JPH10219596A - グラビア印刷用塗被紙原紙の製造方法 - Google Patents

グラビア印刷用塗被紙原紙の製造方法

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JPH10219596A
JPH10219596A JP1894097A JP1894097A JPH10219596A JP H10219596 A JPH10219596 A JP H10219596A JP 1894097 A JP1894097 A JP 1894097A JP 1894097 A JP1894097 A JP 1894097A JP H10219596 A JPH10219596 A JP H10219596A
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pulp
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starch
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JP1894097A
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Terunobu Fukui
照信 福井
Tetsuya Hirabayashi
哲也 平林
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】グラビア印刷用塗被紙原紙の製造方法であっ
て、特に、ギャップフォーマー(ツインワイヤー)型抄
紙機で抄紙した原紙を用い、ミッシングドットの発生が
少なく、良好なグラビア印刷適性を有し、かつ剛度の高
いグラビア印刷用塗被紙を得るための原紙を効率よく製
造する方法を提供する。 【解決手段】パルプを主体とするパルプスラリーを用い
て抄紙した原紙に、B型粘度計による糊液粘度が5〜4
00mPa・s(測定条件:固形分濃度25重量%水性
糊液、温度50℃、回転速度60rpm)である変性澱
粉を主成分とする固形分濃度が1〜15重量%の水性液
を、液膜転写方式のサイズプレス装置により、乾燥重量
で両面で0.1〜3.0g/m2 となるように塗布、乾
燥されてなるグラビア印刷用塗被紙原紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグラビア印刷用塗被
紙原紙の製造方法に関し、特に、ミッシングドットの発
生が少なく、良好なグラビア印刷適性を有し、かつ、剛
度の高いグラビア印刷用塗被紙を得るための原紙を効率
よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷は、ハイライト部から中間
調にかけての再現性に優れており、美しい写真印刷がで
きるために広く利用されている。グラビア印刷方式は、
金属ロールの凹版から直接紙面にインキを転移させる方
式であり、網点抜け(以後、ミッシングドットと称す)
が発生すると印刷効果が阻害されるので、グラビア印刷
用紙には、高度な紙面平滑性と同時に高いクッション性
が要求される。
【0003】例えば、クッション性を得るために、原紙
としては、できるだけ針葉樹パルプ(NKP)を避け
て、機械パルプを高率配合したり、抄紙過程において原
紙にサイズプレスで澱粉の少量塗布や水塗り塗布とした
り、あるいはサイズプレスを施さない原紙とすることが
多い。一方、原紙上に設けられる塗被層(塗被組成物)
としては、接着剤にガラス転移温度(以後、Tgと称
す)の低い重合体ラテックス(通常、Tg=−80〜0
℃)が好ましく使用され、かつ剛直な接着剤である澱粉
類は殆ど使用されない。なお、顔料配合の点では、デラ
ミネーテッドカオリン、タルク等の扁平な顔料や焼成カ
オリン、構造化カオリン、軽質炭酸カルシウム等の嵩密
度の低い無機顔料、あるいは中空を有する等種々の形状
の有機顔料等を配合して、平滑性が高く、かつクッショ
ン性に富む塗被層を設けること等が行われている。
【0004】紙の剛度を高める方法として、原紙におい
ては剛直な針葉樹のクラフトパルプ(NKP)を高率配
