JPH0617925A - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

静油圧式無段変速機

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JPH0617925A
JPH0617925A JP4176676A JP17667692A JPH0617925A JP H0617925 A JPH0617925 A JP H0617925A JP 4176676 A JP4176676 A JP 4176676A JP 17667692 A JP17667692 A JP 17667692A JP H0617925 A JPH0617925 A JP H0617925A
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JP
Japan
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valve
cylinder
clutch
oil passage
connecting rod
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Application number
JP4176676A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Nakajima
芳浩 中島
Tsutomu Hayashi
勉 林
Hideki Sasaki
英喜 佐々木
Yoshinori Kawashima
芳徳 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Keihin Corp
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油圧ポンプのポンプシリンダと油圧モータのモ
ータシリンダとを同軸上に有するシリンダブロックがケ
ーシングに回転自在に支承され、シリンダブロックの内
周側に設けられる内周環状油路と該内周環状油路を同軸
に囲繞してシリンダブロックの外周側に設けられる外周
環状油路との間に介装されるクラッチ弁の弁体が、シリ
ンダブロックの回転軸線上で軸方向移動可能に配置され
るとともにクラッチ制御装置に連結される静油圧式無段
変速機において、クラッチ制御装置に対するクラッチ弁
の作動位置を調整可能とする。 【構成】弁体84に一端が連結される連結部材128の
他端が、前記弁体84の移動方向と平行な方向への移動
を可能としてケーシング44に支承される連結杆129
の一端に軸方向位置を調整可能として連結され、該連結
杆129の他端がクラッチ制御装置130に連結され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ポンプのポンプシ
リンダと油圧モータのモータシリンダとを同軸上に有す
るシリンダブロックがケーシングに回転自在に支承さ
れ、シリンダブロックの内周側に設けられる内周環状油
路と該内周環状油路を同軸に囲繞してシリンダブロック
の外周側に設けられる外周環状油路との間に介装される
クラッチ弁の弁体が、シリンダブロックの回転軸線上で
軸方向移動可能に配置されるとともにクラッチ制御装置
に連結される静油圧式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる静油圧式無段変速機は、た
とえば特開平2−113168号公報等に開示されてい
るように、既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の静油圧式無
段変速機では、クラッチ弁の弁体をクラッチオン位置側
に付勢する調圧ばねのセット荷重をクラッチ制御装置で
調節するようにしているが、クラッチ弁における各構成
部材、連結部材およびクラッチ制御装置の各構成部材の
製作時の寸法のばらつき、ならびに操作フィーリングに
応じて、クラッチ制御装置に対するクラッチ弁の作動位
置を調整し得るようにすることが望ましい。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、クラッチ制御装置に対するクラッチ弁の作動
位置を調整可能とした静油圧式無段変速機を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、弁体に一端が連結される連結部材
の他端が、前記弁体の移動方向と平行な方向への移動を
可能としてケーシングに支承される連結杆の一端に軸方
向位置を調整可能として連結され、該連結杆の他端がク
ラッチ制御装置に連結される。
【0006】
【実施例】以下、図面により本発明を自動二輪車用静油
圧式無段変速機に適用したときの一実施例について説明
する。
【0007】図面は本発明の一実施例を示すものであ
り、図1は静油圧式無段変速機の拡大横断平面図、図2
