JPH0726596Y2 - 斜板式油圧作動装置 - Google Patents

斜板式油圧作動装置

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JPH0726596Y2
JPH0726596Y2 JP1990119050U JP11905090U JPH0726596Y2 JP H0726596 Y2 JPH0726596 Y2 JP H0726596Y2 JP 1990119050 U JP1990119050 U JP 1990119050U JP 11905090 U JP11905090 U JP 11905090U JP H0726596 Y2 JPH0726596 Y2 JP H0726596Y2
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cylinder
valve
motor
pump
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勇 笹尾
晃 佐藤
等 高橋
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 本考案は、ケーシングに回転自在に支承されたシリンダ
に複数のシリンダ孔が環状配列で設けられ、前記シリン
ダの軸線に直交するトラニオン軸を中心として前記軸線
に対して傾斜した状態で斜板ホルダに支承されたリング
状の斜板の前面に、前記シリンダ孔にそれぞれ摺動自在
に嵌合されるプランジャの端部が係合される斜板式油圧
作動装置に関する。
(2)従来の技術 従来、かかる装置は、たとえば特開昭2−190668号公報
等によって知られている。
(3)考案が解決しようとする課題 ところで、上記従来のものでは、斜板がアンギュラコン
タクトボールベアリングおよびラジアルニードルベアリ
ングを介して斜板ホルダに支承されており、それらのベ
アリングを配設するためのスペースが必要となり、その
スペース分だけ装置の大型化が避けられない。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ベ
アリングの配設スペースをなくして小型化を可能とし、
しかも斜板ホルダの斜板支持部に対する潤滑性に優れた
斜板式油圧作動装置を提供することを目的とする。
B.考案の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は、斜板ホルダに
は、斜板を相対回転自在に嵌合するための支持孔と、こ
の支持孔の内端に連なり斜板をスラスト支持するスラス
ト受け面とが設けられ、斜板は、その外周面を前記支持
孔の内周面に直接摺接させるとともにその背面を前記ス
ラスト受け面に直接摺接させて斜板ホルダに直接支承さ
れ、前記斜板の外周面には、両端が該斜板の軸方向両端
面にそれぞれ開放した螺旋状の第1潤滑溝が、また同斜
板の背面には、両端が該斜板の内、外周面にそれぞれ開
放した螺旋状の第2潤滑溝がそれぞれ刻設されることを
特徴とする。
(2)作用 上記構成によれば、斜板ホルダの支持孔内周面に斜板の
外周面を、また同ホルダのスラスト受け面に斜板の背面
をそれぞれ直接摺接させたことで、斜板が斜板ホルダに
直接支承され、斜板および斜板ホルダ間にベアリングを
介設することが不要となるので、そのベアリングの占め
るスペース分だけ装置の小型化が可能となる。
また特に斜板の外周面には、両端が該斜板の軸方向両端
面にそれぞれ開放した螺旋状の第1潤滑溝が、また同斜
板の背面には、両端が該斜板の内、外周面にそれぞれ開
放した螺旋状の第2潤滑溝がそれぞれ刻設されるため、
斜板の斜板ホルダに対する相対回転を利用して、それら
潤滑溝内の潤滑油流通が効率よくなされ、これにより、
斜板及び斜板ホルダ相互のスラスト・ラジアル両方向の
摺接面(即ち斜板の背面・外周面と、斜板ホルダのスラ
スト受け面・支持孔内周面との各摺接面)の全面に亘っ
て潤滑油を効率よく供給することが可能となる。
(3)実施例 以下、図面により本考案を自動二輪車用静油圧式無段変
速機の油圧ポンプおよび油圧モータに適用したときの一
実施例について説明する。
図面は本考案の一実施例を示すものであり、第1図は自
動二輪車用パワーユニットの横断平面図、第2図は第1
図のII−II線拡大断面図、第3図はポンプ斜板の側面
図、第4図は第3図のIV矢視図、第5図は第2図のV−
V線断面図、第6図はクラッチオン状態で示した第2図
のVI−VI線断面図、第7図はクラッチオフ状態で示した
第2図のVII−VII線断面図、第8図は第2分配弁の側面
図、第9図は第8図のIX−IX線断面図、第10図は第8図
のX−X線断面図、第11図はクラッチ弁の側面図、第12
図は第11図のXII−XII線断面図、第13図は第5図のXIII
−XIII線拡大断面図である。
先ず第1図において、自動二輪車のパワーユニットU
は、エンジンEと静油圧式無段変速機Tとから構成され
ており、エンジンEのクランク軸1および静油圧式無段
変速機Tは共通のケーシング4に収容、支持される。静
油圧式無段変速機Tは、入力筒軸5および出力軸31をク
ランク軸1と平行にしてケーシング4内に配置されるも
のであり、クランク軸1は一次減速装置2を介して入力