合したり、サイズプレスで澱粉を原紙に塗布すること
が、塗被層としては接着剤に澱粉を高率配合したり、あ
るいはガラス転移温度の高い重合体ラテックスを用いる
こと等が知られている。しかしながら、上述したよう
に、剛度を高める方法は殆どの場合、クッション性を低
下させる方向の対策となっており、一般的には剛度を高
め、かつミッシングドットの発生が少なく良好なグラビ
ア印刷適性の両方を満足する優れた製品がいまだに得ら
れていないのが実状である。
【0005】原紙の抄紙方法については、近年、省力化
傾向と相まって、抄紙機の高速化への要求がますます高
まっている。抄紙機としては、長網型、長網型でのワイ
ヤーの後半部にトップワイヤーを乗せた構造を持つハイ
ブリッドフォーマー型、あるいはインレットを出た原料
が当初から2枚のワイヤーにより両側へ脱水される構造
を持つギャップフォーマー型抄紙機等が知られている
が、いずれの抄紙機においても高速抄紙は、必然的に急
激な脱水を伴うため、ワイヤーに接する側の原紙表層部
の微細繊維が少なくなる。そのため、顔料と接着剤を主
成分とする水性塗被液(以後、塗料と称す)を塗被した
際に、長網型抄紙機で抄紙して得た原紙ではワイヤー面
側において、また、ハイブリッドフォーマー型およびギ
ャップフォーマー型(いずれも2つのワイヤーを使用)
抄紙機で抄紙して得た原紙では両面ともに塗料の浸透が
大きくなり、得られる塗被紙の平滑性が低下し、その製
品をグラビア印刷にかけた場合、ミッシングドット(網
点の欠損)が発生し易いという問題がある。
【0006】従来より、原紙への塗料の過激な浸透を抑
えるとともに原紙強度を高めるためにサイズプレス処理
がなされている。その場合、サイズプレス処理液として
澱粉、ポリビニルアルコールあるいはポリアクリルアミ
ドや、さらに必要に応じてサイズプレス処理液にサイズ
剤や浸透剤を添加したもの等が用いられている。その中
でも、澱粉は安価であり、しかも原紙の剛度を高めるこ
とができるので、最も広く汎用されている。しかしなが
ら、澱粉でサイズプレス処理された原紙をグラビア塗被
紙の原紙に用いると、前記したように塗被紙のクッショ
ン性が低下するためにミッシングドットの発生が多くな
る。その結果、澱粉サイズプレスによって原紙の剛度を
改善しながら、ミッシングドットの発生の少ないグラビ
ア印刷用塗被紙が得られていないのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗被紙に仕
上げた場合、ミッシングドットの発生が少なく良好なグ
ラビア印刷適性を有し、かつ、剛度の高いグラビア印刷
用塗被紙を得ることのできるグラビア印刷用塗被紙原紙
を効率よく製造する方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、パルプを主体
とするパルプスラリーを用いて抄紙した原紙に、B型粘
度計による糊液粘度が5〜400mPa・s(測定条
件:固形分濃度25重量%水性糊液、温度50℃、回転
速度60rpm)である変性澱粉を主成分とする固形分
濃度が1〜15重量%の水性液を、液膜転写方式のサイ
ズプレス装置により、乾燥重量が両面で0.1〜3.0
g/m2 となるように塗布、乾燥されてなることを特徴
とするグラビア印刷用塗被紙原紙の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】前述したように、本発明は抄紙
機、特にギャップフォーマー型抄紙機により抄紙した原
紙を用いて、優れたグラビア印刷適性を備え、かつ剛度
の高いグラビア印刷用塗被紙を得ることのできるグラビ
ア印刷用塗被紙原紙を効率よく製造する方法に関するも
のである。以下に本発明の特徴について詳述する。
【0010】本発明の第1の特徴は、B型粘度計による
粘度が5〜400mPa・s(測定条件:固形分濃度2
5重量%水性糊液、温度50℃、回転速度60rpm)
である変性澱粉を主成分とする固形分濃度が1〜15重
量%、好ましくは2〜15重量%の水性液を、液膜転写
方式のサイズプレス装置を用いて、両面当たり乾燥重量
で0.1〜3.0g/m2 となるように塗被することに
ある。
【0011】因みに、上記の如く特定される条件下での
