JP2719982B2 - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

静油圧式無段変速機

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JP2719982B2 JP2333146A JP33314690A JP2719982B2 JP 2719982 B2 JP2719982 B2 JP 2719982B2 JP 2333146 A JP2333146 A JP 2333146A JP 33314690 A JP33314690 A JP 33314690A JP 2719982 B2 JP2719982 B2 JP 2719982B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、斜板式油圧ポンプのポンプシリンダ及び斜
板式油圧モータのモータシリンダを一体に有してケーシ
ングに回転自在に支承されるシリンダブロックに、前記
油圧ポンプ及び油圧モータと協働して油圧閉回路を構成
する油路を形成し、その油圧閉回路には、これに作動油
を補給し得る補給ポンプを逆止弁を介して接続し、前記
油圧ポンプの吸入側および吐出側間を結ぶ油路にクラッ
チ弁を介装してなる静油圧式無段変速機に関する。
(2)従来の技術 従来、かかる無段変速機は、たとえば特開昭62-20959
号公報や特開昭63-203960号公報等に開示されているよ
うに公知である。
(3)発明が解決しようとする課題 上記公報に開示された無段変速機では、油圧ポンプお
よび油圧モータ間をその動力伝達状態と動力遮断状態と
に切換えるべく、油圧ポンプの吸入側および吐出側を結
ぶ油路にクラッチ弁を介設し、該クラッチ弁を閉弁して
前記油圧ポンプの吸入側および吐出側を遮断したクラッ
チオン状態と、クラッチ弁を開弁して前記油圧ポンプの
吸入側および吐出側を連通したクラッチオフ状態とを切
換えるようにしている。ところが、油圧ポンプおよび油
圧モータ間を結ぶ油圧閉回路内の作動油は高温になる傾
向があり、それが過度に上昇するとその作動油中に気泡
が発生して伝動効率を低下させることがある。
このような問題を解決するためには、油圧閉回路内の
作動油の一部を放出し、その放出分の作動油を補給ポン
プから補給するようにすればよいが、その作動油の放出
専用の部品を新たに設けることは好ましくない。
そこでシリンダブロックに放射状に配列された多数の
分配弁を、それの偏心量を可変とすることでクラッチ弁
に兼用可能とし、しかもそのクラッチオフの状態で油圧
閉回路内の作動油放出を行うようにしたものが既に提案
(例えば特開昭63-140163号公報参照)されているが、
この提案のものでは、多数の分配弁を偏心輪により作動
油放出位置と非放出位置との間で順次往復動させ、作動
油放出位置への移動量により半クラッチ又はクラッチオ
フ状態を得るようにしているので、各分配弁の順次往復
動により作動油の放出量に脈動が生じ、特に半クラッチ
状態でそのような脈動が生じると、油圧閉回路の高圧側
に油圧脈動を惹起させ、スムーズな半クラッチ状態を得
ることが困難となって良好なクラッチ性能を発揮し得な
い問題がある。
更に上記提案のものは、クラッチオフの状態では作動
油が高温状態になくても(即ち作動油放出の必要がなく
ても)常に作動油の放出が行われるため、その必要以上
の放出により補給ポンプに負担増を強いる不都合もあ
る。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
上記従来のものの問題、不都合を一挙に解決しながら油
圧閉回路内での作動油の冷却を可能とした静油圧式無段
変速機を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために請求項1の発明は、斜板式
油圧ポンプのポンプシリンダ及び斜板式油圧モータのモ
ータシリンダを一体に有してケーシングに回転自在に支
承されるシリンダブロックに、前記油圧ポンプ及び油圧
モータと協働して油圧閉回路を構成する油路を形成し、
その油圧閉回路には、これに作動油を補給し得る補給ポ
ンプを逆止弁を介して接続し、前記油圧ポンプの吸入側
および吐出側間を結ぶ油路にクラッチ弁を介装し、その
クラッチ弁が、前記シリンダブロックにその回転軸線に
沿って摺動し得るよう嵌装した摺動弁体を有してなる静
油圧式無段変速機において、前記摺動弁体が、前記シリ
ンダブロックにその回転軸線回りに環状に配列されたモ
ータプランジャ群のピッチ円外で且つ相隣なるモータプ
ランジャ間に配置されて、油圧ポンプの吸入側および吐
出側間を遮断するクラッチオン位置と、油圧ポンプの吸
入側および吐出側間を連通するクラッチオフ位置と、油
圧ポンプの吸入側および吐出側間を連通するとともに外
部に開放する連通・放出位置との3つの位置を選択的に
移動可能であることを特徴とし、また請求項2の発明
は、前記静油圧式無段変速機において、前記摺動弁体
が、前記油圧ポンプの吸入側および吐出側間を遮断する
