JPH05301977A - 配向ポリエステルフイルム - Google Patents
配向ポリエステルフイルムInfo
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- JPH05301977A JPH05301977A JP26723391A JP26723391A JPH05301977A JP H05301977 A JPH05301977 A JP H05301977A JP 26723391 A JP26723391 A JP 26723391A JP 26723391 A JP26723391 A JP 26723391A JP H05301977 A JPH05301977 A JP H05301977A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- film
- calcium carbonate
- average particle
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- Pending
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 平滑で滑り性および耐摩耗性に優れた配向
ポリエステルフイルムに関する。 【構成】 下記の粒子のうち少なくとも1種の粒子の
体積形状係数が0.08〜π/6の範囲であり平均粒径
が0.01〜0.5μmのシリカ粒子を0.01〜1w
t%および平均粒径が0.01μm以上0.5μ未満の
炭酸カルシウム粒子を0.02〜1.0wt%含有して
なる配向ポリエステルフイルム。
ポリエステルフイルムに関する。 【構成】 下記の粒子のうち少なくとも1種の粒子の
体積形状係数が0.08〜π/6の範囲であり平均粒径
が0.01〜0.5μmのシリカ粒子を0.01〜1w
t%および平均粒径が0.01μm以上0.5μ未満の
炭酸カルシウム粒子を0.02〜1.0wt%含有して
なる配向ポリエステルフイルム。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平滑で滑り性および耐
摩耗性に優れた配向ポリエステルフイルムに関し、磁気
記録媒体用、その他の工業用、包装用に使用できる。
摩耗性に優れた配向ポリエステルフイルムに関し、磁気
記録媒体用、その他の工業用、包装用に使用できる。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエチレンテレフタレートに代
表されるごときポリエステルは、その優れた物理的およ
び化学的諸特性の故に、繊維用、成型品用の他、磁気テ
ープ用、写真用、コンデンサー用、包装用などのフイル
ム用としても多種の用途で広く用いられている。これら
フイルム用として用いられる場合、その滑り性および耐
摩耗特性はフイルムの製造工程および各用途における加
工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質の良否を
左右する大きな要因となっている。
表されるごときポリエステルは、その優れた物理的およ
び化学的諸特性の故に、繊維用、成型品用の他、磁気テ
ープ用、写真用、コンデンサー用、包装用などのフイル
ム用としても多種の用途で広く用いられている。これら
フイルム用として用いられる場合、その滑り性および耐
摩耗特性はフイルムの製造工程および各用途における加
工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質の良否を
左右する大きな要因となっている。
【0003】特にポリエステルフイルム表面に磁性層を
塗布し磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布時
におけるコーティングロールとフイルム表面との摩擦お
よび摩耗が極めて激しく、フイルム表面へのしわおよび
擦り傷が発生しやすい。また磁性層塗布後のフイルムを
スリットしてオーディオ、ビデオまたはコンピューター
用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等から
の引き出し巻き上げその他の操作の際に、多くのガイド
部、再生ヘッド等との間に摩擦および摩耗が著しく生
じ、擦り傷、歪みの発生さらにはポリエステルフイルム
表面の削れ等による白粉状物質を析出させる結果、磁気
記録信号の欠落、即ちドロップアウトの大きな原因とな
ることが多い。一般にフイルムの滑り性および耐摩耗性
の改良には、フイルム表面に凹凸を付与することにより
ガイドロール等との間の接触面積を減少せしめる方法が
採用されており、この表面凹凸を形成させる方法として
フイルム原料に用いる高分子の触媒残渣から不溶性の粒