澱粉糊液の粘度が400mPa・sを超える澱粉を水性
液の主成分としてサイズプレスすると剛度は改善できる
ものの、ミッシングドットの発生が増大し、他方、5m
Pa・s未満の場合には、剛度の改善効果が殆ど期待で
きず好ましくない。また、澱粉糊液の塗布量が乾燥重量
で3.0g/m2 を越えると、ミッシングドットの発生
が増大し、他方0.1g/m2 未満の場合には剛度の改
善効果が得られないので好ましくない。
【0012】上記より、本発明では特定条件での澱粉糊
液粘度が5〜400mPa・sである澱粉を水性液の主
成分として原紙にサイズプレス処理することにより、ミ
ッシングドットの発生を効果的に抑制し、かつ塗被紙の
剛度を改善することができ、結果的に剛度と良好なグラ
ビア印刷適性を効果的に両立させ得ることを初めて見出
したのである。
【0013】なお、上記の特定粘度を有する変性澱粉と
しては、例えば酸化澱粉、酵素変性澱粉、加熱化学変性
澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉
等の各種変性澱粉類を例示することができ、それらの中
から、上記の粘度を満たす変性澱粉を選択することにな
る。そして、これら変性澱粉の中でも、特に酸化澱粉、
酵素変性澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉を含有す
る水性液をサイズプレス処理に供すると、原紙内部への
浸透性に優れるので好ましいものである。
【0014】ところで、従来よりサイズプレス装置とし
ては、2本のロールで形成されるニップ上に液溜めを作
り、そのニップ間に原紙を通紙することによって、原紙
に水性液を吸収させる、所謂2ロールサイズプレス装置
が汎用されている。しかしながら、従来の2ロールサイ
ズプレス装置を高速抄紙機(例えば、1000m/分以
上)に装備すると、ニップ上の液溜りとなった水性液が
2つのロールの高速回転によって液踊り、所謂ボイリン
グ現象が発生し、品質、操業面共に問題が生じる。
【0015】このような問題を解決するために、複数の
ロールで水性液を計量して原紙を挟む2つのロール面上
に液膜を作り、次いで、原紙に転写させるゲートロール
サイズプレス装置や、あるいは水性液のアプリケーター
部と計量部を原紙を挟む2つのロール上に備え、この装
置によりロール上に液膜を作り、次いで原紙に転写させ
る仕様を持つメタリングサイズプレス装置を使用する
と、2ロールサイズプレスで見られる、ボイリング等の
操業上の問題が発生せず、1000m/分以上の高速運
転でも良好に操業できる。
【0016】上記した特定の糊液粘度を示す澱粉(変性
澱粉)を用いると剛度とグラビア印刷適性を両立し得る
理由は定かでないが、以下のように推定される。即ち、
澱粉サイズプレスによるグラビア印刷でのミッシングド
ットの増加は、サイズプレスにより原紙の両側表層部に
多く存在する澱粉が原紙表層部の柔軟性を著しく低下さ
せ、その上に形成された顔料塗被層がグラビア印刷時に
版胴に密着することを大きく阻害する、所謂クッション
性を低下させるためと思われる。
【0017】この傾向は、抄紙機の高速化に伴いサイズ
プレス装置として広く使用されている液膜転写方式のゲ
ートロールサイズプレス装置やメタリングサイズプレス
装置では、従来の2ロールタイプ(ポンド式)のサイズ
プレス装置の場合より高濃度の澱粉糊液を用いるため、
澱粉が原紙の両表層部に局在する傾向が大きく、塗料の
原紙への浸透は抑制できるものの、表層に局在する澱粉
によりクッション性が大きく低下し、ミッシングドット
を増大させる。
【0018】一方、本発明で特定する澱粉は、糊液粘度
が低いのでサイズプレス時に原紙層の内部にまで浸透し
易く、液膜転写方式のサイズプレスを用いても、原紙の
両表層部での澱粉の局在化を防止することができ、クッ
ション性を大きく損なうことがないためと推定される。
【0019】また、1000m/分以上の高速抄紙で
は、サイズプレス工程を出た紙匹が次のドライヤー工程
に達する時間が極めて短いために、本発明で特定したよ
うな粘度特性を有する澱粉を主成分とする水性液をサイ
ズプレス装置に適用することで、極く短時間で水性液が
