JP4008971B2 - 皮膜形成媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膜が形成される対象となる部品等の各種物品(以下、単に、「対象物品」という。)、対象物品に衝突することにより、表面に付着されている粉体を対象物品に移す、所謂、転写的機能を有する皮膜形成媒体及び対象物品に付着される粉体を加振又は攪拌することにより、対象物品に粉体皮膜を形成するようにした皮膜形成方法や皮膜形成装置に使用される皮膜形成媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、本出願人に係る先の出願である特願平3−224782号(特開平5−302176号)、特願平5−215002号(特開平6−154698号)、特願平5−314521号(特開平7−136577号)、特願平5−355238号(特開平7−195026号)等において、未硬化状態の樹脂や液体等からなる粘着層が形成された対象物品、同じく粘着層が形成された皮膜形成媒体及び対象物品に付着される粉体を加振又は攪拌することにより、対象物品に粉体皮膜を形成するようにした皮膜形成方法や皮膜形成装置等を提案した。そして、上記の皮膜形成方法や皮膜形成装置等においては、金属やセラミックス製の球体等の種々の形状をした皮膜形成媒体が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した皮膜形成方法や皮膜形成装置等においては、粉体が付着された皮膜形成媒体が、粘着層が形成された対象物品に衝突することにより、皮膜形成媒体に付着している粉体が、あたかも皮膜形成媒体から対象物品に転写するように、対象物品に移行し、また、粉体が対象物品に直接付着する。このようにして、対象物品に付着した粉体が、皮膜形成媒体により叩かれることにより、より強固に対象物品に付着して、粉体皮膜が形成されることになる。
【0004】
ところが、対象物品との衝突、皮膜形成媒体同士の衝突及び加振或いは攪拌装置の容器壁との衝突を繰り返しているうちに、皮膜形成媒体に付着した粉体が固化していき、図3に示されているように、皮膜形成媒体mが、対象物品pに衝突した際に、皮膜形成媒体mの周囲の固化して硬くなった粉体層m1が、対象物品pに形成された粘着層p1の一部p1’をはぎ取り、対象物品pの粘着層p1にピンホール等の凹部p2が形成されるという問題があった。
【0005】
また、粉体として、所定の温度で溶融或いは軟化する粉体と、該所定の温度では溶融或いは軟化しない偏平な粉体との混合粉体を使用し、該混合粉体を、対象物品に付着させて粉体皮膜を形成した後に、該対象物品に熱処理を施して、所定の温度で溶融或いは軟化する粉体を溶融或いは軟化させて、該溶融或いは軟化した粉体を介して、上記の偏平な粉体同士を接着することにより、高強度性、高耐食性、高絶縁性等の機能を付与したり、膜の平滑性を付与したり、また、粉体皮膜形成後、熱処理時に、溶融又は軟化する粉体成分が、対象物品の自重のために押出されて側方部にはみ出して、ばりを形成したり対象物品を保持している網等の形が対象物品に転写されて、対象物品の底部に好ましくない跡が形成されるのを防止すること(以下、このような偏平な粉体が奏する機能を、単に、「偏平粉体の機能」と称する。)が行われている。このような粉体皮膜形成過程において、偏平な粉体が、皮膜形成媒体同士、又は、皮膜形成媒体と容器壁との衝突により破砕されて、使用した偏平な粉体の機能が損なわれるという問題がある。
【0006】
また、粉体層が固化しておらず、硬くなっていない状態の皮膜形成媒体の時に形成された粉体皮膜中では、偏平のままの粉体が含まれており、従って、上述した偏平な粉体の機能を有する対象物品となるが、時間が経って、粉体層が固化して硬くなった状態の皮膜形成媒体の時に形成された粉体皮膜では、偏平な粉体が破砕されたり、対象物品に形成された粘着層の一部がはぎ取られるために、偏平な粉体の機能を有する粉体皮膜が形成されない。このように、粉体皮膜形成を長時間続けていると、形成される粉体皮膜の機能に経時的な変化が生じたり、偏平な粉体を含む粉体皮膜を有する対象物品と、破砕された偏平な粉体を含む粉体皮膜を有する対象物品とでは、乱反射の程度に差ができるために、対象物品の色がだんだん変ってくるという問題がある。
【0007】
更にまた、固化して硬くなった粉体層を皮膜形成媒体から除去することは困難であり、また、除去しようとすると、その除去作業に時間とコストがかかるために、このような皮膜形成媒体は廃棄されていた。
【0008】
