JP2001089707A - 酸化物膜形成用インキおよび酸化物膜の形成方法 - Google Patents
酸化物膜形成用インキおよび酸化物膜の形成方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐摩耗性およびヘーズに優れた高耐久性の酸化
ケイ素を含む金属酸化物膜を得ること。 【解決手段】被膜形成成分と非被膜形成成分を含み、該
被膜形成成分はアルコキシシランの加水分解および重縮
合により形成された酸化ケイ素ゾルを含み、該ゾルのG
PC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)測定
による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、
第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピークMw
(2)が300以下よりなる酸化物膜形成用インキを用
いて成膜すること。
ケイ素を含む金属酸化物膜を得ること。 【解決手段】被膜形成成分と非被膜形成成分を含み、該
被膜形成成分はアルコキシシランの加水分解および重縮
合により形成された酸化ケイ素ゾルを含み、該ゾルのG
PC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)測定
による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、
第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピークMw
(2)が300以下よりなる酸化物膜形成用インキを用
いて成膜すること。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用窓ガラスなど
の車両用板ガラス、ビル用窓ガラス、鏡用ガラスなどの
建築建材用板ガラスなどの各種の分野のガラス物品、さ
らにはセラミックス、金属などの表面に、印刷法などに
よって薄膜を形成する際のシリカを含む酸化物膜形成用
インキおよびそのインキを用いて形成される酸化物膜の
形成方法に関する。
の車両用板ガラス、ビル用窓ガラス、鏡用ガラスなどの
建築建材用板ガラスなどの各種の分野のガラス物品、さ
らにはセラミックス、金属などの表面に、印刷法などに
よって薄膜を形成する際のシリカを含む酸化物膜形成用
インキおよびそのインキを用いて形成される酸化物膜の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷法により酸化物薄膜をガラス
基板上に形成する方法については、例えば特公平7−1
7407号公報には、金属アルコキシドと増粘剤を含む
薄膜形成用液体をスクリーン印刷し、印刷膜を形成した
のち、550〜650温度で加熱して曲げ加工、または
/且つ強化加工を施すと同時に、該印刷膜を焼成して金
属酸化物を主成分とする機能性薄膜を形成する方法が記
載され、また薄膜形成用インキについては、例えば特開
平6−25578号公報には、基板上に酸化物膜を形成
する薄膜形成用インキにおいて、ガラス系成分としてハ
ロゲン含有アルコキシド、もしくはハロゲン含有アルコ
キシドと金属アルコキシド或いは金属酸化物のゾルとの
混合物を用いることが記載されている。
基板上に形成する方法については、例えば特公平7−1
7407号公報には、金属アルコキシドと増粘剤を含む
薄膜形成用液体をスクリーン印刷し、印刷膜を形成した
のち、550〜650温度で加熱して曲げ加工、または
/且つ強化加工を施すと同時に、該印刷膜を焼成して金
属酸化物を主成分とする機能性薄膜を形成する方法が記
載され、また薄膜形成用インキについては、例えば特開
平6−25578号公報には、基板上に酸化物膜を形成
する薄膜形成用インキにおいて、ガラス系成分としてハ
ロゲン含有アルコキシド、もしくはハロゲン含有アルコ
キシドと金属アルコキシド或いは金属酸化物のゾルとの
混合物を用いることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
特公平7−17407号公報或いは特開平6−2557
8号公報により形成される酸化ケイ素を含む酸化物被膜
は、耐摩耗性或いは硬度等において充分とは言い難く、
耐久性能に劣っていた。
特公平7−17407号公報或いは特開平6−2557
8号公報により形成される酸化ケイ素を含む酸化物被膜
は、耐摩耗性或いは硬度等において充分とは言い難く、
耐久性能に劣っていた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のこれ
らの問題点に鑑みてなされたものであって、被膜形成成
分である酸化ケイ素を形成するインキの原料として、ア
ルコキシシランの加水分解および重縮合により形成され
た酸化ケイ素ゾルの重量平均分子量をある範囲の数値に
限定した低分子量のゾルを用いることにより、該インキ
により形成された酸化ケイ素を含む酸化物被膜は、優れ
た硬度、耐摩耗性および耐久性を有することを見出し
た。
らの問題点に鑑みてなされたものであって、被膜形成成
分である酸化ケイ素を形成するインキの原料として、ア
ルコキシシランの加水分解および重縮合により形成され
た酸化ケイ素ゾルの重量平均分子量をある範囲の数値に
限定した低分子量のゾルを用いることにより、該インキ
により形成された酸化ケイ素を含む酸化物被膜は、優れ
た硬度、耐摩耗性および耐久性を有することを見出し