クラッチオン位置と、油圧ポンプの吸入側および吐出側
間を連通するクラッチオフ位置と、油圧ポンプの吸入側
および吐出側間を連通するとともに外部に開放する連通
・放出位置との3つの位置を選択的に移動可能であり、
しかも前記クラッチオン位置と、前記クラッチオフ位置
と、前記連通・放出位置とが、この順序で前記シリンダ
ブロックに対して設定されることを特徴とする。
(2)作用 各請求項の発明の上記構成によれば、油圧閉回路内の
作動油温度が高い場合には、クラッチ弁を連通・放出位
置に切換えることで、油圧閉回路の作動油の一部を該ク
ラッチ弁を以て外部に放出することが可能となり、作動
油の過熱が回避される。またこのように作動油放出を可
能とする弁構造の採用によるも、作動油温度が比較的低
い(従って作動油放出の必要のない)場合にはクラッチ
弁をクラッチオフ位置に切換えることで、作動油放出の
ない通常のクラッチオフ状態が得られ、作動油放出がな
い分だけ補給ポンプの負担が軽減される。
しかもクラッチ弁の摺動弁体は、シリンダブロックに
その回転軸線に沿って摺動し得るよう嵌装されるので、
シリンダブロックの回転によってもその摺動弁体は位置
が固定されていて作動油の放出量を安定させることがで
きるから、油圧閉回路の高圧側(油圧ポンプの吐出側)
の油路に圧力脈動が発生することが回避され、スムーズ
な半クラッチ状態が得られるようになる。
また特に請求項1の発明によれば、クラッチ弁の上記
摺動弁体が、シリンダブロックにその回転軸線回りに環
状に配列されたモータプランジャ群のピッチ円外で且つ
相隣なるモータプランジャ間に配置されるから、該摺動
弁体がシリンダブロックの軸方向に比較的長くなって
も、これをモータプランジャに邪魔されることなく、シ
リンダブロックにその径方向にも軸方向にもコンパクト
に組み込むことが可能となる。
また特に請求項2の発明によれば、クラッチ弁の上記
摺動弁体のクラッチオン位置とクラッチオフ位置と連通
・放出位置とが、この順序でシリンダブロックに対して
設定されるから、通常のクラッチオン・オフ操作を繰り
返す時は、連通・放出位置を経ないでクラッチ弁を切換
操作可能であって、作動油の無用の放出が回避される。
またクラッチオフ状態の継続中において作動油を外部放
出する必要が生じた場合には、そのクラッチオフ状態を
維持したまま作動油の外部放出を行え、しかもこの場合
に操作すべきはクラッチ弁だけである。
(3)実施例 以下、図面により本発明を自動二輪車用静油圧式無段
変速機に適用したときの一実施例について説明する。
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は
自動二輪車用パワーユニットの横断平面図、第2図は静
油圧式無段変速機の概略構成を示す油圧回路図、第3図
は静油圧式無段変速機の拡大横断平面図、第4図は第3
図のIV-IV線断面図、第5図は第3図のV−V線断面
図、第6A図は第5図のVI-VI線に沿うクラッチオン位置
での断面図、第6B図はクラッチオフ位置での第6A図の要
部断面図、第6C図は連通・放出位置での第6A図の要部断
面図、第7図は第6A図のVII-VII線断面図、第8図は第6
A図のVIII-VIII線断面図、第9図は第3図のIX-IX線断
面図、第10図は弁筒の拡大断面図である。
先ず第1図において、自動二輪車のパワーユニットU
は、エンジンEと静油圧式無段変速機Tとから構成され
ており、エンジンEのクランク軸1および静油圧式無段
変速機Tは共通のケーシング4に収容、支持される。静
油圧式無段変速機Tは、入力筒軸5および出力軸31をク
ランク軸1と平行にしてケーシング4内に配置されるも
のであり、クランク軸1は一次減速装置2を介して入力
筒軸5に連結され、自動二輪車の図示しない後輪には出
力軸31が二次減速装置3を介して連結される。
第2図において、静油圧式無段変速機Tは、定容量型
の斜板式油圧ポンプPと、可変容量型の斜板式油圧モー
タMとが、通常の負荷運転中には低圧路となるが逆負荷
運転中には高圧路となる内側油路52、ならびに通常の負
荷運転中には高圧路となるが逆負荷運転中には低圧路と
なる外側油路53を介して油圧閉回路を構成すべく接続さ
れて成るものであり、油溜87から油を汲上げる補給ポン
プ88に連なる補給油路47は、第1逆止弁95を介して内側
油路52に接続されるとともに第2逆止弁96を介して外側
油路53に接続され、外側油路53および内側油路52間は外
側油路53の油圧が一定値以上となるのに応じて開弁して
外側油路52の作動油の一部を内側油路52に導く調圧弁97
を介して接続される。また内側油路52および外側油路53
間には、運転者のクラッチ操作に応じて作動する複数た
とえば3つのクラッチ弁CVが介設されており、該クラッ
チ弁CVは、両油路52,53間を遮断するクラッチオン位
置、両油路52,53間を連通するクラッチオフ位置、なら
びに両油路52,53を連通したまま外部に開放する連通・
放出位置の3つの位置を切換可能である。