本発明の目的は、上述した皮膜形成媒体が有する課題を解決するとともに、生産的で、且つ、生産コストの安価な皮膜形成媒体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、粘着層が形成された対象物品、皮膜形成媒体及び対象物品に付着される粉体を加振又は攪拌させて、粘着層が形成された対象物品に、直接、粉体を付着させるか、或いは、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を対象物品に衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させて、粘着層が形成された対象物品に、皮膜形成媒体を介して、粉体を付着させるとともに、皮膜形成媒体により叩かれることにより、粉体で覆われた対象物品の表面に押し出された粘着層に,更に、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させ、皮膜形成媒体により叩かれても対象物品に形成された粘着層が表面に押し出されて来なくなったところで、対象物品への粉体の付着が終了するように構成された皮膜形成装置に使用される皮膜形成媒体において、前記皮膜形成媒体の表面に、硬度10〜70度のゴム皮膜が施されているとともに、前記皮膜形成媒体の直径を、0.3〜数mm程度としたものであり、第2には、ゴム皮膜に、ゴムより高比重を有する物質からなる粉体又は粒子を含入させたものであり、第3には、皮膜形成媒体の製造方法が、粘着層が形成された対象物品、皮膜形成媒体及び対象物品に付着される粉体を加振又は攪拌させて、粘着層が形成された対象物品に、直接、粉体を付着させるか、或いは、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を対象物品に衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させて、粘着層が形成された対象物品に、皮膜形成媒体を介して、粉体を付着させるとともに、皮膜形成媒体により叩かれることにより、粉体で覆われた対象物品の表面に押し出された粘着層に,更に、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させ、皮膜形成媒体により叩かれても対象物品に形成された粘着層が表面に押し出されて来なくなったところで、対象物品への粉体の付着が終了するように構成された皮膜形成装置に使用される皮膜形成媒体とゴム皮膜原液とを加振装置に投入し、混合するとともに加振することにより、皮膜形成媒体の表面にゴム皮膜原液を付着させる工程と加振装置に潤滑材を投入し、ゴム皮膜原液が付着された皮膜形成媒体を分離分散させる工程と皮膜形成媒体の表面に付着したゴム皮膜原液を硬化させる工程とからなるものである。
【0010】
【実施例】
上述した先の出願においては、一例として、図1に示されているような加振装置Vが開示されている。加振装置Vの機台1には、コイルスプリング2を介して振動板3が配置されており、振動板3上に立設された垂直軸4の上端部に、容器5の中央部に形成された柱状部5aが取着されている。また、振動板3の下面にはモーター6が配設されており、モーター6の出力軸6aには板状の重り7が偏心して取着されている。そして、モーター6を回転駆動させることにより、偏心した重り7が回転されるので、振動板3上に立設された垂直軸4を介して容器5が加振される。このような構成の加振装置Vの容器5に、表面に未硬化樹脂等の粘着層が形成された対象物品p、同じく表面に未硬化樹脂等の粉体層が形成された皮膜形成媒体m及び粉体等を入れるとともに、容器5に振動を与えて、対象物品pの表面に粉体皮膜を形成する。なお、加振装置としては、螺旋状に巻回された管体を振動させるようにしたもの、振動体を容器内に配置するもの等、種々の加振装置を使用することができる。また、攪拌装置としては、容器全体を回転させるもの、容器に攪拌羽根を入れて該攪拌羽根を回転させるもの、容器のうちで、底だけが回転して、内容物を回転させるもの等、種々の攪拌装置を使用することができる。
【0011】
また、上述した加振、攪拌に代えて、粉体が付着している皮膜形成媒体を、粘着層が形成された対象物品の表面に落下させることにより、皮膜形成媒体に付着している粉体を、対象物品に移行させて、粉体皮膜を形成することもできる。更には、粉体が付着している皮膜形成媒体をノズル等から噴出させて、該皮膜形成媒体を、粘着層が形成された対象物品に衝突させることにより、皮膜形成媒体に付着している粉体を、対象物品に移行させて、粉体皮膜を形成することもできる。
【0012】