た。
【0005】すなわち、本発明の酸化物膜形成用インキ
は、被膜形成成分と非被膜形成成分よりなり、該被膜形
成成分はアルコキシシランの加水分解および重縮合によ
り形成された酸化ケイ素ゾルを含み、そのゾルのGPC
(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)測定によ
る重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)が第1ピ
ークMw(1)が1000以下、第2ピークMw(2)
が300以下であることを特徴とする。
は、被膜形成成分と非被膜形成成分よりなり、該被膜形
成成分はアルコキシシランの加水分解および重縮合によ
り形成された酸化ケイ素ゾルを含み、そのゾルのGPC
(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)測定によ
る重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)が第1ピ
ークMw(1)が1000以下、第2ピークMw(2)
が300以下であることを特徴とする。
【0006】また、酸化ケイ素の含有量は、酸化物換算
で被膜形成成分の10〜100モル%であることが好ま
しく、さらにインキの非被膜形成成分として、増粘成分
としてのセルロース系高分子が添加されてなることが好
ましい。さらに、インキ中の固形分は1〜10重量%で
あることが好適である。
で被膜形成成分の10〜100モル%であることが好ま
しく、さらにインキの非被膜形成成分として、増粘成分
としてのセルロース系高分子が添加されてなることが好
ましい。さらに、インキ中の固形分は1〜10重量%で
あることが好適である。
【0007】また、本発明の酸化物膜の形成方法は、基
材表面に、インキが被膜形成成分と非被膜形成成分より
なり、該被膜形成成分はアルコキシシランの加水分解お
よび重縮合により形成された酸化ケイ素ゾルを含み、そ
のゾルのGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフ
ィー)測定による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン
換算)が第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピ
ークMw(2)が300以下である酸化物膜形成用イン
キを塗布した後、400℃以上の焼成温度で焼成するこ
とにより、該基材表面にシリカを含む金属酸化物被膜を
形成してなることを特徴とする。該酸化物膜中の酸化ケ
イ素の含有量は10〜100モル%であることが好まし
い。
材表面に、インキが被膜形成成分と非被膜形成成分より
なり、該被膜形成成分はアルコキシシランの加水分解お
よび重縮合により形成された酸化ケイ素ゾルを含み、そ
のゾルのGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフ
ィー)測定による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン
換算)が第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピ
ークMw(2)が300以下である酸化物膜形成用イン
キを塗布した後、400℃以上の焼成温度で焼成するこ
とにより、該基材表面にシリカを含む金属酸化物被膜を
形成してなることを特徴とする。該酸化物膜中の酸化ケ
イ素の含有量は10〜100モル%であることが好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、アルコキシシランの加
水分解および重縮合により形成された酸化ケイ素ゾルを
含むインキ中の被膜形成成分と、増粘剤および溶媒等の
非被膜形成成分とを混合調整したインキを、基材表面に
塗布成膜したのち、乾燥・焼成させることにより酸化ケ
イ素を含む酸化物膜を固化形成することができる。
水分解および重縮合により形成された酸化ケイ素ゾルを
含むインキ中の被膜形成成分と、増粘剤および溶媒等の
非被膜形成成分とを混合調整したインキを、基材表面に
塗布成膜したのち、乾燥・焼成させることにより酸化ケ
イ素を含む酸化物膜を固化形成することができる。
【0009】前記アルコキシシランの加水分解および重
縮合により形成された酸化ケイ素ゾルの重量平均分子量
(Mw:ポリスチレン換算)は、後述するゲルパーミネ
ーションクロマトグラフィー測定(以下、「GPC」と
略す)による第1ピークMw(1)が1000以下、第
2ピークMw(2)が300以下とする。
縮合により形成された酸化ケイ素ゾルの重量平均分子量
(Mw:ポリスチレン換算)は、後述するゲルパーミネ
ーションクロマトグラフィー測定(以下、「GPC」と
略す)による第1ピークMw(1)が1000以下、第
2ピークMw(2)が300以下とする。
【0010】酸化ケイ素ゾルの重量平均分子量が、GP
C測定による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換
算)で第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピー
クMw(2)が300以下であるような低分子量のシリ
カゾルの場合には、ニトロセルロースが抜けた後も重合
反応が進み緻密化されるので、硬くて、ヘイズの小さい
膜が得られる。なお、第1ピークMw(1)が900以
