JPH10132050A - 無段変速機 - Google Patents
無段変速機Info
- Publication number
- JPH10132050A JPH10132050A JP28827496A JP28827496A JPH10132050A JP H10132050 A JPH10132050 A JP H10132050A JP 28827496 A JP28827496 A JP 28827496A JP 28827496 A JP28827496 A JP 28827496A JP H10132050 A JPH10132050 A JP H10132050A
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- JP
- Japan
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- pump
- cylinder body
- plunger
- hydraulic pump
- hydraulic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な手段で変速を入力軸の回転数及び入、
出力軸間の伝達トルクの変化に応じて自動的に行い得る
コンパクトな油圧式無段変速機を提供する。 【解決手段】 入力軸1に固着したシリンダボディ12
にラジアル型第1油圧ポンプP1 のプランジャ14群
と、これらと油圧閉回路を介して連結されるラジアル型
第2油圧ポンプP2 のプランジャ24群とを配設し、第
1プランジャ14群を作動させる第1ポンプリング15
をミッションケース5に枢軸17を介して揺動可能に支
持し、シリンダボディ12に設けた遠心機構60により
第1ポンプリング15を入力軸1の回転数の上昇に応じ
て変速比減少方向へ揺動付勢する第1シフト力F1 を発
生させる一方、枢軸17のオフセットy配置により第1
プランジャ14群の第1ポンプリング15に対する総合
押力が第2シフト力F2 として第1ポンプリング15を
変速比増加方向へ揺動付勢するようにした。
出力軸間の伝達トルクの変化に応じて自動的に行い得る
コンパクトな油圧式無段変速機を提供する。 【解決手段】 入力軸1に固着したシリンダボディ12
にラジアル型第1油圧ポンプP1 のプランジャ14群
と、これらと油圧閉回路を介して連結されるラジアル型
第2油圧ポンプP2 のプランジャ24群とを配設し、第
1プランジャ14群を作動させる第1ポンプリング15
をミッションケース5に枢軸17を介して揺動可能に支
持し、シリンダボディ12に設けた遠心機構60により
第1ポンプリング15を入力軸1の回転数の上昇に応じ
て変速比減少方向へ揺動付勢する第1シフト力F1 を発
生させる一方、枢軸17のオフセットy配置により第1
プランジャ14群の第1ポンプリング15に対する総合
押力が第2シフト力F2 として第1ポンプリング15を
変速比増加方向へ揺動付勢するようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動二輪
車、自動車等の車両に適用される無段変速機に関する。
車、自動車等の車両に適用される無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機として、例えば特公平7−2
6676号公報に開示されているように、固定容量のア
キシャル型油圧ポンプと可変容量のアキシャル型油圧モ
ータを同軸状に配置し、これらを油圧閉回路を介して接
続したものが知られている。
6676号公報に開示されているように、固定容量のア
キシャル型油圧ポンプと可変容量のアキシャル型油圧モ
ータを同軸状に配置し、これらを油圧閉回路を介して接
続したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような無段変速
機では、軸方向に比較的長く延びるアキシャル型の油圧
ポンプ及び油圧モータが軸方向に配置されるので、全体
として軸方向寸法が長くなることを免れず、そのコンパ
クト化が困難である。
機では、軸方向に比較的長く延びるアキシャル型の油圧
ポンプ及び油圧モータが軸方向に配置されるので、全体
として軸方向寸法が長くなることを免れず、そのコンパ
クト化が困難である。
【0004】本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたも
ので、軸方向寸法が大幅に短縮したコンパクトな構成を
持ち、しかも変速を入力軸の回転数及び入、出力軸間の
伝達トルクの変化に応じて自動的に且つ合理的に制御し
得る無段変速機を提供することを目的とする。
ので、軸方向寸法が大幅に短縮したコンパクトな構成を
持ち、しかも変速を入力軸の回転数及び入、出力軸間の
伝達トルクの変化に応じて自動的に且つ合理的に制御し
得る無段変速機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ミッションケースに入力軸及び出力軸を
同軸状に支承し、その入力軸に固設されるシリンダボデ
ィと、このシリンダボデーに放射状に配設される複数の
第1プランジャと、これら第1プランジャを囲繞してそ
れらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボディの
回転に伴い各第1プランジャに往復動を与えると共に、
その往復動ストロークを調節すべく、ミッションケース
に枢軸を介して揺動可能に支持される第1ポンプリング
とで可変容量のラジアル型第1油圧ポンプを構成し、ま
た前記シリンダボデーと、このシリンダボディに放射状
に配設される複数の第2プランジャと、出力軸に固設さ
れると共にこれら第2プランジャを囲繞してそれらの外
端に相対移動可能に係合し、シリンダボディとの相対回
転に伴い各第2プランジャに一定ストロークの往復動を
与える第2ポンプリングとで固定容量のラジアル型第2
油圧ポンプを構成し、シリンダボディには、第1油圧ポ
ンプに作動油を吸入されると共に第2油圧ポンプから作
動油を吐出される高圧油路と、第1油圧ポンプから作動
油を吐出されると共に第2油圧ポンプに作動油を吸入さ
れる低圧油路とを形成し、更に入力軸の回転数の上昇に
応じて変速比の減少側へ第1ポンプリングを枢軸周りに
揺動付勢する第1シフト力を発生する遠心機構を設ける
一方、入、出力軸間の伝達トルクの増加に応じて変速比
の増加側へ第1ポンプリングを枢軸周りに揺動付勢する
第2シフト力を発生させるべく第1油圧ポンプにおける
吸入領域及び吐出領域間の境界面に垂直でシリンダボデ
ィの軸線と交わる直線から所定距離オフセットして枢軸
を配置したことを特徴とする。
に、本発明は、ミッションケースに入力軸及び出力軸を
同軸状に支承し、その入力軸に固設されるシリンダボデ
ィと、このシリンダボデーに放射状に配設される複数の
第1プランジャと、これら第1プランジャを囲繞してそ
れらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボディの
回転に伴い各第1プランジャに往復動を与えると共に、
その往復動ストロークを調節すべく、ミッションケース
に枢軸を介して揺動可能に支持される第1ポンプリング
とで可変容量のラジアル型第1油圧ポンプを構成し、ま
た前記シリンダボデーと、このシリンダボディに放射状
に配設される複数の第2プランジャと、出力軸に固設さ
れると共にこれら第2プランジャを囲繞してそれらの外
端に相対移動可能に係合し、シリンダボディとの相対回
転に伴い各第2プランジャに一定ストロークの往復動を
与える第2ポンプリングとで固定容量のラジアル型第2
油圧ポンプを構成し、シリンダボディには、第1油圧ポ
ンプに作動油を吸入されると共に第2油圧ポンプから作
動油を吐出される高圧油路と、第1油圧ポンプから作動
油を吐出されると共に第2油圧ポンプに作動油を吸入さ
れる低圧油路とを形成し、更に入力軸の回転数の上昇に
応じて変速比の減少側へ第1ポンプリングを枢軸周りに
揺動付勢する第1シフト力を発生する遠心機構を設ける
一方、入、出力軸間の伝達トルクの増加に応じて変速比
の増加側へ第1ポンプリングを枢軸周りに揺動付勢する
第2シフト力を発生させるべく第1油圧ポンプにおける
吸入領域及び吐出領域間の境界面に垂直でシリンダボデ
ィの軸線と交わる直線から所定距離オフセットして枢軸
を配置したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0007】図1において、1は車両の原動機に連なる
入力軸、2は車両の駆動車輪に連なる出力軸で、これら
両軸1,2は同軸状に配置されると共に、本発明の無段
変速機Tを介して連結される。
入力軸、2は車両の駆動車輪に連なる出力軸で、これら
両軸1,2は同軸状に配置されると共に、本発明の無段
変速機Tを介して連結される。
【0008】出力軸2の内端には、入力軸1の内端部を
同心に囲繞する支持筒3が一体に形成され、この支持筒
3と入力軸1との間に両軸1,2の相対回転を許容する
ボールベアリング4が介装される。
同心に囲繞する支持筒3が一体に形成され、この支持筒
3と入力軸1との間に両軸1,2の相対回転を許容する
ボールベアリング4が介装される。
【0009】また入、出力軸1,2は、無段変速機Tを
収容するミッションケース5の左右両端部にそれぞれボ
ールベアリング6,7を介して支承され、更に前記支持
筒3はミッションケース5の中間部にボールベアリング
8を介して支承される。そして上記ボールベアリング
