JPH0625578A - 薄膜形成用インキ - Google Patents

薄膜形成用インキ

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JPH0625578A
JPH0625578A JP17862992A JP17862992A JPH0625578A JP H0625578 A JPH0625578 A JP H0625578A JP 17862992 A JP17862992 A JP 17862992A JP 17862992 A JP17862992 A JP 17862992A JP H0625578 A JPH0625578 A JP H0625578A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ガラス或いはセラミックス等の基板上に、酸化
物被膜等を形成する薄膜形成用インキにおいて、ガラス
系成分としてハロゲン含有アルコキシド、もしくはハロ
ゲン含有アルコキシドと金属アルコキシド或いは金属酸
化物のゾルとの混合物、増粘成分としてニトロセルロー
スH60、並びに溶媒としてエチルカルビトールもしくは
ブチルカルビトール或いはこれらの混合物を混合調製し
た薄膜形成用インキ。 【効果】インキの調製が効率化でき、インキのポットラ
イフを格段に長くし、スクリーン印刷、グラビア印刷、
スタンプ等に最適となり、割合広い面積でも均一膜厚と
なり、得られた薄膜はクラックの発現がなく、均質でか
つ着色もなく、優れた光学特性、透視性、耐摩耗性、耐
擦傷性、耐久性等を備え、建築建材等をはじめ各種板ガ
ラス物品、殊に車両用窓ガラス、特に自動車用窓ガラス
に有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板ガラス表面に、こと
に印刷法等によって各種薄膜をプリントする際の薄膜形
成用インキに関するものであり、各種板ガラス物品、こ
とに自動車用窓ガラス等車両用板ガラスに有用であり、
多方面で利用価値を発現可能な薄膜形成用インキに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属酸化物の水和物や金属ア
ルコキシドなどの卑金属化合物をガラス系成分として用
い、これに樹脂などのバインダーおよび溶剤を加え、さ
らに他の添加成分として顔料等を含ませたインキを用い
て基板上に所望の酸化物の被膜を形成する方法がよく知
られている。
【0003】例えば、特開昭63ー48372 号公報には、イ
ンキ材料が記載されており、有機系色材、シリコンアル
コキシド等からなる金属アルコキシド群から選ばれた少
なくとも1種を含むバインダー、およびアルキルアルコ
ール等のアルコール類である溶剤から構成されているこ
とが開示されている。
【0004】また例えば、特開昭64ー56776 号公報に
は、インクジェットプリンタ用の耐熱インクが記載され
ており、顔料色を有するガラス系成分と溶剤とバインダ
ーと導電性付与剤とを含むインクジェットプリンタ用の
インクであって、前記ガラス系成分として金属アルコキ
シドの加水分解固形物が配合されてなることが記載され
ている。
【0005】さらに例えば、特開平2ー60974 号公報に
は、卑金属薄膜形成用インキが記載されており、各種ア
ルコキシド等の卑金属を含有する化合物、増粘剤として
のアピエチン酸及びこれらを溶解させるブチルカルビト
ール等の溶媒とを主たる構成要素として含有するものが
開示されている。
【0006】さらに、基板上に被膜を形成する方法とし
ては、スクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スタ
ンプ、スプレーなどの方法が知られている。例えば、特
開平3ー126642号公報には、機能薄膜付ガラスの製造方
法が記載されており、金属アルコキシドとニトロセルロ
ース系増粘剤を含む溶液をスクリーン印刷することで機
能薄膜を形成すること等が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】前述したようなイン
キにおいて、ガラス系成分の金属アルコキシドを含有さ
せる場合には、均質な酸化物被膜を得るために、金属ア
ルコキシドをあらかじめ加水分解、重縮合させたゾルと
しておく必要があり、反応過程の物質を含むため、イン
キの粘度が変化しやすく、インキとして使用可能な期間
であるインキのライフがある一定期間のみに限られた
り、さらにその期間が極めて短いなど種々の問題があ
り、この期間を過ぎたインキを用いた場合には、形成さ
