JPH06250331A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法

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JPH06250331A
JPH06250331A JP3372493A JP3372493A JPH06250331A JP H06250331 A JPH06250331 A JP H06250331A JP 3372493 A JP3372493 A JP 3372493A JP 3372493 A JP3372493 A JP 3372493A JP H06250331 A JPH06250331 A JP H06250331A
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JP
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silver halide
polyester
sensitive material
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acid
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Application number
JP3372493A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yoneyama
博之 米山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡易迅速処理に適し、処理後の色素画像の堅牢
性に優れ、しかも感材を長期間保存した後に処理して得
られたカラー写真の保存によって発生するステインを抑
制する。 【構成】ポリエステルを主成分とする樹脂中に白色顔料
を混合分散した組成物を基体の少なくとも乳剤塗布側表
面に被覆せしめてなる反射支持体上の写真構成層の少な
くとも一層に、水不溶性重合体を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、詳しくは簡易迅速処理に適し、処理後の色
素画像の堅牢性に優れ、しかもステインの発生の抑制さ
れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
てカラー写真画像を形成させるためには、イエロー、マ
ゼンタおよびシアンの3種の写真用カプラーを感色性の
異なる三種の感光性乳剤層に含有せしめ、露光済みの感
光材料をカラー現像主薬によって発色現像処理する方法
が広く用いられている。このようにして形成された発色
色素は、いずれも副吸収の少ない鮮やかなイエロー、マ
ゼンタ、シアン色素であって色再現性の良好なカラー写
真画像を与えることが要求される。一方、形成されたカ
ラー写真画像は種々の条件下で保存性が良好であること
が要求される。すなわち長時間光にさらされても、高
温、高湿下に保存されても色素画像の変退色およびステ
インの発生を極力抑えることが必要である。
【0003】色素画像の堅牢性を改良する試みは多数な
されている。水不溶性重合体を用いる方法は、例えば国
際公開WO88/00723号等に記載されている。こ
れらの方法によればイエロー、マゼンタ、シアンの色像
の堅牢性を調節することが可能であり、3色のカラーバ
ランスをくずさずに高画質を保つことができる。
【0004】しかしながら、これらの水不溶性重合体を
用いた場合には新たな問題が生じてきた。すなわち、処
理後の感光材料に現像主薬を始めとする処理液成分が残
留しやすくなり、この残留成分がプリントの保存中に膜
中のカプラーと反応して好ましくないステインを発生さ
せるという問題である。しかもこのステインは、処理時
間の短縮や処理液の補充量の低減等の結果、更に起こり
やすくなり、処理の簡易迅速化という点から問題であ
る。
【0005】感光材料中に残留した現像主薬を無効化
し、ステインの発生を抑制する技術については、例えば
特開昭64−86139号には、残留した芳香族第一級
アミン現像主薬と反応して無効化する新規な化合物が開
示されている。
【0006】ところが、本発明者らの研究の結果、これ
らの化合物を用いた感光材料を長期間保存した後には、
ステインの抑制効果が減少してしまうことが明らかにな
った。カラープリントのように大量のプリントを効率よ
く生産することが要求される製品においては、製品の保
存状態や保存期間によらず、簡易迅速に処理ができる必
要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまで述べてきたこ
とから明らかな様に、本発明が解決しようとする課題
は、簡易迅速処理に適し、処理後の色素画像の堅牢性に
優れ、しかも感材を長期間保存した後に処理して得られ
たカラー写真の保存によって発生するステインの抑制さ
れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果以下の(1) 〜(7) の感光材料によって上記目的を達成
するに至ったものである。 (1) 反射支持体上に互いに感色性の異なる、イエローカ
プラー含有ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有
ハロゲン化銀乳剤層およびシアンカプラー含有ハロゲン
化銀乳剤層と非感光層とからなる写真構成層を有するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該反射支持体
がジカルボン酸とジオールから重縮合によって合成され
たポリエステルを50重量%以上含む樹脂に白色顔料を
混合分散した組成物を、基体の少なくとも乳剤塗布側表
面に被覆せしめてなるものであり、且つ前記写真構成層
の少なくとも一層に水不溶性重合体の少なくとも一種を
含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料。 (2) 反射支持体のポリエステルがポリエチレンテレフタ
レートを主成分とするポリエステルであることを特徴と
する前項(1) のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (3) 反射支持体のポリエステルがテレフタル酸とイソフ
タル酸の混合物(モル比率9:1〜2:8)であるジカ
ルボン酸とジオールから縮合重合によって合成されたポ
リエステルであって、該ポリエステルに白色顔料を混合
分散した組成物を原紙の乳剤塗布側表面に被覆せしめて
なり、他面に樹脂または樹脂に粉体等を混合分散した組
成物を被覆せしめた反射支持体であることを特徴とする
前項(1)のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (4) 反射支持体のポリエステルが、テレフタル酸とナフ
タレンジカルボン酸の混合物(モル比率9:1〜2:
8)であるジカルボン酸とジオール成分から縮合重合に
よって得られるポリエステルであって、該ポリエステル
に白色顔料を混合分散した組成物を基体の乳剤塗布側表
面に被覆せしめてなり、他面に樹脂または樹脂に粉体等
を混合分散した組成物を被覆せしめた反射支持体である
ことを特徴とする前項(1) のハロゲン化銀写真感光材
料。 (5) ジオールがエチレングリコールであることを特徴と
する前項(3) または(4) のハロゲン化銀カラー写真感光
材料。 (6) 反射支持体の白色顔料が酸化チタンであり、ポリエ
ステルを主成分とする樹脂との重量比率が10/90
(酸化チタン/樹脂)から40/60であることを特徴
とする前項(1) 〜(5) のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。 (7) 写真構成層の少なくとも一層に、pH8以下の条件
で芳香族第一級アミンカラー現像主薬と化学結合し実質
的に無色の生成物を生ずる親油性化合物の少なくとも一
種及び/又はpH8以下の条件で芳香族第一級アミンカ
ラー現像主薬の酸化体と化学結合し実質的に無色の生成
物を生ずる親油性化合物の少なくとも一種を含有するこ
とを特徴とする前項(1) 〜(6) のハロゲン化銀カラー写
真感光材料。 また、前項(1) 〜(7) のハロゲン化銀カラー写真感光材
料を1画素あたりの露光時間が10-4秒より短い走査露
光方式で露光し、その後発色現像処理することを特徴と
するカラー画像形成方法によっても本発明の効果を有効
に利用することができた。
【0009】以下本発明について更に詳しく説明する。
本発明において、水不溶性重合体とは、25℃において
水100ccに対して溶解度が1g以下のものであり、好
ましくは0.5g以下のものを言う。本発明で使用する
水不溶性の重合体の具体例について以下に詳しく説明す
る。 (A)ビニル重合体 本発明のビニル重合体を形成するモノマーとしては、ア
クリル酸エステル類、具体的にはメチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、sec −ブチルアクリレート、tert
−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、2−
クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレ
ート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチルア
クリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロ
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、フェニルアクリレート、5−ヒドロキシペン
チルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレー
ト、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエ
チルアクリレート、2−iso −プロポキシアクリレー
ト、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−メト
キシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキ
シエトキシ)エチルアクリレート、ω−メトキシポリエ
チレングリコールアクリレート(付加モル数n=9)、
1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1
−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート等が挙げ
られる。その他、下記のモノマー等が使用できる。
【0010】n−プロピルメタクリレート、イソプロピ
ルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブ
チルメタクリレート、sec −ブチルメタクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリ
レート、スルホプロピルメタクリレート、N−エチル−
N−フェニルアミノエチルメタクリレート、2−(3−
フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、ジメ
チルアミノフェノキシエチルメタクリレート、フルフリ
ルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレー
ト、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、
トリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピ
レングリコールモノメタクリレート、2−メトキシエチ
ルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレー
ト、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−アセト
アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチル
メタクリレート、2−iso −プロポキシエチルメタクリ
レート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2
−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2
−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2
−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、ω−メト
キシポリエチレングリコールメタクリレート(付加モル
数n=6)、アリルメタクリレート、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチルメチルクロライド塩などを挙げること
ができる。
【0011】ビニルエステル類;その具体例としては、
ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチ
レート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、
ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテトー、
ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル
酸ビニルなど; アクリルアミド類;例えば、アクリルアミド、メチルア
クリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリ
ルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリ
ルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルア
クリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メト
キシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアク
リルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリ
ルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチル
アクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなど;
【0012】メタクリルアミド類;例えば、メタクリル
アミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルア
ミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルア
ミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシル
メタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロ
キシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、フ
ェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、
ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリ
ルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタク
リルアミドなど; オレフィン類;例えば、ジシクロペンタジエン、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタ
ジエン、2,3−ジメチルブタジエン等;スチレン類:
例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピ
ルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレ
ン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルス
チレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステ
ルなど;
【0013】ビニルエーテル類;例えば、メチルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエー
テル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノ
エチルビニルエーテルなど;その他として、クロトン酸
ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イ
タコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケト
ン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリド
ン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、ビニリ
デンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン
などを挙げることができる。
【0014】本発明の重合体に使用されるモノマー(例
えば、上記のモノマー)は、種々の目的(例えば、溶解
性改良)に応じて、2種以上のモノマーを互いにコモノ
マーとして使用される。また、溶解性調節のために、共
重合体が水溶性にならない範囲において、コモノマーと
して下記に例を挙げたような酸基を有するモノマーも用
いられる。 アクリル酸:メタクリル酸:イタコン酸:マレイン酸:
イタコン酸モノアルキル、例えば、イタコン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルな
ど;マレイン酸モノアルキル、例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル
など;シトラコン酸:スチレンスルホン酸:ビニルベン
ジルスルホン酸:ビニルスルホン酸:アクリロイルオキ
シアルキルスルホン酸、例えば、アクリロイルオキシメ
チルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン
酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸など;メタ
クリロイルオキシアルキルスルホン酸、例えば、メタク
リロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキ
シエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルス
ルホン酸など;アクリルアミドアルキルスルホン酸、例
えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸
など;メタクリルアミドアルキルスルホン酸、例えば、
2−メタクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン
酸など;
【0015】これらの酸はアルカリ金属(例えば、N
a、Kなど)又はアンモニウムイオンの塩であってもよ
い。ここまでに挙げたビニルモノマー及び本発明に用い
られるその他のビニルモノマーの中の親水性のモノマー
(ここでは、単独重合体にした場合に水溶性になるもの
をいう。)をコモノマーとして共重合体が水溶性になら
ない限りにおいて用いてもよい。共重合体中の親水性モ
ノマーの割合に特に制限はないが、通常、好ましくは4
0モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに
好ましくは10モル%以下である。本発明の重合体は、
その繰返し単位中に好ましくは、−CO−結合又はフェ
ニル基を持ち、より好ましくはアクリルアミド系、メタ
クリレート系、アクリレート系及びスチレン系ポリマー
である。また通常、2種以上のモノマーを共重合する場
合には、メタクリレート系、アクリレート系及びスチレ
ン系モノマーと先に列挙したような他のモノマーとの共
重合体である。また2種以上の重合体を併用してもよ
い。
【0016】(B)多価アルコールと多塩基酸とが縮合
して得られるポリエステル樹脂 多価アルコールとしては、HO−R1 −OH(R1 は炭
素数2〜約12の炭化水素鎖、特に脂肪族炭化水素鎖)
なる構造を有するグリコール類、または、ポリアルキレ
ングリコールが有効であり、多塩基酸としては、HOO
C−R2 −COOH(R2 は単なる結合を表わすか、ま
たは、炭素数1〜約12の炭化水素鎖)を有するものが
有効である。多価アルコールの具体例としては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,4
−ブタンジオール、イソブチレンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10
−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、
1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジ
オール、1,4−ジオール、グリセリン、ジグリセリ
ン、トリグリセリン、1−メチルグリセリン、エリトリ
ット、マンニット、ソルビット等が挙げられる。多塩基
酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボ
ン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラク
ロルフタル酸、メタコン酸、イソヒメリン酸、シクロペ
ンタジエン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレ
イン酸付加物等が挙げられる。 (C)その他 例えば次のような開環重合で得られるポリエステル
【0017】
【化1】
【0018】式中、mは4〜7の整数を表わす。−CH
2 −鎖は分岐しているものであってもよい。
【0019】このポリエステルを作るのに使用しうる適
当なモノマーとしては、β−プロピオラクトン、ε−カ
プロラクトン、ジメチルプロピオラクトン等がある。本
発明で最も好ましく用いられる重合体は、分子中の側鎖
に−CO−結合またはフェニル基を持つ繰返し単位を含
む水不溶性かつ有機溶媒可溶性の重合体である。本発明
に用いられる重合体の具体例の一部を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】以下の比率はモル比を表わす。 具体例 ポリマー種 P-1) ポリビニルアセテート P-2) ポリビニルプロピオネート P-3) ポリメチルメタクリレート P-4) ポリエチルメタクリレート P-5) ポリn−ブチルメタクリレート P-6) ポリイソブチルメタクリレート P-7) ポリイソプロピルメタクリレート P-8) ポリメチルクロロアクリレート P-9) ポリ(2−tert−ブチルフェニルアクリレー
ト) P-10) ポリ(4−tert−ブチルフェニルアクリレー
ト) P-11) n−ブチルメタクリレート−N−ビニル−2
−ピロリドン共重合体(90:10) P-12) メチルメタクリレート−塩化ビニル共重合体
(70:30) P-13) メチルメタクリレート−スチレン共重合体
(50:50) P-14) メチルメタクリレート−エチルアクリレート
共重合体 (50:50) P-15) n−ブチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート−スチレン共重合体 (50:30:20) P-16) 酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体 (8
5:15) P-17) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (65:3
5) P-18) メチルメタクリレート−アクリルニトリル共
重合体 (65:35) P-19) ジアセトンアクリルアミド−メチルメタクリ
レート共重合体(50:50) P-20) エチルメタクリレート−n−ブチルアクリレ
ート共重合体 (70:30)
【0021】P-21) メチルメタクリレート−シクロ
ヘキシルメタクリレート共重合体(50:50) P-22) N−tert−ブチルメタクリルアミド−メチル
メタクリレート−アクリル酸共重合体 (60:30:10) P-23) メチルメタクリレート−スチレン−ビニルス
ルホンアミド共重合体(70:20:10) P-24) メチルメタクリレート−フェニルビニルケト
ン共重合体 (70:30) P-25) n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレ
ート−n−ブチルメタクリレート共重合体 (35:35:
30) P-26) n−ブチルメタクリレート−ペンチルメタク
リレート−N−ビニル−2−ピロリドン共重合体 (3
8:38:24) P-27) メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリ
レート−イソブチルメタクリレート−アクリル酸共重合
体 (37:29:25:9 ) P-28) n−ブチルメタクリレート−アクリル酸 (9
5:5 ) P-29) メチルメタクリレート−アクリル酸共重合体
(95:5 ) P-30) ベンジルメタクリレート−アクリル酸共重合
体 (90:10)
【0022】P-31) n−ブチルメタクリレート−メ
チルメタクリレート−ベンジルメタクリレート−アクリ
ル酸共重合体 (35:35:25:5 ) P-32) n−ブチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート−ベンジルメタクリレート共重合体 (35:35:
30) P-33) シクロヘキシルメタクリレート−メチルメタ
クリレート−n−プロピルメタクリレート共重合体
(37:29:34) P-34) ポリペンチルメタクリレート P-35) メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリ
レート共重合体(65:35) P-36) ビニルアセテート−ビニルプロピオネート共
重合体 (75:25) P-37) n−ブチルメタクリレート−3−アクリルオ
キシブタン−1−スルホン酸ナトリウム重合体 (97:
3 ) P-38) n−ブチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート−アクリルアミド共重合体 (35:35:30) P-39) n−ブチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート−塩化ビニル共重合体 (37:36:27) P-40) n−ブチルメタクリレート−スチレン共重合
体 (90:10)
【0023】P-41) メチルメタクリレート−N−ビ
ニル−2−ピロリドン共重合体(90:10) P-42) n−ブチルメタクリレート−塩化ビニル共重
合体 (90:10) P-43) n−ブチルメタクリレート−スチレン共重合
体 (70:30) P-44) ポリ(N−sec −ブチルアクリルアミド) P-45) ポリ(N−tert−ブチルアクリルアミド) P-46) ジアセトンアクリルアミド−メチルメタクリ
レート共重合体(62:38) P-47) ポリシクロヘキシルメタクリレート−メチル
メタクリレート共重合体(60:40) P-48) N−tert−ブチルアクリルアミド−メチルメ
タクリレート共重合体(40:60) P-49) ポリ(N−n−ブチルアクリルアミド) P-50) ポリ(tert−ブチルメタクリレート)−N−t
ert−ブチルアクリルアミド共重合体 (50:50)
【0024】P-51) tert−ブチルメタクリレート−
メチルメタクリレート共重合体(70:30) P-52) ポリ(N−tert−ブチルメタクリルアミド) P-53) N−tert−ブチルアクリルアミド−メチルメ
タクリレート共重合体(60:40) P-54) メチルメタクリレート−アクリルニトリル共
重合体 (70:30) P-55) メチルメタクリレート−ビニルメチルケトン
共重合体 (38:62) P-56) メチルメタクリレート−スチレン共重合体
(75:25) P-57) メチルメタクリレート−ヘキシルメタクリレ
ート共重合体 (70:30) P-58) ポリ(ベンジルアクリレート) P-59) ポリ(4−ビフェニルアクリレート) P-60) ポリ(4−ブトキシカルボニルフェニルアク
リレート)
【0025】P-61) ポリ(tert−ブチルアクリレー
ト) P-62) ポリ[3−クロロ−2,2−ビス(クロロメ
チル)プロピルアクリレート] P-63) ポリ(2−クロロフェニルアクリレート) P-64) ポリ(4−クロロフェニルアクリレート) P-65) ポリ(ペンタクロロフェニルアクリレート) P-66) ポリ(4−シアノベンジルアクリレート) P-67) ポリ(4−シアノエチルアクリレート) P-68) ポリ(4−シアノフェニルアクリレート) P-69) ポリ(シクロヘキシルアクリレート) P-70) ポリ(2−エトキシカルボニルフェニルアク
リレート) P-71) ポリ(3−エトキシカルボニルフェニルアク
リレート) P-72) ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルアク
リレート) P-73) ポリ(ヘキサデシルアクリレート) P-74) ポリ(2−メトキシカルボニルフェニルアク
リレート)
【0026】P-75) ポリ(3−メトキシカルボニル
フェニルアクリレート) P-76) ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルアク
リレート) P-77) ポリ(4−メトキシフェニルアクリレート) P-78) ポリ(3,5−ジメチルアダマンチルアクリ
