JPH0826929B2 - 可変容量型油圧装置 - Google Patents

可変容量型油圧装置

Info

Publication number
JPH0826929B2
JPH0826929B2 JP61300584A JP30058486A JPH0826929B2 JP H0826929 B2 JPH0826929 B2 JP H0826929B2 JP 61300584 A JP61300584 A JP 61300584A JP 30058486 A JP30058486 A JP 30058486A JP H0826929 B2 JPH0826929 B2 JP H0826929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
cylinder
shaft
motor
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61300584A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63152765A (ja
Inventor
勉 林
充 齋藤
卓志 松任
芳浩 中島
誠二 山崎
健二 ▲榊▼原
信幸 八木ケ谷
一彦 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP61300584A priority Critical patent/JPH0826929B2/ja
Publication of JPS63152765A publication Critical patent/JPS63152765A/ja
Publication of JPH0826929B2 publication Critical patent/JPH0826929B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)
  • Hydraulic Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、斜板式の油圧ポンプや油圧モータとして用い
られる可変容量型油圧装置に関し、特に、中心部に伝動
軸を連結したシリンダブロックと、このシリンダブロッ
クに穿設された環状配列のシリンダ孔群に摺合するプラ
ンジャ群と、このプランジャ群の突出端に前面を係合し
てシリンダブロックの回転に伴い各プランジャに往復動
を与える傾動可能な斜板とを備えたものの改良に関す
る。
(2)従来の技術 従来、かかる油圧装置において、斜板を堅固に支持す
るために、斜板の背面を平坦面で支承する断面半月状の
斜板ホルダの円弧面と、この斜板ホルダの両端にそれと
同軸に連設された一対の円柱状トラニオン軸とを、ケー
シングに固定される斜板アンカに別々の支持面でそれぞ
れ回転自在に支承させるようにしており、またその斜板
アンカは、その径方向には伝動軸と支承関係がなく、該
アンカに作用する径方向荷重はケーシングに直接伝達さ
れるようになっている。(特開昭61−153057号公報、同
61−153053号公報参照)。
(3)発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構造では、斜板ホルダ及び
トラニオン軸の両者を斜板アンカの別々の支持面に同時
に回転自在に支承させることは加工精度上極めて困難で
あり、実際には加工誤差を見込んで、斜板ホルダと斜板
アンカとの間に微小間隙を設けざるを得ず、このため斜
板ホルダはプランジャ群のスラスト荷重により多少とも
撓みを生じ、それだけ斜板に対する支持剛性が低下する
虞れがある。
また、上記斜板アンカは、径方向では伝動軸と支承関
係がないため、プランジャ群から斜板に作用するスラス
ト荷重の径方向分力が斜板アンカを介してケーシングに
作用することになり、ケーシングの強度を決めるに当た
っては、それを充分に考慮しなければならず、それだけ
ケーシングの重量増を招く虞れもある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、斜板
に対する支持剛性が高く、しかもプランジャ群から斜板
に作用するスラスト荷重の径方向分力を伝動軸に伝達支
持させるようにしてケーシングの荷重負担軽減に寄与す
ることができ、更にトラニオン軸の最大回転角規制を、
トラニオン軸と斜板アンカとの回転摺動面の有効面積を
減ずることなく簡単な構造で確実に行い得るようにした
前記可変容量型油圧装置を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、斜板に対する
傾動支軸となるトラニオン軸を断面半月状に形成して、
その軸の平坦面で斜板の背面を支承する一方、その軸の
凸状円弧面を、ケーシングに固定される斜板アンカの凹
状円弧面に隙間無く回転自在に支承させ、またこの斜板
アンカを伝動軸に、該斜板アンカに加わる径方向荷重を
伝動軸に伝達、支持させるベアリングを介して回転自在
に支承させ、ケーシングに固定されてシリンダブロック
を回転自在に支承するシリンダホルダを斜板アンカに隣
接配置すると共に、該アンカの凹状円弧面外端よりその
径方向内方に立ち上がる段部を該シリンダホルダの一部
により形成したことを特徴とする。
(2)作用 断面半月状に形成されたトラニオン軸は、平坦面で斜
板の背面を支承し、且つその凸状円弧面を斜板アンカの
凹状円弧面に隙間無く支承されるため、プランジャ群か
ら斜板に加わるスラスト荷重を受けても撓みを生じるこ
とがない。
また斜板アンカは、シリンダブロックに連結した伝動
軸に、該斜板アンカに加わる径方向荷重を伝動軸に伝
達、支持させるベアリングを介して支承されるため、プ
ランジャ群から斜板に作用するスラスト荷重の、斜板に
対する径方向分力を伝動軸に伝達、支承せしめることが
でき、これにより、その径方向分力のケーシングへの伝
達が防止される。
また特にトラニオン軸の、凸状円弧面終端に連なる端
部と、シリンダブロックを回転自在に支承すべくケーシ
ングに固定されるシリンダホルダとの機械的な係合によ
り、トラニオン軸の最大回転角が確実に規制されて、そ
の最大回転角度の安定化が図られる。しかもこのような
