JPH06260955A - コンバータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相互に別な２箇所に設けられた各受信機に対
して夫々垂直偏波又は水平偏波の衛星信号を送ることが
出来て、各受信機ではそれらの信号を選択的に受信する
ことができ、しかもそれらの受信機への接続は夫々１系
統の伝送線で足りるようにしたコンバータを提供する。 【構成】 コンバータは垂直偏波用と水平偏波用の各周
波数変換器と二つのＶＨ出力端を有する。各ＶＨ出力端
は夫々個別の切替手段を介して各周波数変換器に接続し
てある為、そこには垂直又は水平偏波の内の必要とする
偏波の衛星信号を出力させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アンテナからの垂直偏
波と水平偏波の２種類の衛星信号を夫々周波数変換して
出力するようにしてあるコンバータに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンバータは、アンテナからの垂
直偏波の衛星信号を周波数変換して垂直偏波用の出力端
から出力すると共に、アンテナからの水平偏波の衛星信
号を周波数変換して上記出力端とは別な水平偏波用の出
力端から出力するようになっている。このようなコンバ
ータでは、上記両出力端を夫々個別の伝送線でもって屋
内の受信機に接続することにより、その受信機にて垂直
偏波又は水平偏波を任意に選択利用できるという信号利
用上の便利性がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記接続用の伝
送線の数に関しては、上記の如く垂直偏波の信号用と水
平偏波の信号用とに合計２系統の伝送線が必要であると
いう資材面での不経済性があった。又離れ座敷に２台目
の受信機を増設する場合には、同様に垂直偏波用と水平
偏波用との２系統の伝送線が必要となり、資材面での不
経済性及び配線工事の煩わしさが大きいという問題点が
あった。

【０００４】本願発明は上記従来技術の問題点（技術的
課題）を解決する為になされたもので、コンバータと受
信機との接続の為の資材が１系統の伝送線のみで足りて
経済的であり、その上、離れ座敷に２台目の受信機を増
設する時のコンバータと受信機との接続も、１系統の伝
送線のみの少ない資材でもって経済的に、しかも簡便な
作業で行い得るようにしたコンバータを提供することを
目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明におけるコンバータは、アンテナからの垂
直偏波の衛星信号を受け入れて周波数変換し出力する垂
直用周波数変換回路と、上記アンテナからの水平偏波の
衛星信号を受け入れて周波数変換し出力する水平用周波
数変換回路と、夫々切替信号に応じて切替動作をする第
１と第２の二つの切替手段と、第１と第２の二つのＶＨ
出力端とを有し、上記第１の切替手段は、上記垂直用周
波数変換回路又は水平用周波数変換回路を上記第１のＶ
Ｈ出力端に交換的に繋ぐよう、上記両周波数変換回路と
上記第１出力端との間に接続すると共に、該手段におけ
る切替信号の入力端は上記第１のＶＨ出力端に接続し、
上記第２の切替手段は、上記垂直用周波数変換回路又は
水平用周波数変換回路を上記第２のＶＨ出力端に交換的
に繋ぐよう、上記両周波数変換回路と上記第２出力端と
の間に接続すると共に、該手段における切替信号の入力
端は上記第２のＶＨ出力端に接続したものである。

【０００６】

【作用】第１のＶＨ出力端に垂直又は水平偏波を選択す
るための切替信号を与えると第１の切替手段が応動し、
対応偏波の周波数変換器からの信号がそのＶＨ出力端に
現れる。第２のＶＨ出力端に切替信号を与えた場合も同
様である。

