JP3435549B2 - 粉体皮膜形成方法 - Google Patents

粉体皮膜形成方法

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JP3435549B2 JP31452193A JP31452193A JP3435549B2 JP 3435549 B2 JP3435549 B2 JP 3435549B2 JP 31452193 A JP31452193 A JP 31452193A JP 31452193 A JP31452193 A JP 31452193A JP 3435549 B2 JP3435549 B2 JP 3435549B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の産業分野で使用
される各種部品或いは物品の表面に、粉体を付着させて
皮膜を形成する粉体皮膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の産業分野で使用される各種
部品或いは物品(以下、単に、「部品」という。)の表
面に粉体を付着させて皮膜を形成する方法としては、予
備加熱した部品に粉体を散布、粉霧等により付着させ、
その後、粉体を溶融させて皮膜を形成する粉体塗装方
法、予め粘着性を付与した部品に粉体を接触させ、部品
に振動を加えて粉体を付着させて皮膜を形成する粉体被
覆方法、粉体を適当な樹脂媒体とともにスプレーにより
部品に吹き付けて皮膜を形成した後、樹脂を硬化させて
皮膜を形成するスプレー塗装方法或いは電荷を持つ粉体
が懸濁された液体に部品を浸漬し、外部電源により部品
に電圧を印加することにより、電荷を持った粉体が部品
に引きつけられ、部品を粉体で覆い、その後、粉体を溶
融して皮膜を形成する電着塗装方法等種々の粉体皮膜形
成方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の粉体皮膜
形成方法においては、粉体を、単に部品に付着させた状
態で粉体を溶融硬化等させて皮膜を形成したものである
ので、部品への粉体の結合力及び粉体同士の結合力が弱
いために皮膜が剥離しやすく、また、粉体同士の結合力
が弱いために皮膜に部品の表面まで達するような空孔
(ボア)が存在し、従って、部品の耐蝕性が低下したり
或いは絶縁性、導電性等の機能を有するように皮膜を施
したような場合にも、このような機能を十分に果たすこ
とができない等の問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記のような従来の粉体
皮膜形成方法が有する課題を解決し、耐蝕性或いは表面
の平滑性等の諸性能の向上した粉体皮膜を形成すること
ができる粉体皮膜形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1には、粉体皮膜が形成される部品に粘着層を
形成する工程、粘着層が形成された部品、粉体及び皮膜
形成媒体等からなる混合体に振動又は攪拌処理を施すこ
とにより粘着層が形成された部品の表面に粉体皮膜を形
成する粉体皮膜形成工程、該粉体皮膜が形成された部品
を加熱し、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟化させ
る中間熱処理工程、該溶融或いは軟化した粉体に粒子を
衝突させて粉体を高密度に凝集化させる粉体凝集化工程
及び粘着層を構成する物質を硬化或いは除去するための
最終熱処理工程とからなる粉体皮膜形成方法に関するも
のであり、第2には、粉体皮膜が形成される部品に粘着
層を形成する工程、粘着層が形成された部品、粉体及び
皮膜形成媒体等からなる混合体に振動又は攪拌処理を施
すことにより粘着層が形成された部品の表面に粉体皮膜
を形成する粉体皮膜形成工程、該粉体皮膜が形成された
部品を加熱し、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟化
させる中間熱処理工程と該粉体の一部或いは全部が溶融
或いは軟化された部品、粉体及び皮膜形成媒体等からな
る混合体に振動又は攪拌処理を施すことにより部品の表
面に粉体皮膜を再度形成する粉体皮膜形成工程とを所定
回数実施する工程、粉体皮膜が形成された部品を再度加
熱し、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟化させる中
間熱処理工程を実施した後に、該溶融或いは軟化した粉
体に粒子を衝突させて粉体を高密度に凝集化させる粉体
凝集化工程及び粘着層を構成する物質を硬化或いは除去
するための最終熱処理工程とからなる粉体皮膜形成方法
に関するものである。
【0006】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実施例に限定
されるものではない。
【0007】本発明の粉体皮膜形成方法を構成する必須
の工程は、(a)粉体皮膜が形成される部品の表面に粉
体を付着させるための粘着層を形成する工程(以下、単
に、「粘着層形成工程」ともいう。)、(b)粘着層が
形成された部品、粉体、皮膜形成媒体等からなる混合体
に振動又は攪拌処理を施して、部品の表面に粉体皮膜を
形成する工程(以下、単に、「粉体皮膜形成工程」とも
いう。)、(c)主として、粘着層の形成に使用された
樹脂等を硬化させるために、粉体皮膜が形成された部品
に熱処理を施す工程(以下、単に、「最終熱処理工程」
ともいう。)である。
【0008】また、上述した必須の工程に、必要に応じ
て適宜付加することによって、更に、粉体皮膜の諸性能
を向上させる付加的工程としては、(d)粉体皮膜或い
は粉体の剥離を防止するために、上記の(b)の粉体皮
膜形成工程により粉体皮膜が形成された部品に熱処理を
施して、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟化させ
て、粉体同士の結合力を強める工程(以下、単に、「中
間熱処理工程」ともいう。)、(e)上記の(d)の中
間熱処理工程により、粉体の一部或いは全部が溶融或い
は軟化状態にある部品に粒子を衝突させて、粉体を凝集
化、高密度化する工程(以下、単に、「粉体凝集化工
程」ともいう。)がある。
【0009】以下に、上述した各工程(a)〜(e)に
ついて説明するが、先ず最初に、必須の工程(a)〜
(c)について説明する。
【0010】(a)粘着層形成工程 本発明の粉体皮膜形成方法においては、先ず、部品の所
定の表面に、粉体の付着に必要な粘着力を有する粘着層
が形成されなければならない。粘着層は、未硬化状態の
樹脂やその他の液状或いは半液状物質等により形成する
ことができるが、未硬化状態のエポキシ、フェノール等
の樹脂、各種モノマー等を使用することが好ましい。ま
た、これらの粘着層を形成する物質は、加熱により硬化
する方が好ましいが、必ずしも硬化しなくてもよいし、
加熱により蒸発してしまう物質であってもよい。また、
部品或いは部品の表面層が樹脂の場合には、樹脂の表面
を溶媒で溶かし粘着層を形成することもできる。なお、
便宜的に、後述する本発明の実施例の説明においては、
