JPH06264392A - 透き入れ紙 - Google Patents

透き入れ紙

Info

Publication number
JPH06264392A
JPH06264392A JP7912693A JP7912693A JPH06264392A JP H06264392 A JPH06264392 A JP H06264392A JP 7912693 A JP7912693 A JP 7912693A JP 7912693 A JP7912693 A JP 7912693A JP H06264392 A JPH06264392 A JP H06264392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
pulp
weight
kenaf
freeness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7912693A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitoshi Shishikura
佐敏 宍倉
Shunji Hayashi
俊次 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKUSHU SEISHI KK
Original Assignee
TOKUSHU SEISHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKUSHU SEISHI KK filed Critical TOKUSHU SEISHI KK
Priority to JP7912693A priority Critical patent/JPH06264392A/ja
Publication of JPH06264392A publication Critical patent/JPH06264392A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物理的な諸強度、印刷適性、透き入れの品質
共にバランスの優れた透き入れ紙を得る。 【構成】 紙中の全幹ケナフパルプと木材パルプの重量
%比が30:70〜100:0であり、フリーネス20
0〜400mlC.S.Fで抄紙し透き入れを施す。フ
リーネスを400〜600mlC.S.Fとすることで
和紙風合いに優れた透き入れ紙を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透き入れ紙に関するも
のである。より詳しくは、長網抄紙機のダンディーロー
ルや、円網抄紙機のシリンダーロール等による透き入れ
で模様や文字が鮮明に透き入れされた透き入れ紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紙に意匠性や偽造防止性能を付与する目
的で透き入れ処理することは広く行われている。透き入
れは、周知のように金属細線、竹簀、合成樹脂製等の図
柄や文字の模様形を取り付けた抄紙網や、模様形に網の
目を樹脂などで塗りつぶした抄紙網を、円網抄紙機の円
網シリンダーや長網抄紙機のダンディーロールの上網と
してとりつけて抄紙すること等で行われてきた。前者の
場合は模様形の部分の網の目は塞がれており、紙料の通
過が抑制される。その結果その部分の紙層が薄くなるた
めに、透き入れ模様が発現する。また後者の場合は模様
形の凸部分で繊維を押し退け、その部分の紙層が薄くな
ることで透き入れ模様が発現する。
【0003】透き入れ紙の品質は透き入れの「鮮明さ」
と「抜け」の無いことによって評価される。「鮮明さ」
は、図柄や文字等の透き入れを施した部分と施さない部
分の紙層の厚みが急激に変化していることで得られる。
この厚みの変化がなだらかであると図柄や文字が不鮮明
となり透き入れの品質は低下する。また「抜け」は、透
き入れを施した部分の紙層厚みの薄い箇所で部分的に繊
維が欠落するか、厚みが極端に薄くなることによって起
こる。「抜け」があると透き入れの品質は低下する。
【0004】本発明者らが検討した結果では、「鮮明
さ」に影響の大きいものは繊維長と繊維の太さであり、
繊維長の短いもののほうが長いものより、また繊維の細
いもののほうが太いものより鮮明な透き入れが得られる
ことが判った。また「抜け」に影響の大きいものは繊維
長であり、長いもののほうが短いものより「抜け」が少
ないことが判った。
【0005】透き入れ紙の製造においては、上記した透
き入れの品質の他に物理的強度、適度の剛直性、印刷適
性等の他の性能も要求され、これら種々の条件を考慮し
て紙料の調製を行っているのが実状であり、透き入れの
品質のみを考慮できないという制約があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら透き
入れの品質以外の品質を低下することなく、透き入れの
品質、即ち「鮮明さ」と「抜けの無さ」を向上すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために種々の製紙用繊維を用いて透き入れ紙を
作り評価した。さらに本発明者らはこれら木材パルプに
全幹ケナフパルプを種々の割合で併用し検討を進めた結
果、全幹ケナフパルプをある特定の割合とフリーネスで
使用すると、他の品質を低下することなく透き入れの品
質が向上することを見いだし、本発明を完成した。すな
わち、本発明は、紙中の全幹ケナフパルプとNBKPと