最大回転角規制手段の特設によっても、斜板アンカの凹
状円弧面とトラニオン軸の凸状円弧面との回転摺動面の
有効面積が減ぜられる恐れは全くなく、その回転摺動面
相互間での接触面圧の低減が図られるため、トラニオン
軸の斜板アンカに対する回転摺動性が良好である。
(3)実施例 以下、図面により本発明の実施例について説明する。
先ず第1図及び第2図において、自動二輪車のエンジE
の動力は、そのクランク軸1からチエン式1次減速装置
2、静油圧式無段変速機T及びチエン式2次減速装置3
を順次経て図示しない後車輪に伝達される。
無段変速機Tは定容量型の斜板式油圧ポンプP及び本
発明を適用した可変容量型の斜板式油圧モータMからな
り、そしてクランク軸1を支承するクランクケース4を
ケーシングとして、それに収容される。
油圧ポンプPは、1次減速装置2の出力スプロケット
2aを複数本の連結ピン16(図には1本のみ示す)で着脱
自在に結合される入力筒軸5と、この入力筒軸5の中間
部内周壁にニードルベアリング6を介して相対回転自在
に嵌合されるポンプシリンダ7と、このポンプシリンダ
7にその回転中心を囲むように設けられた環状配列の多
数且つ奇数のシリンダ孔8,8…にそれぞれ摺合される多
数のポンププランジャ9,9…と、これらポンププランジ
ャ9,9…の外端に当接するポンプ斜板10と、このポンプ
斜板10をポンプシリンダ7の軸線と直交する仮想トラニ
オン軸線O1を中心にしてポンプシリンダ7の軸線に対し
一定角度傾斜させた状態に保持すべく該斜板10の背面を
スラストローラベアリング11を介して支承するポンプ斜
板ホルダ12とから構成される。このポンプ斜板ホルダ12
は、入力筒軸5の外端部内周壁に係脱可能にスプライン
嵌合13されると共にサークリップ14にとり仮止めされ
る。
而して、ポンプ斜板10は、入力筒軸5の回転時、ポン
ププランジャ9,9…に往復動を与えて吸入及び吐出行程
を繰返させることができる。
ポンププランジャ9のポンプ斜板10に対する追従性を
良くするために、ポンププランジャ9を伸張方向に付勢
するコイルばね15がシリンダ孔8に縮設される。
一方、油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上で
その左方に配置されるモータシリンダ17と、このモータ
シリンダ17にその回転中心を囲むように設けられた環状
配列の多数且つ奇数のシリンダ孔18,18…にそれぞれ摺
合される多数のモータプランジャ19,19…と、これらモ
ータプランジャ19,19…の外端に当接するモータ斜板20
と、このモータ斜板20の背面を平坦面でスラストローラ
ベアリング21を介して支承する断面半月状のトラニオン
軸22と、更にこのトラニオン軸22の凸状円弧面としての
円筒面を隙間無く回転自在に支承する凹状円弧面23aを
有する斜板アンカ23とから構成される。斜板アンカ23
は、その右端に外端部が隣接する筒状のシリンダホルダ
24と共にクランクケース4に供通のボルト26で締着され
ており、該シリンダホルダ24の一部としての外端開口縁
部24aは、斜板アンカ23の凹状円弧面23a外端よりその径
方向内方に立ち上がる段部を形成している。かくしてト
ラニオン軸22の、円筒面終端に連なる端部と、シリンダ
ホルダ24の外端開口縁部24aとの機械的な係合により、
トラニオン軸22の最大回転角を確実に規制することがで
き、その最大回転角度の安定化が図られる。シリンダホ
ルダ24はニードルベアリング25を介してモータシリンダ
17の外周を回転自在に支承する。
尚、斜板アンカ23及びシリンダホルダ24はボルト27に
より予め相互に結着されている。
トラニオン軸22の所定角度の回転を許容しつつその軸
方向移動を阻止するために、斜板アンカ23に穿設され
た、トラニオン軸22の軸線O2を中心とする円弧状長孔28
を通してボルト29がトラニオン軸22の一端面に固着され
る(第2図及び第18図参照)。
モータ斜板20は、モータシリンダ17の軸線に対し直角
となる直立位置と、或る角度で傾倒する最大傾斜位置と
の間をトラニオン軸22の回転によって作動されるように
なっており、その傾斜状態では、モータシリンダ17の回
転に伴いモータプランジャ19,19…に往復動を与えて膨
脹及び収縮行程を繰返させることができる。
モータプランジャ19のモータ斜板20に対する追従性を
良くするために、モータプランジャ19を伸長方向に付勢
するコイルばね30がシリンダ孔18に縮設される。
ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17は一体のシリ
ンダブロックBを構成し、このシリンダブロックBの中
心部に出力軸31を貫通させる。そして、この出力軸31の
外周に一体に形成されたフランジ31aにモータシリンダ1
7の外端を衝き当て、ポンプシリンダ7を出力軸31にス
プライン嵌合32し、ポンプシリンダ7の外端に座板33を
介して当接するサークリップ34を出力軸31に係止するこ
とにより、シリンダブロックBは伝動軸としての出力軸
31に固着される。
出力軸31の右端部はポンプ斜板10、ポンプ斜板ホルダ
12及びクランクケース4の右側壁を貫通するように延び
ており、この右端部外周にノックピン35及び2つ割コッ
タ36により固着された支持筒37とポンプ斜板ホルダ12と
の間には、該ホルダ12側から後述の補給ポンプ38のため
の駆動ギヤ39及びスラストローラベアリング40が順次介
装される。この出力軸31の右端部は、上記支持筒37及び
ボールベアリング41を介してクランクケース4に回転自
在に支承される。
前記駆動ギヤ39は、ポンプ斜板ホルダ12と同様に入力
筒軸5にスプライン嵌合されると共に、ニードルベアリ
ング42を介して出力軸31に回転自在に支承される。
また、出力軸31の左端部はモータ斜板20、トラニオン
軸22及び斜板アンカ23及びクランクケース4の左側壁を
貫通するように延びており、この左端部外周にスプライ
ン嵌合43され且つ2つ割コッタ44で固着される支持筒45
と斜板アンカ23との間には、斜板アンカ23側からリテー
ナ46及びスラストローラベアリング47が順次介装され
る。この出力軸31の左端部は、ニードルベアリング48及
