JPH0960706A - 斜板式油圧作動装置 - Google Patents

斜板式油圧作動装置

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JPH0960706A
JPH0960706A JP21337195A JP21337195A JPH0960706A JP H0960706 A JPH0960706 A JP H0960706A JP 21337195 A JP21337195 A JP 21337195A JP 21337195 A JP21337195 A JP 21337195A JP H0960706 A JPH0960706 A JP H0960706A
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芳浩 中島
Mutsumi Katayama
睦 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜板式油圧ポンプ又は油圧モータにおいて、
プランジャからの大なる推力によるも油膜切れを生じる
ことなく、斜板及び斜板ホルダの回転摺動面間の良好な
潤滑状態を確保する。 【解決手段】 斜板10,20の、支持孔11,21底
面に対向する背面に複数条の放射状第1油溝26を、ま
た斜板10,20の支持孔11,21内周面に対向する
外周面に第1油溝26に連通して軸方向に延びる複数条
の第2油溝27をそれぞれ刻設し、この第2油溝27の
終端を前記外周面の軸方向中間部で閉じ、斜板の回転に
伴う遠心力をもって第1油溝26から第2油溝27に油
を供給することにより、油溝26,27に静油圧を発生
させ、また斜板10,20及び斜板ホルダ12,22の
相対回転時には各油溝26,27を横断するように油が
流れて該油溝の一方の開放側端で動油圧を発生させ、こ
れら油圧により斜板10,20を支承する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静油圧式無段変速
機の油圧ポンプや油圧モータに適用される斜板式油圧作
動装置に関し、特に、ケーシングに回転自在に支持され
るシリンダと、このシリンダに摺動自在に嵌合して、そ
の端面から一端を突出させる環状配列の複数のプランジ
ャと、これらプランジャの一端に前面を当接させるリン
グ状の斜板と、この斜板の背面及び外周面を回転自在に
支承する斜板ホルダとを備えたものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かゝる油圧作動装置において、実
開平4−75265号公報に開示されているように、斜
板及び斜板ホルダ相互のスラスト、ラジアル両方向の回
転摺動面を効果的に潤滑するために、斜板の背面には、
両端が該斜板の内、外周面に開口する第1油溝を、また
斜板の外周面には、両端が該斜板の軸方向両端面に開口
する第2油溝をそれぞれ設けることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような油溝構造
は、第1及び第2油溝に可及的多量の潤滑油を流通させ
ることにより、前記回転摺動面の潤滑効果を高めようと
したものであって、各油溝の圧力は比較的低いものであ
る。
【0004】このため、高出力を発揮すべくシリンダ内
の油圧を大きく増大させた場合には、それに伴うプラン
ジャ推力の増大により斜板及び斜板ホルダ相互の回転摺
動面の面圧も大きく増大し、油膜切れを生じる懸念があ
る。
【0005】本発明は、かゝる点に鑑みてなされたもの
で、プランジャの大なる推力によるも、斜板及び斜板ホ
ルダ相互の回転摺動面に油膜切れを生じることなく、そ
れらの相対回転を常にスムーズに行い得る前記斜板式油
圧作動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、リング状の斜板の背面に、その内、外周
面間を連通する複数条の第1油溝を、また該斜板の外周
面に、一端が第1油溝に連通すると共に他端が該外周面
の軸方向中間部で閉じた複数条の第2油溝とを設け、第
1油溝の内端から潤滑油を導入するようにしたことを第
1の特徴とする。
【0007】また本発明は、上記特徴に加えて、斜板及
び斜板ホルダ間にそれらの内周側からそれらの軸方向対
向面間に食込むような断面楔形の環状油溜を形成し、こ
の油溜の先鋭部に第1油溝の内端を開口させたことを第
2の特徴とする。
【0008】さらに本発明は、第1又は第2の特徴に加
