JP2002054734A - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

静油圧式無段変速機

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JP2002054734A JP2001159902A JP2001159902A JP2002054734A JP 2002054734 A JP2002054734 A JP 2002054734A JP 2001159902 A JP2001159902 A JP 2001159902A JP 2001159902 A JP2001159902 A JP 2001159902A JP 2002054734 A JP2002054734 A JP 2002054734A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静油圧式の無段変速機において、減速時に高
圧側となる油路の油圧が過大になるのを防止する。 【解決手段】 油圧ポンプPと油圧モータMの間に前記
油圧ポンプPから前記油圧モータM側に作動油を送る高
圧油路53と前記油圧モータM側から前記油圧ポンプP
側に作動油を送る低圧油路52とからなる油圧閉回路を
構成してなる静油圧式の無段変速機において、前記低圧
油路52内の圧力が車両のエンジンブレーキ時に所定圧
以上になったとき、前記低圧油路52内の油圧を前記高
圧油路53に導くためのエンジンブレーキ調圧弁130
を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静油圧式無段変速機
に関し、減速時における作動油圧の過大上昇を防止する
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車や自動車の無段変速機として
静油圧式のものが知られている。このような静油圧式の
無段変速機は、例えば特公平7−56340号公報、特
開平4−203553号公報などに開示されている。そ
の概略構成を図6に示す。
【0003】図6に示すように、この静油圧式無段変速
機は、エンジンのクランク軸側と接続される定容量型の
斜板式油圧ポンプPと、駆動輪側に接続される可変容量
型の斜板式油圧モータMとを有している。油圧ポンプP
と油圧モータMとは、通常の負荷運転中には低圧路であ
るが減速時つまり逆負荷運転中には高圧路となる内側油
路(低圧油路)52、並びに通常の負荷運転中には高圧
路であるが逆負荷運転中には低圧路となる外側油路(高
圧油路)53とを介して油圧閉回路を構成すべく接続さ
れている。油溜87から油を吸い上げる補給ポンプ88
に連なる補給油路47は、第1逆止弁95を介して内側
油路52に接続されると共に、第2逆止弁96を介して
外側油路53に接続されている。
【0004】また、内側油路52及び外側油路53間に
は、運転者のクラッチ操作に応じて作動するクラッチ弁
69が介設されている。これらのクラッチ弁69は、両
油路52、53間を遮断するクラッチオン位置、両油路
52、53間を連通するクラッチオフ位置、並びに両油
路52、53を連通したまま外部に開放する連通・放出
位置の三つの位置を切り換え可能となっている。
【0005】外側油路53と内側油路52との間には調
圧弁97が設けられている。この調圧弁97により、通
常の負荷運転中、つまり加速時に、高圧側である外側油
路53の油路が一定値以上になった場合、外側油路53
の作動油の一部を内側油路52に導いて、外側油路53
内の油圧が過大になることを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の静
油圧式無段変速機において、逆負荷運転時すなわちエン
ジンブレーキ時には、車輪側からの駆動となり、油圧モ
ータMがポンプ作用を行い、油圧ポンプPがモータ作用
を行うようになり、外側油路53が低圧路となり、内側
油路52が高圧路となる。特に、自動二輪車等の車輌に
おいて、小ジャンプ後の着地時には、内側油路52内の
油圧が大きく上昇する。このように内側油路52側の油
圧が過大になると耐圧性を高めるために変速機本体を大
型にせざろう得ない。
【0007】本発明は、静油圧式無段変速機において、
上述のように通常の負荷運転中には作動油の過大上昇防
止が図られているにもかかわらず、減速時における作動
油の過大上昇防止が図られていないことにかんがみてな
されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、油圧ポンプと油圧モータの間に、前記油圧
ポンプ側から前記油圧モータ側に作動油を送る高圧油路
と前記油圧モータ側から前記油圧ポンプ側に作動油を送