び前記リテーナ46を介して斜板アンカ23に回転自在に支
承される。而して前記ニードルベアリング48は、斜板ア
ンカ23に加わる径方向荷重を出力軸31(即ち伝動軸)に
伝達、支持させる本発明のベアリングを構成している。
更に出力軸31の左端部には、クランクケース4の外側
で2次減速装置3の入力スプロケット3aがボルト49で固
着される。
このようにして、スプロケット2aからスプロケット3a
までの変速機Tの全構成部材は、出力軸31上に1個の組
立体として組付けられるので、変速機Tのクランクケー
ス4への着脱を極めて容易に行うことができる。
出力軸31には、ポンプ斜板10の内周面と相対的に全方
向傾動可能に係合する半球状の調心体50と、モータ斜板
20の内周面と相対的に全方向傾動可能に係合する半球状
の調心体51とが嵌合され、これらによってポンプ斜板10
及びモータ斜板20に調心作用が与えられる。
各斜板10,20の調心作用を強化し、しかもポンプ斜板1
0とポンププランジャ9,9…群、モータ斜板20とモータプ
ランジャ19,19…群の各間の回転方向の滑りを防止する
ために、各斜板10,20には、対応するプランジャ9,19の
球状端部9a,19aを係合させる球状凹部10a,20aがそれぞ
れ形成される。
油圧ポンプP及び油圧モータM間には、次のようにし
て油圧閉回路が形成される。
シリンダブロックBには、ポンプシリンダ7のシリン
ダ孔8,8…群とモータシリンダ17のシリンダ孔18,18…群
との間において、出力軸31を中心にして同心的に並ぶ環
状の内側油路52及び外側油路53と、両油路52,53間の環
状隔壁及び外側油路53の外周壁を放射状に貫通する、シ
リンダ孔8,8…及び18,18…とそれぞれ同数の第1弁孔5
4,54…及び第2弁孔55,55…と、相隣るシリンダ孔8,8…
及び第1弁孔54,54…を相互に連通する多数のポンプポ
ートa,a…と、相隣るシリンダ孔18,18…及び第2弁孔5
5,55…を相互に連通する多数のモータポートb,b…とが
設けられる。尚、上記内側及び外側油路52,53は、本発
明の低圧及び高圧油路に相当する。
前記内側油路52は、シリンダブロックB及び出力軸31
との各対向周面に環状溝として形成される。
また、前記外側油路53は、第4図及び第5図に示すよ
うに、シリンダブロックBの外周に削成された環状の鳩
尾溝58と、この鳩尾溝58の両側壁に千鳥状配列で穿設さ
れた複数の半円状凹部59,59…とから構成され、これら
鳩尾溝58及び凹部59,59…の開放面は、シリンダブロッ
クBの外周面に溶接されるスリーブ60により閉じられ
る。このような構成の外側油路52は高圧容積を極力小さ
くする上に有利である。
前記第1及び第2弁孔54,55は、千鳥状配列の前記凹
部59,59…の底壁を貫通するように配列され、これに対
応して油圧ポンプPのシリンダ孔8,8…と油圧ポンプP
のシリンダ孔18,18…とは円周方向に位相がずらしてあ
る。
このようにすると、第1及び第2弁孔54,55間のシリ
ンダブロックBの肉厚を厚くしつつ両弁孔54,55間の、
シリンダブロックBの軸方向に沿った間隔を狭くするこ
とができ、シリンダブロックBのコンパクト化に寄与し
得る。
また、外側油路52と高油圧が導入されたとき、鳩尾溝
58の両側壁が拡開変形を起こしても、むしろ、その変形
によりシリンダブロックB及びスリーブ60の嵌合部の面
圧が増大し、その嵌合部からの漏油の防止を図ることが
できる。
前記第1弁孔54,54…にはスプール型の第1分配弁6
1、61…が、また前記第2弁孔55,55…には同じくスプー
ル型の第2分配弁62,62…がそれぞれ摺合される。そし
て第1分配弁61,61…の外端にはそれを囲む第1偏心輪6
3が、また第2分配弁62,62…の外端にはそれらを囲む第
2偏心輪64がそれぞれボールベアリング65,66を介して
係合され、それらの係合を強制するために、第1分配弁
61,61…の外端部相互は第1偏心輪63と同心関係の第1
強制輪67により、また第2分配弁62,62…の外端部相互
は第2偏心輪64と同心関係の第2強制輪68によりそれぞ
れ連結される。それらの連結構造については後述する。
第1偏心輪63は、入力筒軸5の外周に頭付ピン70及び
クリップ71により着脱可能に固着され、第6図に示すよ
うに、偏心方向線X1に沿って出力軸31の中心から所定距
離ε1偏心した位置に保持される。上記偏心方向線X
1は、ポンプ斜板10の仮想トラニオン軸線O1から入力筒
軸5の回転方向Rへ一定角度θ1遅角した位置に設定さ
れる。上記角度θ1は入力筒軸5及びポンプ斜板ホルダ1
2相互のスプライン嵌合位置を変えることにより容易に
調節することができる。
而して、入力筒軸5とポンプシリンダ7間に相対回転
が生じると、各第1分配弁61は、第1偏心輪63により第
1弁孔54において偏心量ε1の2倍の距離をストローク
としてポンプシリンダ7の変径方向内方位置及び外方位
置間を往復動される。
第6図において、油圧ポンプPの吐出領域をD、吸入
領域をSで示す。吐出領域Dでは、第1分配弁61は偏心
方向線X1と直交する位置N1(以下、偏心中立位置とい
う)から前記内方位置側を移動していて、対応するポン
プポートaを外側油路53に連通すると共に内側油路52と
不通にし、吐出行程中のポンププランジャ9によりシリ
ンダ孔8から外側油路53へ作動油が圧送される。
吸入領域Sでは、第1分配弁61が、偏心中立位置N1
ら前記外方位置側を移動していて、対応するポンプポー
トaを内側油路52に連通すると共に外側油路53と不通に
し、吸入行程中のポンププランジャ9により内側油路52
からシリンダ孔8に作動油が吸入される。
また偏心中立位置N1では、第1分配弁61は対応するポ
ンプポートaを両油路52,53と不通にする。この場合、
第6A図に示すように、第1分配弁61の、ポンプポートa
を閉じるランド部61aには、外側油路53側にのみ所定の
閉弁余裕代l1が設けられている。
このようにして、油圧ポンプPの吐出領域Dは、偏心
方向線X1を仮想トラニオン軸線O1に合致させた場合に比
べ角度θ1だけ遅角され、また吸入領域Sは吐出領域D
よりも広角に設定される。
第2偏心輪64は、第1図、第2図及び第8図に示すよ
うに、支持環75に出力軸31と平行な枢軸76を介してクラ