下、第2ピークMw(2)が250以下が特に好まし
い。
C測定による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換
算)で第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピー
クMw(2)が300以下であるような低分子量のシリ
カゾルの場合には、ニトロセルロースが抜けた後も重合
反応が進み緻密化されるので、硬くて、ヘイズの小さい
膜が得られる。なお、第1ピークMw(1)が900以
下、第2ピークMw(2)が250以下が特に好まし
い。
【0011】一方、第1ピークMw(1)が1000以
上、第2ピークMw(2)が300以上と分子量が大き
過ぎると、増粘剤として用いたセルロースが分解してで
きる空隙を充分に埋めることが出来ずに、膜はポーラス
となり、充分な硬さが得られず且つヘイズの大きな膜と
なるので、好ましくない。
上、第2ピークMw(2)が300以上と分子量が大き
過ぎると、増粘剤として用いたセルロースが分解してで
きる空隙を充分に埋めることが出来ずに、膜はポーラス
となり、充分な硬さが得られず且つヘイズの大きな膜と
なるので、好ましくない。
【0012】なお、アルコキシシランとしては、例えば
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなど
を用いることができる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなど
を用いることができる。
【0013】アルコキシシランの加水分解および重縮合
により形成された酸化ケイ素ゾルは、場合によっては上
記重量平均分子量を満足するものであれば市販品でも差
し支えなく、例えば市販品のゾルとしては、MTS−2
(東芝シリコーン製)、MS51、MSH1、MSH2
(三菱化学製)などを用いることができる。
により形成された酸化ケイ素ゾルは、場合によっては上
記重量平均分子量を満足するものであれば市販品でも差
し支えなく、例えば市販品のゾルとしては、MTS−2
(東芝シリコーン製)、MS51、MSH1、MSH2
(三菱化学製)などを用いることができる。
【0014】また、酸化ケイ素ゾルの含有量は、インキ
中の被膜形成成分に対して酸化物換算で10〜100モ
ル%であることが好ましく、10モル%未満では硬度、
耐摩耗性による特性向上が望めないからである。なお、
30 〜100モル%であればより好ましい。
中の被膜形成成分に対して酸化物換算で10〜100モ
ル%であることが好ましく、10モル%未満では硬度、
耐摩耗性による特性向上が望めないからである。なお、
30 〜100モル%であればより好ましい。
【0015】酸化ケイ素以外の金属酸化物としては、被
膜形成成分としての酸化チタン、酸化アルミ、酸化ジル
コニウム、酸化スズなどが可能であり、それらを形成す
るための原料としては、それらの金属アルコキシド、金
属アセチルアセトナート、金属有機酸塩、或いは金属化
合物の加水分解および重縮合により形成された金属酸化
物のゾルとの混合物も用いることが出来、その形状とし
ては微粒子状、ゾル状等特に限定するものではない。
膜形成成分としての酸化チタン、酸化アルミ、酸化ジル
コニウム、酸化スズなどが可能であり、それらを形成す
るための原料としては、それらの金属アルコキシド、金
属アセチルアセトナート、金属有機酸塩、或いは金属化
合物の加水分解および重縮合により形成された金属酸化
物のゾルとの混合物も用いることが出来、その形状とし
ては微粒子状、ゾル状等特に限定するものではない。
【0016】さらにまた、インキ中の固形分(固形分と
は、インキ全体量に対する金属酸化物としての合計量)
の含有率は、酸化物換算で1〜10重量%であることが
好ましく、1重量%未満では、例えば一回の成膜などで
得られる膜厚が薄くなり過ぎて、成膜むらが目立ち易く
なり、得られた薄膜の外観が好ましくなくなり、10重
量%を超えると、一回の成膜などで得られる膜厚が厚く
なり易く、特に500nm以上になるとクラックが発生
し易いし、しかもこのため、耐トラバース性やテーバー
摩耗性、強度などの薄膜強度も低下するためであり、1
〜10重量%にすることで、スクリーン印刷、グラビア
印刷、凹版印刷、バーコート法などの直後の膜厚が比較
的厚くなる成膜法においても、最終熱処理後にもクラッ
クのない均質な被膜が得られる。なお、1〜6重量%で
あればより好ましい。
は、インキ全体量に対する金属酸化物としての合計量)
の含有率は、酸化物換算で1〜10重量%であることが
好ましく、1重量%未満では、例えば一回の成膜などで
得られる膜厚が薄くなり過ぎて、成膜むらが目立ち易く
なり、得られた薄膜の外観が好ましくなくなり、10重
量%を超えると、一回の成膜などで得られる膜厚が厚く
なり易く、特に500nm以上になるとクラックが発生
し易いし、しかもこのため、耐トラバース性やテーバー
摩耗性、強度などの薄膜強度も低下するためであり、1
〜10重量%にすることで、スクリーン印刷、グラビア
印刷、凹版印刷、バーコート法などの直後の膜厚が比較
的厚くなる成膜法においても、最終熱処理後にもクラッ
クのない均質な被膜が得られる。なお、1〜6重量%で
あればより好ましい。
【0017】インキに加える非被膜形成成分としては、
増粘成分としてニトロセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系