え、第1及び第2油溝を、それぞれの入口が斜板の斜板
ホルダに対する回転方向に向って開口するように傾斜さ
せたことを第3の特徴とする。
【0009】さらにまた本発明は、第1,第2又は第3
の特徴に加えて、斜板及び斜板ホルダ間に、斜板の周方
向に隣接する油溝相互を連通する環状油路を設けたこと
を第4の特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】先ず、図1において、自動二輪車のパワー
ユニットUは、エンジンEと静油圧式無段変速機Tとか
ら構成されており、エンジンEのクランク軸1及び無段
変速機Tは共通のケーシング4に収容され、支持され
る。無段変速機Tは、その入力筒軸5及び出力軸31を
クランク軸1と平行にしてケーシング内に配置される。
またクランク軸1は1次減速装置2を介して入力筒軸5
に連結され、出力軸31は2次減速装置3を介して自動
二輪車の図示しない後輪に連結される。
【0012】図1及び図2に示すように、無段変速機T
は、本発明に係る2つの斜板式油圧作動装置、即ち定容
量型の斜板式油圧ポンプPと、可変容量型の斜板式油圧
モータMとから構成される。
【0013】斜板式油圧ポンプPは、一次減速装置2の
出力スプロケット2aを備えた入力筒軸5と、この入力
筒軸5内に相対回転自在に配置されるポンプシリンダ7
と、該ポンプシリンダ7にその回転軸線を囲むように環
状配列で設けられた複数かつ奇数のシリンダ孔8,8…
にそれぞれ摺動自在に嵌合される複数のポンププランジ
ャ9,9…と、各ポンププランジャ9,9…の一端に前
面を係合、当接させるポンプ斜板10と、このポンプ斜
板10をポンプシリンダ7の軸線と直交する仮想トラニ
オン軸線O1 を中心にしてポンプシリンダ7の軸線に対
し一定角度傾斜させた状態に保持すべく該斜板10を支
承するポンプ斜板ホルダ12とから構成される。而して
入力筒軸5の内周壁とポンプシリンダ7の外壁との間に
はボールベアリング6が介設される。またポンプ斜板ホ
ルダ12は入力筒軸5と一体に形成されている。
【0014】ポンプ斜板10はリング状に形成されるも
のであり、ポンプ斜板ホルダ12には、該ポンプ斜板1
0をポンプシリンダ7に対向させて支承すべく、ポンプ
斜板10を相対回転自在に嵌合させる有底円筒状の支持
孔11が設けられる。
【0015】ポンプ斜板10のポンプシリンダ7に対向
する前面は、シリンダ孔8,8…との対応位置に球状凹
部10a,10a…が設けられる。一方、各ポンププラ
ンジャ9は、対応するシリンダ孔8から突出した一端部
9aが球状に形成され、この球状端部9aが対応する前
記球状凹部10aに係合、当接する。
【0016】球状凹部10aは、球状端部9aの半径よ
り大なる半径をもって形成されていて、如何なる位置に
おいても球状端部9aとの係合状態を確保し得るように
なっている。
【0017】このような油圧ポンプPにおいて、入力筒
軸5の回転作動に応じてポンプ斜板10は各ポンププラ
ンジャ9,9…に往復動を与え、それにより吸入および
吐出行程が繰り返される。
【0018】油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸
上で図2の左方に配置されるモータシリンダ17と、該
モータシリンダ17にその回転軸線を囲むように環状配
列で設けられたシリンダ孔18,18…にそれぞれ摺動
可能に嵌合される複数のモータプランジャ19,19…
と、各モータプランジャ19,19…の一端に前面を係
合、当接させるモータ斜板20と、このモータ斜板20
を保持するモータ斜板ホルダ22と、該モータ斜板ホル
ダ22の背面を支承するモータ斜板アンカ23とから構
成される。前記シリンダ孔18,18…は油圧ポンプP
におけるシリンダ孔8,8…と同数の奇数個がモータシ
リンダ17に穿設される。また相互に当接するモータ斜
板ホルダ22およびモータ斜板アンカ23の対向当接面
22a,23aは、モータシリンダ17の軸線とトラニ
オン軸線O2 との交点を中心とする球面状に形成され
る。しかもモータ斜板ホルダ22は、モータシリンダ1
7の回転軸線と直交する前記トラニオン軸線O2 上に配
置される一対の半円筒状トラニオン軸22b,22bを
一体に備え、これらのトラニオン軸22b,22bはモ
ータ斜板アンカ23の両端部に形成された一対の半円筒
状凹部23b,23bに軸線まわりの回動を可能として
それぞれ嵌合される。
【0019】モータ斜板アンカ23のモータシリンダ1
7側端部には筒状のシリンダホルダ24が一体に連設さ