レート) P-79) ポリ(3−ジメチルアミノフェニルアクリレ
ート) P-80) ポリビニル−tert−ブチレート P-81) ポリ(2−ナフチルアクリレート) P-82) ポリ(フェニルアクリレート) P-83) ポリ(m−トリルアクリレート) P-84) ポリ(o−トリルアクリレート) P-85) ポリ(p−トリルアクリレート) P-86) ポリ(N,N−ジブチルアクリルアミド) P-87) ポリ(イソヘキシルアクリルアミド) P-88) ポリ(イソオクチルアクリルアミド) P-89) ポリ(N−メチル−N−フェニルアクリルア
ミド) P-90) ポリ(アダマンチルメタクリレート)
【0027】P-91) ポリ(ベンジルメタクリレー
ト) P-92) ポリ(2−ブロモエチルメタクリレート) P-93) ポリ(2−N−tert−ブチルアミノエチルメ
タクリレート) P-94) ポリ(sec −ブチルメタクリレート) P-95) ポリ(tert−ブチルメタクリレート) P-96) ポリ(2−クロロエチルメタクリレート) P-97) ポリ(2−シアノエチルメタクリレート) P-98) ポリ(2−シアノメチルフェニルメタクリレ
ート) P-99) ポリ(4−シアノフェニルメタクリレート) P-100) ポリ(シクロヘキシルメタクリレート) P-101) ポリ(2−エチルスルフィニルエチルメタク
リレート) P-102) ポリ(ヘキサデシルメタクリレート) P-103) ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト) P-104) ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルメタ
クリレート) P-105) ポリ(3,5−ジメチルアダマンチルメタク
リレート) P-106) ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト) P-107) ポリ(3,3−ジメチルブチルメタクリレー
ト) P-108) ポリ(3,3−ジメチル−2−ブチルメタク
リレート) P-109) ポリ(3,5,5−トリメチルヘキシルメタ
クリレート) P-110) ポリ(テトラデシルメタクリレート)
【0028】P-111) ポリ(4−ブトキシカルボニル
フェニルメタクリルアミド) P-112) ポリ(4−カルボキシフェニルメタクリルア
ミド) P-113) ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルメタ
クリルアミド) P-114) ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルメタ
クリルアミド) P-115) ポリ(ブチルブトキシカルボニルメタクリレ
ート) P-116) ポリ(ブチルクロロアクリレート) P-117) ポリ(ブチルシアノアクリレート) P-118) ポリ(シクロヘキシルクロロアクリレート) P-119) ポリ(エチルクロロアクリレート) P-120) ポリ(エチルエトキシカルボニルメタクリレ
ート) P-121) ポリ(エチルエタクリレート) P-122) ポリ(エチルフルオロメタクリレート) P-123) ポリ(イソブチルクロロアクリレート) P-124) ポリ(イソプロピルクロロアクリレート) P-125) ポリシクロヘキシルアクリルアミド P-126) ポリ(p−tert−ブチルスチレン) P-127) ポリ(α−メチルスチレン) P-128) ポリ(スチレン)
【0029】本発明に用いる水不溶性重合体は有機溶媒
可溶性であることが好ましく、種々の公知分散方法によ
り感光材料に導入できる。なかでも重合体を高沸点有機
溶媒(必要に応じて低沸点有機溶媒を併用)に溶解し、
ゼラチン水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳剤に添加
する水中油滴分散法が好ましい。水中油滴分散法に用い
られる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,027
号などに記載されている。また、ポリマー分散法の1つ
としてのラテックス分散法の工程、効果、含浸用のラテ
ックスの具体例は、米国特許第4,199,363号、
西独特許出願第(OLS)2,541,274号、同
2,541,230号、特公昭53−41091号及び
欧州特許公開第029104号等に記載されており、ま
た有機溶媒可溶性ポリマーによる分散法についてPCT
国際公開番号WO88/00723号に記載されてい
る。
【0030】前述の水中油滴分散法に用いることのでき
る高沸点有機溶媒として、フタール酸エステル類(例え
ば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−
アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエ
チルプロピル)フタレート、リン酸又はホスホンのエス
テル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチル
ホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ
−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホス
フェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェー
ト)、安息香酸エステル類(例えば、2−エチルヘキシ
ルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキ
シベンゾエート)、
【0031】アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデ
カンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アル
コール類またはフェノール類(イソステアリアルコー
ル、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪
族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コ
ハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘ
キシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレー
ト、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレー
ト)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフ
ィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、
トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブ
チル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレ
ン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミル
フェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデ
シルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシル
オキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸
類(例えば、2-( 2,4 −ジ−tert−アミルフェノキシ酪
酸、2-エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類
(例えば、ジ-2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニル
リン酸)などが挙げられる。また補助溶媒として沸点が
30℃以上約160 ℃以下の有機溶剤(例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2-エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミド)を併用してもよい。
【0032】本発明の重合体の分子量は好ましくは10
0以上15万以下、更に好ましくは300以上10万以
下である。本発明において重合体の使用量は、感光性の
親水性コロイド層にカプラーとともに用いる場合におい
ては、カプラーに対して0.5重量%〜400重量%、
好ましくは1重量%〜300重量%、更に好ましくは5
重量%〜150重量%である。また、非感光性の親水性
コロイド層に用いる場合には、紫外線吸収剤や混色防止
剤とともに用いることが好ましく、重合体の使用量は、
非感光性の親水性コロイド層中に存在する重合体以外の
疎水性化合物の総重量に対して、0.5重量%〜400
重量%、好ましくは1重量%〜300重量%、更に好ま
しくは5重量%〜150重量%である。本発明の重合体
は、イエロー、マゼンタ又はシアンカプラーを含む乳剤
層に添加することが好ましく、特に好ましくはイエロー
又はシアンカプラーを含む乳剤層に添加するのが好まし
い。また、支持体に対し最も遠い乳剤層の上層に添加す
るのも好ましい。
【0033】本発明において用いることのできるカプラ
ーは、例えば特開昭62−215272号、特開平2−
33144号、EP355660Aに記載されている。
またシアンカプラーとしては、特開平2−33144号
公報に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラー
の他に、欧州特許EP0333185A2号明細書に記
載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー(なかで
も具体例として列挙されたカプラー(42)の4当量カ
プラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したものや、カ
プラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−
32260号公報に記載された環状活性メチレン系シア
ンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー
例3、8、34が特に好ましい)、欧州特許EP045
6226A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シア
ンカプラー、欧州特許EP0484909号に記載のピ
ロロイミダゾール型シアンカプラー、欧州特許EP04
88248号明細書及びEP0491197A1号明細
書に記載のピロロトリアゾール型シアンカプラーの使用
が好ましい。その中でもピロロトリアゾール型シアンカ
プラーの使用が特に好ましい。
【0034】また、イエローカプラーとしては、前記の
公知文献に記載された化合物の他に、欧州特許EP04
47969A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の
環状構造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラ
ー、欧州特許EP0482552A1号明細書に記載の
環状構造を有するマロンジアニリド型イエローカプラ
ー、米国特許第5,118,599号明細書に記載され
たジオキサン構造を有するアシルアセトアミド型イエロ
ーカプラーが好ましく用いられる。その中でも、アシル
基が1−アルキルシクロプロパン−1−カルボニル基で
あるアシルアセトアミド型イエローカプラー、アニリド
の一方がインドリン環を構成するマロンジアニリド型イ
エローカプラーの使用が特に好ましい。これらのカプラ
ーは、単独あるいは併用することができる。
【0035】本発明に用いられるマゼンタカプラーとし
ては、前記の公知文献に記載されたような5−ピラゾロ
ン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マゼンタカ
プラーが用いられるが、中でも色相や画像安定性、発色
性等の点で特開昭61−65245号に記載されたよう
な2級又は3級アルキル基がピラゾロトリアゾール環の
2、3又は6位に直結したピラゾロトリアゾールカプラ
ー、特開昭61−65246号に記載されたような分子
内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−147254号に記載されたようなア
ルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラ
ゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,849A号
や同第294,785A号に記載されたような6位にア
ルコキシ基やアリーロキシ基をもつピラゾロアゾールカ
プラーの使用が好ましい。以下にカプラーの具体例を示
すが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】本発明においては、pH8以下の条件で芳
香族第一級アミンカラー現像主薬と化学結合し、実質的
に無色の生成物を生ずる下記一般式(A)、(B)若し
くは(C)で表される親油性化合物から選ばれる少なく
とも一種及び/またはpH8以下の条件で芳香族第一級
アミンカラー現像主薬の酸化体と化学結合し、実質的に
無色の生成物を生ずる下記一般式(D)で表される親油
性化合物から選ばれる少なくとも一種を含有することが
好ましい。
【0060】
【化25】
【0061】一般式(A)、(B)、(C)または
(D)で表わされる化合物を詳細に説明する。Ra1およ
びRa2について説明する。脂肪族基は例えばメチル、i
−プロピル、t−ブチル、ベンジル、2−ヒドロキシベ
ンジル、シクロヘキシル、t−オクチル、ビニル、アリ
ル、n−ペンタデシルが挙げられ、好ましくは炭素数1
〜30の置換されていてもよいアルキル基である。芳香
族基は例えばフェニル、ナフチルが挙げられ、好ましく
は炭素数6〜36の置換されていてもよいフェニル基で
ある。複素環基は例えばフェニル、フリル、クロマニ
ル、モルホリニル、ピペラジル、インドリルが挙げられ
る。Ra2におけるアシル基は例えばアセチル、テトラデ
カノイル、ベンゾイルが挙げられ、好ましくは炭素数2
〜37の置換されてもよいアシル基である。スルホニル
基は例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニルが挙
げられ、好ましくは炭素数1〜36の置換されてもよい
スルホニル基である。カルバモイル基は例えばメチルカ
ルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモ
イル、フェニルカルバモイル、N−メチル−N−フェニ
ルカルバモイルが挙げられ、好ましくは炭素数2〜37
の置換されていてもよいカルバモイル基である。スルフ
ァモイル基は例えばメチルスルファモイル、ジエチルス
ルファモイル、オクチルスルファモイル、フェニルスル
ファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル
が挙げられ、好ましくは炭素数2〜37の置換されてい
てもよいスルファモイル基である。
【0062】Za2でいう窒素原子で結合する複素環基と
は例えば1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾ
リル、2−インドリル、1−インドール、7−プリニル
が挙げられ、芳香環を形成する複素環が好ましい。
a3、Ra4およびRa5における芳香族基、複素環基、お
よびRa5における脂肪族基は、Ra1およびRa2における
芳香環、複素環基および脂肪族基と同じ意味を表わす。
【0063】Rb1における脂肪族基は、Ra1およびRa2
における脂肪族基と同じ意味を表わす。Zb1のハロゲン
原子は例えばクロル、ブロム、沃素が挙げられる。
【0064】Zc1について説明する。アシル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、スルホニル基は、Ra2
おけるそれと同じ意味を表わす。脂肪族オキシカルボニ
ル基は例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、i−プロポキシカルボニル、ベンジルオキシカルボ
ニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、n−ヘキサデ
シルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ペン
タデセニルオキシカルボニルが挙げられ、好ましくは炭
素数2〜31の置換されていてもよいアルキルオキシカ
ルボニル基である。芳香族オキシカルボニル基は例えば
フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル
が挙げられ、好ましくは炭素数7〜37の置換されてい
てもよいフェニルオキシカルボニル基である。Rc1、R
c2及びRc3の脂肪族基、芳香族基および複素環基は、R
a1およびRa2における芳香環、複素環基および脂肪族基
と同じ意味を表わす。
【0065】Rd1〜Rd10 及びRd12 における脂肪族
基、芳香族基、およびRd2〜Rd9及びRd12 でいう複素
環基は、Ra1およびRa2における芳香環、複素環基およ
び脂肪族基と同じ意味を表わす。Yにおける無機または
有機の塩を形成する原子又は原子団としては例えばL
i、Na、K、Ca、Mg、トリエチルアミン、メチル
アミン、アンモニアが挙げられる。Rd4、Rd5、Rd7
よびRd8におけるアシル基、スルホニル基は、Ra2にお
けるそれと同じ意味を表わし、脂肪族オキシカルボニル
基は、Zc1におけるそれと同じ意味を表わす。Rd4、R
d5、Rd7及びRd8におけるウレイド基は例えばフェニル
ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイ
ド、N−フェニル−N−メチル−N′−メチルウレイド
が挙げられ、好ましくは炭素数2〜37のウレイド基で
あり、ウレタン基は例えばメチルウレタン、フェニルウ
レタンが挙げられ、好ましくは炭素数2〜37のウレタ
ン基である。
【0066】Rd6におけるアシル基は、Ra2におけるそ
れと同じ意味を表わし、脂肪族オキシカルボニル基、芳
香族オキシカルボニル基は、Zc1におけるそれと同じ意
味を表わす。Rd6の脂肪族アミノ基は例えばメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、オクチルアミノ、ベンジルアミ
ノ、シクロヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アリルア
ミノ、ヘキサデシルアミノが挙げられ、好ましくは炭素
数1〜30の置換されてよいアルキルアミノ基である。
芳香族アミノ基は例えばアニリノ、2,4−ジクロルア
ニリノ、4−t−オクチルアニリノ、N−メチル−アニ
リノ、2−メチルアニリノ、N−ヘキサデシルアニリノ
が挙げられ、好ましくは炭素数6〜37の置換されてい
てもよいアニリノ基である。脂肪族オキシ基は例えばメ
トキシ、エトキシ、t−ブチルオキシ、ベンジルオキ
シ、シクロヘキシルオキシが挙げられ、好ましくは炭素
数1〜30の置換されていてもよいアルコキシ基であ
る。芳香族オキシ基は例えばフェノキシ、2,4−ジ−
t−ブチルフェノキシ、2−クロルフェノキシ、4−メ
トキシフェノキシが挙げられ、好ましくは炭素数6〜3
7の置換されていてもよいフェノキシ基である。Rd10
のハロゲン原子は、例えば、クロル、ブロム、沃素が挙
げられ、アシルオキシ基は例えばアセチルオキシ、ベン
ゾイルオキシが挙げられ、好ましくは炭素数2〜37の
置換されてよいアシルオキシ基である。Rd10 のスルホ
ニル基はRa2におけるそれと同じ意味を表わす。Rd11
の加水分解されうる基とは例えばアシル基、スルホニル
基、オキザリル基、シリル基が挙げられる。
【0067】一般式(A)〜(C)で表わされる化合物
は特開昭63−158545号(EP0,258,66
2)記載の方法で測定したp−アニシジンとの二次反応
速度定数k2 (80℃)が1.0リットル/mol ・sec
〜1×10-5リットル/mol・sec の範囲である化合物
が好ましい。
【0068】一般式(D)で表わされる化合物のうち、
d1が芳香族基のものが好ましい。Zd1が−SO2 Yで
かつYが水素原子、無機又は有機の塩を形成する原子ま
たは原子団である時、Rd1はフェニル基でかつ該フェニ
ル基上の置換基の−SO2 Yに対するハメットのσ値の
総和が0.5以上の化合物が好ましい。なお、この時、
σp 値はσp 値で代用する。一般式(A)〜(D)で表
わされる化合物のうち、好ましいものは一般式(A)と
(D)で表わされる化合物である。
【0069】一般式(A)で表わされる化合物のうち、
下記一般式(A−I)〜(A−V)で表わされるものが
好ましい。
【0070】
【化26】
【0071】
【化27】
【0072】一般式(A−I)〜(A−V)において、
e1は一般式(A)のRa1と同じ意味を表わす。Le1
単結合または−O−を表わし、Le2は−O−または−S
−を表わす。Arは芳香族基を表わす。Re2〜Re4は同
一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、脂肪族基、
芳香族基、複素環基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ
基、複素環オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、複
素環チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ
基、複素環アミノ基、アシル基、アミド基、スルホンア
ミド基、スルホニル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳
香族オキシカルボニル基、スルホ基、カルボキシル基、
ホルミル基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、ウレイド
基、ウレタン基、カルバモイル基またはスルファモイル
基を表わす。Re2〜Re4の少なくとも2個が互いに結合
して5〜7員環を形成してもよい。Ze1およびZe2は5
〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、
e3は5〜7員の芳香環を形成するのに必要な非金属原
子群を表わす。Ze1〜Ze3で形成された環は置換基を有
していてもよく、スピロ環、ビシクロ環を形成してもよ
く、さらにベンゼン環、脂環または複素環で縮環されて
いてもよい。
【0073】一般式(A−I)〜(A−V)で表わされ
る化合物のうち、特に(A−I)と(A−III)で表わさ
れるものが好ましい。以下にこれらの化合物の代表例を
示すが、これによって、本発明に使用される化合物が限
定されるものではない。
【0074】
【化28】
【0075】
【化29】
【0076】
【化30】
【0077】
【化31】
【0078】
【化32】
【0079】
【化33】
【0080】
【化34】
【0081】
【化35】
【0082】
【化36】
【0083】
【化37】
【0084】
【化38】
【0085】
【化39】
【0086】
【化40】
【0087】
【化41】
【0088】これらの化合物は特開昭62−14304
8号、同63−115855号、同63−115866
号、同63−158545号、欧州公開特許第2557
22号に記載の方法およびそれらに準じた方法で合成す
ることができる。本発明の好ましい化合物は上記特許お
よび特開昭62−17665号、同62−283338
号、同62−229145号、同64−86139号、
特開平1−271748号、発明協会公開技報 公技番
号90−9416に具体的に例示されている化合物をも
含む。
【0089】本発明の一般式(A)〜(D)で表される
各化合物の使用量(単独または合計)は、好ましくは
0.5×10-6〜2×10-3モル/m2、更に好ましくは
1×10-6〜5×10-4モル/m2、最も好ましくは2×
10-6〜3×10-4モル/m2である。これの化合物がカ
プラーと同一層中で用いられる場合には、その使用量
(単独または合計)は該カプラー1モルに対して0.5
〜300モル%、好ましくは1〜200モル%、最も好
ましくは5〜150モル%の範囲である。本発明の一般
式(A)〜(D)で表わされる化合物は、非感光層に用
いてもよいが、カプラーと共乳化されて用いられるのが
好ましい。特にピラゾロトリアゾールカプラー、ピロロ
トリアゾールカプラー、またはアシル基が1−アルキル
シクロプロパン−1−カルボニル基であるアシルアセト
アミド型イエローカプラーとこれらの化合物との併用が
特に好ましい。
【0090】本発明の一般式(A)〜(D)で表わされ
る化合物は公知の褪色防止剤と併用して用いても良く、
その場合褪色防止効果はさらに大きくなる。同様に、一
般式(A)〜(D)で表わされる化合物を2種以上併用
してもかまわない。
【0091】公知の褪色防止剤としてはハイドロキノン
類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラ
ン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール
類、ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノー
ル類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、
アミノフェノール類、ヒンダードアミン類、紫外線吸収
剤およびこれら各化合物のフェノール性水酸基をシリル
化、アルキル化したエーテルもしくはエステル誘導体が
代表例として挙げられる。また、(ビスサリチルアルド
キシマト)ニッケル錯体および(ビス−N,N−ジアル
キルジチオカルバマト)ニッケル錯体に代表される金属
錯体なども使用できる。
【0092】本発明における反射支持体は、ポリエステ
ルを50重量%以上含む樹脂に白色顔料を混合分散した
組成物を、基体(好ましくは原紙)の少なくとも乳剤塗
布側表面に被覆せしめてなる反射支持体であることが必
要である。このポリエステルは、ジカルボン酸とジオー
ルから重縮合によって合成されたポリエステルであっ
て、好ましいジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。好
ましいジオールとしては、エチレングリコール、ブチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレン
グリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、
ビスフェノールAエチレンオキシド付加物(2,2−ビ
ス(4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル)プ
ロパン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等
が挙げられる。
【0093】本発明の場合、これらジカルボン酸の単独
あるいは混合物と、ジオールの単独あるいは混合物とを
重縮合して得られる種々のポリエステルを使用すること
ができる。中でもジカルボン酸の少なくとも一種はテレ
フタル酸であることが好ましい。またジカルボン酸成分
が、テレフタル酸とイソフタル酸の混合物(モル比率
9:1〜2:8)、あるいはテレフタル酸とナフタレン
ジカルボン酸の混合物(モル比率9:1〜2:8)も好
ましく用いられる。またジオールとしては、エチレング
リコールまたはエチレングリコールを含む混合ジオール
を用いることが好ましい。これらの重合体の分子量は3
0,000〜50,000であることが好ましい。
【0094】またこれらの異なる組成のポリエステルを
複数種混合して使用することも好ましく行なわれる。更
にこれらポリエステルと他の樹脂との混合物も好ましく
使用できる。この混合される他の樹脂としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエ
チレングリコール、ポリオキシメチレン、ポリオキシプ
ロピレン等のポリエーテル類、ポリエステル系ポリウレ
タン、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリスチレン等、270〜350℃で押し出し可能な樹
脂であれば広く選ぶことができる。これらブレンドされ
る樹脂は1種類であってもよく、2種類以上であっても
よい。例えばポリエチレンテレフタレート90重量%に
6重量%のポリエチレンと4重量%のポリプロピレンを
混合することなどができる。ポリエステルと他の樹脂と
の混合比は混合する樹脂の種類によって異なるが、ポリ
オレフィン類だと重量比でポリエステル/他の樹脂=1
00/0〜80/20が適当である。この範囲を越える
と混合樹脂の物性が急激に低下する。ポリオレフィン以
外の樹脂の場合、重量比でポリエステル/他の樹脂=1
00/0〜50/50の範囲で混合することができる。
ポリエステルが50重量%未満の場合は、本発明の効果
が十分に得られなくなる。
【0095】本発明の反射支持体のポリエステルに混合
分散する白色顔料としては酸化チタン、硫酸バリウム、
リトポン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化珪
素、三酸化アンチモン、燐酸チタニウム、酸化亜鉛、鉛
白、酸化ジルコニウム等の無機顔料やポリスチレン、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体等の有機微粉末等を
挙げることができる。これらの顔料の中でも、二酸化チ
タンの使用が特に効果的である。二酸化チタンは、ルチ
ル型およびアナターゼ型のいずれでも良く、また、サル
フェート法、クロライド法のいずれの方法で製造された
ものであっても良い。具体的商品名としてはチタン工業
のKA−10、KA−20、石原産業製A−220等が
挙げられる。
【0096】用いる白色顔料の平均粒径は0.1〜0.