LBKPの重量%比が30〜100:0〜30:0〜7
0であり、フリーネス200〜400mlC.S.Fで
抄紙し透き入れを施したことを特徴とする透き入れ紙で
ある。
【0008】ケナフは中国、オーストラリア等で栽培さ
れている植物学上でアオイ科、ハイビスカス属に属する
1年生草木であり、近年製紙用パルプの材料として、木
材に替わるものとして注目を集めている。ケナフは木質
部と靭皮部(外皮のすぐ下にある内皮に含まれる繊維細
胞の集束した組織)よりなり、木質部と靭皮部の全部を
パルプ化した全幹パルプと、靭皮部だけをパルプ化した
靭皮パルプと木質部だけをパルプ化した木質部パルプに
大別される。ケナフの利用については1950年代にア
メリカ農務省がその研究に先鞭をつけて以来、基礎研
究、産業レベルの研究がなされており、数多くの提案が
されている。
【0009】例えば、特公平2−42952には、ケナ
フ木質部化学パルプを厚壁繊維パルプと併用し、厚壁繊
維の有する平滑不良性を改良することを目的とする提案
がなされている。また、特開平2−91297には、ケ
ナフ木質部パルプをメカニカルパルプと併用すること
で、メカニカルパルプの性能を向上させることを目的と
した提案がなされている。また、特開平−74699、
特開平2−88286、特開平2−92576には、ケ
ナフ木質部化学パルプを通常パルプと併用することで、
それぞれ、グラシン紙、感熱記録紙、感圧複写紙用原紙
を得ることを目的とした提案がなされている。しかし、
これらの提案は、いずれもケナフの木質部化学パルプに
限定したものであり、また、本発明の目的である透き入
れの品質を向上することについてはなにも記載されてい
ない。
【0010】次に本発明の透き入れ紙を製造する例につ
いて述べる。先ず全幹ケナフパルプとNBKPとLBK
Pの重量%比が30〜100:0〜30:0〜70とし
た紙料を調成する。具体的な例として、所定量の全幹ケ
ナフパルプ、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、L
BKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の混合物に必要に応
じて木綿などの種子毛繊維、三椏、楮などの靭皮繊維、
マニラ麻、サイザル麻などの葉脈繊維、アクリル、ビニ
ロンなどの合成繊維、レーヨンなどの半合成繊維等を少
量配合する。
【0011】全幹ケナフパルプの占める割合が30重量
%より少ないと透き入れの品質が悪くなるので、本発明
ではこの割合を30重量%以上とすることが必要であ
る。全幹ケナフパルプが100重量%の場合は他の製紙
用繊維の混合率はゼロである。またNBKPの配合割合
は30重量%以下とする。30重量%を越えるとやはり
透き入れの品質が悪くなる。またLBKPの配合割合は
70重量%以下とする。70重量%を越えると透き入れ
紙としての他の品質が悪くなる。
【0012】次いでビーター、ジョルダン、リファイナ
ー等の周知の叩解機を使用してで所定のフリーネスにな
るまで叩解を進め、200〜400mlC.S.F.
(カナダ標準形濾水度)とする。200mlC.S.
F.より低いと叩解が進みすぎ寸法安定性が悪くなり印
刷適性に悪影響を与える。また400mlC.S.F.
より高いと叩解が浅すぎるので透き入れの品質が悪くな
る。
【0013】全幹ケナフパルプの併用割合が増加するに
従い、また叩解が浅いほど和紙風合いが増加する。これ
が全幹ケナフパルプの他の特徴であり、透き入れ紙に和
紙風合いを要求される場合は全幹ケナフパルプに対する
他の製紙用繊維の重量%比を50:50〜100:0、
フリーネス300〜400mlC.S.F.とすること
が好ましい。
【0014】次いで必要に応じて湿潤紙力増強剤、乾燥
紙力増強剤、サイズ剤、填料、着色剤、定着剤などの製
紙用副資材を添加して長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄
紙機、傾斜ワイヤー抄紙機などの従来周知の抄紙機を使
用して、通常坪量60〜200g/m2で抄紙する。
【0015】透き入れは、前述したように、金属細線、
竹簀、合成樹脂製等の図柄や文字の模様形を取り付けた
抄紙網や、模様形に網の目を樹脂などで塗りつぶした抄
紙網を、円網抄紙機の円網シリンダーや長網抄紙機のダ
ンディーロールの上網としてとりつけて抄紙することで
行う。また抄紙網自体に図柄を型打ちし、網に凹凸をつ
けて抄紙する方法や、本出願人が特願平1−32476
5号で提案したようにレースを上網としてとりつけて抄
紙する方法等で行うこともできる。本発明者らが検討し
た結果では、これらのいずれの透き入れの方法でも全幹
ケナフパルプの前述したような効果が認められた。
【0016】本発明によって製造される透き入れ紙は、
従来の木材パルプを主体とした透き入れ紙に比較して、
透き入れが鮮明となり抜けが少なくなる。かかる効果
は、全幹ケナフパルプの使用によって得られる効果であ
る。この理由については必ずしも明確ではないが、本発
明者らが顕微鏡観察により検討した結果では、ケナフの
繊維径が小さい、つまり細い繊維であること、ルンケル
比が小さい繊維であること、広葉樹パルプよりは繊維長
が長いことによると推定した。
【0017】
【実施例】実施例1 使用パルプとして全幹ケナフパルプ30重量部、NBK
P30重量部、LBKP40重量部を混合し、ロジンサ
イズ剤(商品名「SPN700」、荒川林産化学(株)
