JPH06264261A - 皮膜形成方法 - Google Patents

皮膜形成方法

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JPH06264261A
JPH06264261A JP7524893A JP7524893A JPH06264261A JP H06264261 A JPH06264261 A JP H06264261A JP 7524893 A JP7524893 A JP 7524893A JP 7524893 A JP7524893 A JP 7524893A JP H06264261 A JPH06264261 A JP H06264261A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末、皮膜形成媒体及び部品に振動を加える
皮膜形成方法において皮膜の膜厚均一度を高める。 【構成】 接着性を有する層が少なくとも一部の表面に
存在する被処理部品、融点が異なる2種以上の物質から
なる粉末−但し、高融点粉末の少なくとも1種は形状が
扁平である−、被処理部品よりも寸法が実質的に小さく
かつ粉末よりは寸法が実質的に大きい皮膜形成媒体に容
器内にて振動または撹拌を加えて被処理部品の表面に前
記粉末を含む皮膜を形成し、その後皮膜を粉末のいずれ
かの融点以上ただし扁平粉末のいずれかの融点以下に加
熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膜形成方法に関する。
各種部品上に皮膜を形成する技術は工業的に広く利用さ
れている。皮膜は製品の外観を決め、製品と環境との接
点となり、しかも製品の価値を大きく左右するから、皮
膜形成法はきわめて高い信頼性が要求される。また皮膜
形成技術にあっては、上記の要求とともに、皮膜形成が
製品コストの主要部分を占めないように皮膜形成費用を
低下することが重要な課題になっている。樹脂皮膜につ
いて例を挙げると以下の技術が現在の主流である。
【0002】
【従来の技術】
(1)電着塗装 電荷を持つ樹脂粉体が懸濁された液体に部品を浸漬し、
外部電源により部品に電圧を印加することにより、電荷
を持った樹脂粉体を部品に引きつけ、部品を樹脂粉で覆
う。その後加熱し樹脂粉を溶融または/および架橋して
部品上に強固な連続皮膜を形成する。
【0003】(2)静電塗装 電荷を持つ樹脂粉体を飛散させた空間に、電圧が印加さ
れた部品を置くことにより、樹脂粉体を部品上に引きつ
け、部品上に樹脂粉体皮膜を形成する。これを加熱して
溶融、架橋して部品上に強固な連続皮膜を形成する。
【0004】(3)スプレー塗装 樹脂を溶媒で希釈し、これをスプレー吹き付けにより皮
膜を形成した後、溶媒を蒸発させ、溶融架橋して部品上
に皮膜を形成する。
【0005】(4)浸漬塗装 粘度の低い樹脂液または粘度の高い樹脂の場合は溶媒で
希釈して粘度を下げた液の槽内に部品を浸漬して表面に
樹脂を付着させ、溶融架橋して皮膜を形成する。
【0006】しかしながら従来の皮膜形成方法は以下の
ような問題があった。 (1)電着塗装 部品を電極に取付けるための作業が必要であり、また
電極を取り付けた部分には皮膜が形成されないので、
皮膜形成後その部分に樹脂を盛り付けるためのタッチア
ップと呼ばれる作業が必要である。これら、ともに
人手または複雑な動きをするロボットの導入が必要で表
面処理費用の増大をきたしている。さらに使用済み電
着液は産業廃棄物として処理しなくてはならない。
【0007】(2)静電塗装 (1)の、と同じ問題がある。また粉体が飛散する
ため、粉塵爆発の危険性があり、粉塵飛散防止や爆発防
止のための大掛かりな装置が必要である。
【0008】(3)スプレー塗装 スプレーガンの操作に熟練が必要である。ロボットに
よる操作も可能であるが、複雑な動きをしなければなら
ない。膜厚がスプレーガンの操作に大きく依存するの
で不均一になりやすい。部品の一つに面にスプレーし
た後、他の面にスプレーするために部品をひっくり返す
操作が必要である。スプレー化するため樹脂を多量の
溶媒で希釈しなくてはならない。塗布後、この溶媒を蒸
発させる工程で公害対策処理が必要である。
【0009】(4)浸漬塗装 多数の部品をかご等に入れて、短時間で一度に塗装でき
るので、(1)の、、(3)の、の問題がなく
浸漬法は最も能率がよく安価な塗装方法である。しか