ッチ位置nとクラッチオフ位置fとの間を揺動し得るよ
うに連結される。支持環75は前記シリンダホルダ24の外
周に複数本の頭付ピン77及びクリップ78を介して着脱可
能に固着されている。
上記第2偏心輪64の偏心方向線X2は、トラニオン軸線
O2からモータシリンダ17の回転方向Rに一定角度θ2
角させた位置に設定され、その偏心量は、クラッチオン
位置nではε2であり、クラッチオフ位置fではε2より
大なるε3である。
而して、第2偏心輪64がクラッチオン位置nを占める
とき、モータシリンダ17が回転すると、各第2分配弁62
は、第2偏心輪64により、第2弁孔55において偏心量ε
2の2倍の距離をストロークとしてモータシリンダ17の
半径方向内方位置及び外方位置間を往復動される。
第9図において、油圧モータMの膨脹領域をEx、収縮
領域をShで示す。膨脹領域Exでは、第2分配弁62は偏心
中立位置N2から前記内方位置側を移動していて、対応す
るモータポートbを外側油路53に連通すると共に内側油
路52を不通にし、外側油路53から膨脹行程中のモータプ
ランジャ19のシリンダ孔18に高圧の作動油が供給され
る。
収縮領域Shでは、第2分配弁62は偏心中立位置N2から
前記外方位置側を移動していて、対応するモータポート
bを内側油路52に連通すると共に外側油路53と不通に
し、収縮行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18か
ら内側油路52へ作動油が排出される。
また偏心中立位置N2では、第2分配弁62は対応するモ
ータポートbを両油路52,53と不通にする。この場合、
第9A図に示すように、該弁62のモータポートbを閉じる
ランド部62aには、外側油路53側にのみ所定の閉弁余裕
代l2が設けられている。
このようにして、油圧モータMの膨脹領域Ex、偏心方
向線X2をトラニオン軸線O2に合致させた場合に比べ角度
θ2だけ進角され、また収縮領域Shは膨脹領域Exよりも
広角に設定される。
また第2偏心輪64がクラッチオフ位置fを占めると
き、モータシリンダ17が回転すると、第10図に示すよう
に各第2分配弁62は、第2偏心輪64により、第2弁孔55
において偏心量ε3の2倍の距離をストロークとしてモ
ータシリンダ17の半径方向内方位置及び外方位置間を往
復動され、その内方及び外方位置では、第2分配弁62は
外側油路53をシリンダブロックB外に開放するようにな
っている。
前記ポンプポートaは、1本のシリンダ孔8につき一
対、第1分配弁61の摺動方向と直角の方向に並んで設け
られる。また前記モータポートbも、1本のシリンダ孔
18につき一対、第2分配弁62の摺動方向と直角の方向に
並んで設けられる。このようにすると、ポンプポートa
及びモータポートbの総合通路面積を大きく確保しつつ
各分配弁61,62の比較的短いストロークを以て対応する
ポートa,bの開閉が可能となる。
再び第8図において、第2偏心輪64には、その枢軸76
と反対側の周壁に当接板79がビス80で固着され、クラン
クケース4に軸支されるカム軸81がこの当接板79に、こ
れを第2偏心輪64のクラッチオフ位置fに向かって押動
し得るように係合される。このカム軸81の外端に固着さ
れたクラッチレバー82に操作ワイヤ83が接続されると共
にクラッチレバー82とクランクケース4間に該レバー82
の戻しばね84が縮設される。また、第2偏心輪64はセッ
トばね85によりクラッチオン位置n側に付勢される。上
記セットばね85は、第2偏心輪64の外周にビス86で固着
されたリテーナ87と前記支持環75との間に縮設される。
したがって、第2偏心輪64は、通常はセットばね85の
力によりクラッチオン位置nに保持されるが、操作ワイ
ヤ83の牽引操作によりカム軸81が矢印のように回動され
るとクラッチオフ位置fへ揺動される。
上記構成において、第2偏心輪64をクラッチオン位置
nに保持した状態で1次減速装置2から油圧ポンプPの
入力筒軸5を回転すると、ポンプ斜板10によりポンププ
ランジャ9,9…に吐出及び吸入行程が交互に与えられ
る。
そしてポンププランジャ9は、吐出領域Dを通過する
間、シリンダ孔8から外側油路53に作動油を圧送し、ま
た吸入領域Sを通過する間、内側油路52からシリンダ孔
8に作動油を吸入する。
外側油路53に送られた高圧の作動油は、油圧モータM
の膨脹領域Exに存するモータプランジャ19のシリンダ孔
18に供給される一方、収縮領域Shに存するモータプラン
ジャ19によりそのシリンダ孔18から内側油路52へ作動油
が排出される。
この間に、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププラ
ンジャ9を介してポンプ斜板10から受ける反動トルク
と、モータシリンダ17が膨脹行程のモータプランジャ19
を介してモータ斜板20から受ける反動トルクとの和によ
って、シリンダブロックBは回転され、その回転トルク
は出力軸31から2次減速装置3へ伝達される。
この場合、入力筒軸5に対する出力軸31の変速比は次
式によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変
えれば、変速比を1から或る必要な値まで変えることが
できる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプラ
ンジャ19のストロークにより決定されるので、モータ斜
板20の直立位置から或る傾斜位置まで傾動させることに
より変速比を1から或る値まで無段階に制御することが
できる。
尚、モータ斜板20を直立位置からそれまでと反対側へ
傾動するようにすれば、変速比として増速比、即ちオー
バトップ状態が得られる。
ところで、油圧ポンプPにおいては、吸入領域Sを吐
出領域Dより広角に設定したので、吸入行程のポンププ
ランジャ9の背圧が吐出行程のポンププランジャ9のそ
れに比べて遥かに低くても、シリンダ孔8の吸入効率を
効果的に上げることができる。その結果、吐出領域Dを
多少犠牲にしても全体として油圧ポンプPの効率を向上
させることができる。
尚、その効率を極力高めるには、吸入領域Sを180°
