JPH06256433A - 透明樹脂組成物 - Google Patents

透明樹脂組成物

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JPH06256433A
JPH06256433A JP5062483A JP6248393A JPH06256433A JP H06256433 A JPH06256433 A JP H06256433A JP 5062483 A JP5062483 A JP 5062483A JP 6248393 A JP6248393 A JP 6248393A JP H06256433 A JPH06256433 A JP H06256433A
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acrylate
meth
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Yoshihiro Uozu
吉弘 魚津
Yasushi Kawarada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屈折率の異なる2種以上の重合体混合物より
なる樹脂組成物であって、透明性が良好で、ポリメチル
メタクリレートよりも高い屈折率と高いガラス転移温度
を有する樹脂組成物を得ること。 【構成】 メチルメタクリレートを主成分とする重合体
(A) 25〜75重量%と、アダマンチル(メタ)アクリレー
トを主成分とする単量体(B) 75〜25重量%との透明な組
成物を重合し、所望の屈折率と耐熱性とを備えた透明樹
脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は任意の屈折率を有する透
明な樹脂組成物、とくに、任意の屈折率を有する光学用
樹脂を有用に作ることができる樹脂と単量体とよりなる
重合可能な樹脂組成物に関するものである。
【0002】光学デバイスや半導体レーザーなどの電子
機器の急激な進歩によって、光通信システムが実用化さ
れ、この光通信システムを担う基本となるのは光ファイ
バである。光ファイバとしては石英系光ファイバ、多成
分ガラス系光ファイバ、プラスチック系光ファイバ等が
開発され、これらの光ファイバを用いて種々の光学ケー
ブルが企業化されている。
【0003】光ファイバは、高屈折率のコア(芯)と低
屈折率のクラッド(鞘)により構成され、芯−鞘界面で
光を反射転送させるステップインデックス型と、光ファ
イバ断面系内にその中心から周辺部に向かって連続的な
屈折率分布を有したグレーテッドインデックス型とに分
けられる。
【0004】また、光ファイバを中心とする情報伝達手
段とあわせて、光学部品、例えば、屈折率分布型レンズ
や光デバイス等の研究も活発化しており、オプトエレク
トロニクス分野において、これらの光学部品は将来重要
な役割を担うものと予想される。以上のような光学材料
の分野において、屈折率を所望のものに調整できる素材
が期待されている。
【0005】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】先に
述べたように光ファイバのうち石英系光ファイバや多成
分ガラス系光ファイバは、長距離伝送用として利用され
ることが多く、良好な光伝送特性を有しているという特
徴があるが、脆いという難点がある。一方、プラスチッ
ク系光ファイバは、光伝送特性はガラス系光ファイバに
対して劣るものの、大口径光ファイバとすることがで
き、加工性にも優れているために短距離伝送用として企
業化されている。また、最近になって、石英やガラスの
コアにプラスチックのクラッドを備えたプラスチックク
ラッド光ファイバが中距離伝送用光ファイバとしての特
性を有していると期待されている。
【0006】上記プラスチック光ファイバの芯材として
は、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ−4-メチルペンテ
ン-1、重水素化ポリメチルメタクリレートおよび重水素
化ポリスチレン等で代表される透明で高屈折率の有機高
分子材料にて構成されている。またクラッド材料として
は、より低い屈折率を有するシリコン系やフッ素系樹脂
が多く使われており、とくにフッ素系樹脂に関しては、
低屈折率にあわせて耐候性が良好であるという面からも
注目されており、例えば特開昭49−107790号公
報、特開昭49−108321号公報、特開昭49−1
15556号公報、特開昭51−52849号公報、特
開昭53−60242号公報に、これら鞘材が具体的に
示されている。
【0007】しかし、クラッド材料として用いるフッ素
系樹脂は(メタ)アクリル酸フッ化アルキルエステル系
樹脂やフッ化ビニリデン系共重合体等の単一高分子材料
であることが多く、これらの樹脂は他樹脂との相溶性が
悪く、樹脂ブレンドすることにより不透明化するため、
必要性能の多様化を、これら樹脂の改質によって対応で
きなくなっている。このため、これらの樹脂のブレンド
等による性能改善が期待できるが、不透明化するため、
異樹脂をブレンドした樹脂組成物を光ファイバのクラッ
ド材や光学デバイスに応用した例はほとんど知られてい
ない。
【0008】最近、相溶性の優れた樹脂混合物の例が、
特開昭59−41348号公報、特開昭59−6245
号公報、特開昭62−57449号公報等に開示され、
光学分野において広範な用途に適するとの記述がなされ
ているが、これらの樹脂組成物は屈折率を所望のものに
調節することが難しく、また、その透明性や機械的強度
が十分な成形物となし得るものはほとんど開発されてい
ない。樹脂のブレンド系で透明な組成物としては、フッ
化ビニリデン系樹脂とビニルエステル系共重合体とのブ
レンド物のみが知られており、その製造は各ポリマを溶
融状態で混練する方法と、この2種のポリマを共通溶媒
に溶解したものを混合した後に溶媒を除去して製造する
方法である。
【0009】フッ化ビニリデン系樹脂とビニルエステル
系共重合体とのブレンド系は屈折率を調整できる範囲が
狭いという難点があり、さらに広い範囲で屈折率を調整
し得るとともに透明性に優れた樹脂系の開発をすすめ、
本発明者等はこれまでにも種々の屈折率の異なるポリマ
のブレンド体ならびにブレンド体の製造方法について検
討し、特願昭63−118134号、特願昭62−26
2725号、特願昭62−294220号、特願昭63
