JP3520653B2 - ポリエステル繊維、その混繊糸および織編物 - Google Patents

ポリエステル繊維、その混繊糸および織編物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊
維、異収縮混繊糸およびこれを用いた織編物に関し、詳
しくは繊維軸方向に伸びた筋状溝が形成されているポリ
エステル繊維、および該ポリエステル繊維を少なくとも
低収縮成分として用いた異収縮混繊糸、およびこれを用
いた織編物であり、単繊維内において筋状溝の発生頻度
に分布を持たせることによって、耐フィブリル性に優
れ、ドライ感、きしみ感を有し、更には落ち着いた光沢
感が得られ、また吸水性が良好な織編物を得るためのポ
リエステル繊維および異収縮混繊糸、更にこれを用いた
織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は機能性に優れている
ために、衣料用途で広く使用されている。特に婦人用衣
料分野では、近年の高級志向に伴ない、更なる風合い改
善の要望が強い。このため従来からポリエステル繊維に
微細な表面凹凸を形成させることによってドライタッチ
な風合いを付与したり、或いは発色性を高める技術が多
数提案されている。例えば特開昭54−120728号
公報、特開昭55−107512号公報、特開昭55−
51819号公報、特開平3−124852号公報等
で、種々の粒子を配合し、繊維表面に微細な凹凸を形成
させることによって、ドライタッチな風合いの付与、或
いは発色性の向上する方法が提案されているが、いずれ
も高級感のあるドライタッチな風合い、絹のようなきし
み感を付与することはできなかった。
【0003】一方、粒子を配合することによって微細凹
凸を形成させる以外の方法としては、例えば特開昭58
−98474号公報、特開平6−41836号公報等で
は、ポリエステルとは非相溶性の添加剤を配合する方法
が提案されている。しかしながら、該公報で提案されて
いるポリエステルとは非相溶性の添加剤を配合する方法
では、繊維がフィブリル化してしまい、毛羽感を有する
布帛は得られるものの、高級感のあるドライタッチな風
合い、絹のようなきしみ感を付与することはできなかっ
た。
【0004】また、特公平2−50230号公報には変
性ポリエステルと未変性ポリエステルを混合紡糸し、減
量加工することによって発色性を向上する方法が提案さ
れている。しかしながら該公報によって得られる繊維
は、繊維内部に多数の微細孔を有しているため耐フィブ
リル性が十分でなく、フィブリル化することによって発
色性も著しく低下することがわかった。
【0005】また同様に、特開平7−189027号公
報では、変性ポリエステルと未変性ポリエステルを混合
紡糸し、減量加工することによって発色性を向上する方
法が提案されている。しかしながら該公報によって得ら
れる繊維は偏平度2〜4の繊維であるため、織物とした
場合には偏平面が優先的に織物表面に配列されるため耐
フィブリル性が十分でなく、フィブリル化することによ
って発色性も著しく低下することがわかった。
【0006】従って、従来技術では耐フィブリル性に優
れ、更にドライ感、きしみ感を付与することはできなか
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術では達成できなかった、耐フィブリル性に優
れ、更にドライ感、きしみ感を同時に付与するためのポ
リエステル繊維および異収縮混繊糸、更にこれを用いた
織編物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、繊維断
面形状が3葉以上8葉以下であり、繊維軸方向に伸びた
筋状溝が形成されている多葉断面ポリエステル繊維であ
って、該ポリエステル繊維を構成する単繊維内において
筋状溝の発生頻度に分布があり、単糸横断面の周辺長さ
3μm当たりの筋状溝数の最大値Gmaxと最小値Gm
inの比、Gmax/Gminが1.5以上15.0以
、且つ葉部先端部に形成される筋状溝数がGmin
あることを特徴とする多葉断面ポリエステル繊維によっ
て達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル繊維は、繊維軸方向に伸びた筋状
溝が形成されていることが必要である。繊維軸方向に伸
びた筋状溝を形成させることによって、単繊維間におい
て筋状溝同志の接触長を長くすることができ、この結
果、高級感のあるドライタッチな風合い、絹のようなき