主として、加熱により硬化する樹脂を使用した場合が示
されている。
【0011】部品の表面に形成される粘着力を有する粘
着層は、部品、粉体及び後述する皮膜形成媒体とともに
粘着層を形成する物質に同時に振動又は攪拌処理を施す
ことにより形成することができるが、予め、部品の表面
に粘着層を形成しておくこともできる。予め、部品の表
面に粘着層を形成した場合には、振動又は攪拌処理は、
粘着層が形成された部品、粉体及び皮膜形成媒体等に施
すことになる。また、粘着層の厚さは、形成する皮膜の
厚さ、粉体或いは皮膜形成媒体の材質等により適宜設定
する。なお、便宜的に、後述する本発明の実施例の説明
のおいては、予め粘着層が形成された部品を使用した場
合が示されている。
【0012】(b)粉体皮膜形成工程 粘着層が形成された部品は、粉体及び粒子等からなる皮
膜形成媒体等で充填された加振装置或いは攪拌装置に投
入されて、部品の表面に粉体皮膜が形成されることにな
る。上記の粘着層が形成された部品、粉体等とともに、
振動又は攪拌処理が施される皮膜形成媒体は、部品の表
面の粘着層に付着した粉体を打撃し、粉体を粘着層に圧
入或いは押圧し、より強固に粉体を粘着層に付着させる
機能を有し、また、粘着層に付着した粉体を打撃するこ
とにより、粉体の下の粘着層を構成する物質を粉体の表
面に押し出し、更に、押し出された粘着層を構成する物
質に粉体を付着させ、多層に、しかも、高密度に粉体を
部品の表面に付着させる機能を有し、更には、粉体が付
着している皮膜形成媒体が部品に衝突することにより、
皮膜形成媒体に付着している粉体が部品に移されとい
う、一種の転写的な作業が行われ、粉体の部品の表面へ
の強力な付着が促進されるという機能を有するものであ
る。粘着層に付着した粉体を、皮膜形成媒体が打撃して
も、粉体の下の粘着層が表面に押し出されなくなった時
点で部品への粉体の付着が停止する、即ち、粉体皮膜形
成が終了することになる。
【0013】皮膜形成媒体に付着している粉体が部品に
移されるという、一種の転写的な作業による部品の表面
への粉体の付着は、後述するように非常に多くの皮膜形
成媒体が万遍なく部品の表面に衝突するので、部品の表
面に均一な粉体の付着層が形成されることになり、従っ
て、部品に均一な皮膜を形成することができる。
【0014】以下に、上述した皮膜形成媒体について説
明するが、皮膜形成媒体は、打撃力を発生して皮膜の形
成の媒介をする機能を有するが、それ自身は実質的に皮
膜の成分にはならない。
【0015】皮膜形成媒体は、部品よりも寸法が実質的
に小さく、且つ、粉体よりは寸法が実質的に大きいこと
が重要である。部品より大きい皮膜形成媒体は、部品の
表面に均一な打撃を加えることができず、また、粉体よ
りも小さいと皮膜形成媒体自体が、形成される粉体皮膜
中に捕捉されてしまうことになり好ましくない。但し、
皮膜形成媒体の全体の体積比で70%以下の範囲であれ
ば、部品よりも大きな皮膜形成媒体が含まれていてもよ
い。
【0016】打撃力をある程度集中させる方が、粉体の
粘着層への圧入或いは押圧が促進されるために、例え
ば、球状の皮膜形成媒体を使用する場合は、その直径が
0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ま
しい。他の形状の皮膜形成媒体を使用する場合もこれに
準ずることが好ましい。また、皮膜形成媒体が部品より
も小さいとは、皮膜形成媒体の一つ一つを同体積の球で
置き換えたとき、その直径が部品の差し渡しのうち最大
のものよりも小さいことを意味するものである。ただ
し、深い凹部や鋭いコーナ内面に皮膜形成を行う必要が
ある場合には、0.1mm程度の直径の皮膜形成媒体を
使用することもある。この場合には、粘着層に皮膜形成
媒体が捕獲されないように、皮膜形成媒体はできるだけ
密度の高い物質で作られていることが望ましい。。更
に、粉体に対して、平均寸法で上述したような要件を充
たしていれば所望の打撃力を発生することができる。即
ち、皮膜形成媒体となる粒子の一部が粉体より小さくて
も、平均寸法で皮膜形成媒体が粉体より大きければ所望
の打撃力を発生することができる。但し、これら粉体よ
り細かい皮膜形成媒体は皮膜中にとりこまれる恐れがあ
るので、できるだけ含まれないことが望ましい。
【0017】また、上述した皮膜形成媒体の材質は次の
要件を満たしていることが重要である。即ち、粉体皮膜
形成後に皮膜形成媒体を観察して肉眼で認められるよう
な大きな形状変化がなく、且つ、粉体皮膜形成過程にお
いて弾性変形が極端に大きくならないことが重要であ
り、従って、例えば、軟質ゴム等の材質で皮膜形成媒体
を製造することは好ましくない。また、長期的使用によ
る若干の摩耗は避けられないが、割れ、欠け、急激な摩
耗等が発生しないことが重要である。これらの要件を満
たさない材質の皮膜形成媒体を使用すると、部品との衝
突により、皮膜形成媒体が塑性変形を起こしたり或いは
軟質ゴムのように極端に大きな弾性変形を起こしたりす
ることになり、従って、部品に与える打撃力が不足して
所望の粉体皮膜が形成されないことになる。また、割
れ、欠け、急激な摩耗が起こると、皮膜形成媒体の耐用
寿命が短くなり、粉体皮膜が形成された部品の生産性、
作業性或いは経済性等の面から好ましくない。
【0018】皮膜形成媒体は、鉄、炭素鋼、その他合金
鋼、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合
金、その他各種金属、合金製或いはAl2 3 ,SiO
2 ,TiO2 ,ZrO2 ,SiC等のセラミックス製、
ガラス、更には、硬質プラスチック等を用いることがで
きる。また、粉体皮膜成形の際に充分な打撃力が加えら
れるのであれば、硬質のゴムも使用することができる。
これら皮膜形成媒体のサイズ、材質等は部品の形状及び
サイズ、使用する粉体の材質等に応じて適宜選択するこ
とができる。更に、複数のサイズ及び材質の皮膜形成媒
体を混合して使用することもできるし、また、皮膜形成
媒体に表面処理、表面皮膜を施して使用することもでき
る。更には、複数の上記材料によって構成された複合皮
膜形成媒体を用いてもよい。
【0019】打撃力の緩和及び平均化を行い、形成され
る粉体皮膜の均質性、膜厚のばらつきを抑えるために、
木粉、軟質ゴム、軟質プラスチック等軟質の皮膜形成媒
体を前記硬質の皮膜形成媒体に対し適宜混合することも
できるが、このような軟質の皮膜形成媒体は、使用され
る全皮膜形成媒体の体積比の50%以下であることが好
ましい。これら軟質の皮膜形成媒体は、単独ではほとん
ど有効な打撃力を発生することができないので、前記硬
質の皮膜形成媒体と併用されることになる。また、皮膜
形成媒体の表面に硬化した樹脂、未硬化樹脂又は揮発性
液体の皮膜を形成することもできる。このような皮膜
は、一旦は粉体を皮膜形成媒体表面に均一に付着させる
ことを助長し、その後、振動又は攪拌作業中に粉体を皮
膜形成媒体表面から離脱させて部品に粉体を付着させ
る。このような過程により粉体が部品の表面により一層
均一に付着する。
【0020】上述した皮膜形成媒体は、球状、楕円形、
