JP2618263B2 - 油圧式無段変速機 - Google Patents

油圧式無段変速機

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JP2618263B2 JP24286088A JP24286088A JP2618263B2 JP 2618263 B2 JP2618263 B2 JP 2618263B2 JP 24286088 A JP24286088 A JP 24286088A JP 24286088 A JP24286088 A JP 24286088A JP 2618263 B2 JP2618263 B2 JP 2618263B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、油圧ポンプと油圧モータとからなる油圧式
無段変速機に関し、さらに詳しくは、油圧モータの回転
駆動力を出力軸に伝達するためのギヤ部材をモータシリ
ンダに取り付けてなる形式の油圧式無段変速機に関す
る。
(従来の技術) 油圧ポンプと油圧モータとから構成される無段変速機
は従来から公知であり、種々の用途に用いられている。
1例を挙げれば、特公昭32−7159号公報、特公昭56−50
142号公報に開示されているように、定吐出量型油圧ポ
ンプを入力軸に接続し、このポンプからの吐出油を油圧
閉回路を介して可変容量型油圧モータに導き、この油圧
モータを駆動してこれに接続された出力軸の駆動を行わ
せる無段変速機がある。
このような無段変速機においては、油圧モータのモー
タシリンダの回転の出力回転として取り出すことも多
い。このため、モータシリンダに駆動ギヤを取り付け、
この駆動ギヤを出力軸に取り付けた被動ギヤと噛合さ
せ、油圧モータの回転をこれらギヤ組を介して出力軸に
伝達する構造がある。例えば、本出願人の提案による特
願昭62−264841号の構造があり、ここでは、油圧モータ
シリンダの一部を、内部に油圧閉回路を有する中空の筒
状部となし、この筒状部をモータシリンダ外径より縮径
して形成し、この縮径された筒状部外周に駆動ギヤをス
プライン結合して取り付ける構造となっている。
このような出力取り出し構造においては、駆動ギヤお
よび被動ギヤの外径をできる限り小さく抑え、これらギ
ヤ系の小型化を図り、変速機の小型・コンパクト化を図
るのが望ましい。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記構造の場合、駆動ギヤが取り付け
られる筒状部は、その内部に油圧ポンプと油圧モータと
を連結する油圧閉回路を設けているため、以下のような
問題がある。
油圧閉回路用の空間を確保しつつ、駆動ギヤ径を小さ
くすると、筒状部の肉厚が薄くなるという問題がある。
油圧閉回路内の油圧は、出力軸の負荷の増大等に応じて
かなり高圧(例えば、200〜300kg/cm2)になることがあ
り、上記筒状部の肉厚が薄いとこの高圧を受けて筒状部
が受ける応力が過大となり、この部分が歪んだりすると
いう問題がある。
なお、筒状部の外径に駆動ギヤを一体に形成すれば、
筒状部の肉厚を厚くすることが可能と考えられるのであ
るが、この場合には、モータシリンダと一体にギヤを形
成することになり、モータシリンダの成形・加工が難し
くなるという問題があり、さらに、モータシリンダの筒
状部より大きな径を有する部分が歯切加工(例えば、ホ
ブ加工)の妨げとなり、駆動ギヤの歯幅を充分に確保す
るのが難しいという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑み、上記のような出力
伝達用のギヤ系の小型化・軽量化を図りながら、駆動ギ
ヤが取り付けられる筒状部の強度・剛性を向上させるこ
とがきるような構造の油圧式無段変速機を提供すること
を目的とする。
ロ.発明の構成 (課題を解決するための手段) 上記目的達成のための手段として、本発明の油圧式無
段変速機においては、油圧モータのシリンダに、そのシ
リンダ外径より縮径され、且つ内部に油圧閉回路を構成
する油路が設けられる中空の筒状部を一体に形成し、こ
の筒状部の外周に、油圧モータの回転駆動力を出力軸に