筒軸5に連結され、自動二輪車の図示しない後輪には出
力軸31が二次減速装置3を介して連結される。
第2図を併せて参照して、静油圧式無段変速機Tは、本
考案に従う2つの斜板式油圧作動装置、すなわち定容量
型の斜板式油圧ポンプPと、可変容量型の斜板式油圧モ
ータMとから構成される。
斜板式油圧ポンプPは、一次減速装置2の出力スプロケ
ット2aを備えた入力筒軸5と、この入力筒軸5内に相対
回転自在に配置されるポンプシリンダ7と、該ポンプシ
リンダ7にその回転軸線を囲むように環状配列で設けら
れた複数かつ奇数のシリンダ孔8,8…にそれぞれ摺動自
在に嵌合される複数のポンププランジャ9,9…と、各ポ
ンププランジャ9,9…の一端に前面を係合、当接させる
ポンプ斜板10と、このポンプ斜板10をポンプシリンダ7
の軸線と直交する仮想トラニオン軸線O1を中心にしてポ
ンプシリンダ7の軸線に対し一定角度斜板させた状態に
保持すべく該斜板10を支承するポンプ斜板ホルダ12とか
ら構成される。而して入力筒軸5の内周壁とポンプシリ
ンダ7の外壁との間にはボールベアリング6が介設され
る。またポンプ斜板ホルダ12は入力筒軸5と一体に形成
されている。
ポンプ斜板10はリング状に形成されるものであり、ポン
プ斜板ホルダ12には、該ポンプ斜板10をポンプシリンダ
7に対向させて支承すべく、ポンプ斜板10を相対回転自
在に嵌合支承するための支持孔11aと、ポンプ斜板10を
スラスト支持するためのスラスト受け面11bとが設けら
れる。
第3図および第4図において、ポンプ斜板10には、前記
支持孔11aの内周面に対向摺接する外周面に、該斜板10
の軸方向両端面に両端がそれぞれ開放した螺旋状の第1
潤滑溝13が例えば2条刻設されると共に、前記スラスト
受け面11bに対向摺接する背面に、該斜板10の内、外周
面に両端がそれぞれ開放した螺旋状の第2潤滑溝14が例
えば2条刻設される。
またポンプ斜板10のポンプシリンダ7に対向する前面に
は、各シリンダ孔8,8…に対応する位置に球状凹部10a,1
0a…がそれぞれ設けられる。一方、各ポンププランジャ
9,9…は、その一端を対応する前記球状凹部10a,10a…に
係合、当接させながらシリンダ孔8,8…にそれぞれ摺動
可能に嵌合されるものであり、各球状凹部10aに係合、
当接されるべき球状部材15が各シリンダ孔8に摺動可能
に嵌合されるべき軸部材16の一端に、たとえばろう付け
溶接により結合されて成る。すなわち、球状部材15は、
半球状に形成されている頭部15aに首部15bが連設されて
成るものであり、軸部材16は、有底穴16aを有して中空
に形成されている。而して首部15bを有底穴16aの開口端
に嵌合した状態で、頭部15aと軸部材16とをろう付け溶
接により結合してポンププランジャ9が構成される。し
かも前記球状凹部10aは、前記球状部材15における球状
部15aの半径より大なる半径をもって形成されていて、
如何なる位置においても球状部材15すなわちポンププラ
ンジャ9の一端との係合状態が確保される。
ところで、各ポンププランジャ9の一端すなわち球状部
材15は、ポンプ斜板10の球状凹部10aに比較的大きな面
圧で当接するものであり、球状部材15およびポンプ斜板
10は、高面圧に耐えるように硬度の高い材料、たとえば
焼入れ窒化処理を施したSKH51、焼入れ窒化処理を施し
たSKD、あるいは浸炭窒化処理を施したSACM等によりそ
れぞれ形成される。また軸部材16は、比較的大きな曲げ
荷重に耐えるとともに耐摩耗性に優れた材料、たとえば
調質処理後に窒化処理を施したSACM645あるいは浸炭処
理を施したSCM420により形成される。
このような油圧ポンプPにおいて、入力筒軸5の回転作
動に応じてポンプ斜板10は各ポンププランジャ9,9…に
往復動を与え、それにより吸入および吐出行程が繰り返
される。
油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上で第2図の
左方に配置されるモータシリンダ17と、該モータシリン
ダ17にその回転軸線を囲むように設けられたシリンダ孔
18,18…にそれぞれ摺動可能に嵌合される複数のモータ
プランジャ19,19…と、各モータプランジャ19,19…の一
端に前面を係合、当接させるモータ斜板20と、このモー
タ斜板20を保持するモータ斜板ホルダ22と、該モータ斜
板ホルダ22の背面を支承するモータ斜板アンカ23とから
構成される。前記シリンダ孔18,18…は油圧ポンプPに
おけるシリンダ孔8,8…と同数の奇数個がモータシリン
ダ17に穿設される。また相互に当接するモータ斜板ホル
ダ22およびモータ斜板アンカ23の対向当接面22a,23a
は、モータシリンダ17の軸線とトラニオン軸線O2との交
点を中心とする球面状に形成される。しかもモータ斜板
ホルダ22は、モータシリンダ17の回転軸線と直交する前
記トラニオン軸線O2上に配置される一対の半円筒状トラ
ニオン軸22b,22bを一体に備え、これらのトラニオン軸2
2b,22bはモータ斜板アンカ23の両端部に形成された一対
の半円筒状凹部23b,23bに軸線まわりの回動を可能とし
てそれぞれ嵌合される。
モータ斜板アンカ23のモータシリンダ17側端部には筒状
