JPH06263843A - 熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板

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JPH06263843A
JPH06263843A JP5177393A JP5177393A JPH06263843A JP H06263843 A JPH06263843 A JP H06263843A JP 5177393 A JP5177393 A JP 5177393A JP 5177393 A JP5177393 A JP 5177393A JP H06263843 A JPH06263843 A JP H06263843A
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Takayuki Kubo
隆幸 久保
Motoyuki Torikai
基之 鳥飼
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浩太郎 朝比奈
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1)で示されるポリマレイミド化合
物を(a)分子中に少なくとも二つ以上のエポキシ基を
有し、少なくとも一つのナフタレン骨格を有するするエ
ポキシ樹脂、および(b)分子中に少なくとも二つ以上
のOH基を有し、少なくとも一つのナフタレン骨格を有
するフェノール樹脂、および(c)分子中に一つのアル
コール性もしくはフェノール性OH基と、一つ以上のエ
ポキシ基とを有する分子量300以下の化合物、により
変性してなる変性イミド樹脂を主成分とする熱硬化性樹
脂組成物。およびプリプレグ、積層板。 (式中、Rは1価の有機基、Xa,Xbは水素原子、
ハロゲン原子および有機基から選ばれた同一または異な
る一価の原子または基、1は2以上の整数) 【効果】 作業性に優れ、耐熱性に優れ、しかも吸湿性
が低く接着性も良好ではんだ耐熱性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、低吸湿性およ
び接着性に優れた樹脂材料に関するものである。特に、
プリント配線板用積層板等に有用な樹脂材料と、これを
用いた積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器、通信機器、計算機器等
に広く用いられているプリント配線板については、配線
密度の高度化、高集積化が進展し、これにともなって、
配線用積層板の耐熱性の向上による信頼性向上への要求
が強まっている。従来より、プリント配線板用積層板を
構成する樹脂材料としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等が用
いられてきており、これらの樹脂のうちのエポキシ樹
脂、そしてビスマレイミドと芳香族ジアミンを反応させ
て得られるポリアミノビスマレイミド樹脂は高密度実
装、高多層化積層板に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ樹脂はその耐熱性が比較的良好であるものの、近年の
プリント配線板の高密度実装、高多層化構成にともなう
耐熱性向上への要請に対応するには、どうしてもその耐
熱性の上昇には限界がある。また、ポリアミノビスマレ
イミド樹脂の場合には、その耐熱性は非常に優れている
ものの、吸湿性が高く、接着性に難点があり、また、ワ
ニス化する際ジメチルホルムアミド等の高沸点溶剤を用
いる必要があり、プリプレグ中に残溶剤が多くなり、積
層時にボイドが発生しやすい。さらに、積層時にエポキ
シ樹脂に比べ高温、長時間を必要とするため、コスト高
になるという課題があった。また、このポリアミノビス
マレイミド樹脂の欠点を補う為に、ポリアミノビスマレ
イミド樹脂にエポキシ樹脂を加えたイミド変性エポキシ
樹脂があるが、この樹脂も溶剤に高沸点溶剤を必要と
し、プリプレグ中に残溶剤が多くなる問題があったり、
また、耐熱性がポリアミノビスマレイミド樹脂より大幅
に劣るという問題があった。
【0004】このため、今後の高密度実装、高多層化の
進展に対応できる、耐熱性に優れ、低吸湿性であり、し
かも接着性等の性能も良好で、積層時にボイドが発生し
にくく、安価なコストの積層板用樹脂材料が強く求めら
れていた。本発明は、このような事情に鑑みてなされた
ものであり、従来のエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂の欠
点を解消し、耐熱性に優れ、他の特性についても満足す
ることのできる新しい積層板用樹脂材料を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ポリマレイミ
ド樹脂をナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタ
レン骨格を有するフェノール樹脂および一分子中にOH
基とエポキシ基を有する分子量300以下の化合物で変
性し、メチルエチルケトン等の汎用溶剤に可溶であり、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂にナフタレン骨格を導入
したことにより、耐熱性に優れ、しかも低吸湿性であ
り、接着性に優れたことを特徴とする変性イミド樹脂を
主体とする熱硬化性樹脂組成物を提供する。また、本発
