JPH06250304A - 放射線写真要素及び画像形成集成体 - Google Patents

放射線写真要素及び画像形成集成体

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JPH06250304A
JPH06250304A JP6013519A JP1351994A JPH06250304A JP H06250304 A JPH06250304 A JP H06250304A JP 6013519 A JP6013519 A JP 6013519A JP 1351994 A JP1351994 A JP 1351994A JP H06250304 A JPH06250304 A JP H06250304A
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JP
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emulsion layer
silver halide
halide emulsion
layer units
contrast
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JP6013519A
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English (en)
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Robert E Dickerson
エドワード ディカーソン ロバート
Phillip C Bunch
カーター バンチ フィリップ
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C5/00Photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents
    • G03C5/16X-ray, infrared, or ultraviolet ray processes
    • G03C5/17X-ray, infrared, or ultraviolet ray processes using screens to intensify X-ray images
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C2200/00Details
    • G03C2200/58Sensitometric characteristics

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム支持体の両側に塗布したハロゲン化
銀乳剤層単位を有する放射線写真要素を開示する。 【構成】 該放射線写真要素は、露出中の増感紙による
クロスオーバーを最低レベルに低減するように構成され
ている。骨及び軟組織の両方を記録する際に使用するた
めの最低クロスオーバー放射線写真要素を作製するため
に、支持体の一方の側面上のハロゲン化銀乳剤層単位
が、支持体の反対側の別のハロゲン化銀乳剤層単位より
も優れたスピード及びコントラストを示すように選択さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線写真画像形成に
関する。より詳細には、本発明は、増感紙と組み合わせ
て使用されるタイプの二重塗布ハロゲン化銀放射線写真
要素に関する。放射線写真要素に適用される「二重塗
布」なる語は、乳剤層単位が支持体の両側の各々に塗布
せしめられていることを意味する。二重塗布放射性写真
要素に適用される「低クロスオーバー」なる語は、以下
により詳しく記載されるように測定したときに、画像形
成波長の範囲内でクロスオーバーが10%未満であること
を示す。
【0002】「センシトメトリー的に対称な」なる語
は、二重塗布放射性写真要素の両側の乳剤層単位が、同
様に露出されたときに同一の特性曲線を提供することを
意味する。「センシトメトリー的に非対称な」なる語
は、二重塗布放射性写真要素の両側の乳剤層単位が、同
様に露出されたときに実質的に異なる特性曲線を提供す
ることを意味する。
【0003】
【従来の技術】医用放射線撮影法では、X線を患者に照
射して、透明な(一般的には青みがかった)フィルム支
持体上に塗布された少なくとも1つの放射線感受性ハロ
ゲン化銀乳剤層を含有する放射線写真要素を用いて透過
X線のパターンを記録することにより、患者の組織及び
骨の構造の画像が形成される。歯科用画像形成及び体の
四肢の画像形成のように、限定された照射領域のみが必
要とされる場合には、X線を用いて乳剤層に直接記録で
きる。しかしながら、著しくX線照射線量を軽減するよ
り効率の良い手法は、放射線写真要素と組み合わせて増
感紙を使用することである。増感紙はX線を吸収し、そ
してハロゲン化銀乳剤がより容易に吸収する長波長の電
磁放射線を放射する。患者の照射線量を軽減するための
別の技法は、2つのハロゲン化銀乳剤層をフィルム支持
体の両面に塗布して「二重塗布」放射線写真要素を作製
することである。
【0004】診断的要望は、一組の増感紙と組み合わせ
て二重塗布放射線写真要素を使用することにより最低の
患者X線照射線量レベルで達成できる。支持体の各側の
ハロゲン化銀乳剤層単位は、入射X線の1〜2パーセン
トを直接吸収する。X線源に最も近い増感紙である前面
増感紙は、非常に高いパーセンテージのX線を吸収する
が、しかしそれでもなおX線源から最も遠い増感紙であ
る後面増感紙を感光させるのに充分なX線を透過する。
【0005】像様露光された二重塗布放射線写真要素
は、フィルム支持体の両側の2つのハロゲン化銀乳剤単
位の各々に潜像を含有する。処理することによって潜像
を銀画像に変換し、同時に現像されていないハロゲン化
銀を定着してフィルムを非感光性にする。フィルムをシ
ャウカステンに置くと、支持体の両側に重ね合わせた2
つの銀画像は、白色灯火背景に対して単一画像として観
察される。
【0006】上記増感紙と組み合わせて二重塗布放射線
写真要素を使用する場合に認められる技術的な問題点
は、各増感紙から放射される若干の光が透明なフィルム
支持体を通過して、光に対して支持体の反対側のハロゲ
ン化銀乳剤層単位を露光することである。支持体の反対
側の乳剤層単位を露光する、増感紙から放射される光