伝達するためのギヤ部材を圧入・固設している。
(作用) 上記構成の油圧式無段変速機によれば、筒状部の外周
にギヤ部材を圧入・固設することにより、筒状部とギヤ
部材とが一体化されるとともに、筒状部に予め外側から
径方向内方への圧縮力が付与される。このため、筒状部
が強化され、内部に設けられた油圧閉回路内の油圧が高
圧になったとしても、この部分の歪み・応力が過大にな
ることがない。このため、筒状部の肉厚は薄くすること
が可能であり、駆動ギヤ径も小さくすることが可能とな
る。さらに、この駆動ギヤの歯切りは圧入前になされる
ので、歯切加工の問題が生ずることがなく、その歯幅を
ギヤ部材の幅まで最大限拡げることができる。
(実施例) 以下、図面に基づいて、本発明の好ましい実施例につ
いて説明する。
第1図は本発明を適用した無段変速機の油圧回路図で
あり、この図において、無段変速機Tは、入力軸1を介
してエンジンEにより駆動される定吐出量型斜板アキシ
ャルプランジャ式油圧ポンプPと、前後進切換装置20を
介して車輪(図示せず)を駆動する可変容量型斜板アキ
シャルプランジャ式油圧モータMとを有している。これ
ら油圧ポンプPおよび油圧モータMは、ポンプPの吐出
口およびモータMの吸入口を連通させる第1油路Laとポ
ンプPの吸入口およびモータMの吐出口を通過させる第
2油路Lbとの2本の油路により油圧閉回路を構成して連
結されている。これら2本の油路LaおよびLbのうち第1
油路Laは、エンジンEによりポンプPが駆動されこのポ
ンプPからの油圧によりモータMが介て駆動されて車輪
の駆動がなされるとき、すなわちエンジンEにより無段
変速機Tを介して車輪が駆動されるときに、高圧となり
(なおこのとき第2油路Lbは低圧である)、一方、第2
油路Lbは車両の減速時等のように車輪から駆動力を受け
てエンジンブレーキが作用する状態のときに高圧となる
(このとき、第1油路Laは低圧である)。
この第1油路La内には、この油路Laを断続可能な直結
クラッチ弁DCが配設されている。
一対のギヤ組9a,9bを介してエンジンEにより駆動さ
れるチャージポンプ10の吐出口が、チェックバルブ15を
有するチャージ油路Lhおよび一対のチェックバルブ3,3
を有する第3油路Lcを介して閉回路に接続されている。
チャージポンプ10によりオイルサンプ17から汲み上げら
れチャージ圧リリーフバルブ16により調圧された作動油
は、チェックバルブ3,3の作用により上記2本の油路La,
Lbのうちの低圧側の油路に供給される。
このチャージポンプ10と同軸上にガバナバルブ8が取
り付けられている。このガバナバルブ8には図示しない
制御バルブから所定圧の作動油が供給され、ガバナバル
ブ8はこの作動油の圧をエンジンEの回転速度に対応し
たガバナ油圧に変換する。なお、この図ではガバナバル
ブ8に繋がる入出力油路の表示は省略している。
シャトルバルブ4を有する第4油路Ldが上記閉回路に
接続されている。このシャトルバルブ4には、高圧およ
び低圧リリーフバルブ6,7を有してオイルサンプ17に繋
がる第5および第6油路Le,Lfが接続されている。シャ
トルバルブ4は、2ポート3位置切換弁であり、第1お
よび第2油路La,Lbの油圧差に応じて作動し、第1およ
び第2油路La,Lbのうち高圧側の油路を第5油路Leに連
通させるとともに低圧側の油路を第6油路Lfに連通させ
る。これにより高圧側の油路のリリーフ油圧は高圧リリ
ーフバルブ6により調圧され、低圧側の油路のリリーフ
油圧は低圧リリーフバルブ7により調圧される。
第1および第2油路La,Lb間には、両油路を短絡する
第7油路Lgも設けられており、この第7油路Lgにはこの
油路の開度を制御する可変絞り弁からなるメインクラッ
チ弁CLが配設されている。
油圧モータMの回転軸2と平行に出力軸28が配置され
ており、両軸2,28間に前後進切換装置20が設けられる。
この装置20は回転軸2上に軸方向に間隔を有して配され
た第1および第2駆動ギヤ21,22と、出力軸28に回転自
在に支承されるとともに第1駆動ギヤ21に噛合する第1
被動ギヤ23と、中間ギヤ24を介して第2駆動ギヤ22に噛