子を析出せしめる方法や、不活性の無機粒子を添加せし
める方法等が用いられている。
塗布し磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布時
におけるコーティングロールとフイルム表面との摩擦お
よび摩耗が極めて激しく、フイルム表面へのしわおよび
擦り傷が発生しやすい。また磁性層塗布後のフイルムを
スリットしてオーディオ、ビデオまたはコンピューター
用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等から
の引き出し巻き上げその他の操作の際に、多くのガイド
部、再生ヘッド等との間に摩擦および摩耗が著しく生
じ、擦り傷、歪みの発生さらにはポリエステルフイルム
表面の削れ等による白粉状物質を析出させる結果、磁気
記録信号の欠落、即ちドロップアウトの大きな原因とな
ることが多い。一般にフイルムの滑り性および耐摩耗性
の改良には、フイルム表面に凹凸を付与することにより
ガイドロール等との間の接触面積を減少せしめる方法が
採用されており、この表面凹凸を形成させる方法として
フイルム原料に用いる高分子の触媒残渣から不溶性の粒
子を析出せしめる方法や、不活性の無機粒子を添加せし
める方法等が用いられている。
【0004】
【解決しようとする課題】これら原料高分子中の粒子
は、その大きさが大きい程、滑り性の改良効果が大であ
るのが一般的であるが、磁気テープ、特にビデオ用のご
とき精密用途にはその粒子が大きいこと自体がドロップ
アウト等の欠点発生の原因ともなり得るため、フイルム
表面の凹凸は出来るだけ微細である必要があり、相反す
る特性を同時に満足すべき要求がなされているのが現状
である。本発明者らは、特に近年磁気記録の高密度化が
一段と促進され、テープ用ベースフイルムの滑り性およ
び耐摩耗性の改良がより要求されつつある状況下に鑑
み、鋭意検討の結果、本発明に到達したものである。
は、その大きさが大きい程、滑り性の改良効果が大であ
るのが一般的であるが、磁気テープ、特にビデオ用のご
とき精密用途にはその粒子が大きいこと自体がドロップ
アウト等の欠点発生の原因ともなり得るため、フイルム
表面の凹凸は出来るだけ微細である必要があり、相反す
る特性を同時に満足すべき要求がなされているのが現状
である。本発明者らは、特に近年磁気記録の高密度化が
一段と促進され、テープ用ベースフイルムの滑り性およ
び耐摩耗性の改良がより要求されつつある状況下に鑑
み、鋭意検討の結果、本発明に到達したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、主たる繰
り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエス
テル中に、下記粒子のうち少なくとも1種の粒子の体積
形状係数が0.08〜π/6であり、平均粒径が0.0
1〜0.5μmのシリカ粒子を0.01〜1.0重量
%、および平均粒径が0.1μm以上0.5μm未満の
炭酸カルシウム粒子を0.02〜1.0重量%含有して
なる配向ポリエステルフイルムである。
り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエス
テル中に、下記粒子のうち少なくとも1種の粒子の体積
形状係数が0.08〜π/6であり、平均粒径が0.0
1〜0.5μmのシリカ粒子を0.01〜1.0重量
%、および平均粒径が0.1μm以上0.5μm未満の
炭酸カルシウム粒子を0.02〜1.0重量%含有して
なる配向ポリエステルフイルムである。
【0006】本発明の配向ポリエステルフイルムは良好
な表面平滑性、滑り性および耐摩耗性を有し、擦り傷お
よび白粉発生量が著しく少ない。本発明における配向ポ
リエステルフイルムの特徴は、少なくとも2種類の特定
成分粒子の特定粒径の粒子を特定量ずつ併用する点にあ
る。即ち特定粒径を有するシリカの特定量と、特定粒径
を有する炭酸カルシウム粒子の特定量とがフイルム中に
共存し、かつ少なくともどちらか一方の体積形状係数が
0.08以上の場合においてのみ、それぞれの粒子の単
独使用や他の粒子類の添加によっては到底達し得ない優
れた効果を発揮し得る事実を見出したものである。
な表面平滑性、滑り性および耐摩耗性を有し、擦り傷お
よび白粉発生量が著しく少ない。本発明における配向ポ
リエステルフイルムの特徴は、少なくとも2種類の特定
成分粒子の特定粒径の粒子を特定量ずつ併用する点にあ
る。即ち特定粒径を有するシリカの特定量と、特定粒径
を有する炭酸カルシウム粒子の特定量とがフイルム中に
共存し、かつ少なくともどちらか一方の体積形状係数が
0.08以上の場合においてのみ、それぞれの粒子の単
独使用や他の粒子類の添加によっては到底達し得ない優