とすることが最も良い。
また、吐出領域Dは、第1偏心輪63の偏心方向線X1
仮想トラニオン軸線O1に合致させた場合に比べて角度θ
1だけ遅角させたので、ポンププランジャ9は最伸長点
を過ぎて或る量収縮したときからポンプ斜板10から大な
る圧縮荷重を受けることになる。その結果、ポンププラ
ンジャ9に生じる最大曲げモーメントが減少するため、
ポンププランジャ9とシリンダ孔8開口縁との間のこじ
り現象が緩和され、その現象による摩擦損失が著しく減
少する。
一方、油圧モータMにおいては、収縮領域Shを膨脹領
域Exより広角に設定したので、収縮行程中のモータプラ
ンジャ19の背圧を充分に下げることができ、膨脹領域Ex
を多少犠牲にしても、全体として油圧モータMの効率を
向上させることができる。
尚、その効率を極力高めるには、収縮領域Shを180°
とすることが最も良い。
また、膨脹領域Exは、第2偏心輪64の偏心方向線X2
トラニオン軸線O2に合致させた場合に比べ角度θ2だけ
進角させたので、膨脹行程のモータプランジャ19は最伸
長点に達する以前に早期にモータ斜板20のスラスト反力
から解放されることになる。その結果、モータプランジ
ャ19に生じる最大曲げモーメントが減少するため、モー
タプランジャ19とシリンダ孔18周口縁との間のこじり現
象が緩和され、その現象による摩擦損失が著しく減少す
る。
このような運転中、第2偏心輪64をクラッチオフ位置
fへ揺動させれば、第2分配弁62により高圧の外側油路
53がシリンダブロックB外に開放されるので、油圧モー
タMには高圧の作動油が供給されなくなり、油圧ポンプ
Pと油圧モータM間の動力伝達は遮断される。即ち、所
謂クラッチオフ状態が得られる。
油圧ポンプP及び油圧モータMの作動中、ポンプ斜板
10はポンププランジャ9,9…群から、またモータ斜板20
はモータプランジャ19,19…群からそれぞれ反対方向の
スラスト荷重を受けるが、ポンプ斜板10が受けるスラス
ト荷重はスラストローラベアリング11、ポンプ斜板ホル
ダ12、スラストローラベアリング40、支持筒37及びコッ
タ36を介して出力軸31に支承され、またモータ斜板20が
受けるスラスト荷重はスラストローラベアリング21、ト
ラニオン軸22、斜板アンカ23、スラストローラベアリン
グ47、支持筒45及びコッタ44を介して同じく出力軸31に
支承される。したがって、上記スラスト荷重は、出力軸
31に引張応力を生じさせるだけで、該軸31を支持するク
ランクケース4には全く作用しない。
また、この場合、断面半月状のトラニオン軸22は、平
坦面でモータ斜板20の背面をスラストローラベアリング
21を介して支承し、且つ円筒面を斜板アンカ23に隙間無
く回転自在に支承されるので、モータプランジャ19,19
…群からモータ斜板20に加わるスラスト荷重を受けても
撓みを生じることがなく、したがって、モータ斜板20を
強固に支持し、その傾動操作を円滑に行うことができ
る。
さらに、斜板アンカ23は、シリンダブロックBに連結
した出力軸31にニードルベアリング48を介して回転自在
に支承されるので、前記スラスト荷重のモータ斜板20に
対する半径方向分力を、ニードルベアリング48を介して
出力軸31に伝達、支承せしめることができ、したがって
その分力のクランクケース4への伝達が防止される。
前記第1分配弁61と強制輪67との連結構造は、第6図
及び第7図に示すように、分配弁61に形成された小径の
頸部61bと、この頸部61bが係合するように支持環75に穿
設された周方向の長孔89とからなり、長孔89の一端には
分配弁61の外端大径部が通過し得るように拡径孔90が連
設される。したがって、拡径孔90に分配弁61を挿入して
その頸部61bを長孔89に合せ、しかる後、強制輪67を周
方向に回転させれば、頸部61bを長孔89に係合すること
ができる。この係合状態を保持するために、少なくとも
1つの拡径孔90に弾性プラグ91が嵌込まれる。
前記第2分配弁62と強制輪68との連結構造は、第11図
及び第12図に示すように、前述の第1分配弁61と強制輪
67との連結構造と同様であるので、それと対応する部分
に同一の符号を付してその詳細な説明については省略す
る。
第1図、第2図、第17図及び第8図において、前記ト
ラニオン軸22には、モータ斜板20の角度を制御するため
の変速制御装置93が連結される。この変速制御装置93
は、トラニオン軸22の他端にボルト94と一対のノックピ
ン95,95とにより固着されたセクタギヤ96と、このセク
タギヤ96に噛合するウオームギヤ97と、このウオームギ
ヤ97に駆動軸98を連結する正,逆転可能の直流電動モー
タ99とから形成され、上記ウオームギヤ97は、クランク
ケース4にボルト100で固着されたギヤボックス101にベ
アリング102,103を介して回転自在に支承される。また
電動モータ99のステータはクランクケース4の適所に固
定される。
以上において、セクタギヤ96及びウオームギヤ97は、
駆動軸98の回転を減速してトラニオン軸22へ伝達し得る
が、トラニオン軸22から逆負荷を受けるとロック状態と
なる減速装置106を構成する。
而して、電動モータ99を正転または逆転させれば、そ
の回転はウオームギヤ97からセクタギヤ96へ減速されて
伝達し、さらにトラニオン軸22へ伝達して、これをモー
タ斜板20の起立方向または傾動方向へ回転させることが
できる。
また、電動モータ99を停止してモータ斜板20を任意角
度に保持したとき、モータ斜板20がモータプランジャ1
9,19…群から起立または傾動方向のモーメントを受け、
そのモーメントがトラニオン軸22を介してセクタギヤ96
に伝達しても、セクタギヤ96からウオームギヤ97を駆動
することはできないから、両ギヤ96,97はロック状態を
呈してトラニオン軸22の回転を許さず、したがってモー
タ斜板20はそのときの位置に確実に保持される。
電動モータ99によるモータ斜板20の起立位置及び傾倒
位置を規制するために、セクタギヤ96にはそれと同心の
円弧状の規制溝104が穿設されると共に、この規制溝104
に摺動自在に係合するストッパピン105が前記ギヤボッ
クス101に固着される。
再び第1図及び第2図において、出力軸31の中心部に