次に静油圧式無段変速機Tの構成について詳細に説明
すると、第3図において、斜板式油圧ポンプPは、一次
減速装置2の出力スプロケット2aを備えた入力筒軸5
と、この入力筒軸5の内周壁にボールベアリング6を介
して相対回転自在に支承されるポンプシリンダ7と、該
ポンプシリンダ7にその回転軸線を囲むように環状配列
で設けられた多数かつ奇数のシリンダ孔8,8…にそれぞ
れ摺動自在に嵌合される複数のポンププランジャ9,9…
と、各ポンププランジャ9,9…の外端に前面を係合、当
接させるポンプ斜板10と、このポンプ斜板10をポンプシ
リンダ7の軸線と直交する仮想トラニオン軸線O1を中心
にしてポンプシリンダ7の軸線に対し一定角度傾斜させ
た状態に保持すべくスラストベアリング13およびラジア
ルベアリング14を介して該斜板10を支承するポンプ斜板
ホルダ12とから構成される。而してポンプ斜板ホルダ12
は入力筒軸5と一体に形成されている。
前記ポンプ斜板10は、入力筒軸5の回転時、ポンププ
ランジャ9,9…に往復動を与えて吸入および吐出行程を
繰返させることができる。
油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上で第3図
の左方に配置されるモータシリンダ17と、該モータシリ
ンダ17にその回転軸線を囲むように設けられたシリンダ
孔18,18…にそれぞれ摺動可能に嵌合される複数のモー
タプランジャ19,19…と、各モータプランジャ19,19…の
外端に前面を係合、当接させるモータ斜板20と、スラス
トベアリング27およびラジアルベアリング28を介して前
記モータ斜板20を支承するモータ斜板ホルダ22と、該モ
ータ斜板ホルダ22の背面を支承するモータ斜板アンカ23
とから構成される。前記シリンダ孔18,18…は油圧ポン
プPにおけるシリンダ孔8,8…と同数の奇数個がモータ
シリンダ17に穿設される。また相互に当接するモータ斜
板ホルダ22およびモータ斜板アンカ23の対向当接面22a,
23aは、モータシリンダ17の軸線とトラニオン軸線O2
の交点を中心とする球面状に形成される。しかもモータ
斜板ホルダ22は、前記トラニオン軸線O2まわりの相対回
動を可能としてモータ斜板アンカ23に支承される。
モータ斜板アンカ23のモータシリンダ17側端部には筒
状のシリンダホルダ24が連設され、このシリンダホルダ
24とモータシリンダ17の外周との間にはボールベアリン
グ25が介設される。
モータ斜板20は、パルスモータ80に連結されているボ
ールねじ機構79によりモータ斜板ホルダ22がトラニオン
軸線O2まわりに回動せしめられることにより、モータシ
リンダ17の軸線に対し直角となる直立位置と、或る角度
で傾倒する最大傾斜位置との間で作動するものであり、
その傾斜状態では、モータシリンダ17の回転に伴いモー
タプランジャ19,19…に往復動を与えて膨張および収縮
行程を繰り返させることができる。
ポンプシリンダ7およびモータシリンダ17は相互に一
体に結合されてシリンダブロックBを構成するものであ
り、このシリンダブロックBには、同軸の出力軸31およ
び軸32が一体に設けられる。すなわちシリンダブロック
Bにおけるモータシリンダ17のモータ斜板20に対向する
部分の中心部から出力軸31が一体に突設され、前記シリ
ンダブロックBにおけるポンプシリンダ7のポンプ斜板
10に対向する部分の中心部から前記出力軸31と同軸にし
て軸32が一体に突設される。
軸32はポンプ斜板10およびポンプ斜板ホルダ12を貫通
するものであり、アンギュラコンタクトボールベアリン
グ33を介してポンプ斜板ホルダ12の端部を支承するため
のフランジ34が、軸32の端部に固定される。またポンプ
斜板ホルダ12とケーシング4との間にはボールベアリン
グ35が介設される。
出力軸31は、モータ斜板20、モータ斜板ホルダ22およ
びモータ斜板アンカ23を貫通するように延びており、モ
ータ斜板アンカ23よりも軸方向外方側で出力軸31の外周
には、支持筒39がスプライン37を介して結合されるとと
もに二つ割コッタ38で固着され、出力軸31および支持筒
39とモータ斜板アンカ23との間には、アンギュラコンタ
クトボールベアリング41が介装され、ケーシング4およ
び支持筒39間にはオイルシール42が介装される。また前
記2次減速装置3の入力スプロケット3aは支持筒39を介
して出力軸31に取付けられる。
シリンダブロックBには、その軸32側から出力軸31側
に向けて順に、第1孔44と、第1孔44よりも小径の第2
孔45と、第2孔45よりも小径の第3孔46とがシリンダブ
ロックBの回転軸線と同一の軸線を有して同軸に設けら
れており、それらの孔44,45,46は補給油路47を形成す
る。また第3孔46の端部はねじ栓48で閉塞される。
第4図、第5図、第6A〜第6C図および第7図を併せて
参照して、ポンプシリンダ7のシリンダ孔8,8…群とモ
ータシリンダ17のシリンダ孔18,18…群との間におい
て、シリンダブロックBには、環状の内側油路52と、環