しみ感を付与することができるものであり、繊維軸方向
に伸びた筋状溝が形成されない方法、あるいは粒子を配
合することによって微細凹凸を形成させる方法では、本
発明の目的とする高級感のあるドライタッチな風合い、
絹のようなきしみ感を付与することはできないのであ
る。
【0010】上記の目的を達成するためには、本発明の
ポリエステル繊維は繊維軸方向に伸びた筋状溝が、該ポ
リエステル繊維を構成する単繊維内において筋状溝の発
生頻度に分布があり、単糸横断面の周辺長さ3μm当た
りの筋状溝数の最大値Gmaxと最小値Gminの比、
Gmax/Gminが1.5以上15.0以下であるこ
とが必要である。Gmax/Gminを1.5以上1
5.0以下とすることによって、本発明の目的とする耐
フィブリル性を十分満足し、かつ高級感のあるドライタ
ッチな風合い、絹のようなきしみ感を付与することがで
きるのである。
【0011】更に、耐フィブリル性と高級感のあるドラ
イタッチな風合い、絹のようなきしみ感を同時に満足さ
せるためには、Gmax/Gminの比が2.0以上1
0.0以下が好ましい。
【0012】尚、本発明でいう繊維軸方向に伸びた筋状
溝とは、溝の長軸方向が繊維軸方向に対して30度以下
の角度で溝が形成されていることを意味するものであ
り、繊維表面に形成される溝の70%以上が繊維軸方向
に伸びた筋状溝であれば良い。また、高級感のあるドラ
イタッチな風合い、絹のようなきしみ感を付与するため
の筋状溝の好ましい形態としては、筋状溝の繊維軸方向
に対する幅と長さの比が10以上50以下である。筋状
溝の繊維軸方向に対する幅と長さの比を10以上50以
下とすることにより、耐フィブリル性を更に向上するこ
とができる。耐フィブリル性を向上させるためのより好
ましい筋状溝の形状は、繊維軸方向に対する幅と長さの
比が10以上30以下である。
【0013】尚、筋状溝の繊維軸方向に対する幅と長さ
の測定は、走査型電子顕微鏡にて、繊維表面写真(30
00倍)を撮影し、10か所において、筋状溝の最大幅
と長さを測定し、その平均値より算出する。
【0014】また、筋状溝の発生頻度の測定は、走査型
電子顕微鏡にて、繊維断面写真(5000倍)を撮影
し、単糸横断面の周辺長さ3μm毎に筋状溝数を10か
所測定し、その平均値よりGmax/Gminを算出す
る。
【0015】本発明のポリエステル繊維の断面形状は
葉以上8葉以下の多葉断面ポリエステル繊維であるこ
とが必要である。ここで、繊維断面形状は溝がないもの
と仮想したときの形状である。3葉以上8葉以下の多葉
断面形状とすることにより、よりシルキーなタッチやド
ライタッチを表現することができ、高級感を増大させる
ことができる。
【0016】更に3葉以上8葉以下の多葉断面形状のポ
リエステル繊維に形成される筋状溝は、葉部先端部に形
成される筋状溝の発生頻度が最小値Gminとなること
必要である。また、本発明のポリエステル繊維は、織
物とした際に高級感のあるドライタッチな風合い、絹の
ようなきしみ感を付与すると共にふくらみ感を付与する
ために異収縮混繊糸として用いることも好ましい使用形
態である。異収縮混繊糸として用いる場合には、少なく
とも該異収縮混繊糸を構成する低収縮成分として、本発
明のポリエステル繊維を用いることが好ましく、より好
ましくは該異収縮混繊糸を構成する低収縮成分及び高収
縮成分として本発明のポリエステル繊維を用いることで
ある。本発明のポリエステル繊維を少なくとも低収縮成
分のみに用いることによって、ふくらみ感が得られ、繊
維軸方向に伸びた筋状溝を形成させる効果、即ち、高級
感のあるドライタッチな風合い、絹のようなきしみ感を
十分に付与することができる。
【0017】また、織編物とした際に粗硬感が感じられ
ず、かつ十分なふくらみ感を付与するためには、高収縮
成分と低収縮成分の沸騰水収縮率の差が7%以上30%
以下であることが好ましい。より好ましくは沸騰水収縮
率の差は10%以上25%以下の範囲である。
【0018】尚、沸騰水収縮率の測定は以下の方法で行
う。異収縮混繊糸を高収縮成分と低収縮成分に分けた
後、それぞれに0.1g/dの荷重下で試料長(Lh
0、Ll0)を測定した後、無荷重の状態で20分間、
沸水処理を行う。処理後、0.1g/dの荷重下で試料
長(Lh1、Ll1)を測定する。 BWSh=[(Lh0−Lh1)/Lh0]×100(%) BWSl=[(Ll0−Ll1)/Ll0]×100(%) 沸騰水収縮率の差(△BWS)=BWSh−BWSl