立方体、三角柱、円柱、円錐、三角錐、四角錐、菱面
体、不定型体、その他各種形状のものを使用することが
でき、これら形状の皮膜形成媒体を単独で、或いは、適
宜混合して使用することもできる。
【0021】(c)最終熱処理工程 粉体皮膜が形成された部品に最終熱処理を施す工程の一
つの目的は、粘着層の形成に使用された粉体皮膜に残存
する液状物質の硬化或いは除去であり、他の目的は、粉
体皮膜を構成する粉体同士或いは粉体皮膜と部品との間
の結合力を、熱拡散により増大することである。
【0022】熱処理温度は、粉体の融点以下で、融点の
略1/3以上の範囲で熱処理することが好ましい。この
熱処理温度は、当然に、部品の融点より低くなければな
らないので、熱処理温度より融点が高い物質からなる部
品に、この熱処理工程が適用されることになる。また、
このような熱処理は、大気中で行うこともできるが、粉
体が耐錆性が低い物質の場合には、真空中或いは不活性
ガス中で行うことが好ましい。
【0023】(d)中間熱処理工程 次に、上述した必須の工程に、必要に応じて適宜付加さ
れる付加的工程の一つである粉体皮膜或いは粉体の剥離
を防止するために、上記の(b)の粉体皮膜形成工程に
より粉体皮膜が形成された部品に熱処理を施して、粉体
の一部或いは全部を溶融或いは軟化させて、粉体同士の
結合力を強める中間熱処理工程について説明する。
【0024】上述したように、この工程は、粉体が付着
した部品を粉体の融点付近或いは融点以上に加熱して、
少なくとも部分的に粉体を溶融或いは軟化することによ
り、或いは、種類の異なる粉体物質からなる混合粉体の
場合には、少なくとも一種類の粉体物質を溶融或いは軟
化させることにより、粉体が皮膜から離脱するのを防止
するとともに、粉体同士の結合を強めて皮膜を強固に
し、また、皮膜中の空隙を溶融した物質で埋めることに
より、空孔の少ない高密度の粉体皮膜にし、更には、粉
体皮膜を平滑にする等により、粉体皮膜の種々の性質が
改良されて高品質の粉体皮膜を形成するものである。
【0025】ここでいう融点とは、物理学的に明確に定
義された融点である必要はなく、粉体の軟化点以上で粉
体同士が表面張力によって互いに合体を始める温度以上
であればよい。また、加熱により、粉体全体が溶融する
必要はなく、粉体の表面付近だけが溶融して粉体同士が
合体してもよい。
【0026】一般に融点が低い物質からなる粉体は、そ
れ自身で強い衝撃により接着しやすい性質を持ってい
る。低融点の粉体のみで本発明の方法により粉体皮膜形
成を行うと、皮膜形成媒体の打撃頻度が高い部分には粉
体皮膜が厚く形成され、打撃頻度が少ない部分には粉体
皮膜が薄く形成され、部品がリング状等のように中空部
分を有しているような場合には、膜厚の内外周差が大き
くなったり、部品間の膜厚のバラツキが大きくなった
り、或いは、粉体皮膜表面の凹凸が激しくなったりす
る。加熱により溶融しない粉体は、付与した粘着層によ
らない、粉体同士の直接の接着を抑制し、膜厚の無制限
の増大を抑制し、膜厚が最初に付与される粘着層の厚さ
によって決められるようになる。このようにして膜厚の
バラツキが少なくなり、膜厚管理がしやすくなる。
【0027】ところで、粉体皮膜形成後に加熱処理を施
した際に、加熱しすぎて溶融した粉体の粘性が低下しす
ぎると、溶融した粉体が液状となって垂れたり、或い
は、部品の表面の平滑さが損なわれる等の問題が生じる
ことになる。従って、好ましくは、粉体皮膜形成後、所
定の温度に加熱した際に、溶融しない粉体物質(以下、
単に、「非溶融粉体」ともいう。)を、該所定の温度に
よる加熱により溶融する粉体物質(以下、単に、「溶融
粉体」ともいう。)に混合し、溶融し液状となった粉体
物質が粉体皮膜層内に浸透し、溶融した粉体物質が液状
となって垂れ下がることを防止するとともに、より強固
な粉体皮膜を形成するように構成することが好ましい。
【0028】また、加熱により溶融しない粉体物質が粉
体皮膜層の形状安定材の役割を果たし、部品の表面の平
滑さが損なわれたり、或いは、部品の底部表面に、部品
の支持のために配置された支持部材、例えば、網状支持
部材の網状の跡が付くようなことが防止できる。更に、
加熱後も溶融しない粉体は、粉体皮膜中に分散して、粉
体皮膜の固さを向上させる。加熱により溶融しない粉体
物質としては、各種塗装に用いられているTiO2やベ
ンガラ等無機物顔料があり、このような顔料は、加熱後
の粉体皮膜中で美観や防食等の機能の向上をも発揮す
る。一方、加熱により融ける粉体としては、エポキシ、
アクリル、ポリエステル等の樹脂粉体、低融点の金属又
は無機粉体を使用することができる。
【0029】粉体は、部品の表面に形成される粘着層を
構成する物質、例えば、未硬化樹脂より固いことが重要
であり、この結果、振動又は攪拌処理中に粉体が未硬化
の樹脂等の粘着層に押し込まれることが可能となり、よ
り強固な粉体皮膜を形成することができる。粉体はあら
ゆる種類の樹脂粉体、金属粉体又は無機物質粉体を単独
で使用することも或いはこれらを2種類以上を混合して
使用することが可能である。また、粉体が部品の表面に
形成される粉体皮膜中に取り込まれるためには、皮膜形
成媒体よりは小さいことが重要である。
【0030】上述した非溶融粉体として、偏平な粉体を
使用することが好ましい。ここで、偏平な粉体(以下、
単に、「偏平粉体」という。)とは、実質的に平坦な面
をもっており、かかる面が粉体の主たる構成面となって
いる円板、平板、わん曲板等である。好ましくは、対向
する平坦面の間隔Hとその平坦面の平均直径(同一面積
の円に換算したときの直径)Dとの関係が、H/D<1
/2であり、より好ましくはH/D<1/4であり、最
も好ましくはH/D<1/6のものである。このような
偏平粉体は、粉体皮膜の膜厚を均一化する効果がある。
【0031】上述したような金属等を用いて、偏平粉体
を成形することができるが、また、偏平粉体としては、
マイカやBN等のように、へき開により偏平になる物質
を使用することもできる。偏平粉末の直径Dは300μ
m 以下が好ましく、この寸法を越えると膜厚の均一度が
低下する。より好ましい寸法は150μm 以下、最も好
ましくは70μm 以下である。また、直径Dが小さいほ
ど膜厚の均一度が高まるが、あまり小さすぎると偏平粉
末の膜厚均一効果が減少するので、偏平粉末の直径D
は、0.1μm 以上、好ましくは、1μm 以上とするこ
とが望ましい。
【0032】更に、粉体には、粉体同士が凝集しないよ
うに、ブロック化防止材を混入させることが好ましい。
このような作用を有するブロック化防止材としては、カ
ーボンブラック、ミクロンサイズの合成シリカ、テフロ
ン粉末(1μm以下)、ステアリン酸亜鉛粉末等を使用
することができる。このようなブロック化防止材を混入
することにより、粉体の凝集が防止できるので、凝集し
た粉体が粉体皮膜中に取り込まれて,粉体皮膜の膜厚が
不均一になるようなことが防止できる。
【0033】粉体の粒度は、振動又は攪拌の強度、部品
のサイズ、形成する粉体皮膜の厚さ及び粉体の材質等に
より変わる。セラミックス粉体等の硬質で変形しにくい