合するとともに出力軸28に回転自在に支承された第2被
動ギヤ25と、第1および第2被動ギヤ23,25間で出力軸2
8に固設されるクラッチハブ26と、軸方向に滑動可能で
ありクラッチハブ26と前記両被動ギヤ23,25の側面にそ
れぞれ形成されたクラッチギヤ23aもしくは25aとを選択
的に連結するスリーブ27とを備え、このスリーブ27はシ
フトフォーク29により左右に移動される。なお、この前
後進切換装置20の具体的構造は第2図に示す。この前後
進切換装置20においては、スリーブ27がシフトフォーク
29により図中左方向に滑動されて図示の如く第1被動ギ
ヤ23のクラッチギヤ23aとクラッチハブ26とが連結され
ている状態では、出力軸28が回転軸2と逆方向に回転さ
れ、車輪が無段変速機Tの駆動に伴い前進方向に回転さ
れる。一方、スリーブ27がシフトフォーク29により右に
滑動されて第2被動ギヤ25のクラッチギヤ25aとクラッ
チハブ26とが連結されている状態では、出力軸28は回転
軸2と同方向に回転され、車輪は後進方向に回転され
る。
次に、上記無段変速機Tの具体的な構造を第2図を用
いて簡単に説明する。
この無段変速機Tは、第1〜第4ケース5a〜5dにより
囲まれた空間内に油圧ポンプPおよび油圧モータMが同
芯に配設されて構成されている。油圧ポンプPの入力軸
1はカップリング1aを介してエンジンEの出力軸Esと結
合されている。このカップリング1aの内周側に遠心フィ
ルタ50が配設されている。
また、上記入力軸1上には駆動ギヤ9aがスプラインに
より結合配設され、この駆動ギヤ9aに被動ギヤ9bが噛合
している。被動ギヤ9bはチャージポンプ10の駆動軸11と
同軸に結合しており、エンジンEの回転は上記一対のギ
ヤ9a,9bを介してチャージポンプ10の駆動軸11に伝達さ
れ、チャージポンプ10が駆動される。この駆動軸11はチ
ャージポンプ10を貫通してギヤ9bと反対側に突出し、ガ
バナバルブ8にも連結されている。このため、エンジン
Eの回転はこのガバナバルブ8にも伝達され、ガバナバ
ルブ8により、エンジンEの回転に対応したガバナ油圧
が作られる。
油圧ポンプPは、入力軸1にスプライン結合されたポ
ンプシリンダ60と、このポンプシリンダ60に円周上等間
隔に形成された複数のシリンダ孔61に摺合した複数のポ
ンププランジャ62とを有してなり、入力軸1を介して伝
達されるエンジンEの動力により回転駆動される。
油圧モータMは、ポンプシリンダ60を外囲して設けら
れたモータシリンダ70と、モータシリンダ70に円周上等
間隔に形成された複数のシリンダ孔71に摺合した複数の
モータプランジャ72とから構成されており、ポンプシリ
ンダ60と同芯上にて相対回転可能なようになっている。
モータシリンダ70は、軸方向に並んで一体に結合され
た第1〜第4の部分70a〜70dにより構成される。第1の
部分70aはその左端外周においてベアリング79aを介して
ケース5bにより回転自在に支持されるとともに、右側内
側面は入力軸1に対して傾斜してポンプ斜板部材を構成
しており、このポンプ斜板部材上にポンプ斜板リング63
が設けられている。第2の部分70bには前記複数のシリ
ンダ孔71が形成され、第3の部分70cは各シリンダ孔61,
71への油路が形成された分配盤80を有する。第4の部分
70dには、前記第1および第2駆動ギヤ21,22を有するギ
ヤ部材GMが圧入されるとともに、ベアリング79bを介し
てケース5cにより回転自在に支持されている。
上記ポンプ斜板リング63上には、円環状のポンプシュ
ー64が回転滑動自在に取り付けられ、このポンプシュー
64とポンププランジャ62とが連接桿65を介してある程度
首振り自在に連結されている。ポンプシュー64とポンプ
シリンダ60には互いに噛合する傘歯車68a,68bが形成さ
れている。このため、入力軸1からポンプシリンダ60を
回転駆動するとポンプシュー64も同一回転駆動され、ポ
ンプ斜板リング63の傾斜に応じてポンププランジャ62は
往復動され、吸入口からのオイルの吸入および吐出口へ
のオイルの吐出がなされる。
また、各モータプランジャ72に対向する斜板部材73
