JPH07145509A - アルカリ易溶出性ポリエステル繊維 - Google Patents

アルカリ易溶出性ポリエステル繊維

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JPH07145509A
JPH07145509A JP29073593A JP29073593A JPH07145509A JP H07145509 A JPH07145509 A JP H07145509A JP 29073593 A JP29073593 A JP 29073593A JP 29073593 A JP29073593 A JP 29073593A JP H07145509 A JPH07145509 A JP H07145509A
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JP
Japan
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alkali
polyester
polyester fiber
glycol
yarn
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Application number
JP29073593A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nagahama
博之 長濱
Ryoji Nakamura
良司 中村
Masaki Yamanaka
昌樹 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソフトで膨らみに富む風合いに優れた織編物
に好適なアルカリ易溶出性ポリエステル繊維を提供す
る。 【構成】 全酸成分の5〜15モル%がイソフタル酸で
あり、95〜85モル%がテレフタル酸であり、且つグ
リコール成分が低級アルキレングリコールからなるポリ
エステル中に、該ポリエステルに対して実質的に不活性
のポリアルキレングリコールが4〜15重量%混合され
てなるアルカリ易溶出性ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソフトで膨らみに富む
風合いに優れた織編物に好適なアルカリ易溶出性ポリエ
ステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ易溶出性ポリマーは古くから知
られており、スルホイソフタル酸金属塩およびその誘導
体を高比率で共重合したものや、スルホイソフタル酸金
属塩およびその誘導体とポリアルキレングリコールを添
加、又は共重合したものをアルカリ易溶出性ポリマーと
する方法などが数多く提案されている。例えば、これら
のアルカリ易溶出成分とアルカリ難溶出成分との複合系
をアルカリ溶出処理することにより極細繊維を得ようと
する試みが従来から成されている。
【0003】また、アルカリ易溶出性ポリマーを単独で
用いることも提案されており、ソジュウムスルホイソフ
タル酸及びポリアルキレングリコールを含んでなる共重
合ポリエチレンテレフタレートをアルカリ溶出成分とし
て用い、アルカリ水溶液で処理、溶出する方法が提案さ
れている。
【0004】しかしながら、これらのアルカリ易溶出性
ポリマーを単独で製糸する場合には、減粘効果により製
糸が困難であったり、糸強度が十分でなかったり、さら
に製糸性を重視するあまりアルカリ溶出速度が遅くなり
処理時間が長くなる事や、スルホイソフタル酸金属塩お
よびその誘導体を共重合することなどで製造コストが高
くなるなど工業的には問題があった。
【0005】一方、水溶性の易溶出性繊維も提案されて
おり、水溶性ポリビニルアルコール誘導体が提案されて
いるが、製造コストが高いという欠点が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解決し、アルカリ易溶出性に優れ、か
つ単独でも製糸可能な、ソフトで膨らみに富む風合いに
優れた織編物に好適なアルカリ易溶出性ポリエステル繊
維を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、全酸成分の5〜15モル%がイ
ソフタル酸であり、95〜85モル%がテレフタル酸で
あり、且つグリコール成分が低級アルキレングリコール
からなるポリエステル中に、該ポリエステルルに対して
実質的に不活性のポリアルキレングリコールが4〜15
重量%混合されてなることを特徴とするアルカリ易溶出
性ポリエステル繊維である。
【0008】本発明におけるポリエステルは、全酸成分