のシリンダホルダ24が一体に連設され、このシリンダホ
ルダ24とモータシリンダ17の外周との間にはボールベア
リング25が介設される。
モータ斜板20はリング状に形成される。またモータ斜板
ホルダ22には、モータ斜板20を相対回転自在に嵌合支承
するための支持孔26aと、モータ斜板20をスラスト支持
するためのスラスト受け面26bとが設けられる。しか
も、モータ斜板20には、ポンプ斜板10と同様に、前記支
持孔26aの内周面に対向摺接する外周面に、該斜板20の
軸方向両端面に両端がそれぞれ開放した螺旋状の第1潤
滑溝27が例えば2条刻設されると共に、前記スラスト受
け面26bに対向摺接する背面に、該斜板20の内、外周面
に両端がそれぞれ開放した螺旋状の第2潤滑溝28が例え
ば2条刻設される。
モータ斜板20のモータシリンダ17に対向する前面には、
各シリンダ孔18,18…に対応する位置に球状凹部20a,20a
…がそれぞれ設けられる。一方、各モータプランジャ1
9,19…は、前記油圧ポンプPのポンププランジャ9と基
本的に同一形状を有して形成されるものであり、各球状
凹部20aに係合、当接されるべき球状部材29が各シリン
ダ孔18に摺動可能に嵌合されるべく有底円筒状に形成さ
れている軸部材30の一端に、たとえばろう付け溶接によ
り一体に結合されて成る。而して、球状凹部20aは球状
部材29の半径より大なる半径をもって形成されていて、
如何なる位置においても球状部材29すなわちモータプラ
ンジャ19の一端との係合状態が確保されるようになって
いる。
しかも各球状部材29およびモータ斜板20は、高面圧に耐
えるように硬度の高い材料、たとえば焼入れ窒化処理を
施したSKH51、焼入れ窒化処理を施したSKD、あるいは浸
炭窒化処理を施したSACM等によりそれぞれ形成される。
またモータ斜板20を支承するモータ斜板ホルダ22もモー
タ斜板20と同一の材料により形成される。さらに軸部材
30は、比較的大きな曲げ荷重に耐えるとともに耐摩耗性
に優れた材料、たとえば調質処理後に窒化処理を施した
SACM645あるいは浸炭処理を施したSCM420により形成さ
れる。
モータ斜板20は、第1図で示すように、パルスモータ80
により減速歯車列78およびボールねじ機構79を介してト
ラニオン軸線O2まわりにモータ斜板ホルダ22が回動せし
められることにより、モータシリンダ17の軸線に対し直
角となる直立位置と、或る角度で傾倒する最大傾斜位置
との間で作動するものであり、その傾斜状態では、モー
タシリンダ17の回転に伴いモータプランジャ19,19…に
往復動を与えて膨脹および収縮行程を繰り返させること
ができる。
ポンプシリンダ7およびモータシリンダ17は相互に一体
に結合されてシリンダブロックBを構成するものであ
り、このシリンダブロックBには、同軸の出力軸31およ
び軸32が一体に設けられる。すなわちシリンダブロック
Bにおけるモータシリンダ17のモータ斜板20に対向する
部分の中心部から出力軸31が一体に穿設され、前記シリ
ンダブロックBにおけるポンプシリンダ7のポンプ斜板
10に対向する部分の中心部から前記出力軸31と同軸にし
て軸32が一体に突設される。而してシリンダブロックB
は、前記ポンププランジャ9の軸部材16およびモータプ
ランジャ19の軸部材30と同一の材料、すなわち調質処理
後に窒化処理を施したSACM645あるいは浸炭処理を施し
たSCM420により形成される。
軸32はポンプ斜板10およびポンプ斜板ホルダ12を貫通す
るものであり、アンギュラコンタクトボールベアリング
33を介してポンプ斜板ホルダ12の端部を支承するための
フランジ34が、軸32の端部に固定される。またポンプ斜
板ホルダ12とケーシング4との間にはボールベアリング
35が介設される。
出力軸31は、モータ斜板20、モータ斜板ホルダ22および
モータ斜板アンカ23を貫通するように延びており、モー
タ斜板アンカ23よりも軸方向外方側で出力軸31の外周に
は、支持筒39がスプライン37を介して結合されるととも
に二つ割コッタ38で固着され、支持筒39とモータ斜板ア
ンカ23との間には、モータ斜板アンカ23側からリテーナ
40およびスラストローラベアリング41が順次介装され、
ケーシング4および支持筒39間にはオイルシール43が介
装される。また出力軸31は、ニードルベアリング42およ
び前記リテーナ40を介してモータ斜板アンカ23に回転自
在に支承される。さらに前記2次減速装置3の入力スプ
ロケット3aは支持筒39を介して出力軸31に取付けられ
る。
シリンダブロックBには、その軸32側から出力軸31側に
向けて順に、第1孔44と、第1孔44よりも小径の第2孔
45と、第2孔45よりも小径の第3孔46と、第3孔46より
も小径の第4孔47とがシリンダブロックBの回転軸線と
同一の軸線を有して同軸に設けられており、それらの孔
44〜47は中心油路95を形成する。またポンプシリンダ7
のシリンダ孔8,8…群とモータシリンダ17のシリンダ孔1
8,18…群との間において第2孔45の内面には環状溝48が
設けられ、該環状溝48に対応する部分でシリンダブロッ
クBの外周には環状溝49が設けられる。
第4孔47の開放端はねじ栓51で閉塞される。また第2孔