6,8の外側において、入、出力軸1,2とミッション
ケース5との各間にオイルシール9,10が介装され
る。
収容するミッションケース5の左右両端部にそれぞれボ
ールベアリング6,7を介して支承され、更に前記支持
筒3はミッションケース5の中間部にボールベアリング
8を介して支承される。そして上記ボールベアリング
6,8の外側において、入、出力軸1,2とミッション
ケース5との各間にオイルシール9,10が介装され
る。
【0010】無段変速機Tは、可変容量のラジアル型第
1油圧ポンプP1 と、定容量のラジアル型第2油圧ポン
プP2 とを油圧閉回路を介して相互に連結して構成され
る。
1油圧ポンプP1 と、定容量のラジアル型第2油圧ポン
プP2 とを油圧閉回路を介して相互に連結して構成され
る。
【0011】図1、図2及び図6に示すように、第1油
圧ポンプP1 は、入力軸1にスプライン11を介して同
心状に結合されるシリンダボディ12に、その外周面に
開口するように設けられる放射状配列の複数(図示例で
は5本)の第1シリンダ孔13と、これらシリンダ孔1
3にそれぞれ摺動自在に嵌装される第1プランジャ14
と、このプランジャ14群を囲繞してそれらの外端と周
方向摺動可能に係合する第1ポンプリング15とを備え
ており、各第1シリンダ孔13には第1プランジャ14
を第1ポンプリング15との係合方向へ付勢するばね1
6が収納される。
圧ポンプP1 は、入力軸1にスプライン11を介して同
心状に結合されるシリンダボディ12に、その外周面に
開口するように設けられる放射状配列の複数(図示例で
は5本)の第1シリンダ孔13と、これらシリンダ孔1
3にそれぞれ摺動自在に嵌装される第1プランジャ14
と、このプランジャ14群を囲繞してそれらの外端と周
方向摺動可能に係合する第1ポンプリング15とを備え
ており、各第1シリンダ孔13には第1プランジャ14
を第1ポンプリング15との係合方向へ付勢するばね1
6が収納される。
【0012】第1ポンプリング15は、その外周に形成
したボス15aが入力軸1と平行な枢軸17を介してミ
ッションケース5に支持されるもので、シリンダボディ
12に対し一側方へ所定距離e1 (最大偏心量、図2及
び図12(a)参照)偏心する第1偏心位置Aと、それ
に対し他側方へ所定距離e2 (図2及び図15(a)参
照)偏心する第2偏心位置Cとの間を揺動し得るように
なっており、両偏心位置A、Cの中間には、シリンダボ
ディ12と同心になる無偏心位置(図14(a)参照)
Bが存在する。第1ポンプリング15の第1及び第2偏
心位置A、Cは、該リング15の他側に突設されたスト
ッパアーム15bがミッションケース5の内周壁に形成
された凹部18の一方と他方の内端壁に当接することに
より規定される。この第1ポンプリング15は、後述の
遠心機構60により上記第1偏心位置A及び第2偏心位
置C間でシフトされ、各偏心位置では、シリンダボディ
12の回転時、その偏心量の2倍のストロークをもって
各第1プランジャ14に往復動を与え、吸入及び吐出行
程を繰返えさせることができる。
したボス15aが入力軸1と平行な枢軸17を介してミ
ッションケース5に支持されるもので、シリンダボディ
12に対し一側方へ所定距離e1 (最大偏心量、図2及
び図12(a)参照)偏心する第1偏心位置Aと、それ
に対し他側方へ所定距離e2 (図2及び図15(a)参
照)偏心する第2偏心位置Cとの間を揺動し得るように
なっており、両偏心位置A、Cの中間には、シリンダボ
ディ12と同心になる無偏心位置(図14(a)参照)
Bが存在する。第1ポンプリング15の第1及び第2偏
心位置A、Cは、該リング15の他側に突設されたスト
ッパアーム15bがミッションケース5の内周壁に形成
された凹部18の一方と他方の内端壁に当接することに
より規定される。この第1ポンプリング15は、後述の
遠心機構60により上記第1偏心位置A及び第2偏心位
置C間でシフトされ、各偏心位置では、シリンダボディ
12の回転時、その偏心量の2倍のストロークをもって
各第1プランジャ14に往復動を与え、吸入及び吐出行
程を繰返えさせることができる。
【0013】こゝで、第1ポンプリング15をミッショ
ンケース5に支持する前記枢軸17の配置について説明
する。図2に示すように、第1油圧ポンプP1 におい
て、シリンダボディ12が矢印方向へ回転したとき、そ
れに伴い第1プランジャ14が第1シリンダ孔13から
突出していく領域が吸入領域Sであり、反対に押し込ま
れていく領域が吐出領域Dであり、これら領域S,D間
の境界面をBpで示す。枢軸17は、吸入領域S側にお
いて、上記境界面BPに垂直であり、且つシリンダボデ
ィ12の軸線、即ち入力軸1の軸線と交わる直線Lから
第2偏心位置C側へ一定距離yオフセットして配置され
る。
ンケース5に支持する前記枢軸17の配置について説明
する。図2に示すように、第1油圧ポンプP1 におい
て、シリンダボディ12が矢印方向へ回転したとき、そ
れに伴い第1プランジャ14が第1シリンダ孔13から
突出していく領域が吸入領域Sであり、反対に押し込ま
れていく領域が吐出領域Dであり、これら領域S,D間
の境界面をBpで示す。枢軸17は、吸入領域S側にお
いて、上記境界面BPに垂直であり、且つシリンダボデ
ィ12の軸線、即ち入力軸1の軸線と交わる直線Lから
第2偏心位置C側へ一定距離yオフセットして配置され
る。
【0014】再び図1及び図3において、第2油圧ポン
プP2 は、前記シリンダボディ12の外周面に開口して
設けられる放射状配列の複数(図示例では5本)の第2
シリンダ孔23と、これら第2シリンダ孔23にそれぞ
れ摺動自在に嵌装される第2プランジャ24と、この第
2プランジャ24群を囲繞してそれらの外端と周方向摺
動可能に係合する第2ポンプリング25とを備えてお
り、各第2シリンダ孔23には各第2プランジャ24を
第2ポンプリング25との係合方向へ付勢するばね26
が収納される。
プP2 は、前記シリンダボディ12の外周面に開口して
設けられる放射状配列の複数(図示例では5本)の第2
シリンダ孔23と、これら第2シリンダ孔23にそれぞ
れ摺動自在に嵌装される第2プランジャ24と、この第
2プランジャ24群を囲繞してそれらの外端と周方向摺
動可能に係合する第2ポンプリング25とを備えてお
り、各第2シリンダ孔23には各第2プランジャ24を
第2ポンプリング25との係合方向へ付勢するばね26
が収納される。
【0015】第2ポンプリング25は、出力軸2の支持
筒3に一体に連設され、且つシリンダボディ12に対し
一側方へ所定距離e3 (固定偏心量、図3及び図14
(a)参照)偏心するように配置される。而して、この
第2ポンプリング25は、シリンダボディ12の回転
時、該リング25の偏心量の2倍のストロークをもって
各第2プランジャ24に往復動を与えて吸入及び吐出行
程を繰返えさせることができる。
筒3に一体に連設され、且つシリンダボディ12に対し
一側方へ所定距離e3 (固定偏心量、図3及び図14
(a)参照)偏心するように配置される。而して、この
第2ポンプリング25は、シリンダボディ12の回転
時、該リング25の偏心量の2倍のストロークをもって
各第2プランジャ24に往復動を与えて吸入及び吐出行
程を繰返えさせることができる。
【0016】図6に示すように、第1プランジャ14の
外径d1 は、第2プランジャ24の外径d2 より小さく
設定される。また図2及び図3に示すように、第1ポン
プリング15の最大偏心量e1 は、第2ポンプリング2
5の固定偏心量e3 より大きく設定され、即ち第1プラ
ンジャ14の最大ストロークは、第2プランジャ24の
ストロークより大きく設定される。こうして第1油圧ポ
ンプP1 の最大容量と第2油圧ポンプP2 の固定容量と
が略等しく設定される。
外径d1 は、第2プランジャ24の外径d2 より小さく
設定される。また図2及び図3に示すように、第1ポン
プリング15の最大偏心量e1 は、第2ポンプリング2
5の固定偏心量e3 より大きく設定され、即ち第1プラ
ンジャ14の最大ストロークは、第2プランジャ24の
ストロークより大きく設定される。こうして第1油圧ポ
ンプP1 の最大容量と第2油圧ポンプP2 の固定容量と
が略等しく設定される。
【0017】図1に示すように、第1油圧ポンプP1 と
第2油圧ポンプP2 とはシリンダボディ12の一端側と
他端側とに互いに離れて配置され、これらの中間部に入
力軸1を囲繞する環状の低圧油路28と、この低圧油路
28を更に囲繞する環状の高圧油路29とが設けられ
る。
第2油圧ポンプP2 とはシリンダボディ12の一端側と
他端側とに互いに離れて配置され、これらの中間部に入
力軸1を囲繞する環状の低圧油路28と、この低圧油路
28を更に囲繞する環状の高圧油路29とが設けられ
る。
【0018】シリンダボディ12には、更に第1シリン
ダ孔13と同数で、その第1シリンダ孔13群の内側に
隣接して放射状に延びる第1弁孔31と、第2シリンダ
孔23と同数で、その第2シリンダ孔23群の内側に隣
接して放射状に延びる第2弁孔32とが設けられる。各
第1弁孔31は、シリンダボディ12の外周面から高圧
油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第1
弁孔31の内側面には、隣接する第1シリンダ孔13か
ら側方に延びる第1ポンプポート33が開口する。各第
2弁孔32も又、シリンダボディ12の外周面から高圧
