JP4035376B2 - 嵩高紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵩高紙に関するものであり、さらに詳しくは、特に嵩があり、剛度が大きく、平滑性に優れた印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用できる嵩高紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙は省資源、物流の面から軽量化の傾向にある。また、環境保全・循環型社会構築への取り組みから脱墨パルプの利用が積極的に行われている。しかし、脱墨パルプの比率を高めると紙は薄くなり、白色度、不透明度が低下することから、裏抜けが悪くなるという問題が生じる。これらのことから、紙を嵩高にすることは避けて通れない問題である。
【0003】
紙の主原料には製紙用パルプが用いられている。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されている。その中でも、化学処理によって非セルロース成分を多量に除去した化学パルプが用いられることが多い。化学パルプの場合、繊維が剛直なために、未叩解で抄紙を行うと繊維間接触面積が小さくなり、嵩高な紙が形成される。そのため、一般的に嵩高効果を得るには軽叩解パルプが使用される。しかし、嵩の増加に伴い、表面の平滑性の低下、強度の低下といった問題が生じる。
【0004】
また、機械的な処理だけを行って製造される機械パルプは、化学パルプより繊維が剛直なため、嵩高効果を得るには有利である。しかし、機械パルプは紙の黄色化の原因となるリグニンを多く含んでおり、紙の退色は避けられない。そのため、上質紙や保存性が要求される用途には用いることができない。
【0005】
非木材パルプも剛直なパルプ原料の一つである。そのため、非木材パルプを配合することも嵩高効果を得る手段の一つである。しかし、非木材パルプは得られる時期や原産地が限られているため、安定供給するのが難しく、大量生産を行うことは難しい。
【0006】
機械的な面における嵩高効果は、抄造時におけるプレス線圧の軽減や、カレンダー処理をソフトにするなどの手段によって得ることができる。しかしながら、機械的な処理だけでは限界があり、満足のいく嵩高効果が得られていないのが現状である。
【0007】
さらに近年では、嵩高剤の添加によって紙の嵩を出す手段も行われている。嵩高剤には、親水基と疎水基を持つ化合物である界面活性剤がよく用いられる。しかし、嵩高剤のみによる嵩高効果は小さく、満足のいく水準には達していない。また、嵩高剤は繊維間の水素結合を阻害することで嵩高効果を生み出すため、紙力の低下が著しく、それを補うために紙力剤などを用いる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特に嵩があり、剛度が大きく、平滑性に優れた印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用できる嵩高紙を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ポリ乳酸繊維を含有する紙料を抄紙することによって、上記目的の嵩高紙が得られることを見出し、完成に至ったものである。すなわち、本発明の印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙に使用する嵩高紙は、繊維長2mm以下、繊維径2.4dtex以下のポリ乳酸繊維を全パルプに対して5〜10質量%含有してなり、JIS P8143に準拠するクラークこわさが40cm 3 /100以上、かつJIS P8119に準拠するベック平滑度が3.5秒以上であることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙に使用する嵩高紙について、詳細に説明する。
【0011】
本発明において用いられるポリ乳酸繊維は、トウモロコシなどの澱粉を発酵させてできる乳酸を原料とし、これを重合したポリ乳酸ポリマーを溶融紡糸することで作られる。ポリ乳酸は生分解性があり、微生物の働きで水と炭酸ガスに分解されることから、セルロース同様環境に優しい物質である。また、ポリ乳酸の特徴として染色性が良いことや、耐光性の良いことが挙げられる。そのため、紙中にポリ乳酸繊維を配合しても問題はない。
【0012】
ポリ乳酸繊維はセルロース繊維のように多くの水酸基を持たないことから、ポリ乳酸繊維間や、ポリ乳酸繊維とセルロース繊維との間で水素結合はほとんど起きない。そのため、ポリ乳酸繊維をセルロース繊維に配合して抄造すると、ポリ乳酸繊維が物理的にセルロース繊維に取り込まれるため嵩高な紙が得られると考えられる。
【0013】
本発明において、ポリ乳酸繊維の繊維長は2mm以下とすることが重要である。なぜなら、2mmよりも長い繊維が多くなると地合が著しく悪くなるためである。また、2mmよりも長い繊維はよれやすく、実機においてスクリーンに詰まる可能性があり、これがワイヤーパートに流れ出た場合、固まりとなることから製品に悪影響をもたらすためである。
【0014】
ポリ乳酸繊維の繊維径は、2.4dtex以下とすることが重要である。これは、ポリ乳酸繊維の繊維径が太すぎると紙表面の平滑性が悪くなり、印刷などに悪影響をもたらすためである。
【0015】
ポリ乳酸繊維の配合量としては5〜10質量%であることが好ましい。配合量が5質量%未満では嵩高の効果が小さいため好ましくない。また、配合量が10質量%を超えて多い場合、嵩高効果は大きくなるものの、強度や表面平滑性の低下が顕著となるため好ましくない。
【0016】
本発明の嵩高紙は、ポリ乳酸繊維以外の原料パルプとして、化学パルプ、機械パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプなどを単独もしくは任意の割合で混合して使用する。抄紙機は特に限定されず、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、多層抄紙機、ヤンキー抄紙機などを使用できる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