し、この方法では、液だれ、液だまりが不可避的に発生
し、また逆に液がつかないか極端に薄いところができや
すく、皮膜形成方法としては上記の方法よりは遥かに信
頼性が低い。
【0010】上述のような従来の皮膜形成法の問題点を
解決するために本出願人は特願平3−224782号に
おいて、被処理部品、皮膜形成過程の少なくとも初期に
おいて少なくとも部分的に未硬化の状態にある樹脂、粉
末(皮膜形成過程において前記樹脂よりも硬質の樹脂粉
末のこともある)、および前記被処理部品よりも寸法が
実質的に小さくかつ前記粉末よりは寸法が実質的に大き
い皮膜形成媒体に容器内にて振動または攪拌を加えて前
記被処理部品の表面に皮膜を形成することを特徴とする
皮膜形成方法を提案した。この方法は未硬化の樹脂(予
め部品上に被着されていることもある)が被処理部品上
で皮膜を形成し、その皮膜に、皮膜形成媒体による打撃
を受けた粉体が取り込まれることにより膜形成を起こす
ものである。
【0011】さらに、特願平4−232681号におい
ては、上記の粉体を1種類あるいは2種類以上の物質か
ら構成し、粉体皮膜を形成後に加熱を行うことにより粉
末の全部あるいは一部を融かすことを要旨とする方法の
出願を行った。この方法によると、部品表面に被覆され
た粉末圧縮層の粉末どうしが融けて接着するので部品使
用中の粉落ちのおそれがない。また粉末圧縮層からの粉
落ちを防止するために上塗りをする必要もなくなる。こ
れらの利点により自動車、家電製品などの各種部品用に
一層適した皮膜が得られた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が提案した皮
膜形成方法は従来の皮膜形成方法の問題を解決できると
はいうものの、リングなどの比較的複雑な形状の部品や
小物部品に適用したところ皮膜が局部的に成長し、例え
ばリングの内周面などの皮膜形成媒体の打撃頻度が少な
くなりがちなところでは皮膜厚みは薄くなって、均一コ
ーティングが出来ないこともあった。同様の部品に形成
された皮膜の平滑度が良くないということもあった。さ
らに皮膜形成後に加熱を行うと皮膜が柔らかくなり、部
品が支持台と接する面で大きく変形して接触面に跡が残
り商品価値を損ねた。本発明はこれらの問題を解決する
ことにより、先願の皮膜形成方法の適用範囲を拡大する
とともに膜厚の均一性と平滑度を確保し、さらに加熱中
の変形を防止することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明者は皮膜形成方法の各工程を次のように考案
した。 (1)粉末の付着能率を高めるために被処理部品(以下
「部品」と言う)に予め接着性を有する層(以下「接着
性層」という)を付ける。 (2)容器内で(1)の部品、皮膜形成媒体及び粉末を
振動または撹拌させ、部品に粉末を付着させる。ここで
皮膜形成媒体は粉末の付着を媒介するが部品には付着し
ないか、あるいは皮膜を作らない程度僅かに付着する。 (3)粉末が付着した部品を、粉末の融点以上に加熱し
て、粉末を溶融させる。但し、溶融しない扁平粉末を
(2)の粉末に含ませておく。
【0014】したがって本発明の方法は、接着性層が表
面の少なくとも一部に存在する被処部品、融点が異なる
2種類以上の物質からなる粉末−但し、高融点粉末の少
なくとも1種は形状が扁平である−、前記被処理部品よ
りも寸法が実質的に小さくかつ前記粉末よりは寸法が実
質的に大きい皮膜形成媒体に容器内にて振動または攪拌
を加えて前記被処理部品の表面に前記粉末を含む皮膜を
形成し、その後前記皮膜を前記粉末のいずれかの融点以
上ただし前記扁平粉末のいずれかの融点以下に加熱する
ことを特徴とする皮膜形成方法である。
【0015】以下各工程をより詳しく説明する。接着性
層の役割は振動・攪拌中に皮膜形成媒体により部品表面
に打ち込まれる粉末を、該部品層に接着し、また既に接
着されている粉末粒子の間に滲み出すことにより該粉末
の表面に接着することである。すなわち、この層は粉末
を部品上にしっかりと保持しておくのに十分な強い接着
性を有していることが必要である。例えば、きわめて高
粘度の油は、接着性層の形成に使用可能であるが、低粘
度油は使用できない。高い接着性を有する未硬化樹脂は
望ましい接着層となる。振動・攪拌工程の次の加熱工程
で上記投入粉末の一部を加熱溶融した後は、粉末どうし
が溶融により互いに結合するので、接着性層は加熱溶融