−118133号、特願平1−281725号等として
提案してきた。これらの樹脂ブレンド体においてもその
耐熱性は先のフッ化ビニリデン系樹脂とビニルエステル
系共重合体とのブレンド系と比較してあまりよいものと
はいえなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、よ
り広範囲で屈折率を調整することができ、より耐熱性を
備えた樹脂組成物を得ることを目的として検討した結
果、メチルメタクリレートを主要成分とする重合体(A)
と該重合体(A) よりも高屈折率の重合体を与えるアダマ
ンチル(メタ)アクリレートを主成分として含んでいる
単量体(B) に重合開始剤を混合したものを重合すること
によって、所望の屈折率を有する透明樹脂とする本発明
を完成した。
【0011】本発明を実施するに際して用いる重合体
(A) よりも高屈折率の重合体(B) を作るのに用い得る単
量体としては、アダマンチル(メタ)アクリレートが10
重量%以上含有しているものを用いるのがよく、このア
ダマンチル(メタ)アクリレートと同時に用いられる単
量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n-プロピル(メタ)アクリレート、tert−ブチル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、その他の脂環式
(メタ)アクリレート等が挙げられる。フッ素化アルキ
ル(メタ)アクリレートも単量体混合物から得た重合体
が、重合体(A) より高屈折率となる組合せであれば用い
ることも可能である。アダマンチル(メタ)アクリレー
トの重合体(B) 中での重合量は10〜68重量%なる範囲の
ものが好ましい。これはこのアダマンチル(メタ)アク
リレートを多量に共重合した重合体(B) は重合体(A) と
の相溶性を損なう。
【0012】また、本発明において用いられるメチルメ
タクリレートを主成分とする重合体(A) としては、メチ
ルメタクリレートのホモポリマを用いてもよいし、メチ
ルメタクリレートと他の共重合可能な単量体との共重合
体を用いてもよい。この種の単量体としては、メチルア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレ
ート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(n-ブトキシエ
チル)(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,
3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,
2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、1-トリフルオロメチル−2,2,2-トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオ
ロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4-ヘキサ
フルオロ(メタ)アクリレート、その他の脂環式(メ
タ)アクリレート等のごとき(メタ)アクリレート類が
挙げられる。
【0013】これらの単量体の中でメチルメタクリレー
トより低い屈折率を有する単量体をメチルメタクリレー
トと共重合した重合体(A) は、メチルメタクリレートホ
モポリマより屈折率の小さなものとなり、本発明の透明
樹脂組成物の調整し得る屈折率の範囲は大きくなるが、
両重合体(A),(B) 間の相溶性は悪くなる傾向にあり、そ
の透明性を損なわないように留意することが必要であ
る。
【0014】また、メチルメタクリレートより高い屈折
率を有する単量体とメチルメタクリレートとの共重合体
はメチルメタクリレートホモポリマより屈折率の大きな
ものとなり、この重合体を用いた本発明の樹脂組成物の
調節可能な屈折率範囲は小さくなるが、両重合体(A),
(B) 間の相溶性はよくなるという傾向がある。このこと
から重合体(B) を作るに際して用いるメチルメタクリレ
ートより低い屈折率の単量体の種類の選定およびその共
重合量は、重合体(A),(B) の相溶性を損なわない範囲と
することが必要である。
【0015】本発明の樹脂組成物を構成する重合体(B)
の含有量は25〜75重量%であることが必要である。この
範囲以外の組成物より形成される樹脂組成物は相溶性が
悪く白化しやすい傾向にある。
【0016】本発明の樹脂組成物は重合体(A) と、重合
体(B) を構成する単量体との組成物を作り、重合する方
法にて作ることにより、両重合体間にインターネットワ
ークポリマ構造が形成されるものと考えられ、透明性良
好な樹脂組成物となる。重合法としては熱重合法、光重
合法が好ましく、とくに光重合法がよい。重合触媒とし
ては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンジル、ベンゾフェノン、p-メトキシベンゾフ
ェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等
のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフ
ィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのイオウ
化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4-
ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパ
ーオキシド、ジターシャリーブチルパーオキシドなどの
パーオキシド化合物等が挙げられる。また、光重合開始
剤と同時に光増感剤を併用することもできる。
【0017】本発明の所望の屈折率と透明性および耐熱
性を備えた樹脂混合物を作成するには、メチルメタクリ
レートを主成分とする重合体(A) と該重合体(A) よりも
高屈折率の重合体を与えるアダマンチル(メタ)アクリ
レートを主要成分として含んでいる単量体(B) とを相溶
性良好な状態で混合したものを用いることが最も重要で
あり、さらに該組成物に光重合触媒を加えてよく混合
し、紫外線等の光を照射する重合硬化処理する方法を用
いるのがよい。
【0018】本発明に単量体(B) としてアダマンチルメ
タクリレートを主とするものを用いると、そのホモポリ