れた効果を発揮し得る事実を見出したものである。
【0007】本発明において配向ポリエステルフイルム
を構成するポリエステルは、主たる繰り返し単位の80
モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポリエス
テルであり、他の構成成分としてはこれと共重合し得る
ジカルボン酸類、グリコール類、オキシカルボン酸類等
の成分を20モル%未満共重合させたものでもよい。該
ポリエステル製造法としては、芳香族ジカルボン酸とグ
リコールとを直接反応させるいわゆる直接重合法、およ
び芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコール
とをエステル交換反応させるいわゆるエステル交換法の
どちらの製造法にも適用することが出来る。なお配向フ
イルムとしては、二軸配向フイルムが特に好適である。
を構成するポリエステルは、主たる繰り返し単位の80
モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポリエス
テルであり、他の構成成分としてはこれと共重合し得る
ジカルボン酸類、グリコール類、オキシカルボン酸類等
の成分を20モル%未満共重合させたものでもよい。該
ポリエステル製造法としては、芳香族ジカルボン酸とグ
リコールとを直接反応させるいわゆる直接重合法、およ
び芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコール
とをエステル交換反応させるいわゆるエステル交換法の
どちらの製造法にも適用することが出来る。なお配向フ
イルムとしては、二軸配向フイルムが特に好適である。
【0008】本発明において、添加すべき不活性無機粒
子の第1成分であるシリカ粒子の少なくとも1種の粒子
の体積形状係数は0.08〜π/6である必要があり、
そして平均粒径は0.01〜0.5μmである必要があ
り、0.04〜0.3μmがより好ましい。0.01μ
m未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が不充分となる
ので好ましくない。逆に0.5μmを越えると表面平滑
性が不充分となるので好ましくない。また添加量は該ポ
リエステルに対して0.01〜1.0重量%とする必要
があり、0.15〜0.6重量%がより好ましい。0.
01重量%未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が不充
分となるので好ましくない。逆に1.0重量%を越える
と表面平滑性が低下し、かつドロップアウト発生の原因
となる粗大粒子の生成が多くなるので好ましくない。
子の第1成分であるシリカ粒子の少なくとも1種の粒子
の体積形状係数は0.08〜π/6である必要があり、
そして平均粒径は0.01〜0.5μmである必要があ
り、0.04〜0.3μmがより好ましい。0.01μ
m未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が不充分となる
ので好ましくない。逆に0.5μmを越えると表面平滑
性が不充分となるので好ましくない。また添加量は該ポ
リエステルに対して0.01〜1.0重量%とする必要
があり、0.15〜0.6重量%がより好ましい。0.
01重量%未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が不充
分となるので好ましくない。逆に1.0重量%を越える
と表面平滑性が低下し、かつドロップアウト発生の原因
となる粗大粒子の生成が多くなるので好ましくない。
【0009】第2成分である炭酸カルシウム粒子の平均
粒径は0.01μm以上0.5μm未満の範囲が必要で
あり、0.05〜0.4μmがより好ましい。0.01
μm未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が不充分とな
るので好ましくない。逆に0.5μm以上になると表面
平滑性が不充分となるので好ましくない。また添加量は
該ポリエステルに対して0.02〜1.0重量%とする
必要があり、0.05〜0.6重量%がより好ましい。
0.02重量%未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が
不充分となるので好ましくない。逆に1.0重量%を越
えると表面平滑性が低下し、かつドロップアウト発生の
原因となる粗大粒子の生成が多くなるので好ましくな
い。
粒径は0.01μm以上0.5μm未満の範囲が必要で
あり、0.05〜0.4μmがより好ましい。0.01
μm未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が不充分とな
