JPH06262674A - 配向ポリエステルフイルム - Google Patents

配向ポリエステルフイルム

Info

Publication number
JPH06262674A
JPH06262674A JP29621893A JP29621893A JPH06262674A JP H06262674 A JPH06262674 A JP H06262674A JP 29621893 A JP29621893 A JP 29621893A JP 29621893 A JP29621893 A JP 29621893A JP H06262674 A JPH06262674 A JP H06262674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
acid
polyester
particles
polyester film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29621893A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Nishino
泰弘 西野
Katsuro Kuze
勝朗 久世
Yujiro Matsuyama
雄二郎 松山
Osamu Makimura
修 牧村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Magphane KK, Toyobo Co Ltd filed Critical Nippon Magphane KK
Priority to JP29621893A priority Critical patent/JPH06262674A/ja
Publication of JPH06262674A publication Critical patent/JPH06262674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 易滑性、耐久走行性に優れ、かつ粗大突起数
が少なく、磁気テープ化後の電磁変換特性も良好な配向
ポリエステルフイルムを提供することにある。 【構成】 少なくともその片面が粗面化された配向ポリ
エステルフイルムであって、該粗面の三次元表面粗さ指
数が下記(I)式および(II)式を同時に満足する範囲
にあり、かつ本文中で定義した粗大突起数が4級以上で
あることを特徴とする配向ポリエステルフイルム。 0.0096≦S△a<0.014 ……(I) 5.2≦Sλa≦13.0 ……(II) (式中、S△aは三次元平均傾斜勾配μm、Sλaは三
次元表面粗さの空間平均波長を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、配向ポリエステルフイ
ルムに関する。更に詳しくは、特に磁気記録材料の基体
用途において易滑性、耐久走行性に優れ、かつ粗大突起
数の少なく、磁気テープ化後の電磁変換特性も良好な配
向ポリエステルフイルムに関する。 【0002】 【従来の技術】一般にポリエチレンテレフタレートに代
表されるごときポリエステルは、その優れた物理的およ
び化学的諸特性の故に、繊維用、成型品用の他、磁気テ
ープ用、フロッピーディスク用、写真用、コンデンサー
用、包装用、レントゲンフイルム、マイクロフイルムな
どのフイルム用としても多種の用途で広く用いられてい
る。これらフイルム用として用いられる場合、その滑り
性および耐摩耗特性はフイルムの製造工程および各用途
における加工工程の作業性の良否、さらにはその製品品
質に良否を左右する大きな要因となっている。 【0003】特にポリエステルフイルム表面に磁性層を
塗布し磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布時
におけるコーティングロールとフイルム表面との摩擦お
よび摩耗が極めて激しくフイルム表面へのしわおよび擦
り傷が発生しやすい。また磁性層塗布後のフイルムをス
リットしてオーディオ、ビデオまたはコンピューター用
テープ等に加工した後でも、リールやカセット等からの
引き出し巻き上げその他の操作の際に、多くのガイド
部、再生ヘッド等との間に摩擦および摩耗が著しく生
じ、擦り傷、歪の発生さらにはポリエステルフイルム表
面の削れ等による白粉状物質を析出させる結果、磁気記
録信号の欠落、即ちドロップアウトの大きな原因となる