高分子を用いることが出来、その内で特にニトロセルロ
ースが好ましい。
増粘成分としてニトロセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系
高分子を用いることが出来、その内で特にニトロセルロ
ースが好ましい。
【0018】ニトロセルロースは、増粘効果はもちろ
ん、エチルセルロースなどに比べて燃焼性が良く、焼成
後の膜の外観や膜強度を低下させる炭素成分の残留が少
ない。また、そのグレードとしてはJIS K 670
3に指定の品種および粘度記号がH7以上(H7、H2
0、H60、H80、H120)が好ましく、より良好
な増粘効果と、成膜性が得られる。
ん、エチルセルロースなどに比べて燃焼性が良く、焼成
後の膜の外観や膜強度を低下させる炭素成分の残留が少
ない。また、そのグレードとしてはJIS K 670
3に指定の品種および粘度記号がH7以上(H7、H2
0、H60、H80、H120)が好ましく、より良好
な増粘効果と、成膜性が得られる。
【0019】なお、増粘成分の添加量は1〜25重量%
が好ましく、インキの粘度をスクリーン印刷、グラビア
印刷、凹版印刷などの印刷法に適した10〜100ポイ
ズに、バーコート法に適した1〜100ポイズにするこ
とができる。印刷法では、10ポイズ未満ではインキの
粘度が低過ぎて、スクリーン版上でインキが広がり易
く、版上でのインキの乾燥を抑制し難く、良好なパター
ニングが得られなくなる。また、バーコート法では、1
ポイズ未満ではインキの粘度が低過ぎて、成膜性が悪く
なり、膜厚の均質性が低下する。一方、100ポイズを
超えると印刷法、バーコート法共に、成膜性が著しく悪
くなるばかりでなく、最終的に焼成が完了した薄膜中に
ニトロセルロースの燃え残りのカーボンが残留して膜が
黄褐色に着色したり、膜面の均質性が損なわれたり、さ
らに膜の機械的、化学的耐久性が低下したりし易くなる
からである。
が好ましく、インキの粘度をスクリーン印刷、グラビア
印刷、凹版印刷などの印刷法に適した10〜100ポイ
ズに、バーコート法に適した1〜100ポイズにするこ
とができる。印刷法では、10ポイズ未満ではインキの
粘度が低過ぎて、スクリーン版上でインキが広がり易
く、版上でのインキの乾燥を抑制し難く、良好なパター
ニングが得られなくなる。また、バーコート法では、1
ポイズ未満ではインキの粘度が低過ぎて、成膜性が悪く
なり、膜厚の均質性が低下する。一方、100ポイズを
超えると印刷法、バーコート法共に、成膜性が著しく悪
くなるばかりでなく、最終的に焼成が完了した薄膜中に
ニトロセルロースの燃え残りのカーボンが残留して膜が
黄褐色に着色したり、膜面の均質性が損なわれたり、さ
らに膜の機械的、化学的耐久性が低下したりし易くなる
からである。
【0020】このようなニトロセルロース等の増粘剤の
種類、添加量、粘度を調整することによって成膜性、得
られる薄膜の均質性を損なうことなくしかも得られる薄
膜の屈折率や耐久性の低下を防止することができる。な
お、印刷法としてはスクリーン印刷、グラビア印刷、凹
版印刷等特に限定するものではないが、パターニングの
し易さから、スクリーン印刷に好適である。
種類、添加量、粘度を調整することによって成膜性、得
られる薄膜の均質性を損なうことなくしかも得られる薄
膜の屈折率や耐久性の低下を防止することができる。な
お、印刷法としてはスクリーン印刷、グラビア印刷、凹
版印刷等特に限定するものではないが、パターニングの
し易さから、スクリーン印刷に好適である。
【0021】インキに添加する単独でセルロース系高分
子を溶かす溶剤としては、例えばニトロセルロースの場
合には、アセトン、酢酸メチル、メチルエチルケトン、
イソプロピルアセテート、ジエチルケトン、第2酢酸ブ
チル、メチルイソブチルケトン、イソブチルアセテー
ト、メチルセロソルブ、酢酸ブチル、第2酢酸アミル、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、乳酸
メチル、酢酸アミル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、
エチルセロソルブアセテート、ジアセトンアルコール、
ブチルセロソルブ、乳酸ブチル、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、3−メトキシブタノール、3−メ
トキシブチルアセテートなどの溶剤を用いることができ
る。特に、カルビトール類は蒸発しにくいことから、イ
ンキの溶剤として用いた場合、濃度変化が少なく安定し
たインキが得られる。またSi源やその他の金属酸化物
源から供給される、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、エチレングリコール、ヘキシレング
リコールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族溶媒、水などの溶媒を濃度調整など
の目的で上記溶剤に加えて用いることができる。
子を溶かす溶剤としては、例えばニトロセルロースの場
合には、アセトン、酢酸メチル、メチルエチルケトン、
イソプロピルアセテート、ジエチルケトン、第2酢酸ブ
チル、メチルイソブチルケトン、イソブチルアセテー
ト、メチルセロソルブ、酢酸ブチル、第2酢酸アミル、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、乳酸