8μmが好ましい。0.1μm未満だと樹脂に均一に混
合分散するのが困難であり好ましくない。0.8μmを
越えると十分な白色度が得られない他、被覆面に突起を
生じ画質に悪影響する。上記ポリエステルに対する白色
顔料の混合比率は重量比で98/2〜30/70(ポリ
エステル/白色顔料)、好ましくは95/5〜50/5
0、特に好ましくは90/10〜60/40である。白
色顔料が2重量%未満では白色度に対する寄与が不十分
であり、70重量%を越える場合には写真印画紙用支持
体としたときの表面の平滑性が不十分であり、光沢度に
優れた写真印画紙用支持体を得ることができない。尚、
上記ポリエステルと白色顔料との混合は、高級脂肪酸の
金属塩、高級脂肪酸エチル、高級脂肪酸アミド、高級脂
肪酸等の分散助剤と共に2本ロール、3本ロール、ニー
ダー、バンバリーミキサー等の混練機で樹脂中に練りこ
まれる。樹脂層中には酸化防止剤を含有させることもで
き、含有量としては樹脂に対し50〜1,000ppm
の範囲で添加できる。
【0097】本発明の反射支持体の、基体の乳剤塗布面
側に被覆するポリエステル・白色顔料組成物の厚みは5
〜100μmであり、5〜80μmが好ましく、より好
ましくは10〜50μmである。100μmより厚くな
ると樹脂の脆さが強調されてわれを生じる等物性上の問
題が出てくる。5μmより薄くなると、被覆の本来の目
的である防水性が損なわれるほか、白色度と表面平滑性
を同時に満足することができなくなり、物性的にも柔ら
かくなりすぎて好ましくない。基体の乳剤塗布面側でな
い面に被覆する、樹脂または樹脂組成物の厚みは5〜1
00μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmで
あるこの範囲を越えて厚くなると樹脂の脆さが強調され
てわれを生じる等物性上の問題が出てくる。この範囲を
下回ると被覆の本来の目的である防水性が損なわれるほ
か物性的にも柔らかくなりすぎて好ましくない。基体の
乳剤塗布面側被覆層及び裏面層の被覆方法としては、溶
融押し出しラミネーション法等が挙げられる。
【0098】本発明の反射支持体に使用される基体は、
写真印画紙に一般的に用いられる材料から選ばれる。す
なわち、針葉樹、広葉樹等から選ばれる天然パルプや、
合成パルプを主原料に、必要に応じ、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、ア
ルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸
アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等の
サイズ剤、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バン
ド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものが
用いられる。本発明において反射支持体に使用される基
体としては、上記の天然パルプや合成パルプを主原料と
した原紙が好ましい。基体の種類及び厚さは特に限定さ
れるものではないが、秤量としては、50g/m2〜25
0g/m2が望ましい。基体は平滑性及び平面性を付与す
る目的で、マシンカレンダー及びスパーカレンダー等で
熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。
【0099】この「平滑性」は、支持体の表面粗さを尺
度として表わされる。本発明の支持体の表面粗さについ
て述べる。表面粗さとしては、中心線平均表面粗さをこ
の尺度として用いる。中心線平均表面粗さとしては、次
の用に定義される。粗さ局面から、その中心面上に面積
SMの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線上に
直交座標軸、X軸、Y軸を置き、中心線に直交する軸を
Z軸と置いた時に、次の式で与えられる値を中心線平均
表面粗さ(SRa )と定義し、μm単位で表す。
【0100】
【数1】
【0101】中心線平均表面粗さ及び中心線からの突起
の高さの値は、例えば(株)小坂研究所製、三次元表面
粗さ測定機(SE−30H)を用い、直径4μmのダシ
ヤモンド針でカットオフ値0.8mm、水平方向の拡大倍
率20倍、高さ方向の拡大倍率2000倍で、5mm2
面積を測定して求めることができる。又、この時の測定
針の送り早さは0.5mm/秒程度が好ましい。この測定
によって得られる値が0.15μm以下の支持体が好ま
しく、0.10μm以下が更に好ましい。このような表
面粗さ(平滑性)を持つ支持体を用いることによって、
平滑性の優れた表面を持つカラープリントが得られる。
【0102】基体に上記ポリエステル・白色顔料の混合
組成物を被覆するに際しては、基体表面を予めコロナ放
電処理、火炎処理や下塗りする等の前処理をすることが
好ましい。
【0103】ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テルを用いると写真乳剤との密着性がポリエチレンの場
合に比べ弱く、そのため基体にポリエステルを溶融押し
出しラミネート後、ポリエステル表面をコロナ放電処理
し、親水性コロイド層を塗設することが好ましい。ま
た、ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂表面に下
記一般式〔U〕で示される化合物を含む下塗り液を塗設
することも好ましい。
【0104】
【化42】
【0105】一般式〔U〕で示される化合物の塗設量は
好ましくは0.1mg/m2以上、更に好ましくは1mg/m2
以上、最も好ましくは3mg/m2以上であり、多いほど密
着力を強化せしめることができるが過度に用いるコスト
の面で不利である。また該下塗り液の樹脂表面への塗布
適性を向上させるためにメタノール等のアルコール類を
添加することが好ましい。この場合アルコール類の割合
は、好ましくは20重量%以上であり、更に好ましくは
40重量%以上であり、最も好ましくは60重量%以上
である。また、更に塗布適性を向上させる為にアニオン
性、カチオン性、両性、ノニオン系、フッ化炭素系、有
機珪素系等、各種界面活性剤を用いることが好ましい。
【0106】また良好な下塗り塗布面上を得るためにゼ
ラチン等の水溶性高分子を添加することが好ましい。液
のpHは一般式〔U〕の化合物の安定性を考えるとpH
4〜pH11が好ましく、更に好ましくは、pH5〜p
H10である。上記下塗り液を塗布する前に、熱可塑性
樹脂表面を表面処理することが好ましい。表面処理とし
ては、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等を用
いることができる。該下塗り液を塗布するにあたって
は、グラビアコーター、バーコーター、ディップコート
法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラ
ーコート法、ドクターコート法やエクストルージョンコ
ート法等、一般によく知られた塗布方法により塗布する
ことができる。塗布の乾燥速度は30℃〜100℃が好
ましく、更に好ましくは50℃〜100℃、最も好まし
くは70℃〜100℃で上限は樹脂の耐熱性から、また
下限は生産効率から決まる。
【0107】本発明のカラー感光材料は、反射層を有す
る支持体上にイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼ
ンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色性ハロゲン
化銀乳剤層を少なくとも一層ずつ塗設して構成すること
ができる。一般のカラー印画紙では、ハロゲン化銀乳剤
の感光する光と補色の関係にある色素を形成するカラー
カプラーを含有させることで減色法の色再現を行なうこ
とができる。一般的なカラー印画紙では、ハロゲン化銀
乳剤粒子は前述の発色層の順に青感性、緑感性、赤感性
の分光増感色素によりそれぞれ分光増感され、また支持
体上に前出の順で塗設して構成することができる。しか
しながら、これと異なる順序であっても良い。つまり迅
速処理の観点から平均粒子サイズの最も大きなハロゲン
化銀粒子を含む感光層が最上層にくることが好ましい場
合や、光照射下での保存性の観点から、最下層をマゼン
タ発色感光層にすることが好ましい場合もある。また感
光層と発色色相とは、上記の対応を持たない構成として
も良く、赤外感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一
層用いることもできる。
【0108】本発明ではハロゲン化銀粒子としては、9
5モル%以上が塩化銀である塩化銀、塩臭化銀、または
塩沃臭化銀粒子を使用することが必要である。特に、本
発明においては現像処理時間を速めるために実質的に沃
化銀を含まない塩臭化銀もしくは塩化銀よりなるものを
好ましく用いることができる。ここで実質的に沃化銀を
含まないとは、沃化銀含有率が1モル%以下、好ましく
は0.2モル%以下のことを言う。一方、高照度感度を
高める、分光増感感度を高める、あるいは感光材料の経
時安定性を高める目的で、特開平3−84545号に記
載されているような乳剤表面に0.01〜3モル%の沃
化銀を含有した高塩化銀粒子が好ましく用いられる場合
もある。乳剤のハロゲン組成は粒子間で異なっていても
等しくても良いが、粒子間で等しいハロゲン組成を有す
る乳剤を用いると、各粒子の性質を均質にすることが容
易である。また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲン
組成分布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分をと
っても組成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン
化銀粒子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシェル
(殻)〔一層または複数層〕とでハロゲン組成の異なる
所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面
に非層状にハロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒
子表面にある場合は粒子のエッジ、コーナーあるいは面
上に異組成の部分が接合した構造)の粒子などを適宜選
択して用いることができる。高感度を得るには、均一型
構造の粒子よりも後二者のいずれかを用いることが有利
であり、耐圧力性の面からも好ましい。ハロゲン化銀粒
子が上記のような構造を有する場合には、ハロゲン組成
において異なる部分の境界部は、明確な境界であって
も、組成差により混晶を形成して不明確な境界であって
も良く、また積極的に連続的な構造変化を持たせたもの
であっても良い。
【0109】本発明で使用する高塩化銀乳剤においては
臭化銀局在相を先に述べたような層状もしくは非層状に
ハロゲン化銀粒子内部および/または表面に有する構造
のものが好ましい。上記局在相のハロゲン組成は、臭化
銀含有率において少なくとも10モル%のものが好まし
く、20モル%を越えるものがより好ましい。臭化銀局
在層の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、「日本化
学会編、新実験化学講座6、構造解析」丸善、に記載さ
れている。)等を用いて分析することができる。そし
て、これらの局在相は、粒子内部、粒子表面のエッジ、
コーナーあるいは面上にあることができるが、一つの好
ましい例として、粒子のコーナー部にエピタキシャル成
長したものを挙げることができる。また、現像処理液の
補充量を低減する目的でハロゲン化銀乳剤の塩化銀含有
率を更に高めることも有効である。この様な場合にはそ
の塩化銀含有率が98モル%〜100モル%であるよう
な、ほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく用いられる。
【0110】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.1μm〜2μmが好ましい。ま
た、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分
布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以
下、望ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下
の所謂単分散なものが好ましい。このとき、広いラチチ
ュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレン
ドして使用することや、重層塗布することも好ましく行
われる。写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状
は、立方体、十四面体あるいは八面体のような規則的な
(regular) 結晶形を有するもの、球状、板状などのよう
な変則的な(irregular) 結晶形を有するもの、あるいは
これらの複合形を有するものを用いることができる。ま
た、種々の結晶形を有するものの混合したものからなっ
ていても良い。本発明においてはこれらの中でも上記規
則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは7
0%以上、より好ましくは90%以上含有するのが良
い。また、これら以外にも平均アスペクト比(円換算直
径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒子が
投影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤も好
ましく用いることができる。
【0111】本発明に用いる塩(臭)化銀乳剤は、P.Gl