原紙中に浸透し、サイズプレス後のドライヤーのロール
汚れを防止できる操業上の利点もある。
【0020】なお、サイズプレス装置に供給する澱粉水
性液の固形分濃度としては、1〜15重量%、好ましく
は3〜15重量%で調整することが望ましい。因みに、
15重量%を越えると、水性液の粘度が高くなり、塗布
量のコントロールが難しくなり、一方、1重量%未満の
場合には、本発明の所望の効果を得ることができなくな
るために好ましくない。
【0021】次いで、第2の特徴は、原紙を構成するパ
ルプとして、キシラン分解活性を有する酵素による処理
を施した後、多段漂白した漂白パルプを、原紙を構成す
る全パルプの絶乾重量当たり、60重量%以上含有させ
るものである。即ち、本発明では蒸解後の未晒パルプ
を、洗浄、粗選、精選工程を経て多段漂白を行う前に、
キシラン分解活性を有する酵素で処理されることが好ま
しく、さらには未晒パルプを酸素脱リグニンした後に上
記特定の酵素で処理されることがより好ましい。
【0022】このような酵素処理をパルプに施すことに
よって、パルプ表面あるいはパルプ繊維中に偏在するキ
シランが選択的に分解され、パルプはセルロース骨格を
有したまま、多孔性となるので、このようなパルプを原
紙を構成する全パルプ中に60重量%以上含有せしめる
ことで、サイズプレス処理により原紙へ転移した澱粉水
性液の原紙層内部への浸透をより効果的に促進できるの
で、原紙表面に滞留する澱粉量が減り、結果としてクッ
ション性の低下が効果的に防止できるものと推定され
る。
【0023】ここに、キシラン分解活性を有する酵素は
これを生産する微生物、菌体、バクテリア等を培養する
ことよって採取される。さらに、これらの変異株、ある
いは酵素の生産を増大させるために遺伝子工学によって
製造された菌株、即ち組替え体菌株から採取しても良
い。また、上記酵素は培養液中に生産されたままのもの
でもよく、その濃縮混合物、あるいは乾燥調製物のいず
れから製造されたものであっても良い。
【0024】具体的にキシラン分解活性を有する酵素
(キシラナーゼ)の市販品を例示すると、例えばパルプ
ザイムHC(ノボ・ノルディスク社製)、エコザイム
(ゼネカ社製)、およびJXL86(昭和電工社製)等
を挙げることができる。なお、これら酵素は濾紙分解活
性を有さず、キシラン分解活性を有するものが好まし
く、さらには、マンナン、ペクチン等の分解活性を有す
るものであっても使用は可能である。
【0025】次いで、該酵素のパルプへの添加量は、キ
シラン分解活性として、0.1〜10U/g(絶乾パル
プ)、好ましくは0.5〜5U/g(絶乾パルプ)の範
囲で調節される。ここに、1Uとは酵素をキシランに作
用させた場合に、1 分間に1μモルのキシロースを生成
する酵素量を示す。因みに、酵素の添加量がキシラン分
解活性として0.1U/g(絶乾パルプ) 未満では、パ
ルプからのキシランの溶出が不十分なため、本発明が所
望する効果を得ることができない虞れがあり、他方10
U/g(絶乾パルプ) を超える場合には、酵素処理工程
でのパルプの歩留り低下が懸念される。
【0026】酵素処理は、パルプ濃度が1〜20重量
%、好ましくは2〜15重量%の範囲で行われる。因み
に、パルプ濃度が1重量%未満では、処理時に大容量の
設備が必要となり、他方20重量%を超えると、パルプ
と酵素との均一な混合が難しくなる虞れがあり、好まし
くない。なお、酵素とパルプの混合は、低濃度、中濃度
あるいは高濃度ミキサー等が使用されるが、処理時のパ
ルプ濃度に応じて適宜選択される。パルプを酵素で処理
するときの温度は30〜80℃、好ましくは40〜60
℃の範囲である。30℃未満では、酵素のキシラン分解
活性が低下し、80℃を超える場合は酵素自体が変性し
不活性になる虞れがあり好ましくない。また、処理時の
パルプスラリーのpHとしては3〜10、好ましくは5
〜9の範囲であり、pH調整には公知の酸性溶液あるい
はアルカリ性溶液が適宜利用できる。
【0027】上記の酵素処理は、通常蒸解後あるいは酸
素脱リグニン工程に次いで洗浄した後に行われるが、次
工程の多段漂白の途中あるいは多段漂白の最終段で、本