れる被膜にクラックが発生したり、不均質になったりす
るなどの問題があった。
【0008】またさらに、インキ中の増粘成分は、被膜
を形成するためには最終的には不要であるため、乾燥、
焼成を行って燃焼させ、系外に排除することが必要であ
るが、この際インキの粘度を所望の粘度まで高めるため
に一般的なセルロース系を多量に含有させると、乾燥、
焼成を行っても得られた被膜中にカーボンが残留しやす
く、黄褐色に着色して薄膜の外観を損ねたり、薄膜の耐
擦傷性などの強度等を著しく損ねるものであった。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る欠点に鑑みてなしたものであって、インキ中のガラス
系成分としてハロゲン、とくに塩素(Cl- ) 含有アルコ
キシドもしくはこのハロゲン含有アルコキシドと金属ア
ルコキシドあるいは金属酸化物ゾルとの混合物を含み、
さらに増粘成分として少量の添加でインキの粘度を、例
えばスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スタン
プあるいはスプレーなどに適する粘度まで高めることが
可能なニトロセルロースH60(「ニトロセルロースであ
って、JISK6703 に指定の品種および粘度記号がH60の
もの」である。)を含有せしめたことで、インキ自体の
ポットライフも格段に長く、上述した各種印刷等でのト
ラブルも発現することなく薄膜形成ができ、できた薄膜
は均質でかつ着色もなく、優れた光学特性ならびに耐擦
傷性、耐久性等を備えるものとなる、有用な薄膜形成用
インキを提供するものである。
【0010】すなわち、本発明は、ガラスあるいはセラ
ミックス等の基板上に、酸化物被膜等を形成する薄膜形
成用インキにおいて、ガラス系成分としてハロゲン含有
アルコキシド、もしくはハロゲン含有アルコキシドと金
属アルコキシドあるいは金属酸化物のゾルとの混合物、
増粘成分としてニトロセルロースH60、ならびに溶媒と
してエチルカルビトールもしくはブチルカルビトールあ
るいはこれらの混合物を混合調製したことを特徴とする
薄膜形成用インキ。
【0011】ならびに、前記ハロゲン含有アルコキシド
が、Ti、Zr、Sn、InあるいはTaのうち、少なくとも1種
以上から成ることを特徴とする上述した薄膜形成用イン
キ。また、前記ハロゲン含有アルコキシドのハロゲン元
素が、Clであることを特徴とする上述した薄膜形成用イ
ンキ。
【0012】さらに、前記ハロゲン含有アルコキシドと
金属アルコキシドあるいは金属酸化物のゾルとの混合物
の含有率が、酸化物換算で1.0 〜2.0 重量部であること
を特徴とする上述した薄膜形成用インキ。
【0013】さらにまた、前記増粘成分であるニトロセ
ルロースH60の含有率が、5〜10重量部であることを特
徴とする上述した薄膜形成用インキをそれぞれ提供する
ものである。
【0014】ここで、前記ハロゲン含有アルコキシドを
用いることとしたのは、溶液自体が溶液内で解膠が起こ
り水などの混入等に対しても極めて安定であり、インキ
の調製が非常に簡単でライフの長いインキが得られる
が、これを薄く広い面積に塗り広げた場合には、雰囲気
中の水分によって直ちに加水分解、重縮合が起こり、均
質なゲル薄膜を形成するという優れた物性を有するから
である。
【0015】また、前記ハロゲン含有アルコキシドと金
属アルコキシドあるいは金属酸化物のゾルとの混合物を
用いることとしたのは、ことに例えば金属アルコキシド
をハロゲンとくに塩素を含むアルコキシドとすることに
よって、従来のように金属アルコキシドに加水分解のた
めの水と触媒を加えてゾルとしなくてもよく、これによ
って反応過程にあるゾルをインキに混ぜなくてもよくな
り、インキのポットライフが非常に長くなる。
【0016】さらに、前記増粘成分としてニトロセルロ
ースH60を用いることとしたのは、少量の添加でもって
溶液やインキの粘度を高めることができ、これによって
焼成後の最終薄膜中におけるカーボン残留量が極めて少
なくあるいは無くなり、高い耐摩耗性または耐擦傷性等
の膜強度を発現できることとなるためである。またさら
にヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースな
どに比し、樹脂バインダーとしての一般的増粘剤の中で
も、ニトロセルロースH60は好適な印刷性等を得ること
が出来るためである。
【0017】さらにまた、溶媒としてエチルカルビトー
ルもしくはブチルカルビトールあるいはこれらの混合物
を用いることとしたのは、例えば印刷等の前のインキの