れ、このシリンダホルダ24とモータシリンダ17の外
周との間にはボールベアリング25が介設される。
【0020】モータ斜板20はリング状に形成される。
またモータ斜板ホルダ22には、モータ斜板20を相対
回転自在に嵌合支承する有底円筒状の支持孔21が設け
られる。
【0021】モータ斜板20のモータシリンダ17に対
向する前面には、各シリンダ孔18,18…との対応位
置に球状凹部20a,20a…がそれぞれ設けられる。
一方、各モータプランジャ19は、対応するシリンダ孔
18から突出した一端部19aが球状に形成され、この
球状端部19aが対応する前記球状凹部20aに係合、
当接する。
【0022】この場合も球状凹部20aは、球状端部1
9aの半径より大なる半径をもって形成されていて、如
何なる位置においても球状端部19aとの係合状態を確
保し得るようになっている。
【0023】図2ないし図4に示すように、油圧ポンプ
P及び油圧モータMの各斜板10,20には、斜板ホル
ダ12,22の支持孔11,21の底面に対向する背面
に放射状に延びる複数条の第1油溝26,26…が穿設
されると共に、支持孔11,21の内周面に対向する外
周面に軸方向に延びる複数条の第2油溝27,27…が
刻設される。各第1油溝26は、斜板10,20の内周
面及び外周面間を連通するように、内外両端を開放して
おり、各第2油溝27は、上記第1油溝26の外端から
始まって、斜板10,20の外周面の軸方向中間部で終
端を閉じている。
【0024】また、斜板10,20の背面及び外周面に
より形成される角部には面取りが施され、これにより支
持孔11,21内において該角部周りに環状油路28が
形成される。この環状油路28は、斜板10,20の周
方向に隣接する第1,第2油溝26,26…、27,2
7…がそれぞれ相互に連通される。
【0025】尚、このような環状油路28を設けた場合
には、第1及び第2油溝26,27相互を図示例のよう
に直接接続する必要はなく、例えば両油溝26,27の
位相をずらせたり、それぞれの条数を変えたりすること
ができる。
【0026】さらに、斜板10,20内周面の背面側半
部はテーパ面29に形成され、このテーパ面29は、支
持孔11,21の底面と協働して、斜板10,20の背
面と支持孔11,21の底面との当接部に食込むような
断面楔形の環状油溜30が画成される。
【0027】モータ斜板20は、図1に示すように、パ
ルスモータ80により減速歯車列78およびボールねじ
機構79を介してトラニオン軸線O2 まわりにモータ斜
板ホルダ22が回動せしめられることにより、モータシ
リンダ17の軸線に対し直角となる直立位置と、或る角
度で傾倒する最大傾斜位置との間で作動するものであ
り、その傾斜状態では、モータシリンダ17の回転に伴
いモータプランジャ19,19…に往復動を与えて膨脹
および収縮行程を繰り返させることができる。
【0028】ポンプシリンダ7およびモータシリンダ1
7は相互に一体に結合されてシリンダブロックBを構成
するものであり、このシリンダブロックBには、同軸の
出力軸31および軸32が一体に設けられる。すなわち
シリンダブロックBにおけるモータシリンダ17のモー
タ斜板20に対向する部分の中心部から出力軸31が一
体に突設され、前記シリンダブロックBにおけるポンプ
シリンダ7のポンプ斜板10に対向する部分の中心部か
ら前記出力軸31と同軸にして軸32が一体に突設され
る。
【0029】軸32はポンプ斜板10およびポンプ斜板
ホルダ12を貫通するものであり、アンギュラコンタク
トボールベアリング33を介してポンプ斜板ホルダ12
の端部を支承するためのフランジ34が、軸32の端部
に固定される。またポンプ斜板ホルダ12とケーシング
4との間にはボールベアリング35が介設される。
【0030】出力軸31は、モータ斜板20、モータ斜
板ホルダ22およびモータ斜板アンカ23を貫通するよ
うに延びており、モータ斜板アンカ23よりも軸方向外
方側で出力軸31の外周には、支持筒39がスプライン
37を介して結合されるとともに二つ割コッタ38で固
着され、支持筒39とモータ斜板アンカ23との間に
は、モータ斜板アンカ23側からリテーナ40およびス
ラストローラベアリング41が順次介装され、ケーシン
グ4および支持筒39間にはオイルシール43が介装さ
れる。また出力軸31は、ニードルベアリング42およ
び前記リテーナ40を介してモータ斜板アンカ23に回
転自在に支承される。さらに前記2次減速装置3の入力