は、画像鮮鋭度を低減する。この作用は、当該技術分野
ではクロスオーバーと称される。
【0007】リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure), Vol. 184, 1979年8月,Item 18431, Se
ction V,クロスオーバー照射線量の調節(Cross-Over E
xposure Control)により具体的に示されるように、クロ
スオーバーを低減するための種々手法が提案されてき
た。リサーチ・ディスクロージャーは、Kenneth MasonP
ublications, Ltd., Dudley Annex, 21a North Street,
Emsworth, HampshireP010 7DQ, England より出版され
ている。これらの手法の幾つかがクロスオーバーを完全
に排除できるとはいえ、それらは、単一画像として支持
体の両側に重ね合わせた銀画像の同時観察を干渉(典型
的には完全に妨害)するか、又はクロスオーバー低減媒
体を排除する過程に銀画像の分離及び煩雑な手動再レジ
ストレーションを必要とするか、あるいはハロゲン化銀
乳剤を著しく減感する。結果として、これらのクロスオ
ーバー低減手法は、1つも放射線写真技術分野で常用さ
れてきていない。このタイプの最近のクロスオーバー矯
正教示の具体例は、Bollen他,ヨーロッパ特許出願公開
番号第 276,497号明細書であり、それは画像形成中に乳
剤層単位間に反射支持体を挟むものである。
【0008】画像の手動レジストレーションを行うこと
なく、透明なフィルム支持体を介して重ね合わせた銀画
像を観察することからなる技術により既に実現したクロ
スオーバー低減について最も成功した手法は、分光増感
された高アスペクト比平板状粒子乳剤もしくは薄い中間
アスペクト比平板状粒子乳剤(それぞれ、米国特許第4,
425,425号及び同第 4,425,426号明細書に具体的に示さ
れている)を含有する二重塗布放射線写真要素を使用す
るものである。Abbott他よりも以前には放射線写真要素
が少なくとも25パーセントのクロスオーバー・レベルを
典型的に示したのに対して、Abbott他は15〜22パーセン
トの範囲でクロスオーバーを低減する具体例を提供す
る。
【0009】更につい最近の米国特許第 4,803,150号明
細書(以下本明細書ではDickerson他Iと称される)
は、Abbott他の技法と、少なくとも1つの乳剤層単位と
透明なフィルム支持体の間に配置させた脱色可能な微晶
質色素の処理溶液とを組み合わせることにより「ゼロ」
クロスオーバー・レベルが実現できることを証明してい
る。クロスオーバーを測定するのに用いられる技法(二
重塗布放射線写真要素の片面増感紙露出)は、クロスオ
ーバーにより生じる増感紙から遠い支持体の側面上の乳
剤層単位の照射線量とX線の直接吸収により生じる照射
線量を区別することができないので、「ゼロ」クロスオ
ーバー放射線写真要素は、実際に5パーセント未満の実
測クロスオーバー(直接X線吸収を包含する)の放射線
写真要素に等しい。
【0010】米国特許第 4,900,652号明細書(以下本明
細書ではDickerson 他IIと称される)は、前記Dickerso
n 他Iの技法に加えて、乳剤への親水性コロイド塗布付
着量及び色素含有層を特別に選択して、脱色されたクロ
スオーバー低減性微晶質色素を用いて90秒間以内にドラ
イ・トウ・ザ・タッチ(dry to the touch) で従来の迅
速アクセスプロセッサから「ゼロ」クロスオーバー放射
線写真要素を作製するものである。
【0011】米国特許第 4,997,750号明細書(以下本明
細書ではDickerson 及びBunch Iと称される)は、支持
体の両側の乳剤層単位のスピードが異なる低クロスオー
バー二重塗布放射線写真要素を開示する。米国特許第
4,994,355号明細書(以下本明細書ではDickerson 及びB
unch IIと称される)は、支持体の両側の乳剤層単位の
コントラストが異なる低クロスオーバー二重塗布放射線
写真要素を開示する。
【0012】米国特許第 5,021,327号明細書は、一組の
増感紙と組合わさった低クロスオーバー二重塗布放射線
写真要素を開示する。後面乳剤層単位−増感紙の組み合
わせは、前面乳剤層単位−増感紙の組み合わせの2倍の
光透過度(photicity)を示す。光透過度(photicity)と
は、増感紙の発光及び乳剤層単位の感光度の結果であ
る。Dickerson 及びBunch I及びII並びにBunch 及びDi
ckerson は、支持体の一方の側面に高感度低コントラス
ト乳剤層単位を有し且つ支持体の反対側に低感度高コン
トラスト乳剤層単位を有する低クロスオーバー二重塗布
放射線写真要素を開示する。
【0013】Jebo他,Statutory Invention Registrati
on H1105は、支持体の両側にセンシトメトリー性質の異
なる乳剤層単位を有する低クロスオーバー二重塗布放射
線写真要素を開示する。特徴は、どの乳剤層単位が露出
中X線源の最も近くに配置されるのか確かめるために包
含される。米国特許第 5,108,881号明細書は、支持体の
一方の側面に塗布されたより高感度なハロゲン化銀乳剤
層単位が、支持体の反対側に塗布されたより低感度なハ
ロゲン化銀乳剤層単位よりも低いコントラストを示す、
低クロスオーバー放射線写真要素を開示する。
【0014】より低濃度でより高いコントラストの画像
を形成し、そしてより高濃度でより低いコントラストの
画像を形成する放射線写真要素が、Suzuki他,ヨーロッ
パ特許出願公開番号第 0 126 644号明細書及びベルギー
特許第 530,129号明細書により開示される。Suzuki他は
乳剤をブレンドしてこの結果を達成し、一方ベルギー特
許は支持体の両側に高及び低コントラスト乳剤を塗布す
ることを提案する。
【0015】視覚化を容易にするために、図2及び図3
の特性曲線を理想配置に従うように図示した。他のもの
から或る曲線を区別するために使用される上付き文字を
無視すると、A、B、C及びDの点は、曲線中の対応す
る参照点を示す。Aは、その点を越えて、更に照射線量
が増大すると濃度が増大する点である(即ち、Aは、得
られた最大濃度(Dmin )と一致する最高照射線量レベ
ルである)。曲線の線分A−Bは、各々の場合における
特性曲線の足である。特性曲線の足では、各照射線量の