油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第2
弁孔32の内側面には、隣接する第2シリンダ孔23か
ら側方に延びる第2ポンプポート34が開口する。
ダ孔13と同数で、その第1シリンダ孔13群の内側に
隣接して放射状に延びる第1弁孔31と、第2シリンダ
孔23と同数で、その第2シリンダ孔23群の内側に隣
接して放射状に延びる第2弁孔32とが設けられる。各
第1弁孔31は、シリンダボディ12の外周面から高圧
油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第1
弁孔31の内側面には、隣接する第1シリンダ孔13か
ら側方に延びる第1ポンプポート33が開口する。各第
2弁孔32も又、シリンダボディ12の外周面から高圧
油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第2
弁孔32の内側面には、隣接する第2シリンダ孔23か
ら側方に延びる第2ポンプポート34が開口する。
【0019】図1及び図4に示すように、第1弁孔31
にはスプール型の第1切換弁35がそれぞれ摺動可能に
嵌装され、これら第1切換弁35の外端に、それらを囲
繞する第1切換リング37が周方向摺動可能に係合され
る。この第1切換リング37は図4に示すようにシリン
ダボディ12に対し所定距離e4 偏心した位置でミッシ
ョンケース5にボルト39で固着される。
にはスプール型の第1切換弁35がそれぞれ摺動可能に
嵌装され、これら第1切換弁35の外端に、それらを囲
繞する第1切換リング37が周方向摺動可能に係合され
る。この第1切換リング37は図4に示すようにシリン
ダボディ12に対し所定距離e4 偏心した位置でミッシ
ョンケース5にボルト39で固着される。
【0020】而して、シリンダボディ12の回転時、各
第1切換弁35は、それ自体の遠心力と低圧油路28の
作動油の遠心油圧とにより、第1切換リング37との係
合状態に保たれる。したがって第1切換リング37は、
シリンダボディ12の回転に伴い各第1切換弁35をシ
リンダボディ12の半径方向内方位置と外方位置との間
で往復動させる。
第1切換弁35は、それ自体の遠心力と低圧油路28の
作動油の遠心油圧とにより、第1切換リング37との係
合状態に保たれる。したがって第1切換リング37は、
シリンダボディ12の回転に伴い各第1切換弁35をシ
リンダボディ12の半径方向内方位置と外方位置との間
で往復動させる。
【0021】このとき、第1ポンプリング15が前記第
1偏心位置Aを占めていれば、吐出行程中の第1プラン
ジャ14に対応する第1ポンプポート33は第1切換弁
35により低圧油路28に連通される一方、吸入行程中
の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34
は第1切換弁37により高圧油路29に連通される。
1偏心位置Aを占めていれば、吐出行程中の第1プラン
ジャ14に対応する第1ポンプポート33は第1切換弁
35により低圧油路28に連通される一方、吸入行程中
の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34
は第1切換弁37により高圧油路29に連通される。
【0022】また第1ポンプリング15が前記第2偏心
位置Cを占めていれば、上記とは反対に、吐出行程中の
第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は
第1切換弁35により高圧油路29に連通される一方、
吸入行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプ
ポート33は第1切換弁35により低圧油路28に連通
される。
位置Cを占めていれば、上記とは反対に、吐出行程中の
第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は
第1切換弁35により高圧油路29に連通される一方、
吸入行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプ
ポート33は第1切換弁35により低圧油路28に連通
される。
【0023】図1及び図5に示すように、第2弁孔32
には同じくスプール型の第2切換弁36がそれぞれ摺動
自在に嵌装され、これら第2切換弁36の外端に、それ
らを囲繞する第2切換リング38が周方向摺動可能に係
合される。この第2切換リング38は、前記第2ポンプ
リング25に一体に連設され、且つシリンダボディ12
に対し所定距離e5 偏心するように配置される。
には同じくスプール型の第2切換弁36がそれぞれ摺動
自在に嵌装され、これら第2切換弁36の外端に、それ
らを囲繞する第2切換リング38が周方向摺動可能に係
合される。この第2切換リング38は、前記第2ポンプ
リング25に一体に連設され、且つシリンダボディ12
に対し所定距離e5 偏心するように配置される。
【0024】而して、シリンダボディ12の回転時、各
第2切換弁36は、それ自体の遠心力と低圧油路28の
作動油の遠心油圧とにより、第2切換リング38との係
合状態に保たれる。したがって、第2切換リング38
は、シリンダボディ12との相対回転に伴い各第2切換
弁36をシリンダボディ12の半径方向内方位置と外方
位置との間で往復動させる。この第2切換弁36によっ
て、吸入行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポ
ンプポート34は低圧油路28に連通される一方、吐出
行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポー
ト34は高圧油路29に連通される。
第2切換弁36は、それ自体の遠心力と低圧油路28の
作動油の遠心油圧とにより、第2切換リング38との係
合状態に保たれる。したがって、第2切換リング38
は、シリンダボディ12との相対回転に伴い各第2切換
弁36をシリンダボディ12の半径方向内方位置と外方
位置との間で往復動させる。この第2切換弁36によっ
て、吸入行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポ
ンプポート34は低圧油路28に連通される一方、吐出
行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポー
ト34は高圧油路29に連通される。
【0025】以上において、低圧油路28、高圧油路2
9、第1、第2弁孔31,32及び第1、第2ポンプポ
ート33,34は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 間を
結ぶ油圧閉回路を構成する。
9、第1、第2弁孔31,32及び第1、第2ポンプポ
ート33,34は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 間を
結ぶ油圧閉回路を構成する。
【0026】再び図1において、低圧油路28は、入力
軸1及びミッションケース5の側壁に形成された一連の
補給油路40を介してミッションケース5底部の油溜4
1に連通する。補給油路40の入口にはオイルフィルタ
42が設置され、またミッションケース5の底壁中に
は、油溜41と通孔43を介して連通するダスト溜44
が設けられる。
軸1及びミッションケース5の側壁に形成された一連の
補給油路40を介してミッションケース5底部の油溜4
1に連通する。補給油路40の入口にはオイルフィルタ
42が設置され、またミッションケース5の底壁中に
は、油溜41と通孔43を介して連通するダスト溜44
が設けられる。
【0027】さて、図7ないし図9により遠心機構60
について説明する。この機構60は、シリンダボディ1
2の第1油圧ポンプP1 側端面にビス61により固着さ
れる駆動板62と、ミッションケース5に合成樹脂製の
ブッシュ63を介して回転及び軸方向摺動自在に支承さ
れる摺動板64とを備えており、ブッシュ63は、前記
ベアリング6を囲繞するようにミッションケース5に設
けられた大径の支持孔65に回転不能に装着されてい
る。駆動板62及び摺動板64間には、それらの周方向
に並ぶ複数の重錘ポケット66が画成される。各重錘ポ
ケット66は、該ポケット66に臨む駆動板62及び摺
動板64の間隔が半径方向外方に向かって狭まるように
楔形断面の形状をなしており、各重錘ポケット66にロ
ーラ形の遠心重錘67が収納される。摺動板64にはク
ラッチ弁51が固着されており、これがシリンダボディ
12に穿設された軸方向のクラッチ弁孔50に摺動自在
に嵌合していて、摺動板64を駆動板62と共に回転さ
せ得るようになっいる。
について説明する。この機構60は、シリンダボディ1
2の第1油圧ポンプP1 側端面にビス61により固着さ
れる駆動板62と、ミッションケース5に合成樹脂製の
ブッシュ63を介して回転及び軸方向摺動自在に支承さ
れる摺動板64とを備えており、ブッシュ63は、前記
ベアリング6を囲繞するようにミッションケース5に設
けられた大径の支持孔65に回転不能に装着されてい
る。駆動板62及び摺動板64間には、それらの周方向
に並ぶ複数の重錘ポケット66が画成される。各重錘ポ
ケット66は、該ポケット66に臨む駆動板62及び摺
動板64の間隔が半径方向外方に向かって狭まるように
楔形断面の形状をなしており、各重錘ポケット66にロ
ーラ形の遠心重錘67が収納される。摺動板64にはク