発明の効果を損なわない範囲で複数回行っても良い。
【0028】なお、上記の多段漂白とは、塩素(C)、
苛性ソーダ(E)、次亜塩素酸塩(H)、二酸化塩素
(D)、酸素(O)、過酸化水素(P)、オゾン
(Z)、有機過酸等による公知の漂白シーケンス、例え
ばC−E−H−D、C/D−E0 −H−D、D−EOP
D、D−E−D等が適宜組み合わせて使用でき、特に限
定されるものでない。
【0029】また、パルプの原料としては、広葉樹材、
針葉樹材、あるいはケナフ、麻のような非木材繊維から
選ぶことができ、蒸解方法としては、クラフト蒸解、サ
ルファイド蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解等
の蒸解法、あるいはそれらの蒸解法と蒸解助剤の組合わ
せでパルプ化することができる。
【0030】上記特定の酵素処理パルプと共に用いられ
るパルプとしては特に限定されるものではなく、本発明
の効果を損なわない範囲で、酵素処理をしない通常の多
段漂白されたパルプやコンピューター用紙、ファクシミ
リ用紙等のオフィスから回収される上質系古紙、さらに
は新聞、雑誌等の古紙を脱墨し、必要に応じて漂白して
得られる脱墨古紙パルプ等やGP、TMP、CTMP、
CGP、SCP等の機械パルプや高歩留パルプ、あるい
はそれらの漂白パルプが、適宜混合されて使用される。
【0031】本発明の第3の特徴は、酵素処理パルプの
単独、あるいは上記各種パルプとの混合パルプスラリー
を、精選機や叩解機等にかけた後、さらに填料や紙力増
強剤、歩留り向上剤等の各種の内添助剤がパルプスラリ
ーに添加された後、ギャップフォーマー型抄紙機を用い
て抄紙することにある。ギャップフォーマー型抄紙機と
は、新聞用紙等の抄紙では広く使用されている抄紙機で
あり、インレットを出たパルプを主成分とするスラリー
(紙料)が当初より2枚のワイヤーに挟まれ、両側へ脱
水される構造を持つ、所謂ギャップフォーマーと呼ばれ
る、ツインワイヤーによる脱水機構を装備した抄紙機で
ある。この装置は2枚のエンドレスに走行するワイヤー
で形成されるギャップ(くさび状の開口)にインレット
より吐出された紙料を供給することにより、当初よりパ
ルプスラリーが2枚のワイヤーに挟まれた状態で脱水、
紙層が形成されていくので、インレットから出た原料の
流れ表面を乱すことなく、均一で良好な地合を有する紙
を高速抄紙できるものとして高く評価されている。
【0032】ギャップフォーマー型抄紙機を用いること
で、地合が良好な原紙を効率良く製造することができ、
さらにその原紙に本発明で特徴とする特定の糊液粘度を
持つ変性澱粉を主成分とする、特定の濃度を有する水性
液で液膜転写方式のサイズプレス装置により、特定量を
塗布、乾燥することによって、剛度が高く、ミッシング
ドットの発生が少ないグラビア印刷用塗被紙用原紙を効
率良く製造できる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、勿論、本発明はそれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、例中の部および%は、それぞれ重量
部および重量%を示す。
【0034】〔評価方法〕 (澱粉糊液粘度)各種の方法で糊化された澱粉糊液を濃
度25重量%、温度50℃に調整し、B型粘度計(60
rpm)を用いてその粘度を測定した。
【0035】(塗被紙の剛度)JIS P8142に準
じてクラーク剛度を測定した。但し、試験幅30mmに
おける紙のMD、CD方向の臨界長の平均値mmで表現
した。
【0036】(グラビア印刷適性:ミッシングドット率
で評価)印刷局式グラビア印刷適性試験機(熊谷理機工
業社製)を用い、印圧20kg/cm、印刷速度50m
/分の条件で、ザーンカップ法で測定したインキ粘度が
20秒のグラビア印刷インキを用いて印刷した後、網点
面積が10%の部分について、網点の欠損数を測定し、
その百分率を求めた。
【0037】実施例1、実施例2および比較例1、比較
例2 (パルプの製造)国内産広葉樹チップ70%、ユーカリ
材30%からなる混合広葉樹チップを原料として、クラ
フト蒸解によりカッパー価20.1、パルプ粘度41.