ことが多い。また添加粒子のポリエステルへの分散性不
良による凝集粒子の生成および該粒子自体が大きい事に
起因する粗大突起もドロップアウト等の欠点発生となる
ことが多い。 【0004】従来、フイルムの滑り性および耐久走行性
の改良にはフイルム表面に凹凸を付与することによりガ
イドロール等との間の接触面積を減少せしめる方法が採
用されており、この表面凹凸を形成させる方法としてフ
イルム原料に用いる高分子の触媒残渣から不溶性の粒子
を析出せしめる方法や、不活性の無機粒子や有機粒子を
添加せしめる方法等が用いられている。これら原料高分
子中の粒子は、その大きさが大きい程、滑り性の改良効
果が大であるのが一般的であるが、磁気テープ用のごと
き精密用途にはその粒子が大きいこと自体がドロップア
ウト等の欠点発生の原因となり、さらに電磁変換特性も
著しく悪化するため、フイルム表面の凹凸はその形状、
密度、高さ等を精密に調整する必要がある。 【0005】従来は粒子の粒度分布が平均粒径のみの観
点でしかとらえられておらず、粒子の粒度分布形状が制
御されていないことから設計通りのフイルム表面形態を
得難いという欠点もあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は特に磁気テー
プ用基材として配向ポリエステルフイルムを用いた場合
における前記従来技術の欠点を解消し、外部添加粒子の
ポリエステルへの分散性を改善し、かつ優れた易滑性お
よび耐久走行性を有し、かつ粗大突起数の少ない配向ポ
リエステルを提供せんとするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は少なくともその
片面が粗面化された配向ポリエステルフイルムであっ
て、該粗面の三次元表面粗さ指数が下記(I)式および
(II)式を同時に満足する範囲にあり、かつ本文中で定
義した粗大突起数が4級以上である配向ポリエステルフ
イルムである。 0.0096≦S△<0.014 ……(I) 5.2≦Sλa≦13.0 ……(II) (式中、S△aは三次元平均傾斜勾配(μm)、Sλa
は三次元表面粗さの空間平均波長を示す。) 【0008】本発明で用いられるポリエステルとはポリ
エチレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート
等との結晶性ポリエステルであり特に限定はされないが
とりわけポリエチレンテレフタレートが適しており、な
かんずくその繰り返し単位の80モル%以上がエチレン
テレフタレートからなるものであり、他の共重合成分と
してはイソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカ
ルボキシルジフェニール、4,4′−ジカルボキシルベ
ンゾフェノン、ビス(4−カルボキシルフェニール)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸
等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等のグリコール成分、p−オキシ安息香酸など
のオキシカルボン酸成分等を任意に選択使用することが
できる。この他共重合成分として少量のアミド結合、ウ
レタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有
する化合物を含んでいてもよい。 【0009】該ポリエステルの製造法としては、芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させるいわゆる
直接直接重合法、芳香族ジカルボン酸のジメチルエステ
ルとグリコールとをエステル交換反応させるいわゆるエ
ステル交換法など任意の製造法を適用することが出来
る。なおフイルムとしては一軸配向フイルム、二軸配向
フイルムいずれでもよいが二軸配向フイルムが特に好適
である。 【0010】本発明において三次元表面粗さ指数の1つ
である三次元平均傾斜勾配(S△a)は0.0096以
上0.014未満の範囲が必要である。好ましくは0.
01〜0.0135であり、特に好ましくま0.011
〜0.013である。S△aが0.0096未満では易
滑性および耐久走行性の向上効果が不充分となるので好
ましくない。逆にS△aが0.014以上では電磁変換
特性が不充分となり好ましくない。 【0011】また三次元表面粗さのもう一つの指数であ
る空間平均波長(Sλa)は5.2〜13.0の範囲が
