JPH0624A - 脱穀装置の選別部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扱室からの処理物を駆動揺動に伴って搬送選
別する揺動選別けースに、多数のチャフプレートを処理
物搬送方向に並設してなるチャフシーブを設け、チャフ
プレートの傾斜角度を変更する目合い調節手段を設けた
脱穀装置において、チャフシーブでの処理物の詰まりを
効果的に防止できるように、しかも、そのための構成を
極めて簡単かつ安価に改良できるものに工夫する。 【構成】 目あい調節手段を形成するに、調節操作部と
チャフプレート３４をリンク機構４１で連結するととも
に、揺動選別ケース１６の揺動に伴ってチャフプレート
３４が調節操作部を反力点として小ストロークで往復揺
動される状態にリンク機構４１を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、扱室からの処理物を駆
動揺動に伴って搬送選別する揺動選別ケースに、多数の
チャフプレートを処理物搬送方向に並設したチャフシー
ブを設け、チャフプレートの傾斜角度を変更する目あい
調節手段を設けた脱穀装置の選別部に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、チャフシーブの目あい調節手段と
しては、例えば特開平２−１３５０２４号公報に示され
るように、脱穀装置外部に設けた駆動機構とチャフシー
ブとをレリーズワイヤーで連係して、チヤフプレートの
傾斜角度を設定角度に固定した状態でチャフシーブを揺
動選別ケースの他の構成体と一体的に駆動揺動するよう
に構成していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、早朝や雨後に
収穫した穀稈を対象とする場合のように処理物の濡れが
酷い場合、チャフプレートを一定の傾斜角度に固定して
揺動させるだけでは、処理物付着によってチャフプレー
トの隙間が詰まり、穀粒の落下が阻止され、穀粒回収効
率が低下しやすく、選別性能向上の面から一層の改良の
余地があった。本発明の目的は、たとえ処理物の濡れが
酷い場合でもチャフシーブでの処理物の詰まりを効果的
に防止できるように、しかも、そのための構成を簡単か
つ安価に改良できるものに工夫する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、扱
室からの処理物を駆動揺動に伴って搬送選別する揺動選
別ケースに、多数のチャフプレートを処理物搬送方向に
並設したチャフシーブをを設け、チャフプレートの傾斜
角度を変更する目あい調節手段を設けた脱穀装置におい
て、目あい調節手段を形成するに、調節操作部とチャフ
プレートをリンク機構で連結するとともに、揺動選別ケ
ースの揺動に伴ってチャフプレートが調節操作部を反力
点として小ストロークで往復揺動される状態にリンク機
構を形成したことにある。

【０００５】

【作用】つまり、処理物の性状に見合ってチャフプレー
トへの処理物付着が生じにくいようにチャフシーブの目
あいを調節するばかりでなく、揺動選別ケースの揺動に
伴ってチャフプレートを傾斜角度変更するように強制的
に小ストロークで往復揺動させることによって、一段と
処理物がチャフシーブに付着しにくいように、かつ、付
着した処理物がチャフシーブから剥離しやすいようにで
き、たとえ酷く濡れた処理物であっても処理物付着に起
因するチャフシーブの詰まりをより信頼性の高い状態で
防止でき、穀粒回収効率を十分かつ確実に向上できる。
その上、本来備えられた目あい調節手段において、調節
操作部とチャフプレートをリンク機構で連結するだけ
の、つまり従来のレリーズワイヤーに代えてリンク式機
構を設けるだけであるから、例えばチャフシーブを独立
的に小ストロークで往復揺動させる専用の駆動機構を別
途備える場合に比較して簡単で安価な改造で済み、製作
面やコスト面においても有利である。

【０００６】

【発明の効果】その結果、早朝や雨後などの濡れた穀稈
を処理対象にしてもチャフシーブでの処理物の詰まりを
極めて信頼性の高い状態で防止でき、しかも改良を容易
かつ安価に実行できる、収穫条件制約面、選別性能、製
作面、経済性の全てにおいて一段と優れた脱穀装置を提
供できるようになった。

【０００７】

【実施例】図１に示すように、クローラ式走行装置１を
備えた走行車体の前部に、刈取部２を油圧シリンダ３に
よる支軸４周りでの揺動で昇降操作自在に設け、刈取部
２に植立穀稈引起こし装置５、刈刃６、刈取穀稈を脱穀
装置７に送る搬送装置８を設け、刈取部２からの穀稈を
後方に搬送しながら脱穀装置７内に供給するフィードチ
ェーン９を設け、脱穀装置７で脱穀選別された１番物
（穀粒）を回収する袋詰め用のホッパー１１を脱穀装置
７の横側に配置し、ホッパー１１の前に搭乗運転部１２
を配置して、自脱型コンバインを構成してある。