状の外側油路53とが、シリンダブロックBの回転軸線を
中心とする同心状に形成される。
シリンダブロックBの第1孔44における第2孔45寄り
の部分には、外周に第1環状溝49および第2環状溝50を
有して基本的に円筒状に形成された弁筒51が圧入され、
第1孔44の内面と第1環状溝49とで内側油路52が形成さ
れる。また前記シリンダ孔8,8…群および前記シリンダ
孔18,18…群間におけるシリンダ孔8,8…寄りの部分でシ
リンダブロックBの外周には第3環状溝54が設けられ、
前記シリンダ孔8,8…群および前記シリンダ孔18,18…群
間におけるシリンダ孔18,18…寄りの部分でシリンダブ
ロックBの外周にはシリンダ孔18,18…と同一個数であ
る多数の円形凹部55,55…が第3環状溝54にそれぞれ連
通するようにして座ぐり加工により周方向等間隔に形成
される。而して第3環状溝54および多数の円形凹部55,5
5…を覆うようにしてリング体56がシリンダブロックB
に嵌挿されており、このリング体56はシリンダブロック
Bにろう付け溶接される。これにより、シリンダブロッ
クBおよびリング体56間には、前記内側油路52と同心の
外側油路53が環状に形成されることになる。
しかも第3環状溝54と、第3環状溝54に通じる多数の
円形凹部55,55…とをシリンダブロックBに設け、第3
環状溝54および多数の円形凹部55,55…を覆うリング体5
6をシリンダブロックBにろう付けするようにしたの
で、リング体56のシリンダブロックBへの対向面積を比
較的大きくし、それらの対向面間にろうを溶け込ませる
ことにより、リング体56のシリンダブロックBへの強固
な固着が可能となる。
ポンプシリンダ7のシリンダ孔8,8…群とモータシリ
ンダ17のシリンダ孔18,18…群との間におけるシリンダ
ブロックBの内側油路52および外側油路53間の環状隔
壁、ならびに外側油路53の外周壁すなわちリング体56を
放射状に貫通するようにして、前記シリンダ孔8,8…と
同数の第1および第2弁孔57…,58…が設けられる。し
かも第1弁孔57…はシリンダ孔8,8…群側に配置され、
第2弁孔58…は、シリンダ孔18,18…群側に配置され
る。
またシリンダブロックBには、その軸線に沿って隣接
するシリンダ孔8,8…および第1弁孔57…を相互に連通
する複数のポンプポート59,59…と、軸線に沿って隣接
するシリンダ孔18,18…および第2弁孔58,58…を相互に
連通する複数のモータポート60,60…とが穿設される。
前記第1弁孔57,57…にはスプール型の第1分配弁61,
61…が、また前記第2弁孔56,56…には同じくスプール
型の第2分配弁62,62…がそれぞれ摺動自在に嵌合され
る。そして、第1分配弁61,61…の外端にはそれらの第
1分配弁60,60…を囲む第1偏心輪63が、また第2分配
弁61,61…の外端にはそれら61,61…を囲む第2偏心輪64
が、それぞれボールベアリグ65,66を介して係合され
る。しかも第1分配弁61,61…の外端部は第1偏心輪63
と同心関係の第1強制輪67により相互に連結され、また
第2分配弁61,61…の外端部は第2偏心輪64,64…と同心
関係にある第2強制輪68により相互に連結される。
第1偏心輪63は入力筒軸5に一体に設けられるもので
あり、第4図に示すように仮想トラニオン軸線O1に沿っ
てシリンダブロックBの中心から所定距離εだけ偏心
して配置される。また第2偏心輪64は前記シリンダホル
ダ24に連設されるものであり、第5図で示すように仮想
トラニオン軸線O2に沿ってシリンダブロックBの中心か
ら所定距離εだけ偏心して配設される。
ここで第1分配弁61の作用について説明すると、入力
筒軸5とポンプシリンダ7すなわちシリンダブロックB
との間に相対回転が生じると、各第1分配弁61は、第1
偏心輪63により第1弁孔57において偏心量εの2倍の
距離をストロークとしてポンプシリンダ7の半径方向内
方位置および外方位置間を往復動される。そして、第4
図に示すように、油圧ポンプPの吐出領域Dでは、第1
分配弁61は前記内方位置側を移動して、対応するポンプ
ポート59を外側油路53に連通するとともに内側油路52と
不通にし、それにより吐出行程中のポンププランジャ9
によりシリンダ孔8から外側油路53へ作動油が圧送され
る。また油圧ポンプPの吸入領域Sでは、第1分配弁61
は前記外方位置側を移動して、対応するポンプポート59
を内側油路52に連通するとともに外側油路53と不通に
し、それにより吸入行程中のポンププランジャ9により
内側油路52からシリンダ孔8に作動油が吸入される。
また第2偏心輪64の作用について説明すると、モータ
シリンダ17すなわちシリンダブロックBが回転すると、
各第2分配弁62は、第2偏心輪64により第2弁孔58にお
いて偏心量εの2倍の距離をストロークとしてシリン
ダブロックBの半径方向内方位置および外方位置間を往
復動される。而して第5図に示すように、油圧モータM
の膨張領域Exでは、第2分配弁62は前記内方位置側を移