急激な乾燥を抑制でき、かつ印刷等後の被膜が比較的低
温(約200 ℃程度)で乾燥でき、したがってこれらによ
って、ポットライフが長くしかも印刷等後には比較的低
温で薄膜が乾燥するため、最終温度の加熱処理によって
均一な膜面をもつ被膜が得られる。
【0018】さらにまた、前記ハロゲン含有アルコキシ
ドが、Ti、Zr、Sn、InあるいはTaのうち、少なくとも1
種以上から成ることとしたのは、例えば非選択性増反射
性金属酸化物薄膜等が得られ、ことに透視性ならびに膜
強度、さらには光学特性等を重視したこと等によるもの
である。
【0019】さらにまた、前記ハロゲン含有アルコキシ
ドのハロゲン元素が、Clであることとしたのは、アルコ
キシド合成の原料として塩化物が最もポピュラーでかつ
安価であり、しかも塩化物以外では、できた生成物から
溶媒との溶解度差を利用してアルコキシドを分離するの
が困難となり、例えば弗化物や臭化物では含水塩が多
く、アルコキシドに水が残留しやすいのに対し、塩化物
には無水塩があるからである。
【0020】さらにまた、前記ハロゲン含有アルコキシ
ドと金属アルコキシドあるいは金属酸化物のゾルとの混
合物の含有率が、酸化物換算で1.0 〜2.0 重量部である
こととしたのは、1.0 重量部未満では、例えば一回の印
刷等で得られる膜厚が薄くなり過ぎて、印刷むらが目立
ち易くなり、得られた薄膜の外観が好ましくなくなり、
さらに屈折率が理論値まで上がらなくなり、反射特性や
透過特性が変わってしまい、2.0 重量部を超えると、一
回の印刷等で得られる膜厚が厚くなり易く、特に150nm
以上になるとクラックが発生し易いし、しかもこのた
め、テーバー摩耗性強度等の薄膜強度も低下するためで
あり、上記1.0 〜2.0 重量部にすることで、スクリーン
印刷、グラビア印刷、凹版印刷など印刷等の直後の膜厚
が比較的厚くなる成膜法においても、最終熱処理後にも
クラックのない均質な被膜が得られるためである。
【0021】さらにまた、前記増粘成分であるニトロセ
ルロースH60の含有率が、5〜10重量部であることとし
たのは、5重量部未満では、インキの粘度が充分高く上
がらず、印刷等時ににじみ現象が発現することがあり、
また10重量部を超えると、インキの粘度が高くなりすぎ
て、例えばスクリーンの目詰まりなどによる印刷等の作
業性が悪くなったり、印刷機、スクリーン等の洗浄に時
間がかかったり、さらにインキの調製時間が長くかかる
等が起こるためであり、また上記5〜10重量部にするこ
とで、調製後の粘度が例えば20〜100ps の粘度が好まし
いスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷などに適し
た粘度のインキを得ることができるためである。
【0022】なお、前記のほか、ニトロセルロースH1
/2については、ニトロセルロースH60に比し、例えば
粘度を上げる場合、多量の添加が必要であって、インキ
のコストが上昇してしまい、しかも例えば約500 ℃以下
の焼成では、前記したように添加量が多いため、カーボ
ンが残留しやすく、薄膜がやや黄色味がかったり、ある
いは薄膜の強度が充分上がらない等が発現しやすいの
で、比較的優れるものとは必ずしも言い難いものであ
る。
【0023】
【作用】前述したとおり、本発明の薄膜形成用インキ
は、ガラス系成分としてハロゲン含有アルコキシド、も
しくは該アルコキシドと金属アルコキシドあるいは金属
酸化物のゾルとの混合物を含み、これに増粘を目的とし
た樹脂バインダーとしてニトロセルロースH60を用い、
さらに溶剤としてエチルカルビトールもしくはブチルカ
ルビトールあるいはこれらの混合物を混合調製した薄膜
形成用インキとしたことにより、インキの調製時間を短
縮できるとともに、インキ自身のポットライフが格段に
長くなり、例えばスクリーン印刷等の各種印刷におい
て、目詰まり等のトラブルも発現せず、作業性の悪化を
解消でき、印刷機やスクリーン等の洗浄時間を低減し
得、スクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スタン
プあるいはスプレー等の薄膜成膜法に最適となり、被膜
は比較的低温で乾燥できて割合広い面積でも均一膜厚と
とすることができ、焼成後得られた薄膜はクラックの発
現もなく、均質でかつ黄色味等の着色もなく、例えば非
選択性で増反射性のような光学特性を有し、しかも優れ
た透視性、耐摩耗性、耐擦傷性もしくは耐久性等を備え
た強度あるものとなり、建築建材等をはじめ各種板ガラ
ス等物品、ことに車両用窓ガラス、とくに自動車用窓ガ
