27のモータシリンダ孔28…群との間において、
シリンダブロックBの内面と、回転軸39の外面との間
には、該回転軸39の外周に設けられた環状溝47によ
り内周環状油路11が形成される。またシリンダブロッ
クBには、前記内周環状油路11を同心に囲繞する外周
環状油路12が形成される。さらにシリンダブロックB
には、一端を外周環状油路12に連通させてシリンダブ
ロックBの軸方向に延びるとともに他端を閉じた連通路
49…が、各ポンプシリンダ孔17…にそれぞれ対応し
て設けられる。
【0018】またポンプシリンダ孔17…群とモータシ
リンダ孔28…群との間におけるシリンダブロックBの
内周環状油路11および外周環状油路12間の環状隔
壁、ならびに外周環状油路12の外周壁を放射状に貫通
するようにして、前記モーシシリンダ孔28…に個別に
通じる油圧モータ用弁孔51…が設けられる。
【0019】前記油圧モータ用弁孔51…にはスプール
型の分配弁52…がそれぞれ摺動自在に嵌合され、各分
配弁52…の外端にはそれらの分配弁52…を囲む偏心
輪53が係合される。而して偏心輪53は、シリンダホ
ルダ34に結合されるものであり、仮想トラニオン軸線
2 に沿ってシリンダブロックBの中心から所定距離だ
け偏心して配置される。しかも各分配弁52…の外端部
は前記偏心輪53と同心関係の強制輪54により相互に
連結される。
【0020】またポンプシリンダ孔17…群とモータシ
リンダ孔28…群との間においてポンプシリンダ孔17
…群寄りの部分には、各連通路49…を横切るようにし
て放射状に延びるとともに前記ポンプシリンダ孔17…
に個別に通じる油圧ポンプ用弁孔55…が設けられる。
各油圧ポンプ用弁孔55…にはスプール型の分配弁56
…がそれぞれ摺動自在に嵌合され、各分配弁56…の外
端にはそれらの分配弁56…を囲む偏心輪57が係合さ
れる。偏心輪57は、入力筒軸14に設けられるもので
あり、トラニオン軸線O1 に沿ってシリンダブロックB
の中心から所定距離だけ偏心して配置される。しかも各
分配弁56…の外端部は前記偏心輪57と同心関係の強
制輪58により相互に連結される。
【0021】ここで油圧ポンプPの作用について説明す
ると、入力筒軸14とポンプシリンダ16との間に相対
回転が生じると、各分配弁56…は、偏心輪57により
弁孔55においてポンプシリンダ16の半径方向内方位
置および外方位置間を往復動される。そして吐出領域で
は、分配弁56は、対応するポンプシリンダ孔17を連
通路49を介して外周環状油路12に連通するとともに
内周環状油路11と不通にし、それにより吐出行程中の
ポンププランジャ18によりポンプシリンダ孔17から
外周環状油路12へ作動油が圧送される。また吸入領域
では、分配弁56は、対応するポンプシリンダ孔17を
内周環状油路11に連通するとともに連通路49すなわ
ち外周環状油路12と不通にし、それにより吸入行程中
のポンププランジャ18により内周環状油路11からポ
ンプシリンダ孔17に作動油が吸入される。
【0022】また油圧モータMの作用について説明する
と、モータシリンダ27が回転すると、分配弁52…
は、偏心輪53により弁孔51においてモータシリンダ
27の半径方向内方位置および外方位置間を往復動され
る。而して膨脹領域では、分配弁52は、対応するモー
タシリンダ孔28を外周環状油路12に連通するととも
に内周環状油路11と不通にし、それにより外周環状油
路12から膨脹行程中のモータプランジャ29のモータ
シリンダ孔28に高圧の作動油が供給される。また収縮
領域では、分配弁52は、対応するモータシリンダ孔2
8を内周環状油路11に連通するとともに外周環状油路
12と不通にし、それにより収縮行程中のモータプラン
ジャ29のモータシリンダ孔28から内周環状油路11
へ作動油が排出される。
【0023】かくして、シリンダブロックBは、ポンプ
シリンダ16が吐出行程のポンププランジャ18を介し
てポンプ斜板19から受ける反動トルクと、モータシリ
ンダ27が膨脹行程のモータプランジャ29を介してモ
ータ斜板30から受ける反動トルクとの和によって回転
され、その回転トルクは回転軸39のスプロケット42
から出力される。
【0024】この場合、入力筒軸14に対する回転軸3
9の変速比は、{変速比=1+(油圧モータMの容量/
油圧ポンプPの容量)}で与えられる。したがって、油
圧モータMの容量を零から或る値に変えれば、変速比を