動し、対応するモータポート60を外側油路53に連通する
とともに該モータポート60および内側油路52間を不通に
し、それにより外側油路53から膨張行程中のモータプラ
ンジャ19のシリンダ孔18に高圧の作動油が供給される。
また油圧モータMの収縮領域Shでは、第2分配弁62は前
記外方位置側を移動し、対応するモータポート60を内側
油路52に連通するとともに該モータポート60および外側
油路53間を不通にし、それにより収縮行程中のモータプ
ランジャ19のシリンダ孔18から内側油路52へ作動油が排
出される。
かくして、シリンダブロックBは、ポンプシリンダ7
が吐出行程のポンププランジャ9を介してポンプ斜板10
から受ける反動トルクと、モータシリンダ17が膨張行程
のモータプランジャ19を介してモータ斜板20から受ける
反動トルクとの和によって回転され、その回転トルクは
出力軸31から2次減速装置3へ伝達される。
この場合、入力筒軸5に対する出力軸31の変速比は次
式によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変
えれば、変速比を1から或る必要な値まで変えることが
できる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプラ
ンジャ19のストロークにより決定されるので、モータ斜
板20を直立位置から或る傾斜位置まで傾動させることに
より変速比を1から或る値まで無段階に制御することが
できる。
第8図および第9図を併せて参照して、シリンダブロ
ックBの外周部において、周方向にたとえば120度ずつ
の等間隔をあけた位置で、相互に隣接する第1弁孔57,5
7間ならびに第2弁孔58,58間には、クラッチ弁CVのスプ
ール状摺動弁体69…がシリンダブロックBの回転軸線に
沿う方向に且つ外側油路53の第3環状溝54を横切るよう
にして往復摺動可能として配設される。即ちシリンダブ
ロックBの前記外周部には、基本的に棒状に形成されて
いる前記摺動弁体69を摺動自在に嵌合するための3つの
摺動孔70…がシリンダブロックBの軸線と平行にして周
方向等間隔位置に穿設されており、これにより、摺動弁
体69は、第9図からも明らかな如くシリンダブロックB
にその回転軸線回りに環状に配列されたモータプランジ
ャ19群のピッチ円(即ち各モータプランジャ19の中心軸
線を結ぶ円)外で且つ相隣なるモータプランジャ19間に
配置されるから、摺動弁体69がシリンダブロックBの軸
方向に比較的長くなっても、これをモータプランジャ19
に邪魔されることなく、シリンダブロックBにその径方
向にも軸方向にもコンパクトに組み込むことが可能とな
る。またシリンダブロックBには、内側を内側油路52に
開口させ且つ外側をリング体56で閉塞されるようにして
半径方向に延びるとともに前記各摺動孔70…を横切る3
つの連通孔71…と、座ぐり加工により外側油路53におけ
る第3環状溝54を半円状に掘り下げて形成される3つの
凹部72…とが設けられる。
クラッチ弁CV…の摺動弁体69は、連通孔71に通じる第
1環状凹部69aと、前記凹部72すなわち外側油路53に通
じる第2環状凹部69bとを外周に備えるものであり、各
摺動弁体69…の一端には、シリンダブロックBにおける
ポンプシリンダ7を囲繞する操作輪73の内周にその周方
向等間隔に設けられた3つの連結突部73a…がそれぞれ
連結される。また操作輪73には、縦断面略L字状である
リング状の支持部材74が、相互間にボールベアリング75
の内輪を挟持するようにして固着される。すなわち操作
輪73の内周には、前記連結突部73a…とはずれた位置で
周方向に等間隔をあけた位置に3つの突部73b…が突設
されており、それらの突部73b…と各突部73b…に対応す
る部分で支持部材74とを貫通する3つのピン76…の一端
を各突部73b…にかしめて係合することにより操作輪73
と支持部材74とが一体化される。しかもモータ斜板アン
カ23には、シリンダブロックBの軸線方向に沿って移動
可能な操作軸82が支承されており、この操作軸82の一端
には前記ボールベアリング75の外輪を支持する支持リン
グ83が固定されており、操作軸82の他端には、シリンダ
ブロックBの軸線とは直交する軸線を有するとともに図
示しないクラッチレバーの操作に応じて回動する回動軸
84が連結される。
このようなクラッチ弁CV…は、前記クラッチレバーの
操作により摺動する前記摺動弁体69が、内側油路52に通
じる連通孔71…および外側油路53間を遮断するクラッチ
オン位置(第6A図の位置)と、該クラッチオン位置から
第6A図の右方に前進して前記連通孔71…および外側油路
53間を連通するクラッチオフ位置(第6B図の位置)と、
該クラッチオフ位置からさらに前進して前記連通孔71…
および外側油路53間を連通するとともに連通孔71…およ
び外側油路53を外部に開放する連通・放出位置(第6C図
の位置)とを選択的に切換可能にして移動することにな
る。このように前記クラッチオン位置とクラッチオフ位