る低圧油路とからなる油圧閉回路を構成してなる静油圧
式無段変速機において、前記低圧油路の圧力が規定値以
上になったときに前記低圧油路の油圧を前記高圧油路に
開放する調圧弁を設けたことを特徴とする。
【0009】上記構成の静油圧式無段変速機によれば、
通常走行時に低圧側であった油圧回路の油圧が、減速時
に油圧モータが油圧ポンプとして機能することにより高
圧になった場合でも、その油圧が所定値以上になったと
きには、調圧弁が開いて油を通常走行時には高圧側であ
るが減速時には低圧側である高圧油路に導くようにした
ので、低圧油路内の油圧が過大になるのが防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1には本発明に係る静油圧式無
段変速機の概略構成を示し、図2には車輌のパワーユニ
ットに適用した実施の一形態の静油圧式無段変速機の縦
断面を示す。図3には図2に示した実施形態における逆
止弁部分の縦断面、図4には同様に調圧弁部分の縦断
面、図5には弁の配置を表す概略側面を示す。
【0011】図1に示すように、この静油圧式無段変速
機の基本的構造は従来のものと同様である。つまり、エ
ンジンのクランク軸側と接続される定容量型の斜板式油
圧ポンプPと、減速機側に接続される可変容量型の斜板
式油圧モータMとを有しており、油圧ポンプPと油圧モ
ータMとは、通常の負荷運転中には低圧路であるが減速
時つまり逆負荷運転中には高圧路となる内側油路(低圧
油路)52、並びに通常の負荷運転中には高圧路である
が逆負荷運転中には低圧路となる外側油路(高圧油路)
53とを介して油圧閉回路を構成すべく接続されてい
る。油溜87から油を吸い上げる補給ポンプ88に連な
る補給油路47は、第1逆止弁95を介して内側油路5
2に接続されると共に、第2逆止弁96を介して外側油
路53に接続される。
【0012】また、内側油路52及び外側油路53間に
は、運転者のクラッチ操作に応じて作動する複数のクラ
ッチ弁69が介設されている。これらのクラッチ弁69
は、両油路52、53間を遮断するクラッチオン位置、
両油路52、53間を連通するクラッチオフ位置、並び
に両油路52、53を連通したまま外部に開放する連通
・放出位置の三つの位置を切り換え可能となっている。
【0013】外側油路53と内側油路52との間には調
圧弁97が設けられる。この調圧弁97により、通常の
負荷運転中、つまり加速時に、高圧側である外側油路5
3の油路が一定値以上になった場合、外側油路53の作
動油の一部が内側油路52に導かれ、油圧が過大になる
ことが防止される。
【0014】本発明では、上記構成に加え、更に外側油
路53と内側油路52との間にエンジンブレーキ調圧弁
130が設けられる。このエンジンブレーキ調圧弁13
0により、逆負荷運転中、つまり減速時に、通常運転時
に低圧側である内側油路52の油路が一定値以上になっ
た場合、内側油路52の作動油の一部が外側油路53に
導かれ、油圧が過大になることが防止される。
【0015】次に、一実施形態に係る静油圧式無段変速
機の構成について詳細に説明する。図2において、斜板
式油圧ポンプPは、一次減速装置の出力ギヤ2aを備え
た入力筒軸5と、この入力筒軸5の内周壁にボールベア
リング6を介して相対回転自在に支持されたポンプシリ
ンダ7と、このポンプシリンダ7にその回転軸線を囲む
ように環状配列で設けられた多数のシリンダ孔8と、各
シリンダ孔8内にそれぞれ摺動自在に嵌合された複数の
ポンププランジャ9と、各ポンププランジャ9の外端に
前面を係合、当接させるプレート10と、このプレート
10をポンプシリンダ7の軸線と直交する仮想トラニオ
ン軸センターO1を中心にしてポンプシリンダ7の軸線
に対して一定角度傾斜させた状態に保持すべくアンギュ
ラコンタクトベアリング13及びラジアルベアリング1
4を介して該プレート10を支承するポンプ斜板12と
から構成される。ポンプ斜板12は前記入力筒軸5と一
体に形成される。
【0016】前記ポンプ斜板12は、入力筒軸5の回転
時、ポンププランジャ9にプレート10、ベアリング1
3、14を介して往復動を与えて吸入及び吐出行程を繰
り返させる。
【0017】油圧モータMは、前記ポンプシリンダ7と
一体をなし、かつ前記ポンプシリンダ7と同軸上で図2
の右方に位置するモータシリンダ17と、該モータシリ
ンダ17にその回転軸線を囲むように設けられたシリン
ダ孔18と、各シリンダ孔18内にそれぞれ摺動可能に
嵌合された複数のモータプランジャ19と、各モータプ
ランジャ19の外端に前面を係合、当接させるプレート
20と、アンギュラコンタクトベアリング27及びラジ
アルベアリング28を介して前記プレート20を支承す