必要である。好ましくは5.2〜11.0であり、特に
好ましくは5.2〜9.0である。Sλaが13.0を
超えると易滑性および耐久走行性の向上効果が不充分と
なるので好ましくない。逆に5.2未満となるようなフ
イルム表面突起を形成させることは我々の知見では非常
に困難である。 【0012】本発明のポリエステルフイルム用ポリマー
を製造する方法は任意であり特に限定されないが好まし
くは次の様な方法で得られる。本発明で用いられる不活
性粒子の粒度分布は次式(III) および(IV)を同時に満
足している事が好ましい。 0.15<D50/D5 ≦0.6 … (III) 150≦D50×C≦10000 …(IV) 〔式中、D50は積算重量が50%の時の粒子径(μ
m)、D5 は積算重量が5%の時の粒子径(μm)、C
は粒径の含有量(ppm)を示す。〕 【0013】粒度分布比(D50/D5)の値が大きい程
粒度分布が狭いことを示している。粒度分布比(D50
5 )は0.15〜0.6の範囲が必要である。好まし
くは0.17〜0.6であり、特に好ましくは0.20
〜0.6である。粒度分布比(D50/D5 )が0.6を
超える粒度分布を実用的範囲内で作り出すことは、我々
の知見では非常に困難である。逆に0.15未満では平
均粒子径(D50)により、易滑性および耐久走行性が不
充分となるか、もしくはドロップアウト等の欠点発生の
原因となる粗大突起数が増大する等の問題が生じ、本発
明の目的とする効果が得られなくなる。 【0014】また粒度分布の積算5%の時の粒子径(D
5 )は1〜6μmの範囲である必要がある。好ましくは
1.2〜5.5μmであり特に好ましくは1.4〜5μ
mである。D5 が1μm未満では易滑性および耐久走行
性が不充分であり好ましくない。逆にD5 が6を超える
と、ドロップアウト等の欠点発生の原因となる粗大突起
数が増加するので好ましくない。 【0015】また不活性粒子の添加量C(ppm)は平
均粒径D50(μm)との組合せにおいて決定する必要が
あり、(IV)式で示したごとくCとD50との積が150
〜10000の範囲を選ぶ必要がある。好ましくは25
0〜8000の範囲であり、特に好ましくは500〜6
000の範囲である。150未満では易滑性および耐久
走行性の向上効果が不充分となるので好ましくない。逆
に10000を超えると粗大突起数が多くなるので好ま
しくない。 【0016】本発明で用いられる不活性粒子としては無
機粒子、有機粒子いずれも前述の(III) 、(IV)式を満
足するならば特に限定はされないが、炭酸カルシウム、
シリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが好ましく、特に炭
酸カルシウムがもっとも好ましい。これらの不活性粒子
の粒子成分は先に規定した条件を満足すれば製法その他
に何等限定はなく、天然品および合成品のいずれも使用
可能である。たとえば炭酸カルシウムとしては重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウムおよびコロイダル炭酸
カルシウムのいずれを用いてもよい。また前記不活性粒
子は1種でも良いし、フイルム巻き特性を改善するため
に2種以上使用してもかまわない。 【0017】また、各粒子の結晶形状も特に限定はない
が体積状係数が0.08〜π/6の範囲のものを用いる
のが好ましい。〔ただし、体積形状係数fは次式で表わ
される。 f=V/D3 式中Vは粒子体積(μm3 )、Dは粒子の投影面におけ
る最大径(μm)を示す。〕体積形状係数は粒子の塊状
の程度を表わすもので、π/6に近づくほど塊状もしく
は球状に近づく。なおここに言う平均粒径とは、ストー
クスの式に基づいて算出された等価球径粒度分布の積算
50%点における径をさす。 【0018】本発明のおける不活性粒子のポリエステル
中の添加方法は、該ポリエステル製造過程における任意
の段階で添加することができるが、初期縮合が終了する
までに添加するのが特に好ましい。またポリエステル製
造過程への不活性粒子の添加方法はスラリー状および粉
末状のいずれの状態で添加してもよいが、粒子の飛散防
止、供給精度や均一性の向上の点からスラリー状に分散
させて添加するのが好ましく、特にエチレングリコール
(EG)のスラリー状に分散させる場合には、それぞれ
の粒子本来の一次粒子を出来る限り再現するような均一
な分散を行なう必要がある。また所定の平気粒径の粒子