スプロケット3aは支持筒39を介して出力軸31に取
付けられる。
【0031】シリンダブロックBには、その軸32側か
ら出力軸31側に向けて順に、第1孔44と、第1孔4
4よりも小径の第2孔45と、第2孔45よりも小径の
第3孔46と、第3孔46よりも小径の第4孔47とが
シリンダブロックBの回転軸線と同軸に設けられてお
り、それらの孔44〜47は中心油路95を形成する。
またポンプシリンダ7のシリンダ孔8,8…群とモータ
シリンダ17のシリンダ孔18,18…群との間におい
て第2孔45の内面には環状溝48が設けられ、該環状
溝48に対応する部分でシリンダブロックBの外周には
環状溝49が設けられる。
【0032】第4孔47の開放端はねじ栓51で閉塞さ
れる。また第2孔45には弁筒102が圧入、固定され
ており、この弁筒102の外周と前記環状溝48とによ
り、シリンダブロックBの回転軸線を中心とする環状の
内側油路52が形成される。またシリンダブロックBの
外周には、環状溝49を覆うようにしてリング体54が
嵌挿されており、このリング体54はシリンダブロック
Bにろう付け溶接される。これにより、シリンダブロッ
クBおよびリング体54間には、前記内側油路52と同
心の外側油路53が環状に形成されることになる。
【0033】図2,図5及び図6に示すように、ポンプ
シリンダ7のシリンダ孔8,8…群とモータシリンダ1
7のシリンダ孔18,18…群との間におけるシリンダ
ブロックBの内側油路52および外側油路53間の環状
隔壁、ならびに外側油路53の外周壁すなわちリング体
54を放射状に貫通するようにして、前記シリンダ孔
8,8…と同数の第1,第2,第3弁孔55…,56
…,57…が設けられる。しかも第1弁孔55…はシリ
ンダ孔8,8…群側に配置され、第2および第3弁孔5
6,56…;57,57…は、シリンダ孔18,18…
群側でシリンダブロックBの周方向に交互に配置され
る。
【0034】またシリンダブロックBには、その軸線に
沿って隣接するシリンダ孔8,8…および第1弁孔5
5,55…を相互に連通する複数のポンプポート58,
58…と、軸線に沿って隣接するシリンダ孔18,18
…および第2弁孔56,56…を相互に連通する複数の
モータポート59,59…とが穿設される。
【0035】前記第1弁孔55,55…にはスプール型
の第1分配弁60,60…が、また前記第2弁孔56,
56…には同じくスプール型の第2分配弁61,61…
が、さらに前記第3弁孔57,57…には同じくスプー
ル型のクラッチ弁62,62…がそれぞれ摺動自在に嵌
合される。そして、第1分配弁60,60…の外端に設
けられた頭部68は、それらを囲む第1偏心輪63の内
面にそれぞれ摺接され、また第2分配弁61,61…の
外端に設けられた頭部86およびクラッチ弁62,62
…の外端に設けられた頭部93は、それらを囲む第2偏
心輪64の内面に固着されたリング状の摺接部材64a
に摺接される。しかも上記摺接状態を強制するために、
第1分配弁60,60…の外端部は第1偏心輪63と同
心関係の第1強制輪65により相互に連結され、また第
2分配弁61,61…およびクラッチ弁62,62…の
外端部は第2偏心輪64,64…と同心関係にある第2
強制輪66により相互に連結される。
【0036】第1偏心輪63は入力筒軸5に一体に設け
られるものであり、図5に示すように仮想トラニオン軸
線O1 に沿ってシリンダブロックBの中心から所定距離
ε1だけ偏心して配置される。また第2偏心輪64は、
出力軸31と平行な枢軸70を介して前記シリンダホル
ダ24に揺動可能に連結されるものであり、図6で示す
クラッチオン位置nとクラッチオフ位置fとの間で揺動
可能である。
【0037】ここで第1分配弁60、第2分配弁61及
びクラッチ弁62の作用について説明すると、入力筒軸
5とポンプシリンダ7すなわちシリンダブロックBとの
間に相対回転が生じると、各第1分配弁60は、第1偏
心輪63により第1弁孔55において偏心量ε1 の2倍
の距離をストロークとしてポンプシリンダ7の半径方向
内方位置および外方位置間を往復動される。そして、図
5に示すように、油圧ポンプPの吐出領域Dでは、第1
分配弁60は前記内方位置側を移動して、対応するポン
プポート58を外側油路53に連通するとともに内側油
路52と不通にし、それにより吐出行程中のポンププラ
ンジャ9によりシリンダ孔8から外側油路53へ作動油
が圧送される。また油圧ポンプPの吸入領域Sでは、第