マのガラス転移温度(Tg)が 170℃と高く、アダマンチ
ルアクリレートはホモポリマのガラス転移温度(Tg) 1
15℃や、メチルメタクリレートのホモポリマの(Tg) 1
10℃より高いTgを有する本発明の樹脂組成物とすること
ができるとともに、その吸湿性も低いものとすることが
できるので好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は低屈折率の重合体
(A) と高屈折率の重合体(B) とよりなるインターネット
ワークポリマ構造を形成している混合物にて構成されて
おり、この混合比を、その相溶性を損なわないような範
囲で適宜調節することにより、所望の屈折率を有する新
規な透明な樹脂組成物とすることができたものである。
また、この樹脂組成物は光ファイバ用鞘材あるいは芯材
として、さらにはグレーテッドインデックス型光ファイ
バ材料としても使用できる。
【0020】以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説
明する。
【0021】
【実施例1】ポリメチルメタクリレート(nD=1.489、
[η]=0.425、25℃ MEK中で測定、以下同じ)40重量
部、アダマンチルメタクリレート32重量部、メチルメタ
クリレート28重量部、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン 0.5重量部からなる混合物を作成し、この混
合物を2枚のポリエステルフィルムに挟み、25℃で紫外
線を照射することによって透明なフィルムを得た。この
フィルムの屈折率は1.503であり、光線透過率は91%で
あった。またこのフィルムのガラス転移温度(Tg)は 1
29℃であった。
【0022】
【比較例1】アダマンチルメタクリレート53重量%、メ
チルメタクリレート47重量%とからなる重合体(nD=1.5
13、[η]=0.350)60重量部とポリメチルメタクリレー
ト(nD=1.489、[η]=0.425)40重量部をメチルエチル
ケトン 900重量部に溶解した。この溶液をフィルム上に
流し、厚さ0.1mm とした後にメチルエチルケトンを揮発
させた。その時、そのフィルムは白化した。
【0023】
【実施例2】ポリメチルメタクリレート(nD=1.489、
[η]=0.425)45重量部、アダマンチルアクリレート30
重量部、メチルメタクリレート25重量部、1-ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン 0.8重量部からなる混合
物を作成し、この混合物を2枚のポリエステルフィルム
に挟み、30℃で紫外線を照射することによって透明なフ
ィルムを得た。このフィルムの屈折率は1.503 であり、
光線透過率は92%であった。また、このフィルムのガラ
ス転移温度(Tg)は 113℃であった。
【0024】
【実施例3〜6】メチルメタクリレート98重量%、メチ
ルアクリレート2重量%とからなる重合体(nD=1.489、
[η]=0.335)とアダマンチルメタクリレート59重量%
とメチルメタクリレート41重量%の単量体混合物と、光
重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン 1.0重量%を加えたものを使用し、[表1]に示
すように混合し、実施例1と同様にして光重合を行い、
得られた樹脂組成物の物性を測定した結果を[表1]に
示した。
【表1】
【0025】
【実施例7〜9および比較例2】メチルメタクリレート
98重量%、メチルアクリレート2重量%とからなる重合
体(nD=1.489、[η]=0.335)と、下記の単量体混合物
との混合割合を50:50とし、その混合物に1-ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン 1.0重量%を加えたもの
を光重合して得た樹脂組成物の特性を評価した結果を
[表2]に示した。ただし、単量体混合物はメチルメタ
クリレート(C)とアダマンチルメタクリレート(D)
の混合比は[表2]に示したものを用いた。
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレートを主成分とする重
    合体(A) 25〜75重量%と、該重合体(A) よりも高屈折率
    のアダマンチル(メタ)アクリレートを主成分とする単
    量体(B) 75〜25重量%との混合物を重合することを特徴
    とする所望の屈折率と耐熱性とを備えた透明樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 単量体(B) としてアダマンチル(メタ)
    アクリレート10〜68重量%と他の共重合可能な単量体90
    〜32重量%とよりなる単量体混合物を用いることを特徴
    とする請求項1記載の樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004003609A1 (de) * 2002-06-27 2004-01-08 Atotech Deutschland Gmbh Verfahren zur herstellung von integrierten wellenleitern, polymersysteme zur herstellung solcher wellenleiter sowie verfahren zur erzeugung von planaren wellenleiterkanälen
JP2005258000A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Jsr Corp 光導波路形成用感光性組成物および光導波路
JP2009526877A (ja) * 2006-02-13 2009-07-23 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光学物品用硬化性組成物
JP2012031351A (ja) * 2010-08-03 2012-02-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル樹脂板の製造方法、アクリル樹脂板、アクリル樹脂積層体及び表示装置

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