【０００７】

【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。図１に示されるコンバータ10において、11はケース
の存在を示す。12は衛星信号受信用アンテナにおける衛
星信号の受信部を示し、例えば一次放射器である。該一
次放射器は、衛星信号の導入の為の円形導波管12ａと、
導入した垂直偏波の衛星信号及び水平偏波の衛星信号を
夫々受ける為の各受信部材例えば上記円形導波管12ａの
奥部に備えられたプローブ13Ｖ，13Ｈとで構成してあ
る。円形導波管は上記ケース11に取付けてある。14ａ,
14ｂは夫々上記ケース11に備えさせた第１及び第２のＶ
Ｈ出力端で、例えば同軸ケーブル用の接続端子である。
次に15Ｖ, 15Ｈは衛星信号を周波数変換に適するレベル
まで増幅する為の高周波増幅回路、16Ｖ, 16Ｈは夫々垂
直用及び水平用の各周波数変換回路を示し、前者はミキ
サ17Ｖと局部発振回路18とで構成してあり、後者はミキ
サ17Ｈと局部発振回路18とで構成してある。19は両ミキ
サ17Ｖ，17Ｈに一つの局部発振回路18を共用する為に用
いた部材で、例えば分配回路である。20Ｖ, 20Ｈは中間
周波信号を分配に適するレベルまで増幅する為の中間周
波増幅回路、24Ｖ, 24Ｈは増幅回路20Ｖ, 20Ｈと次段の
切替手段とを整合性良く接続する為の部材で、例えば分
配回路が利用される。

【０００８】次に21ａは上記垂直用周波数変換回路16Ｖ
又は水平用周波数変換回路16Ｈを上記第１のＶＨ出力端
14ａに交換的に繋ぐ為の第１の切替手段を示し、一例と
して切替要素22とその制御回路23とで構成してある。23
Ａは第１の切替手段における切替信号の入力端を示し、
上記制御回路23の電圧入力端をもって構成してある。上
記切替要素22はその制御端22Ｃに与えられる制御信号が
ローかハイかによって回路22Ａ又は回路22Ｂが導通する
状態に対応切替するものであり、例えばリレーが用いら
れる。上記制御回路23は電圧入力端23Ａに入来する電圧
の高又は低に応じて出力端23Ｃに対応制御信号例えばハ
イ又はローの信号が現れるようにしたものであり、例え
ばコンパレータが用いられる。23Ｂは基準電圧入力端で
ある。21ｂは第２の切替手段を示し、前記第１の切替手
段21ａと同様に構成してある。

【０００９】次に25ａ, 25ｂは中間周波信号を所定の出
力レベルまで増幅する為の中間周波増幅回路、27はスイ
ッチング回路で、二つの受入端27ａ，27ｂに夫々与えら
れる信号（切替信号及び電力）を送出端27ｃにのみ通す
回路であり、一例としてシンボルで示される向きに接続
した整流回路（例えばダイオード）をもって構成してあ
る。28ａ, 28ｂは信号分離の為に用いられた周知の電源
分離フィルタである。29は周知の定電圧回路で、その出
力側は増幅回路や周波数変換回路の電力受入部に接続し
てある。又該回路の出力電圧例えば６ボルトは前記コン
パレータの基準電圧として利用してある。

【００１０】上記構成のコンバータ10は、両ＶＨ出力端
14ａ，14ｂにコンバータ作動用の電力が供給されていな
い場合には各切替要素22は図示の如く回路22Ａが導通し
た状態となっている。

【００１１】ＶＨ出力端14ａに矢印31で示されるように
コンバータ作動用の電力が供給されるとその電力はフィ
ルタ28ａ、スイッチング回路27、定電圧回路29を通って
各増幅回路、局部発振回路18、制御回路23等に供給さ
れ、それらが動作状態となる。又上記ＶＨ出力端14ａに
切替信号が矢印32で示すように加わると、その信号はフ
ィルタ28ａを通って第１の切替手段21ａにおける切替信
号の入力端23Ａに与えられ、切替手段の交換的接続動作
が行われる。上記切替信号としては例えば上記電力の電
圧値の高低の違い例えば１５ボルトと１１ボルト以下と
の違いが利用される。上記切替信号が水平偏波を指定す
る信号例えば高電圧であると出力端23Ｃはハイとなり、
切替要素22は回路22Ｂが導通する。この状態において
は、受信部12に到来しプローブ13Ｈで受けられた水平偏
波の衛星信号が、高周波増幅回路15Ｈで増幅され、周波
数変換回路16Ｈにおいて中間周波信号（一般に衛星第１
中間周波信号）に変換され、増幅回路20Ｈで増幅され、
切替手段21ａの回路22Ｂを通り、増幅回路25ａで増幅さ
れ、フィルタ28ａを通ってＶＨ出力端14ａから矢印33で
示す如く出力される。