afkides 著 Chimie etPhisique Photographique(Paul
Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographi
c Emulsion Chemistry (Focal Press 社刊、1966
年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photo
graphic Emulsion(Focal Press社刊、1964年)など
に記載された方法を用いて調製することができる。すな
わち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよ
く、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形
式としては、片側混合法、同時混合法、及びそれらの組
合せなどのいずれの方法を用いても良い。粒子を銀イオ
ン過剰の雰囲気の下において形成させる方法(いわゆる
逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の一つの
形式としてハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一
定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド・ダブ
ルジェット法を用いることもできる。この方法による
と、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン
化銀乳剤を得ることができる。
【0112】本発明のハロゲン化銀粒子の局在相または
その基質には、異種金属イオンまたはその錯イオンを含
有させることが好ましい。好ましい金属としては周期律
表の第VIII族、第IIb 族に属する金属イオンあるいは金
属錯体、及び鉛イオン、タリウムイオンの中から選ばれ
る。主として局在相にはイリジウム、ロジウム、鉄など
から選ばれるイオンまたはその錯イオン、また主として
基質にはオスミウム、イリジウム、ロジウム、白金、ル
テニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄などか
ら選ばれた金属イオンまたはその錯イオンを組合せて用
いることができる。また局在相と基質とで金属イオンの
種類と濃度をかえて用いることができる。これらの金属
は複数種用いても良い。特に鉄、イリジウム化合物は臭
化銀局在相中に存在させることが好ましい。
【0113】これらの金属イオン提供化合物は、ハロゲ
ン化銀粒子形成時に、分散媒になるゼラチン水溶液中、
ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中またはその他の水
溶液中、あるいはあらかじめ金属イオンを含有せしめた
ハロゲン化銀微粒子の形で添加しこの微粒子を溶解させ
る、等の手段によって本発明のハロゲン化銀粒子の局在
相および/またはその他の粒子部分(基質)に含有せし
める。本発明で用いられる金属イオンを乳剤粒子中に含
有させるには、粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後
のいずれかでおこなうことができる。これは金属イオン
を粒子のどの位置に含有させるかによって変えることが
できる。
【0114】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
通常化学増感及び分光増感を施される。化学増感法につ
いては、カルコゲン増感剤を使用した化学増感(具体的
には不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増感ある
いはセレン化合物によるセレン増感、テルル化合物によ
るテルル増感があげられる。)、金増感に代表される貴
金属増感、あるいは還元増感などを単独もしくは併用し
て用いることができる。化学増感に用いられる化合物に
ついては、特開昭62−215272号公報の第18頁
右下欄〜第22頁右上欄に記載のものが好ましく用いら
れる。本発明の感光材料の構成の効果は、金増感された
高塩化銀乳剤を用いた際より顕著である。本発明に用い
る乳剤は、潜像が主として粒子表面に形成される所謂表
面潜像型乳剤である。
【0115】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶり
を防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種
々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することがで
きる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−2
15272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載の
ものが好ましく用いられる。更にEP0447647号
に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チ
アトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも
一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
【0116】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明の感光材料において、青、緑、
赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例
えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine
dyes andrelated compounds (John Wiley & Sons New
York,London 社刊1964年)に記載されているもの
を挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分
光増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の
第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用い
られる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳
剤粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−12
3340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の
強さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0117】本発明の感光材料において赤外域を効率よ
く分光増感する場合、特開平3−15049号12頁左
上欄〜21頁左下欄、あるいは特開平3−20730号
4頁左下欄〜15頁左下欄、EP−0,420,011
号4頁21行〜6頁54行、EP−0,420,012
号4頁12行〜10頁33行、EP−0,443,46
6号、US−4,975,362号に記載の増感色素が
好ましく使用される。
【0118】これら分光増感色素をハロゲン化銀乳剤中
に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散しても
よいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に
溶解して乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−2
3389号、特公昭44−27555号、特公昭57−
22089号等に記載のように酸または塩基を共存させ
て水溶液としたり、米国特許3822135号、米国特
許4006025号等に記載のように界面活性剤を共存
させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤
へ添加してもよい。また、フェノキシエタノール等の実
質上水と非混和性の溶媒に溶解したのち、水または親水
性コロイドに分散したものを乳剤に添加してもよい。特
開昭53−102733号、特開昭58−105141
号に記載のように親水性コロイド中に直接分散させ、そ
の分散物を乳剤に添加しても良い。乳剤中に添加する時
期としては、これまで有用であると知られている乳剤調
製のいかなる段階であってもよい。つまりハロゲン化銀
乳剤の粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後から水洗
工程に入る前、化学増感前、化学増感中、化学増感直後
から乳剤を冷却固化するまで、塗布液調製時、のいずれ
から選ぶことができる。もっとも普通には化学増感の完
了後、塗布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3
628969号、および同第4225666号に記載さ
れているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を
化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−1139
28号に記載されているように化学増感に先立って行な
うこともでき、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前
に添加し分光増感を開始することもできる。更にまた米
国特許第4225666号に教示されているように分光
増感色素を分けて添加すること、すなわち一部を化学増
感に先立って添加し、残部を化学増感の後で添加するこ
とも可能であり、米国特許第4183756号に教示さ
れている方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のど
の時期であってもよい。この中で特に乳剤の水洗工程前
或いは化学増感前に増感色素を添加することが好まし
い。
【0119】これらの分光増感色素の添加量は場合に応
じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。
更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3
モルの範囲である。本発明において、特に赤域から赤外
域に分光増感感度を有する増感色素を使用する場合、特
開平2−157749号13頁右下欄〜22頁右下欄記
載の化合物を併用することが好ましい。これらの化合物
を使用することで、特異的に感材の保存性及び処理の安
定性、強色増感効果を高めることができる。なかでも同
特許中の一般式(IV)、(V)および(VI)の化合物を
併用して使用することが特に好ましい。これらの化合物
はハロゲン化銀1モル当り0.5×10-5モル〜5.0
×10-2モル、好ましくは5.0×10-5モル〜5.0
×10-3モルの量が用いられ、増感色素1モルあたり
0.1倍〜10000倍、好ましくは0.5倍〜500
0倍の範囲に有利な使用量がある。
【0120】本発明の感光材料は、通常のネガプリンタ
ーを用いたプリントシステムに使用される以外に、ガス
レーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レ
ーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体
レーザーと非線形光学結晶を組合せた第二高調波発生光
源(SHG)、等の単色高密度光を用いたデジタル走査
露光に好ましく使用される。システムをコンパクトで、
安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザ
ーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合せた第
二高調波発生光源(SHG)を使用することが好まし
い。特にコンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が
高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好
ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを
使用することが望ましい。
【0121】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大は使用する走査露光用
光源の波長により任意に設定することが出来る。半導体
レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導
体レーザーと非線形光学結晶を組合せて得られるSHG
光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青
色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度
極大は通常の青、緑、赤の3つの領域に持たせることが
可能である。装置を安価で安定性の高い、コンパクトな
ものにするために光源として半導体レーザーを使用する
ためには、少なくとも2層が670nm以上に分光感度極
大を有していることが好ましい。これは、入手可能な安
価で、安定な III−V族系半導体レーザーの発光波長域
が現在赤から赤外領域にしかないためである。しかしな
がら実験室レベルでは、緑や青域のII−VI族系半導体レ
ーザーの発振が確認されており、半導体レーザーの製造
技術が発進すればこれらの半導体レーザーを安価に安定
に使用することができるであろうことは十分に予想され
る。このような場合は、少なくとも2層が670nm以上