製造)を1.3重量部、澱粉(商品名「アミコール」、
日澱化学(株)製造)を0.5重量部、定着剤(硫酸バ
ンド)を5.5重量部加えフリーネス400mlC.
S.Fで長網抄紙機を使用して坪量110g/m2(絶
乾重量換算)で抄紙した。エポキシ樹脂製の文字型(円
の中に銀行マークを描いたもの:マークの幅1.5m
m、円の直径30mm)を取り付けた抄紙網をダンディ
ロールの上網として使用し、抄紙網上の紙匹に押し当て
て透き入れを施した。次いでサイズプレス装置で表面強
度向上の目的でポリビニルアルコールを塗工し、後は常
法に従い乾燥させ透き入れ紙を製造した。
【0018】実施例2 使用パルプを、全幹ケナフパルプ30重量部、LBKP
70重量部とし、フリーネスを200mlC.S.F.
と変化させた以外は実施例1と同様とした透き入れ紙を
製造した。
【0019】実施例3 使用パルプを全幹ケナフパルプ50重量部、NBKP2
5重量部、LBKP25重量部とし、フリーネスを35
0mlC.S.F.と変化させた以外は実施例1と同様
とした透き入れ紙を製造した。
【0020】実施例4 使用パルプを全幹ケナフパルプ100重量部のみとし、
フリーネスを200mlC.S.F.と変化させた以外
は実施例1と同様とした透き入れ紙を製造した。
【0021】比較例1 使用パルプを全幹ケナフパルプ30重量部、NBKP7
0重量部とし、フリーネスを400mlC.S.F.と
変化させた以外は実施例1と同様とした透き入れ紙を製
造した。
【0022】比較例2 使用パルプを全幹ケナフパルプ20重量部、NBKP4
0重量部、LBKP40重量部とし、フリーネスを20
0mlC.S.F.と変化させた以外は実施例1と同様
とした透き入れ紙を製造した。
【0023】比較例3 使用パルプをNBKP30重量部、LBKP70重量部
とし、フリーネスを200mlC.S.F.と変化させ
た以外は実施例1と同様とした透き入れ紙を製造した。
【0024】比較例4 使用パルプを全幹ケナフパルプ100重量部のみとし、
フリーネスを500mlC.S.F.と変化させた以外
は実施例1と同様とした透き入れ紙を製造した。
【0025】こうして製造した透き入れ紙の諸性能の評
価を行った。評価は次の方法によった。 坪量:JIS P−8124に規定する方法により測定
した。 密度:JIS P−8118に規定する方法により測定
した。 透き入れの鮮明さと抜けの程度:目で観察して5点法で
評価した。5点が最も優れていることを示し、実用的に
は3点以上が必要である。物理的強度は下記強度を測定
し、5点法で評価した。 引張り強さ:JIS P−8113 耐折強さ :JIS P−8115 引裂強さ :JIS P−8116 印刷適性:用紙を平判にカットし、オフセット印刷機を
用いて評価した。自動給紙適性、用紙の伸縮、紙ムケ
(表面強度が弱いと起こる)を総合して5点法で判断し
た。 和紙風合い:手による官能試験により5点法で評価し
た。 評価結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかのように、全幹ケナフパル
プとNBKPとLBKPの重量%比が30〜100:0
〜30:0〜70であり、フリーネス200〜400m
lC.S.Fで抄紙した各実施例は比較例と比較して、
いずれも物理的な諸強度、印刷適性、透き入れの品質共
にバランスの優れたものとなっている。
【0028】
【発明の効果】従来、透き入れ紙に於いては、用紙に要
求される物理的な強度、印刷適性等を考慮すると透き入
れの効果(鮮明さと抜けの無さ)を高めるには自ずから
制限があった。全幹ケナフパルプを使用することで従来
と同等な物理的な強度、印刷適性等を保ち、かつ透き入
れの品質を高めることができた。また、全幹ケナフパル
プと他の製紙用繊維の重量%比を50:50〜100:
0、フリーネス300〜400mlC.S.F.とする
ことで特に和紙風合いに優れた透き入れ紙の製造が可能
となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙中の全幹ケナフパルプとNBKPとL
    BKPの重量%比が30〜100:0〜30:0〜70
    であり、フリーネス200〜400mlC.S.Fで抄
    紙し透き入れを施したことを特徴とする透き入れ紙。
  2. 【請求項2】 全幹ケナフパルプと他の製紙用繊維の重
    量%比を50:50〜100:0、フリーネス300〜
    400mlC.S.F.とすることを特徴とする請求項
    1記載の透き入れ紙。
JP7912693A 1993-03-12 1993-03-12 透き入れ紙 Pending JPH06264392A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7912693A JPH06264392A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 透き入れ紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7912693A JPH06264392A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 透き入れ紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06264392A true JPH06264392A (ja) 1994-09-20