対数の増加量に従って濃度の増加量が大きくなる。曲線
の線分B−Cは、直線として(即ち、各照射線量の対数
の増加量に対応する濃度増加量が得られる領域として)
示される。この領域では、コントラストもしくはγ、Δ
D/Δlog Eの比が、一定に存続する。実際には、特性
曲線の中間部分はかなり正確に直線状であり、平均コン
トラストを計算するのに用いられるΔD/Δlog E間隔
(インターバル)は、通常任意に選択された低及び高濃
度値の地点の特性曲線に基づいている。曲線の線分C−
Dは、特性曲線の肩である。この領域では、各照射線量
の対数の増加量に従って、先行する濃度よりも濃度の増
加量が小さくなる。D点をこえる照射線量では、濃度は
それ以上全く増加しない。従って、D点は最高濃度(D
max )である。骨(BONE)及び肉(FLESH )は、これら
の組織を透過する照射線量が、以下に詳細に記載される
照射線量仮定値に基づいて設定される一般的な位置を示
す。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】放射線写真画像形成で
は、毛細状の骨折及び柱(trabecular)の細部を拾い上
げるために骨組織の鮮鋭な画像が要求される。鮮鋭な骨
の画像を得るためには、比較的高いコントラストを必要
とする。
【0017】放射線写真画像において骨の周囲の軟組織
(以下本明細書では肉(flesh)と称する)を検査できる
ようにすることが強く望まれる場合が多い。単一の放射
線写真で骨及び肉の両方の画像形成を達成することは、
従来の放射線写真要素を用いても不可能ではないかもし
れないが、困難である。その理由は、フィルム照射線量
が骨画像形成に最適であるとき、フィルムは、照射され
るX線が肉のみを透過する領域では0.6 log E(多少患
者と患者との間で変動し易い)多い照射線量を受けるた
めである。骨の特徴を解像するためには比較的鮮鋭な画
像が要求されるが、単一の画像で骨及び肉の両方の特徴
を充分に捕らえるためのフィルム露光寛容度(exposure
latitude)を提供するにはコントラストレベルが高すぎ
る。換言すれば、従来の放射線写真画像は、一度適当に
露光した骨の画像を得ると、肉が存在していようと存在
していなかろうと、周囲の領域はすべて最大濃度もしく
はその近辺の濃度であり、従って非常に低いコントラス
トを記録する。周囲の肉は、標準ライトボックス照明下
では目視不可能又はかろうじて認知できる。
【0018】
【課題を解決するための手段】或る態様では、本発明
は、透明なフィルム支持体、フィルム支持体の両面に塗
布された第1及び第2ハロゲン化銀乳剤層単位、及びハ
ロゲン化銀乳剤層単位に潜像を形成せしめることができ
る 300nmよりも長波長の電磁放射線のクロスオーバーを
10パーセント未満に低減するための手段(該クロスオー
バー低減手段は、該乳剤層単位の処理中に30秒間以内に
脱色される)を含んでなる放射線写真要素に向けられて
いる。
【0019】放射線写真要素は、濃度 1.0で、該第1ハ
ロゲン化銀乳剤層単位が、該第2ハロゲン化銀乳剤層単
位よりも 0.3〜1.0 log E上回るスピードを示し、該第
1ハロゲン化銀乳剤層単位が、 2.0〜4.0 の範囲内のコ
ントラストを示し、そして該第2ハロゲン化銀乳剤層単
位が、 0.5〜1.7 の範囲内のコントラストを示すことを
特徴とする。
【0020】
【具体的な態様】本発明は、例えば、Dickerson 他I及
びIIに開示されるものを初めとする低クロスオーバー二
重塗布放射線写真要素についての改良を構成要素とす
る。前記文献の開示は、引用することにより本明細書に
組み入れられる。本発明の利点は、低クロスオーバーに
起因する画像鮮鋭度の改良に加えて、放射線写真要素が
骨の鮮鋭な画像及び減衰X線の性能が非常に低いことを
示す周囲の軟組織(即ち、肉)の有用な画像の両方を形
成することもできることである。
【0021】低クロスオーバー二重塗布放射線写真要素
の画像形成特性は、図1に示されるように評価できる。
図示される集成体では、低クロスオーバー二重塗布放射
線写真要素100は、一組の発光性増感紙201と20
2の間に置かれる。放射線写真要素支持体は、典型的に
は青みがかっていて、それに対して照射される光を透過
できる透明な放射線写真要素支持体101、及び任意
に、同様に透過性の下塗り単位103及び105を含ん
でなる。下塗り単位により形成される支持体上の第1及
び第2の向かい合った主表面107及び109は、それ
ぞれクロスオーバー低減性親水性コロイド層111及び
113である。クロスオーバー低減性層111及び11
3に上塗りされるものは、それぞれ光記録型潜像形成性
ハロゲン化銀乳剤層単位115及び117である。各乳
剤層単位は、少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を含
む1つ以上の親水性コロイド層から形成される。乳剤層
単位115及び117の上には、それぞれ親水性コロイ
ド保護オーバーコート層119及び121が任意に上塗
りされる。すべての親水性コロイド層が処理溶液に対し
て浸透性である。
【0022】使用に際して、集成体はX線に対して像様
露出される。X線は、主に増感紙201及び202によ
って吸収され、それはX線照射線量の直接関数として光
を即座に放射する。増感紙201により放射される光を
第1に考慮すると、光記録型潜像形成性乳剤層単位11
5は、この増感紙が放射する光を受け取るために、この
増感紙に隣接して置かれる。増感紙201が乳剤層単位
115に近接しているために、この層単位内に潜像形成
性の吸収が起こる前には、最小限の光散乱しか生じな
い。従って、増感紙201からの発光は乳剤層単位11
5内に鮮鋭な画像を形成させる。
【0023】しかしながら、増感紙201により放射さ
れるすべての光が乳剤層単位115中に吸収されるわけ
ではない。この残りの光は、他に吸収されない限り、遠
隔乳剤層単位117に到達して、非常に不鮮鋭な画像を
遠隔乳剤層単位に形成する。クロスオーバー低減性層1
11及び113の両者は、増感紙201と遠隔乳剤層単
位との間に挟まれており、この残りの光を遮蔽し減衰す
ることができる。それによって、これらの層は両方と
も、増感紙201により乳剤層単位117のクロスオー
バー照射線量の低減に寄与する。厳密に類似する方法で
は、増感紙202は、乳剤層単位117に鮮鋭な画像を