は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面
図、図4は図1の要部拡大断面図である。
【0008】先ず図1において、静油圧式無段変速機
は、定容量型の斜板式油圧ポンプPと、可変容量型の斜
板式油圧モータMとが、通常の負荷運転中には低圧路と
なるが逆負荷運転中には高圧路となる内周環状油路1
1、ならびに通常の負荷運転中には高圧路となるが逆負
荷運転中には低圧路となる外周環状油路12を介して油
圧閉回路を構成すべく接続されて成るものである。
【0009】斜板式油圧ポンプPは、入力ギヤ13を備
えた入力筒軸14と、この入力筒軸14の内周壁にボー
ルベアリング15を介して相対回転自在に支承されるポ
ンプシリンダ16と、該ポンプシリンダ16にその回転
軸線を囲むように環状配列で設けられた多数かつ奇数の
ポンプシリンダ孔17…にそれぞれ摺動自在に嵌合され
る複数のポンププランジャ18…と、各ポンププランジ
ャ18…の外端に前面を係合、当接させるポンプ斜板1
9と、このポンプ斜板19をポンプシリンダ16の軸線
と直交する仮想トラニオン軸線O1 を中心にしてポンプ
シリンダ16の軸線に対し一定角度傾斜させた状態に保
持すべくスラストベアリング20およびラジアルベアリ
ング21を介して該斜板19を支承するポンプ斜板ホル
ダ22とから構成される。而してポンプ斜板ホルダ22
は入力筒軸14と一体に形成されている。
【0010】前記ポンプ斜板19は、入力筒軸14の回
転時、ポンププランジャ18…に往復動を与えて吸入お
よび吐出行程を繰返させることができる。
【0011】油圧モータMは、ポンプシリンダ16と同
軸上で図1の左方に配置されるモータシリンダ27と、
該モータシリンダ27にその回転軸線を囲むように設け
られたモータシリンダ孔28…にそれぞれ摺動可能に嵌
合される複数のモータプランジャ29…と、各モータプ
ランジャ29…の外端に前面を係合、当接させるモータ
斜板30と、スラストベアリング31およびラジアルベ
アリング32を介して前記モータ斜板30を支承するモ
ータ斜板ホルダ33と、該モータ斜板ホルダ33の背面
を支承してケーシング44に固定されるモータ斜板アン
カ34とから構成される。前記モータシリンダ孔28…
は油圧ポンプPにおけるポンプシリンダ孔17…と同数
の奇数個がモータシリンダ27に穿設される。また相互
に当接するモータ斜板ホルダ33およびモータ斜板アン
カ34の対向当接面は、モータシリンダ27の軸線と前
記仮想トラニオン軸線O1 に平行なトラニオン軸線O2
との交点を中心とする球面状に形成される。しかもモー
タ斜板ホルダ33は、トラニオン軸線O2 まわりの相対
回動を可能としてモータ斜板アンカ34に支承される。
【0012】モータ斜板アンカ34のモータシリンダ2
7側端部には筒状のシリンダホルダ35が一体に連設さ
れ、このシリンダホルダ35とモータシリンダ27の外
周との間にはボールベアリング36が介設される。
【0013】モータ斜板30は、パルスモータ37に連
結されているボールねじ機構38によりモータ斜板ホル
ダ33がトラニオン軸線O2 まわりに回動せしめられる
ことにより、モータシリンダ27の軸線に対し直角とな
る直立位置と、或る角度で傾倒する最大傾斜位置との間
で作動するものであり、その傾斜状態では、モータシリ
ンダ27の回転に伴いモータプランジャ29…に往復動
を与えて膨脹および収縮行程を繰り返させることができ
る。
【0014】ポンプシリンダ16およびモータシリンダ
27は相互に一体に結合されてシリンダブロックBを構
成するものであり、このシリンダブロックBには、同軸
の出力軸41および軸42が一体に設けられる。すなわ
ちシリンダブロックBにおけるモータシリンダ27のモ
ータ斜板30に対向する部分の中心部から出力軸41が
一体に突設され、前記シリンダブロックBにおけるポン
プシリンダ16のポンプ斜板19に対向する部分の中心
部から前記出力軸41と同軸にして軸42が一体に突設
される。
【0015】軸42はポンプ斜板19およびポンプ斜板
ホルダ22を貫通するものであり、軸42およびポンプ
斜板ホルダ22間にはアンギュラコンタクトボールベア
リング43が、またポンプ斜板ホルダ22とケーシング
44との間にはボールベアリング45が介設される。
【0016】出力軸41は、モータ斜板30、モータ斜
板ホルダ33およびモータ斜板アンカ34を貫通するよ
うに延びており、モータ斜板アンカ34よりも軸方向外
方側で出力軸41には出力スプロケット46が固定され
る。またモータ斜板アンカ34と出力軸41との間には
アンギュラコンタクトボールベアリング47が介装され
る。
【0017】シリンダブロックBには、補給油路48を
形成する中心孔49が、軸42側および出力軸41を貫
通して同軸に設けられており、中心孔49の一端はねじ
栓50で閉塞される。
【0018】ポンプシリンダ16のポンプシリンダ孔1