ラッチ弁51が固着されており、これがシリンダボディ
12に穿設された軸方向のクラッチ弁孔50に摺動自在
に嵌合していて、摺動板64を駆動板62と共に回転さ
せ得るようになっいる。
【0028】ミッションケース5には、2本のアーム7
0a,70bを持つベルクランク型のシフトレバー70
が軸支され、その第1アーム70aに装着されたローラ
72が摺動板64の、前記ブッシュ63に支承される円
筒部64aの端面に接するように配置され。またシフト
レバー70の第2アーム70bは、第1ポンプリング1
5を第1偏心位置Aから第2偏心位置Cまで押動し得る
ように配置される。このシフトレバー70には、ローラ
72を介して摺動板64を駆動板62側へ付勢する第1
戻しばね711 が接続される。したがって、シフトレバ
ー70は、摺動板64の回転を許容しつゝ該板64の軸
方向移動に連動して第1ポンプリング15を揺動させる
ものであるが、摺動板64が駆動板62から、それへの
最接近位置から所定距離離れる間は該リング15を揺動
させないように、第2アーム70b及び該リング15間
に所定の間隙52が設けられる。
0a,70bを持つベルクランク型のシフトレバー70
が軸支され、その第1アーム70aに装着されたローラ
72が摺動板64の、前記ブッシュ63に支承される円
筒部64aの端面に接するように配置され。またシフト
レバー70の第2アーム70bは、第1ポンプリング1
5を第1偏心位置Aから第2偏心位置Cまで押動し得る
ように配置される。このシフトレバー70には、ローラ
72を介して摺動板64を駆動板62側へ付勢する第1
戻しばね711 が接続される。したがって、シフトレバ
ー70は、摺動板64の回転を許容しつゝ該板64の軸
方向移動に連動して第1ポンプリング15を揺動させる
ものであるが、摺動板64が駆動板62から、それへの
最接近位置から所定距離離れる間は該リング15を揺動
させないように、第2アーム70b及び該リング15間
に所定の間隙52が設けられる。
【0029】尚、第1アーム70aと前記ブッシュ63
との干渉を避けるために、前記ブッシュ63に第1アー
ム70aの進入を許す切欠73が設けられる。
との干渉を避けるために、前記ブッシュ63に第1アー
ム70aの進入を許す切欠73が設けられる。
【0030】一方、第1ポンプリング15には、該リン
グ15を第1偏心位置A側へ常時付勢する第2戻しばね
712 が接続される。
グ15を第1偏心位置A側へ常時付勢する第2戻しばね
712 が接続される。
【0031】前記クラッチ弁孔50は、高圧油路29の
第1環状溝29aと交差するように延びると共に、バイ
パス孔53を介して低圧油路28に連通する。このクラ
ッチ弁孔50に摺動自在に嵌合するクラッチ弁51はス
プール形であって、その外周には環状溝54、中心部に
はバイパス孔53に開放端を向けた袋孔55、周壁には
環状溝54と袋孔55間を結ぶ横孔56が設けられてお
り、これらにより短絡路57が構成される。
第1環状溝29aと交差するように延びると共に、バイ
パス孔53を介して低圧油路28に連通する。このクラ
ッチ弁孔50に摺動自在に嵌合するクラッチ弁51はス
プール形であって、その外周には環状溝54、中心部に
はバイパス孔53に開放端を向けた袋孔55、周壁には
環状溝54と袋孔55間を結ぶ横孔56が設けられてお
り、これらにより短絡路57が構成される。
【0032】而して、摺動板64が駆動板62に最接近
しているとき、クラッチ弁51は、環状溝54を高圧油
路29の第1環状溝29aに一致させることにより、短
絡路57及びバイパス孔53を介して低圧及び高圧油路
28,29間を連通させるクラッチオフ位置(図8の状
態)を占め、摺動板64が駆動板62から所定距離離
れ、シフトレバー70が第1ポンプリング15の揺動を
開始しようとしたとき、クラッチ弁51は、環状溝54
を高圧油路29の第1環状溝29aからずらせて低圧及
び高圧油路28,29間を遮断するクラッチオン位置
(図10の状態)を占めるようになっている。
しているとき、クラッチ弁51は、環状溝54を高圧油
路29の第1環状溝29aに一致させることにより、短
絡路57及びバイパス孔53を介して低圧及び高圧油路
28,29間を連通させるクラッチオフ位置(図8の状
態)を占め、摺動板64が駆動板62から所定距離離
れ、シフトレバー70が第1ポンプリング15の揺動を
開始しようとしたとき、クラッチ弁51は、環状溝54
を高圧油路29の第1環状溝29aからずらせて低圧及
び高圧油路28,29間を遮断するクラッチオン位置
(図10の状態)を占めるようになっている。
【0033】図1、図2、図4及び図6において、シリ
ンダボディ12は、第1、2弁孔31,32及びクラッ
チ弁孔50を有する中央ブロック12b、第1シリンダ
孔13を有して中央ブロック12bの左側面に重ねられ
る第1側ブロック12a、及び第2シリンダ孔23を有
して中央ブロック12bの右側面に重ねられる第2側ブ
ロック12cの三ブロックに分割され、これらブロック
の一つ、図示例では第1側ブロック12aが入力軸1に
スプライン11を介して結合される。そしてこれら三ブ
ロック12a,12b,12cはシールリング45,4
6を挟んで複数のボルト47により結合される。その
際、図6に明示するように、高圧油路29は、中央のブ
ロック12bの両端面に形成した対をなす第1、第2環
状溝29a,29bと、相隣る第1及び第2弁孔31,
32、並びにクラッチ弁孔50と交差して両環状溝29
a,29b間を連通する環状配列の複数の通孔29cと
で構成され、第1、第2環状溝29a,29bの開放面
は第1、第2側ブロック12a,12cによりそれぞれ
閉塞される。また第1、第2ポンプポート33,34は
ブロック12a,12b,12cの各対向面に穿設され
る。
ンダボディ12は、第1、2弁孔31,32及びクラッ
チ弁孔50を有する中央ブロック12b、第1シリンダ
孔13を有して中央ブロック12bの左側面に重ねられ
る第1側ブロック12a、及び第2シリンダ孔23を有
して中央ブロック12bの右側面に重ねられる第2側ブ
ロック12cの三ブロックに分割され、これらブロック
の一つ、図示例では第1側ブロック12aが入力軸1に
スプライン11を介して結合される。そしてこれら三ブ
ロック12a,12b,12cはシールリング45,4
6を挟んで複数のボルト47により結合される。その
際、図6に明示するように、高圧油路29は、中央のブ
ロック12bの両端面に形成した対をなす第1、第2環
状溝29a,29bと、相隣る第1及び第2弁孔31,
32、並びにクラッチ弁孔50と交差して両環状溝29
a,29b間を連通する環状配列の複数の通孔29cと
で構成され、第1、第2環状溝29a,29bの開放面
は第1、第2側ブロック12a,12cによりそれぞれ
閉塞される。また第1、第2ポンプポート33,34は
ブロック12a,12b,12cの各対向面に穿設され
る。
【0034】一方、低圧油路28は、入力軸1の外周面
に形成した環状溝と中央ブロック12bの内周面とで画
成される。
に形成した環状溝と中央ブロック12bの内周面とで画
成される。
【0035】前記複数のボルト47は、前記複数の通孔
29cと交互に並ぶように、これら通孔29cの環状配
列線上に略配置され、前記環状溝29a,29bは、こ
れらボルト47を迂回すべく、部分的に半径方向内方に
湾曲した花弁形に形成される(図4参照)。
29cと交互に並ぶように、これら通孔29cの環状配
列線上に略配置され、前記環状溝29a,29bは、こ
れらボルト47を迂回すべく、部分的に半径方向内方に
湾曲した花弁形に形成される(図4参照)。
【0036】次に、この実施例の作用について説明す
る。
る。
【0037】入力軸1が回転すると、シリンダボディ1
2と共に駆動板62、摺動板64及び遠心重錘67が回
転し、遠心重錘67はその遠心力をもって重錘ポケット
66内を半径方向外方へ移動して摺動板64を駆動板6
2から離間させようとするが、入力軸1のアイドル回転
域では、その遠心力が小さいため第1戻しばね71 1 に
より駆動板62への最接近位置に保持されており、した
がってクラッチ弁51は、図8に示すクラッチオフ位置
を占め、短絡路57及びパイパス孔53を介して低圧及
び高圧油路28,29間を連通しているから、第1及び
第2油圧ポンプP1 ,P2 間での油圧伝動は行われな
い。したがって、手押しによる車両の取り回しを自由に
行うことができる。これは入力軸1の停止状態でも同様
である。
2と共に駆動板62、摺動板64及び遠心重錘67が回
転し、遠心重錘67はその遠心力をもって重錘ポケット
66内を半径方向外方へ移動して摺動板64を駆動板6
2から離間させようとするが、入力軸1のアイドル回転
域では、その遠心力が小さいため第1戻しばね71 1 に
より駆動板62への最接近位置に保持されており、した
がってクラッチ弁51は、図8に示すクラッチオフ位置
を占め、短絡路57及びパイパス孔53を介して低圧及
び高圧油路28,29間を連通しているから、第1及び
第2油圧ポンプP1 ,P2 間での油圧伝動は行われな
い。したがって、手押しによる車両の取り回しを自由に
行うことができる。これは入力軸1の停止状態でも同様
である。
【0038】入力軸1の回転が上昇してアイドル回転域
を超える頃になると、遠心重錘67が増加する遠心力に
より重錘ポケット66内を半径方向外方へ移動し始め、
第1戻しばね711 の付勢力に抗して摺動板64を駆動
板62から離間させていき、それに伴いクラッチ弁51