1分配弁60は前記外方位置側を移動して、対応するポ
ンプポート58を内側油路52に連通するとともに外側
油路53と不通にし、それにより吸入行程中のポンププ
ランジャ9により内側油路52からシリンダ孔8に作動
油が吸入される。
【0038】第2偏心輪64がクラッチオン位置nを占
めるとき(図6参照)、モータシリンダ17すなわちシ
リンダブロックBが回転すると、第2分配弁61および
クラッチ弁62は、第2偏心輪64により、第2弁孔5
6および第3弁孔57において偏心量ε2 の2倍の距離
をストロークとしてシリンダブロックBの半径方向内方
位置および外方位置間を往復動される。而して油圧モー
タMの膨脹領域Exでは、第2分配弁61は前記内方位
置側を移動し、対応するモータポート59を外側油路5
3に連通するとともに該モータポート59および内側油
路52間を不通にし、それにより外側油路53から膨脹
行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18に高圧
の作動油が供給される。また油圧モータMの収縮領域S
hでは、第2分配弁61は前記外方位置側を移動し、対
応するモータポート59を内側油路52に連通するとと
もに該モータポート59および外側油路53間を不通に
し、それにより収縮行程中のモータプランジャ19のシ
リンダ孔18から内側油路52へ作動油が排出される。
【0039】一方、クラッチ弁62は、その往復動スト
ロークが第2偏心量ε2 の2倍の距離以下である限り、
内側油路52および外側油路53間を不通にしている。
【0040】かくして、シリンダブロックBは、ポンプ
シリンダ7が吐出行程のポンププランジャ9を介してポ
ンプ斜板10から受ける反動トルクと、モータシリンダ
17が膨脹行程のモータプランジャ19を介してモータ
斜板20から受ける反動トルクとの和によって回転さ
れ、その回転トルクは出力軸31から2次減速装置3へ
伝達される。
【0041】この場合、入力筒軸5に対する出力軸31
の変速比は次式によって与えられる。
【0042】
【数1】
【0043】したがって、油圧モータMの容量を零から
或る値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変
えることができる。しかも、その油圧モータMの容量は
モータプランジャ19のストロークにより決定されるの
で、モータ斜板20を直立位置から或る傾斜位置まで傾
動させることにより変速比を1から或る値まで無段階に
制御することができる。
【0044】次に第2偏心輪64をクラッチオフ位置f
にシフトすると、モータシリンダ17すなわちシリンダ
ブロックBの回転に伴い、第2偏心輪64により、第2
分配弁61およびクラッチ弁62は第2弁孔56および
第3弁孔57において偏心量ε3 の2倍の距離をストロ
ークとしてシリンダブロックBの半径方向内方位置およ
び外方位置間を往復動される。そして、第2分配弁61
は、その内方位置にきたとき、両油路52,53間を短
絡し、またクラッチ弁62は、その外方位置にきたと
き、両油路52,53間を短絡する。かくして、油圧モ
ータMには高圧の作動油が供給されなくなり、油圧ポン
プPおよび油圧モータM間の動力伝達は遮断され、所謂
クラッチオフ状態が得られる。
【0045】再び図2において、シリンダブロックBの
第1孔44には、先端部を第2孔45内に位置させるよ
うにしてオイルフィルタ96が嵌入、固定され、該オイ
ルフィルタ96には、油溜100から補給ポンプ99で
汲み上げた作動油がオイルフィルタ101を介して供給
され、補給ポンプ99は入力筒軸5によって駆動され
る。
【0046】前記第2弁孔45の第3弁孔46寄りの部
分には両端を開放した弁筒102が圧入、固定され、該
弁筒102には、軸方向両端間にわたる連通孔103が
穿設されるとともに軸方向中央部には内部を内側油路5
2に連通させる連通孔104が穿設される。また弁筒1
02内には、前記連通孔104を介して内側油路52に
通じる油室105を相互間に形成して一対の逆止弁10
6,106が対称的に配設され、それらの逆止弁10
6,106は、弁ばね108によりそれぞれ閉弁方向に
付勢されており、油室105すなわち内側油路52から
中心油路95への油の逆流を阻止する。
【0047】さらにシリンダブロックBには、中心油路
95から無段変速機Tの各部に潤滑油を供給するための
半径方向のオリフィス孔107が随所に穿設される。
【0048】而して、油圧ポンプPから油圧モータMを