形成し、そして光吸収性層111及び113は、同様に
増感紙202による乳剤層単位115のクロスオーバー
照射線量を低減する。
【0024】蓄積(stored) 潜像を形成するための露出
に続いて、放射線写真要素 100を増感紙210及び20
2との提携を解除し、そして迅速アクセスプロセッサ、
即ち、90秒間以内にドライ・トウ・ザ・タッチ(dry to
the touch)で画像を担持する放射線写真要素を生成で
きるプロセッサ、例えば、RP-X-Omat (商標)プロセッ
サで処理する。迅速アクセスプロセッサは、米国特許第
3,545,971号明細書及びヨーロッパ特許出願公開番号第
248,390号明細書に具体的に説明されている。
【0025】本明細書で用いられる「低クロスオーバー
(low crossover)」なる語は、ハロゲン化銀乳剤層単位
に潜像を形成できる 300nmよりも長波長の電磁放射線の
クロスオーバーが10パーセント未満に低減されているこ
と意味する。上述のように、低クロスオーバーは、一部
分は乳剤層単位への光の吸収により、そして一部分はク
ロスオーバー低減手段として供給される層111及び1
13により達成される。乳剤層単位の像様露出中に長波
長の放射線の吸収能力を有することに加えて、重ね合わ
せた銀画像を観察する際に目に見える障害を全く存在さ
せないために、クロスオーバー低減手段は、処理中90秒
間以内に脱色される性能も有するべきである。
【0026】クロスオーバー低減手段は、クロスオーバ
ーを10パーセント未満に低減し、好ましくはクロスオー
バーを5パーセント未満に低減し、そして最適には3パ
ーセント未満に低減する。しかしながら、クロスオーバ
ー測定の便宜上、また言及されているクロスオーバー・
パーセントは、「偽クロスオーバー」、実際には直接X
線吸収の結果である見掛クロスオーバーを包含すること
を記憶しておいてもらいたい。即ち、より長波長の放射
線のクロスオーバーが完全に除去されるときでさえ、実
測クロスオーバーは、増感紙から最も離れた乳剤により
直接吸収されるX線に起因するものがまだ1〜2パーセ
ントの範囲内で存在するだろう。偽クロスオーバーを考
慮に入れると、5パーセント未満の実測クロスオーバー
を示すいずれかの放射線写真要素は、実際には「ゼロ・
クロスオーバー」放射線写真要素である。クロスオーバ
ー・パーセンテージは、米国特許第 4,425,425号及び同
第4,425,426号明細書に先に記載された方法により測定
される。
【0027】乳剤層単位間の照射線量クロスオーバーが
一度10パーセント未満に低減されると(即ち、低クロス
オーバー)、支持体の一側面上の乳剤層単位の露出応答
は、支持体の反対側の乳剤層の照射線量のレベルにより
ほんのわずかしか影響をうけない(即ち、実質的にそれ
からは独立している)。従って、X線に対する像様露出
中に、一方の乳剤層単位が前面増感紙の発光のみを記録
し、そして残りの乳剤層単位が後面増感紙の発光のみを
記録する、2つの独立した画像形成記録を形成すること
ができる。
【0028】歴史的に、放射線写真要素は、支持体の両
側の2つの乳剤層単位に同一センシトメトリー記録を作
製するように構成されてきた。この理由は、実用的な低
クロスオーバー放射線写真要素が上記Dickerson 他I及
びIIにより入手可能になるまで、両乳剤層単位が前面及
び後面の両方の増感紙により同様に露出された結果、二
重塗布放射線写真要素の両乳剤層単位が実質的に等しい
露光量を受けていたためである。
【0029】特定的な例解を提供するために、クロスオ
ーバー低減性層111及び113を排除することにより
高クロスオーバー放射線写真要素に変えた放射線要素1
00の挙動を考慮した。この場合には、乳剤層単位11
5及び117は、各々両増感紙201及び202により
露出される。図2を参照すると、典型的なオーバーオー
ル特性曲線A−B−C−Dが、高クロスオーバー二重塗
布放射線写真要素を露出することにより作成される。オ
ーバーオール特性曲線は、個々の乳剤層単位により作成
される2つの同じ特性曲線A′−B′−C′−D′の和
である。各乳剤層単位が両方の増感紙により露出され、
そのために実質的に等しい露光量を受けるので、前面及
び後面増感紙の発光強度を変化させたときでさえ、同様
の個々の特性曲線が作成される。
【0030】画像鮮鋭度は特性曲線で表される特徴では
ないので、低クロスオーバー・センシトメトリー的に対
称な放射線写真要素、例えば、同様の発光性を有する前
面及び後面増感紙201及び201を使用することを条
件として、同一乳剤層単位115及び117を有し且つ
クロスオーバー低減性層111及び113を有する放射
線写真要素100を代用することにより、同じオーバー
オール及び個々の乳剤層単位の特性曲線を作成できる。
【0031】図2では、骨画像形成に際して最適フィル
ム照射線量を示している、点Aと点Cの中間点を骨(BO
NE)と標示し、点A′と点C′の中間点を骨′(BON
E′)と標示する。骨は、支持体の両側の乳剤層単位に
より形成される合成骨画像を表し、一方骨′は、支持体
の両側の2つの同じ乳剤層単位の一方のみにより形成さ
れる骨画像を表す。高あるいは低クロスオーバーの二重
塗布放射線写真要素を用いて同じ特性曲線が得られると
はいえ、クロスオーバーによる不鮮鋭度が排除される訳
ではないが最低限であるために、低クロスオーバー放射
線写真要素はより鮮鋭な骨画像を形成する。
【0032】しかしながら、放射線写真要素のクロスオ
ーバー特性にかかわらず、図2に示される特性曲線はど
ちらも肉の有用な画像を提供しない。その理由は、肉を
介して露出されるフィルムの部分(それぞれ、オーバー
オール及び個々の特性曲線上で肉(FLESH)及び肉′(FL
ESH ′)と示される)は、それぞれの場合において、最
大濃度(点D及び点D′と示される)を提供するのに必
要とされる量を越える照射線量を受けるためである。換
言すれば、肉減衰を反映する若干の増加分によるフィル
ムの照射線量の低減は、点D及び点D′と示される点の
ものより低いレベルにフィルムの照射線量を低減するに
は不充分であり、その結果として、この増加分の照射線
量低減によっては全くフィルム濃度の低減は得られな
い。
【0033】各々先に記載されたDickerson 及びBunch
I及びII並びにBunch 及びDickerson には、低クロスオ
ーバー二重塗布放射線写真要素において低感度高コント
ラスト乳剤層単位と組み合わせて高感度低コントラスト