を得るために、市販微粒子の粉砕処理や分級、および濾
過等の処理を採用してもよい。 【0019】また上記不活性粒子をリン酸および、また
は亜リン酸類のアルカリ金属塩と共存させて微分散させ
たスラリーとしてポリエステル製造過程に添加する事が
好ましい。リン酸および亜リン酸類のアルカリ金属塩と
しては正リン酸、ピロリン酸、ポリメタリン酸、ポリリ
ン酸、正亜リン酸、ピロ亜リン酸、ポリ亜リン酸、ポリ
メタ亜リン酸のナトリウム塩およびカリウム塩等で具体
的には第一リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第
二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸
ナトリウム、第三リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素ナトリウム、
ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウ
ム、亜リン酸ナトリウム、ピロ亜リン酸ナトリウム、ピ
ロ亜リン酸カリウム、メタ亜リン酸ナトリウム、メタ亜
リン酸カリウム等が挙げられる。該アルカリ塩は単独で
使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。 【0020】該アルカリ塩の添加量はスラリー中の不活
性粒子に対してアルカリ金属量として0.04〜20重
量%でかつ生成ポリエステルに対してアルカリ金属量と
して3〜50ppmを同時に満足する量が好ましい。上
記範囲未満ではポリエステルの製造過程での不活性粒子
の凝集防止効果が少なくなるので好ましい。一方、上記
範囲を越えた場合ではポリエステルの製造過程での不活
性粒子の凝集防止効果が頭打ちになるうえにアルカリ金
属塩による副反応が増加しポリマー着色の増大等の悪影
響が現われるので好ましくない。該アルカリ金属塩は不
活性粒子を微分散したスラリーに共存させてポリエステ
ルの製造過程へ添加する必要がある。 【0021】不活性粒子のスラリー調整時の分散方法に
ついては特に限定はなく、回転式高速撹拌法、高圧式均
質分散法および超音波分散法いずれの方法あるいはこれ
らの組み合わせを採用してもよい。不活性粒子のスラリ
ーの溶媒としてはエチレングリコール(EG)の単独使
用が好ましいが50重量%以下であれば、たとえば水や
アルコール類等の他の溶媒を混合とともかまわない。 【0022】前記のリン配あるいは亜リン酸類のアルカ
リ塩の該スラリーへの添加はスラリー調整開始時よりの
ポリエステルの製造過程への添加までのいずれの段階で
行ってもよい。該スラリーは、初期縮合反応が終了する
までの任意の段階でポリエステル製造過程に添加すれば
よい。 【0023】なお初期縮合反応が終了した時点とは固有
粘度が約0.2に達した時をさし、これ以後では反応系
の粘度が高すぎるために添加成分の混合が不均一になり
均質な製品が得られなくなる。またオリゴマーの解重合
が起こり、生産性の低下やジエチレングリコール(DE
G)副生量の増大をひき起こすので好ましくない。 【0024】芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させるいわゆる直接重合法で実施しかつ不活性粒子
として炭酸カルシウムを用いる場合は、エステル化反応
の終了するまでの前に該スラリーを添加すると炭酸カル
シウムが芳香族ジカルボン酸と反応し、ポリエステルに
不溶性のカルシウム塩が生成し、かつこの生成塩は凝集
傾向が強く、粗大粒子の生成を引き起こし易いので、該
スラリーはエステル化反応が終了してから初期縮合反応
が終了するまでの間に添加するのが特に好ましい。 【0025】また不活性粒子として炭素カルシウムを用
いる場合には炭酸カルシウムをリン酸および、または亜
リン酸類のアルカリ金属塩と共存させて微分散させたス
ラリーとしてポリエステル重合反応系へ添加し、更に金
属塩を含まないリン化合物をポリエステル重合反応系へ
添加する事がより好ましい。 【0026】該P化合物としては金属を含まずかつ反応
系に可溶なものであれば全て使用できる。たとえばリン
酸、亜リン酸、ホスホン酸およびこれらの誘導体等があ
げられ、具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエス
テル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエ
ステル、リン酸トリフエニルエステル、リン酸モノメチ
ルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチ
ルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リ
ン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステ
ル、亜リン酸トリブチルエステル、亜リン酸トリフエニ
ルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメ
チルエステル、フェニールホスホン酸ジメチルエステ
ル、フエニールホスホン酸ジフエニールエステル等であ
る。リン酸、亜リン酸およびそれらのエステル誘導体の
使用が特に好ましい。 【0027】これらのP化合物は単独で使用してもよ
く、また2種以上を併用してもよい。該P化合物の添加
量は炭酸カルシウムに対してモル比で0.01〜50の
範囲にする必要がある。特に好ましくは0.05〜20
の範囲である。0.01未満では、ポリエステルの製造
過程での炭酸カルシウムの凝集防止効果が少なくなるの
で好ましくない。一方、50を越える場合はポリエステ
ルの製造過程での炭酸カルシウムの凝集防止効果が頭打
ちになるうえに、DEG副生量が増加する等の問題が生
ずるので好ましくない。該P化合物は、初期縮合反応が
終了するまでの任意の段階でポリエステル製造過程に添
加すればよい。 【0028】該P化合物と上記炭酸カルシウムスラリー
との添加順序は特に限定はないが、炭酸カルシウムスラ
リーと同時あるいは炭酸カルシウムスラリーの添加前に
添加した方が本発明効果がより顕著に発現できるのでよ
り好ましい。同時に添加する場合は、P化合物をエステ
ルとして用いる時は炭酸カルシウムスラリーと混合して
添加しても、あるいは炭酸カルシウムスラリーとは別個
の供給口より添加してもかまわないが、P化合物を酸と
して添加する時は炭酸カルシウムスラリーと混合して添
加する方法はさけた方が好ましい。 【0029】本発明のフイルム用ポリエステルを重合す
るに際しては静電密着性の向上をはかるためにアルカリ
金属化合物やアルカリ土類金属化合物を添加してもかま
わない。またMg化合物やCa化合物を用いてポリエス
テルの静電密着性の向上をはかる時は、該P化合物は2
回以上に分割してポリエステル製造過程へ添加するのが
好ましい。 【0030】芳香ジカルボン酸のジメチルエステルとグ
リコールとをエステル交換反応させるいわゆる直接重合
法のどちらの製造法にも適用することができる。また、
回分式および連続式のどちらの製造法にも適用すること
ができる。エステル交換法で実施する場合にはエステル
交換触媒の限定は特になく、従来公知のものはいずれも
使用可能である。直接重合法で実施する場合には、DE
G生成の抑制剤としてアミン類や第4級アンモニウム塩
類等を用いることはなんら制約を受けない。 【0031】重縮合触媒も格別制約を受けるものではな
いが、Sb化合物、Ge化合物およびTi化合物の中か
ら適宜選択使用するのが好ましい。また、ポリエステル
の静電密着性の向上をはかるためにアルカリ金属化合物
やアルカリ土類金属化合物、Co化合物およびZr化合
物等を用いることもなんら制約を受けない。 【0032】実施例 次に本発明の実施例および比較例を示す。実施例中の部
は特にことわらないかぎりすべて重量部を意味する。ま
た、用いた測定法を以下に示す。 (1)平均粒径 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定器(CP−50
型)によって得た等価球径分布における積算50%点の
値を用いる。 【0033】(2)フイルムの表面平滑性 サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用
い、針径1μm、加重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.08mmの条件で測定した中心線平
均粗さ(RA(μm))で表示する。 【0034】(3)耐久走行性 図1に示した装置を用い、23℃、相対湿度65%の雰
囲気下で、ポリエステルフイルムの粗面側の面を、市販
家庭用VTRのガイドピン(触針式表面粗さ計で測定し
た最大突起高さが0.15μm、中心線平均粗さが0.