るモータ斜板22と、該モータ斜板22の背面を支承す
るモータ斜板アンカ23とから構成される。
【0018】相互に当接するモータ斜板22及びモータ
斜板アンカ23の対向当接面22a、23aは、モータ
シリンダ17の軸線とトラニオン軸センターO2との交
点を中心とする球面状に形成される。しかもモータ斜板
22は、前記トラニオン軸センターO2回りの相対回転
を可能としてモータ斜板アンカ23に支承される。
【0019】モータ斜板アンカ23のモータシリンダ1
7側端部には筒状のシリンダホルダ24が連設され、こ
のシリンダホルダ24とモータシリンダ17の外周との
間にはボールベアリング25が介設される。
【0020】プレート20は、モータ80に連結されて
いるボールねじ機構79によりモータ斜板22がトラニ
オン軸センターO2回りに回動せしめられることによ
り、モータシリンダ17の軸線に対し直角となる直立位
置と、ある角度で傾倒する最大傾斜位置との間で作動す
るものであり、その傾斜状態では、モータシリンダ17
の回転に伴いモータプランジャ19に往復動を与えて膨
張及び収縮行程を繰り返させることができる。
【0021】ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17
は相互に一体に結合されてシリンダブロックBを構成す
るものであり、このシリンダブロックBと出力軸31と
が一体になっている。
【0022】出力軸31のシリンダブロックBを境にし
て一方側は、プレート10及びポンプ斜板12を貫通す
るものであり、アンギュラコンタクトボールベアリング
33を介してポンプ斜板12の端部を支承する。また、
ポンプ斜板12とケーシング4との間にはボールベアリ
ング35が介設される。
【0023】出力軸31のシリンダブロックBを境にし
て他方側は、プレート20、モータ斜板22及びモータ
斜板アンカ23を貫通するように延びている。出力軸3
1の端部側(図2中右方端側)においてはアンギュラコ
ンタクトベアリング41を介してモータ斜板アンカ23
が支承される。モータ斜板アンカ23はケーシング4と
一体とされている。出力軸31の軸方向外方側で出力軸
31の外周には第2次減速装置の入力ギヤ3aが取り付
けられる。
【0024】シリンダブロックBと一体の中空の出力軸
31の内部は補給油路47となっている。出力軸31の
一端部(図2中左方端部)において補給油路47は、オ
イルフィルタ89、補給ポンプ88を介して油溜87に
接続されている。なお、出力軸31の他端部において補
給油路47はプラグ48で閉塞されているか、もしく
は、絞りをもって開放される。
【0025】ポンプシリンダ7のシリンダ孔8群とモー
タシリンダ17のシリンダ孔18群との間において、出
力軸31の外周面には環状の溝が形成され、出力軸31
に一体的に嵌合されるシリンダブロックBの内周面とで
環状の内側油路52が形成されている。また、シリンダ
ブロックBの外周面には環状の溝が形成され、シリンダ
ブロックBの外周面に一体的に嵌合されたリング体56
の内周面とで環状の外側油路53が形成されている。
【0026】ポンプシリンダ7のシリンダ孔8群とモー
タシリンダ17のシリンダ孔18群との間におけるシリ
ンダブロックBの内側油路52と外側油路53との間の
環状隔壁、並びに外側油路53の外周壁すなわちリング
体56を放射状に貫通するようにして、前記シリンダ孔
8と同数の第1弁孔57がシリンダ孔8群側に設けら
れ、やはり前記シリンダ孔18と同数の第2弁孔58が
シリンダ孔18群側にそれぞれ設けられている。各シリ
ンダ孔8と各第1弁孔57とはポンプポート59により
連通されており、各シリンダ孔18と各第2弁孔58と
はモータポート60により連通されている。
【0027】前記第1弁孔57にはスプール型の第1分
配弁61が、また前記第2弁孔58には同じくスプール
型の第2分配弁62がそれぞれ摺動自在に嵌合される。
そして、第1分配弁61の外端にはそれら第1分配弁6
1を囲む第1偏心輪(偏心カム)63が、また第2分配
弁62の外端にはそれら第2分配弁62を囲む第2偏心
輪(偏心カム)64が、それぞれスリップリング(又は
ボールベアリング)65、66を介して係合される。
【0028】第1分配弁61の外端部は第1偏心輪63
と同心関係の第1エキスパンドリング67により相互に
連結され、また第2分配弁62の外端部は第2偏心輪6
4と同心関係にある第2エキスパンドリング68により
相互に連結される。
【0029】第1偏心輪63は入力筒軸5に一体に設け
られるものであり、前記ポンプ斜板12の斜動中心(仮
想トラニオン軸センターO1)に沿ってシリンダブロッ
クBの中心から所定距離だけ偏心して位置される。ま