乳剤層単位を使用して、心臓の画像を得ると同時に鮮鋭
な肺の画像が得られることが教示されている。この組み
合わせは、鮮鋭な骨の画像を単独で又は肉画像と組み合
わせて形成する際には有用ではない。
【0034】低クロスオーバー二重塗布放射線写真要素
が、比較的高コントラスト乳剤層単位及び比較的低コン
トラスト乳剤層単位の組み合わせを用いることにより、
鮮鋭な骨の画像及び有用な肉の画像を形成するように構
成できることが、本発明の発見である。これは、比較的
高コントラスト乳剤層単位が、比較的低コントラスト乳
剤層単位よりも高い写真スピードを示し、そして各乳剤
層単位のコントラスト及び乳剤層単位間のスピードの差
が以下に詳細に検討される実行可能な限定範囲内に維持
されていることを要する。
【0035】本発明の低クロスオーバー二重塗布放射線
写真要素の骨及び肉の画像形成能力は、図3に参照され
るように評価できる。図3では、本発明の放射線写真要
素のオーバーオール特性曲線AT −BT −CT −D
T は、点DT が特性曲線の最高濃度点ではないことを除
いて、オーバーオール特性曲線A−B−C−Dと同様の
ものである。曲線A−B−C−Dについては、最適骨照
射線量は点BT −CT 間の中間点のままであり、図2に
示されるように、低クロスオーバー放射線写真要素では
同様に鮮鋭な骨の画像を得ることが可能である。しかし
ながら、肉照射線量の点は、ここで、充分なコントラス
ト(即ち、ΔD/ΔE)を示す特性曲線の部分に配置さ
れる。肉の画像が骨の画像よりも低いコントラストの特
性曲線部分にあるために、肉の画像はあまり鮮鋭ではな
い。放射線科医の観点から、鮮鋭な画像が大量の高周波
数ノイズ含有物も含むことは、画像から正確な骨の診断
を得ようと試みる際に判断を狂わせるため、これは利点
である。放射線科医には、圧倒的多数の骨の診断におい
て要求される正確な情報、先鋭な骨の画像、並びにその
すべてが極めて細部にわたるものではないが、周囲の肉
の一般的な配置及び濃度を示す周囲の肉の観察が提供さ
れる。
【0036】特性曲線AT −BT −CT −DT は、本発
明の低クロスオーバー放射線写真要素の支持体の一側面
上の比較的高コントラスト乳剤層単位及び支持体の反対
側の比較的低コントラスト乳剤層単位により作成される
個々の特性曲線AH −BH −CH −DH 及びAL −BL
の合成である。特性曲線AH −BH −CH −DH は、上
記曲線A−B−C−D及びA′−B′−C′−D′と質
的に同様である。理想の骨H 照射線量レベルが点BH
H 間の中間点のままであり、最高濃度照射線量レベル
H を越える肉H 照射線量レベルが得られることに注目
されたい。
【0037】特性曲線AL −BL は、個々の乳剤層単位
の特性曲線A′−B′−C′−D′及びAH −BH −C
H −DH とは著しく異なる。特性曲線AL −BL 上の骨
L の配置は、点AL よりも低い照射線量レベルであり、
不充分な照射線量を受けて有用な骨L 画像を形成するこ
とを示している。一方、肉L 画像は、有用な画像形成を
行うのに充分なコントラストを示す特性曲線の部分上の
点BL の右側にある。図3では、曲線AL −BL の肩部
分に到達するまで患者の照射線量を伸長せしめることあ
りえないため、曲線AL −BL は、曲線の肩部分を示す
ところまでは伸長されていない。
【0038】図3に示されるように、低コントラスト曲
線は、骨T 画像形成には全く寄与しないと同時に、高コ
ントラスト曲線は、肉T 画像形成には全く寄与しない。
実際に、低コントラスト曲線が骨T 画像形成に幾らか寄
与するかもしれないとはいえ、これはそれの主要な画像
形成役割ではなく、同時に高コントラスト曲線が肉T
像形成に幾らか寄与するかもしれないとはいえ、またこ
れもそれの主要な画像形成役割ではなく、且つその肉T
画像形成への寄与はそれに役立たせるには小さすぎるこ
とが認められる。
【0039】ほとんどのヒトの画像形成被写体について
の実際的な画像形成要件を満たすことのできる特性曲線
T −BT −CT −DT の所望の形を実現するために
は、スピード及びコントラストの所定の関係を本発明の
低クロスオーバー二重塗布放射線写真要素の個々の乳剤
層単位に導入することが重要である。
【0040】従来の二重塗布放射線写真要素はセンシト
メトリー的に対称である。従って、単一乳剤層単位にお
けるセンシトメトリー測定よりも二重塗布要素における
センシトメトリー測定を行うことの方が慣習的である。
慣習的な測定と比較して本発明のセンシトメトリー・パ
ラメーターを維持するために、従来の透明な(一般的に
は青みがかっている)フィルム支持体の両側に測定しよ
うとする乳剤層単位を塗布し、そしてフィルム支持体に
よる多少の濃度増加分(典型的には0.24未満)を含む基
準オーバーオール濃度 1.0でスピード及びコントラスト
を測定することにより、個々の乳剤層単位スピード及び
コントラストが測定される。これは、当業者らが、二重
塗布放射線写真要素を特徴付ける際に慣習的に使用され
るものに対して列挙される数値パラメーターを容易に比
較することを可能にする。特定の具体的な乳剤層単位に
ついての濃度対 logEの種々プロットでは、各曲線は一
組の同一乳剤層単位よりはむしろ単一乳剤層単位を表す
ので、これは、より容易に視覚的に評価しようとするオ
ーバーオール特性曲線に対する各乳剤層単位の寄与を可
能にする。
【0041】平均的には、骨を透過するX線を受ける領
域及び肉のみを透過するX線を受ける領域における放射
線写真の照射線量には、 0.6 logEの照射線量の差が存
在する。患者について、患者間の変動並びに解剖学的変
動が存在するため、高感度乳剤層単位と低感度乳剤層単
位との間におけるスピードの差が 0.3〜1.0 logE、好
ましくは 0.4〜0.8 logEの範囲内であると一般的には
考えられる。
【0042】高感度高コントラスト乳剤層単位は、 2.0
〜4.0 、好ましくは 2.5〜3.5 の範囲内のコントラスト
を有すると考えられ、一方低感度低コントラスト乳剤層
単位は、 0.5〜1.7 、好ましくは 0.7〜1.5 の範囲内の
コントラストを有すると考えられる。本明細書で使用さ
れる「コントラスト」なる語は、基準濃度 1.0における
特性曲線の傾斜であり、濃度範囲にわたるコントラスト
の平均値ではない。
【0043】前記特徴とは別に、本発明の放射線写真要
素は、いずれか都合のよい伝統的な形状を取ることがで