に分光感度極大を有する必要性は小さくなる。
【0122】このような走査露光においては、感光材料
中のハロゲン化銀が露光される時間とは、ある微小面積
を露光するのに要する時間となる。この微小面積として
はそれぞれのディジタルデータから光量を制御する最小
単位を一般的に使用し、画素と称している。したがっ
て、この画素の大きさで画素当たりの露光時間は変わっ
てくる。この画素の大きさは、画素密度に依存し現実的
な範囲としては、50〜2000dpi である。露光時間
はこの画素密度を400dpi とした場合の画素サイズを
露光する時間として定義すると好ましい露光時間として
は10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下である。
【0123】本発明に係わる感光材料には、イラジエー
ションやハレーションを防止したり、セーフライト安全
性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許
EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記
載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール
染料、シアニン染料)を添加することが好ましい。これ
らの水溶性染料の中には使用量を増やすと色分離やセー
フライト安全性を悪化するものもある。色分離を悪化さ
せないで使用できる染料としては、特願平03−310
143号、特願平03−310189号、特願平03−
310139号に記載された水溶性染料が好ましい。
【0124】本発明においては、水溶性染料の代わりあ
るいは水溶性染料と併用して処理で脱色可能な着色層が
用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層は、乳
剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロキノン
などの処理混色防止剤を含む中間層を介して接するよう
に配置されていても良い。この着色層は、着色された色
と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体側)に設
置されることが好ましい。各原色毎に対応する着色層を
全て個々に設置することも、このうちに一部のみを任意
に選んで設置することも可能である。また複数の原色域
に対応する着色を行った着色層を設置することも可能で
ある。着色層の光学反射濃度は、露光に使用する波長域
(通常のプリンター露光においては400nmから700
nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走査露光
光源の波長)において最も光学濃度の高い波長における
光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが好まし
い。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特に0.
8以上2.0以下が好ましい。
【0125】着色層を形成するためには、従来公知の方
法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3
頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−79
31号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料の
ように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含
有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒
染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させ
て層中に固定する方法、特開平1−239544号に記
載されているようなコロイド銀を使用する方法などであ
る。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、た
とえば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性で
あるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性であ
る微粉末染料を含有させる方法が特開平2−30824
4号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、
アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法とし
ては、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載
されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法につ
いては米国特許第2,688,601号、同3,45
9,563号に示されている。これらの方法のなかで微
粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法
などが好ましい。
【0126】本発明に係わる感光材料に用いることので
きる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用い
ることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単
独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好
ましいゼラチンとしては、カルシウム含有量が800pp
m 以下、より好ましくは200ppm 以下の低カルシウム
ゼラチンを用いることが好ましい。また親水性コロイド
層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐ
ために、特開昭63−271247号公報に記載のよう
な防黴剤を添加するのが好ましい。
【0127】本発明の感光材料をプリンター露光する
際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドス
トップフィルターを用いることが好ましい。これによっ
て光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。露
光済みの感光材料は慣用のカラー現像処理が施されうる
が、本発明のカラー感光材料の場合には迅速処理の目的
からカラー現像の後、漂白定着処理するのが好ましい。
特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場合には、漂白定着
液のpHは脱銀促進等の目的から約6.5以下が好まし
く、更に約6以下が好ましい。
【0128】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許EP0,355,660A2号
(特開平2−139544号)明細書に記載されている
ものが好ましく用いられる。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】
【0134】本発明のカラー感材の処理方法としては、
上記表中記載の方法以外に、特開平2−207250号
の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目及び特開
平4−97355号5頁左上欄17行目〜18頁右下欄
20行目に記載の処理素材及び処理方法が好ましい。
【0135】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (支持体の作製)厚さ180μmの原紙の表面に、表6
に示す、ジカルボン酸組成とエチレングリコールから縮
合重合で合成したポリエステル(極限粘度=6.5)あ
るいはポリエチレン、と酸化チタン(チタン工業製KA
−10)の混合組成物を二軸混合押し出し機にて300
℃で溶融混合し、Tダイから溶融押出しし30μm厚の
ラミネート層を形成した。他面に炭酸カルシウム含有樹
脂組成物を300℃にて溶融押出しし30μm厚のラミ
ネート層を形成した。このラミネートを形成した反射支
持体の乳剤を塗設する側の樹脂表面をコロナ放電処理を
施したのち下記組成の塗布液を5cc/m2となるように塗
布し80℃で2分間乾燥し写真用支持体B−1〜B−6
を得た。
【0136】
【表6】
【0137】
【化43】
【0138】このようにして得られた写真用支持体B−
1〜B−6上に以下に示す層構成の多層カラー印画紙を
作製した。塗布液は下記のようにして調製した。イエロ
ーカプラー(ExY)15.0g、色像安定剤(Cpd
−1)0.4g、色像安定剤(Cpd−2)2.0g、
溶媒(Solv−1)9.2gとドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム2.0gに酢酸エチル25ccを加えて
溶解し、この溶液を高速攪拌乳化機を用い、15%ゼラ
チン水溶液に乳化分散させた。一方塩臭化銀乳剤A(立
方体、平均粒子サイズ0.88μmの大サイズ乳剤B1
と0.70μmの小サイズ乳剤B2との3:7混合物
(銀モル比)、粒子サイズの変動係数はそれぞれ0.0
6と0.08、各乳剤とも塩化銀を基体とする粒子表面
の一部に臭化銀0.3モル%を局在含有させた)に下記
に示す青感光性増感色素A、Bをハロゲン化銀1モル当
たり大サイズ乳剤Aに対してはそれぞれ2.0×10-4
モル添加し、小サイズ乳剤に対しては2.5×10-4
ル加えたものを調製した。またこの乳剤の化学熟成は硫
黄増感剤と金増感剤を添加して行なわれた。前記の乳化
分散物とこの乳剤とを混合溶解し、以下に示す組成とな
るように第一層塗布液を調製した。第二層から第七層用
の塗布液も第一層塗布液と同様の方法で調製した。各層
のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジク
ロロ−s−トリアジンナトリウムを用いた。また、各層
にはCpd−9とCpd−10をそれぞれ全量が25.
0mg/m2と50.0mg/m2となるように添加した。各感
光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色素をそ
れぞれ用いた。
【0139】
【表7】
【0140】
【表8】
【0141】
【表9】
【0142】また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性
乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−
5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1
モル当たり3.4×10-4モル、9.7×10-4モル、
5.5×10-4モル添加した。また、青感性乳剤層と緑
感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンをそれぞれハロゲン化
銀1モル当たり、1×10-4モルと2×10-4モル添加
した。また、イラジエーション防止のために乳剤層に下
記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
【0143】
【化44】
【0144】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0145】支持体B−1
【0146】第一層(イエロー発色性乳剤層) 前記塩臭化銀乳剤 0.27 ゼラチン 1.36 イエローカプラー(ExY) 0.75 色像安定剤(Cpd−1) 0.02 色像安定剤(Cpd−2) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.46 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−3) 0.08 溶媒(Solv−7) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.25 溶媒(Solv−3) 0.25
【0147】第三層(マゼンタ発色性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの
大サイズ乳剤G1と、0.39μmの小サイズ乳剤G2
との6:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布の変
動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤と
もAgBr0.8モル%を塩化銀を基体とする粒子表面の一
部に局在含有させた)0.13 ゼラチン 1.45 マゼンタカプラー(ExM) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.15 色像安定剤(Cpd−1) 0.03 溶媒(Solv−3) 0.30 溶媒(Solv−4) 0.30 溶媒(Solv−5) 0.20 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.70 混色防止剤(Cpd−3) 0.04 溶媒(Solv−7) 0.01 溶媒(Solv−2) 0.18 溶媒(Solv−3) 0.18
【0148】第五層(シアン発色性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの
大サイズ乳剤R1と、0.45μmの小サイズ乳剤R2
との7:3混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布の変動
係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr0.