た、第2偏心輪64は前記シリンダホルダ24に連設さ
れるものであり、前記モータ斜板20の傾動中心(仮想
トラニオン軸センターO2)に沿ってシリンダブロック
Bの中心から所定距離だけ偏心して位置される。
【0030】ここで、第1分配弁61の作用について説
明すると、入力筒軸5とポンプシリンダ7すなわちシリ
ンダブロックBとの間に相対回転が生じると、各第1分
配弁61は、第1偏心輪63により第1弁孔57におい
て前記偏心距離の2倍の距離をストロークとしてポンプ
シリンダ7の半径方向内方位置及び外方位置間を往復動
される。そして、油圧ポンプPの吐出領域では、第1分
配弁61は前記内方位置側を移動して、対応するポンプ
ポート59を外側油路53に連通すると共に内側油路5
2とを不通にし、それにより吐出行程中のポンププラン
ジャ9によりシリンダ孔8から外側油路53へ作動油が
圧送される。
【0031】また、油圧ポンプPの吸入領域では、第1
分配弁61は前記外方位置側を移動して、対応するポン
プポート59を内側油路52に連通すると共に外側油路
53とを不通にし、それにより吸入行程中のポンププラ
ンジャ9により内側油路52からシリンダ孔8に作動油
が吸入される。
【0032】第2分配弁62の作用について説明する
と、モータシリンダ17すなわちシリンダブロックBが
回転すると、各第2分配弁62は、第2偏心輪64によ
り第2弁孔58において前記偏心距離の2倍の距離をス
トロークとしてシリンダブロックBの半径方向内方位置
及び外方位置間を往復動される。油圧モータMの膨張領
域では、第2分配弁62は前記内方位置側を移動し、対
応するモータポート60を外側油路53に連通すると共
にモータポート60及び内側油路52間を不通にし、そ
れにより外側油路53から膨張行程中のモータプランジ
ャ19のシリンダ孔18に高圧の作動油が供給される。
【0033】また、油圧モータMの収縮領域では、第2
分配弁62は前記外方位置側を移動し、対応するモータ
ポート60を内側油路52に連通すると共にモータポー
ト60及び外側油路53間を不通にし、それにより収縮
行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18から内
側油路52へ作動油が排出される。
【0034】かくしてシリンダブロックBは、ポンプシ
リンダ7が吐出行程のポンププランジャ9を介してポン
プ斜板12から受ける反動トルクと、モータシリンダ1
7が膨張行程のモータプランジャ19を介してモータ斜
板22から受ける反動トルクとの和によって回転され、
その回転トルクは出力軸31から2次減速装置に伝達さ
れる。この場合、入力筒軸5に対する出力軸31の変速
比は次式によって与えられる。
【0035】変速比=1+(油圧モータMの容量/油圧
ポンプPの容量)
【0036】したがって、油圧モータMの容量を零から
或る値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変
えることができる。しかも、その油圧モータMの容量は
モータプランジャ19のストロークにより決定されるの
で、モータ斜板22を直立位置から或る傾斜位置まで傾
動させることにより変速比を1から或る値まで無段階に
制御することができる。
【0037】図2では表れていないが、シリンダブロッ
クBの外周部には120度ずつ等間隔でかつ相互に隣接
する第1弁孔57間並びに第2弁孔58間に図1に示し
たクラッチ弁が設けられている。このクラッチ弁は、ク
ラッチレバーの操作により、内側油路52と外側油路5
3との間を遮断するクラッチオン位置と、このクラッチ
オン位置から移動して、内側油路52と外側油路53と
の間を連通するクラッチオフ位置と、このクラッチオフ
位置から更に移動して内側油路52と外側油路53との
間を連通すると共に内側油路52及び外側油路53を外
部に開放する連通・放出位置とを切り換え可能となって
いる。
【0038】次に、シリンダブロックBに設けられてい
る逆止弁95、96について、図3、5に基づき説明す
る。シリンダブロックBには内側油路52に通じる連通
孔90が穿設されと共に補給油路47に通じる連通孔9
1が穿設され、これらの連通孔90、91間に、内側油
路52から補給油路47への作動油の逆流を阻止するた
めの第1逆止弁95が設けられる。第1逆止弁95は、
連通孔90と91とをつなぐ油通路101を有する弁本
体103と、弁本体103に設けられた弁座103aに
当接する球状の弁体104と、弁体104を弁座103
aに押し付けるべく弁体104にばね力を付勢する弁ば
ね105とからなる。
【0039】シリンダブロックBには補給油路47に通
じる連通孔113が穿設され、この連通孔113と外側
油路53との間に、外側油路53から補給油路47への