メチル、酢酸アミル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、
エチルセロソルブアセテート、ジアセトンアルコール、
ブチルセロソルブ、乳酸ブチル、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、3−メトキシブタノール、3−メ
トキシブチルアセテートなどの溶剤を用いることができ
る。特に、カルビトール類は蒸発しにくいことから、イ
ンキの溶剤として用いた場合、濃度変化が少なく安定し
たインキが得られる。またSi源やその他の金属酸化物
源から供給される、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、エチレングリコール、ヘキシレング
リコールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族溶媒、水などの溶媒を濃度調整など
の目的で上記溶剤に加えて用いることができる。
【0022】さらにまた、溶媒としてエチルカルビトー
ルもしくはブチルカルビトールあるいはこれらの混合物
を用いると、例えば印刷などの前のインキの急激な乾燥
を抑制でき、かつ印刷などの後被膜が比較的低温(約2
00℃程度)で乾燥でき、したがってこれらによって、
ポットライフが長くしかも印刷などの後には比較的低温
で薄膜が乾燥するため、最終温度の加熱処理によって均
一な膜面をもつ被膜が得られる。
ルもしくはブチルカルビトールあるいはこれらの混合物
を用いると、例えば印刷などの前のインキの急激な乾燥
を抑制でき、かつ印刷などの後被膜が比較的低温(約2
00℃程度)で乾燥でき、したがってこれらによって、
ポットライフが長くしかも印刷などの後には比較的低温
で薄膜が乾燥するため、最終温度の加熱処理によって均
一な膜面をもつ被膜が得られる。
【0023】該インキを用いた膜は、用途に応じた膜強
度と耐久性を得るために熱処理する必要があり、特にケ
イ素の原料であるアルコキシシランの有機分が燃焼する
約400℃以上で熱処理することが望ましい。
度と耐久性を得るために熱処理する必要があり、特にケ
イ素の原料であるアルコキシシランの有機分が燃焼する
約400℃以上で熱処理することが望ましい。
【0024】なお、本発明の酸化物膜形成用インキは、
建築用、車両用、産業用或いは鏡等に被覆するシリカを
含む各種機能性被膜を成膜するインキとして用いること
が出来、特にナトリウム等のアルカリ金属を含有する板
ガラス等のアルカリバリアー被膜としての高含有のシリ
カ膜を形成する場合に好適であるが、これらに限定する
ものではない。
建築用、車両用、産業用或いは鏡等に被覆するシリカを
含む各種機能性被膜を成膜するインキとして用いること
が出来、特にナトリウム等のアルカリ金属を含有する板
ガラス等のアルカリバリアー被膜としての高含有のシリ
カ膜を形成する場合に好適であるが、これらに限定する
ものではない。
【0025】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。なお、本
発明はこれらの実施例に限定される物ではない。
発明はこれらの実施例に限定される物ではない。
【0026】なお、評価は以下の方法により行った。
【0027】(1).重合度測定;ゲルパーミネーショ
ンクロマトグラフィー法(GPC)により求めた。GP
Cの測定には、東ソー製高速GPC装置HLC-802
0を用いた。カラムは東ソー製TSKgel G400
0H-HR、G3000H-HR、G2000H-HRお
よびG2000H-HRの4つのカラム(各30cm)
を直列に繋いだものを用い、検出器は示差屈折計を用い
た。また、カラムおよび検出器の温度を40.0および
38.0℃に保持した。溶出液はテトラヒドロフラン
(THF)で流量を1l/minとした。試料の注入は、
孔径0.5μmのフィルターでろ過した後、注入量をサ
ンプルループで正確に50μlとして行った。
ンクロマトグラフィー法(GPC)により求めた。GP
Cの測定には、東ソー製高速GPC装置HLC-802
0を用いた。カラムは東ソー製TSKgel G400
0H-HR、G3000H-HR、G2000H-HRお
よびG2000H-HRの4つのカラム(各30cm)
を直列に繋いだものを用い、検出器は示差屈折計を用い
た。また、カラムおよび検出器の温度を40.0および
38.0℃に保持した。溶出液はテトラヒドロフラン
(THF)で流量を1l/minとした。試料の注入は、
孔径0.5μmのフィルターでろ過した後、注入量をサ
ンプルループで正確に50μlとして行った。
【0028】得られたGPCチャートにおける各ピーク
から、酸化ケイ素ゾル液には主に2つのピークがあるこ
とを確認し、それぞれの第1ピークをMw(1)、第2
ピークをMw(2)とした。また、重量平均分子量はポ
リスチレン換算としての値を求めた。
から、酸化ケイ素ゾル液には主に2つのピークがあるこ
とを確認し、それぞれの第1ピークをMw(1)、第2
ピークをMw(2)とした。また、重量平均分子量はポ
リスチレン換算としての値を求めた。
【0029】(2).耐トラバース試験;摩耗布にJI
S L 0803に準じたブロード布、圧着面積を6.
25cm2として、0.1kg/cm2の荷重を加え、摺
動速度30往復/分、摺動長10cmで1,000回摺
動し、膜の剥離の有無と著しい膜の傷付きの有無で膜の
密着性を評価し、膜の剥離のないものおよび膜に著しい
傷のないものを合格とした。
S L 0803に準じたブロード布、圧着面積を6.