45には弁筒102が圧入、固定されており、この弁筒102の
外周と前記環状溝48とにより、シリンダブロックBの回
転軸線を中心とする環状の内側油路52が形成される。ま
たシリンダブロックBの外周には、環状溝49を覆うよう
にしてリング体54が嵌挿されており、このリング体54は
シリンダブロックBにろう付け溶接される。これによ
り、シリンダブロックBおよびリング体54間には、前記
内側油路52と同心の外側油路53が環状に形成されること
になる。
第5図ないし第7図を併せて参照して、ポンプシリンダ
7のシリンダ孔8,8…群とモータシリンダ17のシリンダ
孔18,18…群との間におけるシリンダブロックBの内側
油路52および外側油路53間の環状隔壁、ならびに外側油
路53の外周壁すなわちリング体54を放射状に貫通するよ
うにして、前記シリンダ孔8,8…と同数の第1,第2,第3
弁孔55…,56…,57…が設けられる。しかも第1弁孔55…
はシリンダ孔8,8…群側に配置され、第2および第3弁
孔56,56…;57,57…は、シリンダ孔18,18…群側でシリン
ダブロックBの周方向に交互に配置される。
ところで、第1,第2,第3弁孔55…,56…,57…を設けるに
あたって、シリンダブロックBおよびリング体54には、
各弁孔55…、56…,57…に対応する下穴を穿設してお
き、シリンダブロックBにリング体54を固着した後に各
下穴の仕上げ加工を行なうことになる。このため、シリ
ンダブロックBにリング体54を固着した状態でシリンダ
ブロックBの下穴とリング体54の下穴とがずれることは
極力回避せねばならない。しかるに、シリンダブロック
Bにリング体54をビーム溶接により固着すると、上記下
穴のずれが大きくなり、仕上げ加工に時間がかかる。す
なわちビーム溶接では、リング体54の全周をシリンダブ
ロックBに同時に溶接すること、ならびに左右両端をシ
リンダブロックBに同時に溶接することは困難であるの
で、溶接時に未溶接の部分が溶接部分に引っ張られて前
記下穴のずれが生じるのである。これに対し、上述のよ
うにろう付け溶接によりリング体54をシリンダブロック
Bに固着するようにすると、リング体54の全周および左
右両端をシリンダブロックBに同時に接合可能であるの
で、上記下穴のずれを極力小さくすることが可能であ
り、それにより仕上げ加工の時間を短縮することができ
る。
またシリンダブロックBには、その軸線に沿って隣接す
るシリンダ孔8,8…および第1弁孔55,55…を相互に連通
する複数のポンプポート58,58…と、軸線に沿って隣接
するシリンダ孔18,18…および第2弁孔56,56…を相互に
連通する複数のモータポート59,59…とが穿設される。
前記第1弁孔55,55…にはスプール型の第1分配弁60,60
…が、また前記第2弁孔56,56…には同じくスプール型
の第2分配弁61,61…が、さらに前記第3弁孔57,57…に
は同じくスプール型のクラッチ弁62,62…がそれぞれ摺
動自在に嵌合される。そして、第1分配弁60,60…の外
端に設けられた頭部68は、それらの第1分配弁60,60…
を囲む第1偏心輪63の内面にそれぞれ摺接され、また第
2分配弁61,61…の外端に設けられた頭部86およびクラ
ッチ弁62,62…の外端に設けられた頭部93は、それら61,
61…,62,62…を囲む第2偏心輪64の内面に固着されたリ
ング状の摺接部材64aに摺接される。しかも上記摺接状
態を強制するために、第1分配弁60,60…の外端部は第
1偏心輪63と同心関係の第1強制輪65により相互に連結
され、また第2分配弁61,61…およびクラッチ弁62,62…
の外端部は第2偏心輪64,64…と同心関係にある第2強
制輪66により相互に連結される。
第1偏心輪63は入力筒軸5に一体に設けられるものであ
り、第5図に示すように仮想トラニオン軸線O1に沿って
シリンダブロックBの中心から所定距離εだけ偏心し
て配置される。また第2偏心輪64は、出力軸31と平行な
枢軸70を介して前記シリンダホルダ24に揺動可能に連結
されるものであり、第6図で示すクラッチオン位置nと
第7図で示すクラッチオフ位置fとの間で揺動可能であ
る。
ところで、第1分配弁60,60…、第2分配弁61,61…およ
びクラッチ弁62,62…はシリンダブロックBに揺動可能
にして直接嵌合されており、シリンダブロックBは、耐
摩耗性が高い材料、すなわち調質処理後に窒化処理を施
したSACM645あるいは浸炭処理を施したSCM420により形
成されている。そこで、各第1分配弁60、各第2分配弁
61および各クラッチ弁62も、シリンダブロックBと同一
の材料すなわち調質処理後に窒化処理を施したSACM645
あるいは浸炭処理を施したSCM420により形成される。
また各第1分配弁60の頭部68は第1偏心輪63に直接当接
されており、それらの当接面での耐摩耗性を高めるため
に、第1偏心輪63すなわち入力筒軸5は、第1分配弁60
と同一の材料により形成される。また各第2分配弁61の
頭部86および各クラッチ弁62の頭部93は第2偏心輪64に
固着された摺接部材64aに直接当接されている。而して
第2偏心輪64は、大きな荷重が作用するものではなく軽