作動油の逆流を阻止するための第2逆止弁96が設けら
れる。第2逆止弁96は、連通孔113と外側油路53
とをつなぐ油通路112を有する弁本体109と、弁本
体109に設けられた弁座109aに当接する球状の弁
体110と、弁体110を弁座109aに押し付けるべ
く弁体110にばね力を付勢する弁ばね111とからな
る。尚、連通孔91、113を加工する為にポンプシリ
ンダー7の外周方向から開けた開口部はベアリング10
2のインナーレースの内周面でシールされており、開口
部を封止する特別な部品が必要なくなるので部品点数が
少なく低コストで製作することが可能である。
【0040】シリンダブロックBには内側油路52に通
じる連通孔121が設けられ、この連通孔121と外側
油路53との間に、外側油路53の油圧の過大上昇を防
止するための調圧弁97が設けられている。調圧弁97
は、内部が弁室122となっており、弁室122と前記
連通孔121とをつなぐ連通孔124と、弁室122と
外側通路53とをつなぐ通路125とを有する弁本体1
15と、弁本体115に形成された弁座115aに当接
する球状の弁体126を保持する可動体127と、弁本
体115に設けられた固定部材129と、前記弁体12
6を弁座115aに当接させるべく前記固定部材129
と前記可動体127との間に設けられた弁ばね128と
からなる。
【0041】調圧弁97において、弁体126には外側
油路53の油圧が作用し、弁体126には開弁力が与え
られるが、外側油路53の油圧が規定値以下にある通常
の運転状態では、弁体126を閉弁方向に付勢する弁ば
ね128の力が上記開弁力よりも大きいので、図4
(a)に示すように弁体126は閉弁状態すなわち外側
油路53に通じる通路125と内側油路52に通じる連
通孔124とを遮断した状態に保持される。外側油路5
3の油圧が前記規定値を上回ると、上記開弁力が弁ばね
128の力よりも大きくなるので、図4(b)に示すよ
うに弁体126及び可動体127が弁ばね128を圧縮
しつつ摺動して弁体126が弁座115aから離れ、外
側油路53に通じる通路125と内側油路52に通じる
連通孔124とが連通し、外側油路53の過大油路が連
通孔125、弁室122、連通孔124、121を介し
て内側油路52に放出される。
【0042】外側油路53の油圧が元に戻ると、弁ばね
128のばね力で弁体126は図4(a)に示す閉鎖状
態に復帰される。したがって、車両の急発進、急加速時
でも、外側油路53の油圧の過大上昇を抑えることがで
きる。
【0043】シリンダブロックBには、前述したよう
に、逆負荷運転中、つまり減速時に、通常運転時に低圧
側である内側油路52の油圧が規定値以上になった場
合、油圧が過大になることによる不具合を防止するた
め、内側油路52の作動油の一部を外側油路53に導く
エンジンブレーキ調圧弁(リリーフ弁) 130が設けら
れる。シリンダブロックBには出力軸31と平行に弁孔
131があけられており、この弁孔131内にエンジン
ブレーキ調圧弁130の弁本体132が嵌合されてい
る。弁孔131に嵌合された弁本体132の外周面と弁
孔131の内周面との間には環状の油路133が形成さ
れる。シリンダブロックBには、この環状の油路133
と内側油路52とをつなぐ連通孔134が形成されてい
る。
【0044】エンジンブレーキ調圧弁130の弁本体1
32内には弁室136が形成されており、弁室136と
前記環状の油路133とをつなぐ連通孔137が形成さ
れている。弁室136内には、弁本体132の弁室13
6側に形成された弁座132aに当接する球状の弁体1
38を保持する可動体139が収容され、弁本体132
に設けられた固定部材140と可動体139との間に
は、前記弁体138を弁座132aに当接させるべく弁
体138にばね力を付勢する弁ばね141が設けられて
いる。前記可動体139と弁本体132との間には油通
路142が形成されており、固定部材140と弁本体1
32との間にも油通路143が形成され、この油通路1
43が外側油路53につながつている。つまり、弁体1
38が弁座132aから離れることにより、連通孔13
4、環状の油路133、弁本体132の連通孔137、
油通路142、143を介して、内側油路52が外側通
路53につながるようになっている。
【0045】このエンジンブレーキ調圧弁130におい
て、弁体138には内側油路52の油圧により開弁力が
作用するが、内側油路52の油圧が規定値以下にある通
常の運転状態では、弁体138を閉弁方向に付勢する弁
ばね141の力が上記開弁力よりも大きいので、図4
(a)に示すように弁体138は閉弁状態すなわち内側
油路52に通じる連通孔137と外側油路53に通じる