粉体の場合は粒度が小さいことが好ましく、延性に富む
金属粉などの場合はこれより大きくてよいが、一般には
0.01〜500μmの範囲内であることが好ましく、
0.01〜300μmの範囲がより好ましく、0.01
〜100μmの範囲内であることが更に好ましい。一般
に、粉体は粒度が小さいほど粘着層に捕捉されやすい。
また、粒度が小さい粒子は、粘着層上に分散している粉
体の間に打撃により押し込まれ易く、従って、塑性変形
による粉体同士或いは部品との圧着や結合が起こり易い
ので、粉体の粒度が小さいほど、打撃力が小さくて済
み、また粉体皮膜の表面の粗さも小さくなる。 (e)粉体凝集化工程 上述した(d)の中間熱処理工程により、粉体の一部或
いは全部が溶融或いは軟化状態にある部品に粒子を衝突
させて、粉体を凝集化、高密度化する工程について説明
する。
【0034】上述した中間熱処理により、粉体同士の結
合力は増大するが、粉体と部品との結合力或いは粉体同
士が強固に結合した最終皮膜の状態ではなく、言わば、
粉体が仮り固定された状態にある。
【0035】このような、粉体が仮り固定された状態に
ある部品に、粒子を衝突或いは投射させて、粉体が仮り
固定された状態にある粉体皮膜を圧縮させて、粉体皮膜
を構成する粉体が、より凝集化し、より高密度化した状
態となるような粉体凝集化処理を施す。
【0036】粉体凝集化工程には、後述する粉体皮膜形
成工程に使用する加振装置と同様の加振装置を用いるこ
とが好ましい。また、粒子としては、上述した皮膜形成
媒体と同様に、各種金属製、セラミックス製、ガラス製
或いは硬質プラスチック製等の粒子が用いられ、粒子
は、粉体が仮り固定された状態にある粉体皮膜に衝突し
て、仮り固定された粉体をより凝集化し、より高密度化
することが可能な打撃力を加えるような重さ、大きさ及
び強度を有することが必要である。
【0037】加振装置により振動している粒子が、粉体
皮膜に衝突して粉体皮膜に打撃力を与え、粉体皮膜を構
成する粉体を,より凝集化し、より高密度化し、粉体が
凝集化した高密度な粉体皮膜が形成される。
【0038】また、溶融或いは軟化された粉体が粒子に
より叩かれることにより、非溶融粉体がより凝集し、空
孔(ボア)が消失するとともに、溶融粉体が粉体皮膜全
体に行き渡るので、均質な強固な粉体皮膜が形成され
る。更に、仮り固定された状態にある粉体皮膜が、粒子
により万遍なく叩かれるので、粉体皮膜の表面が平滑化
され、より平らな表面を持った粉体皮膜が形成されるこ
とにもなる。上述したように、粉体皮膜形成工程及び仮
り固定された粉体の凝集化工程の両方において、粉体皮
膜に打撃力が加えられるので、より強固で、より平滑な
粉体皮膜を形成することができる。なお、粉体凝集化工
程において、少し加熱することにより、粉体の凝集化、
高密度化を更に促進することができる。
【0039】上述した粉体凝集化工程は、溶融粉体と非
溶融粉体の混合粉体を使用する場合において、非溶融粉
体の比率が高いときに特に有効である。即ち、このよう
な場合には、非溶融粉体同士を接着する接着媒体として
の溶融粉体の量が少ないので、粒子により、溶融或いは
軟化状態にある溶融粉体を含む粉体皮膜を叩くことによ
り、非溶融粉体間の隅々まで溶融或いは軟化状態にある
溶融粉体が行き渡り、粉体皮膜を主として構成すること
になる非溶融粉体同士の溶融或いは軟化した溶融粉体を
介しての接着が強固なものとなり、従って、強固な粉体
皮膜が形成されるとともに、粉体皮膜中に孔(ボア)が
残存することが防止できる。
【0040】一方、溶融粉体の比率が大きい場合には、
非溶融粉体の周囲に存在する粉体は、溶融或いは軟化状
態にある溶融粉体が殆どであるので、粒子により、粉体
皮膜を叩く時間が短くても、溶融或いは軟化した溶融粉
体を介しての非溶融粉体同士の接着が十分に行われるこ
とになるので、強固な粉体皮膜を形成することができ
る。
【0041】次に、上述した各工程の具体的な手段或い
は装置について説明する。先ず最初に粘着層の形成手段
について説明する。図1は、所謂、浸漬方式による粘着
層の形成手段であり、網駕籠t1に収容された部品W
を、粘着層を形成する上述した液状或いは半液状樹脂等
の液状物質が収容された液状物質槽t2に浸漬し、その
後、網駕籠t1を液状物質槽t2から取り出す。部品W
に付着された液状物質は、自然乾燥或いは送風機から送
り出される空気により乾燥され、部品Wの表面に粘着層
が形成される。
【0042】図2は、スプレイ方式による粘着層の形成
手段であり、ベルトコンベヤーt3により搬送される部
品Wは、内壁に螺旋突起t4’が突設された網製の回転
ドラムt4に投入され、部品Wには、網製の回転ドラム
t4内の入口付近に配設されたスプレイ装置t5の噴霧
口t5’から噴霧された液状物質により液状物質が付着
される。液状物質が付着された部品Wは、回転ドラムt
4の螺旋突起t4’に沿って上方に移送され、自然乾燥
されるか或いは送風機t6から送りだされる空気により
乾燥された後、回転ドラムt4から搬出されてベルトコ
ンベヤーt7上に載置される。その後、後述する粉体皮
膜形成装置に搬送される。勿論、ベルトコンベヤーt7
を配設することなく、回転ドラムt4から搬出された粘
着層が形成された部品Wを、回転ドラムt4の出口に配
設された粉体皮膜形成装置に、直に、供給することもで
きる。
【0043】ところで、上述したような液状物質槽t2
から取り出した部品Wの表面に付着された液状物質が、
部品Wの表面に部分的に溜まり、所謂、液溜まりを形成
し、粘着層の厚さが不均一となる一つの原因となってい
る。このような粘着層の厚さが不均一であると、部品W
の表面に形成される粉体皮膜の厚さが不均一となる。以
下に、粘着層の厚さを均一なものとする手段について説
明する。
【0044】粘着層形成工程のこの実施例においては、
部品と後述する粘着層均し媒体の両方に、粘着層を形成
する液状物質を付着させ、次いで、液状物質が付着され
た部品と同じく液状物質が付着された粘着層均し媒体を
混合した状態で、液状物質が付着された部品と粘着層均
し媒体に振動或いは攪拌処理を施しながら液状物質を乾
燥させて、部品に粘着層を形成するものである。
【0045】粘着層を形成する液状物質が付着された部
品と同じく液状物質が付着された粘着層均し媒体を混合
した状態で、液状物質が付着された部品と同じく液状物
質が付着された粘着層均し媒体に振動或いは攪拌処理を
施すことにより、粘着層均し媒体が部品に衝突し、部品
を打撃するので、部品の表面にできた液状物質の液溜ま
り等が除去されるとともに、乾燥過程にある或いは乾燥
後の粘着層が粘着層均し媒体に叩かれて、粘着層の厚さ
の不均一さが解消され、従って、均一な粘着層を形成す
ることができる。
【0046】この工程において、粘着層均し媒体にも液
状物質を付着させた理由は、液状物質が付着されていな
い粘着層均し媒体と液状物質が付着された部品を混合し
振動或いは攪拌処理を施すと、部品に付着した液状物質
が、液状物質が付着されていない粘着層均し媒体に移し
取られ、部品に形成される粘着層が薄くなったり、或い
は、部品の表面から粘着層が剥離される等の問題が惹起