はクラッチオフ位置から図10に示すクラッチオン位置
へと移動していき、低圧及び高圧油路28,29間の連
通を絶ち、第1及び第2油圧ポンプP1 ,P2 間での油
圧伝動を開始させる。
を超える頃になると、遠心重錘67が増加する遠心力に
より重錘ポケット66内を半径方向外方へ移動し始め、
第1戻しばね711 の付勢力に抗して摺動板64を駆動
板62から離間させていき、それに伴いクラッチ弁51
はクラッチオフ位置から図10に示すクラッチオン位置
へと移動していき、低圧及び高圧油路28,29間の連
通を絶ち、第1及び第2油圧ポンプP1 ,P2 間での油
圧伝動を開始させる。
【0039】その頃になると、摺動板64により作動さ
れるシフトレバー70の第2アーム70bと第1ポンプ
リング14との間隙52が無くなり、シフトレバー70
による第1ポンプリング14の作動が可能となる。
れるシフトレバー70の第2アーム70bと第1ポンプ
リング14との間隙52が無くなり、シフトレバー70
による第1ポンプリング14の作動が可能となる。
【0040】更に入力軸1の回転が上昇すると、摺動板
64がシフトレバー70を図8で時計方向へ揺動して、
第1ポンプリング15を第1及び第2戻しばね711 ,
71 2 のばね付勢力に抗して第2偏心位置へ向けて揺動
させる。したがって第1ポンプリング15は、入力軸1
の回転数の上昇に応じて第1偏心位置Aから第2偏心位
置Cに向けて自動的にシフトされることになる。
64がシフトレバー70を図8で時計方向へ揺動して、
第1ポンプリング15を第1及び第2戻しばね711 ,
71 2 のばね付勢力に抗して第2偏心位置へ向けて揺動
させる。したがって第1ポンプリング15は、入力軸1
の回転数の上昇に応じて第1偏心位置Aから第2偏心位
置Cに向けて自動的にシフトされることになる。
【0041】第1ポンプリング15のこのような偏心位
置と入、出力軸1,2間の変速比との関係について、図
11ないし図14を参照しながら説明する。上記各図に
おいて、(a)は第1、第2油圧ポンプの横断面略図、
(b)は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 の展開略図で
ある。
置と入、出力軸1,2間の変速比との関係について、図
11ないし図14を参照しながら説明する。上記各図に
おいて、(a)は第1、第2油圧ポンプの横断面略図、
(b)は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 の展開略図で
ある。
【0042】〈変速比が無段大の状態(図11参照)〉
この状態では、第1ポンプリング15が第1偏心位置A
(図2参照)に保持されており、このとき第1油圧ポン
プP1 の容量が第2油圧ポンプP2 のそれと等しくなっ
ている。
この状態では、第1ポンプリング15が第1偏心位置A
(図2参照)に保持されており、このとき第1油圧ポン
プP1 の容量が第2油圧ポンプP2 のそれと等しくなっ
ている。
【0043】そこで、入力軸1を回転させれば、それと
一体になって回転するシリンダボディ12は第1ポンプ
リング15及び第2ポンプリング25との各間で相対回
転を生じる。このとき、第1油圧ポンプP1 では前述の
ように吐出行程中の第1プランジャ14に対応する第1
ポンプポート33は低圧油路28に、また吸入行程中の
第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は
高圧油路29にそれぞれ連通されるため、高圧油路29
から作動油を吸入し、低圧油路28へ作動油を吐出す
る。
一体になって回転するシリンダボディ12は第1ポンプ
リング15及び第2ポンプリング25との各間で相対回
転を生じる。このとき、第1油圧ポンプP1 では前述の
ように吐出行程中の第1プランジャ14に対応する第1
ポンプポート33は低圧油路28に、また吸入行程中の
第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は
高圧油路29にそれぞれ連通されるため、高圧油路29
から作動油を吸入し、低圧油路28へ作動油を吐出す
る。
【0044】一方、第2油圧ポンプP2 では、吸入行程
中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート3
4は低圧油路28に、また吐出行程中の第2プランジャ
24に対応する第2ポンプポート34は高圧油路29に
それぞれ連通されるため、低圧油路28から作動油を吸
入し、高圧油路29へ作動油を吐出する。
中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート3
4は低圧油路28に、また吐出行程中の第2プランジャ
24に対応する第2ポンプポート34は高圧油路29に
それぞれ連通されるため、低圧油路28から作動油を吸
入し、高圧油路29へ作動油を吐出する。
【0045】しかも、両油圧ポンプP1 ,P2 の容量が
等しいので、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧
ポンプP1 が低圧油路28に吐出する作動油の全量が第
2油圧ポンプP2 に吸入され、また第2油圧ポンプP2
が高圧油路29に吐出する作動油の全量が第1油圧ポン
プP1 に吸入されることになる。したがって、第1、第
2プランジャ14,24はそれぞれ往復動を繰返しつゝ
第1、第2ポンプリング15,25の内周面上を単に摺
動するだけで回転トルクを発生せず、出力軸2は停止状
態を保つ。
等しいので、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧
ポンプP1 が低圧油路28に吐出する作動油の全量が第
2油圧ポンプP2 に吸入され、また第2油圧ポンプP2
が高圧油路29に吐出する作動油の全量が第1油圧ポン
プP1 に吸入されることになる。したがって、第1、第
2プランジャ14,24はそれぞれ往復動を繰返しつゝ
第1、第2ポンプリング15,25の内周面上を単に摺
動するだけで回転トルクを発生せず、出力軸2は停止状
態を保つ。
【0046】〈変速比が例えば2の状態(図12参
照)〉第1ポンプリング15が第1偏心位置A(図2参
照)と無偏心位置Bの中間位置、即ち偏心量がenとな
る位置にシフトされると、第1油圧ポンプP1 の容量が
第2油圧ポンプP2 の容量の2分の1に制御される。こ
のようになると、シリンダボディ12の1回転中、第1
油圧ポンプP1 が高圧油路29から吸入する作動油量
は、第2油圧ポンプP2 が高圧油路29に吐出する作動
油量の半分となるので、第2油圧ポンプP2 が残りの半
分の作動油を吐出するときの反力が吐出行程中の第2プ
ランジャ24から第2ポンプリング25に作用し、該リ
ング25を介して出力軸2を回転させる。その結果、入
力軸1の1回転中、出力軸2は半回転することになる。
照)〉第1ポンプリング15が第1偏心位置A(図2参
照)と無偏心位置Bの中間位置、即ち偏心量がenとな
る位置にシフトされると、第1油圧ポンプP1 の容量が
第2油圧ポンプP2 の容量の2分の1に制御される。こ
のようになると、シリンダボディ12の1回転中、第1
油圧ポンプP1 が高圧油路29から吸入する作動油量
は、第2油圧ポンプP2 が高圧油路29に吐出する作動
油量の半分となるので、第2油圧ポンプP2 が残りの半
分の作動油を吐出するときの反力が吐出行程中の第2プ
ランジャ24から第2ポンプリング25に作用し、該リ
ング25を介して出力軸2を回転させる。その結果、入
力軸1の1回転中、出力軸2は半回転することになる。
【0047】〈変速比が1の状態(図13参照)〉第1
ポンプリング15が無偏心位置B(図2参照)にシフト
されると、第1油圧ポンプP1 の容量は零に制御され
る。このようになると、第2油圧ポンプP2が高圧油路
29へ吐出する作動油は第1油圧ポンプP1 に全く吸入
されず、行き場を失うため、全ての第2プランジャ24
は油圧ロック状態となり、シリンダボディ12及び第2
ポンプリング25により入、出力軸1,2間が一体的に
連結される結果、両軸1,2は同速度で回転する。
ポンプリング15が無偏心位置B(図2参照)にシフト
されると、第1油圧ポンプP1 の容量は零に制御され
る。このようになると、第2油圧ポンプP2が高圧油路
29へ吐出する作動油は第1油圧ポンプP1 に全く吸入
されず、行き場を失うため、全ての第2プランジャ24
は油圧ロック状態となり、シリンダボディ12及び第2
ポンプリング25により入、出力軸1,2間が一体的に
連結される結果、両軸1,2は同速度で回転する。
【0048】〈変速比が例えば0.66の状態(図14
参照)〉第1ポンプリング15が第2偏心位置C(図2
参照)にシフトされると、第1油圧ポンプP1 の吸入領
域及び吐出領域は、これまでとは逆になると共に、その
容量が第2油圧ポンプP2 の容量の2分の1に制御され
る。このようになると、シリンダボディ12の1回転
中、第1油圧ポンプP1 では第2油圧ポンプP2 の2分
の1の容量をもって、吐出行程中の第1プランジャ14
により対応する第1ポンプポート33から高圧油路29
へ作動油を吐出し、それまで第2油圧ポンプP2 におい
て吐出行程にあった第2プランジャ24に対応する第2
ポンプポート34に供給するようになるため、該第2プ
ランジャ24は膨脹行程に移り、その膨脹推力により第
2ポンプリング25をシリンダボディ12の回転方向へ
半回転分増速させる。結局のところ、変速比は1:1.