そして、表面に粘着層が形成された対象物品に、直接に或いは皮膜形成媒体を介して付着された粉体は、皮膜形成媒体により叩かれて、対象物品の表面に形成された粘着層に圧接或いは圧入され強固に付着するとともに、皮膜形成媒体により叩かれることにより、粉体で覆われた対象物品の粘着層が粉体の表面に押し出され、更に、押し出された対象物品の粘着層の上に,皮膜形成媒体に付着している粉体が,皮膜形成媒体が対象物品に衝突することにより、対象物品の粘着層に移行し対象物品への粉体の付着が進行する。そして、対象物品が、皮膜形成媒体により叩かれても対象物品の粘着層が粉体の表面に押し出されて来なくなったところで、対象物品への粉体の付着、即ち、粉体皮膜の形成が終了することになる。
【0013】
本発明者は、上述した皮膜形成媒体の表面にゴム皮膜を形成することにより、上述した発明が解決しようとする課題に列挙されているような問題を解決するに至ったものである。以下に、その詳細について説明する。
【0014】
図2を用いて、皮膜形成媒体の表面にゴム皮膜を形成する工程について説明する。
【0015】
先ず最初に、ウレタンゴム等のゴム原液を、メチルエチルケトン(MEK)等の希釈液で薄めてゴム皮膜原液を作る。また、上述した対象物品への粉体皮膜形成に使用した、一例としての加振装置Vの容器5に、所定量の皮膜形成媒体mを投入しておく。勿論、皮膜形成媒体mを振動することができるものであれば、図1に示されているような加振装置に限定されるものではないし、また、公知の種々の攪拌装置を使用することができる。
【0016】
次いで、図2(a)に示されているように、加振装置Vを作動させて、容器5に投入された皮膜形成媒体mを加振させるとともに、ゴム皮膜原液gを容器5に注入する。所定時間、ゴム皮膜原液gと皮膜形成媒体mを加振して、皮膜形成媒体mの表面にゴム皮膜原液gを均一に付着させる。次いで、図2(b)に示されているように、加振装置Vを作動させながら、温風を発生するような適当な乾燥装置dを用いて、希釈液を蒸発させる。その後、加振装置Vを作動させたままで、凝集して塊になった皮膜形成媒体mを、個々の皮膜形成媒体mに分離、分散させるために、図2(c)に示されているように、容器5に、4フッ化エチレン樹脂粉末等の潤滑材sを投入する。その後、皮膜形成媒体mを、容器5から取り出し、図2(d)に示されているように、熱処理装置hの中に入れて、皮膜形成媒体mの表面に被覆されたゴム皮膜を一時的に仮硬化させる。次いで、必要に応じて、攪拌して、皮膜形成媒体mを、個々の皮膜形成媒体mに分離した後、再度、図2(e)に示されているように、皮膜形成媒体mを、熱処理装置hの中に入れて、皮膜形成媒体mの表面に被覆されたゴム皮膜を硬化させる。
【0017】
なお、容器5に投入された皮膜形成媒体mを加振させるとともに、ゴム皮膜原液gを容器5に注入することにより、皮膜形成媒体mの表面にゴム皮膜原液gを付着する代わりに、皮膜形成媒体を、ゴム皮膜原液が入った槽に浸漬することにより、皮膜形成媒体mの表面にゴム皮膜原液gを付着することも、また、皮膜形成媒体にゴム皮膜原液を噴霧することにより、皮膜形成媒体mの表面にゴム皮膜原液gを付着することもできる。
【0018】
上述したようなゴム皮膜形成工程により、皮膜形成媒体の表面にゴム皮膜を形成する。また、このようなゴム皮膜形成工程を、何回か繰り返して行うことにより、所望の厚さのゴム皮膜を形成することができる。このようなゴム皮膜を形成することにより、ゴム皮膜自体が有する粘着性により、皮膜形成媒体に、未硬化状態の樹脂や液体等からなる粘着層を形成しなくても、皮膜形成媒体の表面に粉体が付着することができる。従って、ゴム皮膜が形成された皮膜形成媒体を使用することにより、上述した、皮膜形成媒体の表面に形成した粉体層の固化により惹起される種々の問題が解決できる。
【0019】
皮膜形成媒体の表面に形成されるゴム皮膜のゴム硬度は、10〜70度とすることが好ましく、20〜60度の範囲がより好ましい。更には、30〜50度が最も好ましい。ゴム硬度が10度未満の場合には、皮膜形成媒体の対象物品への衝撃力が弱く、従って、皮膜形成媒体の表面に付着した粉体の対象物品への移行が円滑に行えなくなったり、或いは、対象物品の表面に形成された粘着層に、粉体が強く圧接或いは圧入されないために、粉体皮膜の強度が充分でなくなる。また、ゴム硬度が70度を越えると、上述した粉体層が固化し硬くなった皮膜形成媒体の場合と同様に、皮膜形成媒体が、対象物品に形成された粘着層の一部をはぎ取り、対象物品の粉体皮膜にピンホール等の凹部を形成するとか、或いは、粉体に偏平な粉体が含まれている場合には、偏平な粉体が、皮膜形成媒体同士、又は、皮膜形成媒体と容器壁との衝突により破砕される等の問題が発生することになる。
【0020】