【００１２】上記ＶＨ出力端14ａに与えられる切替信号
が垂直偏波を指定する信号例えば低電圧であると、その
信号を受け取った制御回路23の出力端23Ｃはローとな
り、切替要素22は回路22Ａが導通する。従ってこの場合
には、プローブ13Ｖで受けられた垂直偏波の衛星信号が
前記の場合と同様に増幅並びに周波数変換され、切替手
段21ａを通ってＶＨ出力端14ａに出力される。

【００１３】第２のＶＨ出力端14ｂに関しても全く同様
の動作が行われる。矢印31〜33は第１のＶＨ出力端の場
合と同様に電力或いは信号の出入を示す。

【００１４】第１のＶＨ出力端14ａと第２のＶＨ出力端
14ｂに共に切替信号が与えられる場合、スイッチング回
路27の存在によりそれらの切替信号が夫々相手側の切替
手段21ｂ, 21ａに到達することが阻止される。その結
果、第１のＶＨ出力端14ａと第２のＶＨ出力端14ｂでの
垂直偏波及び水平偏波の選択は全く独立して行うことが
できる。

【００１５】次に上記コンバータ10の使用状態の一例を
示す図２について説明する。35は母屋34ａの家屋に取付
けられた衛星信号受信用のアンテナを示し、反射鏡の焦
点位置に前記受信部12が位置する状態で前記コンバータ
10が用いてある。36ａ, 36ｂは夫々前記第１及び第２の
ＶＨ出力端14ａ, 14ｂに接続した夫々１系統の伝送線例
えば夫々１本の同軸ケーブルを示す。37ａ, 37ｂは上記
母屋34ａと離れ34ｂに設置された受信機（例えば衛星チ
ューナー）で、垂直偏波と水平偏波の選択操作部38を備
えている。これらの受信機37ａ, 37ｂは伝送線36ａ, 36
ｂからの衛星信号の受入と伝送線36ａ, 36ｂへ向けての
電力の送出並びに切替信号の送出が可能である。39はテ
レビ受像機である。尚上記１系統の伝送線とは、上記電
力と切替信号と衛星信号（中間周波信号）の伝送を夫々
個別に行う複数本の伝送線で構成したものであっても良
い。

【００１６】このような使用状態においては受信機37ａ
で操作部38を操作すると、切替信号が伝送線36ａを通し
てコンバータ10に与えられる。するとコンバータ10から
は前述のように切替信号に対応した垂直偏波又は水平偏
波の衛星信号が出力され、それが伝送線36ａを通して受
信機37ａに与えられ、テレビ受像機39でもって受像を行
うことができる。又受信機37ｂにおいても上記受信機37
ａとは全く独立して同様の受信をし、受像を行うことが
できる。

【００１７】次に図３は前記受信機37ａの回路の一例
（受信機37ｂも同様）を示すものである。符号51〜58は
この種の受信機における周知の部材を示すもので、51は
伝送線36ａの接続用の入力端、52は電源分離フィルタ、
53は選局回路、54は復調回路、55はテレビ受像機接続用
の出力端である。56〜58は伝送線に向けコンバータ動作
用の電力を送出する為のもので、56は電源プラグ、57は
電源トランス、58は整流及び平滑用の回路である。60は
切替信号の形成回路で、上記電力の電圧を切り替えるよ
うにしたものが例示され、回路58からの直流を受けて高
電圧（前記１５ボルト）の一定電圧を出力する定電圧回
路61と、低電圧（前記１１ボルト）の一定電圧を出力す
る定電圧回路62と、両者の出力を交換的に送り出すため
の切替スイッチ63とで構成してある。スイッチ63は前記
選択操作部38によって切替操作されるようになってい
る。

【００１８】この受信機において、入力端51に到来した
衛星中間周波信号は、フィルタ52を通って選局回路53に
与えられ、そこで所望のチャンネルの信号が選択され、
復調回路54で復調された信号が出力端55から出力され
る。一方プラグ56からの１００ボルトの交流はトランス
57で低圧化され、回路58で直流にされた後、回路61から
の高電圧又は回路62からの低電圧がスイッチ63の切換に
応じてフィルタ52を通して入力端51から送り出される。