明は、この樹脂組成物を基材に含浸されたプリプレグ、
およびこのプリプレグを複数枚積層形成してなることを
特徴とする熱硬化性樹脂積層板をも提供する。
【0006】本発明で使用されるポリマレイミド化合物
としては、1分子中に2個以上のマレイミド基を有する
化合物ならば全て使用可能である。このようなポリマレ
イミド化合物としては、例えば、N,N'−エチレンビスマ
レイミド、N,N'−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N'
-(1,3-フェニレン)ビスマレイミド、N,N'-[1,3-(2−メ
チルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N'-(1,4-フェニレ
ン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メ
タン、ビス(3−メチル-4−マレイミドフェニル)メタ
ン、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−
マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフ
ェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケ
トン、ビス(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,
4-ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1,4-
ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス
(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3-ビス(4−マレイミ
ドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3−マレイミドフェ
ノキシ)ベンゼン、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)
フェニル] メタン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)
フェニル] メタン、1,1-ビス[4-(3-マレイミドフェノキ
シ)フェニル] エタン、1,1-ビス[4-(4-マレイミドフェ
ノキシ)フェニル] エタン、1,2-ビス[4-(3-マレイミド
フェノキシ)フェニル] エタン、1,2-ビス[4-(4-マレイ
ミドフェノキシ)フェニル] エタン、2,2-ビス[4-(3-マ
レイミドフェノキシ)フェニル] プロパン、2,2-ビス[4
-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-
ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル] ブタン、
2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル] ブタ
ン、2,2-ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニ
ル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4
-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘ
キサフルオロプロパン、4,4'−ビス(3−マレイミドフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−マレイミドフェノ
キシ)ビフェニル、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)
フェニル] ケトン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)
フェニル] ケトン、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)
フェニル] スルフィド、ビス[4-(4-マレイミドフェノキ
シ)フェニル] スルフィド、ビス[4-(3-マレイミドフェ
ノキシ)フェニル] スルホキシド、ビス[4-(4 −マレイ
ミドフェノキシ)フェニル] スルホキシド、ビス[4-(3-
マレイミドフェノキシ)フェニル] スルホン、ビス[4-
(4-マレイミドフェノキシ)フェニル] スルホン、ビス
[4-(3 −マレイミドフェノキシ)フェニル] エーテル、
ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル] エーテ
ル、1,4-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-α, α−ジ
メチルベンジル] ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-マレイミド
フェノキシ)-α, α−ジメチルベンジル] ベンゼン、1,
4-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-α, α−ジメチル
ベンジル] ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-マレイミドフェノ