されるからである。
【0047】粘着層均し媒体に関しては、上述した皮膜
形成媒体と同様のものを使用することができ、粘着層均
し媒体の材質、大きさ、重さ等については、部品の材
質、大きさ等或いは液状物質の種類等を考慮して、適
宜、選択することができる。勿論、皮膜形成媒体の場合
と同様に、何種類かの媒体を混合して使用することもで
きる。
【0048】次に、上述した粘着層形成手段の工程図で
ある図3を用いて、より具体的な粘着層形成手段につい
て説明する。図3において、t8は、粘着層均し媒体m
の供給口t8’を有する樋状或いは筒状の搬送装置であ
り、搬送装置t8には振動装置t9が取着されており、
振動装置t9により搬送装置t8に振動を与えることに
より、粘着層均し媒体mを搬送するように構成されてい
る。t10は、搬送装置t8の途中に配設された部品供
給装置であり、部品供給装置t10は、搬送装置t8の
部品投入口t10’に部品Wを投入できるように配置さ
れており、ベルトコンベヤー或いは公知の部品供給装置
等で構成することができる。なお、上記の搬送装置t8
をベルトコンベヤー等の搬送手段により構成することも
できる。
【0049】t11は、搬送装置t8により搬送されて
くる粘着層均し媒体m及び部品Wに粘着層を形成する液
状物質を吹き付けるための噴霧装置であり、噴霧装置t
11の噴霧口t11’は、搬送装置1の粘着層均し媒体
m及び部品Wの排出口t8”の付近に配設されており、
搬送装置t8の振動により、排出口t8”から飛び出て
くる粘着層均し媒体m及び部品Wに万遍なく液状物質を
吹き付けるように構成されている。上記の液状物質の噴
霧に代えて、液状物質の適度な流れを作り、この流れを
部品Wと粘着層均し媒体mに当てるように構成すること
もできる。
【0050】t12は、部品W及び粘着層均し媒体mを
通さない大きさの網み目を有する網製の円筒体t12’
の内壁に螺旋状突起t12”が配設された、図示されて
いない適当な駆動手段により回転される回転搬送装置で
あり、回転搬送装置t12は、円筒体t12’の軸線が
上向きに傾斜するように配置されている。t13は、回
転搬送装置t12の外部近傍に配設された送風装置であ
り、回転搬送装置t12により搬送されてくる粘着層均
し媒体m及び部品Wに付着された液状物質を乾燥させる
ために、粘着層均し媒体m及び部品Wに室温風或いは温
風を吹き付けるためのものである。回転搬送装置t12
が、粘着層均し媒体m及び部品Wに付着された液状物質
を自然乾燥するのに十分な長さを有する場合には、この
ような送風装置t13を省略することもできる。なお、
上述した搬送装置t8の排出口t8”及び噴霧装置4の
噴霧口t11’は、回転搬送装置t12の網製円筒体t
12’の入り口側内部に配設されている。
【0051】粘着層均し媒体m及び部品Wに付着した液
状物質以外の余分な液状物質、例えば、回転搬送装置t
12の網製円筒体t12’から滴として落ちる液状物質
等は、適宜回収され再使用されるとともに、また、蒸発
する溶媒や液状物質も回収されリサイクルされて、繰り
返し使用される。
【0052】t14は、回転搬送装置t12から搬出さ
れてくる粘着層が形成された部品Wを収容する、粘着層
均し媒体mは通すが部品Wは通さないような網み目を有
する部品受け装置であり、部品Wと粘着層均し媒体mの
篩い分けを容易にするために、適当な振動装置t15に
より振動するように構成されている。t16は、部品受
け装置t14の下方に配置された、部品受け装置t14
により篩い落とされた粘着層均し媒体mを収容するため
の収納箱である。なお、収納箱t16に集められた粘着
層均し媒体mは、洗浄工程等を経て、再度、搬送装置t
8の供給口t8’に戻されるように構成することが好ま
しい。t17は、上述した加振装置V上に配置された容
器Cを有する粉体皮膜形成装置であり、部品受け装置t
14から搬出される粘着層が形成された部品Wが容器C
に落下するような位置に配設されている。
【0053】以上のように構成されている粘着層形成装
置の作動について説明する。搬送装置t8の供給口t
8’から供給された粘着層均し媒体mは、振動装置t9
の振動により順次搬送され、また、部品Wは搬送装置t
8の途中に配設された部品供給装置t10から部品投入
口t10’に投入され、適宜、搬送装置t8に供給さ
れ、搬送装置t8上で粘着層均し媒体mと部品Wが混合
され搬送装置t8の排出口t8”方向に搬送される。
【0054】搬送装置t8の排出口t8”から搬出され
た粘着層均し媒体mと部品Wには、噴霧装置t11によ
り液状物質が吹き付けられ、粘着層均し媒体mと部品W
に液状物質が万遍なく付着される。
【0055】液状物質が付着された粘着層均し媒体mと
部品Wは、回転搬送装置t12に送られ、回転搬送装置
t12の回転により、粘着層均し媒体m及び部品Wが攪
拌されながら、粘着層均し媒体mと部品Wに付着された
液状物質が乾燥される。この工程において、粘着層均し
媒体m及び部品Wが攪拌されることにより、液状物質が
付着した部品Wが、粘着層均し媒体mにより叩かれるの
で、部品Wの表面上の液状物質の液溜まり等が除去され
るとともに、乾燥中の液状物質或いは乾燥後の粘着層も
粘着層均し媒体mにより万遍なく叩かれるので、液状物
質或いは粘着層の不均一な部分が除去され、均一な厚さ
を有する平滑な粘着層を有する部品Wが得られる。
【0056】均一な厚さを有する粘着層が形成された部
品Wは、粘着層均し媒体mと伴に、回転搬送装置t12
から搬出され、次いで、部品Wと粘着層均し媒体mの篩
い分けを行う振動している網製の部品受け装置t14上
に移行し、粘着層均し媒体mは部品受け装置t14の網
み目を通過し、下方に配置された収納箱t16に収容さ
れ、その後、粘着層が形成された粘着層均し媒体mは、
粘着層の除去工程に送られ、再利用される。
【0057】一方、部品受け装置t14により粘着層均
し媒体mが篩い落とされ、残った粘着層が形成された部
品Wは、加振装置V上に配置された粉体及び皮膜形成媒
体等の混合体Tが収容されている容器Cに投入され、粉
体皮膜形成工程が開始される。
【0058】図4は粘着層形成装置の別の実施例を示す
工程図であり、本実施例においては、粘着層均し媒体m
及び部品Wを通さない網み目を有する網かごt18を、
ベルトコンベヤー等の搬送帯t19上に載置し、網かご
t18には粘着層均し媒体供給装置t20により粘着層
均し媒体mを投入し、また、部品供給装置t21により
部品Wを投入する。
【0059】粘着層均し媒体m及び部品Wが投入された
網かごt18を、液状物質槽t22に浸漬し、粘着層均
し媒体m及び部品Wに液状物質を付着させる。
【0060】次いで、液状物質槽t22から出た網かご
t18に収容されている液状物質が付着された粘着層均
し媒体m及び部品Wは、搬送帯t19の下部に配設され
た振動装置t23により振動されている搬送帯t19に
より振動処置が施されるとともに、液状物質が自然乾燥
或いは送風装置t24により乾燥される。その後、図示
されないロボット等の自動機により、網かごt18に収
容されている均一な粘着層が形成された部品W及び粘着