7…群とモータシリンダ27のモータシリンダ孔28…
群との間において、シリンダブロックBの内周側には内
周環状油路11が形成され、シリンダブロックBの外周
側には内周環状油路11を同心に囲繞する外周環状油路
12が形成される。
【0019】内周環状油路11は、シリンダブロックB
の中心孔49内に挿入固定される円筒体51とシリンダ
ブロックBとの間に形成される。また外周環状油路12
は、ポンプシリンダ孔17…群およびモータシリンダ孔
28…群間におけるポンプシリンダ孔17…群寄りの部
分でシリンダブロックBの外周に設けられる環状凹部5
2aと、ポンプシリンダ孔17…群およびモータシリン
ダ孔28…群間におけるモータシリンダ孔28…群寄り
の部分でモータシリンダ孔28…に個別に対応してシリ
ンダブロックBの外周に設けられるとともに前記環状凹
部52aに共通に連なる多数の個別凹部52b…とを、
シリンダブロックBの外周にろう付けされるリング体5
3で共通に覆うことにより形成される。
【0020】図2および図3を併せて参照して、ポンプ
シリンダ16のポンプシリンダ孔17…群とモータシリ
ンダ27のモータシリンダ孔28…群との間におけるシ
リンダブロックBの内周環状油路11および外周環状油
路12間の環状隔壁、ならびにリング体53を放射状に
貫通するようにして、前記ポンプシリンダ孔17…と同
数の第1および第2弁孔57…,58…が設けられる。
しかも第1弁孔57…はポンプシリンダ孔17…群側に
配置され、第2弁孔58…はモータシリンダ孔28…群
側に配置される。
【0021】前記第1弁孔57…にはスプール型の第1
分配弁61…が、また前記第2弁孔56…には同じくス
プール型の第2分配弁62…がそれぞれ摺動自在に嵌合
される。そして、第1分配弁61…の外端にはそれらの
第1分配弁61…を囲む第1偏心輪63が、また第2分
配弁62…の外端にはそれら62…を囲む第2偏心輪6
4が、それぞれボールベアリグ65,66を介して係合
される。しかも第1分配弁61…の外端部は第1偏心輪
63と同心関係の第1強制輪67により相互に連結さ
れ、また第2分配弁62…の外端部は第2偏心輪64と
同心関係にある第2強制輪68により相互に連結され
る。
【0022】第1偏心輪63は入力筒軸14に一体に設
けられるものであり、図2に示すように仮想トラニオン
軸線O1 に沿ってシリンダブロックBの中心から所定距
離ε 1 だけ偏心して配置される。また第2偏心輪64は
シリンダホルダ35に連設されるものであり、図3で示
すようにトラニオン軸線O2 に沿ってシリンダブロック
Bの中心から所定距離ε2 だけ偏心して配設される。
【0023】ここで第1分配弁61の作用について説明
すると、入力筒軸14とポンプシリンダ16すなわちシ
リンダブロックBとの間に相対回転が生じると、各第1
分配弁61は、第1偏心輪63により第1弁孔57にお
いて偏心量ε1 の2倍の距離をストロークとしてポンプ
シリンダ16の半径方向内方位置および外方位置間を往
復動される。そして、図2に示すように、油圧ポンプP
の吐出領域Dでは、第1分配弁61は前記内方位置側を
移動して、対応するポンプシリンダ孔17を外周環状油
路12に連通するとともに内周環状油路11と不通に
し、それにより吐出行程中のポンププランジャ18によ
りポンプシリンダ孔17から外周環状油路12へ作動油
が圧送される。また油圧ポンプPの吸入領域Sでは、第
1分配弁61は前記外方位置側を移動して、対応するポ
ンプシリンダ孔17を内周環状油路11に連通するとと
もに外周環状油路12と不通にし、それにより吸入行程
中のポンププランジャ18により内周環状油路11から
ポンプシリンダ孔17に作動油が吸入される。
【0024】また第2分配弁62の作用について説明す
ると、モータシリンダ27すなわちシリンダブロックB
が回転すると、各第2分配弁62は、第2偏心輪64に
より第2弁孔58において偏心量ε2 の2倍の距離をス
トロークとしてシリンダブロックBの半径方向内方位置
および外方位置間を往復動される。而して図3に示すよ
うに、油圧モータMの膨脹領域Exでは、第2分配弁6
2は前記内方位置側を移動し、対応するモータシリンダ
孔28を外周環状油路12に連通するとともに該モータ
シリンダ孔28および内周環状油路11間を不通にし、
それにより外周環状油路12から膨脹行程中のモータプ
ランジャ29のモータシリンダ孔28に高圧の作動油が
供給される。また油圧モータMの収縮領域Shでは、第
2分配弁62は前記外方位置側を移動し、対応するモー
タシリンダ孔28を内周環状油路11に連通するととも
に該モータシリンダ孔28および外周環状油路12間を
不通にし、それにより収縮行程中のモータプランジャ2
9のモータシリンダ孔28から内周環状油路12へ作動
油が排出される。
【0025】かくして、シリンダブロックBは、ポンプ
シリンダ16が吐出行程のポンププランジャ18を介し