後も接着効果をもっている必要はない。しかし硬化しな
い樹脂を接着層に用いたとき、加熱溶融工程後粉末どう
しは結合しているが、この粉末結合層は部品に強く付着
していない場合もある。したがって接着性層としては振
動・攪拌中と加熱溶融後の両方で接着効果をもつ硬化性
樹脂を未硬化の状態で使用することが最適である。
【0016】未硬化樹脂としては、エポキシ、フェノー
ルなどの樹脂、各種モノマーなどで硬化できるものを使
用できる。ポリビニルアルコール(PVA)や、水ガラ
スなども接着性層として使用できる。ただし、PVAや
水ガラスなどは水分が蒸発すると接着性を失うので水分
を十分に含んだ状態で使用する必要がある。これらに含
まれている水分は粉体層を部品に形成した後加熱工程で
蒸発する。樹脂に関しては、硬化できないものでも、接
着性さえ有していればよいので、各種強力粘着樹脂を使
用できる。樹脂からなる接着層の形成は、エポキシ樹脂
などの熱硬化性樹脂(硬化剤を適量混ぜてある)をME
Kなどの溶媒に溶かした液体に部品を浸漬し、乾燥する
ことによって行われる。この際、エポキシ樹脂のMEK
に対する重量比が高いほど、部品表面に形成される接着
性層の厚さは大きくなる。エポキシを樹脂をMEKで希
釈した液を使用する時、エポキシ樹脂が2〜30%の濃
度の液が標準である。接着性層形成用の樹脂としては、
エポキシ樹脂に代表される強力接着剤の使用が最も望ま
しい。以下の説明では、接着性層が未硬化樹脂の場合に
ついて述べる。
【0017】振動又は攪拌により皮膜形成媒体の力が粉
末から被処理部品に与えられる。この方法は各種方式が
可能であり、例えば容器内を回転するブレードを使用す
る、容器を回転する、揺する、振動板上に置くなどが可
能である。また、被処理部品は容器内で皮膜形成媒体と
混合してもよく、容器内にまたは媒体の表面に接するよ
うに釣り下げてもよい。ここに例示されるように振動又
は撹拌する方法は種々の方式が可能であり、本発明はこ
の振動・撹拌の具体的方法には限定されない。振動又は
撹拌される粉末は接着性層の未硬化樹脂より固くかつ粉
末形態を保っていることが必要であり、この結果振動又
は攪拌中に粉末が未硬化樹脂皮膜に押し込まれる。
【0018】粉末はあらゆる種類の樹脂粉末、金属又は
無機物質を2種類以上を混合して使用可能である。樹脂
粉末は未硬化もしくは硬化した熱硬化性樹脂もしくは熱
可塑性樹脂である。
【0019】加熱により溶融しない扁平な粉末は振動ま
たは攪拌を受ける前から扁平であることが好ましいが、
アルミニウムや銀のように振動または撹拌中に皮膜形成
媒体による打撃により扁平に変形した粉末であってもよ
い。また扁平形状とは実質的に平坦な面をもっており、
かかる面が粉末の主たる構成面となっている円板、平
板、わん曲板などである。好ましくは、対向する平坦面
の間隔Hとその平坦面の平均直径(同一面積の円に換算
したときの直径)Dとの関係が、H/D<1/2であ
り、より好ましくはH/D<1/4であり、最も好まし
くはH/D<1/6のものである。
【0020】加熱により融ける粉末(以下「低融点粉
末」という)としては、エポキシ、アクリル、ポリエス
テルなどの樹脂粉末、低融点の金属または無機粉末を使
用することができるが、樹脂粉末が好ましい。これらの
粉末は加圧やインパクトにより変形するために、特に初
期の形状は限定されず、扁平であってもよい。
【0021】各種塗装に用いられている樹脂粉末のよう
に、樹脂粉末中にTiO2 やベンガラなどの高融点で加
熱により融けない無機物顔料を含ませることも可能であ
る。このような顔料は、通常扁平形状をもたないので皮
膜の均一成長には効果はないが、加熱後の皮膜中で美観
や防食等の機能を発揮する。
【0022】したがって、本発明において粉末の組み合
わせとしては、溶融しない扁平粉末に、溶融する任意の
形状の粉末を組みあわせればよく、さらにこの組みあわ
せに溶融しない任意の形状の粉末を組みあわせてもよ
い。本発明の加熱は樹脂などの粉末の融点以上で数秒か
ら数時間保持して行う。ただし、ここでいう融点とは、
物理学的に明確に定義された融点とは限らない。ここで
融点とは使用した粉末が互いに合体を始める温度を言
う。よく知られているように非晶質物質は明確に定義さ
れた融点はもたず、ガラス転移点と呼ばれる温度付近か
ら徐徐に軟化してくる。この温度も本発明で言う融点に