1から或る必要な値まで変えることができる。しかも、
その油圧モータMの容量はモータプランジャ29のスト
ロークにより決定されるので、モータ斜板30を直立位
置から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比を
1から或る値まで無段階に制御することができる。
【0025】ところで、シリンダブロックBの外周部に
おいて、周方向にたとえば120度ずつの等間隔をあけ
た位置で、相互に隣接する弁孔51,51間ならびに弁
孔55,55間には、クラッチ弁59…がシリンダブロ
ックBの軸線と平行な方向にかつ外周環状油路12を横
切るようにして往復動可能として配設される。すなわち
シリンダブロックBの前記外周部には、基本的に棒状に
形成されているクラッチ弁59を摺動自在に嵌合するた
めの3つの摺動孔60…がシリンダブロックBの軸線と
平行にして周方向等間隔位置に穿設される。またシリン
ダブロックBには、内端を内周環状油路11に開口させ
て半径方向に延びる連通孔61…が設けられ、該連通孔
61…の外端部は、各摺動孔60…の途中に設けられた
拡径部60a…に連通される。
【0026】クラッチ弁59…の一端には、シリンダブ
ロックBにおけるポンプシリンダ16を囲繞する操作輪
63の内周に相対回転を可能として連結される。またモ
ータ斜板アンカ23には、シリンダブロックBの軸線方
向に沿って移動可能な駆動軸64が支承されており、こ
の駆動軸64の一端には前記操作輪63が連結される。
また駆動軸64の他端には、シリンダブロックBの軸線
とは直交する軸線を有するとともに図示しないクラッチ
レバーの操作に応じて回動する回動軸65が連結され
る。
【0027】このようなクラッチ弁59…は、前記クラ
ッチレバーの操作により、内周環状油路11に通じる連
通孔61および外周環状油路12間を遮断するクラッチ
オン位置(図3の位置)と、該クラッチオン位置から図
3の右方に前進して前記連通孔61および外周環状油路
12間を連通するクラッチオフ位置と、該クラッチオフ
位置からさらに右方に前進して連通孔61および外周環
状油路12間を連通するとともに連通孔61および外周
環状油路12を外部に開放する位置とを切換可能にして
移動することになる。
【0028】図4および図5を併せて参照して、シリン
ダブロックBおよび回転軸39間には、回転軸39内に
形成された補給油路44に通じる環状補給油路66が形
成される。而して、ポンプシリンダ孔17…群ならびに
モータシリンダ孔28…群間において、シリンダブロッ
クBには、内周環状油路11の油圧が低下したときに環
状補給油路66から内周環状油路11への作動油の補給
を許容する第1チェック弁67と、エンジンブレーキ時
に外周環状油路12の油圧が低下したときに環状補給油
路66から外周環状油路12への作動油の補給を許容す
る第2チェック弁68と、外周環状油路12の油圧が過
大に上昇したときに過大な油圧を内周環状油路11に逃
がす調圧弁69とが、放射状に配設される。
【0029】シリンダブロックBには、内端を内周環状
油路11に開口させてシリンダブロックBの半径方向に
延びる取付孔70と、該取付孔70を横切ってシリンダ
ブロックBの軸方向に延びるとともに一端が外周環状油
路12に通じる横孔71と、一端を横孔71の他端に連
通させて斜めに延びるとともに他端が環状補給油路66
に通じる斜孔72とが設けられ、第1チェック弁67
は、横孔71を中間部で遮断するようにして取付孔70
に嵌合、固定される。
【0030】またシリンダブロックBには、内端を閉じ
てシリンダブロックBの半径方向に延びる取付孔73
と、一端を外周環状油路12に連通させるとともに他端
を閉じるようにしてシリンダブロックBの軸方向に延び
て該取付孔73を横切る横孔74と、一端を閉じるよう
にしてシリンダブロックBの軸方向に延びて取付孔73
の内端部を横切る横孔75と、一端を横孔75の他端に
連通させて斜めに延びるとともに他端が環状補給油路6
6に通じる斜孔76とが設けられ、第2チェック弁68
は、その内端が両横孔74,75間の中間部に位置する
ようにして取付孔73に嵌合、固定される。
【0031】さらにシリンダブロックBには、該シリン
ダブロックBの半径方向に延びる取付孔77と、一端を
外周環状油路12に連通させるとともに他端を閉じるよ