層均し媒体mが、網かごt18から上述した網製の部品
受け装置t14上に移行され、粘着層均し媒体mは部品
受け装置t14の網み目を通過し、下方に配置された収
納箱t16に収容され、また、粘着層が形成された部品
Wは、加振装置V上に配置された粉体及び皮膜形成媒体
等の混合体Tが収容されている容器Cに投入されて粉体
皮膜形成工程が開始される。図3に示された実施例と同
様に、液状物質、溶媒或いは粘着層均し媒体mは、リサ
イクルして、繰り返し使用される。
【0061】粘着層形成装置としては、連続処理により
部品Wに粘着層を形成するように構成した上記の実施例
に限定されることなく、バッチ処理により部品Wに粘着
層を形成することもできる。また、適当な振動装置によ
り振動している網状のコンベヤー上に、直に、部品W及
び粘着層均し媒体mを載置し、移送途中で網状のコンベ
ヤーに載置された部品W及び粘着層均し媒体mに液状物
質を噴霧するとともに、コンベヤーの振動により部品W
及び粘着層均し媒体mを振動させながら、送風装置によ
り液状物質を乾燥することもできる。その後、粘着層均
し媒体mは通すが、部品Wは通さない大きさの網み目を
有するコンベヤーに、粘着層が形成された部品W及び粘
着層均し媒体mを移し、粘着層均し媒体mを篩い落と
し、コンベヤー上に残った粘着層が形成された部品W
を、加振装置V上に配置された粉体及び皮膜形成媒体等
の混合体Tが収容されている容器Cに投入するように構
成することもできる。
【0062】なお、図1に示されている網駕籠t1に部
品Wとともに、粘着層均し媒体mを入れ、液状物質槽t
2に浸漬し、その後、網駕籠t1を液状物質槽t2から
取り出した後、粘着層均し媒体m及び液状物質が付着し
た部品Wに振動或いは攪拌処理を施して、部品Wに均一
な厚さの粘着層を形成するように構成することもでき
る。
【0063】次に、粘着層が施された部品、粉体及び皮
膜形成媒体等の混合体を振動させる加振装置について説
明する。
【0064】粉体皮膜形成工程において使用される加振
装置は、一例として図5に示されているように、加振装
置V上に配置された容器Cに、表面に粘着層が形成され
た部品W、皮膜形成媒体等の混合体Tを入れ、加振装置
Vにより容器Cに振動を与えて、部品Wの表面に粉体皮
膜を形成するものである。
【0065】上記の容器Cは、硬質合成樹脂或いは金属
等の硬質材で形成されており、一例として図5に示され
ているように、上部に開口部c1を有する碗状に形成さ
れており、また、容器Cの底部c2の中央部を上方に膨
出させることにより、開口部c1付近に達する柱状部c
3が突設されている。
【0066】図5において、Fは加振装置Vの機台であ
り、機台Fには、コイルスプリングv1,v2を介して
振動板v3が配置されており、振動板v3上に突設され
た垂直軸v4の上端部に容器Cの柱状部c3が取着され
ている。また、振動板v3の下面にはモーターv5が取
着されており、モーターv5の出力軸v6には重錘v7
が偏心して取着されている。従って、モーターv5を回
転させることにより、偏心した重錘v7が回転されるの
で、振動板v3上に取着された垂直軸v4を介して容器
Cが加振されることになる。
【0067】上記の粉体皮膜形成工程においては、表面
に粘着層が形成された部品に直接に或いは皮膜形成媒体
を介して付着された粉体は、皮膜形成媒体により叩かれ
て、粘着層に圧接或いは圧入され強固に付着するととも
に、皮膜形成媒体により叩かれることにより、粉体で覆
われた粘着層が粉体の表面に押し出され、更に、押し出
された粘着層の上に,皮膜形成媒体に付着している粉体
が,皮膜形成媒体が部品に衝突することにより部品の粘
着層に移行し部品への粉体の付着が進行する。そして、
部品が皮膜形成媒体により叩かれても粘着層が粉体の表
面に押し出されて来なくなったところで、実質的な粉体
の付着工程、即ち、粉体皮膜形成が終了することにな
る。
【0068】図6には、加振装置Vとして、螺旋管路を
有する加振装置Vが示されている。v8は、加振装置V
の基台であり、また、v9は、有底の外筒であり、基台
v8と外筒v9とは、適当数のコイルスプリングv10
で連結されている。v11は、外筒v9の底部の下面v
9’に取着された加振モーターであり、加振モーターv
11の出力軸には加振体v12が取着されている。
【0069】v13は、螺旋管路本体であり、螺旋管路
本体v13の最上部の螺旋管路v13’からは、上向き
の略直線状に延びる排出管路v14が連設されており、
排出管路v14の出口v14’は、粉体皮膜が形成され
た部品W、皮膜形成媒体及び粉体等の排出口を形成す
る。出口v14’の下方には、皮膜形成媒体及び粉体等
は通過することができるが、粉体皮膜が形成された部品
Wは通過することができない程度の大きさの網み目を有
する、皮膜形成媒体及び粉体等から粉体皮膜が形成され
た部品Wを選別する網状ベルトコンベヤーv15が配設
されている。
【0070】v16は、螺旋管路本体v13の最下部の
螺旋管路v13”から上方に延びる粉体供給管路であ
り、粉体供給管路v16の上端開口v16’は、粉体な
どの投入口を形成する。v17は、粉体供給管路v16
の途中に連設された回収管路であり、回収管路v17の
端部の開口v17’は、上述した排出管路v14の出口
v14’と網状ベルトコンベヤーv15を対峙して配置
されている。
【0071】v18は、同じく、粉体供給管路v16の
途中に連設された部品供給管路であり、部品供給管路v
18の端部の開口は、部品Wの投入口v18’を形成し
ている。
【0072】上述したような螺旋管路本体v13等に
は、皮膜形成媒体及び粉体等が充填されており、螺旋管
路本体v13等は、上述した加振モーターv11を駆動
し、加振モーターv11の出力軸に取着されている加振
体v12を回転させることにより振動されている。
【0073】このような皮膜形成媒体及び粉体等が充填
され、振動状態にある螺旋管路本体v13等に、部品供
給管路v18の部品Wの投入口v18’から、表面に粘
着層が形成された部品Wを投入する。投入された部品W
は、粉体供給管路v16を経て下降して螺旋管路本体v
13の最下部の螺旋管路v13”に達し、その後、螺旋
管路本体v13に沿って上昇する。その後、部品Wは、
排出管路v14の出口v14’から皮膜形成媒体及び粉
体等とともに、網状ベルトコンベヤーv15上に排出さ
れるが、表面に粘着層が形成された部品Wには、螺旋管
路本体v13等に沿って移送される間に、上述したよう
な粉体皮膜形成原理に基づいて粉体皮膜が形成される。
【0074】粉体皮膜が形成された部品W、皮膜形成媒
体及び粉体等は、排出管路v14の出口v14’から搬
出されるが、網状ベルトコンベヤーv15の網み目を通
過することができない粉体皮膜が形成された部品Wは、
網状ベルトコンベヤーv15により皮膜形成媒体及び粉
体等から選別されて網状ベルトコンベヤーv15上に載
置され、次いで、網状ベルトコンベヤーv15により後
続処理工程に搬送される。また、網状ベルトコンベヤー
v15の網み目を通過した皮膜形成媒体及び粉体等は、
回収管路v17の端部の開口v17’に入り、螺旋管路