油圧駆動する通常の負荷運転中に、両者間の油圧閉回路
からの漏油により、低圧側の内側油路52の圧力が中心
油路95の圧力よりも低下すると、前記逆止弁106,
106が開いて中心油路95から内側油路52に作動油
が補給される。
【0049】また、中心油路95の油は、オリフィス孔
107により流量を制限されつつ無段変速機Tの各部に
供給されるので、その供給により中心油路95の圧力が
過度に低下することはなく、したがって中心油路95か
ら内側油路52への作動油の補給に支障を来たすことは
ない。
【0050】オリフィス107を通過した油が油ポンプ
Pの環状油溜30に導入されると、この環状油溜30は
断面楔形をなしているので、ポンプ斜板10及びポンプ
斜板ホルダ12から回転させられ、その遠心力をもって
ポンプ斜板10の第1油溝26に進入し、更に回転する
該油溝26でも遠心力を受けて第2油溝27へと進入す
るが、第2油溝27はポンプ斜板10外周の軸方向中間
部で終端を閉じているため、第1及び第2油溝26,2
7に静油圧が発生する。また第1,第2各油溝26,2
7内の油は、ポンプ斜板10及びポンプ斜板ホルダ12
の相対回転時には、ポンプ斜板ホルダ12のポンプ斜板
10に対する相対回転方向に向って各溝26,27を横
断するように移動し、各油溝26,27の一方の開放側
端でその流れが拘束されるため、動油圧が発生する。そ
してこれら静油圧及び動油圧がポンプ斜板10及びポン
プ斜板ホルダ12のスラスト及びラジアル方向の摺動面
間に作用して、高圧の油膜を形成する。その結果、油圧
ポンプPの作動中、ポンププランジャ9,9…群からポ
ンプ斜板10に大なる推力が作用しても油膜切れを生じ
ることなく、ポンプ斜板10及びポンプ斜板ホルダ12
間に良好な潤滑状態を確保し、両者10,12の相対回
転摺動をスムーズに行わせることができる。
【0051】しかも、第1,第2油溝26,26…,2
7,27…は環状油路28を介してそれぞれ相互に連通
しているので、全油溝26,27の油圧が平衡し、ポン
プ斜板10をこじることなく、適正な姿勢に保つことが
できる。
【0052】油圧モータMにおいても、その環状油路3
0、及び第1,第2油溝26,27は上記と同様に機能
して、モータ斜板20及びモータ斜板ホルダ22のスラ
スト及びラジアル方向の摺動面間に高圧の油膜を形成
し、モータ斜板20をモータ斜板ホルダ22に対し円滑
に回転摺動させることができる。
【0053】図7及び図8は本発明の第2実施例を示す
もので、油圧ポンプP及び油圧モータMの各斜板10,
20において、第1及び第2油溝26,27を、それぞ
れの入口が斜板10,20の斜板ホルダ12,22に対
する相対回転方向Rに向うように傾斜させた点を除けば
前実施例と同様の構成であり、図中、前実施例との対応
部分には同一の符号を付す。
【0054】この実施例によれば、斜板10,20が斜
板ホルダ12,22に対してR方向に回転するとき、第
1及び第2油溝26,27のねじ作用により導入した油
を内部に押し込むので、第1及び第2油溝26,27の
静油圧をより高め、高圧の油膜形成を促進することがで
きる。
【0055】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱することなく種々の設計変形が
可能である。例えば、断面楔状の環状油路28の形成に
当り、斜板ホルダ12,22の支持孔11,21底面側
にテーパ面29を形成することもでき、また斜板10,
20及び斜板ホルダ12,22の両者にテーパ面29を
形成することもできる。また、第1,第2油溝26,2
7の断面形状は、方形、三角形、台形、半円形等、任意
であるが、動油圧により油膜圧を効果的に増大させるに
は、三角形、台形が有効である。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、リング状の斜板の背面に、その内、外周面間を連通
する複数条の第1油溝を、また該斜板の外周面に、一端
が第1油溝に連通すると共に他端が該外周面の軸方向中
間部で閉じた複数条の第2油溝とを設け、第1油溝の内
端から潤滑油を導入するようにしたので、第1及び第2
油溝に順次進入した油が斜板と共に回転して遠心力を受
けることによって、両油溝に静油圧を発生させ、また斜
板及び斜板ホルダの相対回転により各油溝の一方の開放
側端部で動油圧を発生させ、斜板及び斜板ホルダの回転
摺動面間に高圧の油膜を形成することができる。したが
って斜板がプランジャ群から大なる推力を受けるも、油