置と連通・放出位置とが、その順序でシリンダブロック
Bに対して設定されているため、通常のクラッチオン・
オフ操作を繰り返す時は、連通・放出位置を経ないでク
ラッチ弁CVを切換操作することができて、作動油の無用
の放出が回避される。またクラッチオフ状態の継続中に
おいて、作動油を外部放出する必要が生じた場合には、
そのクラッチオフ状態を維持したまま作動油の外部放出
を行える利点がある。
再び第3図において、シリンダブロックBの第1孔44
には、オイルフィルタ86が嵌入、固定され、該オイルフ
ィルタ86には、油溜87から補給ポンプ88で汲み上げた作
動油がオイルフィルタ89を介して供給され、補給ポンプ
88は入力筒軸5によって駆動される。
第10図において、シリンダブロックBの第1孔44に圧
入された弁筒51には、該弁筒51で補給油路47を区画する
のを避けるための連通孔90が軸方向両端間にわたって穿
設されるとともに軸方向中央部には内部を内側油路52に
連通させる連通孔91が穿設される。しかも弁筒51および
第1孔44内面間には、第1環状溝49により内側油路52が
形成されるとともに、第2環状溝50により環状油路92が
形成され、該環状油路92を外側油路53に連通させる連通
路93がシリンダブロックBに穿設される。
また弁筒51内には、連通孔91すなわち内側油路52から
補給油路47への作動油の逆流を阻止する第1逆止弁95
と、外側油路53すなわち環状油路92から補給油路47への
作動油の逆流を阻止する第2逆止弁96と、外側油路53の
油圧の過大上昇を防止すべく外側油路53すなわち環状油
路92ならびに連通孔91すなわち内側油路52間に介設され
る調圧弁97とが設けられる。
第1逆止弁95は、補給油路47に通じる弁孔101を有し
て弁筒51の一端部(第10図の右端部)に嵌合固定される
とともに連通孔91すなわち内側油路52に通じる弁室102
を弁筒51との間に形成する弁座部材103と、前記弁孔101
の弁室102側開口端を閉塞可能にして弁室102に収納され
る球状の弁体104と、該弁体104を弁座部材103側に向け
て付勢するばね力を発揮すべく弁室102に収納される弁
ばね105とから構成される。
また第2逆止弁96は、基本的に有底円筒状であるとと
もにその閉塞端を軸方向内方位置として弁筒51の他端部
(第10図の左端部)に嵌合固定される弁ハウジング107
と、該弁ハウジング107との間に弁室108を形成して弁ハ
ウジング107の開口端部に嵌合固定される円筒状の弁座
部材109と、該弁座部材109への着座を可能として弁室10
8内に収納される球状の弁体110と、弁座部材109に着座
する方向に弁体110を付勢するばね力を発揮すべく弁室1
08内に収納される弁ばね111とを備える。
前記弁ハウジング107の外周と弁筒51の内周との間に
は弁室108に通じる環状路112が形成されており、この環
状路112は、弁筒51に穿設される通路113を介して環状油
路92に連通される。すなわち弁室108は外側油路53に連
通することになる。また弁座部材109には補給油路47に
通じる弁孔114が穿設されている。
而して、油圧ポンプPから油圧モータMを油圧駆動す
る通常の負荷運転中に、両者間の油圧閉回路からの漏油
により、低圧側の内側油路52の圧力が補給油路47の圧力
よりも低下すると、前記第1逆止弁95が開いて補給油路
47から内側油路52に作動油が補給される。一方、このと
き、高圧側の外側油路53の作動油は第2逆止弁96により
補給油路47への流出を阻止されている。
また、逆負荷運転時すなわちエンジンブレーキ時に
は、油圧モータMがポンプ作用を行い、油圧ポンプPが
モータ作用を行うようになり、したがって外側油路53が
低圧に、内側油路52が高圧に変わるので、漏油により外
側油路53の圧力が補給油路47の圧力より低下すれば、第
2逆止弁96が開いて補給油路47から外側油路53へ作動油
が補給され、内側油路52から補給油路47への作動油の流
出は前記第1逆止弁95により阻止される。
調圧弁97は、弁筒51、弁体115および弁ばね116から構
成されるものである。
前記第1および第2逆止弁95,96間で弁筒51には、第
1逆止弁95側から順に、連通孔91に通じる第1摺動孔11
7と、第1摺動孔117との間に後述の連通孔122を挟んで
第1摺動孔117に同軸に並ぶ第2摺動孔119と、第2摺動
孔119との間に段部120を介して第2摺動孔119に同軸に
連なる案内孔121とが穿設されており、第1摺動孔117の
内径D1は第2摺動孔119の内径D2よりもわずかに小さく
(D1<D2)設定される。また案内孔121の内径は第2摺
動孔119の内径D2よりも大きく設定される。
弁体115は、基本的に円筒状に形成されるものであ
り、その先端側すなわち第1逆止弁95側から順に、第1
摺動孔117に摺動可能に嵌合される弁部115aと、第2摺
動孔119に摺動可能に嵌合される弁杆部115bと、段部120
に当接し得るフランジ状のストッパ部115cとを備え、弁