きる。特徴及び特徴の詳細については、Dickerson 他I
及びII、Dickerson 及びBunch I及びII並びにBunch 及
びDickerson に開示されるものになるべく対応させて特
に検討したわけではない。それらの文献は先に引用する
ことにより組み入れられる。
【0044】図2及び図3の特性曲線は、実際の乳剤の
測定により作成される特性曲線としてよりも、従来技術
及び本発明の特徴を充分に視覚化するための補助として
提供したものであり、そこでは、不適当である支持体の
濃度はゼロの値を与え、そして各乳剤層単位の最低濃度
は視覚化を容易にするために拡大した。実際の測定に基
づく図4の具体的な特性曲線では、示される最低濃度は
従来の青みがかった透明なフィルム支持体の濃度に主と
して起因しており、一方各々の場合の個々の乳剤層単位
の最低濃度はプロッティング精度の限界を下回った。
【0045】
【実施例】本発明は、以下の特定の実施例についてより
良く評価できる。増感紙 以下の増感紙を使用した。
【0046】増感紙Y この増感紙は、市販の汎用増感紙の組成物及び構造に対
応する組成物及び構造を有する。それは、蛍リン光体対
バインダーを15:1の割合で、総蛍リン光体付着量 7.0g/
dm2 で、Permuthane(商標)ポリウレタンバインダー中
に含ませて白色着色ポリエステル支持体上に塗布され
た、メジアン粒子サイズ 5.9μmのテルビウム活性化ガ
ドリニウム酸硫化物蛍リン光体から成る。
【0047】増感紙Z この増感紙は、市販の高解像度増感紙の組成物及び構造
に対応する組成物及び構造を有する。それは、0.0015%
炭素を含有し、蛍リン光体対バインダーを21:1の割合
で、総蛍リン光体付着量 3.4g/dm2 で、Permuthane(商
標)ポリウレタンバインダー中に含ませて青みがかった
透明なポリエステル支持体上に塗布された、メジアン粒
子サイズ5μmのテルビウム活性化ガドリニウム酸硫化
物蛍リン光体を含む。
【0048】増感紙発光 増感紙の 370nmよりも長波長の電磁放射線の相対的な発
光を測定すると以下の通りであった。 増感紙Y= 230 増感紙Z= 100 増感紙は、 300〜370nm 間の波長ではあまり充分な発光
を示さなかった。
【0049】XRD 6(商標)ジェネレータ中のタン
グステン標的X線源を用いて、各増感紙のX線応答を得
た。X線管を70 kVp及び30mAで操作し、そしてX線管か
らのX線が増感紙に到達する前にそれを 0.5mm Cu及び
1mm Alフィルターを介して濾過した。
【0050】計測器(Instruments) SA model HR-320
(商標)格子分光写真器と連結したPrinceton Applied
Research model 1422/01(商標)増強ダイオード・アレ
イ検出器(intensified diode array detector) により
放射された光を検出した。この計測器を、2nm(最大値
の半値での全幅)よりも良好な解像度で 0.5nm%以内に
校正した。Watts/nm/cm2に正比例する不定強度スケール
を与える2つのトレーサ可能な (traceable)アメリカ国
立標準局( National Bureau of Standards )の供給源
を用いて強度校正を行った。この領域範囲内のすべての
データ点を加えて、領域の帯域幅を掛けることにより、
Princeton Applied Research model 1460 OMA III (商
標)光学的マルチチャネル波高分析器で 250〜700nm の
総集積発光強度を計算した。各増感紙の発光を増感紙Z
の発光で割って 100を掛けることにより、実測発光レベ
ルを相対発光レベルに変換した。
【0051】放射線写真露出 一組の増感紙の間にサンドイッチされた二重塗布放射線
写真要素から成る集成体を、各場合において以下のよう
に露出した。A.G. Haus, K. Rossman, C. Vyborny, P.
B. Hoffer及びK. Doi, 「診断放射線医学、放射線療法
及び核医学におけるセンシトメトリー(Sensitometery
in Diagnostic Radiology, Radiation Therapy, and Nu
clear Medicine) 」,J. Appl.Photog. Eng., vol.3,
114〜124 ページ(1977)に記載されるタイプの強度スケ
ールX線センシトメーターを用いて集成体を露出した。
露出条件は以下のとおりであった:X線 80 kVp (一定
ポテンシャル),ベリリウム3mm+銅 0.5mm+アルミニ
ウム 2.2mmから成る全濾過;アルムニウム半値層 7.5m
m;露出 1.5mAで0.11秒間。
【0052】処理方法 以下のように、市販のKodak RP X-Omat (Model 6AW)
(商標)迅速アクセスプロセッサでフィルムを90秒間処
理した。 現像 20秒間 35℃、 定着 12秒間 35℃、 洗浄 8秒間 35℃、及び 乾燥 20秒間 65℃、 ここで、残りの時間は処理工程間を移動する際に費やさ
れる。
【0053】現像工程では、以下の現像液を使用した。 ヒドロキノン 30 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.5 g KOH 21 g NaHCO3 7.5 g K2SO3 44.2 g Na2S2O5 12.6 g NaBr 35 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06 g グルタルアルデヒド 4.9 g 水を加えて1リットルにし、pH10.0に調製した。
【0054】そして定着工程では以下の定着組成物を使
用した。 チオ硫酸アンモニウム,60% 260.0 g 重亜硫酸ナトリウム 180.0 g ホウ酸 25.0 g 酢酸 10.0 g 硫酸アルミニウム 8.0 g 水を加えて1リットルにし、pH 3.9〜4.5 に調製した。
【0055】センシトメトリー 光学濃度を、ANSI標準pH2.19に校正され且つアメリカ国
立標準局の校正段階タブレットをトレーサ可能であるX
-rite Model 310 (商標)濃度計により測定したものと
して拡散濃度によって表した。処理した各放射線写真要
素について特性曲線(濃度対 logE)をプロットした。
各々の場合における平均コントラストを、最低濃度を0.