るので好ましくない。逆に0.5μm以上になると表面
平滑性が不充分となるので好ましくない。また添加量は
該ポリエステルに対して0.02〜1.0重量%とする
必要があり、0.05〜0.6重量%がより好ましい。
0.02重量%未満では滑り性や耐摩耗性の向上効果が
不充分となるので好ましくない。逆に1.0重量%を越
えると表面平滑性が低下し、かつドロップアウト発生の
原因となる粗大粒子の生成が多くなるので好ましくな
い。
【0010】これらの粒子成分は先に規定シタ条件を満
たせば製法その他になんら限定はない。また各粒子成分
のそれぞれの平均粒径および添加量の関係は、先に規定
した条件を満たす範囲であれば任意に選ぶことができ
る。炭酸カルシウムとしては、天然品および合成品のい
ずれも使用可能である。たとえば重質炭酸カルシウム、
軽質炭酸カルシウムおよび膠質炭酸カルシウムのいずれ
を用いてもよい。
たせば製法その他になんら限定はない。また各粒子成分
のそれぞれの平均粒径および添加量の関係は、先に規定
した条件を満たす範囲であれば任意に選ぶことができ
る。炭酸カルシウムとしては、天然品および合成品のい
ずれも使用可能である。たとえば重質炭酸カルシウム、
軽質炭酸カルシウムおよび膠質炭酸カルシウムのいずれ
を用いてもよい。
【0011】また、ここでいう体積形状係数fは次式で
表わされる。 f=v/D3 式中vは粒子体積(μm3 )、Dは粒子の投影面におけ
る最大径(μm)を示す。体積形状係数は粒子の塊状の
程度を表わすもので、π/6に近づくほど塊状もしくは
球状に近づく。
表わされる。 f=v/D3 式中vは粒子体積(μm3 )、Dは粒子の投影面におけ
る最大径(μm)を示す。体積形状係数は粒子の塊状の
程度を表わすもので、π/6に近づくほど塊状もしくは
球状に近づく。
【0012】なおここに言う平均粒径とは、ストークス
の式に基づいて算出された等価球径粒度分布の積算50
%点における径をさす。本発明における微粒子のポリエ
ステル中への添加方法は、該ポリエステル製造過程にお
ける任意の段階で添加することができるが、初期縮合が
終了するまでに添加するのが特に好ましい。またポリエ
ステル製造過程への微粒子の添加方法はスラリー状およ
び粉末状のいずれの状態で添加してもよいが、粒子の飛
散防止、供給精度や均一性の向上の点からスラリー状に
分散させて添加するのが好ましく、特にエチレングリコ
ール(EG)のスラリーとして添加するのが好ましい。
スラリー状に分散させる場合には、それぞれの粒子本来
の一次粒子を出来る限り再現するような均一な分散を行
なう必要がある。また所定の平均粒径の粒子を得るため
に、市販微粒子の粉砕処理や分級操作等を採用してもか
まわない。
の式に基づいて算出された等価球径粒度分布の積算50
%点における径をさす。本発明における微粒子のポリエ
ステル中への添加方法は、該ポリエステル製造過程にお
ける任意の段階で添加することができるが、初期縮合が
終了するまでに添加するのが特に好ましい。またポリエ
ステル製造過程への微粒子の添加方法はスラリー状およ
び粉末状のいずれの状態で添加してもよいが、粒子の飛
散防止、供給精度や均一性の向上の点からスラリー状に
分散させて添加するのが好ましく、特にエチレングリコ
ール(EG)のスラリーとして添加するのが好ましい。
スラリー状に分散させる場合には、それぞれの粒子本来
の一次粒子を出来る限り再現するような均一な分散を行
なう必要がある。また所定の平均粒径の粒子を得るため
に、市販微粒子の粉砕処理や分級操作等を採用してもか
まわない。
【0013】該粒子をスラリーとして添加する時は、ス
ラリー中の5μm以上の粒子の割合が全粒子に対して
0.5重量%以下にして添加するのが粗大粒子を低下さ
せる点より特に好ましい。また、該粒子をスラリーとし
てポリエステル製造過程へ添加する場合はシリカスラリ
ーと炭酸カルシウムスラリーとを同時に添加してもよい
し、また別個に添加してもよい。同時に添加する場合は
別個の供給口から添加してもよいし、またポリエステル
製造過程へ添加する前に両スラリーを均一に混合してか
ら添加してもよい。また、凝集しない範囲内で個々の粒
子を高濃度に含有するポリエステルを予め別個に製造
し、次いで所定の粒子濃度になる様にブレンドしてもよ
い。
ラリー中の5μm以上の粒子の割合が全粒子に対して
0.5重量%以下にして添加するのが粗大粒子を低下さ
せる点より特に好ましい。また、該粒子をスラリーとし
てポリエステル製造過程へ添加する場合はシリカスラリ
ーと炭酸カルシウムスラリーとを同時に添加してもよい
し、また別個に添加してもよい。同時に添加する場合は
別個の供給口から添加してもよいし、またポリエステル
製造過程へ添加する前に両スラリーを均一に混合してか
ら添加してもよい。また、凝集しない範囲内で個々の粒