本体v13に戻される。
【0075】部品Wへの粉体皮膜形成工程を連続して行
う連続運転中には、加振装置Vの螺旋管路本体v13等
に存在する粉体は、部品Wに粉体皮膜として付着されて
消費されるので、螺旋管路本体v13等に存在する粉体
が常に略一定となるように、粉体を一定速度で、粉体供
給管路v16の上端開口v16’から連続的に供給す
る。このようにして、部品Wへの粉体皮膜形成を連続し
て行う場合において、粉体皮膜の厚さや品質を一定に保
つことができる。
【0076】図7には、加振装置Vとして、攪拌板を有
する加振装置Vが示されている。v19は、加振装置V
の基台v20に載置された容器であり、容器v19内に
は、モーターv21により回転される攪拌羽根v22が
配置されている。従って、容器v19内に、粘着層が形
成された部品W,皮膜形成媒体及び粉体等を投入し、そ
の後、モーターv21を駆動して攪拌羽根v22を回転
させることにより、上述したような粉体皮膜形成原理に
基づいて粉体皮膜が形成されることになる。次に、中間
熱処置工程及び最終熱処理工程において使用される熱処
理炉について説明する。熱処理炉としては、箱型の通常
の熱処理炉を使用し、所謂、バッチ式に、粉体皮膜が形
成された部品の熱処理を行うこともできるが、図8には
熱処理装置Hの一例が示されており、熱処理装置Hは図
8に示されているように、両側に入口及び出口が配設さ
れたヒーターh1が内蔵された熱処理炉h2を使用し、
熱処理炉h2内に、粉体皮膜が形成された部品を搬送す
るベルトコンベヤーh3を配設することにより、連続的
に熱処理を行うことができるように構成されている。な
お、h1’は、ヒーターh1の温度制御可能な電源であ
る。
【0077】ヒーターh1としては、通常の抵抗加熱式
の他に、赤外線放射式の加熱方式も使用することができ
る。後者の場合には、例えば、部品Wの片面のみを先ず
加熱処理して、次に、部品Wをひっくり返して他面を加
熱処理することができる。このようにして、部品Wの重
力により、加熱中に、部品Wを支持している支持部材の
跡が、部品Wに付くことが防止できる。
【0078】次に、上述した本発明の必須の工程である
(a)粘着層形成工程、(b)粉体皮膜形成工程、
(c)最終熱処理工程及び必要に応じて適宜選択的に採
用される(d)中間熱処理工程、(e)粉体凝集化工程
の組合せについて説明する。
【0079】(1)先ず最初の組合せは、上述した必須
の工程のみからなるものである。即ち、粘着層形成工程
により部品Wの表面に粘着層を形成した後、粘着層が形
成された部品Wを、粉体、皮膜形成媒体等が入った加振
装置に供給して部品Wに粉体皮膜を形成する。その後、
粉体皮膜が形成された部品Wに最終熱処理を施して、硬
化された粉体皮膜を有する部品Wが得られる。このよう
な必須の工程のみからなる粉体皮膜形成方法は、処理工
程が少ないので磁石の脱粒防止等の簡単な、低コストの
粉体皮膜の形成に使用される。
【0080】(2)次の組合せは、(a)粘着層形成工
程+(b)粉体皮膜形成工程+(d)中間熱処理工程+
(e)粉体凝集化工程+(c)最終熱処理工程の組合せ
である。即ち、粘着層形成工程により部品Wの表面に粘
着層を形成した後、粘着層が形成された部品Wを、粉
体、皮膜形成媒体等が入った加振装置に供給して部品W
に粉体皮膜を形成する。その後、粉体皮膜が形成された
部品Wを加熱し、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟
化させ、次いで、加振装置により振動している皮膜形成
媒体と同様の粒子が、上記の溶融或いは軟化している粉
体皮膜に衝突して、粉体皮膜に打撃力を与え、粉体のよ
り凝集化し、より高密度化した粉体皮膜が形成される。
その後、粉体皮膜が形成された部品Wに最終熱処理を施
して、硬化された粉体皮膜を有する部品Wが得られる。
【0081】このような、上述した必須の工程に、中間
熱処理工程及び粉体凝集化工程を付加することにより、
耐蝕性に富んだ比較的薄い粉体皮膜を形成することがで
きる。また、電気絶縁皮膜として、電気的短絡等の欠陥
を防止することができ、装飾皮膜として利用する場合に
は、より高い光沢が得られる。
【0082】(3)次の組合せは、(a)粘着層形成工
程+(b)粉体皮膜形成工程+(d)中間熱処理工程+
(b)粉体皮膜形成工程+(c)最終熱処理工程の組合
せである。この組合せにおいては、粘着層形成工程によ
り部品Wの表面に粘着層を形成した後、粘着層が形成さ
れた部品Wを、粉体、皮膜形成媒体等が入った加振装置
に供給して部品Wに粉体皮膜を形成する。その後、粉体
皮膜が形成された部品を加熱し、粉体の一部或いは全部
を溶融或いは軟化させる中間熱処理工程と粉体の一部或
いは全部が溶融或いは軟化された部品、粉体及び皮膜形
成媒体等からなる混合体に振動又は攪拌処理を施すこと
により部品の表面に粉体皮膜を再度形成する粉体皮膜形
成工程とを1回或いは複数回実施し、最後に、上述した
最終熱処理工程を実施するものである。
【0083】このように、2回以上の粉体皮膜形成処理
を施すことにより、例えば、1層目の粉体皮膜に発生し
た空孔(ボア)等の欠陥が、2層目の粉体皮膜により除
去される等の効果により、きわめて欠陥の少ない、耐蝕
性に富んだ、しかも、厚い粉体皮膜を形成することがで
きる。また、電気絶縁皮膜、装飾皮膜或いは他の種々の
目的の皮膜として、上述した単層皮膜に比べ、より一層
の高品質の皮膜が形成される。
【0084】(4)更に次の組合せは、(a)粘着層形
成工程+(b)粉体皮膜形成工程+(d)中間熱処理工
程+(b)粉体皮膜形成工程+(d)中間熱処理工程+
(e)粉体凝集化工程+(c)最終熱処理工程の組合せ
である。この組合せは、上述した(3)の2回以上の粉
体皮膜形成工程の後に、中間熱処理処理を施し、2回以
上の粉体皮膜形成処理により形成された粉体の一部或い
は全部を溶融或いは軟化させ、その後、加振装置により
振動している皮膜形成媒体と同様の粒子が、溶融或いは
軟化している粉体皮膜に衝突して粉体皮膜に打撃力を与
え、粉体のより凝集化し、より高密度化した粉体皮膜が
形成される。その後、粉体皮膜が形成された部品Wに最
終熱処理を施して、硬化された粉体皮膜を有する部品W
が得られる。
【0085】このような組合せによる粉体皮膜形成方法
により、更に、耐蝕性に富んだ、厚い粉体皮膜を形成す
ることができる。また、耐蝕皮膜としてだけではなく、
電気絶縁皮膜、装飾皮膜或いはその他の種々の目的の皮
膜として、最高の品質の皮膜形成ができる。
【0086】本発明の実施例として、上記の4つの組合
せが示されているが、何ら、このような組合せに限定さ
れることなく、粉体皮膜が形成される部品の用途、使用
条件等に応じて種々の組合せを採用することができる。
【0087】次に、一例として、上述した(4)の組合
せである、(a)粘着層形成工程+(b)粉体皮膜形成
工程+(d)中間熱処理工程+(b)粉体皮膜形成工程
+(d)中間熱処理工程+(e)粉体凝集化工程+
(c)最終熱処理工程が連結された粉体皮膜形成装置
を、図9を用いて説明する。なお、粘着層の形成工程ま