量化を図るためにアルミニウム合金により形成される
が、各第2分配弁61の頭部86ならびに各クラッチ弁62の
頭部93との当接面での耐摩耗性を高めるために、第2分
配弁61およびクラッチ弁62と同一の材料から成るリング
状の摺接部材64aが第2偏心輪64に固着されている。
ここで第1分配弁60の作用について説明すると、入力筒
軸5とポンプシリンダ7すなわちシリンダブロックBと
の間に相対回転が生じると、各第1分配弁60は、第1偏
心輪63により第1弁孔55において偏心量εの2倍の距
離をストロークとしてポンプシリンダ7の半径方向内方
位置および外方位置間を往復動される。そして、第5図
に示すように、油圧ポンプPの吐出領域Dでは、第1分
配弁60は前記内包位置側を移動して、対応するポンプポ
ート58を外側油路53に連通するとともに内側油路52と不
通にし、それにより吐出行程中のポンププランジャ9に
よりシリンダ孔8から外側油路53へ作動油が圧送され
る。また油圧ポンプPの吸入領域Sでは、第1分配弁60
は前記外方位置側を移動して、対応するポンプポート58
を内側油路52に連通するとともに外側油路53と不通に
し、それにより吸入行程中のポンププランジャ9により
内側油路52からシリンダ孔8に作動油が吸入される。
また油圧モータMにおいて、第2偏心輪64は、そのクラ
ッチオン位置nでは、トラニオン軸線O2に沿って出力軸
31の中心から所定距離εだけ偏心した位置を占め、ま
たクラッチオフ位置fでは出力軸31の中心から上記偏心
量εよりも大なる距離εだけ偏心した位置を占める
ものであり、その位置規制のために、第2偏心輪64の外
周面に切欠き71が設けられるとともに該切欠き71の両内
端面に当接可能なストッパ72がケーシング4に一体に形
成される。すなわち該ストッパ72が切欠き71の一方の内
端面に当接することにより第2偏心輪64のクラッチオン
位置nが、また切欠き71の他方の内端面に当接すること
により第2偏心輪64のクラッチオフ位置fがそれぞれ規
制される。
第2偏心輪64の一側部に穿設された透孔73には出力軸31
と平行に配設されるカム軸74が挿通され、このカム軸74
と係合するスリッパ板75が透孔73内の一側面を覆うよう
にして第2偏心輪64に固着される。該スリッパ板75のコ
ーナ部には、カム軸74が所定角度回転したとき係合する
斜面75aが設けられている。
第2図で示すように、カム軸74は、左右一対のベアリン
グ76,77を介してケーシング4に支承されるものであ
り、図示しないクラッチレバーの操作により回動せしめ
られることにより、前記斜面75aに係合してスリッパ板7
5を押動し、第2偏心輪64をクラッチオフ位置fへ揺動
させることができる。
また第6図に示すように、第2偏心輪64には、これをク
ラッチオン位置n側へ付勢するクラッチばね69が接続さ
れる。したがって、カム軸74を前記斜面75aとの係合を
解除する方向に回動操作すれば、第2偏心輪64はクラッ
チばね69の力をもってクラッチオン位置nへ揺動するこ
とができる。
次に第2分配弁61およびクラッチ弁62の構造を詳細に説
明する。
先ず、第2分配弁61は、第8図ないし第10図に示すよう
に、軸方向長さが長い第1ランド81と、軸方向長さが短
い第2ランド82と、両ランド81,82に挟まれた環状溝83
とを備えている。第1ランド81の環状溝83側端縁には複
数の切欠き84が設けられ、また第2ランド82の外周面に
はその周方向に等間隔をあけた位置で平坦状に切欠くこ
とにより軸方向に延びる複数の凹部85…が形成される。
この第2分配弁61は、第1ランド81をシリンダブロック
Bの半径方向外方へ向けて配置されるものであり、その
外端には摺接部材64aに摺接すべく半円状に形成される
頭部86が設けられる。
次にクラッチ弁62は、第11図および第12図に示すよう
に、軸方向長さが長い第1ランド89と、軸方向長さが短
い第2ランド90と、両ランド89,90間に挟まれる環状溝9
1とを備える。第1ランド89の環状溝91側端縁にはテー
パ部89aが形成され、また第2ランド90にはその全長に
わたる複数の平坦な切欠92が周方向等間隔に形成され
る。
このクラッチ弁62は、第1ランド89をシリンダブロック
Bの半径方向外方へ向けれて配置されるものであり、そ
の外端には摺接部材64aに摺接すべく半円状に形成され
る頭部93が設けられる。
而して、第2偏心輪64がクラッチオン位置nを占めると
き(第6図参照)、モータシリンダ17すなわちシリンダ
ブロックBが回転すると、第2分配弁61およびクラッチ
弁62は、第2偏心輪64により、第2弁孔56および第3弁
孔57において偏心量εの2倍の距離をストロークとし
てシリンダブロックBの半径方向内方位置および外方位
置間を往復動される。而して油圧モータMの膨脹領域Ex
では、第2分配弁61は前記内方位置側を移動し、環状溝
83を介して対応するモータポート59を外側油路53に連通
するとともに第2ランド82により該モータポート59およ
び内側油路52間を不通にし、それにより外側油路53から
膨脹行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18に高圧
の作動油が供給される。また油圧モータMの収縮領域Sh