子を高濃度に含有するポリエステルを予め別個に製造
し、次いで所定の粒子濃度になる様にブレンドしてもよ
い。
【0014】粗大粒子数を増加させず、かつ表面平滑性
に対し悪い影響をおよぼさない程度の平均粒径および含
有量であれば、ポリエステルの製造過程で析出した微粒
子、いわゆる内部粒子を含んでいてもかまわない。な
お、フイルムの用途が、その片面だけと金属ロールが接
触するような場合は、接触面のみを本発明の不活性無機
粒子を含有せしめ、他面は目的に応じ不活性無機粒子を
含有せしめても良いし、含有せしめない別の層であって
もかまわない。本発明のフイルムは先に述べたように磁
気テープ用ベースフイルムに用いるのが特に好ましい
が、これに限定されるものでなく、電気用途、蒸着用フ
イルム等の他の分野へも広く適用することができる。
に対し悪い影響をおよぼさない程度の平均粒径および含
有量であれば、ポリエステルの製造過程で析出した微粒
子、いわゆる内部粒子を含んでいてもかまわない。な
お、フイルムの用途が、その片面だけと金属ロールが接
触するような場合は、接触面のみを本発明の不活性無機
粒子を含有せしめ、他面は目的に応じ不活性無機粒子を
含有せしめても良いし、含有せしめない別の層であって
もかまわない。本発明のフイルムは先に述べたように磁
気テープ用ベースフイルムに用いるのが特に好ましい
が、これに限定されるものでなく、電気用途、蒸着用フ
イルム等の他の分野へも広く適用することができる。
【0015】次に本発明の実施例および比較例を示す。
実施例中の部は特にことわらないかぎりすべて重量部を
意味する。また、用いた測定法を以下に示す。 (1) 平均粒径及び5μ以上の粒子の割合 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定器(CP−50
型)を用いて5μ以上の粒子の割合及び平均粒径を求め
た。 (2) フイルムの表面平滑性 サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用
い、針径1μm、加重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.08mmの条件で測定した中心線平
均粗さ(RA(μm))で表示する。
実施例中の部は特にことわらないかぎりすべて重量部を
意味する。また、用いた測定法を以下に示す。 (1) 平均粒径及び5μ以上の粒子の割合 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定器(CP−50
型)を用いて5μ以上の粒子の割合及び平均粒径を求め
た。 (2) フイルムの表面平滑性 サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用
い、針径1μm、加重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.08mmの条件で測定した中心線平
均粗さ(RA(μm))で表示する。
【0016】(3) フイルムの滑り性および耐摩耗性 フイルムを細幅にスリットしたテープ状ロールを金属製
ガイドロールにこすりつけて高速、長時間走行させると
き、一定の供給張力に対してガイドロール擦過後のテー
プ張力の大小およびガイドロール表面に発生する白粉量
の多少をそれぞれ5段階に評価し次のランク付けで表わ
す。 (イ) 滑り性 1級……張力大(擦り傷多い) 2級……張力やや大(擦り傷かなり多い) 3級……張力中(擦り傷ややあり) 4級……張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級……張力小(擦り傷まったくなし) (ロ) 耐摩耗性 1級……白粉発生非常に多い 2級……白粉発生多い 3級……白粉発生ややあり 4級……白粉発生ほとんどなし 5級……白粉発生まったくなし (4) フイルム中の粗大粒子数 フイルムの少量を2枚のカバーグラス間にはさんで28
0℃で溶融プレスし、急冷したのち位相差顕微鏡を用い
て観察し、画像解析処理装置ルーゼックス500(日本
レギュレーター製)を用いて処理し、粒子像内の最大長
が5μm以上の粒子数(測定面積4.8mm2 当りの個
数)をカウントし、粒子数の多少によって次のランク付
けで表わす。 1級……11個以上/4.8mm2 2級……4〜10個/4.8mm2 3級……0〜3個/4.8mm2
ガイドロールにこすりつけて高速、長時間走行させると
き、一定の供給張力に対してガイドロール擦過後のテー
プ張力の大小およびガイドロール表面に発生する白粉量
の多少をそれぞれ5段階に評価し次のランク付けで表わ