6モル%を塩化銀を基体となる粒子表面の一部に局在含
有させた)0.20 ゼラチン 0.85 シアンカプラー(ExC) 0.33 紫外線吸収剤(UV−2) 0.18 色像安定剤(Cpd−5) 0.01 色像安定剤(Cpd−6) 0.01 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.56 溶媒(Solv−1) 0.01 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.55 紫外線吸収剤(UV−1) 0.42 溶媒(Solv−5) 0.16 色像安定剤(Cpd−6) 0.02
【0149】第七層(保護層) ゼラチン 1.13 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度
17%) 0.10 流動パラフィン 0.03 色像安定剤(Cpd−8) 0.01 ここで使用した化合物を以下に示す。
【0150】
【化45】
【0151】
【化46】
【0152】
【化47】
【0153】
【化48】
【0154】
【化49】
【0155】
【化50】
【0156】
【化51】
【0157】
【化52】
【0158】このようにして得られた試料を試料101
とした。次に第10表に示すように各層の化合物の組成
及び支持体を変更し、試料102〜112を作製した。
【0159】
【表10】
【0160】各試料を25℃相対湿度55%の条件で1
4日間保存した後に以下の処理及び評価を行なった。ま
ず、試料106に感光計(富士写真フイルム株式会社
製、FWH型、光源の色温度3200°K)を使用し、
塗布銀量の約30%が現像されるようなグレイの露光を
与えた。露光の終了した試料を、ペーパー処理機を用い
て、次の処理工程および処理液組成の液を使用して、連
続処理を実施し、ランニング平衡状態の現像処理状態を
作製した。
【0161】 処理工程 温 度 時 間 補充液* タンク容量 カラー現像 35℃ 45 秒 100ml 5 リットル 漂白定着 30〜35℃ 45 秒 215ml 5 リットル リンス 30℃ 90 秒 350ml 5 リットル 乾 燥 70〜80℃ 60 秒 *補充量は感光材料1m2あたり
【0162】各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 タンク液 補充液 水 800 ml 800 ml エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメ チレンホスホン酸 1.5 g 2.0 g 臭化カリウム 0.015 g − トリエタノールアミン 8.0 g 12.0 g 塩化ナトリウム 1.4 g − 炭酸カリウム 25 g 25 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ ル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0 g 7.0 g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラジン 4.0 g 5.0 g N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン・ 1Na 4.0 g 5.0 g 蛍光増白剤(WHITEX 4B 、住友化学製) 1.0 g 2.0 g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH(25℃) 10.05 10.45
【0163】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ) 水 400 ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100 ml 亜硫酸ナトリウム 17 g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5 g 臭化アンモニウム 40 g 水を加えて 1000 ml pH(25℃) 6.0 リンス液(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm
以下)
【0164】次いで感光計(富士写真フイルム株式会社
製 FWH型)を用いて試料101〜112のそれぞれ
に対しセンシトメトリー用3色分解フィルターの階調露
光を与えた。露光済の試料を用い、上記処理工程におい
てリンスの時間を30秒に短縮し処理液成分の残存しや
すい処理を行なった。以上の方法により処理した各試料
について以下の方法により評価を行なった。 (イ)色素画像堅牢性 アンダーグラス屋外暴露台を使用し太陽光下で2ケ月間
退色試験し、初期濃度1.0の点の退色後の初期濃度に
対する相対残存濃度(D/D0 (%))を算出した。 (ロ)処理後ステイン上昇 処理後の試料を60℃相対湿度40%の条件で14日間
保存した後の白地の濃度上昇をX−rite310濃測計
(X−Rite社製)を用い測定した。評価結果を表10に
示す。表10の結果から本発明の重合体を含有する感光
材料は支持体の種類にかかわらず色素画像の堅牢性が改
良されることが判る。また重合体を使用しても本発明の
支持体を使用することで処理後のステイン上昇は抑制さ
れることが判る(試料102〜106)。
【0165】実施例2 実施例1の試料106において、表11の様に化合物と
支持体の種類を変更した感光材料201〜208を作製
した。各試料は、25℃相対湿度55%14日間と40
℃相対湿度55%30日間の2つの条件で保存し、保存
条件による性能差の評価に用いた。それぞれの試料に対
して、実施例1のランニング状態の処理液を用いて、リ
ンスの時間を20秒に短縮した処理を行なった。処理後
の試料を60℃相対湿度40%の条件で14日間保存し
た後の白地の濃度上昇をX−rite310濃測計(X−Ri
te社製)を用い測定した。評価結果を表11に示す。
【0166】
【表11】
【0167】表11の結果から、重合体を使用した感光
材料は本発明外の支持体を用いるとステインの上昇が大
きいが、本発明の支持体を用いることでステインの上昇
を抑制することができることがわかる。また、本発明の
ステインの発生を抑制する化合物を用いた場合には、本
発明の支持体を用いることで感光材料の保存条件によら
ずステインの上昇を抑制することができるが、本発明外
の支持体では感光材料の長期保存後にステインの上昇を
抑制することができないことがわかる。
【0168】実施例3 実施例2の試料203において、第1層及び第3層の組
成を以下の様に変更した試料301を作製した。
【0169】第一層(イエロー発色性乳剤層) 実施例2の塩臭化銀乳剤 0.25 ゼラチン 1.65 イエローカプラー(ExY−2) 0.68 色像安定剤(Cpd−1) 0.04 色像安定剤(Cpd−2) 0.15 重合体(例示化合物P−45) 0.25 溶媒(Solv−5) 0.34 溶媒(Solv−8) 0.34 色像安定剤(例示化合物ST−51) 0.01 色像安定剤(例示化合物ST−2) 0.04
【0170】第三層(マゼンタ発色性乳剤層) 実施例2の塩臭化銀乳剤 0.13 ゼラチン 1.45 マゼンタカプラー(ExM−2) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.15 色像安定剤(Cpd−1) 0.03 色像安定剤(ST−51) 0.01 色像安定剤(ST−52) 0.01 色像安定剤(ST−2) 0.08 溶媒(Solv−9) 0.30 溶媒(Solv−10) 0.30 紫外線吸収剤(UV−3) 0.16 重合体(P−127) 0.20
【0171】このようにして得られた試料301におい
て支持体をB2〜B6に変更した試料302〜306を
作製した。実施例1と同様の評価を行なったところ、い
っそうステインの少ないカラー写真感光材料が得られる
ことがわかった。
【0172】
【化53】
【0173】
【化54】
【0174】実施例4 実施例2で作製した感光材料について実施例1と下記の
露光を行なう以外同様の評価を行なった。得られた結果
は実施例1と同様であった。 (露光)光源として半導体レーザーGaAlAs(発振
波長、808.5nm)を励起光源としたYAG固体レー
ザー(発振波長、946nm)をKNbO3 のSHG結晶
により波長変換して取り出した473nm、半導体レーザ
ーGaAlAs(発振波長、808.7nm)を励起光源
としたYVO4 固体レーザー(発振波長、1064nm)
のをKTPのSHG結晶により波長変換して取り出した
532nm、AlGaInP(発振波長、約670nm:東
芝製 タイプNo. TOLD9211)を用いた。レーザ
ー光はそれぞれ回転多面体により、走査方向に対して垂
直方向に移動するカラー印画紙上に、順次走査露光でき
るような装置である。この装置を用いて、光量を変化さ
せて感光材料の濃度(D)と光量(E)との関係D− l
ogEを求めた。この際3つの波長のレーザー光は、外部
変調器を用いて光量を変調し、露光量を制御した。この
走査露光は400dpiで行いこの時の画素当たりの平
均露光時間は約5×10-8秒である。半導体レーザー
は、温度による光量変動を押さえるためにペルチェ素子
を使用して温度を一定に保った。
【0175】
【発明の効果】本発明に従えば、簡易迅速処理に適し、
処理後色素画像の堅牢性に優れ、しかも感材を長期間保
存した後に処理して得られたカラー写真を長期間保存し
てもステインの発生の抑制されたハロゲン化銀写真感光
材料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/08 7/26 7/392 A 7/407

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射支持体上に互いに感色性の異なる、
    イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカ
    プラー含有ハロゲン化銀乳剤層およびシアンカプラー含
    有ハロゲン化銀乳剤層と非感光層とからなる写真構成層
    を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該
    反射支持体がジカルボン酸とジオールから重縮合によっ
    て合成されたポリエステルを50重量%以上含む樹脂に
    白色顔料を混合分散した組成物を、基体の少なくとも乳
    剤塗布側表面に被覆せしめてなるものであり、且つ前記
    写真構成層の少なくとも一層に水不溶性重合体の少なく
    とも一種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。
  2. 【請求項2】 反射支持体のポリエステルがポリエチレ
    ンテレフタレートを主成分とするポリエステルであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
  3. 【請求項3】 反射支持体のポリエステルがテレフタル
    酸とイソフタル酸の混合物(モル比率9:1〜2:8)
    であるジカルボン酸とジオールから重縮合によって合成
    されたポリエステルであって、該ポリエステルに白色顔
    料を混合分散した組成物を基体の乳剤塗布側表面に被覆
    せしめてなり、他面に樹脂または樹脂に粉体を混合分散
    した組成物を被覆せしめた反射支持体であることを特徴
    とする請求項1のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 反射支持体のポリエステルが、テレフタ
    ル酸とナフタレンジカルボン酸の混合物(モル比率9:
    1〜2:8)であるジカルボン酸とジオール成分から縮
    合重合によって得られるポリエステルであって、該ポリ
    エステルに白色顔料を混合分散した組成物を基体の乳剤
    塗布側表面に被覆せしめてなり、他面に樹脂または樹脂
    に粉体を混合分散した組成物を被覆せしめた反射支持体
    であることを特徴とする請求項1のハロゲン化銀カラー
    写真感光材料。
  5. 【請求項5】 ジオールがエチレングリコールであるこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  6. 【請求項6】 反射支持体の白色顔料が酸化チタンであ
    り、ポリエステルを主成分とする樹脂との重量比率が1
    0/90(酸化チタン/樹脂)から40/60であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 写真構成層の少なくとも一層に、pH8
    以下の条件で芳香族第一級アミンカラー現像主薬と化学
    結合し実質的に無色の生成物を生ずる親油性化合物の少
    なくとも一種及び/又はpH8以下の条件で芳香族第一
    級アミンカラー現像主薬の酸化体と化学結合し実質的に
    無色の生成物を生ずる親油性化合物の少なくとも一種を
    含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載のハロゲン化銀カラー
    写真感光材料を1画素あたりの露光時間が10-4秒より
    短い走査露光方式で露光し、その後発色現像処理するこ
    とを特徴とするカラー画像形成方法。
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