【0019】本発明のポリエステル繊維は、溶剤に対す
る溶解性の異なる2種以上のポリマを混合し、一成分を
溶剤によって除去することによって製造することができ
る。しかしながら、互いに相溶性を有しないポリマの組
み合わせでは、安定した製糸を行なうことが困難になる
場合があったり、また、特殊な溶剤を用いることによっ
て環境汚染の問題も発生することがあり得るので、好ま
しくはポリエステル繊維の減量加工で一般的に用いられ
ている熱アルカリ水溶液を用いて筋状溝を形成させるこ
とが好ましい。
【0020】熱アルカリ水溶液を用いて筋状溝を形成さ
せるためには、2種以上のポリマの組み合わせとして
は、互いに相溶性を有し、熱アルカリ水溶液に対する溶
解速度の比が5以上である2種以上のポリエステルを混
合して溶融紡糸する方法が好ましい。
【0021】2種以上のポリエステルを混合する方法と
しては、2種以上のポリマを別々に溶融し、ミキサーで
混練する方法、2種以上のポリマをチップの状態で混合
し、溶融する方法などが挙げられる。但し、2種以上の
ポリマを別々に溶融し、ミキサーで混練して一旦マスタ
ーチップとした後で紡糸する方法では、2種以上のポリ
エステルを混合した効果が喪失する、即ち繊維軸方向に
伸びた筋状凹凸を形成させることができない。
【0022】本発明でいうポリエステルとは、テレフタ
ル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコールより選ばれた少なくとも1種を主たるグリコー
ル成分とするポリエステルであり、40モル%以下の第
3成分を共重合してあってもよい。好ましい共重合成分
としては、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ジ
フェニルジカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸等の2
塩基酸類、オキシ安息香酸の如きオキシ酸類、およびジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等のグリコール類、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、2,2ビス{4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル}プロパンなどのうちから1種または
2種以上のものを共重合したポリエステルが挙げられ
る。但し、ポリエチレングリコールの場合、数平均分子
量が10000を越えるとポリマ合成における反応性が
著しく低下し、未反応物がポリエステルとは非相溶とな
り製糸性を著しく阻害することがあるので数平均分子量
が10000以下のものを用いることが好適である。
【0023】尚、熱アルカリ水溶液に対する溶解速度の
比は、以下の方法で測定する。本発明のポリエステル繊
維に用いる2種以上のポリエステルをそれぞれ同一デニ
ールの円形断面繊維とし、各繊維を3%苛性ソーダ水溶
液に浴1:125、温度98〜100℃で30分間処理
し、各々の減量率を次式より求め、該減量率の比を熱ア
ルカリ水溶液に対する溶解速度の比として求める。 減量率(%)=[(W0−W1)/W0]×100 但し、W0:アルカリ処理前の重量、W1:アルカリ処
理後の重量である。
【0024】更に好ましくは、熱アルカリ水溶液に対す
る溶解速度が遅いポリエステルに対して速いポリエステ
ルとの混合比が10/90〜50/50であることが、
繊維軸方向に伸びた筋状溝を形成させ、高級感のあるド
ライタッチな風合い、絹のようなきしみ感を十分に付与
するためには好ましい。
【0025】尚、減量加工処理はいずれの工程で行なっ
ても構わないが生産の安定性から考えて製織編後とする
ことが好ましい。
【0026】また、本発明のポリエステル繊維は巻取操
作によって発明の効果が損なわれるものではないから、
巻取操作としては未延伸糸として一旦巻き取った後、延
伸する方法、または高速紡糸法等のいずれのプロセスも
適用することができる。更に、必要に応じて仮撚や空気
交絡等の糸加工を施しても良い。
【0027】更に、本発明のポリエステル繊維を少なく
とも低収縮成分として用いた異収縮混繊糸を製造する方
法としては、従来より知られている後混繊方式、紡糸混
繊方式のいずれの方法によって製造しても良い。
【0028】またポリエステル繊維および/または異収
縮混繊糸を用いた織編物を製造する場合においても、織
編機、織編組織等については何等制約することはなく、