008μm)に角度3/4π(単位ラジアン)で接触さ
せ、一定荷重50グラムの張力を与えクランクを角速度
8.0rpmで回転させ、100回フイルムを往復させ
た時の動摩擦係数および静摩擦係数のそれぞれ初期動摩
擦係数および初期静摩擦係数からの増加分(△μkdお
よび△μks)を5段階に評価し、次のランク付けで表
す。 1級……摩擦係数増加分0.15以上 2級……0.10〜0.15 3級……0.05〜0.10 4級……0.02〜0.05 5級……0.02未満 【0035】(4)フイルム加工性 フイルムを細幅にスリットしたテープ状ロールを金属性
ガイドロールにこすりつけて高速、長時間走行させると
き、一定の供給張力に対してガイドロール擦過後のテー
プ張力の大小およびガイドロール表面に発生する白粉量
の多少をそれぞれ5段階に評価し次のランク付けで表わ
す。 滑り性 1級……張力大(擦り傷多い) 2級……張力やや大(擦り傷かなり多い) 3級……張力中(擦り傷ややあり) 4級……張力小(擦り傷ほとんどなし) 5級……張力極めて小(擦り傷まったくなし) 【0036】(5)フイルムの三次元表面粗さ指数 フイルムの表面を小板研究所社製触針式3次元表面粗さ
計(SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重7
0mgの条件下に、フイルム長手方向にカットオフ値
0.25mmで、基準長1mmにわたって測定し、2μ
mおきに高さ方向のデータを量子化幅0.00312μ
mで外部記憶装置に取り込ませる。このような測定をフ
イルムの横手方向について2μm間隔で連続的に150
回、つまりフイルムの横手方向0.3mmの幅にわたっ
て測定す。 SRa:粗さ曲面からその中心面上に面積SM の部分を
抜き取り、この抜き取り部分の中心面上に直交座標系X
軸、Y軸を置き中心面に直交する軸をZ軸で表わすと次
の式で与えられた値をμm単位で表わす。 【0037】 【数1】 【0038】但しLX LY =SM Sλa:空間角周波数wo、振幅Aなる正弦関数y=A
sinw0 xなる表面形状を想定して下の計算を行うと 【0039】 【数2】 【0040】 【数3】【0041】となり空間波長λ0 が求まる。ここで測定
した表面粗さの中心線をX軸としてその関数y=f
(x)で表わすと、f(x)について 【0042】 【数4】 【0043】なる関数を満足する正弦関数の空間波長λ
aを関数f(x)の空間平均波長と定義する。従って三
次元の表面粗さの空間平均波長(Sλaと呼称する)は
以下のように定義する。 【0044】 【数5】 但しSRa:三次元中心面平均粗さ S△a:三次元平均傾斜勾配 S△a:表面形状(平均面基準による)の各切断平面に
より切断して求まるパーテイクルの面積と個数の平均円
半径rの変化を△rとして△Z/△rを各レベルの切断
平面で求め、各値を平均して三次元平均傾斜勾配とす
る。 【0045】(6)フイルム表面の粗大突起数 フイルム表面にアルミニウムを薄く蒸着したのち、二光
束干渉顕微鏡を用いて四重環以上の粗大突起数(測定面
積1mm2 当りの個数)をカウントし、粗大突起数の多
少により次のランク付けで表わす。 1級……16個以上/mm2 2級……12個〜15個/mm2 3級……8〜11個/mm2 4級……4個〜7個/mm2 5級……0〜3個/mm2 【0046】(7)電磁変換特性 磁気テープ化及びクロマS/Nの測定は、特開昭59−
77622号公報にしたがって行った。 【0047】実施例1 撹拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口
を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応
装置を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反
応生成物が存在する系へテレフタル酸(TPA)に対す
るEGのモル比率1.7に調整し、かつ三酸化アンチモ
ンをアンチモン原子としてTPA単位当り289ppm
を含むTPAのEGスラリーを連続的に供給した。同時
にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給口より、酢
酸マグネシウム四水塩のEG溶液を反応缶内を通過する
反応生成物中のポリエステル単位ニット当りそれぞれM
g原子として100ppmとなるように連続的に供給
し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255℃で
反応させた。 【0048】この反応生成物を連続的に系外に取り出し
て、第2エステル化反応缶に供給した。第2エステル化
反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステル単位ユ
ニットに対して0.5重量部のEG、トリメチルホスフ
エートのEG溶液をP原子として64ppmおよび粒度
分布比(D50/D5 )が0.17でかつD5 が2.0μ
mである炭酸カルシウムのEGスラリーに100g/l
のトリポリリン酸ナトリウムの水溶液をNa原子として
スラリー中の炭酸カルシウムに対して0.80重量%と
なるだけ添加し、該トリポリリン酸ナトリウム含有スラ
リーを炭酸カルトウムとして2500ppmとなるよう