キシ)-α, α−ジメチルベンジル] ベンゼン、1,4-ビス
[4-(4-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル- α, α−
ジメチルベンジル] ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-マレイミ
ドフェノキシ)-3,5-ジメチル−α, α−ジメチルベンジ
ル] ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-
3,5 −ジメチル−α, α−ジメチルベンジル] ベンゼ
ン、1,3-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチ
ル−α, α−ジメチルベンジル] ベンゼン、一般式
(2)(化2)
【0007】
【化2】 (式中、nは平均値で 0〜10である)で表されるポリマ
レイミド化合物、及び一般式(3)(化3)
【0008】
【化3】 (式中、mは平均値で 0〜10である)で表されるポリマ
レイミド化合物等が挙げられる。また、これらのポリマ
レイミド化合物は、単独で用いても2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0009】本発明で用いる(a)成分のエポキシ樹脂
としては1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有
し、少なくとも一つのナフタレン骨格を有する物であれ
ば全て使用可能である。これらについて、以下に例示す
る。ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトー
ル類とナフトール類またはフェノール、クレゾール、レ
ゾルシノール等のフェノール類とホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズ
アルデヒド、グルオキザール、アルカンジアール等のア
ルデヒド類との反応生成物であるノボラック樹脂から誘
導されるノボラック型エポキシ樹脂、および上記ナフト
ール類、フェノール類とアラルキルアルコール誘導体と
の反応生成物であるアラルキル樹脂から誘導されるアラ
ルキル型エポキシ樹脂。 その他、1分子中に2個以上
の活性水素およびナフタレン骨格を有する化合物から誘
導されるエポキシ樹脂、例えば、ジヒドロキシナフタレ
ン、ジアミノナフタレン等とエピクロルヒドリンまたは
2−メチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるエ
ポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂の1種
類または2種類以上が使用される。
【0010】(b)成分としては、分子中に少なくとも
二つ以上のOH基を有し、少なくとも一つのナフタレン
骨格を有するフェノール樹脂であれば全て使用すること
ができる。これらについて、以下に例示する。ナフトー
ル、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とナフト
ール類またはフェノール、クレゾール、レゾルシノール
等のフェノール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、
グルオキザール、アルカンジアール等のアルデヒド類と
の反応生成物であるノボラック樹脂、および上記ナフト
ール類、フェノール類とアラルキルアルコール誘導体と
の反応生成物であるアラルキル樹脂が挙げられ、これら
フェノール樹脂の1種類または2種類が使用される。
【0011】(c)成分としては、グリシドール、グリ
セリンジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノ
グリシジルエーテル、レゾルシノールモノグリシジルエ
ーテル、ナフトレゾルシノールモノグリシジルエーテル
等、一分子中に一つのアルコール性もしくは、フェノー
ル性OH基と、一つ以上のエポキシ基とを含む分子量3
00以下の化合物があげられる。一分子中に一つのアル
コール性もしくはフェノール性OH基と、一つ以上のエ
ポキシ基を含む化合物であっても、分子量300以上で
は、目的のメチルエチルケトン等の汎用溶剤に可溶な変
性イミド樹脂を製造することはできない。
【0012】上記のポリマレイミド樹脂、(a)、
(b)および(c)成分を同時に100〜200℃で、
0.1〜10時間加熱混合するのが一般的であるが、ポ
リマレイミド樹脂に対して、(c)成分のみでは、短時
間の加熱(例えば、130℃、10分間)でゲル化して
しまい、安定な変性イミド樹脂の製造は困難である。一
方、ポリマレイミド樹脂に対して、(a)(c)成分を
加えて加熱混合すると長時間の加熱でもゲル化を起こす
ことなく安定に変性イミド樹脂を製造することができ
る。さらに、ポリマレイミド樹脂に対して、(a)
(b)(c)成分を加えて加熱混合すると、(a)
(c)成分を加えた場合よりもより短時間で目的の変性
イミド樹脂を製造することができる。
【0013】(c)成分としては、ポリマレイミド樹脂
100重量部に対し、5〜100重量部用いるのが好ま
しいが、特に、耐熱性の保持およびメチルエチルケトン
等の汎用溶剤への可溶性の目的では、15〜50重量部
を用いるのが好ましい。
【0014】(a)成分のエポキシ樹脂は、ポリマレイ
