JPH10135858A - 衛星信号分配器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直偏波及び水平偏波の受信信号を各々出力
する衛星受信アンテナからの受信信号を複数の端末側に
伝送する際、各端末側に、１本のケーブルで所望偏波の
受信信号を伝送することのできる衛星信号分配器を提供
する。 【解決手段】 入力端子２２Ｖ，２２Ｈに入力された垂
直及び水平偏波の受信信号を、夫々、分配回路２６Ｖ，
２６Ｈにて４分配し、その４分配した各信号を切換回路
２８ａ〜２８ｄに入力する。そして、各切換回路２８ａ
〜２８ｄでは、出力端子２４ａ〜２４ｄに接続された端
末装置側より入力される偏波切換信号の電圧レベル（１
１Ｖ又は１５Ｖ）に応じて、垂直及び水平偏波信号のい
ずれかを選択して、出力端子２４ａ〜２４ｄから出力す
る。また偏波切換信号（１１Ｖ又は１５Ｖ）は、電圧合
成部３０，チョークコイルＬV，ＬH等を介して、入力端
子２２Ｖ，２２Ｈから受信アンテナ側の対応する受信部
に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、通信衛星から送信
された直交２偏波の電波を受信して各偏波の受信信号を
各々出力する衛星受信アンテナから出力される受信信号
を、複数の端末側に分配するのに好適な衛星信号分配器
に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、通信衛星から送信された直交２偏波の電波を受信す
る衛星受信アンテナとして、受信した直交２偏波の電波
を垂直偏波と水平偏波とに分け、これら垂直偏波信号及
び水平偏波信号を、夫々、所定周波数帯の受信信号に変
換して出力する受信部を備えたアンテナが知られてい
る。

【０００３】そして、この種の衛星受信アンテナからの
受信信号を端末側に伝送する際には、受信部の各偏波信
号出力用の出力端子に、受信信号伝送用として各１本ず
つのケーブルを接続し、この２本のケーブルを端末側ま
で配線していた。また、一つのアンテナからの受信信号
を複数の端末側で利用する際には、アンテナから引き出
した２本のケーブルの途中に夫々分配器を設け、各分配
器で分配した垂直偏波信号及び水平偏波信号を、夫々、
ケーブルを介して端末側に伝送するようにしていた。

【０００４】このため、従来、この種の衛星受信アンテ
ナを用いて受信した衛星信号を利用するには、垂直偏波
用と水平偏波用の２本のケーブルを配線しなければなら
ず、また端末側の各部屋にも受信信号取り出し用の端子
を２個設置しなければならず、屋内配線工事が極めて面
倒であった。

【０００５】また、端末側に設けられるチューナ（所謂
ＣＳチューナ）は、通常、垂直偏波信号を受けたいとき
には、ケーブルを介してアンテナからの受信信号が入力
される入力端子からアンテナ側に、垂直偏波受信用の直
流電圧信号（一般に１１Ｖ）を出力し、水平偏波信号を
受けたいときには、同じく入力端子からアンテナ側に、
水平偏波受信用の直流電圧信号（一般に１５Ｖ）を出力
するようにされており、ＣＳチューナに各偏波の受信信
号をそのまま入力してチューナ側で受信信号を選択させ
ることができないので、端末側には、ＣＳチューナから
の偏波切換信号（１１Ｖ又は１５Ｖ）を受けて、ＣＳチ
ューナに垂直偏波信号を入力するか水平偏波信号を入力
するかを切り換える切換器を別途設けなければならない
といった問題もある。

【０００６】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、垂直偏波及び水平偏波の受信信号を各々出力
する衛星受信アンテナからの受信信号を複数の端末側に
伝送する際、受信信号伝送系に受信信号伝送用の２本の
ケーブルを配線することなく、１本のケーブルで各端末
側に所望偏波の受信信号を伝送することのできる衛星信
号分配器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項１に記載の発明は、通信衛星から送
信された直交２偏波の電波を垂直偏波と水平偏波とに分
けて受信し、各偏波信号を夫々所定周波数帯の受信信号
に変換して出力する受信部を備えた衛星受信アンテナに
接続され、前記受信部からの受信信号を複数に分配して
端末側に伝送する衛星信号分配器であって、前記受信部
からの垂直偏波信号及び水平偏波信号を夫々入力するた
めの一対の入力端子と、該一対の入力端子に入力された
偏波信号を、夫々、複数に分配する一対の分配回路と、
該一対の分配回路による受信信号分配数に対応して複数
設けられ、前記各分配回路にて分配された垂直偏波信号
及び水平偏波信号を夫々受けて、該信号の内のいずれか
を選択して出力する切換回路と、該各切換回路から出力
される垂直偏波信号又は水平偏波信号を、夫々、端末側
に出力する、前記分配数に対応した複数の出力端子と、
を備え、前記各切換回路は、自体に接続された前記出力
端子に対して端末側より入力される偏波切換信号に対応
して、前記垂直及び水平のいずれかの偏波信号を選択
し、前記出力端子に出力することを特徴とする。

【０００８】このように構成された本発明の衛星信号分
配器においては、衛星受信アンテナの受信部から出力さ
れる垂直偏波信号及び水平偏波信号を、夫々、対応する
入力端子に入力すれば、垂直偏波信号及び水平偏波信号
が、各入力端子に接続された分配回路により複数に分配
される。そして、複数に分配された垂直偏波信号及び水
平偏波信号は、垂直偏波信号及び水平偏波信号を一組と
して、複数の切換回路に夫々入力される。

【０００９】一方、各切換回路には、入力された垂直偏
波信号及び水平偏波信号の内のいずれかを選択して端末
側に出力するための出力端子が接続されている。そし
て、各切換回路は、自体に接続された出力端子に対して
端末側より入力された偏波切換信号に対応して垂直及び
水平のいずれかの偏波信号を選択し、出力端子に出力す
る。

【００１０】この結果、本発明の衛星信号分配器によれ
ば、複数の出力端子に対して、各端子に接続される端末
装置（前述のＣＳチューナ等）側から偏波切換信号を入
力すれば、各出力端子から、その偏波切換信号に応じた
垂直偏波又は水平偏波の受信信号が出力されることにな
り、各端末装置側では、個々に、所望の偏波チャンネル
の放送を楽しむことができるようになる。