す。 (イ) 滑り性 1級……張力大(擦り傷多い) 2級……張力やや大(擦り傷かなり多い) 3級……張力中(擦り傷ややあり) 4級……張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級……張力小(擦り傷まったくなし) (ロ) 耐摩耗性 1級……白粉発生非常に多い 2級……白粉発生多い 3級……白粉発生ややあり 4級……白粉発生ほとんどなし 5級……白粉発生まったくなし (4) フイルム中の粗大粒子数 フイルムの少量を2枚のカバーグラス間にはさんで28
0℃で溶融プレスし、急冷したのち位相差顕微鏡を用い
て観察し、画像解析処理装置ルーゼックス500(日本
レギュレーター製)を用いて処理し、粒子像内の最大長
が5μm以上の粒子数(測定面積4.8mm2 当りの個
数)をカウントし、粒子数の多少によって次のランク付
けで表わす。 1級……11個以上/4.8mm2 2級……4〜10個/4.8mm2 3級……0〜3個/4.8mm2
【0017】(5) 体積形状係数(f) 粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−510型)
で観察、写真撮影したものを拡大コピーした後、粒子の
周囲をトレースしランダムに200個の粒子を黒く塗り
つぶした。このトレース像を画像解析装置(ニレコ
(株)製ルーゼックス500型)により各々の粒子につ
いて計算し、粒子投影面における最大径および粒子体積
を相加平均した値(DおよびV)を測定する。ここで述
べる粒子体積(V)とは粒子投影面の面積に等しい面積
を持つ円の半径から算出した球の体積、すなわち等価球
体積を意味する。このDおよびVから次式を用いて体積
形状係数(f)を算出する。 f=V/D3 〔D:粒子投影面における最大径(μ
m)、V:粒子体積(μm3 )〕
で観察、写真撮影したものを拡大コピーした後、粒子の
周囲をトレースしランダムに200個の粒子を黒く塗り
つぶした。このトレース像を画像解析装置(ニレコ
(株)製ルーゼックス500型)により各々の粒子につ
いて計算し、粒子投影面における最大径および粒子体積
を相加平均した値(DおよびV)を測定する。ここで述
べる粒子体積(V)とは粒子投影面の面積に等しい面積
を持つ円の半径から算出した球の体積、すなわち等価球
体積を意味する。このDおよびVから次式を用いて体積
形状係数(f)を算出する。 f=V/D3 〔D:粒子投影面における最大径(μ
m)、V:粒子体積(μm3 )〕
【0018】(6) フイルムの摩擦係数 ASTM−D−1894−63Tに準じ、23℃、65
%RH、引張速度200m/分の条件で測定した動摩擦
係数(μd)で表示する。
%RH、引張速度200m/分の条件で測定した動摩擦
係数(μd)で表示する。
【0019】実施例1 攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口
を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応
装置を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反
応生成物が存在する系ヘテレフタル酸(TPA)に対す
るEGのモル比率1.7に調整し、かつ三酸化アンチモ
ンをアンチモン原子としてTPA単位当り289ppm
を含むTPAのEGスラリーを連続的に供給した。同時
にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給口より酢酸
マグネシウム四水塩のEG溶液と酢酸ナトリウムのEG
溶液を反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステル
単位ユニット当りそれぞれMg原子およびNa原子とし
て100ppmおよび10ppmとなるように連続的に
供給し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255
℃で反応させた。
を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応
装置を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反
応生成物が存在する系ヘテレフタル酸(TPA)に対す
るEGのモル比率1.7に調整し、かつ三酸化アンチモ
ンをアンチモン原子としてTPA単位当り289ppm
を含むTPAのEGスラリーを連続的に供給した。同時
にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給口より酢酸
マグネシウム四水塩のEG溶液と酢酸ナトリウムのEG
溶液を反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステル
単位ユニット当りそれぞれMg原子およびNa原子とし