部115aの先端寄りの部分には周方向に等間隔をあけて3
つの切欠き部115dが設けられ、弁部115aおよび弁杆部11
5b間の外周には環状凹部115eが設けられる。また弁筒51
には前記環状凹部115eを環状油路92に連通させる連通孔
122が穿設され、弁ばね116は、第2逆止弁96の弁ハウジ
ング107および前記ストッパ部115c間に縮設される。
かかる調圧弁97においては、環状凹部115eに環状油路
92すなわち外側油路53の油圧が作用し、第1および第2
摺動孔117,119の内径D1,D2の相違により弁体115に開弁
力(第10図の左側に向けての力)を与えるが、外側油路
53の油圧が規定値以下にある通常の運転状態では、弁体
115を閉弁方向に付勢する弁ばね116の力が上記開弁力よ
りも大きいので、弁体115は開弁状態すなわち環状凹部1
15eおよび連通孔91間を遮断した状態に保持される。外
側油路53の油圧が前記規定値を上回ると、上記開弁力が
弁ばね116の力よりも大きくなるので、弁体115は弁ばね
116を圧縮しつつ摺動し、弁体115における弁部115aの切
欠き部115dが連通孔122および第1摺動孔117間を連通
し、外側油路53の過大油圧が連通孔91を介して内側油路
52に放出される。さらに外側油路53の油圧が元に戻る
と、弁ばね116のばね力で弁体115は閉弁状態に復帰す
る。したがって車両の急発進、急加速時でも、外側油路
53の油圧の過大上昇を抑えることができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、クラッチ
弁CV…は、シリンダブロックBの外周部における各分配
弁61,61;62,62相互の間隔が広い部分でシリンダブロッ
クBの軸線方向に沿う移動を可能として配設されるもの
であり、クラッチ弁CVの1個あたりの開口面積を比較的
大きくすることが可能であり、クラッチ弁CV…の必要個
数を3個程度の少数とすることが可能となり、部品点数
の低減が可能となる。
しかも各クラッチ弁CV…の摺動弁体69は、シリンダブ
ロックBの回転に拘わらずその位置が固定的に保持され
ているので、連通・放出位置に在ってもその作動油の放
出量が安定しており、従って油圧閉回路の高圧側(即ち
外側油路53)に圧力脈動を生じさせるような虞れはな
く、スムーズな半クラッチ状態が得られて、クラッチ性
能の向上が図られる。
また各クラッチ弁CV…は、その連通・放出位置で内側
油路52および外側油路53を外部に開放して、比較的高温
となった作動油の一部を放出することが可能であり、排
出された量に対応して比較的低温の作動油が第1あるい
は第2逆止弁95,96から補給されることにより、油圧ポ
ンプおよび油圧モータM間の油圧閉回路内での作動油の
冷却を果たすことができる。
さらに内側油路52のシリンダブロックBとの間に形成
すべくシリンダブロックBに圧入される弁筒51内に第1
逆止弁95、第2逆止弁96および調圧弁97を設けたことに
より、それらの弁95,96,97のユニット化が可能であり、
そのユニット化により各弁95〜97の機能確認が容易とな
るとともに、シリンダブロックBの他の位置に配設する
ものに比べると、組立性および加工性の向上を図ること
ができる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、クラッチ弁は、油圧ポ
ンプの吸入側および吐出側間を遮断するクラッチオン位
置と、前記油圧ポンプの吸入側および吐出側間を連通す
るクラッチオフ位置と、前記油圧ポンプの吸入側および
吐出側間を連通するとともに外部に開放する連通・放出
位置との3つの位置を切換可能に構成されるので、油圧
閉回路内の作動油温度が高い場合には、クラッチ弁を単
に連通・放出位置に切換えるだけで、作動油放出のため
の部品を新たに設けることなくクラッチ弁を以て油圧閉
回路の作動油の一部を外部に放出することが可能とな
り、作動油温度の過度の上昇を防止することができる。
またこのように作動油放出を可能とする弁構造の採用に
よるも、作動油温度が比較的低い(従って作動油放出の
必要のない)場合にはクラッチ弁をクラッチオフ位置に
切換えることにより、作動油放出のない通常のクラッチ
オフ状態が得られ、補給ポンプの負担を軽減することが
できる。
しかも上記クラッチ弁の摺動弁体は、シリンダブロッ
クにその回転軸線に沿って摺動し得るよう嵌装されるの
で、シリンダブロックの回転によってもその摺動弁体は
位置が固定されていて作動油の放出量を安定させること
ができ、従って油圧閉回路の高圧側における圧力脈動の
発生を抑えてスムーズな半クラッチ状態を得ることがで
き、クラッチ性能の向上に寄与することができる。
また特に請求項1の発明によれば、クラッチ弁の上記
摺動弁体が、シリンダブロックにその回転軸線回りに環
状に配列されたモータプランジャ群のピッチ円外で且つ
相隣なるモータプランジャ間に配置されるから、該摺動
弁体がシリンダブロックの軸方向に比較的長くなって
も、これをシリンダブロックにその径方向にも軸方向に