では、第2分配弁61は前記外方位置側を移動し、対応す
るモータポート59を内側油路52に連通するとともに第2
ランド82により該モータポート59および外側油路53間を
不通にし、それにより収縮行程中のモータプランジャ19
のシリンダ孔18から内側油路52へ作動油が排出される。
一方、クラッチ弁62は、その往復動ストロークが第2偏
心量εの2倍の距離以下である限り、第1ランド89が
外側油路53を横断していて、内側油路52および外側油路
53間を不通にしている。
かくして、シリンダブロックBは、ポンプシリンダ7が
吐出行程のポンププランジャ9を介してポンプ斜板10か
ら受ける反動トルクと、モータシリンダ17が膨脹行程の
モータプランジャ19を介してモータ斜板20から受ける反
動トルクとの和によって回転され、その回転トルクは出
力軸31から2次減速装置3へ伝達される。
この場合、入力筒軸5に対する出力軸31の変速比は次式
によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変え
れば、変速比を1から或る必要な値まで変えることがで
きる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプラン
ジャ19のストロークにより決定されるので、モータ斜板
20を直立位置から或る傾斜位置まで傾動させることによ
り変速比を1から或る値まで無段階に制御することがで
きる。
次に第2偏心輪64をクラッチオフ位置fにシフトすると
(第7図参照)、モータシリンダ17すなわちシリンダブ
ロックBの回転に伴い、第2偏心輪64により、第2分配
弁61およびクラッチ弁62は第2弁孔56および第3弁孔57
において偏心量εの2倍の距離をストロークとしてシ
リンダブロックBの半径方向内方位置および外方位置間
を往復動される。そして、第2分配弁61の内方位置で
は、環状溝83および凹部85を介して両油路52,53間が短
絡され、第2分配弁61の外方位置では、凹部85を介して
両油路52,53間が短絡される。さらに、クラッチ弁62の
外方位置では、環状溝91および切欠き92を介して両油路
52,53間が短絡される。かくして、油圧モータMには高
圧の作動油が供給されなくなり、油圧ポンプPおよび油
圧モータM間の動力伝達は遮断され、所謂クラッチオフ
状態が得られる。
この場合、上述のように第2分配弁61およびクラッチ弁
62の両者が両油路52,53間の短絡に関与するので、その
短絡系の流路抵抗が極めて少なく、その結果、油圧ポン
プPの作動による圧力脈動を抑えて安定したクラッチオ
フ状態を得ることができる。
また多数の第2分配弁61,61…およびクラッチ弁62,62…
をシリンダブロックBの周方向に交互に配置して、これ
らを共通の第2偏心輪64により駆動するようにしたの
で、クラッチ弁62,62…の配置によるも、構造の複雑化
のみならず、シリンダブロックBの軸方向長さの増大を
避けることができる。
再び第2図において、シリンダブロックBの第1孔44に
は、先端部を第2孔45内に位置させるようにしてオイル
フィルタ96が嵌入、固定され、該オイルフィルタ96に
は、油溜100から補給ポンプ99で汲み上げた作動油がオ
イルフィルタ101を介して供給され、補給ポンプ99は入
力筒軸5によって駆動される。
前記第2弁孔45の第3弁孔46寄りの部分には両端を開放
した弁筒102が圧入、固定され、該弁筒102には、軸方向
両端間にわたる連通孔103が穿設されるとともに軸方向
中央部には内部を内側油路52に連通させる連通孔104が
穿設される。また弁筒102内には、前記連通孔104を介し
て内側油路52に通じる油室105を相互間に形成して一対
の第1逆止弁106,106が対称的に配設され、それらの第
1逆止弁106,106は、弁ばね108によりそれぞれ閉弁方向
に付勢されており、油室105すなわち内側油路52から中
心油路95への油の逆流を阻止する。
第13図において、シリンダブロックBには、前記弁筒10
2よりも上流側の中心油路95と前記外側油路53とを結ぶ
補給油路110が設けられており、この補給油路110の途中
には、外側油路53から内側油路52への油の逆流を阻止す
る第2逆止弁111が介装され、この第2逆止弁111は弁ば
ね112により閉弁方向に付勢される。
さらにシリンダブロックBには、中心油路95から無段変
速機Tの各部に潤滑油を供給するための半径方向のオリ
フィス孔107が適所に穿設される。
而して、油圧ポンプPから油圧モータMを油圧駆動する
通常の負荷運転中に、両者間の油圧閉回路からの漏油に
より、低圧側の内側油路52の圧力が中心油路95の圧力よ
りも低下すると、前記第1逆止弁106,106が開いて中心
油路95から内側油路52に作動油が補給される。一方、こ
のとき、高圧側の外側油路53の作動油は第2逆止弁110
により中心油路95への流出を阻止されている。
また、逆負荷運転時すなわちエンジンブレーキ時には、
油圧モータMがポンプ作用を行い、油圧ポンプPがモー
タ作用を行うようになり、したがって外側油路53が低圧
に、内側油路52が高圧に変わるので、漏油により外側油
路53の圧力が中心油路95の圧力より低下すれば、第2逆