て100ppmおよび10ppmとなるように連続的に
供給し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255
℃で反応させた。
【0020】この反応生成物を連続的に系外に取り出し
て、第2エステル化反応缶に供給した。第2エステル化
反応缶を通過する反応生成物中のポリエステル単位ユニ
ットに対して0.5重量部のEG、トリメチルホスフエ
ートのEG溶液をP原子として64ppmおよび平均粒
径0.20μm、体積形状係数0.50を硅酸ソーダの
脱アルカリで得られたシリカのEGスラリーと、平均粒
径が0.25で体積形状係数0.46の炭酸カルシウム
のEGスラリーをシリカおよび炭酸カルシウムとしてそ
れぞれ0.15重量%および0.05重量%となるよう
にそれぞれ別個の供給口より連続的に供給し、常圧にて
平均滞留時間5.0時間、温度260℃で反応させた。
該エステル化反応生成物を攪拌装置、分縮器、原料仕込
口および生成物取り出し口を設けた2段の連続重縮合反
応装置に連続的に供給して重縮合を行ない、固有粘度
0.620のポリエステルを得た。該ポリマーを290
℃で溶融押出しし、90℃で縦方向に3.5倍、130
℃で横方向に3.5倍延伸した後220℃で熱処理して
得られた15μmのフイルムのフイルム特性を表1に示
した。本実施例で得たフイルムは表面平滑性、摩擦係
数、滑り性、耐摩耗性および粗大粒子数のいずれの特性
も極めて良好であり、高品質であることがわかる。
て、第2エステル化反応缶に供給した。第2エステル化
反応缶を通過する反応生成物中のポリエステル単位ユニ
ットに対して0.5重量部のEG、トリメチルホスフエ
ートのEG溶液をP原子として64ppmおよび平均粒
径0.20μm、体積形状係数0.50を硅酸ソーダの
脱アルカリで得られたシリカのEGスラリーと、平均粒
径が0.25で体積形状係数0.46の炭酸カルシウム
のEGスラリーをシリカおよび炭酸カルシウムとしてそ
れぞれ0.15重量%および0.05重量%となるよう
にそれぞれ別個の供給口より連続的に供給し、常圧にて
平均滞留時間5.0時間、温度260℃で反応させた。
該エステル化反応生成物を攪拌装置、分縮器、原料仕込
口および生成物取り出し口を設けた2段の連続重縮合反
応装置に連続的に供給して重縮合を行ない、固有粘度
0.620のポリエステルを得た。該ポリマーを290
℃で溶融押出しし、90℃で縦方向に3.5倍、130
℃で横方向に3.5倍延伸した後220℃で熱処理して
得られた15μmのフイルムのフイルム特性を表1に示
した。本実施例で得たフイルムは表面平滑性、摩擦係
数、滑り性、耐摩耗性および粗大粒子数のいずれの特性
も極めて良好であり、高品質であることがわかる。
【0021】比較例1 実施例1の方法においてシリカの体積形状係数を変更す
る以外、実施例1と同じ方法で得たフイルムのフイルム
特性を表1に示した。本比較例で得たフイルムは摩擦係
数および耐摩耗性が劣っている。
る以外、実施例1と同じ方法で得たフイルムのフイルム
特性を表1に示した。本比較例で得たフイルムは摩擦係
数および耐摩耗性が劣っている。
【0022】実施例2〜3、比較例2〜5 実施例において、シリカ及び炭酸カルシウム粒子を表1
に示す条件に変える以外、実施例1と同様にしてフイル
ムを得た。フイルムの特性を表1に示した。実施例2〜
3は良好な効果が得られたが、比較例2、3、4、5は
各々摩擦係数、粗大粒子数、耐摩耗性、耐摩耗性と粗大
粒子数、摩擦係数において劣っていた。
に示す条件に変える以外、実施例1と同様にしてフイル
ムを得た。フイルムの特性を表1に示した。実施例2〜
3は良好な効果が得られたが、比較例2、3、4、5は
各々摩擦係数、粗大粒子数、耐摩耗性、耐摩耗性と粗大
粒子数、摩擦係数において劣っていた。
【0023】
【発明の効果】本発明のポリエステルフイルムは磁気記
録媒体の基材として極めて有用であることがわかる。そ
して、平滑性、低摩擦係数、滑り性、耐摩耗性、低粗大
粒子数を必要とする用途であれば、上記以外の工業用
途、包装用途にも用いうる。
録媒体の基材として極めて有用であることがわかる。そ
して、平滑性、低摩擦係数、滑り性、耐摩耗性、低粗大
粒子数を必要とする用途であれば、上記以外の工業用
途、包装用途にも用いうる。
【0024】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 KJS 8933−4J // B29K 67:00 B29L 7:00 4F (72)発明者 前田 浩三 大阪府高槻市竹の内町2番11号 (72)発明者 小林 正宏 京都府京都市山科区音羽千本町12番4号 (72)発明者 本郷 毅 滋賀県大津市本堅田3丁目27番14号 (72)発明者 牧村 修 岐阜県大垣市美和町1812番地の5