にそれぞれ別個の供給口より連続的に供給し、常圧にて
平均滞留時間5.0時間、温度260℃で反応させた。 【0049】該エステル化反応生成物を撹拌装置、分縮
器、原料仕込口および生成物取り出し口を設けた2段の
連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行な
い、固有粘度0.620のポリエステルを得た。該ポリ
マーおよび該ポリマーを290℃で溶融押出しし、90
℃で縦方向に3.5倍、130℃で横方向に3.5倍延
伸した後220℃で熱処理して得られた15μmのフイ
ルム特性を表1に示した。本実施例で得たフイルムは粗
大突起数が極めて少なく、かつ易滑性および耐久走行性
に優れており高品質出あることがわかる。また磁気テー
プ化後の電磁変換特性(クロマS/N)も良好であるこ
とがわかる。 【0050】比較例 1 実施例1の方法において炭酸カルシウムの粒度分布のD
5 を3.4μmに、またD50/D5 を0.35とし、か
つ炭酸カルシウムの添加量を100ppmとする以外実
施例1と同じ方法で得たフイルムのフイルム特性を表1
に示した。本比較例で得たフイルムは滑り性や耐久走行
性が劣っており低品質である。 【0051】比較例 2 実施例1の方法において炭酸カルシウムスラリーに対し
てトリポリリン酸ナトリウムの水溶液を添加することを
取り止める以外実施例1と同じ方法で得たフイルムのフ
イルム特性を表1に示した。本実施例で得たフイルムは
粗大突起数が極めて多く、磁気テープ化後のクロマS/
Nも不良であり、低品質であることがわかる。 【0052】比較例 3 実施例1の方法におて重合系のトリメチルホスフェート
のEG溶液の添加を取り止める以外実施例1と同じ方法
で得たフイルムのフイルム特性を表1に示した。本比較
例で得たフイルムは粗大突起数が極めて多く、磁気テー
プ化後のクロマS/Nも不良であり、低品質であること
がわかる。 【0053】 【発明の効果】このように本発明で得られたフイルムは
磁気テープ製造時におけるコーティング加工時や磁気テ
ープ使用時等において金属ロール面を走行するに際し発
生する擦り傷や白粉発生量が著しく少なく、繰り返し使
用しても摩擦係数の増加が極めて少ないという特徴があ
り、さらに磁気テープ用として用いた場合に問題となる
ドロップアウトの欠点発生の原因となるフイルム表面の
粗大突起の生成が極めて少ないという効果がある。 【0054】 【表1】 【0055】 【表2】
【図面の簡単な説明】 【図1】図1はフイルム粗面の繰り返し走行性能を測定
するテープ試験機の模式図である。 【符号の説明】 1:クランク 2,4,6,8:フリーロール 3,7:張力検出装置 5:市販VTR用ガイドピン 9:荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 雄二郎 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内 (72)発明者 牧村 修 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1 】 少なくともその片面が粗面化された配向
    ポリエステルフイルムであって、該粗面の三次元表面粗
    さ指数が下記(I)式および(II)式を同時に満足する
    範囲にあり、かつ本文中で定義した粗大突起数が4級以
    上であることを特徴とする配向ポリエステルフイルム。 0.0096≦S△a<0.014 ……(I) 5.2≦Sλa≦13.0 ……(II) (式中、S△aは三次元平均傾斜勾配μm、Sλaは三
    次元表面粗さの空間平均波長を示す。)
JP29621893A 1993-11-26 1993-11-26 配向ポリエステルフイルム Pending JPH06262674A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29621893A JPH06262674A (ja) 1993-11-26 1993-11-26 配向ポリエステルフイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29621893A JPH06262674A (ja) 1993-11-26 1993-11-26 配向ポリエステルフイルム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61014479A Division JPS62196121A (ja) 1986-01-24 1986-01-24 配向ポリエステルフイルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06262674A true JPH06262674A (ja) 1994-09-20

Family

ID=17830712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29621893A Pending JPH06262674A (ja) 1993-11-26 1993-11-26 配向ポリエステルフイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06262674A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000238219A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Toyobo Co Ltd 積層ポリアミド系樹脂フィルム