【００１１】また、本発明によれば、当該衛星信号分配
器から各端末装置に至る受信信号の伝送経路を１本のケ
ーブルで実現できるため、従来に比べて、受信信号伝送
用ケーブルの配線工事を容易に行なうことができる。そ
して、従来のように、端末装置への受信信号入力経路に
垂直偏波／水平偏波切換用の切換器を別途設ける必要は
なく、しかも、端末装置が配置される各部屋への受信信
号の入力端子も一つにすることができるので、各部屋へ
の端末装置の設置工事も容易に行なうことができると共
に、各部屋に設置する部品点数も低減できる。

【００１２】次に、請求項２に記載の発明は、請求項１
に記載の衛星信号分配器において、前記切換回路は、前
記出力端子に対して前記端末側より入力される偏波切換
信号の電圧レベルから、垂直偏波信号と水平偏波信号と
のいずれを出力するかを判定する判定回路と、該判定回
路の判定結果に従い切換スイッチを駆動して垂直偏波信
号と水平偏波信号の内のいずれかを前記出力端子に出力
させる駆動回路と、を備えたことを特徴とする。

【００１３】即ち、請求項１に記載の衛星信号分配器に
おいて、例えば、切換回路を、偏波切換信号のデューテ
ィ比に応じて偏波信号を選択するよう構成すれば、端末
側から出力端子に入力する偏波切換信号に、垂直偏波受
信時と水平偏波受信時とで異なるデューティ比に設定し
たデューティ信号を用いることができ、切換回路を、偏
波切換信号の周波数に応じて偏波信号を選択するよう構
成すれば、端末側から出力端子に入力する偏波切換信号
に、垂直偏波受信時と水平偏波受信時とで異なる周波数
に設定した交流信号を用いることができる。しかし、Ｃ
Ｓチューナ等では、通常、偏波切換信号として、電圧レ
ベルを例えば１１Ｖと１５Ｖのいずれかに設定した直流
電圧を出力されており、その電圧レベルによって垂直偏
波と水平偏波とを切り換えるようにされているので、切
換回路を、偏波切換信号のデューティ比や周波数を判定
して、垂直偏波信号及び水平偏波信号のいずれかを選択
するよう構成すると、端末側に、デューティ比或いは周
波数を制御した偏波切換信号を出力可能な専用の装置を
設けなければならない。

【００１４】そこで、請求項２に記載の衛星信号分配器
では、切換回路において、まず判定回路が、出力端子に
端末側より入力された偏波切換信号の電圧レベルから、
垂直偏波信号及び水平偏波信号のいずれを出力するかを
判定し、駆動回路が、その判定結果に従い切換スイッチ
を駆動して、出力端子に受信信号として出力する偏波信
号を選択するよう構成しているのである。この結果、本
発明によれば、出力端子に、ＣＳチューナ等から出力さ
れる偏波切換信号（直流電圧）をそのまま入力すればよ
く、衛星信号分配器を、一般的な共同受信システムに利
用することが可能になる。

【００１５】また次に、請求項３に記載の発明は、請求
項１又は請求項２に記載の衛星信号分配器において、前
記受信部への電源供給のために、商用電源を整流・平滑
した直流電圧を前記入力端子から前記受信部へ送出する
電源回路を設けたことを特徴とする。

【００１６】即ち、衛星受信アンテナの受信部は、通
常、受信信号を出力する出力端子に端末側から電源供給
を受けることにより動作するよう構成されている。そこ
で、請求項３に記載の衛星信号分配器では、商用電源を
整流・平滑して直流電圧を生成する電源回路を設け、こ
の電源回路で生成した直流電圧を、入力端子から衛星受
信アンテナの受信部へと送出することにより、受信部に
電源供給を行うようにしているのである。この結果、本
発明によれば、共同受信システムを構成するに当たっ
て、衛星受信アンテナに電源供給を行うための電源装置
を別途設ける必要はなく、共同受信システムを容易に構
成できる。

【００１７】一方、請求項４に記載の発明は、請求項２
に記載の衛星信号分配器において、前記出力端子に端末
側より入力された偏波切換信号を、前記衛星受信アンテ
ナの受信部への電源供給信号として、前記入力端子側に
バイパスさせる直流信号バイパス回路を備えたことを特
徴とする。

【００１８】即ち、本発明では、衛星受信アンテナの受
信部に電源供給を行うために、直流信号バイパス回路に
よって、出力端子に接続された端末側からの偏波切換信
号（直流電圧）をそのまま入力端子側にバイパスさせる
ことにより、端末側より供給された直流電圧からなる偏
波切換信号を、受信部への電源供給信号として入力端子
から受信部に出力するようにしている。

【００１９】この結果、一般のＣＳチューナのように、
端末装置側から当該衛星信号分配器に対して、衛星受信
アンテナへの電源供給を兼ねた偏波切換信号（直流電
圧）を出力するようにすれば、この偏波切換信号により
衛星受信アンテナの受信部への電源供給を行なうことが
可能になる。そして、この場合には、受信部への電源供
給のために、分配器内に電源回路を設ける必要がないた
め、請求項３に記載の分配器に比べて、その構成を簡単
にできる。

【００２０】次に、請求項５に記載の発明は、請求項４
に記載の衛星信号分配器において、前記直流信号バイパ
ス回路は、前記各切換回路に夫々設けられ、前記偏波切
換信号を、前記切換スイッチを介して、垂直偏波信号又
は水平偏波信号の入力経路に出力させる偏波切換信号出
力回路と、該偏波切換信号出力回路及び前記切換スイッ
チを介して前記各切換回路の垂直偏波信号の入力経路側
に出力された偏波切換信号と、前記偏波切換信号出力回
路と前記切換スイッチを介して前記各切換回路の水平偏
波信号の入力経路側に出力された偏波切換信号とを、夫
々、合成する電圧合成部と、該電圧合成部にて合成され
た垂直偏波信号入力経路側の偏波切換信号の合成電圧
を、前記垂直偏波信号の入力端子に印加し、前記電圧合
成部にて合成された水平偏波信号入力経路側の偏波切換
信号の合成電圧を、前記水平偏波信号の入力端子に印加
する合成電圧印加回路と、からなることを特徴とする。

【００２１】即ち、衛星受信アンテナに設けられる受信
部には、ＣＳチューナ等から出力される偏波切換信号の
電圧レベルが垂直偏波受信用の電圧レベル（一般に直流
１１Ｖ）であるときに、その偏波切換信号により動作し
て、垂直偏波信号を出力するコンバータ回路と、偏波切
換信号の電圧レベルが水平偏波受信用の電圧レベル（一
般に直流１５Ｖ）であるときに、その偏波切換信号によ
り動作して、水平偏波信号を出力するコンバータ回路と
の２種類のコンバータ回路を備えたものが知られてい
る。