てポンプ斜板19から受ける反動トルクと、モータシリ
ンダ27が膨脹行程のモータプランジャ29を介してモ
ータ斜板30から受ける反動トルクとの和によって回転
され、その回転トルクは出力軸41の出力スプロケット
46から出力される。
【0026】この場合、入力筒軸14に対する出力軸4
1の変速比は、{変速比=1+(油圧モータMの容量/
油圧ポンプPの容量)で与えられる。したがって、油圧
モータMの容量を零から或る値に変えれば、変速比を1
から或る必要な値まで変えることができる。しかも、そ
の油圧モータMの容量はモータプランジャ29のストロ
ークにより決定されるので、モータ斜板30を直立位置
から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比を1
から或る値まで無段階に制御することができる。
【0027】図5において、シリンダブロックBにおけ
る中心孔49内には円筒体51が圧入され、この円筒体
51の外面とシリンダブロックBの内面との間には、シ
リンダブロックBに設けられた連通路70を介して外周
環状油路12に通じる第1環状連絡油路71と、内周環
状油路11と、シリンダブロックBに設けられた連通路
72を介して外周環状油路12に通じる第2環状連絡油
路73と、シリンダブロックBに設けられた開放路74
を介して外部に開放される環状開放路75とが、図5の
左側から右側に順に間隔をあけて形成される。
【0028】円筒体51には、図5の左側の収納孔76
と、図5の右側の摺動孔77とが、半径方向内方に張出
した鍔部78を相互間に介在させて同軸上に設けられ
る。而して、収納孔76内には、内周環状油路11から
補給油路48への作動油の逆流を阻止する第1チェック
弁81と、外周環状油路12すなわち第1環状連絡油路
71から補給油路48への作動油の逆流を阻止する第2
チェック弁82と、外周環状油路12の油圧の過大上昇
を防止すべく外周環状油路12すなわち第1環状連絡油
路71ならびに内周環状油路11間に介設される調圧弁
83とが収納され、また摺動孔77に円筒状の弁体84
が摺動自在に嵌合されることによりクラッチ弁85が構
成される。
【0029】上記クラッチ弁85における弁体84の内
端部と鍔部78との間には、油室86が形成されてお
り、この油室86と、中心孔49内に形成されている補
給油路48とは、収納孔76の側方で円筒体51に穿設
される連通孔87を介して連通される。
【0030】第1チェック弁81は、鍔部78で受けら
れるようにして収納孔76内に嵌合される弁座部材88
と、該弁座部材88に着座可能な球状の弁体89と、該
弁体89を弁座部材88に着座する方向に付勢する弁ば
ね90とを備える。
【0031】第2チェック弁82は、収納孔76内に嵌
合されて実質的に固定される弁座部材91と、該弁座部
材91に着座可能な球状の弁体92と、弁体92を弁座
部材91に着座する方向に付勢する弁ばね93とを備え
る。
【0032】調圧弁83は、収納孔76内に嵌合される
弁ハウジング94と、該弁ハウジング94に軸方向摺動
可能に嵌合される弁体95と、該弁体95を閉弁方向に
付勢する弁ばね96とを備える。
【0033】第2チェック弁82の弁座部材91は、収
納孔76の外端部内面に嵌着される止め輪97により軸
方向外方への抜け出しを阻止されるようにして収納孔7
6内に嵌合される。また調圧弁83の弁ハウジング94
は、第1環状連絡油路71に通じる油室98を、弁座部
材91との間に形成するようにして収納孔76内に嵌合
される。さらに弁ハウジング94と第1チェック弁81
の弁座部材88との間には内周環状油路11に通じる油
室99が形成されるものであり、該油室99内で弁ハウ
ジング94および弁座部材88間に弁ばね96が縮設さ
れ、弁体89,95間に弁ばね90が縮設される。
【0034】而して第1チェック弁81は、内周環状油
路11すなわち油室99の油圧が低下したときに開弁し
て補給油路48の作動油を内周環状油路11に補充する
働きをし、第2チェック弁82は、エンジンブレーキ時
に外周環状油路12すなわち第1環状連絡油路71およ
び油室98の油圧が低下したときに開弁して補給油路4
8の作動油を外周環状油路12に補充するものであり、
調圧弁83は、第1環状連絡油路71および油室98す
なわち外周環状油路12の油圧が所定値以上となったと
きに開弁して、油室98の油圧を油室99から内周環状
油路11に逃がす働きをするものである。
【0035】クラッチ弁85は、外周環状油路12に通
じる第2環状連絡油路73、内周環状油路11および環
状開放路75間を相互に遮断するクラッチオフ位置(図
5の位置)と、第2環状連絡油路73および内周環状油
路11を相互に連通しながらともに開放ポート103に
連通させるクラッチオン位置との間での移動を可能とし
て弁体84が摺動孔77に摺動可能に嵌合されて成るも
のであり、前記クラッチオフ位置およびクラッチオン位
置間の半クラッチ位置に弁体84が在るときには、第2