は、奥が行止まりとなった主油路108が穿設され、この
主油路108にはその略全長に亘りオイルフイルタ109が装
着される。
主油路108の開放端は供給ポンプ38を介してクランク
ケース4底部の油溜110と連通され、補給ポンプ38は入
力筒軸5にスプライン結合した前記駆動ギヤ39から駆動
される。したがって、入力筒軸5の回転中、常に油溜11
0内の油が補給ポンプ38により主油路108に給送される。
主油路108に送られた油は、オイルフイルタ109で濾過
された後、出力軸31に穿設された半径方向の補給孔111
を介して前記内側油路52へと送られる。こうして油圧ポ
ンプP及び油圧モータM間の油圧閉回路には作動油の漏
洩分が補給される。
前記補給孔111には、内側油路52からの油の逆流を阻
止する第1逆止弁112が設けられ、この逆止弁112は出力
軸31を囲繞して設けられた板ばね114により閉弁方向に
付勢される。
而して、逆負荷運転時すなわちエンジンブレーキ時に
は、油圧モータMがポンプ作用を行い、油圧ポンプPが
モータ作用を行うようになるので、外側油路53が低圧
に、内側油路52が高圧に変わり、内側油路52から補給孔
111へ作動油が逆流しようとするが、その逆流は第1逆
止弁112によって阻止される。こうして、油圧モータM
から油圧ポンプPへ逆負荷が確実に伝達され、良好なエ
ンジンブレーキ効果が得られる。
主油路108に送られた油は、また、出力軸31に設けら
れた半径方向の左右一対のオリフィス115,116を介して
潤滑油路117,118へと送られる。これら潤滑油路117,118
は、ポンプシリンダ9及びモータシリンダ17の内周面に
面して出力軸31の外周に環状溝として形成されている。
右方の潤滑油路117に送られた油は、出力軸31のシリ
ンダブロックBとのスプライン嵌合部32に設けられた軸
方向の油溝119を通して入力筒軸5内に導入される。こ
うして、入力筒軸5内のポンプ斜板10、ポンププランジ
ャ9、スラストローラベアリング11、ニードルベアリン
グ42、座板33、調心体50等が潤滑される。
更に上記スラストローラベアリング11及びニードルベ
アリング42を良好に潤滑するために、両ベアリング11,4
2の近傍で主油路108に連通する小孔120が出力軸31に穿
設される。
上記ニードルベアリング42を潤滑し終えた油は、次に
遠心力により拡散されてスラストローラベアリング40を
潤滑する。
左方の潤滑油路118に送られた油は、モータシリンダ1
7の端部が当接する出力軸31のフランジ31aを横断するよ
うに設けられた油溝121を通して斜板アンカ23及びシリ
ンダホルダ24内に導入される。こうして、斜板アンカ23
及びシリンダホルダ24内のモータ斜板20、モータプラン
ジャ19、スラストローラベアリング21、トラニオン軸2
2、調心体51、ニードルベアリング25,48等が潤滑され
る。
更に上記ニードルベアリング48を良好に潤滑するため
に、該ベアリング48の近傍で、主油路108に連通する小
孔122が出力軸31に穿設される。
上記ニードルベアリング48を潤滑し終えた油は、次に
遠心力で拡散されてスラストローラベアリング47を潤滑
する。
第2図、第15図及び第16図において、モータシリンダ
17には、モータプランジャ19の常時摺合区間で相隣る2
本のシリンダ孔18,18間を通って内端を前記油溝121に接
続する半径方向の油路123と、この油路123の外端を前記
外側油路53に連通させる軸方向の油路124とが穿設され
る。
その際、半径方向の油路123は、その通路断面積を可
及的大きく得るために、前記2本のシリンダ孔18,18間
の隔壁の厚さより大径のドリルをもって加工される。こ
のため符号125で示す側孔が前記2本のシリンダ孔18,18
の内壁にあいてしまうが、その側孔125はシリンダ孔18
に常時摺合するモータプランジャ19により閉鎖されるの
で、その側孔125を通してシリンダ孔18の作動油が漏出
する惧れはない。
軸方向の油路124には外側油路53からの作動油の逆流
を阻止する第2逆止弁113が介装される。この第2逆止
弁113と協働する弁座126は、油路124の穿孔口124aを閉
塞する栓体としても機能する。この弁座126に向って第
2逆止弁113はばね127により付勢される。
したがって、外側油路53が高圧となる通常の負荷運転
時には、第2逆止弁113が閉弁状態を保って外側油路53
から油路124側への作動油の流出を阻止するが、外側油
路53が低圧となるエンジンブレーキ時には、油圧閉回路
からの作動油の漏洩に伴い第2逆止弁113が開くので、
主油路108から油溝121及び油路123,124を順次経て作動
油が外側油路53へ補給される。
第19図ないし第21図は本発明の別の実施例を示すもの
で、第2偏心輪64をクラッチオフ位置fに操作したと
き、第2分配弁62により外側油路53と内側油路52間を連
通するようにしたものである。これによっても油圧ポン
プP及び油圧モータM間の動力伝達を遮断することがで
きる。尚、図中、前実施例と対応する部分には同一符号
を付す。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、斜板に対する傾動支軸
となるトラニオン軸を断面半月状に形成して、その軸の
平坦面で斜板の背面を支承する一方、その軸の凸状円弧
面を、ケーシングに固定される斜板アンカの凹状円弧面
に隙間無く回転自在に支承させたので、斜板アンカによ
りトラニオン軸の支持剛性を確実に高めて、プランジャ
群からのスラスト荷重によるトラニオン軸の撓みを防止
することができ、従ってトラニオン軸によって斜板を常
に的確に支持させることができると共に、トラニオン軸
を常にスムーズに回転操作することができる。
また、シリンダブロックに連結される伝動軸に斜板ア
ンカを、該斜板アンカに加わる径方向荷重を伝動軸に伝
達、支持させるベアリングを介して支承させるようにし
たので、プランジャ群から斜板に作用するスラスト荷重
の、斜板に対する径方向分力を斜板アンカを介して伝動
軸に伝達、支承させることができて、その径方向分力の
ケーシングへの伝達を回避することができ、従ってケー
シングの荷重負担を軽減し、その軽量化を図ることがで
きる。