ミド樹脂100重量部に対し、一般的には、10〜50
0重量部用いられるが、製造時の安定性および耐熱性と
いう目的では、20〜200重量部が好ましい。
【0015】(b)成分のフェノール樹脂は、(a)成
分のエポキシ樹脂100重量部に対して、1〜500重
量部の範囲、好ましくは10〜200重量部の範囲であ
る。本発明の樹脂組成物は、この変性イミド樹脂を主成
分とするものであって、必要に応じて、クレゾールノボ
ラック型エポキシ、ビスフェノール型エポキシ等のナフ
タレン骨格を含まないエポキシ、および/または、フェ
ノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等の
ナフタレン骨格を含まないフェノール樹脂、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシア
ンジアミド等に代表されるアミン類、無水フタル酸、無
水ピロメリット酸等の酸無水物を併用することもでき
る。
【0016】本発明において、樹脂組成物を硬化するに
あたっては、硬化促進剤を含有させることが望ましく、
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類;
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン塩類;1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導体が挙げ
られる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種類
以上を併用してもよく、また、必要に応じて、有機過酸
化物やアゾ化合物を併用することもできる。これら硬化
促進剤の含有量は、樹脂100 重量部に対して、0.01〜10
重量部の範囲で用いられる。
【0017】本発明の樹脂材料は上記各種成分の他、必
要に応じてジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌ
レート、o,o'- ジアリルビスフェノールA等のイミド樹
脂に対して一般的に使用される反応性希釈剤;各種シリ
コーンオイル;ブロム化合物、アンチモン、リン等の難
燃剤;充填剤;その他の適宜な添加物等を配合してもよ
い。以上のようなこの発明の樹脂組成物を積層板用樹脂
材料として用いる場合には、この樹脂を溶剤に溶かし樹
脂ワニスとして、基材に含浸させて乾燥し、プリプレグ
とし、これを複数枚、加熱加圧して積層一体化すること
により、所定の積層板とすることができる。
【0018】基材としては、ガラスマット、ガラスシー
ト、不織布、紙等の適宜なものが使用でき、また積層成
形において最外層に銅、アルミニウム、ステンレス等の
金属箔を配して成形し、プリント配線板用積層板とする
ことができる。内層コア材を用いて多層プリント配線板
用積層板としてもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における性能の試験方法は次の通りで
ある。 ・揮発分:JIS C−6487 ・ガラス転移温度:動的粘弾性法 ・銅箔ピール試験:JIS C−6481 ・吸水率:JIS C−6481 ・はんだ耐熱性:JIS C−6481に準じて、試験
片を1時間煮沸後、300℃のはんだ浴に120秒浸漬
し、積層板の異常の有無を調べた。
【0020】また、実施例および比較例で使用した原料
は、次のものを使用した。 ・ポリマレイミド化合物;ビス(4−マレイミドフェニ
ル)メタン(三井東圧化学(株)製) ・エポキシ樹脂;ナフタレン含有エポキシ樹脂(EOCN-7
000 、日本化薬(株)製)
【0021】
【化4】 ・エポキシ樹脂;ナフタレン含有エポキシ樹脂(EPICLO
N-4032、大日本インキ化学工業(株)製)
【0022】
【化5】 ・エポキシ樹脂;o−クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(EOCN-1020 、日本化薬(株)製) ・エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ピコート1001、油化シェルエポキシ(株)製) ・フェノール樹脂;ナフタレン含有フェノール樹脂(OC
N-7000、日本化薬(株)製)
【0023】
【化6】 ・フェノール樹脂;ナフトールザイロック樹脂(NX,三
井東圧化学(株)製)
【0024】
【化7】 ・フェノール樹脂;ノボラック型フェノール樹脂(PN-8
0 、日本化薬(株)製) ・グリシドール;エピオールOH(日本油脂(株)製) ・硬化促進剤;2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ
、四国化成(株)製) ・ポリアミノビスマレイミド樹脂;ケルイミド601A(ロ
ーヌ・プーラン社製)
【0025】実施例1〜4 および比較例1〜7 (変性イミド樹脂A〜Kの製造)撹拌機、温度計および
冷却器を装着した反応容器に、第1表のA〜Kの組成に
なるように原材料を挿入して、130℃、30分間また
は1時間反応せしめ、変性イミド樹脂A〜Kを得た。
【0026】(メチルエチルケトンへの溶解性)変性イ
ミド樹脂A〜K100重量部に対してメチルエチルケト
ン100重量部を加え、室温での変性イミド樹脂A〜K
のメチルエチルケトンへの溶解性を調べた。その結果を
第1表に示す。
【0027】実施例1〜4および比較例1,2に示した