環状連絡油路73が絞られた状態で内周環状油路11に
通じるとともに内周環状油路11が絞られた状態で開放
ポート103に通じる。
【0036】而して円筒体51には、第2環状連絡油路
73に通じて摺動孔77の内面に開口する高圧側ポート
101と、内周環状油路11に通じて摺動孔77の内面
に開口する低圧側ポート102と、開放環状路75に通
じて摺動孔77の内面に開口する開放ポート103と
が、その軸方向内方側に順に間隔をあけて設けられ、弁
体84の外周には、高圧側ポート101および低圧側ポ
ート102間を連通可能な環状溝104と、低圧側ポー
ト102および開放ポート103間を連通可能な環状溝
105とが、相互間にランド部106を介在させて設け
られる。
【0037】円筒体51には、弁体84に当接して該弁
体84のクラッチオフ位置側(図5の右方側)への移動
を規制するストッパ107が固定されており、弁体84
の外端に嵌着された係止環108と前記ストッパ107
との間には、弁体84を囲繞するばね109が縮設され
る。したがって弁体84は、クラッチオフ位置側にばね
付勢されることになる。
【0038】一方、シリンダブロックBのポンプシリン
ダ16側に同軸に連なる軸42の外端側で中心孔49内
には、ガイド筒111が嵌合固定されており、このガイ
ド筒111の外面には中心孔49内面に接触するシール
部材112が装着される。このガイド筒111内には、
ガイド筒111内面との間にブッシュ113を介在させ
て駆動筒114が周到自在に嵌入されており、該駆動筒
114の内端部には、クラッチ弁85における弁体84
の外端に当接する押圧鍔115が固定される。また駆動
筒114の外端部には、ケーシング44に固定的に取付
けられた供給筒116がブッシュ117を介して相対摺
動可能に嵌入されており、該供給筒116はケーシング
44に設けられた給油路118に連通される。しかも給
油路118は、図1で示すように、油溜119から作動
油を汲上げる補給ポンプ120に連通されており、該補
給ポンプ120は、入力筒軸14に設けられたギヤ80
により駆動される。
【0039】したがって補給ポンプ120からの作動油
は、給油路118から供給筒116を介して駆動筒11
4内に供給されることになる。而して駆動筒114内に
は、オイルフィルタ121が装入されており、該オイル
フィルタ121で濾過された作動油は、弁体84内を経
て油室86および連通孔87を介して補給油路48に供
給されることになる。また中心孔49内で、円筒体51
およびガイド筒111缶に形成さる油室122に臨んで
弁体84には孔113が穿設されており、弁体84内に
供給された作動油は該孔84から油室122にも供給さ
れることになる。而して軸42には油室122に通じる
潤滑油噴出孔124,125が穿設される。
【0040】クラッチ弁85の弁体84に同軸に連なる
駆動筒115の外端には、弁体84の移動方向すなわち
駆動筒115の軸線とは直交する方向に延びる連結部材
128の一端が連結される。一方、ケーシング44に
は、前記弁体84の移動方向と平行な方向への移動を可
能として連結杆129が支承されており、該連結杆12
9の一端に軸方向位置を調整可能として前記連結部材1
28の他端が連結され、連結杆129の他端はクラッチ
制御装置130に連結される。
【0041】連結部材128の一端には複数の爪128
a…が設けられており、駆動筒115の外端はそれらの
爪128a…に係止される。またケーシング44には、
弁体84の移動方向と平行な支持孔131が設けられて
おり、該支持孔131に連結杆129が軸方向移動可能
かつ軸線まわりの回動を可能として嵌合される。
【0042】クラッチ制御装置130は、たとえば図示
しないクラッチレバーの操作に応じて回動するカム13
2がケーシング44に支承されて成るものであり、カム
132は、支持孔131に直交する軸線まわりの回動を
可能としてケーシング44に回動自在に支承される。し
かもカム132の支持孔131に臨む部分に設けられた
係止部132aに係合する係合段部129aが連結杆1
29の他端部に設けられる。また連結杆129の一端部
には雄ねじ133が刻設されており、該雄ねじ133に
螺合されるナット134および止めナット135間に連
結部材128の他端が挟持される。しかもナット134
に係止されるワッシャ137とケーシング44との間に
は、連結杆129を囲繞するばね136が縮設されてお
り、連結杆129は、その係合段部129aをカム13
2の係止部132aに係合する方向にばね付勢される。
【0043】さらに連結杆129の一端面には、ドライ
バ等の工具を係合して回転操作するための操作凹部13
8が設けられる。
【0044】このような静油圧式無段変速機によると、
シリンダブロックBの軸方向に移動可能な弁体84をク
ラッチ制御装置130により軸42の外端から操作し
て、内周環状油路11および外周環状油路12間に介装