5=0.66となり、増速状態となる。
参照)〉第1ポンプリング15が第2偏心位置C(図2
参照)にシフトされると、第1油圧ポンプP1 の吸入領
域及び吐出領域は、これまでとは逆になると共に、その
容量が第2油圧ポンプP2 の容量の2分の1に制御され
る。このようになると、シリンダボディ12の1回転
中、第1油圧ポンプP1 では第2油圧ポンプP2 の2分
の1の容量をもって、吐出行程中の第1プランジャ14
により対応する第1ポンプポート33から高圧油路29
へ作動油を吐出し、それまで第2油圧ポンプP2 におい
て吐出行程にあった第2プランジャ24に対応する第2
ポンプポート34に供給するようになるため、該第2プ
ランジャ24は膨脹行程に移り、その膨脹推力により第
2ポンプリング25をシリンダボディ12の回転方向へ
半回転分増速させる。結局のところ、変速比は1:1.
5=0.66となり、増速状態となる。
【0049】このように、第1ポンプリング15には、
遠心機構60により入力軸1の回転数の上昇に応じて変
速比減少方向への第1シフト力F1 が加えられるが、一
方、枢軸17の前記オフセット配置により入力軸1及び
出力軸2間の伝達トルクの増加に応じて変速比増加方向
への第2シフト力F2 が加えられる。即ち、図2に示す
ように、第1油圧ポンプP1 において、各第1プランジ
ャ14は、対応するポンプポート33の油圧をもって第
1ポンプリング15に半径方向外方への押力を加える
が、第1ポンプポート33は、吸入領域Sでは高圧油路
29に連通し、吐出領域Dでは低圧油路28に連通する
ことから、第1プランジャ14の押力は、吐出領域D側
よりも吸入領域側の方が大きい。したがって、第1プラ
ンジャ14群のポンプリング15に対する総合押力F2
は、吸入領域S及び吐出領域Dの境界面Bpに垂直で入
力軸1の軸線に交わる直線Lに略沿って吸入領域S側に
作用する。而して、第1ポンプリング15を支持する枢
軸17は、前述にように、吸入領域S側で直線Lから第
2偏心位置C側へ所定距離yオフセットして配置されて
いるので、第1プランジャ14群の総合押力F2 と枢軸
17のオフセット距離yとの積からなるモーメントmが
第1ポンプリング15を枢軸17周りに第1偏心位置A
側へ、即ち変速比の増加方向へ揺動付勢することにな
る。しかも高圧油路29の油圧は、入、出力軸1,2間
の伝達トルクの増加に応じて増加するから、結局、第1
プランジャ14群の総合押力F2 、即ち第2シフト力
は、入、出力軸1,2間の伝達トルクの増加に応じて増
加するものとなる。
遠心機構60により入力軸1の回転数の上昇に応じて変
速比減少方向への第1シフト力F1 が加えられるが、一
方、枢軸17の前記オフセット配置により入力軸1及び
出力軸2間の伝達トルクの増加に応じて変速比増加方向
への第2シフト力F2 が加えられる。即ち、図2に示す
ように、第1油圧ポンプP1 において、各第1プランジ
ャ14は、対応するポンプポート33の油圧をもって第
1ポンプリング15に半径方向外方への押力を加える
が、第1ポンプポート33は、吸入領域Sでは高圧油路
29に連通し、吐出領域Dでは低圧油路28に連通する
ことから、第1プランジャ14の押力は、吐出領域D側
よりも吸入領域側の方が大きい。したがって、第1プラ
ンジャ14群のポンプリング15に対する総合押力F2
は、吸入領域S及び吐出領域Dの境界面Bpに垂直で入
力軸1の軸線に交わる直線Lに略沿って吸入領域S側に
作用する。而して、第1ポンプリング15を支持する枢
軸17は、前述にように、吸入領域S側で直線Lから第
2偏心位置C側へ所定距離yオフセットして配置されて
いるので、第1プランジャ14群の総合押力F2 と枢軸
17のオフセット距離yとの積からなるモーメントmが
第1ポンプリング15を枢軸17周りに第1偏心位置A
側へ、即ち変速比の増加方向へ揺動付勢することにな
る。しかも高圧油路29の油圧は、入、出力軸1,2間
の伝達トルクの増加に応じて増加するから、結局、第1
プランジャ14群の総合押力F2 、即ち第2シフト力
は、入、出力軸1,2間の伝達トルクの増加に応じて増
加するものとなる。
【0050】かくして、第1ポンプリング15は、入力
軸1の回転数に依存する第1シフト力F1 と、入、出力
軸1,2間の伝達トルクに依存する、第1シフト力F1
と反対方向の第2シフト力F2 とが釣り合うように偏心
位置が制御される。そして第1偏心位置Aから第2偏心
位置Cへ無段階にシフトされるとき、変速比を無限大
(ニュートラル状態)からオーバドライブ状態まで無段
階に制御することができる。また入力軸1を駆動する原
動機の高回転域では、第1ポンプリング15を第2偏心
位置C側へ揺動して変速比を減少させ、もって燃費の低
減を図り、高負荷域では、第1ポンプリング15を第2
偏心位置C側へ揺動して変速比を増加させ、もって加速
性の向上を図ることができる。しかも第2シフト力F2
は、第1ポンプリング15の枢軸17を単にオフセット
配置するだけでこれを得ることができるので、トルク検
出装置を特別に設ける必要がなく、構造が簡単である。
軸1の回転数に依存する第1シフト力F1 と、入、出力
軸1,2間の伝達トルクに依存する、第1シフト力F1
と反対方向の第2シフト力F2 とが釣り合うように偏心
位置が制御される。そして第1偏心位置Aから第2偏心
位置Cへ無段階にシフトされるとき、変速比を無限大
(ニュートラル状態)からオーバドライブ状態まで無段
階に制御することができる。また入力軸1を駆動する原
動機の高回転域では、第1ポンプリング15を第2偏心
位置C側へ揺動して変速比を減少させ、もって燃費の低
減を図り、高負荷域では、第1ポンプリング15を第2
偏心位置C側へ揺動して変速比を増加させ、もって加速
性の向上を図ることができる。しかも第2シフト力F2
は、第1ポンプリング15の枢軸17を単にオフセット
配置するだけでこれを得ることができるので、トルク検
出装置を特別に設ける必要がなく、構造が簡単である。
【0051】また第1シフト力を発生する遠心機構60
は、入力軸1の回転数の上昇に応じてクラッチ弁51を
も作動させるから、クラッチ弁作動装置を特別に設ける
必要もない。
は、入力軸1の回転数の上昇に応じてクラッチ弁51を
も作動させるから、クラッチ弁作動装置を特別に設ける
必要もない。
【0052】シリンダボディ12の回転中は、油溜41
の油は補給油路40から低圧油路28に遠心力の作用で
吸入され、且つ蓄えられる。したがって第1、第2プラ
ンジャ14,24及び第1、第2切換弁35,36の摺
動面等からの作動油のリーク分は、低圧油路28から直
ちに補給される。
の油は補給油路40から低圧油路28に遠心力の作用で
吸入され、且つ蓄えられる。したがって第1、第2プラ
ンジャ14,24及び第1、第2切換弁35,36の摺
動面等からの作動油のリーク分は、低圧油路28から直
ちに補給される。
【0053】ところで、無段変速機Tは、いずれもラジ
アル型の第1及び第2油圧ポンプP 1 ,P2 を共通のシ
リンダボディ12上で構成してなるものであるから、従
来のアキシャル型油圧ポンプ及びモータを組合せたもの
に比し、軸方向寸法を大幅に短縮させ、コンパクト化を
図ることができる。しかも、前述のように第1ポンプリ
ング15をシフトするだけで変速比を無限大状態からオ
ーバドライブ状態まで無段階に制御することができるの
で、各種車両への適用範囲が極めて広い。
アル型の第1及び第2油圧ポンプP 1 ,P2 を共通のシ
リンダボディ12上で構成してなるものであるから、従
来のアキシャル型油圧ポンプ及びモータを組合せたもの
に比し、軸方向寸法を大幅に短縮させ、コンパクト化を
図ることができる。しかも、前述のように第1ポンプリ
ング15をシフトするだけで変速比を無限大状態からオ
ーバドライブ状態まで無段階に制御することができるの
で、各種車両への適用範囲が極めて広い。
【0054】また、出力軸2の内端に形成された支持筒
3はボールベアリング4を介してミッションケース5に
支承され、その支持筒3はボールベアリング7を介して
入力軸1の内端を支承するので、軸方向の小スペース内
で両軸1,2の内端をミッションケース5に強固に支持
して、その支持剛性を高めることができる。しかも、上
記支持筒3に第2ポンプリング25が一体に連設される
ので、第2プランジャ24の推力及びその反力を支持筒
3及び入力軸1間で支承することでき、これによりミッ
ションケース5への荷重負担を軽減し、その薄肉軽量化
を図ることができる。
3はボールベアリング4を介してミッションケース5に
支承され、その支持筒3はボールベアリング7を介して
入力軸1の内端を支承するので、軸方向の小スペース内
で両軸1,2の内端をミッションケース5に強固に支持