更にケーシングに固定されてシリンダブロックを回転
自在に支承するシリンダホルダを斜板アンカに隣接配置
すると共に、該アンカの凹状円弧面外端よりその径方向
内方に立ち上がる段部を該シリンダホルダの一部により
形成したので、トラニオン軸の、凸状円弧面終端に連な
る端部と、上記シリンダホルダとの機械的な係合によ
り、トラニオン軸の最大回転角を確実に規制することが
できて、その最大回転角度の安定化が図られ、しかもシ
リンダブロックを回転自在に支承すべくケーシングに固
定されるシリンダホルダが、トラニオン軸に対する最大
回転角規制手段にそのまま兼用されるから、装置の構造
簡素化ひいてはコスト節減に寄与することができる。し
かもこのような最大回転角規制手段の特設によっても、
斜板アンカの凹状円弧面とトラニオン軸の凸状円弧面と
の回転摺動面の有効面積が減ぜられる恐れは全くないか
ら、回転摺動面相互間での接触面圧の低減が図られ、ト
ラニオン軸の斜板アンカに対する回転摺動性を良好に保
つことができる。
尚、実施例のように斜板アンカとシリンダホルダを共
通のボルトでケーシングに共締めすれば、一層の構造簡
素化が図られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第18図は本発明の第1実施例を示すもの
で、第1図は自動二輪車の動力伝達系に介装した静油圧
式無段変速機の縦断平面図、第2図は第1図の縦断背面
図、第3図、第4図、第5図は第2図のIII−III線、IV
−IV線及び、V−V線断面図、第6図は第1図のVI−VI
線断面図、第6A図は第6図において偏心中立位置にきた
ときの第1分配弁周りの拡大断面図、第7図は第6図の
VII−VII線断面図、第8図は第1図のVIII−VIII線断面
図、第9図は第1図のIX−IX線断面図(クラッチオン状
態)、第9A図は第9図において偏心中立位置にきたとき
の第2分配弁周りの拡大断面図、第10図は第9図の作動
図(クラッチオフ状態)、第11図は第9図のXI矢視図、
第12図は第2分配弁の正面図、第13図及び第14図は第12
図のXIII−XIII線及びXIV−XIV線断面図、第15図は第2
図の一部の拡大図、第16図は第15図のXVI−XVI線断面
図、第17図は第2図のXVII−XVII線断面図、第18図は第
2図のXVIII矢視図、第19図ないし第21図は本発明の第
2実施例を示すもので、第19図は第10図と対応する断面
図、第20図は第2分配弁の正面図、第21図は第20図のXX
I−XXI線断面図である。 B…シリンダブロック、N…可変容量型油圧装置として
の油圧モータ、4…ケースとしてのクランクケース、18
…シリンダ孔、19…プランジャ、20…斜板、22…トラニ
オン軸、23…斜板アンカ、23a…凹状円弧面、24…シリ
ンダホルダ、24a…シリンダホルダの一部としての外端
開口縁部、31…伝動軸としての出力軸、48…ベアリング
としてのニードルベアリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松任 卓志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中島 芳浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 山崎 誠二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 ▲榊▼原 健二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 八木ケ谷 信幸 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中村 一彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−153053(JP,A) 特公 昭45−35944(JP,B1) 特公 昭47−46924(JP,B1) 特公 昭61−60269(JP,B2) 実公 昭61−45347(JP,Y2) 実公 昭61−28062(JP,Y2) 英国特許745543(GB,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心部に伝動軸(31)を連結したシリンダ
    ブロック(B)と、このシリンダブロック(B)に穿設
    された環状配列のシリンダ孔(18)群に摺合するプラン
    ジャ(19)群と、このプランジャ(19)群の突出端に前
    面を係合してシリンダブロック(B)の回転に伴い各プ
    ランジャ(19)に往復動を与える傾動可能な斜板(20)
    とを備えた可変容量型油圧装置において、 斜板(20)に対する傾動支軸となるトラニオン軸(22)
    を断面半月状に形成して、その軸(22)の平坦面で斜板
    (20)の背面を支承する一方、その軸(22)の凸状円弧
    面を、ケーシング(4)に固定される斜板アンカ(23)
    の凹状円弧面(23a)に隙間無く回転自在に支承させ、
    またこの斜板アンカ(23)を伝動軸(31)に、該斜板ア
    ンカ(23)に加わる径方向荷重を伝動軸(31)に伝達、
    支持させるベアリング(48)を介して回転自在に支承さ
    せ、ケーシング(4)に固定されてシリンダブロック
    (B)を回転自在に支承するシリンダホルダ(24)を斜
    板アンカ(23)に隣接配置すると共に、該アンカ(23)
    の凹状円弧面(23a)外端よりその径方向内方に立ち上
    がる段部を該シリンダホルダ(24)の一部(24a)によ
    り形成したことを特徴とする、可変容量型油圧装置。
  2. 【請求項2】前記斜板アンカ(23)及びシリンダホルダ
    (23)は共通のボルト26)で前記ケーシング(4)に締
    着されたことを特徴とする、前記特許請求の範囲第項
    に記載の可変容量型油圧装置。