25cm2として、0.1kg/cm2の荷重を加え、摺
動速度30往復/分、摺動長10cmで1,000回摺
動し、膜の剥離の有無と著しい膜の傷付きの有無で膜の
密着性を評価し、膜の剥離のないものおよび膜に著しい
傷のないものを合格とした。
【0030】(3).硬度試験;シリカ膜付きガラスを
JIS K 5400に準じて、鉛筆心の硬さによる傷
の有無を評価した。なお、傷の付かない一番硬い鉛筆心
を鉛筆硬度とし、6H以上を合格とした。
JIS K 5400に準じて、鉛筆心の硬さによる傷
の有無を評価した。なお、傷の付かない一番硬い鉛筆心
を鉛筆硬度とし、6H以上を合格とした。
【0031】(4).ヘーズ値;ヘーズメータを用い
て、曇価の測定を行った。なお、ヘーズ値0.5%以内
を合格とした。
て、曇価の測定を行った。なお、ヘーズ値0.5%以内
を合格とした。
【0032】
【実施例1】メチルトリメトキシシラン(CH3Si
(OCH3)3)を出発原料とし、これに溶媒のイソプロ
ピルアルコール、加水分解用の水、酸触媒として酢酸を
反応させてシリカゾルを合成した。なお、得られたシリ
カゾルの第1ピーク、第2ピークのそれぞれの平均分子
量は、880および210であった。
(OCH3)3)を出発原料とし、これに溶媒のイソプロ
ピルアルコール、加水分解用の水、酸触媒として酢酸を
反応させてシリカゾルを合成した。なお、得られたシリ
カゾルの第1ピーク、第2ピークのそれぞれの平均分子
量は、880および210であった。
【0033】このシリカゾル溶液に増粘剤としてニトロ
セルロースH7(ダイセル製)をインキ全体の約16重
量%添加し、該シリカ膜形成用インキの固形分濃度が酸
化物換算で2重量%となるよう、エチルカルビトールを
溶媒として添加し、良く混合攪拌しシリカ膜形成用イン
キとした。被膜形成成分中の酸化ケイ素含有量は100
%である。なお、インキの粘度を測ったところ20ポイ
ズであった。なお、基材は、ソーダライムガラス板(2
mm厚、クリアー)を用いた。
セルロースH7(ダイセル製)をインキ全体の約16重
量%添加し、該シリカ膜形成用インキの固形分濃度が酸
化物換算で2重量%となるよう、エチルカルビトールを
溶媒として添加し、良く混合攪拌しシリカ膜形成用イン
キとした。被膜形成成分中の酸化ケイ素含有量は100
%である。なお、インキの粘度を測ったところ20ポイ
ズであった。なお、基材は、ソーダライムガラス板(2
mm厚、クリアー)を用いた。
【0034】次に、所定形状にパターニングした350
メッシュのテトロンスクリーンをガラス板上にのせ、シ
ョアー硬度HS61のスキージーを用いて前記シリカ膜
形成用インキで基材表面にスクリーン印刷しところ、均
質できれいにパターニングされた印刷膜が得られた。そ
の後、600℃で10分間加熱処理を行ったところ、膜
厚が150nmのシリカ膜付きガラスが得られた。な
お、得られた膜を評価した結果、表1に示すように耐ト
ラバース性は傷もなく合格であり、鉛筆硬度は9H、ヘ
ーズ値は0.2%といずれも合格であった。
メッシュのテトロンスクリーンをガラス板上にのせ、シ
ョアー硬度HS61のスキージーを用いて前記シリカ膜
形成用インキで基材表面にスクリーン印刷しところ、均
質できれいにパターニングされた印刷膜が得られた。そ
の後、600℃で10分間加熱処理を行ったところ、膜
厚が150nmのシリカ膜付きガラスが得られた。な
お、得られた膜を評価した結果、表1に示すように耐ト
ラバース性は傷もなく合格であり、鉛筆硬度は9H、ヘ
ーズ値は0.2%といずれも合格であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例2】シリカゾル溶液として、MTS−2(東芝
シリコーン製)を用いた以外は、実施例1と同様とし
た。被膜形成成分中の酸化ケイ素含有量は100%で、
インキ中の固形分濃度は2重量%である。なお、用いた
シリカゾルの第1ピーク、第2ピークのそれぞれの平均
分子量は、830および170であった。また、得られ
た膜を評価した結果、表1に示すように実施例1と同様
に全て合格であった。
シリコーン製)を用いた以外は、実施例1と同様とし
た。被膜形成成分中の酸化ケイ素含有量は100%で、
インキ中の固形分濃度は2重量%である。なお、用いた
シリカゾルの第1ピーク、第2ピークのそれぞれの平均
分子量は、830および170であった。また、得られ
た膜を評価した結果、表1に示すように実施例1と同様
に全て合格であった。
【0037】
【実施例3】シリカゾル溶液として、MSH2(三菱化
学製)を用いた以外は、実施例1と同様とした。被膜形
成成分中の酸化ケイ素含有量は100%で、インキ中の
固形分濃度は2重量%である。なお、用いたシリカゾル
の第1ピーク、第2ピークのそれぞれの平均分子量は、
650および150であった。また、得られた膜を評価
した結果、表1に示すように実施例1と同様に全て合格
であった。
学製)を用いた以外は、実施例1と同様とした。被膜形
成成分中の酸化ケイ素含有量は100%で、インキ中の
固形分濃度は2重量%である。なお、用いたシリカゾル
の第1ピーク、第2ピークのそれぞれの平均分子量は、
650および150であった。また、得られた膜を評価
した結果、表1に示すように実施例1と同様に全て合格
であった。
【0038】
【実施例4】シリカゾル溶液として、MSH2を用い、
これにチタンイソプロポキシドを出発原料としたチタニ
アゾルをSiO2:TiO2=90:10(モル%)とな