含まれる。またエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を溶
融する物質として使用する場合は、未硬化のものを使用
する必要がある。これらの未硬化の樹脂は低分子であり
融点またはガラス転移点は低い。これらの未硬化の樹脂
粉末を融点又はガラス転移点以上に加熱すると粉末は一
旦融けて互いに合体する。このとき硬化剤の触媒作用な
どにより同時に分子の重合が起こり、硬化する。一旦硬
化すれば熱硬化性樹脂は上記の融点などでは融解しな
い。
【0023】上記皮膜は、部品上に直接形成されても、
また他の皮膜、例えば本出願人の先願(特願平3−22
4782号、特願平4−232681号)の方法による
皮膜あるいは従来技術(1)〜(4)の皮膜が既に施さ
れている上に形成されてもよい。また、本発明法を行っ
た後先願の方法を行ってもよい。これらの方法を任意の
順序で繰り返してもよく、この場合各操作の間に未硬化
樹脂を接着する操作、例えばスプレー塗装を行ってもよ
い。また扁平粉の割合が例えば内層から外層方向で少な
くなる多層膜を本発明法で形成してもよい。扁平粉はマ
イカとBNのように異種粉末を混合してもよい。皮膜の
硬さを極めて高くしあるいは光沢をもたせるなどの目的
のために扁平粉の割合を高めた場合、MEKで溶かした
エポキシ樹脂などの上塗りを通常の方法で行って、粉落
ちの防止や表面の補修などをすることができる。
【0024】続いて本発明法の実施態様ならびに好まし
い条件を説明する。粉末、皮膜形成媒体、部品(これら
は「皮膜形成混合物」と総称される)の投入順序や同時
でも逐次行ってもよい。粉末と皮膜形成媒体の投入を行
い、これらに振動または攪拌を加えて粉末を全体にまん
べんなく行きわたらせてから、物品を投入してもよい。
この場合は粉末はその種類や粒径によっては皮膜形成媒
体に一旦付着し、その後被処理物品に付着する。
【0025】接着性樹脂皮膜形成に続いて、粉末が樹脂
層の粘着力により樹脂層に捕捉・固定される。樹脂層が
部品表面で硬化する時に粉末を捕捉して硬化する。振動
又は攪拌を受けている皮膜形成媒体は、同様に振動又は
攪拌を受けている粉末に打撃力を与え、粉末圧縮層が作
られる。
【0026】皮膜形成媒体は打撃力を発生して皮膜の形
成の媒介をするが、それ自身は実質的に皮膜の成分にな
らない。部品より大きい皮膜形成媒体は前者の表面上で
均一な打撃力を発生することができず、また粉末よりも
小さいと皮膜形成媒体が皮膜中に捕捉されてしまう。た
だし、体積比で70%以下の範囲であれば、部品よりも
大きな媒体が含まれていてもよい。また、打撃力をある
程度集中させる方が粉末の圧入がよく進行するため、例
えば球状の媒体を使用する場合はその直径が0.3mm
以上、より望ましくは0.5mm以上が望ましく、他の
形状の場合もこれに準ずる。また部品よりも小さいと
は、媒体の一つ一つを同体積の球で置き換えたとき、そ
の直径が部品のさしわたしのうち最大のものよりも小さ
いことを言う。また粉末に対しては、平均寸法で要件を
充たしていれば、所望の打撃力をつくり出すことができ
る。すなわち、皮膜形成媒体となる粒子の一部が粉末よ
り細かくとも、平均寸法で前者が後者より大きければ所
望の打撃力を作りだすことができる。ただし、これら粉
末より細かい媒体は皮膜中にとりこまれる恐れがあり、
できるだけ含まれないことが望ましい。
【0027】皮膜形成媒体の材質は次の要件を満たして
いる必要がある。塑性変形により皮膜形成後に皮膜形
成媒体を観察して肉眼で認められるような大きな形状変
化がなく、かつ、皮膜形成過程において弾性変形が極端
に大きくならないこと。したがって軟質ゴムなどはこの
要件を満たさない。割れ、欠け、急激な摩耗などがな
いこと(長期的使用による若干の摩耗はあってもよ
い)。
【0028】これらの要件を満たさない材質の皮膜形成
媒体が被処理材との衝突により塑性変形を起こしたりあ
るいは軟質ゴムのように極端に大きな弾性変形を起こし
たりすると、後者に与える打撃が不足して所望の皮膜形
成が起こらなくなる。また、割れ、欠け、急激な摩耗が
起こると、媒体の耐用寿命が短くなり、不経済である。
【0029】粉末は皮膜中に取り込まれるためには、皮
膜形成媒体よりは小さくなければならない。まず扁平で
ない粉末及び扁平粉末で溶融される粉末について説明す
る。粉末の粒度は、部品の大きさ、皮膜の厚さ及び粉末
の材質により変わる。セラミックス粉末など硬質で変形