ように、ポリマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、および(c)成分が適切な配合であると、13
0℃、30分間の加熱でメチルエチルケトンに可溶な変
性イミド樹脂を得ることができる。
【0028】比較例6はフェノール樹脂を変性時に使用
しない場合であるが、加熱時間30分では、沈澱物が生
じる。従って、フェノール樹脂を用いることにより、短
時間に目的の変性イミド樹脂を得ることができることが
わかる。また、比較例3,4,5,7に示したように、
ポリマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂お
よび(c)成分が適切な配合で変性されないと、得られ
る変性イミド樹脂は、変性中にゲル化したり、沈澱物が
発生することがわかる。さらに、比較例7で用いたエポ
キシ樹脂エピコート1001は一分子中に一つのOH基
と二つのエポキシ基を含む化合物であるにもかかわら
ず、分子量が900であるために、メチルエチルケトン
に溶解した場合沈澱物が生じる。
【0029】実施例5〜8 および比較例8〜12 実施例1〜4および比較例1,2で製造した変性イミド
を第2表に示す組成(重量部)の配合で、フラスコ中で
溶解し、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。なお、ポリ
アミノビスマレイミド樹脂はメチルエチルケトンに不溶
であるため、溶剤にジメチルホルムアミドを用いた。こ
のようにして得られた変性イミド樹脂ワニスを、104
g/m2 のガラスクロスに含浸し、140℃で5分間乾
燥して、約190g/m2 のプリプレグを得た。このプ
リプレグを5枚重ね合わせ、さらに上下の最外層に銅箔
を配して、40kg/cm2 の圧力で、170℃、60
分の加熱条件で成形し、0.5mm厚の銅張積層板を得
た。
【0030】得られたプリプレグ、積層板の試験結果を
第2表に示す。比較のために、フェノール樹脂にナフタ
レン骨格を含まない変性イミド樹脂E(比較例8)、エ
ポキシ樹脂にナフタレン骨格を含まない変性イミド樹脂
(比較例9)、ポリアミノビスマレイミド樹脂(比較例
10)、ポリアミノビスマレイミド樹脂とナフタレン骨
格を有するエポキシ樹脂とナフタレン骨格を有するフェ
ノール樹脂の混合樹脂(比較例11)、およびエポキシ
樹脂(比較例12)についても、プリプレグ、積層板を
製造し、その樹脂特性について同様に評価した。なお、
比較例10のポリアミノビスマレイミド樹脂の場合は2
00℃、120分の加熱条件で成形した。
【0031】この発明の実施例5〜8に較べ、ポリアミ
ノビスマレイミド樹脂の場合はプリプレグ中の揮発分が
多くなる。比較例8,9の場合エポキシ樹脂またはフェ
ノール樹脂がナフタレン骨格を含まないため、実施例に
較べ吸水率が高くはんだ耐熱性に劣る。以上、本実施例
に較べ、吸湿性、接着性およびはんだ耐熱性全てを満足
するレベルではなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】実施例および比較例にて説明したごと
く、本発明による熱硬化性樹脂組成物は、メチルエチル
ケトン等の汎用溶剤に可溶で、プリプレグ中の揮発分が
少なく作業性に優れ、しかもエポキシ樹脂、フェノール
樹脂にナフタレン骨格を導入したことにより、高Tgを
有しながら、吸湿性が低く接着性も良好ではんだ耐熱性
に優れた新しい熱硬化性樹脂組成物であり、積層板用樹
脂材料として有効なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/24 CER 7310−4F C08L 63/00 NKA 8830−4J (72)発明者 鳥飼 基之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 朝比奈 浩太郎 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で示されるポリマ
    レイミド樹脂 【化1】 (式中、R1 はl価の有機基、Xa,Xbは水素原子、
    ハロゲン原子および有機基から選ばれた同一または異な
    る一価の原子または基、lは2以上の整数)を、(a)
    分子中に少なくとも二つ以上のエポキシ基を有し、少な
    くとも一つのナフタレン骨格を有するするエポキシ樹
    脂、(b)分子中に少なくとも二つ以上のOH基を有
    し、少なくとも一つのナフタレン骨格を有するフェノー
    ル樹脂、および(c)分子中に一つのアルコール性もし
    くはフェノール性OH基と、一つ以上のエポキシ基とを
    有する分子量300以下の化合物、により変性してなる
    変性イミド樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 硬化促進剤、難燃剤、充填剤等を配合し
    てなる請求項1の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の樹脂材料を基材に含
    浸させたことを特徴とするプリプレグ。
  4. 【請求項4】請求項3のプリプレグを複数枚、積層形成
    してなること特徴とする熱硬化性樹脂積層板。
  5. 【請求項5】 最外層金属箔と積層一体化成形してなる
    請求項4の熱硬化性樹脂積層板。
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