25及び 2.0越える濃度における特性曲線より求めた。
【0056】要素EX(実施例)(Em.FHC) LXOA (Em.S
LC) 放射線写真要素EXは、ゼロに近いクロスオーバーを示
す二重塗布放射線写真要素であった。放射線写真要素E
Xは、クロスオーバー調節色素 220mg/m2 を含有するゼ
ラチン( 1.6g/m2)からなるクロスオーバー低減層を各
側面に塗布した青みがかった透明なポリエステルフィル
ム支持体からなる低クロスオーバー支持体複合体(LX
O)を構成したものであった。
【0057】低感度低コントラスト(SLC)及び高感
度高コントラスト(FHC)乳剤層を、クロスオーバー
低減性層とは反対側の支持体側面上に塗布した。両乳剤
とも、緑色増感高アスペクト比平板状粒子臭化銀乳剤で
あった。ここで、「高アスペクト比」なる語は、総粒子
投影面積の少なくとも50パーセントが、厚さ 0.3μm未
満且つ平均アスペクト比8:1以上である平板状粒子に
より占められていることを要件とすると、米国特許第
4,425,425号明細書に定義されるように使用される。低
感度低コントラスト乳剤は、平均粒子直径 2.0μm及び
平均粒子厚さ0.13μmを示す第1乳剤並びに平均粒子直
径 1.2μm及び平均粒子厚さ0.13μmを示す第2乳剤の
1:1(銀の割合)ブレンドであった。高感度高コント
ラスト乳剤は、平均粒子直径 2.4μm及び平均粒子厚さ
0.12μmを示した。高感度高コントラスト乳剤は、厚さ
及び直径の両方の変動係数が10%未満を示すように単分
散されたものであった。高感度高コントラスト及び低感
度低コントラストの両乳剤を、アンヒドロ−5,5−ジ
クロロ−9−エチル−3,3′−ビス(3−スルホプロ
ピル)オキサカルボシアニンヒドロキシド 400mg/Ag1
モルで、続いてヨウ化カリウム 300mg/Ag1モルで分光
増感した。低感度低コントラスト乳剤を、銀付着量 1.6
g/m2及びゼラチン付着量 3.3g/m2で塗布した。高感度高
コントラスト乳剤を、銀付着量 2.2g/m2及びゼラチン付
着量 3.3g/m2で塗布した。保護ゼラチン層( 0.7g/m2
を乳剤層の上に塗布した。安全光条件下でそれぞれの側
の視覚同定を提供するために、赤色吸収性色素(44mg/m
2 )を高コントラスト側の保護オーバーコートに添加し
た。各ゼラチン含有層を、総ゼラチン1%でビス(ビニ
ルスルホニルメチル)エーテルを用いて硬化した。
【0058】要素EXを米国特許第 4,425,425号明細書
に記載されるようにクロスオーバーについて試験したと
き、それは2%のクロスオーバーを示した。前面増感紙
として使用した増感紙Zにより要素EXの乳剤FHCを
露出し、そして後面増感紙として使用した増感紙Yによ
り乳剤SLCを露出したとき、図4に示されるような個
々の及び合計した特性曲線が得られた。図4では、FH
Cは前面増感紙−乳剤層単位の組み合わせを表し、SL
Cは後面増感紙−乳剤層単位の組み合わせを表し、そし
てEXはオーバーオール特性曲線を表す。骨照射線量が
だいたい 1.0〜1.4 の相対 log照射線量(relative log
exposure)範囲に出現したが、有用な肉照射線量は 2.4
相対 log照射線量以上に伸びたことに注目されたい。従
って、要素EXは、骨組織の鮮鋭な画像及び周囲軟組織
の有用な画像を入手する性能を有する。FHC乳剤層単
位の照射線量について優れた増感紙を選択する目的は、
骨組織を記録することを目的とする領域において最高に
実用的な画像ディテール及び鮮鋭度を得ることであり、
一方周囲軟組織の優れた画像ディテールは放射線科医ら
により探究又は所望されていないので、SLC乳剤層単
位と共に使用するために中間増感紙が選択された。
【0059】対称的ではあるが上記のように支持体の両
側に乳剤SLCを塗布して乳剤FHCを省く場合には、
一組の増感紙Yを用いると、乳剤SLCはコントラスト
1.7、オーバーオール濃度 1.0を示す。同様に、乳剤S
LCを省いて乳剤FHCを対称的に塗布する場合には、
乳剤FHCはコントラスト 2.9、オーバーオール濃度1.