0mPa・sの未晒パルプを得た。次いで、酸素脱リグ
ニンを行い、カッパー価9.6、パルプ粘度:25.1
mPa・sの酸素脱リグニン処理パルプを得た。
【0038】酸素脱リグニン処理後のパルプをディフュ
ージョンウォッシャー1段とドラムウォッシャー1段で
洗浄し、洗浄後のパルプ濃度を10%に調整した後、希
硫酸を加えてpH8.0に調整し、次いで濾紙分解活性
を有さず、キシラン分解活性を有する酵素(商品名:パ
ルプザイムHC/ノボノルディスク社製)を2U/絶乾
パルプg添加した後、60℃で90分処理した。さら
に、この酵素処理後のパルプをC−E−H−Dの漂白シ
ーケンスで表1に示した条件で多段漂白を行い、洗浄
し、ハンター白色度85.2%の広葉樹晒クラフトパル
プを製造した。
【0039】
【表1】
【0040】(原紙の製造)上記の晒広葉樹パルプを濃
度4%スラリー状態でダブルディスクリファイナーにか
け、csfで450mlまで叩解し、これとは別に市販
の晒針葉樹パルプ(商品名:Alpac/Alpac
社)を同様にcsfが450mlとなるように叩解し
た。次いで、上記叩解済みの晒広葉樹パルプ90部およ
び針葉樹パルプ10からなるパルプスラリー100部に
軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121
/奥多摩工業社製)15部を添加した後に、順次硫酸ア
ルミニウム0.5部、カチオン澱粉(商品名:アミロフ
ァックス2200/松谷化学工業社製)0.4部、アル
キルケテンダイマー(商品名:サイズパインK−287
/荒川化学工業社製)0.1部、紙力剤(商品名:ポリ
ストロン−462/荒川化学工業社製)0.06部、お
よび歩留り向上剤(商品名:ハイモロックNR−12M
LS/ハイモ社)0.01部(いずれも固形分換算)を
それぞれ添加し、紙料を調成した。
【0041】この紙料を用いてギャップフォーマー型抄
紙機で抄紙し、乾燥させた後、表2に示す変性澱粉を予
め固形分濃度が25%のスラリーに調製し、攪拌しなが
ら90℃で25分間保持して澱粉糊液を調製し、さらに
その糊液に45℃の温水を添加し、固形分濃度7%に調
整したサイズプレス用水性液を、ロッドメタリングサイ
ズプレス装置を用いて、前記原紙に両面で乾燥後の塗布
量が1.5g/m2 となるように塗布、乾燥して米坪が
54g/m2 の原紙を得た。
【0042】(塗料の調製、塗工およびスーパーキャレ
ンダー仕上げ)平均粒子径が0.35μmのデラミネー
テッドカオリン(商品名:αプレート/ECC社)60
部と針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS
/奥多摩工業)40部、分散剤0.2部、消泡剤0.1
部、予め糊化調製した酸化澱粉(商品名:エースA/王
子コーンスターチ社) を0.5部およびアルカリ増粘タ
イプのスチレン・ブタジエンラテックス(商品名:L−
1354/旭化成工業社)6部(いずれも固形分とし
て)をそれぞれ配合し、固形分濃度60%の塗料を調製
した。次いで、上記条件でサイズプレス処理により変性
澱粉を塗布された原紙に前記塗料を乾燥重量で片面あた
り15g/m2 となるように、ブレードコーターを用い
て両面塗工し、全体の紙水分が5.5%となるように乾
燥した。さらに、このようにして得た塗被紙をスーパー
キャレンダーで平滑化処理して緊度が1.20g/cm
3 の塗被紙を得た。
【0043】実施例3 実施例1において、原紙の製造に際し、冷水可溶澱粉