るように混合したものをゾル溶液として用い、インキ中
の固形分濃度を2重量%とした以外は、実施例1と同様
とした。なお、用いたシリカゾルの第1ピーク、第2ピ
ークのそれぞれの平均分子量は、実施例3と同様に65
0および150であった。また、得られた膜を評価した
結果、表1に示すように実施例1と同様に全て合格であ
った。
これにチタンイソプロポキシドを出発原料としたチタニ
アゾルをSiO2:TiO2=90:10(モル%)とな
るように混合したものをゾル溶液として用い、インキ中
の固形分濃度を2重量%とした以外は、実施例1と同様
とした。なお、用いたシリカゾルの第1ピーク、第2ピ
ークのそれぞれの平均分子量は、実施例3と同様に65
0および150であった。また、得られた膜を評価した
結果、表1に示すように実施例1と同様に全て合格であ
った。
【0039】
【比較例1】テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)
4)を出発原料とし、これに溶媒のイソプロピルアルコ
ール、加水分解用の水、酸触媒として硝酸を調製し室温
で24時間攪拌したものをシリカゾル溶液として用いた
以外は実施例1と同様とした。被膜形成成分中の酸化ケ
イ素含有量は100%で、インキ中の固形分濃度は2重
量%である。なお、得られたシリカゾルの第1ピーク、
第2ピークのそれぞれの重量平均分子量は、1420お
よび400であった。また、得られた膜を評価した結
果、表1に示すように耐トラバース性については膜が剥
離して不合格であり、鉛筆硬度はHで不合格であり、ヘ
ーズ値は8%と大きく、いずれも不合格であった。
4)を出発原料とし、これに溶媒のイソプロピルアルコ
ール、加水分解用の水、酸触媒として硝酸を調製し室温
で24時間攪拌したものをシリカゾル溶液として用いた
以外は実施例1と同様とした。被膜形成成分中の酸化ケ
イ素含有量は100%で、インキ中の固形分濃度は2重
量%である。なお、得られたシリカゾルの第1ピーク、
第2ピークのそれぞれの重量平均分子量は、1420お
よび400であった。また、得られた膜を評価した結
果、表1に示すように耐トラバース性については膜が剥
離して不合格であり、鉛筆硬度はHで不合格であり、ヘ
ーズ値は8%と大きく、いずれも不合格であった。
【0040】
【比較例2】シリカゾル溶液としてシリカ100%のコ
ルコートP(コルコート社)を用い、インキ中の固形分
濃度は2重量%とした以外は、実施例1と同様とした。
なお、用いたシリカゾルの第1ピーク、第2ピークのそ
れぞれの平均分子量は、1510および450であっ
た。また、得られた膜を評価した結果、表1に示すよう
に耐トラバース性については膜が剥離して不合格であ
り、鉛筆硬度は2Bで不合格であり、ヘーズ値は10%
と大きく、いずれも不合格であった。
ルコートP(コルコート社)を用い、インキ中の固形分
濃度は2重量%とした以外は、実施例1と同様とした。
なお、用いたシリカゾルの第1ピーク、第2ピークのそ
れぞれの平均分子量は、1510および450であっ
た。また、得られた膜を評価した結果、表1に示すよう
に耐トラバース性については膜が剥離して不合格であ
り、鉛筆硬度は2Bで不合格であり、ヘーズ値は10%
と大きく、いずれも不合格であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の酸化物膜形成用インキは、アル
コキシシランの加水分解および重縮合により形成された
酸化ケイ素ゾルを含み、そのゾルのGPC(ゲルパーミ
ネーションクロマトグラフィー)測定による重量平均分
子量(Mw:ポリスチレン換算)が第1ピークMw
(1)が1000以下、第2ピークMw(2)が300
以下である。この酸化ケイ素ゾルを用いることで、スク
リーン印刷などの印刷法やバーコート法で作製した酸化
ケイ素を含む酸化物膜は、その他の成膜方法のディップ
コート法、ロールコート法、スピンコート法などに比べ
て硬度、耐摩耗性、耐久性で遜色がなく、低コストで優
れたものが得られる。
コキシシランの加水分解および重縮合により形成された
酸化ケイ素ゾルを含み、そのゾルのGPC(ゲルパーミ
ネーションクロマトグラフィー)測定による重量平均分
子量(Mw:ポリスチレン換算)が第1ピークMw
(1)が1000以下、第2ピークMw(2)が300
以下である。この酸化ケイ素ゾルを用いることで、スク
リーン印刷などの印刷法やバーコート法で作製した酸化
ケイ素を含む酸化物膜は、その他の成膜方法のディップ
コート法、ロールコート法、スピンコート法などに比べ
て硬度、耐摩耗性、耐久性で遜色がなく、低コストで優
れたものが得られる。
フロントページの続き (72)発明者 山本 秀樹 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 西田 佳弘 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4J038 AA011 BA022 BA082 DL051 HA441 HA446 KA06 NA11 NA12 NA14 PA19 PB02 PB05 PB07 PB08 PC02 PC03 PC04 4J039 AB02 AE11 BE12 BE23 DA03 EA36 FA01 FA04 FA06
Claims (5)
- 【請求項1】被膜形成成分と非被膜形成成分を含み、該
被膜形成成分はアルコキシシランの加水分解および重縮
合により形成された酸化ケイ素ゾルを含み、該ゾルのG