うにしてシリンダブロックBの軸方向に延びて該取付孔
77を横切る横孔78とが設けられ、調圧弁69は取付
孔77に嵌合、固定される。
【0032】ところで、シリンダブロックBは、図6、
図7および図8で示す形状を有するものであるが、この
シリンダブロックBは、図6の鎖線で示すシリンダブロ
ック素材83に必要な処理を施して形成される。而し
て、該シリンダブロック素材83は、シリンダブロック
Bの軸方向に分割した3つの分割素材84,85,86
を一体に結合して構成されるものであり、各分割素材8
4,85,86は焼結成形される。而して、分割素材8
4,86はポンプシリンダ16およびモータシリンダ2
8の主要部をそれぞれ構成するものであり、分割素材8
5は、前記両分割素材84,86間に挟まれる。
【0033】分割素材84には、その焼結成形時に、各
ポンプシリンダ孔17…、図4および図5で示した斜孔
72,76、ならびにクラッチ弁59…を摺動させるた
めの摺動孔60…の一部が同時に形成される。また分割
素材86には、その焼結成形時に、各モータシリンダ孔
28…、ならびに前記摺動孔60…の一部が同時に形成
される。さらに分割素材85には、連通路49…、図4
および図5で示した取付孔70,73,77および横孔
71,74,75,78、ならびに前記摺動孔60…の
一部が同時に形成される。しかも分割素材84,85の
分割面間には、相互の周方向位置を定める複数のノック
ピン82…が介設され、分割素材85,86の分割面間
には、相互の周方向位置を定める複数のノックピン87
…が介設される。なお、上記ノックピン82…,87…
に代えて、分割素材84,85の一方に突設した複数の
位置決め突起を他方に嵌合し、分割素材85,86の一
方に突設した複数の位置決め突起を他方に嵌合するよう
にして相互間の位置決めをするようにしてもよい。
【0034】図9を併せて参照して、分割素材84,8
5の分割面間には、弁孔55…の下穴88…を協働して
形成するための凹部88a,88b,…と、連通孔61
…ならびに摺動孔60…の拡径部60a…を協働して形
成するための凹部89,90とが設けられており、分割
素材84の分割素材85への対向面には、連通路49…
の端部に通じる複数の凹部91…が設けられる。
【0035】図10を併せて参照して、分割素材85,
86の分割面間には、弁孔51…の下穴92…を協働し
て形成するための凹部92a,92bと、外周環状油路
12を協働して形成するための環状凹部12a,12b
とが設けられている。
【0036】このような分割素材84,85,86は、
ノックピン82…,87…で周方向相対位置を定めた状
態で、相互にろう付けにより接合されるものである。而
してろう付け時には、図11で示すように、各分割素材
84,85,86の分割面間に銅合金等から成るろう材
を挟み込んだ状態でシリンダブロック素材83上に銅合
金等から成るろう材93a,93bを載せて焼成処理を
行なう。これにより、焼結成形された各分割素材84〜
86表面への封孔処理を施しながらシリンダブロック素
材83が成形されることになる。而してろう材93a,
93bは、溶融したときの毛細管現象により各分割素材
84〜86全体に行きわたり、確実な接合に寄与する。
【0037】そこで、該シリンダブロック素材83に、
必要な穿孔加工を施した後に、熱処理を施し、さらに仕
上げ加工を施すことにより、シリンダブロックBを得る
ことができる。
【0038】次にこの実施例の作用について説明する
と、シリンダブロックBの軸線に沿って分割した複数の
分割素材84,85,86を焼結成形し、各分割素材8
4,85,86を、ろう付けしてシリンダブロック素材
83を得るので、各分割素材84〜86の焼結成形時
に、シリンダブロックBとして必要な孔、すなわちポン
プシリンダ孔17…、斜孔72,76、摺動孔60…の
一部、連通路49…、取付孔70,73,77、横孔7
1,74,75,78、ならびに各モータシリンダ孔2
8…等を同時に形成することが可能であり、したがって
シリンダブロック素材83に必要な穿孔加工工数を少な
くすることができる。しかも連通路49…および連通孔
61…等は、その横断面形状を円形としなくとも、楕円
形等に形成することも可能であり、配置スペースおよび
必要流量等に応じて自由な形状を選ぶことができる。さ
らにろう材93a,93bによる封孔処理を行なうこと
により、各分割素材84〜86が焼結成形されたもので