して、その支持剛性を高めることができる。しかも、上
記支持筒3に第2ポンプリング25が一体に連設される
ので、第2プランジャ24の推力及びその反力を支持筒
3及び入力軸1間で支承することでき、これによりミッ
ションケース5への荷重負担を軽減し、その薄肉軽量化
を図ることができる。
【0055】さらにシリンダボディ12は、第1、第2
弁孔31,32及びクラッチ弁孔50を有する中央ブロ
ック12b、第1シリンダ孔13を有する第1側ブロッ
ク12a、及び第2シリンダ孔23を有する第2側ブロ
ック12cの三ブロックに分割され、これらブロックの
接合面に形成される第1、第2環状溝29a,29b
と、両環状溝29a,29b間を連通し、且つ第1、第
2弁孔31,32及びクラッチ弁孔50と交差すべく中
央ブロック12bに穿設される環状配列の複数の通孔2
9cとで環状の高圧油路29が構成され、また三ブロッ
ク12a,12b,12cの接合面に第1、第2ポンプ
ポート33,34が穿設されるので、高圧油路29及び
ポンプポート33,34の形成を容易に行うことがで
き、盲栓が不要である。
弁孔31,32及びクラッチ弁孔50を有する中央ブロ
ック12b、第1シリンダ孔13を有する第1側ブロッ
ク12a、及び第2シリンダ孔23を有する第2側ブロ
ック12cの三ブロックに分割され、これらブロックの
接合面に形成される第1、第2環状溝29a,29b
と、両環状溝29a,29b間を連通し、且つ第1、第
2弁孔31,32及びクラッチ弁孔50と交差すべく中
央ブロック12bに穿設される環状配列の複数の通孔2
9cとで環状の高圧油路29が構成され、また三ブロッ
ク12a,12b,12cの接合面に第1、第2ポンプ
ポート33,34が穿設されるので、高圧油路29及び
ポンプポート33,34の形成を容易に行うことがで
き、盲栓が不要である。
【0056】一方、低圧油路28は、入力軸1及び中央
ブロック12bの対向周面に形成される環状溝で構成さ
れるので、その形成も容易に行うことができる。
ブロック12bの対向周面に形成される環状溝で構成さ
れるので、その形成も容易に行うことができる。
【0057】また上記三ブロック12a,12b,12
cは、前記複数の通孔29cの環状配列線上に略配置さ
れる複数のボルト39により相互に接合されるが、これ
らボルト39を迂回するように、高圧油路29の第1、
第2環状溝29a,29bは、部分的に半径方向内方に
湾曲した花弁形に形成されるので、シリンダボディ12
を小径に形成しても、ボルト39及び高圧油路29の干
渉を回避することができる。
cは、前記複数の通孔29cの環状配列線上に略配置さ
れる複数のボルト39により相互に接合されるが、これ
らボルト39を迂回するように、高圧油路29の第1、
第2環状溝29a,29bは、部分的に半径方向内方に
湾曲した花弁形に形成されるので、シリンダボディ12
を小径に形成しても、ボルト39及び高圧油路29の干
渉を回避することができる。
【0058】図15は本発明の別の実施例を示すもの
で、クラッチ弁51及び、それにより開閉される油路の
構造が前実施例と相違する。即ち、高圧油路29の第1
環状溝29aと連通するクラッチ弁孔50の中間部に
は、シリンダボディ5外、即ち油溜め41に終端を開放
する逃がし孔58が交差する。クラッチ弁51には、第
1環状溝29aに開放端を向けた袋孔55と、その周壁
を貫通する横孔56とが設けられる。而して、摺動板6
4が駆動板62に最接近したときクラッチ弁51の占め
るクラッチオフ位置では、横孔56が逃がし孔58と連
通して高圧油路29の高圧を油溜め41に排出させ、第
1及び第2油圧ポンプP1 ,P2 間の油圧伝動を不能に
し、摺動板64が駆動板62から所定距離離れたときク
ラッチ弁51の占めるクラッチオン位置では、横孔56
と逃がし孔58との連通を遮断して高圧油路29の高圧
の油溜め41への排出を止め、第1及び第2油圧ポンプ
P1 ,P2 間の油圧伝動を可能にする。
で、クラッチ弁51及び、それにより開閉される油路の
構造が前実施例と相違する。即ち、高圧油路29の第1
環状溝29aと連通するクラッチ弁孔50の中間部に
は、シリンダボディ5外、即ち油溜め41に終端を開放
する逃がし孔58が交差する。クラッチ弁51には、第
1環状溝29aに開放端を向けた袋孔55と、その周壁
を貫通する横孔56とが設けられる。而して、摺動板6
4が駆動板62に最接近したときクラッチ弁51の占め
るクラッチオフ位置では、横孔56が逃がし孔58と連
通して高圧油路29の高圧を油溜め41に排出させ、第
1及び第2油圧ポンプP1 ,P2 間の油圧伝動を不能に
し、摺動板64が駆動板62から所定距離離れたときク
ラッチ弁51の占めるクラッチオン位置では、横孔56
と逃がし孔58との連通を遮断して高圧油路29の高圧
の油溜め41への排出を止め、第1及び第2油圧ポンプ
P1 ,P2 間の油圧伝動を可能にする。
【0059】その他の構成は前実施例と同様であるの
で、図中、前実施例との対応部分には同一の符号を付し
て、その説明を省略する。
で、図中、前実施例との対応部分には同一の符号を付し
て、その説明を省略する。
【0060】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば、遠心重錘67は、これを駆動板6
2に軸支する振り子式に構成することもできる。また第
1側ブロック12aを入力軸1と一体に形成することも
できる。
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば、遠心重錘67は、これを駆動板6
2に軸支する振り子式に構成することもできる。また第
1側ブロック12aを入力軸1と一体に形成することも
できる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、ミッションケースに入力軸及び出力軸を同軸状に支
承し、その入力軸に固設されるシリンダボディと、この
シリンダボディに放射状に配設される複数の第1プラン
ジャと、これら第1プランジャを囲繞してそれらの外端
に相対移動可能に係合し、シリンダボディの回転に伴い
各第1プランジャに往復動を与えると共に、その往復動
ストロークを調節すべく、ミッションケースに枢軸を介
して揺動可能に支持される第1ポンプリングとで可変容
量のラジアル型第1油圧ポンプを構成し、また前記シリ
ンダボディと、このシリンダボディに放射状に配設され
る複数の第2プランジャと、出力軸に固設されると共に
これら第2プランジャを囲繞してそれらの外端に相対移
動可能に係合し、シリンダボディとの相対回転に伴い各
第2プランジャに一定ストロークの往復動を与える第2
ポンプリングとで固定容量のラジアル型第2油圧ポンプ
を構成し、シリンダボディには、第1油圧ポンプに作動
油を吸入されると共に第2油圧ポンプから作動油を吐出
される高圧油路と、第1油圧ポンプから作動油を吐出さ
れると共に第2油圧ポンプに作動油を吸入される低圧油
路とを設けたので、従来のアキシャル型油圧ポンプ及び
油圧モータを組合せたものに比し、軸方向寸法が小さ
く、コンパクトな無段変速機を提供することができる。
ば、ミッションケースに入力軸及び出力軸を同軸状に支
承し、その入力軸に固設されるシリンダボディと、この
シリンダボディに放射状に配設される複数の第1プラン
ジャと、これら第1プランジャを囲繞してそれらの外端
に相対移動可能に係合し、シリンダボディの回転に伴い
各第1プランジャに往復動を与えると共に、その往復動
ストロークを調節すべく、ミッションケースに枢軸を介
して揺動可能に支持される第1ポンプリングとで可変容
量のラジアル型第1油圧ポンプを構成し、また前記シリ
ンダボディと、このシリンダボディに放射状に配設され
る複数の第2プランジャと、出力軸に固設されると共に
これら第2プランジャを囲繞してそれらの外端に相対移
動可能に係合し、シリンダボディとの相対回転に伴い各
第2プランジャに一定ストロークの往復動を与える第2
ポンプリングとで固定容量のラジアル型第2油圧ポンプ
を構成し、シリンダボディには、第1油圧ポンプに作動
油を吸入されると共に第2油圧ポンプから作動油を吐出
される高圧油路と、第1油圧ポンプから作動油を吐出さ
れると共に第2油圧ポンプに作動油を吸入される低圧油
路とを設けたので、従来のアキシャル型油圧ポンプ及び
油圧モータを組合せたものに比し、軸方向寸法が小さ
く、コンパクトな無段変速機を提供することができる。
【0062】更にシリンダボディには、入力軸の回転数
の上昇に応じて変速比の減少側へ第1ポンプリングを枢
軸周りに揺動付勢する第1シフト力を発生する遠心機構
を設ける一方、入、出力軸間の伝達トルクの増加に応じ
て変速比の増加側へ第1ポンプリングを枢軸周りに揺動