(商品名:ハイコースタPC−11/三和澱粉工業社)
を50℃の温水に固形分濃度が25%になるように攪拌
しながら溶解し、続けて20分間攪拌して澱粉糊液を調
製し、さらに、この糊液に45℃の温水を用いて固形分
濃度が10%となるように希釈してサイズプレス用水性
液としたこと以外は実施例1と同様にして塗被紙を得
た。
【0044】実施例4 実施例1において、原紙の製造に際し、固形分濃度29
%に調整した生トーモロコシ澱粉(王子コーンスターチ
社)スラリーに、澱粉固形分100部に対して過硫酸ア
ンモニウム0.20部、NaOH0.3部を添加した
後、ジェットクッカー(商品名:TCC12PGM型/
加藤化学社)を使用して150℃迄加温し、5分間保持
して澱粉糊液を調製した。さらに、その糊液に45℃の
温水を添加し、固形分濃度12%のサイズプレス用水性
液としたこと以外は実施例1と同様にして塗被紙を得
た。
【0045】実施例5 実施例2において、サイズプレス用水性液として、澱粉
に加えてサイズ剤(商品名:ポリマロン1329/荒川
化学工業社)を固形分濃度で0.05%となるように添
加したもの使用した以外は、実施例2と同様にして塗被
紙を得た。
【0046】比較例3 実施例1において、原紙の製造に際し、サイズプレス処
理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして塗被
紙を得た。
【0047】かくして得られた塗被紙のクラーク剛度、
ミッシングドット率を評価し、得られた結果を表2にま
とめて示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】表2の結果から明らかなように、本発明
の製造方法によって得られた原紙を使用して仕上げたグ
ラビア印刷用塗被紙は、剛度が高く、しかもミッシング
ドットの発生が少ない、剛度とグラビア印刷適性のバラ
ンスのとれた優れたものであった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプを主体とするパルプスラリーを用い
    て抄紙した原紙に、B型粘度計による糊液粘度が5〜4
    00mPa・s(測定条件:固形分濃度25重量%水性
    糊液、温度50℃、回転速度60rpm)である変性澱
    粉を主成分とする固形分濃度が1〜15重量%の水性液
    を、液膜転写方式のサイズプレス装置により、乾燥重量
    が両面で0.1〜3.0g/m2 となるように塗布、乾
    燥されてなることを特徴とするグラビア印刷用塗被紙原
    紙の製造方法。
  2. 【請求項2】原紙を構成するパルプとして、キシラン分
    解活性を有する酵素による処理を施し、次いで多段漂白
    した漂白パルプを、全パルプに対して固形分対比で60
    重量%以上含有する請求項1記載のグラビア印刷用塗被
    紙原紙の製造方法。
  3. 【請求項3】原紙の抄紙をギャップフォーマー型抄紙機
    を用いて行う請求項1または請求項2記載のグラビア印
    刷用塗被紙原紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009263854A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Nippon Paper Industries Co Ltd グラビア印刷用塗工紙

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