が、その両外端から紙面に直角な方向に突出する一対の
トラニオン軸(揺動軸)73aを介して第2ケース5bによ
り揺動自在に支承されている。この斜板部材73のモータ
プランジャ72に対向する面上にはモータ斜板リング73b
が配設され、このモータ斜板リング73b上に滑接してモ
ータシュー74が取り付けられている。モータシュー74
は、各モータプランジャ72の端部に首振り自在に連結さ
れている。この斜板部材73は、そのトラニオン軸73aか
ら離れた位置で、リンク部材39を介して変速用サーボユ
ニット30のピストンロッド33と連結されており、変速用
サーボユニット30により、ピストンロッド33が軸方向に
移動されると、斜板部材73はトラニオン軸73aを中心に
揺動されるようになっている。
モータシリンダ70の第4の部分70dは中空に形成され
ており、その中心部に、配圧盤18に固定された固定軸91
が挿入されている。この固定軸91の左端には分配環92が
液密に嵌着されており、この分配環92の軸線方向左端面
が偏心して分配盤80に摺接し得るようにされている。こ
の分配環92により、第4の部分70d内に形成された中空
部が、内側油室と外側油室とに区画され、内側油室が第
1油路Laを構成し、外側油室が第2油路Lbを構成する。
なお、上記配圧盤18は、シャフトバルブ4、高圧および
低圧リリーフバルブ6,7等を有しており、第3ケース5c
の右側面に取り付けられるとともに、第4ケース5dによ
り覆われている。
この分配盤80および第4の部分70d内の詳細構造を第
3図に示しており、以下、第3図も参照して説明する。
分配盤80には、ポンプ吐出ポート81aおよびポンプ吸
入ポート82aが穿設されており、その吐出ポート81aおよ
びこれに繋がる吐出路81bを介して、吐出行程にあるポ
ンププランジャ62のシリンダ孔61と内側油室からなる第
1油路Laとが連通され、また、ポンプ吸入ポート82aお
よびこれに繋がる吸入路82bを介して、吸入行程にある
ポンププランジャ62のシリンダ孔61と外側油室からなる
第2油路Lbが連通される。さらに、分配盤80には各モー
タプランジャ72のシリンダ孔(シリンダ室)71に連通す
る連絡路83が形成されており、この連絡路83の開口が、
分配環92の作用により、モータシリンダ70の回転に応じ
て第1油路Laもしくは第2油路Lbと連通される。このた
め、膨張行程にあるモータプランジャ72のシリンダ孔71
と第1油路Laとが、収縮行程にあるモータプランジャ72
のシリンダ孔71と第2油路Lbとがそれぞれ連絡路83を介
して連通される。
このようにして、油圧ポンプPと油圧モータMとの間
には、分配盤80および分配環92を介して油圧閉回路が形
成されている。したがって、入力軸1よりポンプシリン
ダ60の駆動すると、ポンププランジャ62の吐出行程によ
り生成された高圧の作動油が、ポンプ吐出ポート81aか
らポンプ吐出路81b、第1油路La(内側油室)およびこ
れと連通状態にある連絡路83を経て膨張行程にあるモー
タプランジャ72のシリンダ孔71に流入して、そのモータ
プランジャ72に推力を与える。一方、収縮行程にあるモ
ータプランジャ72により排出される作動油は、第2油路
Lb(外側油室)に連通す連絡路83、ポンプ吸入路82bお
よびポンプ吸入ポート82aを介して吸入行程にあるポン
ププランジャ62のシリンダ孔61に流入する。
このような作動油の循環により、吐出行程のポンププ
ランジャ62がポンプ斜板リング63を介してモータシリン
ダ70に与える反動トルクと、膨張行程のモータプランジ
ャ72がモータ斜板部材73から受ける反動トルクとの和に
よって、モータシリンダ70が回転駆動される。
ポンプシリンダ60に対するモータシリンダ70の変速比
は次式によってあたえられる。
上式からわかるように、変速用サーボユニット30によ
り斜板部材73を揺動させ、油圧モータMを容量を0から
ある値に変えれば、変速比を1(最小値)からある必要
な値(最大値)にまで変えることができる。
一方、前述のように、モータシリンダ70の第4の部分
70dには、第1および第2駆動キヤ21,22を有するギヤ部