膜切れを生じることなく、斜板及び斜板ホルダの相対回
転を常に円滑に行わせることができる。
【0057】また本発明の第2の特徴によれば、斜板及
び斜板ホルダ間にそれらの内周側からそれらの軸方向対
向面間に食込むような断面楔形の環状油溜を形成し、こ
の油溜の先鋭部に第1油溝の内端を開口させたので、環
状油溜の油も斜板と共に回転して遠心力を受けることに
より第1油溝に効果的に押し込まれ、第1,第2油溝で
の油圧発生を促進することができる。
【0058】さらに本発明の第3の特徴によれば、第1
及び第2油溝を、それぞれの入口が斜板の斜板ホルダに
対する回転方向に向って開口するように傾斜させたの
で、斜板の回転に伴い、両油溝のねじ作用により油を効
果的に押し込み、これによっても両油溝の油圧発生を促
進することができる。
【0059】さらにまた本発明の第4の特徴によれば、
斜板及び斜板ホルダ間に、斜板の周方向に隣接する油溝
相互を連通する環状油路を設けたので、全油溝の油圧を
平衡させ、斜板を常に適正な姿勢をもって斜板ホルダに
支承させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る静油圧式無段変速機
を有する自動二輪車用パワーユニットの横断平面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図1における斜板部の拡大断面図
【図4】図3の4矢視図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】クラッチオン状態で示した図2の6−6線断面
【図7】本発明の第2実施例を示す斜板部の拡大断面図
【図8】図7の8矢視図
【符号の説明】
P 油圧ポンプ(斜板式油圧作動装置) R 回転方向 M 油圧モータ(斜板式油圧作動装置) 4 ケーシング 7 ポンプシリンダ 9 プランジャ 10 斜板 11 支持孔 12 斜板ホルダ 17 シリンダ 19 プランジャ 20 斜板 21 支持孔 22 斜板ホルダ 26 第1油溝 27 第2油溝 28 環状油路 30 環状油溜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(4)に回転自在に支持され
    るシリンダ(7,17)と、このシリンダ(7,17)
    に摺動自在に嵌合して、その端面から一端を突出させる
    環状配列の複数のプランジャ(9,19)と、これらプ
    ランジャ(9,19)の一端に前面を当接させるリング
    状の斜板(10,20)と、この斜板(10,20)の
    背面及び外周面を回転自在に支承する斜板ホルダ(1
    2,22)とを備えた斜板式油圧作動装置において、 リング状の斜板(10,20)の背面に、その内、外周
    面間を連通する複数条の第1油溝(26)を、また該斜
    板(10,20)の外周面に、一端が第1油溝(26)
    に連通すると共に他端が該外周面の軸方向中間部で閉じ
    た複数条の第2油溝(27)とを設け、第1油溝(2
    6)の内端から潤滑油を導入するようにしたことを特徴
    とする、斜板式油圧作動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、 斜板(10,20)及び斜板ホルダ(12,22)間に
    それらの内周側からそれらの軸方向対向面間に食込むよ
    うな断面楔形の環状油溜(30)を形成し、この油溜
    (30)の先鋭部に第1油溝(26)の内端を開口させ
    たことを特徴とする、斜板式油圧作動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のものにおいて、 第1及び第2油溝(26,27)を、それぞれの入口が
    斜板(10,20)の斜板ホルダ(12,22)に対す
    る回転方向(R)に向って開口するように傾斜させたこ
    とを特徴とする、斜板式油圧作動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のものにおい
    て、 斜板(10,20)及び斜板ホルダ(12,22)間
    に、斜板(10,20)の周方向に隣接する油溝(1
    6,16…,17,17…)相互を連通する環状油路
    (28)を設けたことを特徴とする、斜板式油圧作動装
    置。
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