【００２２】そして、このような受信部を有する衛星受
信アンテナでは、垂直偏波信号を出力するコンバータ回
路に対しては垂直偏波受信用の偏波切換信号を、水平偏
波信号を出力するコンバータ回路に対しては水平偏波受
信用の偏波切換信号を、夫々出力する必要がある。

【００２３】そこで本発明（請求項５）では、こうした
２つのコンバータ回路を備えた受信部への電源供給を、
端末側から各出力端子に入力された偏波切換信号によっ
て行えるようにするために、まず、各切換回路内に設け
た偏波切換信号出力回路によって、偏波切換信号を、そ
の信号レベルに対応した受信信号（垂直偏波信号又は水
平偏波信号）の入力経路側に出力し、これら各受信信号
の入力経路（換言すれば、各分配回路からの受信信号の
分配経路）側に設けられた電圧合成部にて、各出力端子
に入力された垂直偏波受信用の偏波切換信号と水平偏波
受信用の偏波切換信号とを夫々合成する。そして、その
合成した各偏波受信用の偏波切換信号の合成電圧を、合
成電圧印加回路によって、対応する偏波信号入力用の入
力端子に印加することにより、各入力端子から受信部の
出力端子（つまり上記各コンバータ回路）へと、その動
作に必要な電圧を供給する。尚、電圧合成部にて合成さ
れる偏波切換信号の合成電圧は、偏波切換信号の平均電
圧となるが、合成される偏波切換信号は垂直偏波受信用
と水平偏波受信用とのいずれかであるため、合成後の電
圧も垂直偏波受信用及び水平偏波受信用の偏波切換信号
の設定電圧（一般に１１Ｖ，１５Ｖ）となる。

【００２４】この結果、本発明（請求項５）によれば、
偏波切換信号出力回路，電圧合成部，合成電圧印加回路
からなる直流信号バイパス回路により、端末装置側から
出力された偏波切換信号を合成して、受信部の各出力端
子（つまり各コンバータ回路）に必要な電圧を夫々供給
することが可能となり、衛星受信アンテナの受信部を正
常に動作させることができる。

【００２５】また次に、請求項６に記載の発明は、請求
項１〜請求項５いずれか記載の衛星信号分配器におい
て、前記衛星受信アンテナとは異なる第２受信アンテナ
からの第２受信信号を入力するための第２入力端子と、
該第２入力端子に入力された受信信号を２分配する第２
分配回路と、該第２分配回路にて２分配された第２受信
信号を、夫々、前記一対の分配回路への受信信号入力経
路に重畳して、該第２受信信号を前記垂直偏波信号又は
水平偏波信号と共に前記一対の分配回路に夫々入力する
第２受信信号重畳回路と、を備えたことを特徴とする。

【００２６】この結果、本発明（請求項６）の衛星信号
分配器においては、例えば、ＶＨＦやＵＨＦのテレビ放
送信号を受信する受信アンテナ（ＶＨＦアンテナ，ＵＨ
Ｆアンテナ）、或いは放送衛星からのテレビ放送信号を
受信する受信アンテナ（ＢＳアンテナ）等、衛星受信ア
ンテナとは異なる第２受信アンテナにて受信された第２
受信信号を、第２入力端子に入力すれば、この第２受信
信号と衛星受信アンテナにて受信した垂直偏波又は水平
偏波の受信信号とが、夫々、一対の分配回路に入力さ
れ、各出力端子からは、端末装置側より入力された偏波
切換信号に応じた垂直偏波信号又は水平偏波信号と第２
受信信号とが出力されることになる。

【００２７】従って、本発明によれば、衛星信号分配器
から各端末装置に対して、第２受信アンテナにて受信さ
れたテレビ放送信号等の第２受信信号と、衛星受信アン
テナにて受信された通信衛星からの受信信号（垂直偏波
信号又は水平偏波信号）とを、１本のケーブルを用いて
伝送することが可能になり、ケーブルの配線工事等をよ
り簡単に行なうことができるようになる。

【００２８】また、本発明の衛星信号分配器を用いれ
ば、既に設置されているテレビ放送受信用の共同受信シ
ステムの分配器と交換するだけで、共同受信システム
を、通信衛星からの信号を受信して各端末に分配可能な
所謂ＣＳ受信対応の共同受信システムに変更することが
できる。

【００２９】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。まず図２は本発明が適用された衛星信号分
配器（以下単に分配器という）を備えた共同受信システ
ム全体の構成を表わす概略構成図である。

【００３０】図２に示す如く、本実施例の共同受信シス
テムは、受信アンテナ２として、通信衛星から送信され
た直交２偏波の送信電波を受信するオフセット型パラボ
ラアンテナを備える。受信アンテナ２は、反射鏡４と、
支持腕８を介して反射鏡４の焦点位置に配置された受信
部６とからなり、受信部６は、２出力型コンバータと呼
ばれ、反射鏡４にて集波された通信衛星からの送信電波
を、受信・増幅し、夫々独立に偏波の選択をして、所定
周波数帯（９５０〜１５００ＭＨｚ）の受信信号に変換
するコンバータ回路を一対備えた周知のものである。

【００３１】そして、この受信部６は、出力端子に加わ
る電圧値に応じて、２系統が夫々独立に垂直偏波及び水
平偏波を選択するものであり、その出力端子には、受信
信号伝送用の同軸ケーブルを介して、分配器１０の一対
の入力端子２２Ｖ，２２Ｈ（図１参照）が夫々接続され
る。なお、入力端子２２に付与した添え字Ｖ，Ｈは、夫
々、垂直偏波，水平偏波を表わす。

【００３２】次に、分配器１０は、入力端子２２Ｖ及び
２２Ｈに入力された垂直偏波信号及び水平偏波信号を夫
々４分配し、その４分配した垂直偏波信号及び水平偏波
信号のいずれかを４個の出力端子２４ａ〜２４ｄ（図１
参照）から端末側に出力する４分配器である。そして、
各出力端子２４ａ〜２４ｄは、受信信号伝送用の同軸ケ
ーブルを介して、当該共同受信システムが設置される施
設の各部屋に配置されたＣＳチューナ１２に夫々接続さ
れている。

【００３３】また、ＣＳチューナ１２には、テレビ受像
機（以下、単にテレビという）１４が接続され、ＣＳチ
ューナ１２が受信・復調した映像及び音声信号をテレビ
１４に入力することにより、通信衛星から送信されてき
た所望チャンネルの映像及び音声を再生できるようにさ
れている。なお、ＣＳチューナ１２が配置される各部屋
には、分配器１０に接続されたケーブルの端子が壁に埋
め込まれ、ＣＳチューナ１２とこの端子とは、別のケー
ブルで接続されるのが一般的であるが、図２は共同受信
システムの概略構成を示すものであるため、こうした点
については省略してある。

【００３４】また、受信アンテナ２の受信部６を構成し
ている一対のコンバータ回路の内、出力端子が分配器１
０の入力端子２２Ｖに接続される垂直偏波受信用のコン
バータ回路は、その出力端子に直流１１Ｖの偏波切換信
号が入力されることにより動作し、出力端子が分配器１
０の入力端子２２Ｈに接続される水平偏波受信用のコン
バータ回路は、その出力端子に直流１５Ｖの偏波切換信
号が入力されることにより動作する。そして、各部屋に
配置されたＣＳチューナ１２は、直流１１Ｖ又は１５Ｖ
の偏波切換信号を、分配器１０の出力端子２４ａ〜２４
ｄに接続される受信信号の入力端子から出力することに
より、受信信号の偏波切換と受信アンテナ２への電源供
給とを同時に行ない得るようにされている。なお、この
ように構成された受信アンテナ２及びＣＳチューナ１２
は、従来より周知であるので、これらの詳細な説明は省
略する。

【００３５】次に、本実施例において本発明にかかわる
主要部である分配器１０の構成を、図１を用いて説明す
る。図１に示す如く、分配器１０には、垂直偏波信号及
び水平偏波信号入力用（Ｖ入力用，Ｈ入力用）の各入力
端子２２Ｖ，２２Ｈにおいて同軸ケーブルの芯線が接続
される中心端子に、直流カット・高周波成分通過用のコ
ンデンサＣを介して接続された一対の分配回路２６Ｖ，
２６Ｈが備えられている。これら各分配回路２６Ｖ，２
６Ｈは、各入力端子２２Ｖ，２２Ｈに入力された垂直偏
波信号及び水平偏波信号を、夫々、４分配するためのも
のであり、４つの分配出力端子は、夫々、コンデンサＣ
及びチョークコイルＬからなる電圧合成部３０を介し
て、切換回路２８ａ〜２８ｄに接続されている。

【００３６】切換回路２８ａ〜２８ｄは、各分配回路２
６Ｖ，２６Ｈにて分配された垂直偏波信号及び水平偏波
信号を夫々受けていずれかの信号を選択し、選択した垂
直偏波信号又は水平偏波信号を、対応する出力端子２４
ａ〜２４ｄに出力することで、出力端子２４ａ〜２４ｄ
に接続されたＣＳチューナに、垂直偏波信号又は水平偏
波信号のいずれかを伝送させるためのものであり、図３
に示す如く構成されている。

【００３７】即ち、図３に示す如く、各切換回路２８ａ
〜２８ｄは、図に符号２８で示すように、分配回路２６
Ｖからの垂直偏波信号を受ける垂直偏波信号用の入力端
子ＴIVと、分配回路２６Ｈからの水平偏波信号を受ける
水平偏波信号用の入力端子ＴIHと、入力端子ＴIV，ＴIH
のいずれかに入力された受信信号（垂直偏波信号又は水
平偏波信号）を端末側に出力する出力端子Ｔout と、２
つの入力端子ＴIV，ＴIHのいずれかと出力端子Ｔout と
を択一的に接続するためのリレー回路（本発明の切換ス
イッチに相当）４０とを備える。

【００３８】そして、リレー回路４０と出力端子Ｔout
との間の信号経路には、出力端子Ｔout 側に入力された
偏波切換信号（１１Ｖ又は１５Ｖ）を分離する電源分離
フィルタ４４と、この電源分離フィルタ４４にて分離さ
れた偏波切換信号を、逆流防止用のダイオードＤを介し
てリレー回路４０側にバイパスさせる電源重畳フィルタ
４２とが設けられている。

【００３９】なお、リレー回路４０は、リレー接点４０
ａとリレーコイル４０ｂとからなる周知のもので、本実
施例では、リレーコイル４０ｂへの通電がない時に、リ
レー接点４０ａが入力端子ＴIVと出力端子Ｔout 側とを
接続する状態となって、垂直偏波信号を出力端子Ｔout
から出力させ、リレーコイル４０ｂが通電されると、リ
レー接点４０ａが入力端子ＴIHと出力端子Ｔout 側とを
接続する状態となって、水平偏波信号を出力端子Ｔout
から出力させる。

【００４０】また、電源重畳フィルタ４２は、ダイオー
ドＤを介して入力される直流電圧（つまり偏波切換信
号）をリレー回路４０と電源分離フィルタ４４との間の
信号経路に重畳するコイルＬ1 と、このコイルＬ1 を介
して重畳された直流電圧によって出力端子Ｔout 側に直
流電流が流れるのを防止するコンデンサＣ1 とからな
り、受信信号の信号経路に対しては高周波成分を通過さ
せるハイパスフィルタを構成している。また、電源分離
フィルタ４４は、出力端子Ｔout に端末側より供給され
た直流電圧（偏波切換信号）を取り出すためのコイルＬ
2 と、電源重畳フィルタ４２と出力端子Ｔout との間の
信号経路を通って出力端子Ｔout からリレー回路４０側
に直流電流が流れるのを防止するコンデンサＣ2 とから
なり、受信信号の信号経路に対しては高周波成分を通過
させるハイパスフィルタを構成している。

【００４１】次に、各切換回路２８ａ〜２８ｄには、電
源分離フィルタ４４により分離された直流電圧（偏波切
換信号）を内部回路駆動用の定電圧に変換する定電圧回
路４６と、この定電圧回路からの出力を安定化させる平
滑用コンデンサ４８とが備えられ、これらの動作によっ
て一定の電源電圧＋Ｖｃが生成される。また、各切換回
路２８ａ〜２８ｄには、この生成された電源電圧＋Ｖｃ
を受けて動作する判定回路５０と、リレーコイル４０ｂ
への通電・非通電を切り換える駆動回路５２とが備えら
れている。

【００４２】判定回路５０は、電源分離フィルタ４４に
より分離された端末側からの偏波切換信号の電圧レベル
が、垂直偏波受信用の電圧レベル１１Ｖであるか、水平
偏波受信用の電圧レベル１５Ｖであるかを判定するため
のものであり、偏波切換信号を分圧する分圧用の抵抗器
Ｒ1 ，Ｒ2 と、電源電圧＋Ｖｃを分圧して電圧判定用の
基準電圧を生成する抵抗器Ｒ3 ，Ｒ4 と、抵抗器Ｒ1 ，
Ｒ2 にて分圧された偏波切換信号の電圧値と抵抗器Ｒ3
，Ｒ4 により生成された基準電圧とを大小比較し、端
末側より入力された偏波切換信号が、例えば１３Ｖ以上
であるときハイレベル，１３Ｖ未満であるときローレベ
ルの判定信号を出力するオペアンプＯＰと、からなるコ
ンパレータにて構成されている。

【００４３】また、駆動回路５２は、電源電圧＋Ｖｃを
エミッタに、判定回路５０からの判定信号をベースに夫
々受け、判定信号がローレベルであるとき、オン状態と
なって、コレクタからリレーコイル４０ｂに電流を流す
ＰＮＰトランジスタＴＲと、このトランジスタＴＲのコ
レクタに接続された電圧変化吸収用のコンデンサＣ3と
から構成されている。

【００４４】この結果、ＣＳチューナ１２から直流１１
Ｖの偏波切換信号が出力され、この信号が出力端子２４
ａ〜２４ｄを介して、切換回路２８ａ〜２８ｄに入力さ
れると、切換回路２８ａ〜２８ｄ内では、判定回路５０
の出力がハイレベルとなって、駆動回路５２内のトラン
ジスタＴＲがオフし、リレーコイル４０ｂの通電が遮断
されて、リレー接点４０ａは、垂直偏波信号入力用の入
力端子ＴIV側に切り換えられる。また逆に、ＣＳチュー
ナ１２から直流１５Ｖの偏波切換信号が出力され、この
信号が出力端子２４ａ〜２４ｄを介して、切換回路２８
ａ〜２８ｄに入力されると、切換回路２８ａ〜２８ｄ内
では、判定回路５０の出力がローレベルとなって、駆動
回路５２内のトランジスタＴＲがオンし、リレーコイル
４０ｂが通電されて、リレー接点４０ａは、水平偏波信
号入力用の入力端子ＴIH側に切り換えられる。従って、
出力端子２４ａ〜２４ｄに接続されたＣＳチューナ１２
には、ＣＳチューナ１２が出力した偏波切換信号の電圧
レベルに対応した垂直偏波信号又は水平偏波信号が出力
されることになる。

【００４５】また、各切換回路２８ａ〜２８ｄ内では、
出力端子Ｔout に入力された偏波切換信号が、電源分離
フィルタ４４内のコイルＬ2 と、逆流防止用のダイオー
ドＤと、電源重畳フィルタ４２内のコイルＬ1 とからな
る偏波切換信号出力回路によって、リレー回路４０の電
源重畳フィルタ４２側に印加される。この結果、４個の
切換回路２８ａ〜２８ｄの内、ＣＳチューナ１２から出
力された１１Ｖの偏波切換信号により垂直偏波信号を選
択している切換回路は、リレー回路４０を介して、入力
端子ＴIVから分配回路２６Ｖの分配出力端子側に、１１
Ｖの偏波切換信号を出力することになり、ＣＳチューナ
１２から出力された１５Ｖの偏波切換信号により水平偏
波信号を選択している切換回路は、リレー回路４０を介
して、入力端子ＴIHから分配回路２６Ｈの分配出力端子
側に、１５Ｖの偏波切換信号を出力することになる。

【００４６】次に、各分配回路２６Ｖ，２６Ｈの分配出
力端子から各切換回路２８ａ〜２８ｄの入力端子ＴIV，
ＴIHに至る受信信号の入力経路に設けられた電圧合成部
３０は、図１に示すように、各切換回路２８ａ〜２８ｄ
の入力端子ＴIV，ＴIHから出力される１１Ｖ，１５Ｖの
偏波切換信号を夫々取り出すための８個のチョークコイ
ルＬと、偏波切換信号により各分配回路２６Ｖ，２６Ｈ
側に電流が流れるのを防止する８個のコンデンサＣと、
から構成されている。

【００４７】そして、上記８個のチョークコイルＬの
内、各切換回路２８ａ〜２８ｄの入力端子ＴIV側に接続
されたチョークコイルＬの他端は互いに接続され、その
接続点は、合成電圧印加回路としてのチョークコイルＬ
V を介して、垂直偏波信号入力用（Ｖ入力）の入力端子
２２Ｖに接続されている。また、各切換回路２８ａ〜２
８ｄの入力端子ＴIH側に接続されたチョークコイルＬの
他端も互いに接続され、その接続点は、合成電圧印加回
路としてのチョークコイルＬH を介して、水平偏波信号
入力用（Ｈ入力）の入力端子２２Ｈに接続されている。

【００４８】従って、各切換回路２８ａ〜２８ｄの入力
端子ＴIV及びＴIHから出力される１１Ｖ及び１５Ｖの偏
波切換信号は、夫々、受信アンテナ２の受信部６に内蔵
され亜垂直偏波信号受信用コンバータ回路及び水平偏波
信号受信用コンバータ回路へと出力されることになり、
各コンバータ回路は、動作に必要な偏波切換信号（１１
Ｖ，１５Ｖ）を受けて正常に動作し、垂直偏波信号及び
水平偏波信号を夫々出力することになる。

【００４９】以上説明したように、本実施例の分配器１
０によれば、受信アンテナ２から垂直偏波信号及び水平
偏波信号を受けて、これらを単に４分配するのではな
く、４分配した垂直偏波信号及び水平偏波信号の中か
ら、ＣＳチューナ１２側から各出力端子２４ａ〜２４ｄ
に入力された偏波切換信号に対応した信号（垂直偏波信
号又は水平偏波信号）を選択して、各出力端子２４ａ〜
２４ｄから出力するように構成されている。従って、各
出力端子２４ａ〜２４ｄに接続されたＣＳチューナ１２
に対して、夫々、そのＣＳチューナ１２側で希望する偏
波の受信信号を伝送することができ、各ＣＳチューナ１
２側では、個々に、所望の偏波チャンネルの放送を楽し
むことができるようになる。

【００５０】そして、本実施例の分配器１０によれば、
ＣＳチューナ１２等の端末装置に対して偏波切換信号に
対応した垂直偏波信号及び水平偏波信号のいずれでも伝
送できるにもかかわらず、分配器１０から端末装置に至
る受信信号の伝送経路を１本のケーブル（同軸ケーブ
ル）で実現できるため、従来に比べて、受信信号伝送用
ケーブルの配線工事を容易に行なうことができる。この
結果、従来のように、ＣＳチューナ１２等の端末装置へ
の受信信号入力経路に、垂直偏波／水平偏波切換用の切
換器を別途設ける必要はなく、しかも、ＣＳチューナ１
２等の端末装置が配置される各部屋への受信信号の入力
端子も一つにすることができる。従って、各部屋への端
末装置の設置工事も容易に行なうことができると共に、
各部屋に設置する部品点数も低減できる。

【００５１】また本実施例の分配器１０においては、切
換回路２８ａ〜２８ｄ内に、偏波切換信号出力回路とし
てのコイルＬ2 ，ダイオードＤ及びコイルＬ1 が設けら
れると共に、これら各切換回路２８ａ〜２８ｄの入力端
子ＴIV，ＴIHから夫々出力される偏波切換信号を合成す
る８個のチョークコイルＬと８個のコンデンサＣとから
なる電圧合成部３０、及び、電圧合成部３０にて合成さ
れた垂直偏波受信用及び水平偏波受信用の各偏波切換信
号を、当該分配器１０の入力端子２２Ｖ，２２Ｈに印加
する、合成電圧印加回路としてのチョークコイルＬV ，
ＬH を備えており、これら各部によって直流信号バイパ
ス回路（請求項２）が構成されている。この結果、上記
のように、ＣＳチューナ１２等の端末装置側から各出力
端子２４ａ〜２４ｄに入力された各偏波受信用の偏波切
換信号を夫々合成して、受信アンテナ２側の垂直偏波信
号受信用のコンバータ回路には１１Ｖの偏波切換信号
を、受信アンテナ２側の水平偏波受信用のコンバータ回
路には１５Ｖの偏波切換信号を、夫々供給することがで
き、受信アンテナ２側の各コンバータ回路を正常に動作
させることができる。

【００５２】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、衛星受信用の受信アンテナ（衛星受信アンテナ）２
から出力される垂直偏波及び水平偏波の各受信信号を夫
々受けて、複数の出力端子２４ａ〜２４ｄに各々接続さ
れたＣＳチューナ１２等の端末装置側に、その端末側よ
り入力された偏波切換信号に対応した偏波の受信信号を
伝送するようにした衛星信号の４分配器について説明し
たが、例えば、図４に示す如く、上記実施例の分配器１
０に、更に、ＶＨＦ及びＵＨＦのテレビ放送信号の受信
信号（請求項４に記載の第２受信信号；以下，ＶＵ信号
という）を入力する第２入力端子としてのＶＵ入力端子
６０ａと、このＶＵ入力端子６０ａに入力されたＶＵ信
号を２分配する第２分配回路としてのＶＵ分配回路６０
ｂと、このＶＵ分配回路６０ｂにて２分配されたＶＵ信
号を、夫々、入力端子２２Ｖ，２２Ｈから各分配回路２
６Ｖ，２６Ｈへの受信信号入力経路に重畳して、ＶＵ信
号を垂直偏波信号又は水平偏波信号と共に各分配回路２
６Ｖ，２６Ｈに夫々入力する、第２受信信号重畳回路と
してのローパスフィルタＬＰＦ及びハイパスフィルタＨ
ＰＦと、を設ければ、衛星信号・ＶＵ信号両用の分配器
６０を構成することができる。

【００５３】そして、このように構成された分配器６０
によれば、例えば、図５に示すような共同受信システム
を容易に実現することができる。即ち、図５の共同受信
システムは、複数の端末側に、ＶＨＦ用の受信アンテナ
６２からの受信信号（ＶＨＦ信号）と、ＵＨＦ用の受信
アンテナ６４からの受信信号（ＵＨＦ信号）と、通信衛
星用の受信アンテナ２からの受信信号とを混合した受信
信号を一本の同軸ケーブルを用いて各端末側に伝送でき
るようにしたシステムであるが、このようなシステムを
構築するに当たって、図に示すように、ＶＨＦ信号とＵ
ＨＦ信号とを増幅器６６にて混合・増幅し、その混合・
増幅後のＶＵ信号を分配器６０のＶＵ入力端子６０ａに
入力すると共に、受信アンテナ２からの受信信号（垂直
偏波信号及び水平偏波信号）を、前記実施例と同様に、
分配器６０の各入力端子２２Ｖ，２２Ｈ（図４参照）に
入力し、分配器６０の各出力端子２４ａ〜２４ｄ（図４
参照）を各端末側に接続するようにすれば、出力端子２
４ａ〜２４ｄに接続された端末装置に対して、ＶＵ信号
と端末装置側から出力された偏波切換信号に対応した垂
直偏波又は水平偏波の衛星受信信号（ＣＳ信号）を伝送
することが可能となり、システムをより簡単に構築する
ことが可能となる。

【００５４】尚、図５に示す共同受信システムでは、端
末側に、分配器６０より１本の同軸ケーブルで伝送され
てきたＶＵ信号とＣＳ信号との混合信号を各信号に分離
するＶＵ／ＣＳセパレータ６８が設けられ、ＣＳ信号を
ＣＳチューナ１２に、ＶＵ信号をテレビ１４に、夫々入
力することにより、ＶＨＦ又はＵＨＦのテレビ放送はテ
レビ１４に内蔵されたチューナにて復調し、ＣＳ信号は
ＣＳチューナにて復調するようにされている。

【００５５】更に、図５に示す共同受信システムにおい
ては、入力端子６０ａに、ＶＵ信号と衛星放送信号（Ｂ
Ｓ信号）を混合したＶＵ・ＢＳ信号を加えるようにする
こともできる。そして、この場合には、図４に示す分配
器６０において、ローパスフィルタＬＰＦとしてＢＳ信
号の帯域まで通過するものを用い、ＶＵ／ＣＳセパレー
タ６８の代わりに、ＶＵ・ＢＳ／ＣＳセパレータを用い
るようにすればよい。また受信部６の受信信号の出力周
波数は、ＢＳ信号の帯域と重ならないよう、より高くシ
フトしておけばよく、テレビ１４にはＢＳチューナ内蔵
のものを用いればよい。

【００５６】また次に、上記実施例では、端末側から出
力端子２４ａ〜２４ｄに加わる１１Ｖ，１５Ｖの偏波切
換信号を、入力端子２２Ｖ，２２Ｈに夫々バイパスさせ
ることにより、入力端子２２Ｖ，２２Ｈから受信部６を
構成する各コンバータ回路に電源を供給する分配器につ
いて説明したが、例えば、図６に示す分配器７０のよう
に、ＡＣコードを介して商用電源（ＡＣ１００Ｖ）を取
り込み、これを整流・平滑して所定の直流電圧（例えば
１５Ｖ）を発生する電源回路７６を設け、この電源回路
７６にて生成した直流電圧によって、入力端子２２Ｖ，
２２Ｈから受信部６を構成する各コンバータ回路に電源
供給を行うようにしてもよい。

【００５７】ここで、図６に示す分配器７０は、図４に
示した分配器６０におけるＶＵ入力端子６０ａに代え
て、ＶＵ・ＢＳ入力端子７０ａを設け、このＶＵ・ＢＳ
入力端子７０ａに、ＶＨＦ用，ＵＨＦ用，ＢＳ用の各受
信アンテナ８２，８４，８６からの受信信号を増幅及び
混合して出力するＶＵ・ＢＳ増幅器８８からの出力信号
（ＶＵ・ＢＳ信号）を入力できるようにされている。そ
して、分配器７０内では、その入力されたＶＵ・ＢＳ信
号が、第２分配回路としてのＶＵ・ＢＳ分配回路７０ｂ
にて２分配される。またこのように２分配されたＶＵ・
ＢＳ信号は、ローパスフィルタＬＰＦを介して、入力端
子２２Ｖ，２２ＨからハイパスフィルタＨＰＦを介して
入力された垂直偏波信号及び水平偏波信号に夫々重畳さ
れ、コンデンサＣを介して、各分配回路２６Ｖ，２６Ｈ
に入力される。一方、電源回路７６にて生成された直流
電圧（１５Ｖ）は、チョークコイルＬを介して、入力端
子２２Ｈに出力されると共に、別のチョークコイルＬを
介して、分配回路２６Ｈの入力側にコンデンサＣを介し
て接続されるローパスフィルタＬＰＦとハイパスフィル
タＨＰＦとの接続点に出力される。この結果、直流電圧
（１５Ｖ）は、入力端子２２Ｈから受信アンテナ２の受
信部６側に出力されると共に、ローパスフィルタＬＰ
Ｆ，ＶＵ・ＢＳ分配回路７０ｂ，及びＶＵ・ＢＳ入力端
子７０ａを介してＶＵ・ＢＳ増幅器８８側に出力され
る。

【００５８】従って、受信アンテナ２の受信部６を構成
する水平偏波受信用のコンバータ回路に対して、その動
作に必要な直流電圧（１５Ｖ）を供給できると共に、Ｖ
Ｕ・ＢＳ増幅器８８にも、その動作に必要な直流電圧
（１５Ｖ）を供給でき、更に、ＶＵ・ＢＳ増幅器８８を
介して、ＢＳ用受信アンテナ８６の受信部（コンバータ
回路）８６ａにも、その動作に必要な直流電圧（１５
Ｖ）を供給することができる。また、図に示すように、
受信アンテナ２の受信部６から入力端子２２Ｈに至る経
路に水平偏波信号を増幅する増幅器９０Ｈが設けられて
いる場合には、この増幅器９０Ｈへの電源供給を行いつ
つ、増幅器９０Ｈを介して、受信部６内の水平偏波受信
用コンバータ回路への電源供給を行うことができる。

【００５９】また、垂直偏波信号用の分配回路２６Ｖの
入力側にコンデンサＣを介して接続されるローパスフィ
ルタＬＰＦとハイパスフィルタＨＰＦとの接続点には、
チョークコイルＬを介して、アノード接地されたツェナ
ーダイオード（降伏電圧１１Ｖ）ＺＤのカソードが接続
されている。また、このツェナーダイオードＺＤのカソ
ードは、抵抗器Ｒ10及び別のチョークコイルＬを介し
て、垂直偏波信号用の入力端子２２Ｖに接続されてい
る。この結果、電源回路７６からチョークコイルＬ及び
ローパスフィルタＬＰＦを通ってＶＵ・ＢＳ分配回路７
０ｂに印加された直流電圧（１５Ｖ）は、更にローパス
フィルタＬＰＦ，チョークコイルＬを介して、ツェナー
ダイオードＺＤに印加され、ツェナーダイオードＺＤに
より、直流１１Ｖに変換される。

【００６０】そして、この直流電圧（１１Ｖ）は、抵抗
器Ｒ10及びチョークコイルＬを介して、入力端子２２Ｖ
に印加され、入力端子２２Ｖから、受信アンテナ２の受
信部６側に出力される。従って、受信アンテナ２の受信
部６を構成する垂直偏波受信用のコンバータ回路に対し
て、その動作に必要な直流電圧（１１Ｖ）を供給でき
る。また、図に示すように、受信アンテナ２の受信部６
から入力端子２２Ｖに至る経路に垂直偏波信号を増幅す
る増幅器９０Ｖが設けられている場合には、この増幅器
９０Ｖへの電源供給を行いつつ、増幅器９０Ｖを介し
て、受信部６内の垂直偏波受信用コンバータ回路への電
源供給を行うことができる。

【００６１】なお、図６に示した分配器７０では、端末
側より出力端子２４ａ〜２４ｄに入力された偏波切換信
号を、受信アンテナ２側に出力する必要はないため、出
力端子２４ａ〜２４ｄに接続される切換回路２８ａ′〜
２８ｄ′は、単に、偏波切換信号に応じて垂直偏波信号
及び水平偏波信号のいずれかを選択するように構成され
ている。

【００６２】即ち、切換回路２８ａ′〜２８ｄ′は、夫
々、各分配回路２６Ｖ，２６Ｈから出力された垂直偏波
信号及び水平偏波信号の一方を選択して、コンデンサＣ
を介して対応する出力端子２４ａ〜２４ｄに出力する切
換スイッチ７２ａ〜７２ｄと、出力端子２４ａ〜２４ｄ
に端末側より入力された偏波切換信号をチョークコイル
Ｌを介して取り込み、その取り込んだ偏波切換信号の電
圧レベルから、垂直偏波信号及び水平偏波信号の内のい
ずれを選択するかを判定し、その判定結果に従い切換ス
イッチ７２ａ〜７２ｄを駆動する判定・駆動回路７４ａ
〜７４ｄとから構成されている。

【００６３】この結果、図６に示した分配器７０におい
ても、図１，図４に示した分配器１０，６０と同様、出
力端子２４ａ〜２４ｄに接続されたＣＳチューナ等の端
末装置に対して、その端末装置が希望する偏波面の受信
信号を出力することができる。

【００６４】また次に、上記実施例では、受信アンテナ
２からの受信信号を４分配して出力する４分配器につい
て説明したが、内部に設ける一対の分配回路２６Ｖ，２
６Ｈの分配数を適宜設定することにより、任意の分配数
の分配器を構成できるのはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の分配器の構成を表す概略構成図であ
る。

【図２】 実施例の共同受信システム全体の構成を表わ
す概略構成図である。

【図３】 実施例の切換回路の構成を表す電気回路図で
ある。

【図４】 ＶＵ入力端子を備えた分配器の構成を表す概
略構成図である。

【図５】 図４の分配器を用いた共同受信システムの構
成を表す概略構成図である。

【図６】 電源回路を内蔵した分配器及びその分配器へ
のアンテナの接続状態を表す説明図である。

【符号の説明】

１０，６０，７０…分配器 ２２Ｖ，２２Ｈ…入力端
子 ２４ａ〜２４ｄ…出力端子 ２６Ｖ，２６Ｈ…分配回
路 ２８ａ〜２８ｄ…切換回路 ３０…電圧合成部 Ｃ
…コンデンサ Ｌ，ＬV ，ＬH …チョークコイル ４０…リレー回路 ４２…電源重畳フィルタ ４４…電源分離フィルタ
４６…定電圧回路 ４８…平滑用コンデンサ ５０…判定回路 ５２…
駆動回路 ６０ａ…ＶＵ入力端子 ６０ｂ…ＶＵ分配回路 ７０ａ…ＶＵ・ＢＳ入力端子 ７０ｂ…ＶＵ・ＢＳ分
配回路 ７２ａ〜７２ｄ…リレースイッチ ７４ａ〜７４ｄ…
判定・駆動回路

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通信衛星から送信された直交２偏波の電
   波を垂直偏波と水平偏波とに分けて受信し、各偏波信号
   を夫々所定周波数帯の受信信号に変換して出力する受信
   部を備えた衛星受信アンテナに接続され、前記受信部か
   らの受信信号を複数に分配して端末側に伝送する衛星信
   号分配器であって、 前記受信部からの垂直偏波信号及び水平偏波信号を夫々
   入力するための一対の入力端子と、 該一対の入力端子に入力された偏波信号を、夫々、複数
   に分配する一対の分配回路と、 該一対の分配回路による受信信号分配数に対応して複数
   設けられ、前記各分配回路にて分配された垂直偏波信号
   及び水平偏波信号を夫々受けて、該信号の内のいずれか
   を選択して出力する切換回路と、 該各切換回路から出力される垂直偏波信号又は水平偏波
   信号を、夫々、端末側に出力する、前記分配数に対応し
   た複数の出力端子と、 を備え、前記各切換回路は、自体に接続された前記出力
   端子に対して端末側より入力される偏波切換信号に対応
   して、前記垂直及び水平のいずれかの偏波信号を選択
   し、前記出力端子に出力することを特徴とする衛星信号
   分配器。
2. 【請求項２】 前記切換回路は、 前記出力端子に対して前記端末側より入力される偏波切
   換信号の電圧レベルから、垂直偏波信号と水平偏波信号
   とのいずれを出力するかを判定する判定回路と、 該判定回路の判定結果に従い切換スイッチを駆動して垂
   直偏波信号と水平偏波信号の内のいずれかを前記出力端
   子に出力させる駆動回路と、 を備えたことを特徴とする請求項１に記載の衛星信号分
   配器。
3. 【請求項３】 前記受信部への電源供給のために、商用
   電源を整流・平滑した直流電圧を前記入力端子から前記
   受信部へ送出する電源回路を設けたことを特徴とする請
   求項１又は請求項２に記載の衛星信号分配器。
4. 【請求項４】 前記出力端子に端末側より入力された偏
   波切換信号を、前記衛星受信アンテナの受信部への電源
   供給信号として、前記入力端子側にバイパスさせる直流
   信号バイパス回路を備えたことを特徴とする請求項２に
   記載の衛星信号分配器。
5. 【請求項５】 前記直流信号バイパス回路は、 前記各切換回路に夫々設けられ、前記偏波切換信号を、
   前記切換スイッチを介して、垂直偏波信号又は水平偏波
   信号の入力経路に出力させる偏波切換信号出力回路と、 該偏波切換信号出力回路及び前記切換スイッチを介して
   前記各切換回路の垂直偏波信号の入力経路側に出力され
   た偏波切換信号と、前記偏波切換信号出力回路と前記切
   換スイッチを介して前記各切換回路の水平偏波信号の入
   力経路側に出力された偏波切換信号とを、夫々、合成す
   る電圧合成部と、 該電圧合成部にて合成された垂直偏波信号入力経路側の
   偏波切換信号の合成電圧を、前記垂直偏波信号の入力端
   子に印加し、前記電圧合成部にて合成された水平偏波信
   号入力経路側の偏波切換信号の合成電圧を、前記水平偏
   波信号の入力端子に印加する合成電圧印加回路と、 からなることを特徴とする請求項４に記載の衛星信号分
   配器。
6. 【請求項６】 前記衛星受信アンテナとは異なる第２受
   信アンテナからの第２受信信号を入力するための第２入
   力端子と、 該第２入力端子に入力された受信信号を２分配する第２
   分配回路と、 該第２分配回路にて２分配された第２受信信号を、夫
   々、前記一対の分配回路への受信信号入力経路に重畳し
   て、該第２受信信号を前記垂直偏波信号又は水平偏波信
   号と共に前記一対の分配回路に夫々入力する第２受信信
   号重畳回路と、 を備えたことを特徴とする請求項１〜請求項５いずれか
   記載の衛星信号分配器。