あるにもかかわらず、高い油密性を得ることができ、高
油圧に耐えるシリンダブロックBが得られる。
【0039】また分割素材84,85の接合により弁孔
55…の下穴88…が形成され、分割素材85,86の
接合により弁孔51…の下穴92ならびに外周環状油路
12が形成されるので、各弁孔51…,55…の穿孔加
工が容易となるとともに、外周環状油路12を形成する
ための加工が不要となり、加工工数がさらに低減され
る。
【0040】さらに分割素材84〜86の接合時には、
複数ずつのノックピン82…,87…等により相互間の
位置決めを行なうので、分割素材84〜86の周方向相
対位置を精度よく定めることができる。
【0041】図12は本発明の第2実施例を示すもので
あり、シリンダブロック素材94を、シリンダブロック
B′の軸方向に2分割した一対の分割素材95,96を
ろう付けにより接合するようにしてもよく、その際、両
分割素材95,96の分割面間には、接合時に外周環状
油路12を協働して形成するための環状凹部12a,1
2bをそれぞれ形成しておく。
【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行なうことが可能である。
【0043】たとえば、請求項2記載の発明によれば、
分割素材は、鋳造あるいは鍛造により成形されるもので
あってもよい。またポンプシリンダ孔17…群およびモ
ータシリンダ孔28…群間の軸方向1個所に分配弁を放
射状に配設するようにした静油圧式無段変速機、ならび
に各チェック弁および調圧弁を回転軸39内に配設する
ようにした静油圧式無段変速機にも本発明を適用可能で
ある。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、シリンダブロックの軸方向に分割した複数の分割素
材を焼結成形し、相互に隣接する分割素材を位置決めし
た状態で、ろう材を溶融させて各分割素材表面の封孔処
理を施しながら各分割素材の分割面相互をろう付けして
シリンダブロック素材を形成し、該シリンダブロック素
材に必要な加工を施してシリンダブロックを製造するの
で、シリンダブロックに必要な孔を各分割素材に予め形
成しておき、シリンダブロック素材を精度よく位置決め
して組立てた後に、わずかな加工を施すだけでシリンダ
ブロックを得ることが可能であり、シリンダブロックの
製造にあたっての加工工数低減を図ることができ、また
ろう材による封孔処理を施すことにより、分割面相互を
確実に接合することが可能であるとともに各分割素材が
焼結成形されたものであるにもかかわらず、油密性を高
くして高油圧に耐えるシリンダブロックを得ることがで
きる。
【0045】また請求項2記載の発明によれば、外周環
状油路および弁孔に対応する部分を少なくとも分割面と
してシリンダブロックの軸方向に分割した複数の分割素
材を準備し、外周環状油路に対応して相互に隣接する分
割素材の分割面に外周環状油路を協働して形成する環状
凹部をそれぞれ形成するとともに弁孔に対応して相互に
隣接する分割素材の分割面に弁孔の下穴を協働して形成
する凹部をそれぞれ形成しておき、相互に隣接する分割
素材を位置決めしながら各分割素材を相互に接合するこ
とによりシリンダブロック素材を形成し、該シリンダブ
ロック素材に必要な加工を施してシリンダブロックを製
造するので、外周環状油路を分割素材の接合時に同時に
形成することができるとともに、弁孔の下穴も同時に形
成することができ、シリンダブロック素材に必要な加工
工数を抑えることができ、シリンダブロック製造にあた
っての加工工数低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の静油圧式無段変速機の縦断面図で
ある。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図2の3−3線拡大断面図である。
【図4】図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】図2の5−5線拡大断面図である。
【図6】シリンダブロックの縦断面図であって図9の6
−6線に沿う断面図である。
【図7】図6の7矢視図である。
【図8】図6の8矢視図である。
【図9】図6の9−9線断面図である。
【図10】図6の10−10線断面図である。
【図11】シリンダブロック素材成形状態を示す断面図