DE4029240C2 (de) * 1989-09-14 2003-04-17 Olympus Optical Co Elektronisches Still-Kamerasystem mit Aufnahme- und Wiedergabefunktionen hoher Qualität
US6600008B1 (en) 1998-07-22 2003-07-29 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Aliphatic polyester film and gas barrier film
KR100502258B1 (ko) * 1998-12-28 2005-10-26 주식회사 코오롱 자기기록매체용 폴리에스터 필름_

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62196121A (ja) * 1986-01-24 1987-08-29 Toyobo Co Ltd 配向ポリエステルフイルム

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62196121A (ja) * 1986-01-24 1987-08-29 Toyobo Co Ltd 配向ポリエステルフイルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4029240C2 (de) * 1989-09-14 2003-04-17 Olympus Optical Co Elektronisches Still-Kamerasystem mit Aufnahme- und Wiedergabefunktionen hoher Qualität
US6600008B1 (en) 1998-07-22 2003-07-29 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Aliphatic polyester film and gas barrier film
US6649732B2 (en) 1998-07-22 2003-11-18 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Aliphatic polyester film and gas barrier film
KR100502258B1 (ko) * 1998-12-28 2005-10-26 주식회사 코오롱 자기기록매체용 폴리에스터 필름_
JP2000238219A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Toyobo Co Ltd 積層ポリアミド系樹脂フィルム
JP4660867B2 (ja) * 1999-02-24 2011-03-30 東洋紡績株式会社 積層ポリアミド系樹脂フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR890002564B1 (ko) 배향 폴리에스테르 필름
KR930008598B1 (ko) 배향 폴리에스테르 필름
JPS6347737B2 (ja)
JPH0627244B2 (ja) 配向ポリエステルフイルム
JPH06262674A (ja) 配向ポリエステルフイルム
JP2979332B2 (ja) 配向ポリエステルフイルム
JPH0623262B2 (ja) 配向ポリエステルフイルム
JP2762090B2 (ja) 配向ポリエステルフイルム
JPS6128522A (ja) ポリエステルの製造法
JP2504055B2 (ja) 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム
JPS61179721A (ja) 配向ポリエステルフイルム
JPH08169965A (ja) 配向ポリエステルフイルム
JPH053377B2 (ja)
JPH0458814B2 (ja)
JPS63128030A (ja) 配向ポリエステルフイルム
JPS63162728A (ja) 配向ポリエステルフイルム
JP2767485B2 (ja) 配向ポリエステルフイルム
KR100502258B1 (ko) 자기기록매체용 폴리에스터 필름_
JP3041053B2 (ja) 配向ポリエステルフィルム
JPH0733964A (ja) 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2533421B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JPH0623261B2 (ja) 配向ポリエステルフイルム
KR100248728B1 (ko) 자기기록 매체용 이축배향 폴리에스테르 필름 및 이의 제조방법
JP2974425B2 (ja) 配向ポリエステルフィルム
JPH05301977A (ja) 配向ポリエステルフイルム