しにくい粉末の場合は粒度が小さいことが望ましく、延
性に富む金属粉などの場合はこれより大きくてよいが一
般には0.01〜500μmの範囲内である。望ましく
は0.05〜200μm、より望ましくは0.1〜70
μm の範囲内である。一般に、粉末は粒度が小さいほど
樹脂により捕捉されやすい。また粒度が小さい粒子は、
樹脂皮膜上に分散している粉末の粒子の間に打撃により
押し込まれ易く、塑性変形による粉末同志あるいは被処
理材料との圧着や結合が起こり易い。したがって粉末の
粒度が小さいほど、打撃力が小さくて済み、また皮膜の
表面粗さも小さくなる。しかし、あまり粒径が小さいと
粉末が凝集しやすく、均一な膜形成が困難になる。
【0030】次に溶融しない扁平粉末は、アルミニウ
ム、銅、銀、スズ、亜鉛またはこれらの合金の搗砕粉で
あることが好ましい。これらは延性を有するので搗砕に
より平坦面が大きく発達し、後述する皮膜の均一成長を
促進する性質が顕著である。またマイカやBNなどのよ
うにへき開により扁平になる物質も好ましく使用するこ
とができる。扁平粉末の直径Dは300μm 以下が好ま
しい。この寸法を越えると膜厚の均一度が低下する。よ
り好ましい寸法は150μm 以下、最も好ましくは70
μm 以下である。直径Dが小さいほど膜厚の均一度が高
まるが、あまり小さ過ぎても扁平粉の膜厚均一効果が薄
くなる。したがって扁平粉のDは、0.1μm 以上好ま
しくは1μm 以上とすることが望ましい。
【0031】皮膜形成媒体は鉄、炭素鋼、その他合金
鋼、銅および銅合金、アルミニウムおよびアルミニウム
合金、その他各種金属、合金製、あるいはAl2 O3 ,
SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,SiC等のセラミック
ス製、ガラスさらに硬質プラスチック等を用いることが
できる。また皮膜成形に充分な打撃力が加えられるので
あれば、硬質のゴムも使用することができる。これら媒
体のサイズ、材質は部品の形状およびサイズ、使用する
粉末の材質に応じて適宜選択する必要がある。また複数
のサイズ及び材質の媒体を混合して使用することもでき
る。また場合によっては表面処理、表面被覆を施して使
うこともできる。
【0032】また複数種の上記材料によって構成された
複合媒体を用いてもよい。また、打撃力の緩和および平
均化を行い、皮膜の均質性、膜厚のばらつきを抑えるた
め、木粉や軟質ゴム、軟質プラスチック等軟質の媒体を
前記媒体に対し体積比の50%以下の範囲で適宜混合す
ることがある。これらは単独では打撃力をほとんど生じ
ないので、必ず前記皮膜形成媒体と併用される。また皮
膜形成媒体の表面に硬化した樹脂、未硬化樹脂または揮
発性液体の皮膜を形成することもできる。このような皮
膜は一旦は粉末を皮膜形成媒体表面に均一に付着させる
のを助け、その後混合または攪拌中に粉末を離脱させ、
部品に皮膜を付着させる。このような過程により粉末が
部品上に一層均一に付着する。
【0033】皮膜形成媒体の形状は、球状、楕円形、立
方体、三角柱、円柱、円錐、三角錐、四角錐、菱面体、
不定形体、その他各種形状を使用することができる。
【0034】部品表面に形成する未硬化樹脂層の厚さは
使用する粉末の大きさによってことなり、この層が薄す
ぎると、粉末が付着されにくいので、0.1μm 以下の
きわめて細かい粉末を用いるときでも少なくとも0.0
5μm 、好ましくは0.1μm 以上必要である。粉末の
大きさが小さくなれば、未硬化樹脂層の厚さは小さくて
よい。粒径 1μm 以上の粉末を使用するときは未硬化樹
脂層の厚さは0.5μm 以上必要である。この層は部品
全体に形成されてもよく、必要な部品のみに形成されて
もよい。
【0035】媒体と部品の混合比率は、部品の形状によ
って異なるが、少なくとも見掛け容積比で媒体を20%
以上配合しないと、部品表面への均一かつ充分な打撃が
行われず良好な皮膜を得ることが難しい。 扁平粉末と
それ以外の粉末の割合は1〜40体積%、特に3〜30
体積%であることが好ましい。
【0036】振動容器としては、振動バレル、遠心流動
バレル、回転式バレル、ジャイロバレルなど通常部品研
磨に使用される各種バレル機が使用できる。また、振動
容器はポット型(上部開放容器)だけではなく、長い筒
状の容器でもよい。後者の場合は連続処理ができ、生産
のライン化が可能となる。
【0037】部品がプラスチック製である場合には、溶