もコンパクトに組み込むことができ、装置の小型化に寄
与することができる。
また特に請求項2の発明によれば、クラッチ弁の上記
摺動弁体のクラッチオン位置とクラッチオフ位置と連通
・放出位置とが、この順序でシリンダブロックに対して
設定されるので、通常のクラッチオン・オフ操作を繰り
返す時は、連通・放出位置を経ないでクラッチ弁を切換
操作することができて、作動油の無用の放出を防ぐこと
ができる。またクラッチオフ状態の継続中において作動
油を外部放出する必要が生じた場合には、そのクラッチ
オフ状態を維持したまま作動油の外部放出を行うことが
でき、しかもこの場合に操作すべきはクラッチ弁だけで
あって、操作性が良好である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は自
動二輪車用パワーユニットの横断平面図、第2図は静油
圧式無段変速機の概略構成を示す油圧回路図、第3図は
静油圧式無段変速機の拡大横断平面図、第4図は第3図
のIV-IV線断面図、第5図は第3図のV−V線断面図、
第6A図は第5図のVI-VI線に沿うクラッチオン位置での
断面図、第6B図はクラッチオフ位置での第6A図の要部断
面図、第6C図は連通・放出位置での第6A図の要部断面
図、第7図は第6A図のVII-VII線断面図、第8図は第6A
図のVIII-VIII線断面図、第9図は第3図のIX-IX線断面
図、第10図は弁筒の拡大横断面図である。 69……摺動弁体、CV……クラッチ弁、M……油圧モー
タ、P……油圧ポンプ、T……静油圧式無段変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−203960(JP,A) 特開 昭63−140163(JP,A) 特開 平1−210656(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜板式油圧ポンプ(P)のポンプシリンダ
    (7)及び斜板式油圧モータ(M)のモータシリンダ
    (17)を一体に有してケーシング(4)に回転自在に支
    承されるシリンダブロック(B)に、前記油圧ポンプ
    (P)及び油圧モータ(M)と協働して油圧閉回路を構
    成する油路(52,53)を形成し、その油圧閉回路には、
    これに作動油を補給し得る補給ポンプ(88)を逆止弁
    (95,96)を介して接続し、前記油圧ポンプ(P)の吸
    入側および吐出側間を結ぶ油路にクラッチ弁(CV)を介
    装し、そのクラッチ弁(CV)は、前記シリンダブロック
    (B)にその回転軸線に沿って摺動し得るよう嵌装した
    摺動弁体(69)を有してなる静油圧式無段変速機におい
    て、 前記摺動弁体(69)は、前記シリンダブロック(B)に
    その回転軸線回りに環状に配列されたモータプランジャ
    (19)群のピッチ円外で且つ相隣なるモータプランジャ
    (19)間に配置されて、前記油圧ポンプ(P)の吸入側
    および吐出側間を遮断するクラッチオン位置と、前記油
    圧ポンプ(P)の吸入側および吐出側間を連通するクラ
    ッチオフ位置と、前記油圧ポンプ(P)の吸入側および
    吐出側間を連通するとともに外部に開放する連結・放出
    位置との3つの位置を選択的に移動可能であることを特
    徴とする、静油圧式無段変速機。
  2. 【請求項2】斜板式油圧ポンプ(P)のポンプシリンダ
    (7)及び斜板式油圧モータ(M)のモータシリンダ
    (17)を一体に有してケーシング(4)に回転自在に支
    承されるシリンダブロック(B)に、前記油圧ポンプ
    (P)及び油圧モータ(M)と協働して油圧閉回路を構
    成する油路(52,53)を形成し、その油圧閉回路には、
    これに作動油を補給し得る補給ポンプ(88)を逆止弁
    (95,96)を介して接続し、前記油圧ポンプ(P)の吸
    入側および吐出側間を結ぶ油路にクラッチ弁(CV)を介
    装し、そのクラッチ弁(CV)は、前記シリンダブロック
    (B)にその回転軸線に沿って摺動し得るよう嵌装した
    摺動弁体(69)を有してなる静油圧式無段変速機におい
    て、 前記摺動弁体(69)は、前記油圧ポンプ(P)の吸入側
    および吐出側間を遮断するクラッチオン位置と、前記油
    圧ポンプ(P)の吸入側および吐出側間を連通するクラ
    ッチオフ位置と、前記油圧ポンプ(P)の吸入側および
    吐出側間を連通するとともに外部に開放する連結・放出
    位置との3つの位置を選択的に移動可能であり、しかも
    前記クラッチオン位置と、前記クラッチオフ位置と、前
    記連通・放出位置とは、この順序で前記シリンダブロッ
    ク(B)に対して設定されることを特徴とする、静油圧
    式無段変速機。
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