JP61300584A 1986-12-17 1986-12-17 可変容量型油圧装置 Expired - Fee Related JPH0826929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61300584A JPH0826929B2 (ja) 1986-12-17 1986-12-17 可変容量型油圧装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61300584A JPH0826929B2 (ja) 1986-12-17 1986-12-17 可変容量型油圧装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63152765A JPS63152765A (ja) 1988-06-25
JPH0826929B2 true JPH0826929B2 (ja) 1996-03-21

Family

ID=17886599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61300584A Expired - Fee Related JPH0826929B2 (ja) 1986-12-17 1986-12-17 可変容量型油圧装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0826929B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07198019A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Honda Motor Co Ltd 斜板式油圧作動装置、油圧機械式無段変速機および油圧機械式無段変速機の変速制御方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB745543A (en) 1952-05-13 1956-02-29 Franco Pavesi Improvements in hydraulic variable speed transmission mechanisms

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61153053A (ja) * 1985-04-01 1986-07-11 Honda Motor Co Ltd 静油圧式無段変速機の変速制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB745543A (en) 1952-05-13 1956-02-29 Franco Pavesi Improvements in hydraulic variable speed transmission mechanisms

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63152765A (ja) 1988-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4827721A (en) Hydrostatic continuously variable transmission
EP0309223B1 (en) Hydrostatic continuously variable transmission
US5060477A (en) Hydrostatic continuously variable transmission with a set of pump distributor valves, a set of motor distributor valves and a set of clutch valves arranged radiately with and circumferentially alternating with the motor distributor valves
JPH0788884B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPS63120957A (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0826929B2 (ja) 可変容量型油圧装置
JPH0826928B2 (ja) 斜板式油圧装置
JPH0749820B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH073219B2 (ja) 斜板式油圧装置
JP2593328B2 (ja) ボールベアリング
JPH0689830B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0726596Y2 (ja) 斜板式油圧作動装置
JPH0718486B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0826936B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0814306B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0749819B2 (ja) 斜板式油圧装置の作動油分配機構
JPH0689847B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0689831B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JP2860389B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JP2893553B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0743018B2 (ja) 静油圧式無段変速機のクラツチ弁装置
JP3561340B2 (ja) 斜板式油圧作動装置
JP3151574B2 (ja) 静油圧式クラッチ
JPH0743023B2 (ja) 静油圧式無段変速機
JPH0743020B2 (ja) 静油圧式無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees