JPH06257243A - 壁パネルの取付方法および取付部の構造 - Google Patents

壁パネルの取付方法および取付部の構造

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JPH06257243A
JPH06257243A JP7124893A JP7124893A JPH06257243A JP H06257243 A JPH06257243 A JP H06257243A JP 7124893 A JP7124893 A JP 7124893A JP 7124893 A JP7124893 A JP 7124893A JP H06257243 A JPH06257243 A JP H06257243A
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wall panel
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tightening
connecting plate
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徹 岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁パネル取付用の連結板に対してする回動を
許容しパネル長手方向への摺動を阻止できるとともに、
連結板締付用のボルトあるいはナツトのゆるみを確実に
防止できる壁パネルの取付部の構造を提供する。 【構成】 固定板部13に連設した締付板部12に壁パ
ネル長手方向に延びる長穴14をそなえて成る連結板1
1の締付板部12の上側に、ボルト穴をそなえた支板1
6と、この支板の側面16aにすきまSをもつて対向す
る回り止め片23とボルト穴とをそなえた座板21とを
重ねて、これら各ボルト穴および長穴14を貫通するボ
ルト17によつて、壁パネル1の裏面に締付け、支板1
6を締付板部12に溶接し、ボルト17を座板21に溶
接すると共に、固定板部13を、建物躯体に固設した支
持材6に溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は壁パネルを建物躯体に
取付ける方法、および壁パネルを建物躯体に回動可能に
取付ける取付部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばALC板(軽量気泡コンクリ−
ト板)の表面側に浅い箱状の金属パネルを被着して成る
壁パネルを建物躯体に取付ける場合、長方形板状の鋼板
製の連結板を壁パネルの長手方向各端部に1〜2枚配置
し、この連結板の一端部をALC板の裏面にボルト締め
するとともに、その他端部を建物躯体に固設したアング
ル材に溶接する取付方法が一般に採用されている。そし
て連結板には、壁パネル長手方向に延びる長穴が穿設し
てあり、連結板締付用のボルトはこの長穴を貫通してお
り、地震による層間変位発生時等における連結板とAL
C板間の相対移動を吸収できるようになつている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、たとえばパ
ネル長手方向を水平方向に向けた横壁式の壁パネルを上
記取付方法により建物躯体に取付けた場合、層間変位発
生後建物躯体がもとの状態に復帰しても、ボルトは長穴
内にあるため連結板によつて壁パネルの長手方向位置を
拘束できないので、隣り合う壁パネルの水平方向位置が
ばらばらとなり、目地が揃わない劣悪な壁面外観となつ
てしまうという問題があつた。
【0004】また前記層間変位発生時には、連結板と壁
パネルとの間には、パネル長手方向の直線移動だけでな
く、ロツキング運動に伴つて締付用のボルトを中心とす
る小角度の往復回動が発生するものであるが、従来の上
記ボルトはバネ座金を用いる程度で確実なゆるみ止め手
段は設けてなかつたので、上記ボルトのゆるみが生じる
おそれが大きく、安全上好ましいものではなかつた。
【0005】この発明は上記従来の問題点を解決するも
ので、建物躯体に層間変位が発生した後も、壁パネルが
もとの長手方向位置に復帰して良好な壁面外観を維持で
きる壁パネルの取付方法を提供することを目的とする。
【0006】またこの発明の他の目的は、壁パネル取付
用の連結板に対する回動を許容しパネル長手方向への摺
動を阻止できるとともに、連結板締付用のボルトあるい
はナツトのゆるみが確実に防止できる壁パネルの取付部
の構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この出願の第1の発明の壁パネルの取付方法は、長
手方向を水平方向に向けた壁パネルの裏面に締結した連
結板を、建物躯体に固設した支持材に固着して成る取付
部を、壁パネルの長手方向各端部に、1乃至複数箇所設
けて、壁パネルを建物躯体に取付ける壁パネルの取付方
法において、前記取付部のうちの1箇所においては、前
記連結板を、壁パネルに対して回動可能にかつ壁パネル
長手方向への摺動を阻止した状態で、壁パネルに締結す
るとともに、他の取付部においては、前記連結板を、壁
パネルに対して回動可能かつパネル長手方向に摺動可能
に、壁パネルに締結することを特徴とする。
【0008】またこの出願の第2の発明の壁パネルの取
付部の構造は、固定板部に連設した締付板部に壁パネル
長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板の前記締付
板部の上側に、ボルト穴をそなえた支板と、この支板の
側面にすきまをもって対向する回り止め片とボルト穴と
をそなえた座板とを重ねて、前記各ボルト穴および長穴
を貫通し壁パネルにねじ込んだボルトによって、壁パネ
ルの裏面に締付け、前記支板を前記締付板部に溶接し、
前記ボルトを前記座板に溶接すると共に、前記連結板の
固定板部を、建物躯体に固設した支持材に溶接したこと
を特徴とする。
【0009】またこの出願の第3の発明の壁パネルの取
付部の構造は、ボルト穴をそなえた座板の下側に、前記
座板の側面にすきまをもって対向する回り止め片とボル
ト穴とをそなえた支板と、固定板部に連設した締付板部
に壁パネル長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板
の前記締付板部とを重ねて、前記各ボルト穴および長穴
を貫通し壁パネルにねじ込んだボルトによって、壁パネ
ルの裏面に締付け、前記支板を前記締付板部に溶接し、
前記ボルトを前記座板に溶接すると共に、前記連結板の
固定板部を、建物躯体に固設した支持材に溶接したこと
を特徴とする。
【0010】またこの出願の第4の発明の壁パネルの取
付部の構造は、固定板部に連設した締付板部に壁パネル
長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板の前記締付
板部の上側に、ボルト穴をそなえた支板と、この支板の
側面にすきまをもって対向する回り止め片とボルト穴と
をそなえた座板とを重ねて、壁パネルに突設され前記長
穴および各ボルト穴を貫通するボルトに螺合するナツト
によって、壁パネルの裏面に締付け、前記支板を前記締
付板部に溶接し、前記ナツトを前記座板に溶接すると共
に、前記連結板の固定板部を、建物躯体に固設した支持
材に溶接したことを特徴とする。
【0011】またこの出願の第5の発明の壁パネルの取
付部の構造は、ボルト穴をそなえた座板の下側に、前記
座板の側面にすきまをもって対向する回り止め片とボル
ト穴とをそなえた支板と、固定板部に連設した締付板部
に壁パネル長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板
の前記締付板部とを重ねて、壁パネルに突設され前記長
穴および各ボルト穴を貫通するボルトに螺合するナツト
によって、壁パネルの裏面に締付け、前記支板を前記締
付板部に溶接し、前記ナツトを前記座板に溶接すると共
に、前記連結板の固定板部を、建物躯体に固設した支持
材に溶接したことを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明の壁パネルの取付方法においては、長
手方向を水平方向に向けた壁パネルは、パネル長手方向
の端部の1箇所の取付部(以下回転取付部という)にお
いてパネル長手方向への摺動を阻止され、他の取付部に
おいてはパネル長手方向への摺動を許容されるので、建
物躯体の層間変位発生時には、壁パネルは回転取付部の
(詳しくは該取付部の連結板を固着した)建物躯体の運
動に追従して移動し、摺動取付部においても該取付部や
壁パネルに過大な力がかかることはない。層間変位後建
物躯体がもとの状態に復帰すれば、壁パネルは回転取付
部の建物躯体に追従してもとの位置に復帰するので、隣
合う壁パネル相互の水平方向の位置ずれは残らない。
【0013】またこの発明の壁パネルの取付部の構造に
おいては、地震等により建物躯体に層間変位が生じた場
合、壁パネルと一体のボルトは、連結板に溶接により固
着した支板のボルト穴との係合により横方向への移動を
拘束されるので、壁パネルは連結板固着部の建物躯体と
ほぼ一体となつて移動し、パネル長手方向に摺動して大
きくずれることがない。
【0014】また層間変位により壁パネルと連結板がボ
ルトのまわりに相対回動した場合でも、ボルトあるいは
ナツトがゆるむ方向への座板の過度の回動は、回り止め
片と支板の側面との当接(第2および第4の発明の場
合)または回り止め片と座板の側面との当接(第3およ
び第5の発明の場合)によつて阻止され、座板と一体の
ボルト(第2および第3の発明の場合)またはナツト
(第4および第5の発明の場合)は、取付当初の回り止
め片と支板または座板の側面との間の設定すきま量に相
当する角度以上ゆるむことがない。
【0015】
【実施例】以下図1乃至図6によりこの発明の一実施例
を説明する。図中、1は壁パネルで、ALC板2の表面
側に浅い箱状の金属パネル3を被着して成り、ALC板
2の四隅部には、パネル取付用のナツト4が埋込まれて
いる。
【0016】また5は建物躯体である柱、6はこの柱5
に通し材として溶接したアングルから成る支持材で、壁
パネル1取付用のものである。そして壁パネル1は、3
箇所の摺動取付部30、および1箇所の本発明に係る回
転取付部10を介して、柱5に取付けられている。
【0017】先ず回転取付部10においては、図2乃至
図4に示すように、11は鋼板を稲妻形に折曲成形した
連結板で、締付板部12と固定板部13を連設して成
り、締付板部12には、壁パネル1の長手方向に延びる
長穴14を穿設してある。16は鋼板製の支板で、ボル
ト17が挿通されるボルト穴(バカ穴)18が中央に穿
設してある。21は鋼板製の座板で、支板16の上側に
重ねられたとき支板側方へ突出する側端部22の裏面側
には、支板の側面16aにすきまSをもつて対向する回
り止め片23が突設してある。24はボルト17が挿通
されるボルト穴(バカ穴)である。
【0018】また摺動取付部30は、図2および図5,
図6に示すように、回転取付部10と同じ連結板11の
締付板部12上に、鋼板製の座板31を直接重ねる構成
を有する。締付板部12の上側に重ねられたとき締付板
部側方へ突出する座板31の側端部32の裏面側には、
締付板部の側面12aにすきまSをもつて対向する回り
止め片33が突設してある。34はボルト17が挿通さ
れるボルト穴(バカ穴)である。
【0019】上記構成の各部材を用いて壁パネル1を柱
5に取付けるには、クレ−ン等により壁パネル1をパネ
ル配置位置迄吊上げ、ALC板2の下端部を下段側の壁
パネル1のALC板2の上端部に載せて位置調整後、回
転取付部10においては、連結板11の締付板部12の
上側に支板16とさらにその上側に座板21を重ねて、
固定板部13により支持材6をはさんだ状態で、かつ座
板21の回り止め片23と支板16の側面16aとの間
にすきまSをあけた状態で、ボルト17を締付けて、支
板16を締付板部12に、ボルト17(詳しくはボルト
17の頭部)を座板21に、それぞれ溶接し、さらに固
定板部13を支持材6に溶接すれば、取付けが完了す
る。
【0020】上記溶接前に長穴14の範囲内で連結板1
1を長手方向にずらせて位置調節することにより、支持
材6の位置ずれや湾曲などがあつても、締付板部12と
支持材6との所望の重なり代を確保し充分な溶接強度を
得ることができる。
【0021】また各摺動取付部30においては、連結板
11の締付板部12の上側に座板31を重ねて、固定板
部13により支持材6をはさんだ状態で、かつ座板31
の回り止め片33と締付板部12の側面12aとの間に
すきまSをあけた状態で、ボルト17を締付けて座板3
1に溶接し、さらに固定板部13を支持材6に溶接すれ
ば、1枚の壁パネル1の取付けが完了する。なお隣り合
う壁パネル間には、常法に従つてコ−キング材の充填等
による目地部の仕上げをおこなえばよい。
【0022】地震による層間変位等によつて、柱5が横
方向に移動すると、回転取付部10においては、壁パネ
ル1と一体のボルト17は、支板16のボルト穴18に
よつて拘束され柱5と一体の連結板11と共に移動す
る。また摺動取付部30においては、ボルト17は連結
板11の締付板部12の長穴14内で移動し、連結板1
1は壁パネル1の裏面に沿つて摺動し、ボルトおよび連
結板に過大な荷重がかかることがない。層間変位後は、
回転取付部10におけるボルト17の拘束により、壁パ
ネル1はもとの位置へ復帰し、同様に他の壁パネル1も
もとの位置へ復帰するので、各壁パネル相互の位置ずれ
は残らないのである。なお厳密にいえば柱5と壁パネル
1との間にはボルト17とボルト穴18とのガタの分だ
け位置ずれが生じる可能性はあるが、その量は最大でも
1〜2mm程度であつて従来の長穴内でボルト17が自由
に動き得る場合に比べて充分小さいので、この発明では
これを位置ずれなしとみなすものである。
【0023】また層間変位によつて柱5が傾動するの
で、柱5に固定された連結板11に対して壁パネル1が
ボルト17の回りに相対回動するが、この回動によつて
ボルト17が矢印P方向(図3参照)に少量ゆるむと、
ボルト17と一体となつた座板21の回り止め片23
が、支板16の側面16aに当接し、また摺動取付部3
0においてはボルト17と一体となつた座板31の回り
止め片33が締付板部12の側面12aに当接して、そ
れ以上ボルト17がゆるむのを防止する。なお回り止め
片23および33部にすきまSを設けるのは、層間変位
発生中における壁パネル1の矢印P方向への回動時に、
座板21と31およびボルト17が壁パネル1と共にす
きまS相当角度以内で回動するのを許容して、ボルト1
7の締付力が過大となるのを防ぐためであり、層間変位
予想量からSを所定値に設定する。
【0024】パネル改修などの事情により壁パネル1を
取外したい場合は、座板21,31の側端部22,32
あるいは回り止め片23,33を溶断などにより切除す
れば、ボルト17を座板21,31ごとゆるめて抜取る
ことができる。なおこの実施例では、回り止め片23を
座板21の巾W(図3参照)の一部に設けたが、巾Wの
全巾にわたつて回り止め片23を設けるようにしてもよ
く、同様に回り止め片33も広巾のものとしてもよい。
【0025】次に図7乃至図11はこの発明の他の実施
例を示し、図中、図1〜図6と同一部分には同一符号を
付してある。壁面のコ−ナ−部に設置される壁パネル4
1は、折曲部43aをそなえた金属パネル43をALC
板42に被着して成り、パネル一端部を2箇所の摺動取
付部30を介して柱5に、パネル他端部を摺動取付部6
0と本発明に係る回転取付部50を介して柱44に、そ
れぞれ取付けられている。
【0026】回転取付部50においては、図8乃至図1
0に示すように、鋼板製の連結板51は、締付板部52
と固定板部53を平板状に連設して成り、締付板部52
には、壁パネル41の長手方向に延びる長穴54を穿設
してある。この上に重ねられる支板16および座板21
は前記実施例と同一品を用いる。45は短尺のアングル
材から成る支持材で、柱44の側部に一端部を溶接した
支持片46の他端部に溶接される。
【0027】また摺動取付部60においては、図11に
示すように、回転取付部50と同じ平板状の連結板51
に、前記実施例と同じ座板31を重ねてボルト17によ
り締付け、支持材45に連結板51を溶接するようにな
つている。
【0028】上記構成の各部材を用いて壁パネル41を
柱44および5に取付けるには、パネル吊上前に先ず柱
44取付側の回転取付部50の連結板51の締付板部5
2の上側に支板16と座板21を重ねて、座板21の回
り止め片23と支板の側面16aとの間にすきまSをあ
けた状態で、ボルト17を締付け、支板16を締付板部
12に、ボルト17を座板21に、それぞれ溶接してお
く。また同様に摺動取付部60の連結板51の締付板部
52の上側に座板31を重ねて、座板の回り止め片33
と締付板部52の側面52aとの間にすきまSをあけた
状態で、ボルト17を締付け、ボルト17を座板31に
溶接しておく。
【0029】その後、クレ−ン等により壁パネル41を
パネル配置位置まで吊上げ、前記実施例と同様に位置調
整後、各連結板51の固定板部53と、柱44に固設し
た支持片46との間に、支持材45を溶接する。また柱
5取付側は、前記実施例と同様にして摺動取付部30の
施工をおこなう。
【0030】すなわちこの実施例は、連結板51の形状
および支持材45の形状と建物躯体への取付構造が異な
るほかは、前記実施例と同一構成を有するものであり、
回転取付部50においては、前記実施例と同様な壁パネ
ル41の回動許容作用および摺動阻止作用、ならびにボ
ルト17のゆるみ止め作用が得られるものである。ま
た、1箇所の回転取付部50と3箇所の摺動取付部60
および30を介して建物躯体(柱44と柱5)に取付け
られた壁パネル41は、前記実施例と同様に層間変位
後、回転取付部50により拘束されてもとの位置へ復帰
する。
【0031】次に図12および図13はこの発明のさら
に他の実施例(ただし回転取付部のみ)を示し、図中、
図3および図4と同一部分には同一符号を付してある。
71はALC板2に突設したボルトで、頭部72をAL
C板2内に埋設され、軸部73の先端部をパネル裏面側
に突出させてある。74は鋼板製の角板片状の座板でボ
ルト穴75を穿設してある。76は支板77に溶接によ
り突設固着したピン状の回り止め片で、その側部と座板
74の側面74aとの間にすきまSが形成されるよう
に、座板74の締付位置がセツトされる。78はボルト
71に螺合するナツトである。
【0032】この実施例の回転取付部70においては、
連結板11の締付板部12の上側に支板77とさらにそ
の上側に座板74を重ねて、回り止め片76と座板74
の側面74aとの間にすきまSをあけた状態で、ボルト
71にナツト78を螺合させて締付け、ナツト78を座
板74に溶接し、支板77を締付板部12に溶接すると
ともに、固定板部13を支持材6に溶接して、壁パネル
1の取付をおこなう。
【0033】すなわちこの実施例は、ボルト71に螺合
するナツト78により締付をおこなう点、および回り止
め片76を支板77側に設けた点が、前記実施例と異な
るものであるが、建物躯体の層間変位発生時には、ボル
ト71とボルト穴75の係合により前記実施例と同様な
壁パネルの回動許容作用および摺動阻止作用が得られる
とともに、回り止め片76と座板74との当接によつ
て、前記実施例と同様なナツト78のゆるみ止め作用が
得られるものである。また壁パネル41を取外したい場
合は、回り止め片76をグラインダなどにより切除すれ
ば、ナツト78を座板74ごとゆるめて取外すことがで
きる。
【0034】この発明の壁パネルの取付方法は、上記各
実施例に限定されるものではなく、たとえば回転取付部
としては、支板を省略して連結板に長穴のかわりにボル
ト穴を穿設したものや、回り止め片つきの座板あるいは
支板を有しないもの、壁パネルに突設したボルトに螺合
するナツトにより連結板を締付けた後該ナツトをボルト
に溶接して回り止めとしたものなど、各種の構造のもの
を使用してもよい。また同様に摺動取付部の構造も上記
実施例以外のものとしてもよい。
【0035】またこの発明の壁パネルの取付部の構造は
上記各実施例に限定されるものではなく、たとえばボル
トや支板、座板等の形状、回り止め片の形状等は、上記
以外のものとしてもよい。
【0036】またこの発明の壁パネルの取付方法および
取付部の構造は、壁パネルの両端部を各1箇所の取付部
によつて建物躯体に取付ける場合にも適用でき、さらに
ALC板以外の耐火パネルを用いた壁パネル、耐火パネ
ルのみから成る壁パネル、耐火パネルを有しない金属パ
ネル等、上記実施例以外の各種の壁パネルの取付にも適
用できるものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の壁パネル
の取付方法によれば、壁パネルは長手方向端部の1箇所
において、建物躯体に対して壁パネル長手方向への摺動
を阻止された状態で取付けられるので、建物躯体に層間
変位が発生した後も、壁パネルは建物躯体と共にもとの
長手方向位置に復帰して、壁パネル相互の位置ずれが残
らない良好な壁面外観が維持できる。
【0038】またこの発明の壁パネルの取付構造によれ
ば、連結板締付用のボルトと支板のボルト穴の係合によ
り壁パネルは連結板に拘束されるので、連結板に対する
回動を許容しパネル長手方向への摺動を阻止できる壁パ
ネルの取付構造が得られるとともに、壁パネルに連結板
を締付けるボルトまたはナツトのゆるみは、回り止め片
によつて確実に防止され、安全で信頼性が高い壁パネル
の取付部の構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す壁パネル取付状態を
屋外から見た正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】図3のC−C線断面図である。
【図5】図2のD−D線断面図である。
【図6】図5のE−E線断面図である。
【図7】この発明の他の実施例を示す図1相当図であ
る。
【図8】図7のF−F線断面図である。
【図9】図8のG−G線断面図である。
【図10】図9のH−H線断面図である。
【図11】図7のI−I線断面図である。
【図12】この発明のさらに他の実施例を示す図3相当
図である。
【図13】図12のJ−J線断面図である。
【符号の説明】
1…壁パネル、2…ALC板、4…ナツト、5…柱、6
…支持材、10…回転取付部、11…連結板、12…締
付板部、13…固定板部、14…長穴、16…支板、1
6a…側面、17…ボルト、18…ボルト穴、21…座
板、23…回り止め片、24…ボルト穴、30…摺動取
付部、31…座板、33…回り止め片、41…壁パネ
ル、42…ALC板、44…柱、45…支持材、46…
支持片、50…回転取付部、51…連結板、52…締付
板部、53…固定板部、54…長穴、60…摺動取付
部、70…回転取付部、71…ボルト、73…軸部、7
4…座板、74a…側面、75…ボルト穴、76…回り
止め片、77…支板、78…ナツト、S…すきま。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向を水平方向に向けた壁パネルの
    裏面に締結した連結板を、建物躯体に固設した支持材に
    固着して成る取付部を、壁パネルの長手方向各端部に、
    1乃至複数箇所設けて、壁パネルを建物躯体に取付ける
    壁パネルの取付方法において、前記取付部のうちの1箇
    所においては、前記連結板を、壁パネルに対して回動可
    能にかつ壁パネル長手方向への摺動を阻止した状態で、
    壁パネルに締結するとともに、他の取付部においては、
    前記連結板を、壁パネルに対して回動可能かつパネル長
    手方向に摺動可能に、壁パネルに締結することを特徴と
    する壁パネルの取付方法。
  2. 【請求項2】 固定板部に連設した締付板部に壁パネル
    長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板の前記締付
    板部の上側に、ボルト穴をそなえた支板と、この支板の
    側面にすきまをもって対向する回り止め片とボルト穴と
    をそなえた座板とを重ねて、前記各ボルト穴および長穴
    を貫通し壁パネルにねじ込んだボルトによって、壁パネ
    ルの裏面に締付け、前記支板を前記締付板部に溶接し、
    前記ボルトを前記座板に溶接すると共に、前記連結板の
    固定板部を、建物躯体に固設した支持材に溶接したこと
    を特徴とする壁パネルの取付部の構造。
  3. 【請求項3】 ボルト穴をそなえた座板の下側に、前記
    座板の側面にすきまをもって対向する回り止め片とボル
    ト穴とをそなえた支板と、固定板部に連設した締付板部
    に壁パネル長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板
    の前記締付板部とを重ねて、前記各ボルト穴および長穴
    を貫通し壁パネルにねじ込んだボルトによって、壁パネ
    ルの裏面に締付け、前記支板を前記締付板部に溶接し、
    前記ボルトを前記座板に溶接すると共に、前記連結板の
    固定板部を、建物躯体に固設した支持材に溶接したこと
    を特徴とする壁パネルの取付部の構造。
  4. 【請求項4】 固定板部に連設した締付板部に壁パネル
    長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板の前記締付
    板部の上側に、ボルト穴をそなえた支板と、この支板の
    側面にすきまをもって対向する回り止め片とボルト穴と
    をそなえた座板とを重ねて、壁パネルに突設され前記長
    穴および各ボルト穴を貫通するボルトに螺合するナツト
    によって、壁パネルの裏面に締付け、前記支板を前記締
    付板部に溶接し、前記ナツトを前記座板に溶接すると共
    に、前記連結板の固定板部を、建物躯体に固設した支持
    材に溶接したことを特徴とする壁パネルの取付部の構
    造。
  5. 【請求項5】 ボルト穴をそなえた座板の下側に、前記
    座板の側面にすきまをもって対向する回り止め片とボル
    ト穴とをそなえた支板と、固定板部に連設した締付板部
    に壁パネル長手方向に延びる長穴をそなえて成る連結板
    の前記締付板部とを重ねて、壁パネルに突設され前記長
    穴および各ボルト穴を貫通するボルトに螺合するナツト
    によって、壁パネルの裏面に締付け、前記支板を前記締
    付板部に溶接し、前記ナツトを前記座板に溶接すると共
    に、前記連結板の固定板部を、建物躯体に固設した支持
    材に溶接したことを特徴とする壁パネルの取付部の構
    造。
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