剤を塗布し、部材のプラスチックを溶かし出して接着性
層としてもよい。この方法によれば、樹脂又は溶剤の塗
布された部分にのみ皮膜が形成されるため例えばプラス
チック筐体内面にのみ皮膜を形成させるなどが極めて容
易に行える。
【0039】
【作用】本発明で使用し加熱により溶融しない扁平粉
は,扁平であるという形状と加熱温度より高い融点との
二つが所期の効果をもたらすのに寄与している。後者の
寄与は次の〜のとおりである。加熱の時に皮膜が
部品の重さで変形するのを防止する。一般に融点が高
い物質は常温で硬度が大きいので、皮膜の硬さを大きく
する。低融点粉末だけであると皮膜形成媒体と接着性
層を有する部品の振動、撹拌中に低融点粉末が凝集した
り、局部成長が起こりやすい(低融点の粉末はそのまま
では粉体としての流動性を有しているが、加圧や衝撃に
より凝集しやすいから)が、融点が高い粉末が存在する
と、低融点粉末どうしの凝集や低融点粉末の異常な局部
膜成長が抑制される。
【0040】扁平形状の寄与は上記を最大限に発揮さ
せることである。即ち扁平粉は同じ体積の扁平でない粉
末に比べて表面積が大きいから低融点粉末の間に割り込
みこの粉末どうしの凝集を妨げる結果、これらの粉末の
間に接着性層から接着物質が這上がってこないと膜の成
長が起こり難くなる。
【0041】こうして、扁平粉を使用することにより、
皮膜の成長は、接着性層から這上がってくる接着性物質
により粉末が接着されることによって主として起こるよ
うになり、部品表面上全体にわたって接着性層の厚さを
一定にしておきさえすれば粉末物質が部品上に捕捉され
る量は部品表面全体にわたって一定になる。例えばリン
グ磁石の場合、リング内面は皮膜形成媒体の衝撃頻度が
リング外面に比べて小さいため扁平粉添加なしでは、リ
ング外面の膜厚がリング内面の膜厚よりもずっと大きか
った。扁平粉添加により接着物質のしみ上がりが無くな
るから、リング外面は接着層の厚さで決まる一定の厚さ
に達した後は膜の成長が止まる。リング内面の皮膜成長
は外面より遅いが、時間をかければ膜成長が引き続き起
こり、結局、外面とほぼ同じ厚さになって(接着性物質
のしみ上がりがなくなった時点で)膜成長が止まる。膜
厚が皮膜形成媒体の打撃頻度によらず、接着性層の量の
みによってコントロールされるので、膜厚の管理がしや
すくなる。
【0042】
【実施例】
実施例1 容積3リットル、深さ150 mmの円形の容器の中に直径2
mmφのセラミックス製ボールを容器の八分目まで入れ
た。静電塗装用熱硬化性粉体塗料(久保孝ペイント株式
会社製、商品名「テオデュールDM752−002ホワ
イト)の50μmの粉末を2μm に粉砕した白色エポキ
シ系樹脂粉末(平均粒度2μm 、未硬化のもの(以下の
実施例及び比較例でも同様である))と、アルミニウム
箔粉末(100 メッシュ通過粉末)を重量比で9:1の割
合で混合した粉末を前記の容器に20g 入れ、容器に3分
間振動(振動数1000〜4000cpm, 振幅0.2 〜 5mm)を加
え、セラミックス製ボールの表面にまんべんなく粉末を
行き渡らせた。加振容器は、バレル機(チップトンエス
ポ社製振動バレル機VM−10(230W))を使用
し、加振の制御にはインバーター電源とスライダックを
用いた。
【0043】振動を加えながら、外径22mmφ、内径20mm
φ、高さ10mmのNd−Fe−B系超急冷ボンド磁石およ
び外径30mmφ、内径20mmφ、高さ1 mmのNd−Fe−B
系焼結磁石各10個を未硬化エポキシ系樹脂(油化シェル
社製エピコート1001−B−80と硬化剤エピキュア
−UIZ−2を重量比で10:1に混ぜたもの、以下の
実施例でも同様である)10%(重量とも)を溶かしたM
EK溶液に浸した後取り出し、30秒間温風で乾燥させて
接着性層を形成した。次に接着性層を形成した磁石を振
動容器中に順次投入した。5分振動を続けた後に20個
の全部品を取り出した。これらの磁石をフッ素樹脂板上
で150 ℃2時間加熱したところ白色エポキシ樹脂粉末が
一旦融解しその後硬化し始めた(この処理は以下「融解
−硬化処理」と言う)を行った。また接着性層であるエ
ポキシ系樹脂粉末も硬化した。
【0044】このようにして形成した皮膜は、膜厚が
内外周ともに20μm ±3 μm で均一であり、また部品間
の膜厚差も見られないこと、融解−硬化処理時の下面
の下板との接触跡がかろうじて肉眼で見える程度に小さ