また、上述したように、凝集して塊になった皮膜形成媒体を、個々の皮膜形成媒体に分離、分散させるために付加される潤滑材として、4フッ化エチレン樹脂粉末のような静電気が発生しやすい粉末を使用することにより、皮膜形成媒体の表面に形成されたゴム皮膜自体の粘着性に加えて、潤滑材の静電気により、皮膜形成媒体の表面への粉体の付着が促進され、対象物品への粉体皮膜形成時間が短縮されることになる。
【0021】
皮膜形成媒体の大きさは、皮膜形成媒体が球体の場合には、一般的には、直径0.3〜数mm程度であるが、皮膜形成媒体の衝撃力を増すために、皮膜形成媒体の大きさを変えずに、皮膜形成媒体を重くしたい場合には、ゴム皮膜原液に鉄やステンレスやタングステン等の比重が大きい物質からなる粉末や粒子を混入し、皮膜形成媒体の表面に、これらの粉末や粒子が含入されたゴム皮膜を形成することができる。このように、皮膜形成媒体の大きさを変えずに皮膜形成媒体を重くすることにより、対象物品に、より強固な粉体皮膜を形成することができるとともに、粉体皮膜形成時間を短縮することができる。また、このような高比重物質からなる粉末や粒子が含入されたゴム皮膜を形成する代わりに、皮膜形成媒体全体を、金属粉や金属粒子が含入されたゴムで形成することもできる。
【0022】
上述したように、皮膜形成媒体の大きさを0.3mm以上としたが、皮膜形成媒体が0.3mm未満であると、充分な衝突力を対象物品に加えることができなくなるとともに、対象物品に形成される粉体皮膜中に取り込まれる恐れがある。また、皮膜形成媒体が大きすぎると、対象物品の表面に均一な衝突力を加えることができなかったり、対象物品の凹部や隅部に、皮膜形成媒体が入り込めず、このような場所に、粉体皮膜が形成されないという問題が生じる。
【0023】
以下に、本発明のより具体的な実施例について説明する。
【0024】
(1)ウレタンゴム原液25gを100ccのMEK希釈液で希釈してゴム皮膜原液を作った。
(2)直径1mmのセラミックス製の球体からなる皮膜形成媒体を1リットル、加振装置の容器に投入し、皮膜形成媒体を加振するとともに、上記のゴム皮膜原液を容器に注入した。
(3)皮膜形成媒体がゴム皮膜原液で万遍なく被覆された後に、加振装置を作動させたままで、15〜20分間、容器内に熱風を送り、MEK希釈液を蒸発させた。
(4)次いで、加振装置を作動させたまま、粒度が8μm以下の4フッ化エチレン樹脂粉末を添加して、個々の皮膜形成媒体に分離、分散させた。
(5)その後、加振装置の容器から皮膜形成媒体を取り出し、80°Cの温度の熱処理装置に20〜30分間入れて、仮硬化させた。
(6)次いで、熱処理装置から出した後、更に、攪拌して、皮膜形成媒体を分離、分散させた。
(7)次いで、皮膜形成媒体を、再度、80°Cの温度の熱処理装置に60分間入れて、ゴム皮膜を完全に硬化させた。形成されたゴム皮膜の硬度は40度であり、ゴム皮膜の厚さは略10μmであった。
(8)上述した(1)〜(7)からなるゴム皮膜形成工程を15回繰り返して行い、皮膜形成媒体の表面に、厚さ略150μmのゴム皮膜を形成した。
【0025】
上述した皮膜形成媒体を使用するとともに、粉体としては、粒度が2〜3μmのエポキシ樹脂粉末80重量%、粒度が10μmのマイカ10重量%及びアルミニウム偏平粉体10重量%からなる混合粉体を使用して、円筒状の対象物品に粉体皮膜を形成した。加振装置に投入され、10分後に取り出された粉体皮膜が形成された対象物品と、12時間、加振装置に投入された後に取り出された粉体皮膜が形成された対象物品とを熱処理炉に投入し、180°Cで20分間硬化した。その後、対象物品を切断して、その断面を調べたところ、12時間、加振装置に投入されていた対象物品の皮膜中のアルミニウム偏平粉体と、10分間、加振装置に投入されていた対象物品の皮膜中のアルミニウム偏平粉体とは、殆ど変化はなかった。このように、ゴム皮膜が形成された皮膜形成媒体を使用することにより、アルミニウム偏平粉体等の偏平粉体の破砕が防止できる。
【0026】
なお、上述したゴム皮膜形成工程において、粘性が低いものであれば、ゴム皮膜原液を希釈する必要がないことは当然であり、また、潤滑材を使用することなく、ゴム皮膜の硬化中に、皮膜形成媒体を加振することにより、個々の皮膜形成媒体に分離することもできる。更に、必要に応じて、仮硬化工程を省略することもできる。
【0027】