材GMが圧入固設されている。このため、モータシリンダ
70の回転駆動力は、前後進切換装置20を介して出力軸28
に伝達される。この出力軸28は、ファィナルギヤ組28a,
28bを介してディファレンシャル装置100に繋がってお
り、出力軸28の回転駆動力はディファレンシャル装置10
0に伝達される。そして、ディファレンシャル装置100に
より左右のドライブシャフト105,106に分割された回転
駆動力は、左右の車輪(図示せず)に伝達され、車両の
駆動がなされる。
なお、第4の部分70dの中空部内に挿入された固定軸9
1内には、第1油路Laと第2油路Lbとの短絡路を形成す
るとともにこの短絡路を全閉から全開まで制御可能なメ
インクラッチ弁CL、および第1油路Laを断続制御可能な
直結クラッチ弁DCが配設される。
まず、メインクラッチ弁CLについて説明する。固定軸
91の周壁には、第1油路Laと第2油路Lbとを連通し得る
短絡ポート91aが穿設されており、この固定軸91の中空
部に円筒状のメインクラッチ弁体95が挿入されている。
この弁体95は固定軸91に対して相対回転自在であり、上
記短絡ポート91aに整合し得る短絡孔95aが穿設されてい
る。この弁体95の右端に形成されたアーム95aを回動操
作することにより、弁体95を回動させて短絡ポート91a
と短絡孔95aとの整合(重なり)量を調整できるように
なっている。この整合部の大きさが第1油路Laと第2油
路Lbとの短絡通路の開度となり、このため、弁体95の回
動制御により、上記短絡通路の開度を全開から全閉まで
制御することができる。短絡通路の開度が全開であれ
ば、ポンプ吐出ポート81aから第1油路Laに吐出された
作動油は、短絡ポート91aおよび短絡孔95aから直接第2
油路Lbに流入するとともにポンプ吸入ポート82aに流入
するので、油圧モータMが不作動となり、クラッチOFF
の状態となる。当然ながら、逆に、短絡通路の開度が全
閉であれば、クラッチON状態が実現する。
このメインクラッチ弁体95の中空部内に、直結クラッ
チ弁DCが配設される。この直径クラッチ弁DCは、上記弁
体95内に軸方向に移動自在に桿入されたピストン軸85
と、このピストン軸85の先端に取り付けられたシュー86
と、ピストン軸85内に挿入されたパイロットスプール84
とから構成され、パイロットスプール84を軸方向に移動
させることにより、油路La内から図示の油室87a,87bへ
の油圧供給制御を行って、ピストン軸85をこれに追従さ
せて軸方向に移動させることができるようになってい
る。このため、パイロットスプール84を左動させて、ピ
ストン軸85を左動させて、その先端のシュー86により分
配盤80の端面に開口するポンプの吐出路を塞ぎ、第1油
路Laを遮断することができるようになっている。このよ
うにポンプ吐出路を閉塞した状態では、ポンププランジ
ャ62が油圧的にロックされ、油圧ポンプPと油圧モータ
Mとが直結状態となる。
なお、この直結状態は、モータMの斜板部材73を直立
にした変速比最小の位置、すなわち、トップ位置にて行
われるもので、直結させることにより入力軸1から出力
軸2への動力伝達効率を向上するとともに、モータプラ
ンジャ72が斜板部材73に及ぼす推力を低減させて、摩擦
抵抗の減少および軸受等に加わる負荷の軽減を図ること
ができる。
次に、モータシリンダ70へのギヤ部材GMの取付構造に
ついて説明する。
モータシリンダ70の第4の部分70dは、モータシリン
ダ外径と同一外径のフランジ部110と、このフランジ部1
10よりも小径に形成された中空の第1筒状部111と、こ
の第1筒状部111よりも小径で中空の第2筒状部112とが
一体的に形成されている。フランジ部110は各シリンダ
孔71の頂部を構成し、第1筒状部111内は第1油路La
(内側油室)および第2油路Lb(外側油室)となってお
り、第2筒状部112はベアリング79bを介して第3ケース
5cにより回転自在に支持されている。そして、第1およ
び第2駆動ギヤ21,22を有するギヤ部材GMが、第1筒状
部111の外周に圧入固設されている。なお、ギヤ部材GM
の一端面はフランジ部110に当接され、他端内周部は第