ラスに有用であり、多方面で広く採用しうる薄膜形成用
インキを提供するものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0025】実施例1 四塩化チタン(TiCl4)を出発原料とし、これにイソプロ
ピルアルコールを反応させてTiーイソプロポキシドを合
成する際、塩素(Cl)の一部を残したまま反応を終了させ
てTi(OC2H7) x Cly (x+y=4) の化合組成をもつ溶質濃度
が約1.5mol/lのTiの金属アルコキシドを合成した。
【0026】この酸性の塩素含有Tiーアルコキシド約
7.94gと、同じく酸性のシリカゾル(溶質濃度が約0.3mo
l/l )約17.85gを混合し酸化物換算のTiO2/SiO2のモ
ル比が65/35の混合アルコシキシド溶液を得た。
【0027】この混合アルコキシド溶液は、少量の水が
混入しても急激に加水分解が進んでゲル化するようなこ
とがなく極めて安定であったが、一端ガラス基板上にデ
ィッピング操作などで薄膜状に形成して表面積を増やす
と、加水分解、重縮合が進んで均質なゲル膜となった。
【0028】ついで、この混合アルコキシド溶液と、ニ
トロセルロースH60(ダイセル(株)製)を約8g(最終の
薄膜形成用インキ全体の約8wt%)とエチルカルビトー
ル約66.21gとを混合し約50℃に保ってプロペラ式攪拌機
で約1時間攪拌して得た高粘度溶液とを充分に混合して
薄膜形成用インキを得た。
【0029】さらに、該薄膜形成用インキは調合初期の
粘度が約23.2psであり、約3日間経過した後は約32.1ps
に上昇したがこれ以降は粘度変化せず安定し、約7日間
経過した後も32.3psであった。
【0030】つぎに、この薄膜形成用インキを♯380 メ
ツシュのテトロンスクリーンでガラス基板上にスクリー
ン印刷し、その後約 600℃で約10分間加熱処理を行った
ところ、膜厚が約70nm、屈折率が約n=1.9 の銀色のハ
ーフミラー状を呈する透明で均質なTiO2・SiO2薄膜が得
られた。
【0031】得られた該薄膜は、非常に強固で、JIS R
3212に準じたテーバー摩耗試験を行ったところ、100 回
回転摩耗(荷重約500g)後のヘーズの増加が約1%程度
であった。
【0032】実施例2 実施例1で得た薄膜形成用インキを用い、ガラス基板上
に所定の文字と図柄のパターンを凹版スタンプ印刷し、
約 500℃で約20分間熱処理を行ったところ、膜厚が約50
〜60nmの銀色の所定パターンのTiO2・SiO2薄膜が得られ
た。
【0033】得られた該パターン薄膜は、実施例1と同
様な膜質であった。実施例3 四塩化ジルコニウムを出発原料として、実施例1と同様
な方法で塩素含有Zrーアルコキシドを得た。この塩素含
有Zrーアルコキシドは溶質濃度が約1.45mol /l であ
り、このアルコキシドと実施例1で用いた高粘度溶液と
を充分に混合して薄膜形成用インキを得た。また該薄膜
形成用インキも通常の保管状態では粘度が極めて安定し
ており、調合から2週間後も粘度の増加が初期粘度の35
%程度であった。
【0034】この薄膜形成用インキを厚さ約3mmのガラ
ス基板上にグラビアロールコーターで印刷し、その後約
550℃で約15分間加熱処理を行ったところ、膜厚が約90
nm、屈折率が約n=1.93の銀色の薄膜を得た。
【0035】得られた該パターン薄膜は、実施例1と同
様な膜質であった。なお、本発明の薄膜形成用インキの
成膜法については、上述した方法以外に、各種印刷法あ
るいは成膜法が採用でき、さらに各印刷法や成膜法ある
いはその条件によって粘度等を種々調整することは言う
までもない。
【0036】比較例1 実施例1において、ニトロセルロースH60を14g (イン
キ全体に対し14wt%)、エチルカルビトールを約60.21g
として調製したインキ(粘度約83ps)を用い、ガラス基
板上にスクリーン印刷を行い、さらに同様の熱処理を行
った。
【0037】得られたものは、銀色のハーフミラー状を
呈したが均質性がやや悪く、明るい光の下では印刷の方
向に沿った筋状の膜厚むらが全体に目立った。またイン
キの粘度も変化し易く、調合後1日経過後に既に約120p
s となっていた。さらにまた印刷中もすぐにスクリーン
の目詰まりが発生し易く、印刷性が良くなかった。
【0038】比較例2 実施例1において、ニトロセルロースH60の代わりにニ
トロセルロースH1/2を用いてインキを調製した。こ
の際実施例1と同様の粘度(約23ps)を得るために、ニ
トロセルロースH1/2をニトロセルロースH60の添加