止弁111が開いて中心油路95から外側油路53へ作動油が
補給され、内側油路52から中心油路95への作動油の流出
は前記第1逆止弁106,106により阻止される。
また、中心油路95の油は、オリフィス孔107により流量
を制限されつつ無段変速機Tの各部に供給されるので、
その供給により中心油路95の圧力が過度に低下すること
はなく、したがって中心油路95から内側油路52および外
側油路53への作動油の補給に支障を来たすことはない。
またシリンダブロックBに、外側油路53の油圧の過大上
昇を防止するための調圧弁113が設けられ、この調圧弁1
13は、弁筒114、弁体115および弁ばね116から構成され
る。
弁筒114は、調質処理後に窒化処理を施したSACM645から
成るものであり、内側油路52および外側油路53間の隔壁
およびリング体54に、それらを貫通するようにして圧入
される。この弁筒114には、弁孔118と、該弁孔118より
もわずかに大径の案内孔119と、案内孔119よりも大径の
ばね室120とが、シリンダブロックBの半径方向外方か
ら内方に向かって順に設けられるとともに、案内孔119
の弁孔118側端部を外側油路53に連通させる横孔117が設
けられる。
弁体115は、弁筒114と同じく調質処理後に窒化処理を施
したSACM645から成るものであり、前記横孔117に臨むと
ともに弁孔118に摺動可能に嵌合される弁部115aと、案
内孔119に摺動自在に嵌合される弁杆部115bと、案内孔1
19およびばね室120間の段部に当接し得るフランジ状の
ストッパ部115cとを備え、該ストッパ部115cは、ばね室
120に収納されている弁ばね112により前記段部との当接
位置に通常保持される。またばね室120は、弁体115の作
動を妨げないように内側油路52に連通されている。
而して前記弁部115aおよび弁杆部115b間の段差面には外
側油路53の油圧が作用し、弁体115に開弁力を与える
が、外側油路53の油圧が規定値以下にある通常の運転状
態では、弁体115を開弁方向に付勢する弁ばね116の力が
上記開弁力よりも大きいので、弁体115は閉弁状態すな
わち弁孔118を閉じた状態に保持される。外側油路53の
油圧が前記規定値を上回ると、上記開弁力が弁ばね116
の力よりも大きくなるので、弁体115は弁ばね116を圧縮
しつつ摺動して弁孔118を開き、外側油路53の過大油圧
が前記弁孔118を介してシリンダブロックB外に放出さ
れる。さらに外側油路53の油圧が元に戻ると、弁ばね11
6のばね力で弁体115は閉弁状態に復帰する。したがって
車両の急発進、急加速時でも、外側油路53の油圧の過大
上昇を抑えることができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、油圧ポンプ
Pにおけるポンププランジャ9は、ポンプ斜板10の球状
凹部10aに係合、当接されるべき球状部材15がシリンダ
孔8に摺動可能に嵌合されるべき軸部材16の一端に結合
されて成るものであり、また油圧モータMにおけるモー
タプランジャ19は、モータ斜板20の球状凹部20aに係
合、当接されるべき球状部材29がシリンダ孔18に摺動可
能に嵌合されるべき軸部材30に結合されて成るものであ
り、ポンププランジャ9およびモータプランジャ19にお
ける各部で必要とする特性を備えた材料を選択すること
が可能であり、それにより作動性および耐久性の向上を
図ることができる。
しかも前記軸部材16,30は中空に形成されており、ポン
ププランジャ9およびモータプランジャ19の軽量化、延
いては油圧ポンプPおよび油圧モータMの軽量化を図
り、静油圧式無段変速機Tの軽量化に寄与することがで
きる。また油圧ポンプPにおける各ポンププランジャ9
は、ポンプポート58からシリンダ孔8への油の流入によ
りポンプ斜板10側に押圧されるものであり、自己吸入作
用が少ないので大重量であると回転に対する追随性が低
下し、騒音の発生や耐久性の悪化を招く。しかるに上述
のように軽量化することにより、回転に対する追随性を
向上し、騒音の発生を回避するとともに耐久性を向上す
ることが可能となる。
シリンダブロックBは、ポンプシリンダ7、モータシリ
ンダ17、出軸軸31および軸32を有して一体に成形される
ものであり、出力軸をシリンダブロックに貫通、固定し
た構造のものに比べると、固定のためのスプライン等の
加工が不要となるとともに部品点数低減が可能となり、
組付け工数の低減を図ることも可能となる。
ポンプ斜板10およびモータ斜板20は、ポンプ斜板ホルダ
12およびモータ斜板ホルダ22にそれぞれ設けられている
支持孔11a,26aならびにスラスト受け面11a,11bで直接受
けられており、ポンプ斜板10、モータ斜板20、ポンプ斜
板ホルダ12およびモータ斜板ホルダ22は高硬度の材料に
より形成されているので、ベアリングを用いた構造に比
べると構成が極めて簡単であり、小型化が可能となる。
しかも螺旋状の潤滑溝13,14,27,28をポンプ斜板10およ
びモータ斜板20にそれぞれ設けることにより、ポンプ斜
板ホルダ12およびモータ斜板ホルダ22の回転を利用して
潤滑油を摺接面全面に効率よく供給することが可能とな
る。
さらに各第1分配弁60の頭部68を第1偏心輪63に直接摺