油通路142とを遮断した状態に保持する。
【0046】逆負荷運転中、つまりエンジンブレーキ時
に、内側油路52の油圧が規定値を上回ると、上記開弁
力が弁ばね141の力よりも大きくなるので、図4
(c)に示すように弁体138及び可動体139が弁ば
ね141を圧縮しつつ移動して弁体138が弁座132
aから離れ、内側油路52に通じる通路137と外側油
路53に通じる油通路142、143とが連通し、内側
油路52内の過大となった作動油が連通孔134、環状
の油路133、弁本体132の連通孔137、油通路1
42、143を介して外側通路53に放出され、内側油
路52内の圧力上昇が抑えられる。
【0047】内側油路52の油圧が元に戻ると、弁ばね
141のばね力で弁体138は図4(a)に示す閉鎖状
態に復帰される。
【0048】上記実施の形態では、エンジンブレーキ調
圧弁130をシリンダブロックBに組み込んだ例を示し
たが、エンジンブレーキ調圧弁130を設ける個所はこ
こに限らず、例えば出力軸内に弁筒を設けてその中に組
み込むこともできる。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る静油圧式無段変速機によれ
ば、油圧ポンプと油圧モータの間に、前記油圧ポンプ側
から前記油圧モータ側に作動油を送る高圧油路と前記油
圧モータ側から前記油圧ポンプ側に作動油を送る低圧油
路とからなる油圧閉回路からなる静油圧式無段変速機に
おいて、前記低圧油路の圧力が所定値以上になったとき
に前記低圧油路の油圧を前記高圧油路に開放する調圧弁
を設けたので、通常走行時に低圧側であった油圧回路の
油圧が、減速時に油圧モータが油圧ポンプとして機能す
ることにより高圧になった場合でも、その油圧が規定値
以上になった場合には、リリーフバルブが開いて油を通
常走行時には高圧側であるが減速時には低圧側である高
圧油路に導くようにしたので、低圧油路内の油圧が過大
になるのが防止される。特に、自動二輪車等の車輌にお
いては、小ジャンプ後の着地時における無段変速機内の
油圧の過大な上昇を防ぐことができ、無段変速機に不具
合を来すおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静油圧式無段変速機の概略構成図
である。
【図2】車輌のパワーユニットに適用した一実施形態に
係る静油圧式無段変速機の縦断面図である。
【図3】図2に示した実施形態の逆止弁部分の縦断面で
ある。
【図4】図2に示した実施形態の調圧弁部分の縦断面で
ある。
【図5】図2に示した実施形態の弁の配置を表す概略側
面図である。
【図6】従来の静油圧式無段端変速機の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
4 ケーシング、 5 入力筒軸、8 シリンダ孔、 7
ポンプシリンダ、10 プレート(ポンプ)、 12
ポンプ斜板、17 モータシリンダ、 18 シリンダ
孔、20 プレート(モータ)、 22 モータ斜板、
31 出力軸、 47 補給油路、52 内側油路、 5
3 外側油路、56 リング体、 57 第1弁孔、58
第2弁孔、 59 ポンプポート、60 モータポート、
61 第1分配弁、62 第2分配弁、 63 第1偏
心輪、64 第2偏心輪、 67 第1エキスパンドリ
ング、68 第2エキスパンドリング、 88 補給ポ
ンプ、95 第1逆止弁、 96 第2逆止弁、97 調
圧弁、 130 エンジンブレーキ調圧弁、B シリンダ
ブロック、 M 斜板式油圧モータ、P 斜板式油圧ポン
プ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 和浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 藤本 靖司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3J053 AA01 AB12 AB14 AB38 AB43 DA16 EA07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと油圧モータの間に、前記油
    圧ポンプ側から前記油圧モータ側に作動油を送る高圧油
    路と前記油圧モータ側から前記油圧ポンプ側に作動油を
    送る低圧油路とからなる油圧閉回路を構成してなる静油
    圧式無段変速機において、 前記低圧油路の圧力が規定値以上になったときに前記低
    圧油路の油圧を前記高圧油路に開放する調圧弁を設けた
    ことを特徴とする静油圧式無段変速機。
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