されるクラッチ弁85の作動を制御することが可能であ
り、そのクラッチ弁85、第1チェック弁81、第2チ
ェック弁82および調圧弁83をシリンダブロックBの
中心孔49に圧入される円筒体51内にコンパクトに纏
めて構成するので、シリンダブロックBの構成が単純と
なるとともにシリンダブロックBの小型化を図ることが
できる。
【0045】しかも止めナット135を緩めた状態で、
操作凹部138に工具を係合して操作することにより連
結杆129を軸方向進退させることにより、連結部材1
28の連結杆129への連結位置を軸方向に変化させる
ことができ、それにより、クラッチ制御装置130の作
動位置と、クラッチ弁85における弁体84の作動位置
とを自在に調整可能となる。したがって、クラッチ弁8
5における各構成部材すなわち弁体84および円筒体5
1、連結部材128、ならびにクラッチ制御装置130
におけるカム132の寸法が、その製作時に多少のばら
つきを生じていたとしても、それらの寸法ばらつきを許
容して、クラッチ制御装置130に対するクラッチ弁8
5の作動位置を容易に調整することができ、クラッチオ
ン・オフの操作フィーリング向上に寄与することができ
る。
【0046】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行なうことが可能である。
【0047】たとえばクラッチ制御装置は、運転者のレ
バー操作によるものでなく、ステップモータや、ソレノ
イド等を用いたものであってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、弁体に一
端が連結される連結部材の他端が、前記弁体の移動方向
と平行な方向への移動を可能としてケーシングに支承さ
れる連結杆の一端に軸方向位置を調整可能として連結さ
れ、該連結杆の他端がクラッチ制御装置に連結されるの
で、クラッチ制御装置に対するクラッチ弁の作動位置を
自在に調整して、クラッチオン・オフの操作フィーリン
グ向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】静油圧式無段変速機の拡大横断平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
11 内周環状油路 12 外周環状油路 16 ポンプシリンダ 27 モータシリンダ 44 ケーシング 84 弁体 85 クラッチ弁 128 連結部材 129 連結杆 130 クラッチ制御装置 B シリンダブロック M 油圧モータ P 油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 英喜 宮城県古川市七日町9−5 (72)発明者 川島 芳徳 埼玉県坂戸市末広町6−14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプ(P)のポンプシリンダ(1
    6)と油圧モータ(M)のモータシリンダ(27)とを
    同軸上に有するシリンダブロック(B)がケーシング
    (44)に回転自在に支承され、シリンダブロック
    (B)の内周側に設けられる内周環状油路(11)と該
    内周環状油路(11)を同軸に囲繞してシリンダブロッ
    ク(B)の外周側に設けられる外周環状油路(12)と
    の間に介装されるクラッチ弁(85)の弁体(84)
    が、シリンダブロック(B)の回転軸線上で軸方向移動
    可能に配置されるとともにクラッチ制御装置(130)
    に連結される静油圧式無段変速機において、弁体(8
    4)に一端が連結される連結部材(128)の他端が、
    前記弁体(84)の移動方向と平行な方向への移動を可
    能としてケーシング(44)に支承される連結杆(12
    9)の一端に軸方向位置を調整可能として連結され、該
    連結杆(129)の他端がクラッチ制御装置(130)
    に連結されることを特徴とする静油圧式無段変速機。
JP4176676A 1992-07-03 1992-07-03 静油圧式無段変速機 Pending JPH0617925A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005256980A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Honda Motor Co Ltd 静油圧式無段変速機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005256980A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Honda Motor Co Ltd 静油圧式無段変速機

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