接させ、各第2分配弁61の頭部86および各クラッチ弁62
の頭部93を第2偏心輪64の内面に設けられた摺接部材64
aに直接摺接させ、第1分配弁60、第2分配弁61、クラ
ッチ弁62、第1偏心輪63および摺接部材64aを耐摩耗性
の高い材料、すなわち調質処理後に窒化処理を施したSA
CM645あるいは浸炭処理を施したSCM420により形成され
ている。これによりベアリングを第1分配弁60および第
1偏心輪63間、ならびに第2分配弁61、クラッチ弁62お
よび第2偏心輪64間に介設することが不要となり、部品
点数の低減および小型化を図ることができる。
C.考案の効果 以上のように本考案によれば、斜板ホルダの支持孔内周
面に斜板の外周面を、また同ホルダのスラスト受け面に
斜板の背面をそれぞれ直接摺接させたことで、斜板を斜
板ホルダに直接支承させるようにしたので、斜板および
斜板ホルダ間にベアリングを介設することが不要とな
り、従ってそのベアリングの占めるスペース分だけ装置
の小型化が可能となり、しかも部品点数の削減によりそ
れだけ装置の構造単純化が図られ、コスト削減や組立、
点検整備時等の作業性の向上に寄与することができる。
また特に斜板の外周面には、両端が該斜板の軸方向両端
面にそれぞれ開放した螺旋状の第1潤滑溝を、また同斜
板の背面には、両端が該斜板の内、外周面にそれぞれ開
放した螺旋状の第2潤滑溝をそれぞれ刻設したので、斜
板の斜板ホルダに対する相対回転を利用して、それら潤
滑溝内の潤滑油流通が効率よくなされ、従って、斜板及
び斜板ホルダ相互のスラスト・ラジアル両方向の摺接面
(即ち斜板の背面・外周面と、斜板ホルダのスラスト受
け面・支持孔内周面との各摺接面)の全面に亘って潤滑
油を効率よく供給することが可能となって、それら摺接
面を万遍なく確実に潤滑することができるから、ベアリ
ング省略によるも前記摺接面の過熱や摩耗進行が効果的
に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すものであり、第1図は自
動二輪車用パワーユニットの横断平面図、第2図は第1
図のII−II線拡大断面図、第3図はポンプ斜板の側面
図、第4図は第3図のIV矢視図、第5図は第2図のV−
V線断面図、第6図はクラッチオン状態で示した第2図
のVI−VI線断面図、第7図はクラッチオフ状態で示した
第2図のVII−VII線断面図、第8図は第2分配弁の側面
図、第9図は第8図のIX−IX線断面図、第10図は第8図
のX−X線断面図、第11図はクラッチ弁の側面図、第12
図は第11図のXII−XII線断面図、第13図は第5図のXIII
−XIII線拡大断面図である。 4……ケーシング、7,17……シリンダ、8,18……シリン
ダ孔、9,19……プランジャ、10,20……斜板、10a,26a…
…支持孔、11b,26b……スラスト受け面、12,22……斜板
ホルダ、13,27……第1潤滑溝、14,28……第2潤滑溝、
M……油圧作動装置としての油圧モータ、O1,O2……ト
ラニオン軸、P……油圧作動装置としての油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 林 勉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−313679(JP,A) 特開 昭57−68568(JP,A) 実公 昭54−38564(JP,Y2)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング(4)に回転自在に支承された
    シリンダ(7,17)に複数のシリンダ孔(8,18)が環状配
    列で設けられ、前記シリンダ(7,17)の軸線に直交する
    トラニオン軸(O1,O2)を中心として前記軸線に対して
    傾斜した状態で斜板ホルダ(12,22)に支承されたリン
    グ状の斜板(10,20)の前面に、前記シリンダ孔(8,1
    8)にそれぞれ摺動自在に嵌合されるプランジャ(9,1
    9)の端部が係合される斜板式油圧作動装置において、 斜板ホルダ(12,22)には、斜板(10,20)を相対回転自
    在に嵌合するための支持孔(11a,26a)と、この支持孔
    (11a,26a)の内端に連なり斜板(10,20)をスラスト支
    持するスラスト受け面(11b,26b)とが設けられ、斜板
    (10,20)は、その外周面を前記支持孔(11a,26a)の内
    周面に直接摺接させるとともにその背面を前記スラスト
    受け面(11b,26b)に直接摺接させて斜板ホルダ(12,2
    2)に直接支承され、前記斜板(10,20)の外周面には、
    両端が該斜板(10,20)の軸方向両端面にそれぞれ開放
    した螺旋状の第1潤滑溝(13,27)が、また同斜板(10,
    20)の背面には、両端が該斜板(10,20)の内、外周面
    にそれぞれ開放した螺旋状の第2潤滑溝(14,28)がそ
    れぞれ刻設されることを特徴とする斜板式油圧作動装
    置。
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