Family

ID=13681253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7912693A Pending JPH06264392A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 透き入れ紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06264392A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007065346A1 (fr) * 2005-12-09 2007-06-14 China Banknote Printing And Minting Corporation Papier en filigrane antifalsification et son procede de fabrication

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007065346A1 (fr) * 2005-12-09 2007-06-14 China Banknote Printing And Minting Corporation Papier en filigrane antifalsification et son procede de fabrication

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8133353B2 (en) Creped paper product
US3839144A (en) Paper having 60{14 97 percent hydrated cellulosic fibers and 3{14 40 percent unhydrated cellulosic fibers
JP3966701B2 (ja) アカシア材パルプを使用した紙およびその製造方法
JP2959429B2 (ja) エンボス模様紙の製造方法
JPH06264392A (ja) 透き入れ紙
JPH06264400A (ja) 和紙風合いを持ったエンボス模様紙
US1924573A (en) Fibrous web for artificial leathers or the like
WO2015012167A1 (ja) クラフト紙及びクラフト紙の製造方法
JPH06101190A (ja) 紙カップ用原紙の製造方法
JP3022251B2 (ja) 印刷用紙の製造方法
JP2800595B2 (ja) ティシュペーパー
JP3990677B2 (ja) 製袋用片艶紙
FI96335C (fi) Pehmeä, hyvin luja paperi sekä menetelmä sen valmistamiseksi
JP2962147B2 (ja) 透き入れ紙の製造方法
US1980881A (en) Manufacture of waterlaid fibrous webs
JP2006283233A (ja) 衛生薄葉紙及びその製造方法
JP3422882B2 (ja) 化粧板原紙
JP4035376B2 (ja) 嵩高紙
JP3141945U (ja) 透明模様紙
JP2650981B2 (ja) 紙の製造方法
JP2705457B2 (ja) ティシュペーパー
JPH06264391A (ja) ラベル用紙
JP2569356B2 (ja) グラシン紙の製造方法
Marshall An investigation into archival handmade papers for the South African art market
JPH10237800A (ja) クレープ紙、紙糸及びそれらの製造方法