【００１９】次に上記コンバータの利用の応用例を示す
図４について説明する。この図は共同受信の場合のヘッ
ドエンドに上記コンバータを利用した例を示すもので、
41は衛星信号受信用のアンテナを示し、前記コンバータ
10が図２の場合と同様に利用されている。42はＣＳ−Ｉ
Ｆチャンネル配列変換器で、夫々入力衛星信号のチャン
ネルを希望の出力チャンネルの信号に変換して出力する
為の２台のチャンネルプロセッサー44, 45を備えてい
る。チャンネルプロセッサー44はオン状態で１５ボルト
の電力の送電を行う電源供給スイッチ46を備えている。
47は後段へ向けて衛星中間周波信号を伝送する為の伝送
線である。この利用例においては、チャンネルプロセッ
サー44から高電圧の電力を送出すると、コンバータ10の
第１のＶＨ出力端14ａからは水平偏波の衛星信号が出力
され、それが伝送線36ａを通してチャンネルプロセッサ
ー44に至る。この場合、チャンネルプロセッサー45から
電力の送出を行わなくても、コンバータ10の第２のＶＨ
出力端14ｂから垂直偏波の衛星信号が出力され、それが
伝送線36ｂを通してチャンネルプロセッサー45に至る。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、１台
目の受信機37ａで衛星信号を受信したい場合、受信機側
から切替信号を送ることによって垂直又は水平偏波の衛
星信号を受信機側に受け取ることが出来るから、何れの
信号でも選択利用して楽しむことができる効果がある。

【００２１】しかも本願発明のコンバータは、コンバー
タ10における第１のＶＨ出力端14ａに切替信号を与えれ
ばその出力端14ａに垂直偏波又は水平偏波のどちらの信
号でも現れるようにしてあるから、コンバータ10と上記
１台目の受信機37ａとの接続は１系統の伝送線36ａで足
りる資材面での経済効果がある。

【００２２】その上、第２のＶＨ出力端14ｂに関しても
上記第１のＶＨ出力端14ａと同機能を備えているから、
離れ座敷に２台目の受信機37ｂを増設する場合には、上
記コンバータ10と該２台目の受信機37ｂとを１系統のみ
の少ない伝送線36ｂでもって接続するだけで増設できる
資材面での経済性及び工事作業面での簡便性がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ブロック回路図。

【図２】コンバータの使用例を示す図。

【図３】受信機のブロック回路図。

【図４】コンバータの利用の応用例を示す図。

【符号の説明】

14ａ 第１のＶＨ出力端 14ｂ 第２のＶＨ出力端 16Ｖ 垂直用周波数変換回路 16Ｈ 水平用周波数変換回路 21ａ 第１の切替手段 21ｂ 第２の切替手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンテナからの垂直偏波の衛星信号を受
   け入れて周波数変換し出力する垂直用周波数変換回路
   と、上記アンテナからの水平偏波の衛星信号を受け入れ
   て周波数変換し出力する水平用周波数変換回路と、夫々
   切替信号に応じて切替動作をする第１と第２の二つの切
   替手段と、第１と第２の二つのＶＨ出力端とを有し、上
   記第１の切替手段は、上記垂直用周波数変換回路又は水
   平用周波数変換回路を上記第１のＶＨ出力端に交換的に
   繋ぐよう、上記両周波数変換回路と上記第１出力端との
   間に接続すると共に、該手段における切替信号の入力端
   は上記第１のＶＨ出力端に接続し、上記第２の切替手段
   は、上記垂直用周波数変換回路又は水平用周波数変換回
   路を上記第２のＶＨ出力端に交換的に繋ぐよう、上記両
   周波数変換回路と上記第２出力端との間に接続すると共
   に、該手段における切替信号の入力端は上記第２のＶＨ
   出力端に接続したことを特徴とするコンバータ。
2. 【請求項２】 第１及び第２のＶＨ出力端には、それら
   のＶＨ出力端に現れる出力信号を対応受信機に向けて夫
   々伝送すると共に、対応受信機からの切替信号を各ＶＨ
   出力端に向け伝送する為の、夫々１本の伝送線を接続し
   たことを特徴とする請求項１記載のコンバータ。