【0017】
さらに、本発明の嵩高紙は必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、澱粉、歩留まり向上剤、着色剤、染料、填料、紙力増強剤、消泡剤、低密度化剤などを含有してもよい。また、各種のサイズプレスやコーターなどの装置で紙の表面に澱粉、ラテックス、表面サイズ剤、顔料、染料などを塗布することも可能である。
【0018】
以上のように、繊維長が2mm以下、繊維径が2.4dtex以下のポリ乳酸繊維を配合することにより、剛度が大きく、平滑性に優れた嵩高紙が得られる。この嵩高紙については、印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用することができる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。なお、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
【0020】
下記の実施例1〜4および比較例1〜4によって作製した嵩高紙について、下記の評価方法により測定し、評価を行った。結果は表1に示した。
【0021】
評価方法:
<密度>
密度は、JIS P8118に準拠して測定した。密度0.65g/cm3以下であれば本発明における嵩高紙である。
【0022】
<クラークこわさ>
クラークこわさは、JIS P8143に準拠して測定した。クラークこわさ40cm3/100以上であれば本発明における剛度の大きい嵩高紙である。
【0023】
<ベック平滑度>
ベック平滑度は、JIS P8119に準拠して測定した。ベック平滑度3.5秒以上であることが本発明における表面平滑性の高い嵩高紙である。
【0024】
<引張り強さ>
引張り強さは、JIS P8113に準拠して測定した。引張り強さ3kN/m以上であれば紙力の強い嵩高紙である。
【0025】
実施例1
カナダ標準濾水度390mlの広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKPと記す)を65%、カナダ標準濾水度480mlの針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKPと記す)を30%、繊維長2.0mm、繊維径1.5dtexのポリ乳酸繊維(商品名:ラクトロン、カネボウ合繊製)を5%配合し、これに炭酸カルシウム6部、硫酸バンド0.7部、カチオン澱粉1部、内添サイズ剤0.03部、カチオン性ポリアクリルアミド0.03部、無機顔料0.09部を添加した紙料を角型手抄機で絶乾坪量54g/m2となるように抄紙し、実施例1の嵩高紙を作製した。脱水はロールプレス(線圧25kg/cm2)を用いて行い、乾燥はシリンダードライヤーを用いて105℃で2分間行った。
【0026】
実施例2
上記実施例1におけるパルプ配合を表1に示す配合量とした以外は実施例1と同様にして実施例2の嵩高紙を作製した。
【0027】
実施例3
上記実施例1で使用したポリ乳酸繊維の繊維径を2.4dtexとした以外は実施例1と同様にして実施例3の嵩高紙を作製した。
【0028】
実施例4
上記実施例3におけるパルプ配合を表1に示す配合量とした以外は実施例3と同様にして実施例4の嵩高紙を作製した。
【0029】
比較例1
上記実施例1におけるパルプ配合を表1に示す配合量にした以外は実施例1と同様にして比較例1の嵩高紙を作製した。
【0030】
比較例2
上記実施例1で使用したポリ乳酸の繊維径を3.0dtexとした以外は実施例1と同様にして比較例2の嵩高紙を作製した。
【0031】
比較例3および比較例4
上記比較例2におけるパルプ配合を表1に示す配合量にした以外は比較例2と同様にして比較例3および比較例4の嵩高紙を作製した。
【0032】
【表1】
Figure 0004035376
【0033】
評価:
表1に示した実施例1〜4、比較例1〜4の結果から明らかなように、繊維長2mm以下、繊維径2.4dtex以下のポリ乳酸繊維を適量配合することで剛度が大きく、表面平滑性の高い嵩高紙を作製できることがわかる。
【0034】
実施例1、3、比較例2および実施例2、4、比較例3から明らかなように、ポリ乳酸繊維の繊維径の違いによる嵩高効果には大きな違いはない。しかし、繊維径が2.4dtexを超えた場合、表面平滑性が低下する。そのため、繊維径を2.4dtex以下とすることが好ましい。
【0035】
比較例1、2、3、4から明らかなように、ポリ乳酸繊維の配合量を増やすと嵩高効果は高くなる。しかし、配合量が少ないと高い嵩高効果は得られない。また、配合量を多くすると嵩高効果および剛度は大きくなるものの、表面平滑性および紙力の低下が顕著となる。そのため、配合量を5〜10質量%と規定するものである。
【0036】
【発明の効果】
上記結果から明らかなように、本発明の嵩高紙は、繊維長2mm以下、繊維径2.4dtex以下のポリ乳酸繊維を含有することで、特に嵩があり、JIS P8143に準拠するクラークこわさが40cm 3 /100以上、かつJIS P8119に準拠するベック平滑度が3.5秒以上である、印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙などに使用できる嵩高紙を得ることができる。

Claims (1)

  1. 繊維長2mm以下、繊維径2.4dtex以下のポリ乳酸繊維を全パルプに対して5〜10質量%含有してなり、JIS P8143に準拠するクラークこわさが40cm 3 /100以上、かつJIS P8119に準拠するベック平滑度が3.5秒以上である、印刷用紙、情報用紙、塗工紙用原紙に使用する嵩高紙。
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