0を示す。オーバーオール濃度 1.0における2つの塗膜
のスピード差は、 0.7logEである。
【0060】要素C(対照)(Em.FHC) HXOA (Em.SLC) 本発明の利点を更に具体的に説明するために、対照放射
線写真要素を、クロスオーバー調節色素を省いたことを
除いて、上記要素EXと同様に構成した。要素C及びE
Xを上記と同様に露出して処理すると、要素EXが非常
に有用な照射線量の動的範囲を示し、骨画像が得られる
濃度範囲 1.0〜1.4 でより高いコントラストを示すこと
が認められた。動的範囲が最小限の骨濃度(1.0)と最大
限の肉濃度(3.0)の間の照射線量レベルの差として取ら
れる場合には、要素EXは要素Cよりも0.36 logE大き
い照射線量範囲を示す。換言すれば、特定の被写体につ
いて最適化された骨濃度照射線量を用いるときに、区別
することが困難であるような高い濃度で肉画像特性が記
録されることは、要素EXを用いたときにはなさそうで
ある。限界値で実施する代わりに、理想骨画像濃度が少
なくとも 1.2であり且つ理想的な肉画像特性が濃度 2.4
以下で示されると仮定すると、要素Cはこれらの限界値
間に0.58 logEのみ制限露光寛容度を提供し、一方要素
EXは非常に大きな動的寛容度0.86 logEを提供する。
これは、放射線科医が要素Cを用いるときよりも要素E
Xを用いる方が理想的な濃度レベル付近で骨及び肉の両
方の画像を得られる可能性が高いことを意味する。更
に、要素EXを用いてより高いコントラストの骨の画像
が得られる。
【0061】
【発明の効果】本発明は、骨組織の鮮鋭な画像形成を最
適にし、同時に機能的に役立つ周囲の肉の画像が得られ
る、低クロスオーバー放射線写真要素の鮮鋭な画像形成
利点を示す放射線写真要素を提供するという目的を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2つの増感紙間にサンドイッチされた
低クロスオーバー放射線写真要素からなる集成体の略図
である。
【図2】図2は、従来のセンシトメトリー的に対称な二
重塗布放射線写真要素のセンシトメトリー的オーバーオ
ール特性曲線及び放射線写真要素を形成する2つの個々
の同一乳剤層単位の各々の特性曲線を図示するものであ
る。
【図3】図3は、本発明に従うセンシトメトリー的に非
対称な低クロスオーバー二重塗布放射線写真要素のセン
シトメトリー的オーバーオール特性曲線及びそれらの増
感紙照射線量により位置づけられた個々の乳剤層単位の
特性曲線を図示するものである。
【図4】図4は、本発明に従う具体的な放射線写真要素
のオーバーオール及び個々の乳剤層単位の特性曲線を図
示するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なフィルム支持体、 フィルム支持体の両面に塗布された前面及び後面ハロゲ
    ン化銀乳剤層単位、及びハロゲン化銀乳剤層単位に潜像
    を形成せしめることができる 300nmよりも長波長の電磁
    放射線のクロスオーバーを10パーセント未満に低減する
    ための手段(該クロスオーバー低減手段は、該乳剤層単
    位の処理中に30秒間以内に脱色される)、を含んでな
    る、後面増感紙と比較的高い解像度の前面増感紙との間
    でX線に対して露出したときに、比較的鮮鋭な骨の画像
    及び周囲組織の有用な画像を形成するための放射線写真
    要素であって、 濃度 1.0で、 該前面ハロゲン化銀乳剤層単位が、該第2ハロゲン化銀
    乳剤層単位よりも 0.3〜1.0 log E上回るスピードを示
    し、 該前面ハロゲン化銀乳剤層単位が、 2.0〜4.0 の範囲内
    のコントラストを示し、そして該後面ハロゲン化銀乳剤
    層単位が、 0.5〜1.7 の範囲内のコントラストを示す
    (前面ハロゲン化銀乳剤層単位のスピード及びコントラ
    ストは、透明な支持体の両側に存在する前面ハロゲン化
    銀乳剤層単位に対応するハロゲン化銀乳剤層単位を配置
    するために、第2ハロゲン化銀乳剤層単位の代わりに前
    面ハロゲン化銀乳剤層単位を用いて測定され、そして後
    面ハロゲン化銀乳剤層単位のスピード及びコントラスト
    は、透明な支持体の両側に存在する後面ハロゲン化銀乳
    剤層単位に対応するハロゲン化銀乳剤層単位を配置する
    ために、第1ハロゲン化銀乳剤層単位の代わりに後面ハ
    ロゲン化銀乳剤層単位を用いて測定される)放射線写真
    要素。
  2. 【請求項2】 前面増感紙が後面増感紙よりも比較的高
    い解像度を示す前面及び後面を一組とする増感紙、並び
    に透明なフィルム支持体、 フィルム支持体の両面に塗布された前面及び後面ハロゲ
    ン化銀乳剤層単位、及びハロゲン化銀乳剤層単位に潜像
    を形成せしめることができる 300nmよりも長波長の電磁
    放射線のクロスオーバーを10パーセント未満に低減する
    ための手段(該クロスオーバー低減手段は、該乳剤層単
    位の処理中に30秒間以内に脱色される)、を含んでなる
    要素、から構成される、X線に対して露出したときに、
    比較的鮮鋭な骨の画像及び周囲組織の有用な画像を形成
    するための画像形成集成体であって、 濃度 1.0で、 該前面ハロゲン化銀乳剤層単位が、該第2ハロゲン化銀
    乳剤層単位よりも 0.3〜1.0 log E上回るスピードを示
    し、 該前面ハロゲン化銀乳剤層単位が、 2.0〜4.0 の範囲内
    のコントラストを示し、そして該後面ハロゲン化銀乳剤
    層単位が、 0.5〜1.7 の範囲内のコントラストを示す
    (前面ハロゲン化銀乳剤層単位のスピード及びコントラ
    ストは、透明な支持体の両側に存在する同一ハロゲン化
    銀乳剤層単位を配置するために、後面ハロゲン化銀乳剤
    層単位の代わりに前面ハロゲン化銀乳剤層単位を用いて
    測定され、そして後面ハロゲン化銀乳剤層単位のスピー
    ド及びコントラストは、透明な支持体の両側に存在する
    同一ハロゲン化銀乳剤層単位を配置するために、前面ハ
    ロゲン化銀乳剤層単位の代わりに後面ハロゲン化銀乳剤
    層単位を用いて測定される)画像形成集成体。
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