JPH06264309A - 改質ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

改質ポリエステル繊維の製造法

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JPH06264309A
JPH06264309A JP7123193A JP7123193A JPH06264309A JP H06264309 A JPH06264309 A JP H06264309A JP 7123193 A JP7123193 A JP 7123193A JP 7123193 A JP7123193 A JP 7123193A JP H06264309 A JPH06264309 A JP H06264309A
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JP
Japan
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magnesium sulfate
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polyester
fiber
component
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JP7123193A
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English (en)
Inventor
Takayuki Imamura
高之 今村
Masatoshi Morita
正敏 森田
Hiroko Yamagiwa
裕子 山際
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソフト感、ぬめり感、涼感等の風合いに優れ
た、婦人衣料分野等の織編物に好適な改質ポリエステル
繊維の製造法を提供する。 【構成】 式MgSO4・nH2O(n=0〜3)で表さ
れ、最大粒径が15μm 以下、平均粒径が10μm 以下であ
る硫酸マグネシウム粒子を芯成分に対して1〜10重量%
含有するポリエステルを芯成分とし、該粒子を含有しな
いポリエステルを鞘成分として、芯成分と鞘成分との断
面積比が9/1〜3/7となるように複合紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソフト感、ぬめり感及
び接触時の涼感等の風合いに優れた織編物に好適な改質
ポリエステル繊維の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート及びこれを
主体とするポリエステルからなる繊維は、多くの優れた
特性を有し、婦人用ドレス、ブラウス等のシルクライク
な織編物用途を始めとして、衣料用に広く用いられてい
るが、天然繊維に比べ、取り込まれる水分の量が少ない
ため、風合いが硬く、淡白であるという欠点を有してい
る。
【0003】従来、ポリエステル繊維の風合いを改良す
るために、繊維中に可溶性無機微粒子を含有させてお
き、アルカリ水溶液処理により無機微粒子を溶出させて
繊維表面を微多孔化する方法が提案されている(特公昭
59− 24233号、特開平2−300314号等)。しかしなが
ら、このような表面を微多孔化したポリエステル繊維
は、繊維中の水分量が雰囲気に左右されるため、風合い
も安定しないという問題があった。
【0004】また、硫酸マグネシウムを添加した調湿性
樹脂が提案されている(特開平3−109917号)。しかし
ながら、単に硫酸マグネシウムをポリエステルに混合
し、紡糸、延伸した場合、製糸、加工、仕上げの各工程
で硫酸マグネシウムが表面に析出し、糸切れが多発する
等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソフト感、
ぬめり感及び接触時の涼感等の風合いに優れた織編物に
好適な改質ポリエステル繊維の製造法を提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するもので、その要旨は、次のとおりである。式Mg
SO4・nH2O(n=0〜3)で表され、最大粒径が15
μm 以下、平均粒径が10μm 以下である硫酸マグネシウ
ム粒子を芯成分に対して1〜10重量%含有するポリエス
テルを芯成分とし、該粒子を含有しないポリエステルを
鞘成分として、芯成分と鞘成分との断面積比が9/1〜
3/7となるように複合紡糸することを特徴とする改質
ポリエステル繊維の製造法。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートが好ましく用
いられるが、本発明の効果を損なわない範囲で、イソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸類、アジピン酸、ドデカン二酸等の脂肪族
ジカルボン酸類、ビスフェノールA等の芳香族ジオール
類、トリメチレングリコール等のグリコール類等が共重
合されていてもよい。
【0008】芯成分に含有させる硫酸マクネシウム粒子
は、前記式で表されるもので、最大粒径が15μm 以下、
平均粒径が10μm 以下のものであることが必要である。
硫酸マクネシウムのnは、0〜3であればよいが、0〜
1が好ましい。nが4以上の化合物では、ポリエステル
と溶融混合するとポリエステルの粘度低下が著しく、繊
維化が困難となる。また、硫酸マグネシウムの最大粒径
が15μm を超えたり、平均粒径が10μm を超えたりする
と紡糸時に濾圧が上昇したり、糸切れが多発したりして
製糸が困難である。
【0009】硫酸マグネシウムの含有量は、芯成分に対
して1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%とする。こ
の量が1重量%未満であると目的とする優れた風合いが
得られなくなり、逆に10重量%を超えると繊維の強度が
低下する。
【0010】さらに、複合紡糸する際の複合比は、芯成
分と鞘成分との断面積比が9/1〜3/7、好ましくは
8/2〜5/5となるようにする。この比率が9/1よ
りも大きいと鞘成分が少なくなり、硫酸マグネシウムが
製糸工程で析出し、糸切れを多発したり、アルカリ減量
する場合に繊維の強度が低下したりする。逆に、この比
率が3/7よりも小さいと硫酸マグネシウム粒子を含有
した芯成分が少なくなり、目的とする優れた風合いを有
する繊維が得られなくなる。
【0011】硫酸マグネシウムは、紡糸以前の任意の段
階で芯成分用ポリエステルに配合することができ、例え
ば、ポリエステルの重合時に添加する方法、紡糸時に硫
酸マグネシウムとポリエステルとを直接混合して溶融紡
糸する方法、予め硫酸マグネシウムとポリエステルとを
ニーダー等の混練機を用いて混合したものを溶融紡糸す
る方法等を採用することができる。
【0012】また、紡糸、延伸は、通常のポリエステル
複合繊維用の溶融紡糸装置や延伸装置を用いて常法に従