量の約5.5 倍加える必要があり、さらに均質なインキを
得るためには攪拌を約3時間以上行う必要があった。さ
らに得られたインキをガラス基板上に♯350 メツシュの
テトロンスクリーンを用いてスクリーン印刷し、約450
℃で 熱処理を行ったところ、淡い黄色みがかった銀色
の反射色を呈する比較的均質な酸化物薄膜が得られたも
のの、薄膜の耐摩耗強度はやや劣るものであった。
【0039】比較例3 実施例1において、ニトロセルロースH60の代わりにエ
チルセルロースを用いて同様のインキを調製した。エチ
ルセルロースはニトロセルロースH60の場合とほぼ同量
の添加で、粘度が約25〜30PSのインキを得ることができ
た。このインキを用い実施例1と同じようにガラス基板
上にスクリーン印刷し約600 ℃で熱処理を行って酸化物
薄膜を得た。
【0040】得られた薄膜は、強度が非常に弱く、実施
例1と同様のテーバー摩耗試験を行ったところ、薄膜の
一部が剥離した。そこでこの薄膜をオージェ電子分光分
析装置で元素分析を行ったところ、実施例1のものでは
ほとんど認められなかったカーボンが多量に残留してお
り、これが薄膜の接着強度を低下させる原因であること
がわかった。
【0041】
【発明の効果】以上前述したように、本発明の薄膜形成
用インキによれば、ガラス系成分としてハロゲン含有ア
ルコキシド、もしくは該アルコキシドと金属アルコキシ
ドあるいは金属酸化物のゾルとの混合物を含み、これに
増粘剤としてニトロセルロースH60を用い、さらに溶剤
としてエチルカルビトールもしくはブチルカルビトール
あるいはこれらの混合物を混合調製した薄膜形成用イン
キとしたので、インキの調製が効率化でき、インキのポ
ットライフを格段に長くし、スクリーン印刷、グラビア
印刷、凹版印刷、スタンプあるいはスプレー等の薄膜成
膜法に最適となり、割合広い面積でも均一膜厚となり、
得られた薄膜はクラックの発現もなく、均質でかつ着色
もなく、非選択性で増反射性のような光学特性を有し、
しかも優れた透視性、耐摩耗性、耐擦傷性もしくは耐久
性等を備え、建築建材等をはじめ各種板ガラス等物品、
ことに車両用窓ガラス、とくに自動車用窓ガラスに有用
である薄膜形成用インキを提供することができるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 27/02 9120−2K

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスあるいはセラミックス等の基板上
    に、酸化物被膜等を形成する薄膜形成用インキにおい
    て、ガラス系成分としてハロゲン含有アルコキシド、も
    しくはハロゲン含有アルコキシドと金属アルコキシドあ
    るいは金属酸化物のゾルとの混合物、増粘成分としてニ
    トロセルロースH60、ならびに溶媒としてエチルカルビ
    トールもしくはブチルカルビトールあるいはこれらの混
    合物を混合調製したことを特徴とする薄膜形成用イン
    キ。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン含有アルコキシドが、Ti、
    Zr、Sn、InあるいはTaのうち、少なくとも1種以上から
    成ることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成用イン
    キ。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン含有アルコキシドのハロゲ
    ン元素が、Clであることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜形成用インキ。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン含有アルコキシドと金属ア
    ルコキシドあるいは金属酸化物のゾルとの混合物の含有
    率が、酸化物換算で1.0 〜2.0 重量部であることを特徴
    とする請求項1記載の薄膜形成用インキ。
  5. 【請求項5】 前記増粘成分であるニトロセルロースH
    60の含有率が、5〜10重量部であることを特徴とする請
    求項1記載の薄膜形成用インキ。
JP17862992A 1992-07-06 1992-07-06 薄膜形成用インキ Expired - Fee Related JP2659310B2 (ja)

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