PC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)測定
による重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、
第1ピークMw(1)が1000以下、第2ピークMw
(2)が300以下であることを特徴とする酸化物膜形
成用インキ。 - 【請求項2】酸化ケイ素の含有量は、酸化物換算で被膜
形成成分の10〜100モル%であることを特徴とする
請求項1記載の酸化物膜形成用インキ。 - 【請求項3】インキ中の非被膜形成成分として、増粘成
分としてのセルロース系高分子が添加されてなることを
特徴とする請求項1乃至2記載の酸化物膜形成用イン
キ。 - 【請求項4】インキ中の固形分は1〜10重量%である
ことを特徴とする請求項1乃至3記載の酸化物膜形成用
インキ。 - 【請求項5】基材表面に、請求項1記載のインキを塗布
した後、400℃以上の焼成温度で焼成することによ
り、該基材表面にシリカを含む金属酸化物被膜を形成し
てなることを特徴とする酸化物膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26819199A JP2001089707A (ja) | 1999-09-22 | 1999-09-22 | 酸化物膜形成用インキおよび酸化物膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26819199A JP2001089707A (ja) | 1999-09-22 | 1999-09-22 | 酸化物膜形成用インキおよび酸化物膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089707A true JP2001089707A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17455195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26819199A Pending JP2001089707A (ja) | 1999-09-22 | 1999-09-22 | 酸化物膜形成用インキおよび酸化物膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001089707A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006037058A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 印刷インキ組成物、凸版反転オフセット法、レジストパターンの形成法、電子部品の製造法及び電子部品 |
CN106336127A (zh) * | 2016-08-18 | 2017-01-18 | 东莞市恒和昌玻璃有限公司 | 防眩光显示玻璃及其制作工艺和防眩光显示玻璃喷涂机 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62230873A (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-09 | Yoshio Ichikawa | 耐熱耐候性の印刷用インキの組成物 |
JPH02301944A (ja) * | 1989-05-17 | 1990-12-14 | Asahi Glass Co Ltd | 陰極線管用ガラスバルブの補強方法及びその補強被膜形成用組成物 |
JPH0625578A (ja) * | 1992-07-06 | 1994-02-01 | Central Glass Co Ltd | 薄膜形成用インキ |
JPH07173423A (ja) * | 1993-12-20 | 1995-07-11 | Central Glass Co Ltd | 薄膜形成用のインキ |
JPH1041293A (ja) * | 1996-07-25 | 1998-02-13 | Hitachi Chem Co Ltd | シリカ系被膜形成用塗布液、シリカ系被膜形成用塗布液の製造法、シリカ系被膜及び半導体装置 |
-
1999
- 1999-09-22 JP JP26819199A patent/JP2001089707A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006037058A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 印刷インキ組成物、凸版反転オフセット法、レジストパターンの形成法、電子部品の製造法及び電子部品 |
CN106336127A (zh) * | 2016-08-18 | 2017-01-18 | 东莞市恒和昌玻璃有限公司 | 防眩光显示玻璃及其制作工艺和防眩光显示玻璃喷涂机 |
CN106336127B (zh) * | 2016-08-18 | 2019-01-11 | 广东北玻电子玻璃有限公司 | 防眩光显示玻璃及其制作工艺和防眩光显示玻璃喷涂机 |
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---|---|---|---|
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