の5〜15モル%がイソフタル酸で、95〜85モル%
がテレフタル酸である共重合ポリエステルである事が望
ましい。イソフタル酸成分が15モル%を越えて増加す
ると、融点の低下が著しく、他のポリエステル等と同等
の熱処理工程を通すと硬化が生じ、その後の工程通過性
が低くなる。また、イソフタル酸成分が5モル%より減
少すると、結晶性が高くなりアルカリ溶出性が低下し、
十分な溶出速度が得られず望ましくない。
【0009】一方、低級アルキレングリコールとして
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
【0010】本発明の該ポリエステルに混合するポリア
ルキレングリコールとしては、ポリエステルに実質的に
不活性であれば、単一のポリアルキレングリコールであ
っても、2種以上の共重合体であってもよい。例えば、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリブチレングリコール等が挙げられるが、中でもポリ
エチレングリコールが好ましい。また分子量は、平均分
子量3,000〜30,000のものが好ましく、耐熱
性、製糸性を考えると、分子量10,000〜20,0
00のものがさらに好ましい。
【0011】また、ポリアルキレングリコールの混合量
としては、該ポリエステルに対し通常4〜15重量%に
するが、より好ましくは6〜13重量%である。例え
ば、ポリアルキレングリコールの混合量が4重量%未満
では、糸強度、製糸性は満足するが、アルカリ溶出速度
を十分満足し得ない。また、ポリアルキレングリコール
の混合量が15重量%を越えると、アルカリ溶出速度は
十分満足するが、高温時の溶融粘度の高いものが得られ
ず、熱安定性に劣り、さらに製糸性を著しく低下させ
る。また、ポリマーコストの高いポリアルキレングリコ
ールをこの範囲以上に加えることは、工業的にも不利で
ある。
【0012】本発明におけるポリアルキレングリコール
の混合時期は、該ポリエステルの重合の後期から、製糸
時までの段階が好ましい。これは、ポリアルキレングリ
コールの耐熱性がポリエステルに比べ低く、そのためで
きるだけ熱履歴を低く抑える事が必要であるからであ
る。
【0013】さらに、該ポリエステルには、アルカリ溶
出性や、製糸性等を損なわない範囲で、必要に応じて、
安定剤等の添加剤を含有していてもよい。
【0014】本発明のアルカリ易溶出性ポリエステル繊
維は、用途や要求される風合いによって任意に選択する
ことができるが、糸条繊度が200デニール以下である
ことが望ましく、また、単繊維繊度が0.3〜3デニー
ルであることが望ましい。糸条繊度が、200デニール
を越えるものでは、他の繊維と複合した場合に、糸条繊
度が大きくなりすぎ用途上好ましくない。単繊維繊度が
0.3デニール未満では、繊維の表面積が増大しアルカ
リ溶出速度が速くなり有利であるが、製糸安定性が低下
し、また、単繊維繊度が4デニールを越える場合には、
単位重量当たりの繊維の表面積が減少し、アルカリ溶出
速度が遅くなり好ましくない。
【0015】本発明のアルカリ易溶出性ポリエステル繊
維は、汎用のポリエステル繊維と同様に溶融紡糸、延伸
する方法で製造することができ、該ポリエステル繊維
は、長繊維であっも短繊維であってもよく用途によって
任意に選択することができる。また、繊維の断面形状
は、円形断面でも三角断面等の異形断面であってもよ
い。
【0016】かくして得られた本発明のアルカリ易溶出
性ポリエステル繊維とポリエステルステープルとを複合
し、該複合糸より得られた布帛をアルカリ処理したもの
は、該アルカリ易溶出性ポリエステル繊維が完全に溶
出、除去され、ソフトな風合いと膨らみに富む布帛であ
った。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、実施例においてポリエステルの特性値は、次の
ようにして測定したものである。 A:極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンの3:2混合溶媒中、30℃
で測定した。 B:アルカリ減量速度 アルカリ減量速度は、アルカリ減量率を下記1式により
算出し、該減量率をもとに、レギュラーポリエステルと
の減量速度比をもってアルカリ減量速度とした。 アルカリ減量率={(a−b)÷a}×100 (1) a:アルカリ処理前の編地の重量、b:アルカリ処理後
の編地の重量
【0018】実施例1 イソフタル酸を10モル%共重合した極限粘度が0.6
2のポリエチレンテレフタレートチップ25Kgを乾燥
し、あらかじめ乾燥した酸化防止剤を2重量%混合した
平均分子量20,000のポリエチレングリコール2.