って行えばよい。さらに、本発明において、単糸繊度が
10d以下、好ましくは5d以下の繊維とするのが適当で
あり、断面形状は、丸断面を始め、三角断面、六角断面
等の異形でもよく、多芯型でもよい。紡糸に際し、安定
剤、蛍光剤、顔料、制電剤、難燃剤、強化剤等の添加剤
を共存させてもよい。
【0013】
【作用】本発明にいては、芯成分に硫酸マクネシウム粒
子が配合されるので、製糸性が良好である。なお、硫酸
マグネシウムは、68℃で一水塩が安定になるため、簡単
に乾燥することができ、重合時や紡糸時に添加してもポ
リエステルの重合度を低下させることがない。本発明の
方法で得られるポリエステル繊維は、繊維の製造工程で
水分と接触したり、大気中に放置したりすると硫酸マグ
ネシウムが水を結晶水として取り込み、これが安定な七
水塩となるため、取り込んだ水は、容易に放出されず、
繊維中で極めて安定な状態で存在するため、ポリエステ
ル繊維の水分率が高く維持され、ソフト感、ぬめり感及
び接触時の涼感等の風合いに優れたものとなる。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、特性値等の測定、評価法は、次のとおりであ
る。 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合液を溶媒と
し、温度20℃で測定した。 水分率 延伸糸を沸水で10分間洗浄した後、熱風乾燥機を用いて
70℃で24時間乾燥したものを試料とし、三菱化成社製水
分気化装置VA-06 、水分測定装置CA-06 を用いて 200℃
で測定した。 風合い ソフト感、ぬめり感及び涼感について、官能評価により
8段階で判定した。これらが最も良い場合を8級とし、
最も悪い場合を1級として評価した。(8級が最高、1
級が最低で、全てが5級以上のものが合格である。) 強度 オリエンティック社製テンシロンUTM-4-100 型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で測定した。
【0015】実施例1 平均粒径5μm 、最大粒径10μm の硫酸マグネシウム
(富田製薬社製トミックスOT、乾燥してn=0〜1と
したもの)をその含有量が5重量%となるように〔η〕
0.71のポリエチレンテレフタレートと二軸押出機を用い
て混練し、常法に従ってチップ化した後、十分乾燥し
た。この硫酸マグネシウムを含有したポリエチレンテレ
フタレートを芯成分とし、硫酸マグネシウムを含有しな
いポリエチレンテレフタレートを鞘成分として、繊維の
断面積比で7/3となるような吐出比で、紡糸温度 290
℃、紡糸速度1400m/分で複合紡糸して巻き取り、芯鞘
型複合円形断面の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を
延伸速度 700m/分で、温度80℃の供給ローラと非加熱
の延伸ローラとの間で 160℃の熱板に接触させながら
3.5倍に延伸して巻き取り、75d/36fの延伸糸を得
た。この延伸糸を製織後、撚数300T/Mで加撚し、30℃で
糊付け、85℃で乾燥した後、整経、製織し、97℃の熱水
でリラックス精練、 160℃で仕上げ熱固定し、ツイル織
物を作製した。
【0016】実施例2〜8 実施例1において、硫酸マグネシウムの最大粒径、平均
粒径、芯成分に対する添加量、芯成分と鞘成分の断面積
比を変えた以外は実施例1と同様にして織物を得た。
【0017】実施例9 実施例1において、n=3の硫酸マグネシウムを用いた
以外は実施例1と同様にして織物を得た。
【0018】比較例1 実施例1において、平均粒径が5μm 、最大粒径が20μ
m の硫酸マグネシウムを用いたところ、紡糸時に濾圧が
上昇するだけでなく、延伸時に糸切れが多発し、製品を
得ることができなかった。
【0019】比較例2 実施例1において、最大粒径が15μm 、平均粒径が12μ
m の硫酸マグネシウムを用いたところ、紡糸時に濾圧が
上昇し、また糸切れが多発し、製品を得ることができな
かった。
【0020】比較例3〜6 実施例1において、硫酸マグネシウムの最大粒径、平均
粒径、芯成分に対する添加量、芯成分と鞘成分の断面積
比を変えた以外は実施例1と同様にして織物を得た。
【0021】比較例7 n=7の硫酸マグネシウムを用いて実施例1と同様にし
て芯成分用チップを製造しようとしたところ、混練時に
ポリエチレンテレフタレートの粘度低下が著しく、紡糸
に供するチップが得られなかった。
【0022】実施例1〜9、比較例3〜6の結果を表1
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、従来の設備で、容易
に、しかも、安価に製造できるため経済性に優れ、か
つ、吸湿により繊維中の水分率が高くなり、ソフト感、
ぬめり感、涼感等の風合いに優れた繊維となる改質ポリ
エステル繊維が得られる。したがって、本発明の方法で
得られる改質ポリエステル繊維は、婦人衣料用途等の織
編物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/38 // D06M 101:32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式MgSO4・nH2O(n=0〜3)で
    表され、最大粒径が15μm 以下、平均粒径が10μm 以下
    である硫酸マグネシウム粒子を芯成分に対して1〜10重
    量%含有するポリエステルを芯成分とし、該粒子を含有
    しないポリエステルを鞘成分として、芯成分と鞘成分と
    の断面積比が9/1〜3/7となるように複合紡糸する
    ことを特徴とする改質ポリエステル繊維の製造法。
JP7123193A 1993-03-04 1993-03-04 改質ポリエステル繊維の製造法 Pending JPH06264309A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7732357B2 (en) 2000-09-15 2010-06-08 Ahlstrom Nonwovens Llc Disposable nonwoven wiping fabric and method of production
JP2013224739A (ja) * 2006-05-01 2013-10-31 Federal Mogul Corp バサルト連続フィラメント断熱および耐火材料およびスリーブならびにその構成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7732357B2 (en) 2000-09-15 2010-06-08 Ahlstrom Nonwovens Llc Disposable nonwoven wiping fabric and method of production
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