である。
【図12】第2実施例の図6に対応したシリンダブロッ
クの断面図である。
【符号の説明】
11・・・・・・内周環状油路 12・・・・・・外周環状油路 12a,12b・・・・・・環状凹部 17・・・・・・ポンプシリンダ孔 28・・・・・・モータシリンダ孔 51,55・・・・・・弁孔 83,94・・・・・・シリンダブロック素材 84,85,86,95,96・・・・・・分割素材 88,92・・・・・・下穴 88a,88b,92a,92b・・・・・・凹部 93a,93b・・・・・・ろう材 B,B′・・・・・・シリンダブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状配列で軸方向に延びる複数のポンプ
    シリンダ孔(17)と、環状配列で軸方向に延びる複数
    のモータシリンダ孔(28)と、前記複数のポンプシリ
    ンダ孔(17)および前記複数のモータシリンダ孔(2
    8)間で同心に配置される内周環状油路(11)および
    外周環状油路(12)と、前記複数のポンプシリンダ孔
    (17)および前記複数のモータシリンダ孔(28)間
    で放射状に配置される複数の弁孔(51,55)とが設
    けられるシリンダブロック(B,B′)を備える静油圧
    式無段変速機において、シリンダブロック(B,B′)
    の軸方向に分割した複数の分割素材(84,85,8
    6;95,96)を焼結成形し、相互に隣接する分割素
    材(84,85;85,86;95,96)を位置決め
    した状態で、ろう材(93a,93b)を溶融させて各
    分割素材(84,85,86;95,96)表面の封孔
    処理を施しながら各分割素材(84,85,86;9
    5,96)の分割面相互をろう付けしてシリンダブロッ
    ク素材(83,94)を形成し、該シリンダブロック素
    材(83,94)に必要な加工を施してシリンダブロッ
    ク(B,B′)を製造することを特徴とする静油圧式無
    段変速機におけるシリンダブロックの製造方法。
  2. 【請求項2】 環状配列で軸方向に延びる複数のポンプ
    シリンダ孔(17)と、環状配列で軸方向に延びる複数
    のモータシリンダ孔(28)と、前記複数のポンプシリ
    ンダ孔(17)および前記複数のモータシリンダ孔(2
    8)間で同心に配置される内周環状油路(11)および
    外周環状油路(12)と、前記複数のポンプシリンダ孔
    (17)および前記複数のモータシリンダ孔(28)間
    で放射状に配置される複数の弁孔(51,55)とが設
    けられるシリンダブロック(B)を備える静油圧式無段
    変速機において、外周環状油路(12)および前記弁孔
    (51,55)に対応する部分を少なくとも分割面とし
    てシリンダブロック(B)の軸方向に分割した複数の分
    割素材(84,85,86)を準備し、外周環状油路
    (12)に対応して相互に隣接する分割素材(85,8
    6)の分割面に外周環状油路(12)を協働して形成す
    る環状凹部(12a,12b)をそれぞれ形成するとと
    もに弁孔(51,55)に対応して相互に隣接する分割
    素材(84,85;85,86)の分割面に弁孔(5
    1,55)の下穴(88,92)を協働して形成する凹
    部(88a,88b;92a,92b)をそれぞれ形成
    しておき、相互に隣接する分割素材(84,85;8
    5,86)を位置決めしながら各分割素材(84,8
    5,86)を相互に接合することによりシリンダブロッ
    ク素材(83)を形成し、該シリンダブロック素材(8
    3)に必要な加工を施してシリンダブロック(B)を製
    造することを特徴とする静油圧式無段変速機におけるシ
    リンダブロックの製造方法。
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WO2009096117A1 (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Komatsu Ltd. 油圧ポンプ・モータ
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