Claims (1)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートからなるポリエステル中に、シリカ粒子と炭酸カ
ルシウム粒子の少なくとも一方の体積形状係数が0.0
8〜π/6であって、平均粒径が0.01〜0.5μm
のシリカ粒子は0.01〜1.0重量%、および平均粒
径が0.01μm以上0.5μm未満の炭酸カルシウム
粒子は0.02〜1.0重量%含有してなる配向ポリエ
ステルフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26723391A JPH05301977A (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 配向ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26723391A JPH05301977A (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 配向ポリエステルフイルム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59023567A Division JPS60166435A (ja) | 1984-02-09 | 1984-02-09 | 配向ポリエステルフイルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05301977A true JPH05301977A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=17441990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26723391A Pending JPH05301977A (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 配向ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05301977A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006062688A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Daiwa Can Co Ltd | ワイン缶詰用金属缶 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5278953A (en) * | 1975-12-26 | 1977-07-02 | Teijin Ltd | Polyester films |
JPS5515860A (en) * | 1978-07-24 | 1980-02-04 | Teijin Ltd | Orientation polyester film |
JPS5545118A (en) * | 1978-09-26 | 1980-03-29 | Teijin Ltd | Orientation polyester film for magnetic tape |
-
1991
- 1991-09-17 JP JP26723391A patent/JPH05301977A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5278953A (en) * | 1975-12-26 | 1977-07-02 | Teijin Ltd | Polyester films |
JPS5515860A (en) * | 1978-07-24 | 1980-02-04 | Teijin Ltd | Orientation polyester film |
JPS5545118A (en) * | 1978-09-26 | 1980-03-29 | Teijin Ltd | Orientation polyester film for magnetic tape |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006062688A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Daiwa Can Co Ltd | ワイン缶詰用金属缶 |
JP4514119B2 (ja) * | 2004-08-25 | 2010-07-28 | 大和製罐株式会社 | ワイン缶詰用金属缶 |
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