付勢する第2シフト力を発生させるべく第1油圧ポンプ
における吸入領域及び吐出領域間の境界面に垂直でシリ
ンダボディの軸線と交わる直線から所定距離オフセット
して枢軸を配置したので、入力軸回転数及び伝達トルク
の両方を制御因子として変速比を自動的に無段階に制御
することになり、低燃費と加速性の両方を満足させるこ
とができる。特に、伝達トルクを反映する第2シフト力
は、第1ポンプリングの枢軸を単にオフセット配置する
だけでこれを得ることができるので、トルク検出装置を
特別に設ける必要がなく、構造が簡単である。
の上昇に応じて変速比の減少側へ第1ポンプリングを枢
軸周りに揺動付勢する第1シフト力を発生する遠心機構
を設ける一方、入、出力軸間の伝達トルクの増加に応じ
て変速比の増加側へ第1ポンプリングを枢軸周りに揺動
付勢する第2シフト力を発生させるべく第1油圧ポンプ
における吸入領域及び吐出領域間の境界面に垂直でシリ
ンダボディの軸線と交わる直線から所定距離オフセット
して枢軸を配置したので、入力軸回転数及び伝達トルク
の両方を制御因子として変速比を自動的に無段階に制御
することになり、低燃費と加速性の両方を満足させるこ
とができる。特に、伝達トルクを反映する第2シフト力
は、第1ポンプリングの枢軸を単にオフセット配置する
だけでこれを得ることができるので、トルク検出装置を
特別に設ける必要がなく、構造が簡単である。
【図1】本発明による無段変速機の縦断側面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】図1の部分拡大図
【図7】図1の7−7線断面図
【図8】図1の8部拡大図でクラッチオフ状態を示す。
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】図1の8部拡大図でクラッチオン状態を示
す。
す。
【図11】変速比無限大状態の作用説明図
【図12】変速比2の状態の作用説明図
【図13】変速比1の状態の作用説明図
【図14】変速比0.66の状態の作用説明図
【図15】本発明の別の実施例を示す、図8に対応した
断面図
断面図
1・・・・・入力軸 2・・・・・出力軸 3・・・・・支持筒 5・・・・・ミッションケース 12・・・・シリンダボディ 13・・・・第1シリンダ孔 14・・・・第1プランジャ 15・・・・第1ポンプリング 17・・・・枢軸 23・・・・第2シリンダ孔 24・・・・第2プランジャ 28・・・・低圧油路 29・・・・高圧油路 60・・・・遠心機構 Bp・・・・境界面 D・・・・・吐出領域 F1 ・・・・第1シフト力 F2 ・・・・第2シフト力 L・・・・・直線 P1 ・・・・第1油圧ポンプ P2 ・・・・第2油圧ポンプ S・・・・・吸入領域 T・・・・・無段変速機 y・・・・・オフセット距離
Claims (1)
- 【請求項1】 ミッションケース(5)に入力軸(1)
及び出力軸(2)を同軸状に支承し、その入力軸(1)
に固設されるシリンダボディ(12)と、このシリンダ
ボデー(12)に放射状に配設される複数の第1プラン
ジャ(14)と、これら第1プランジャ(14)を囲繞
してそれらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボ
ディ(12)の回転に伴い各第1プランジャ(14)に
往復動を与えると共に、その往復動ストロークを調節す
べく、ミッションケース(5)に枢軸(17)を介して
揺動可能に支持される第1ポンプリング(15)とで可
変容量のラジアル型第1油圧ポンプ(P1 )を構成し、
また前記シリンダボデー(12)と、このシリンダボデ
ィ(12)に放射状に配設される複数の第2プランジャ
(24)と、出力軸(2)に固設されると共にこれら第
2プランジャ(24)を囲繞してそれらの外端に相対移
動可能に係合し、シリンダボディ(12)との相対回転
に伴い各第2プランジャ(24)に一定ストロークの往
復動を与える第2ポンプリング(25)とで固定容量の
ラジアル型第2油圧ポンプ(P2 )を構成し、シリンダ
ボディ(12)には、第1油圧ポンプ(P1 )に作動油
を吸入されると共に第2油圧ポンプ(P2 )から作動油
を吐出される高圧油路(29)と、第1油圧ポンプ(P
1 )から作動油を吐出されると共に第2油圧ポンプ(P
2 )に作動油を吸入される低圧油路(28)とを形成
し、更に入力軸(1)の回転数の上昇に応じて変速比の
減少側へ第1ポンプリング(15)を枢軸(17)周り
に揺動付勢する第1シフト力(F1 )を発生させる遠心
機構(60)を設ける一方、入、出力軸(1,2)間の
伝達トルクの増加に応じて変速比の増加側へ第1ポンプ
リング(15)を枢軸(17)周りに揺動付勢する第2
シフト力(F2 )を発生させるべく第1油圧ポンプ(P
1 )における吸入領域(S)及び吐出領域(D)間の境
界面(Bp)に垂直でシリンダボディ(12)の軸線と
交わる直線(L)から所定距離(y)オフセットして枢
軸(17)を配置したことを特徴とする、無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28827496A JPH10132050A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28827496A JPH10132050A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 無段変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10132050A true JPH10132050A (ja) | 1998-05-22 |
Family
ID=17728064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28827496A Withdrawn JPH10132050A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10132050A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007016840A1 (fr) * | 2005-08-08 | 2007-02-15 | Haiping Liu | Transmission à variation continue automatique |
KR100896651B1 (ko) | 2002-12-23 | 2009-05-08 | 주식회사 포스코 | 무단 변속기 |
WO2011044826A1 (zh) * | 2009-10-16 | 2011-04-21 | 南京阿福汽车控制系统有限公司 | 变速控制方法及变速机构 |
CN109114188A (zh) * | 2018-09-29 | 2019-01-01 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种液压无级变速器 |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP28827496A patent/JPH10132050A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100896651B1 (ko) | 2002-12-23 | 2009-05-08 | 주식회사 포스코 | 무단 변속기 |
WO2007016840A1 (fr) * | 2005-08-08 | 2007-02-15 | Haiping Liu | Transmission à variation continue automatique |
CN100395468C (zh) * | 2005-08-08 | 2008-06-18 | 刘海平 | 自动无级变速器 |
WO2011044826A1 (zh) * | 2009-10-16 | 2011-04-21 | 南京阿福汽车控制系统有限公司 | 变速控制方法及变速机构 |
CN102792061A (zh) * | 2009-10-16 | 2012-11-21 | 南京阿福汽车控制系统有限公司 | 变速控制方法及变速机构 |
CN109114188A (zh) * | 2018-09-29 | 2019-01-01 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种液压无级变速器 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051025 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070731 |