では、図3を用いて説明した装置と同じであるので、説
明は省略する。
【0088】図9においては、図5に示されている容器
Cを振動させる加振装置Vに代えて、図6に示されてい
る螺旋管路を有する加振装置V1が使用されており、加
振装置V1により粉体皮膜が形成された部品Wは、加振
装置V1からの排出後、網状ベルトコンベヤーv23に
より粉体及び皮膜形成媒体から選別され、中間熱処理装
置Hiに搬送される。なお、図9においては、網状ベル
トコンベヤーv23が中間熱処理装置Hiのベルトコン
ベヤーを兼用している。
【0089】網状ベルトコンベヤーv23上に載置され
た粉体皮膜が形成された部品Wは、中間熱処理装置Hi
のヒーターh4により、粉体の一部或いは全部が溶融或
いは軟化するまで加熱され、その後、連結コンベヤーv
24を経て、皮膜形成媒体と同様の粒子が収納されてい
る螺旋管路を有する加振装置V2に投入され、粉体凝集
化処理が施される。なお、h4’は、ヒーターh4の電
源である。
【0090】その後、加振装置V2により粉体凝集化処
理が施された部品Wは、網状ベルトコンベヤーv25に
より粒子から選別され、最終熱処置装置Hfに搬送され
る。なお、上記の網状ベルトコンベヤーv23と同様
に、網状ベルトコンベヤーv25が最終熱処理装置Hf
のベルトコンベヤーを兼用している。
【0091】網状ベルトコンベヤーv25上に載置され
た粉体皮膜が形成された部品Wは、最終熱処理装置Hf
のヒーターh5により、粉体皮膜中に存在する樹脂等が
硬化或いは除去され、粉体皮膜が形成された最終部品W
となる。なお、h5’は、ヒーターh5の電源である。
そして、最終部品Wは、適当な収納箱Bに収納される。
【0092】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0093】粘着層形成工程、粉体皮膜形成工程及び最
終熱処理工程の各工程の組合せにより、部品の表面に強
固な粉体皮膜を形成することができる。
【0094】粘着層形成工程、粉体皮膜形成工程及び最
終熱処理工程に、中間熱処理工程及び粉体凝集化工程を
付加することにより、耐蝕性に富んだ薄い粉体皮膜を形
成することができる。
【0095】粘着層形成工程、粉体皮膜形成工程に次い
で、再度、適当数の中間熱処理工程及び粉体皮膜形成工
程を付加することにより、更に、耐蝕性に富んだ、しか
も、所望の厚さを有する粉体皮膜を形成することができ
る。
【0096】粘着層形成工程、粉体皮膜形成工程に次い
で、再度、適当数の中間熱処理工程及び粉体皮膜形成工
程を付加するとともに、更に、中間熱処理工程及び粉体
凝集化工程を付加することにより、耐蝕性に富んだ、し
かも、所望の厚さを有する粉体皮膜を形成することがで
きる。
【0097】2回以上の粉体皮膜形成処理を施すことに
より、例えば、1層目の粉体皮膜に発生した空孔(ボ
ア)等の欠陥が、2層目の粉体皮膜により除去される等
の効果により、耐蝕性に富んだ、しかも、厚い粉体皮膜
を形成することができる。また、電気絶縁皮膜、装飾皮
膜或いは他の種々の目的の皮膜として、より一層の高品
質の皮膜が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明方法の実施に使用される一例とし
ての粘着層形成装置の概略図である。
【図2】図2は本発明方法の実施に使用される他の粘着
層形成装置の概略図である。
【図3】図3は本発明方法の実施に使用される他の粘着
層形成装置の工程図である。
【図4】図4は本発明方法の実施に使用される更に他の
粘着層形成装置の工程図である。
【図5】図5は本発明方法の実施に使用される一例とし
ての加振装置の一部断面を含む正面図である。
【図6】図6は本発明方法の実施に使用される他の加振
装置の一部断面を含む正面図である。
【図7】図7は本発明方法の実施に使用される更に他の
加振装置の一部断面を含む正面図である。
【図8】図8は本発明方法の実施に使用される熱処理装
置の概略図である。
【図9】図9は本発明方法の実施に使用される粉体皮膜
形成装置の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
C・・・・容器 Hf・・・最終熱処理装置 Hi・・・中間熱処理装置 V・・・・加振装置 W・・・・部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 浩 京都府京都市西京区松室追上町22番地の 1 エリーパート2 401号 インター メタリックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−302176(JP,A) 特開 平2−71872(JP,A) 特開 平1−224081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/24 B05D 1/36 B05D 3/02 B05D 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉体皮膜が形成される部品に粘着層を形成
    する工程、粘着層が形成された部品、粉体及び皮膜形成
    媒体等からなる混合体に振動又は攪拌処理を施すことに
    より粘着層が形成された部品の表面に粉体皮膜を形成す
    る粉体皮膜形成工程、該粉体皮膜が形成された部品を加
    熱し、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟化させる中
    間熱処理工程、該溶融或いは軟化した粉体に粒子を衝突
    させて粉体を高密度に凝集化させる粉体凝集化工程及び
    粘着層を構成する物質を硬化或いは除去するための最終
    熱処理工程とからなることを特徴とする粉体皮膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】粉体皮膜が形成される部品に粘着層を形成
    する工程、粘着層が形成された部品、粉体及び皮膜形成
    媒体等からなる混合体に振動又は攪拌処理を施すことに
    より粘着層が形成された部品の表面に粉体皮膜を形成す
    る粉体皮膜形成工程、該粉体皮膜が形成された部品を加
    熱し、粉体の一部或いは全部を溶融或いは軟化させる中
    間熱処理工程と該粉体の一部或いは全部が溶融或いは軟
    化された部品、粉体及び皮膜形成媒体等からなる混合体
    に振動又は攪拌処理を施すことにより部品の表面に粉体
    皮膜を再度形成する粉体皮膜形成工程とを所定回数実施
    する工程、粉体皮膜が形成された部品を再度加熱し、粉
    体の一部或いは全部を溶融或いは軟化させる中間熱処理
    工程を実施した後に、該溶融或いは軟化した粉体に粒子
    を衝突させて粉体を高密度に凝集化させる粉体凝集化工
    程及び粘着層を構成する物質を硬化或いは除去するため
    の最終熱処理工程とからなることを特徴とする粉体皮膜
    形成方法。
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