5Kgとを2軸混練機で混合し、ポリエチレングリコー
ルの混合率9.1%のポリマーチップを得た。
【0019】該ポリマーチップを吐出孔18個有する紡
糸口金を用い、紡糸温度275℃、紡糸速度1300m
/minで紡糸し、未延伸糸を得た。さらにこの未延伸
糸を、延伸倍率3.12、ロールヒータ温度70℃、プ
レートヒータ温度150℃、延伸速度600m/min
の条件で延伸、熱処理した後、巻き取り30d/18f
のアルカリ易溶出性フィラメントを得た。この延伸糸の
沸水収縮率10.6%であった。
【0020】この30d/18fのアルカリ易溶出性フ
ィラメントとナイロンフィラメント(30d/18f)
とを引き揃えて筒状編地にし30g/lのNaOH(9
0℃)水溶液で処理し評価したアルカリ溶出性を表1に
示した。
【0021】更に、このアルカリ易溶出性ポリエステル
フィラメントを芯にし、ポリエステルステープル(1.
4d,36mm長)を鞘部分に配し、撚係数4.0で複
合紡績糸40番手の単糸を得た。該紡績糸を経糸および
緯糸に配し平織物を作成した。(経糸密度=98本/イ
ンチ,緯糸密度=75本/インチ)
【0022】該平織物を通常の精錬、熱セットを施した
後、アルカリ濃度30g/l、90℃のNaOH水溶液
中で30分間処理し、アルカリ易溶出性ポリエステルフ
ィラメントを完全に溶出、除去した。得られた織物は、
通常の織物工程を通す事が難しい撚係数が3.5クラス
の甘撚紡績糸風のソフトな風合いと膨らみに富む布帛で
あった。
【0023】実施例2,3 実施例1において、混合したポリエチレングリコールの
混合量を6.4%,13%に変えた以外は実施例1と同
様に実施した。得られた布帛は、実施例1と同様にソフ
トな風合いと膨らみに富む布帛であった。
【0024】実施例4 実施例1において、単糸繊度、糸条繊度、フィラメント
数を変えた以外は実施例1と同様に実施した。得られた
布帛は、実施例1と同様にソフトな風合いと膨らみに富
む布帛であった。
【0025】比較例1,2 実施例1において、混合したポリエチレングリコールの
混合量を3.6重量%、又は20重量%に変えた以外は
実施例1と同様に実施した。混合量が3.6重量%のも
のは、減量速度が遅く30分の処理では、該易溶出繊維
を完全に溶出、除去できず十分な風合いを発現するまで
には至らなかった。また、20重量%のものは、製糸時
に糸切れが多発し、安定して製品を得ることができなか
った。
【0026】比較例3,4 アルカリ易溶出性ポリエステルとして、ベースポリマー
をイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートの代
りにホモのポリエチレンテレフタレート、又はソジュウ
ムスルホイソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフ
タレートを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
ホモのポリエチレンテレフタレートを用いたものについ
ては、公知の技術である。また、ソジュウムスルホイソ
フタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートを用
いたものは、製糸時に糸切れが多発し、安定して製品を
得ることができなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明のアルカリ易溶出性ポリエステル
繊維は、従来の設備で容易に加工でき、しかも、安価に
製造できるため経済性に優れ、かつ、極めてアルカリ減
量速度が速いという特徴を持ったものである。従って、
本発明のアルカリ易溶出性ポリエステル繊維を用いれ
ば、アルカリ溶出速度が速いという特徴を活かして、ポ
リエステル繊維と複合した場合においても、複合側の繊
維を損なうことなく、従来にないソフトで膨らみに富む
風合いを有する物を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全酸成分の5〜15モル%がイソフタル
    酸であり、95〜85モル%がテレフタル酸であり、且
    つグリコール成分が低級アルキレングリコールからなる
    ポリエステル中に、該ポリエステルルに対して実質的に
    不活性のポリアルキレングリコールが4〜15重量%混
    合されてなることを特徴とするアルカリ易溶出性ポリエ
    ステル繊維。
JP29073593A 1993-11-19 1993-11-19 アルカリ易溶出性ポリエステル繊維 Pending JPH07145509A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030002910A (ko) * 2001-07-02 2003-01-09 주식회사 코오롱 폴리에스테르 추출형 복합섬유의 제조방법
WO2022002999A1 (en) 2020-07-03 2022-01-06 Agfa-Gevaert Nv A separator for water electrolysis
EP3974559A1 (en) 2020-09-24 2022-03-30 Agfa-Gevaert Nv A manufacturing method for a reinforced separator

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