少なくとも一部に用いることによって、本発明の目的と
する、高級感のあるドライタッチな風合い、絹のような
きしみ感の良好な織編物を製造することができる。
【0029】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。 A.風合特性(ドライ感、きしみ感、ふくらみ感) 各項目とも、試料を基準試料との一対比較による官能試
験を実施し、4段階評価した。そしてそれらを総合評価
して「極めてすぐれている」は◎、「すぐれている」は
○、「普通」は△、「劣っている」は×で表わした。な
お、基準試料には通常定番品種として用いられている試
料原糸と同一繊度、同一フィラメント数のポリエステル
フィラメント糸を試料と同様の製織、加工を施したもの
を用い、これを「劣っている」とした。
【0030】B.耐フィブリル性 摩擦堅牢度試験用の学振型平面摩耗機を用いて、摩擦布
として、ポリエチレンテレフタレート100%からなる
ジョーゼットを用いて、試験布を500gの加重下で5
00回平面摩耗して、フィブリル化の発生状態を3段階
評価した。 「すぐれている」は○、「普通」は△、
「劣っている」は×で表わした。
【0031】C.固有粘度 オルトクロロフェノール10mlに対して試料0.1g
を溶解して温度25℃でオストワルド粘度計を使用して
測定した。
【0032】実施例1〜および比較例1、2 固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレー
トと固有粘度[η]が0.69で、5−ソジュームスル
ホイソフタル酸10.0モル%およびイソフタル酸15
モル%共重合した変性ポリエステルを75/25の重量
比率で溶融混合したポリマ流を通常の紡糸機により紡糸
温度292℃で表1に示した断面形状になるように紡糸
口金を変更して吐出し、1500m/minの速度で巻
取った。続いて、該未延伸糸を通常のホットロール―熱
板延伸機により2.5倍で延伸して、75デニール36
フィラメントの異形断面繊維を得た。この時のポリマの
3重量%水酸化ナトリウム98℃熱水溶液に対する溶解
速度の比は約150倍であった。
【0033】この繊維を、甘撚し、経糸および緯糸にし
て使用して製織し、水酸化ナトリウム3重量%水溶液を
使用して98℃の条件で減量加工し、繊維表面状態およ
び得られた織物特性について評価した結果を表1に示
す。尚、実施例1〜4の水準では、葉部先端部に形成さ
れる筋状溝の発生頻度が最小値Gminとなっていた。
実施例1、2および3では、繊維表面に形成される筋状
溝の形状、分布が良好であり、得られた織物もドライ
感、きしみ感に富み、また耐フィブリル性にも優れた織
物であった。
【0034】比較例1では、繊維表面に形成される筋状
溝の形状、分布は良好であり、得られた織物もドライ
感、きしみ感の優れた織物であったが、繊維断面の葉部
が折れたような形状のフィブリル化が見られ、耐フィブ
リル性は劣っていた。比較例では、繊維表面に形成さ
れる筋状溝の分布が均一であり、筋状溝が織物表面に整
然と配列してしまうため、ドライ感、きしみ感は優れて
いたが耐フィブリル性が劣っていた。
【0035】
【表1】 実施例 実施例1において、ポリエチレンテレフタレートと変性
ポリエステルの混合比率を表2に示すように変更した以
外は実施例1と同様に紡糸、延伸を行ない、50デニー
ル24フィラメントの3葉断面繊維を得た。
【0036】この繊維を2本合糸した後、甘撚し、経糸
および緯糸にして使用して製織し、水酸化ナトリウム3
重量%水溶液を使用して98℃の条件で減量加工し、繊
維表面状態および得られた織物特性について評価した結
果を表2に示す。尚、いずれの水準においても、葉部先
端部に形成される筋状溝の発生頻度が最小値となってい
た。
【0037】実施例およびでは、繊維表面に形成さ
れる筋状溝の形状、分布が良好であり、得られた織物も
ドライ感、きしみ感に富み、また耐フィブリル性にも優
れた織物であった。
【0038】実施例では、溶解速度の速いポリマの混
合比率が少ないため、繊維表面に形成される筋状溝の長
さと幅の比が若干小さかったが、得られた織物はドライ
感、きしみ感に優れ、耐フィブリル性も良好な織物であ
った。
【0039】実施例では、繊維表面に形成される筋状
溝の分布がやや小さいため耐フィブリル性が若干低かっ
たが、ドライ感、きしみ感に優れた織物であった。
【0040】
【表2】 実施例11 実施例の50デニール24フィラメントの3葉断面繊
維と、表3に示す沸水収縮率を有する50デニール24