いこと、表面硬度が5H(鉛筆による硬度テスト)で
あることが確認できた。この膜の断面を電子顕微鏡写真
で観察した結果、アルミニウムの扁平粉が膜面にほぼ平
行に埋め込まれていることがわかった。
【0045】比較例1 比較例として、アルミニウム箔粉末を全く加えずに上記
部品に同一処理を処した結果、膜厚が内周は30μm 〜
50μm 、外周は50μm 〜100 μm ときわめてばらつきが
多く、凹凸がはげしく、融解−硬化処理時の下面と
下板との接触跡が大きく見られた。試験したリング形状
の磁石の下面にはバリが張り出し、このバリの大きさは
モーターの部品として使用する際には許容範囲を超え除
去が必要な程度であった。また皮膜の硬度は3Hから4
Hであった。
【0046】比較例2 さらに比較例として、アルミニウム箔粉末の替わりに、
平均粒径1μm のチタニア粉末(球状に近い形状)を同
じ重量比(エポキシ樹脂粉末と9:1の割合)で混合し
た粉末を使用し、上記部品に同一処理を処した。形成さ
れた膜は、膜厚が内周30μm ±7 μm 、外周40μm ±
10μm でばらつきが多く、凹凸は何も添加しない(樹
脂粉だけのもの)場合よりも改善されたが、アルミ箔粉
添加の場合よりも凹凸が大きかった。融解−硬化処理
時の下面と下板との接触面に実施例1と比較例1の中間
程度の接触跡が見られた。また、硬度は5Hであった。
【0047】実施例2 容積3リットル、深さ150 mmの円形の容器の中に直径2
mmφのセラミックス製ボールを容器の八分目まで入れ
た。その容器中に白色エポキシ系樹脂粉末(平均粒度2
μm ),表面にカップリング処理を処した金雲母粉末
(400メッシュ通過粉末)を重量比で8:2の割合で
混合した粉末を20g入れ、容器に3分間振動(振動数
1000〜4000cpm、振幅0.2〜5mm)を加
え、セラミックス製ボールの表面にまんべんなく粉末を
行き渡らせた。加振容器は、バレル機(チップトンエス
ポ社製VM−10(230W))を使用し、加振の制御
にはインバーター電源とスライダックを用いた。
【0048】外径22mmφ、内径20mmφ、高さ10mmのNd
−Fe−B系超急冷ボンド磁石および外径30mmφ、内径
20mmφ高さ1 mmのNd−Fe−B系焼結磁石各10個をエ
ポキシ系樹脂7%を溶かしたMEK溶液に浸した後取り
出し、30秒間温風で乾燥させて接着性層を形成した。次
に接着性層を形成した磁石を振動容器中に順次投入し
た。10分振動を続けた後に20個の全部品を取り出し
た。これらの磁石をフッ素樹脂網上で130℃3時間の
融解−硬化処理を行った。
【0049】このようにして形成した皮膜は、膜厚が
内外周ともに25μm ±3μm で均一であり、また部品
間の膜厚差も見られないこと、融解−硬化処理時の下
面の下板との接触跡がほとんど見られないこと、表面
硬度が5H(鉛筆による硬度テスト)であることが確認
できた。この膜の破断面の電子顕微鏡写真を図1に示
す。金雲母の扁平粉が膜面にほぼ平行に埋め込まれてい
ることがわかった。
【0050】比較例3 比較例として、金雲母粉末を全く加えずに上記部品に同
一処理を処した結果、膜厚が内周は35μm 〜55μ
m 、外周は50μm 〜100μm ときわめてばらつきが
多く、凹凸がはげしく、融解−硬化処理時の下面と
下板との接触跡が大きく見られた。また、硬度は3Hか
ら4Hであった。
【0051】比較例4 さらに比較例として、金雲母粉末の替わりに平均粒径
0.8μm のチタニア粉末(球状に近い形状)を同じ重
量比(エポキシ樹脂粉末と8:2の割合)で混合した粉
末を使用し、上記部品に同一処理を処した。形成された
膜は、膜厚が内周35μm ±7 μm 、外周45μm ±
10μm でばらつきが多く、凹凸は何も添加しない
(樹脂粉だけのもの)場合よりも改善されたが、金雲母
粉末添加の場合よりも凹凸が大きかった。融解−硬化
処理時の下面と下板との接触跡が少し見られた。また、
硬度は5Hであった。
【0052】実施例3 20mmφ、高さ1.5mmのNd−Fe−B焼結磁石
を100個用意した。この部品を各20個づつに分け、
試料A〜Eとした。次に実施例1と同じ振動バレル機を
使用して容積3リットル、深さ150mmの円形の容器
の中に、2mmφのセラミックス製ボールと20gのア
ルミニウム箔粉末(平均粒度3μm )を入れ、容器に5
分間振動(振動数3000ー4000cpm,振幅0.