1筒状部111に溶接113により固着されている。また、フ
ランジ部110はギヤ部材GMの外周よりも外側位置で複数
本のボルト114によりモータシリンダ70の第3の部分70c
に結合されている。
上述したギヤ部材GMの取付構造によれば、第1筒状部
111の外周にギヤ部材GMを圧入固設することにより、第
1筒状部111とギヤ部材GMが一体化されるとともに、第
1筒状部111に予め外側から径方向内方への圧縮力が付
与される。このため、第1筒状部111が極めて強固にな
る上に、第1および第2油路La,Lbの高圧(本例では、
減速時に第2油路Lbが高圧となる)により第1筒状部11
1に内側から膨張力が加わっても、上記予圧縮力により
第1筒状部111の内部応力が高くなるのが防止される。
従って、第1筒状部111の強度および剛性が向上する。
また、各シリンダ孔71内の高圧油によりフランジ部110
にギヤ部材GMの一端面を当接させているので、上記膨張
力がギヤ部材GMにより受け止められ、フランジ部110の
軸方向の歪みも防止される。
そして、第1筒状部111の強度向上のために、第1筒
状部111の肉厚を厚くしたり段付きにしたりする必要が
ないので、第1筒状部111の外径を小さく抑えることが
でき、歯外径の小さなギヤ部材GMが用いられている。こ
れにより、ギヤ系全体の小型化および軽量化が図られて
いる。
しかも、圧入前のギヤ部材GM自体は第1筒状部111と
は別体であるから、ギヤ部材GMに形成されるギヤ21,22
の歯幅をギヤ部材GMの幅を最大限利用するように拡げる
ことができ、充分な歯幅を確保することができる。
なお、フランジ部110がギヤ部材GMの外周よりも外側
位置で複数本のボルト114によりモータシリンダ70の第
3の部分70cに結合されているので、第1筒状部111にギ
ヤ部材GMが圧入されていても、モータシリンダ70の第4
の部分70dの組付けおよび分解は何ら支障なく行うこと
ができる。
ハ.発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、油圧モータの
回転駆動力を出力軸に伝達するためのギヤ部材が、油圧
閉回路の油路を有する小径の筒状部の外周に圧入固設さ
れているので、この筒状部の強度・剛性が高められ、油
路内の高圧により筒状部に内側から膨張力が加わって
も、この部分の内部応力および歪みが過大となることが
ない。
このようにすると、筒状部の強度・剛性を向上させる
ために、筒状部の肉厚を厚くしたり、段付きにしたりす
る必要がないので、歯外径の小さなギヤ部材を用いるこ
とができ、ギヤ系全体の小型化、軽量化を図ることがで
きる。
しかも、ギヤ部材でのギヤ歯切りはこれを圧入する前
に行えばよいので、ギヤ部材の幅をいっぱいに利用して
ギヤの歯切りが行え、充分な歯幅を確保することが容易
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した油圧式無段変速機の油圧回路
図、 第2図は上記無段変速機の断面図、 第3図は上記無段変速機の一部を拡大して示す断面図で
ある。 21,22……駆動ギヤ、23,25……被動ギヤ 60……ポンプシリンダ、70……モータシリンダ 80……分配盤、91……固定軸 111,112……筒状部、GM……ギヤ部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸に接続された油圧ポンプと出力軸に
    接続された油圧モータとを油圧閉回路を介して連結し、
    前記油圧ポンプからの油圧力により前記油圧モータを駆
    動して前記出力軸の駆動を行わせる油圧式無段変速機に
    おいて、 前記油圧モータのモータシリンダに、このモータシリン
    ダの外径よりも縮径され且つその内部に前記油圧閉回路
    の油路が形成される中空の筒状部を設け、前記油圧モー
    タの回転駆動力を前記出力軸に伝達するためのギヤ部材
    を、前記筒状部の外周に圧入・固設したことを特徴とす
    る油圧式無段変速機。
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