フィラメントの3葉断面高収縮繊維を合糸した以外は実
施例と同様の方法で製織、減量加工を行なった。得ら
れた織物特性について評価した結果を表3に示す。
【0041】実施例および10で得られた織物は、ド
ライ感、きしみ感、ふくらみ感に優れ、また耐フィブリ
ル性にも優れた織物であった。
【0042】実施例では、高収縮繊維と低収縮繊維の
収縮率差が小さいため、ふくらみ感が若干不足していた
が、ドライ感、きしみ感に優れ、また耐フィブリル性に
も優れた織物であった。
【0043】実施例11では、高収縮繊維と低収縮繊維
の収縮率差が大きいため、得られた織物はややふかつき
気味であり、また、耐フィブリル性についても、単糸切
れが若干発生していたが、ドライ感、きしみ感に優れた
織物であった。
【0044】
【表3】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】比較例3 実施例1において変性ポリエステルとして固有粘度
[η]が0.67で、数平均分子量20000のポリエ
チレングリコールを8重量%、および5−ソジュームス
ルホイソフタル酸2モル%共重合した変性ポリエステル
を用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸、延伸し
て、75デニール36フィラメントの3葉断面繊維を得
た。この時のポリマの3重量%水酸化ナトリウム98℃
熱水溶液に対する溶解速度の比は約6倍であった。
【0049】この繊維を、甘撚し、経糸および緯糸にし
て使用して製織し、水酸化ナトリウム3重量%水溶液を
使用して98℃の条件で減量加工し、繊維表面状態およ
び得られた織物特性について評価した結果を表に示
す。
【0050】比較例では、繊維表面に形成される筋状
溝の分布が小さく、また筋状溝の長さと幅の比が大きい
ため、ドライ感、きしみ感は良好であったが、耐フィブ
リル性が著しく劣り、製品品位が著しく低いものであっ
た。
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明は、繊維軸方向に伸びた筋状溝が
形成されている多葉断面ポリエステル繊維、該ポリエス
テル繊維を少なくとも低収縮成分として用いた異収縮混
繊糸、およびこれを用いた織物であり、単繊維内におい
て筋状溝の発生頻度に分布を持たせることによって、耐
フィブリル性に優れ、ドライ感、きしみ感を有し、更に
は落ち着いた光沢感が得られ、また吸水性が良好な織編
物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の繊維断面モデル図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 15/00 D03D 15/00 B (56)参考文献 特開 昭61−89320(JP,A) 特開 昭62−69820(JP,A) 特開 昭56−31040(JP,A) 特開 平7−189027(JP,A) 特開 平5−302264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/36 D01F 6/62 D01F 6/92 D02G 3/04 D03D 15/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維断面形状が3葉以上8葉以下であり、
    繊維軸方向に伸びた筋状溝が形成されている多葉断面
    リエステル繊維であって、該ポリエステル繊維を構成す
    る単繊維内において筋状溝の発生頻度に分布があり、単
    糸横断面の周辺長さ3μm当たりの筋状溝数の最大値G
    maxと最小値Gminの比、Gmax/Gminが
    1.5以上15.0以下、且つ葉部先端部に形成される
    筋状溝数がGminであることを特徴とする多葉断面
    リエステル繊維。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した多葉断面ポリエステル
    繊維を少なくとも低収縮成分として用いた異収縮混繊
    糸。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載した多葉断面ポリ
    エステル繊維および/または異収縮混繊糸を少なくとも
    一部に用いたことを特徴とする織編物。
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