5〜2mm)を加え、セラミックス製ボールの上にまん
べんなくアルミニウム箔粉末を行き渡らせた。
【0053】A〜Dの試料を濃度5%のエポキシ/ME
K溶液に浸漬し、乾燥させて接着性層を形成した。これ
らのA〜Dの各試料を振動容器の中に入れ、10分間振
動を加えた。このようにして、アルミ箔粉が層状に接着
されている(硬化していない)層が形成された。次に試
料別に次の処理を行った。
【0054】試料A:初めに150℃で2時間接着性層
の硬化処理を行った。これによりアルミ箔粉が磁石上に
強く接着された層が形成された。これらの磁石を再び濃
度5%のエポキシ樹脂MEK溶液に浸し、乾燥してアル
ミニウム箔皮膜表面に接着層を形成した。これらの試料
を上記容器と同じ大きさの別な容器に入れた。容器中に
は予め1mmφのセラミックス製ボールを入れ、さらに
白色エポキシ系樹脂粉末を25gとアルミ箔粉末2.5
gをよく混合させ入れておいた。容器に振動(振動数3
000〜4000cpm,振幅1〜10mm)を15分
間加えた。その後試料を取り出し、130℃で2時間、
2回目の成層により被着されたエポキシ樹脂粉末の融解
−硬化処理を行った。その結果、アルミニウム箔粉が層
状に接着されている膜8μm 、アルミニウム箔とエポキ
シ系樹脂の混合膜15μm の二層膜ができた。
【0055】試料B: 硬化処理を行わず、試料を濃度
10%エポキシ樹脂のMEK溶液に浸し、乾燥して接着性
層を形成した。これらの試料を前記容器と同じ大きさの
別な容器に入れた。容器中にはあらかじめ2mmφのセラ
ミックス製ボールを入れ、エポキシ−ポリエステル系樹
脂粉末(平均粒度2μm 、東亜合成化学アロンパウダ
ー、静電塗装用粉末E350の50μm 粒径の粉末を粉
砕したもの)を30g とアルミニウム箔3gを入れ、よく
混合しておいた。次に容器に5分間振動(振動数3000ー
4000 cpm、振幅0.5 〜1 mm) を加えた。最後に150 ℃で
1時間融解−硬化処理を行った。その結果、アルミニウ
ム箔粉が層状に接着された膜8μm 、アルミニウム箔と
エポキシ−ポリエステル系樹脂混合膜12μm の二層膜が
できた。
【0056】試料C: 130 ℃で1時間試料Aと同様の
硬化処理を行った。これらの試料に接着性層を形成しな
いで振動容器に投入し、10分間振動を加えた。容器と
ボールは上記試料Bで使用したものと同じものを使用
し、30gのエポキシ−ポリエステル粉末を入れ、よく
混合しておいた。最後に150 ℃で2時間融解−硬化熱処
理を行った。その結果、アルミニウム箔粉が層状に接着
された膜8μm 、エポキシ−ポリエステル系樹脂膜8μ
m の二層膜ができた。
【0057】試料D:試料を硬化処理せず、また接着層
の形成も行わずに、試料Bで使用した容器中に試料を入
れ(ボールも粉末も同じものを使用)、8分間振動を加
えた。次に試料を取り出し、160 ℃で2時間融解−硬化
熱処理を行った。その結果、アルミニウム粉が層状に接
着された膜8μm 、エポキシ−ポリエステル系樹脂膜7
μm の二層膜ができた。
【0058】試料E:比較材として、白色顔料入りエポ
キシ−ポリエステル系ペイントを試料Eに平均25μm ス
プレー塗装した。
【0059】試料A〜Dの外観検査では、試料Aが試料
B、C、Dに比べて表面粗さが小さく、膜厚の均一性が
高く膜の密着性も良く、最良であった。以上の試料A〜
Eに80℃、湿度95%で耐食試験を行った。その結果、試
料A〜Dには1000時間経過後も発錆、ふくれ等は認めら
れなかった。しかし試料Eは200 時間経過後より点錆が
認められ、500 時間経過後より皮膜のふくれが認められ
た。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると従来
の塗装法の欠点がなく、表面が平滑でしかも皮膜の膜厚
の均一性が優れているので、小物部品や複雑形状の部品
に均一な皮膜を形成することができ、また皮膜の厚さが
管理し易くなり、塗装技術の分野に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の皮膜の構造、特に扁平な金雲母粉末
の堆積状況を示す組織写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板谷 修 京都府京都市西京区松室追上町22番地の1 エリーパート2 401号 インターメタ リックス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着性を有する層が少なくとも一部の表
    面に存在する被処理部品、融点が異なる2種類以上の物
    質からなる粉末−但し、高融点粉末の少なくとも1種は
    形状が扁平である−、前記被処理部品よりも寸法が実質
    的に小さくかつ前記粉末よりは寸法が実質的に大きい皮
    膜形成媒体に容器内にて振動または攪拌を加えて前記被
    処理部品の表面に前記粉末を含む皮膜を形成し、その後
    前記皮膜を前記粉末のいずれかの融点以上ただし前記扁
    平粉末のいずれかの融点以下に加熱することを特徴とす
    る皮膜形成方法。
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