上述した皮膜形成媒体の材質としては、鉄、炭素鋼、その他合金鋼、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、その他各種金属、合金製或いはAl2 3 ,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,SiC等のセラミックス製、ガラス、更には、硬質プラスチック等を用いることができる。また、皮膜成形の際に充分な打撃力が加えられるのであれば、硬質のゴムも使用することができる。 また、これら皮膜形成媒体のサイズ、材質等は、対象物品の形状及びサイズ、使用する粉体の材質等に応じて適宜選択することができる。更に、複数のサイズ及び材質の皮膜形成媒体を混合して使用することもできる。また、上述した皮膜形成媒体の形状としては、球状、楕円形、立方体、三角柱、円柱、円錐、三角錐、四角錐、菱面体、不定型体、その他各種形状のものを採用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏することができる。
【0029】
粉体層が固化して硬くなった皮膜形成媒体による、対象物品に形成された粘着層のはぎ取りが防止できる。
【0030】
粉体層が固化して硬くなった皮膜形成媒体による、対象物品に形成される粉体皮膜中に存在する偏平な粉体の破砕が防止できるので、安定して、強固な粉体皮膜を形成することができる。
【0031】
皮膜形成媒体を廃棄することなく、繰り返し使用することができるので、粉体皮膜が形成された対象物品の製造コストの低減化を実現することができる。
【0032】
ゴム皮膜に金属粉或いは金属粒子を含入させたので、皮膜形成媒体の大きさを変えることなく、その重量を、適宜、調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は一例としての粉体皮膜形成装置の一部断面を含む正面図である。
【図2】図2は皮膜形成媒体へのゴム皮膜形成工程を説明するための模擬図である。
【図3】図3は対象物品の粘着層に凹部が形成された状態を説明するための模擬図である。
【符号の説明】
V・・・・・加振装置
d・・・・・乾燥装置
h・・・・・熱処理装置
m・・・・・皮膜形成媒体
p・・・・・対象物品
5・・・・・容器

Claims (3)

  1. 粘着層が形成された対象物品、皮膜形成媒体及び対象物品に付着される粉体を加振又は攪拌させて、粘着層が形成された対象物品に、直接、粉体を付着させるか、或いは、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を対象物品に衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させて、粘着層が形成された対象物品に、皮膜形成媒体を介して、粉体を付着させるとともに、皮膜形成媒体により叩かれることにより、粉体で覆われた対象物品の表面に押し出された粘着層に,更に、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させ、皮膜形成媒体により叩かれても対象物品に形成された粘着層が表面に押し出されて来なくなったところで、対象物品への粉体の付着が終了するように構成された皮膜形成装置に使用される皮膜形成媒体において、前記皮膜形成媒体の表面に、硬度10〜70度のゴム皮膜が施されているとともに、前記皮膜形成媒体の直径が、0.3〜数mm程度であることを特徴とする皮膜形成媒体。
  2. ゴム皮膜に、ゴムより高比重を有する物質からなる粉体又は粒子を含入させたことを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成媒体。
  3. 粘着層が形成された対象物品、皮膜形成媒体及び対象物品に付着される粉体を加振又は攪拌させて、粘着層が形成された対象物品に、直接、粉体を付着させるか、或いは、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を対象物品に衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させて、粘着層が形成された対象物品に、皮膜形成媒体を介して、粉体を付着させるとともに、皮膜形成媒体により叩かれることにより、粉体で覆われた対象物品の表面に押し出された粘着層に,更に、表面に粉体が付着されている皮膜形成媒体を衝突させることにより、皮膜形成媒体の表面に付着されている粉体を対象物品に移行させ、皮膜形成媒体により叩かれても対象物品に形成された粘着層が表面に押し出されて来なくなったところで、対象物品への粉体の付着が終了するように構成された皮膜形成装置に使用される皮膜形成媒体とゴム皮膜原液とを加振装置に投入し、混合するとともに加振することにより、皮膜形成媒体の表面にゴム皮膜原液を付着させる工程と加振装置に潤滑材を投入し、ゴム皮膜原液が付着された皮膜形成媒体を分離分散させる工程と皮膜形成媒体の表面に付着したゴム皮膜原液を硬化させる工程とからなることを特徴とする皮膜形成媒体の製造方法。
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