【０００８】脱穀装置７を図２に示すように構成してあ
る。つまり、扱室１３内に扱胴１４を機体前後方向の横
向き軸芯周りで駆動回転自在に設け、扱室１３の下部に
沿って配備した受網１５を樹脂で多孔板状に一体形成し
て、受網１５へのササリ籾や濡れた処理物が付着しにく
いように構成してある。扱室１３の下方から後方に亘っ
て設けた選別部１０には揺動選別ケース１６、風選用唐
箕１７、１番物回収用スクリューコンベア１９、２番物
回収用スクリューコンベア２０、扱室１３終端から送り
出された処理物をほぐして混入するササリ籾を回収する
拡散胴２１、選別部１０内の浮塵を吸引排出する排風機
２２を設け、受網１５を漏下した処理物および扱室１３
終端から送り出された処理物を揺動選別ケース１６によ
り後方に搬送しながら篩い選別および風選処理するとと
もに、穀粒を１番物回収用スクリューコンベア１９とス
クリュー式の揚送コンベア２３によりホッパー１１に送
り込み、選別不十分な２番物を２番物回収用スクリュー
コンベア２０とスクリュー式の還元コンベア２４により
揺動選別ケース１６の前部に戻して再選別すように構成
してある。偏心クランク機構２５によって前後に往復揺
動される揺動選別ケース１６にグレンパン２６、その後
側に連なる粗選別用のチャフシーブ２７、その下方に位
置する精選別用のグレンパン２８とグレンシーブ２９、
扱室１３の送塵口３０からの処理物を受けるグレンパン
３１付のストローラック３２、チャフシーブ２７の後側
に連なるストローラック３３を設けてある。

【０００９】チャフシーブ２７は、後ろ上がりに傾斜す
る多数のチャフプレート３４を処理物搬送方向に並設
し、各チャフプレート３４の上部を支軸３５周りで傾斜
角度変更自在に揺動選別ケース１６の側板に取付けると
ともに、各チャフプレート３４の下部を連結具２３で枢
支連結して、この連結具２３前後に位置変更することで
各チャフプレート３４を一体的に角度変更するべく構成
してあり、このチャフプレート３４の傾斜角度を変更す
る目合い調節手段を次のように構成してある。目あい調
節手段を形成するに、電動モータ３６によって正逆に揺
動調節されるギヤ部材３７を脱穀装置７の適所に軸支設
置するとともに、このギヤ部材３７と一体に揺動するア
ーム３８と前記連結具２３とを、ロッド３９、支軸３５
ａ周りで前後に揺動可能な揺動アーム４０等からなるリ
ンク機構４１で連動連結し、ギヤ部材３７の揺動調節量
に応じてチャフプレート３４の傾斜角度を変更できるよ
うに構成してある。この構成によると、チャフシーブ２
７の目合いを任意に調節した状態で揺動選別ケース１６
が前後に揺動駆動されることに連動して、調節操作部と
しての前記アーム３８が反力点となってリンク機構４１
が相対的に作動して連結具２３が小ストロークで前後に
変位され、アーム３８によって調節した値を基準として
各チャフプレート３４の傾斜角度が細かく繰り返し変化
し、チャフシーブ２７での詰まり発生が抑制される。

【００１０】又、グレンシーブ２９を上部グレンシーブ
２９ａと下部グレンシーブ２９ｂで形成し、上部グレン
シーブ２９ａを前後に往復摺動自在に揺動選別ケース１
６に取付け、下部グレンシーブ２９ｂを揺動選別ケース
１６に固定するとともに、前記揺動アーム３８の中間を
上部グレンシーブ２９ａに連動連結し、揺動アーム４０
を後方に揺動させてチャフプレート３４の傾斜角度を大
きくするほどグレンシーブ２９の目あいが大きくなるよ
うに構成してある。この構成においても、揺動選別ケー
ス１６の揺動に伴ってリンク機構４１が上記のようにア
ーム３８を反力点として相対的に作動することで、上部
グレンシーブ２９ａが小ストロークで往復摺動してグレ
ンシーブ２９での処理物の詰まりが抑制される。

【００１１】〔別実施例〕目合い調節手段を形成する
に、電動モータ等のアクチュエータを利用した駆動式で
あっても、あるいは、調節固定可能な人為操作式であっ
てもよい。また、リンク機構４１の具体構造は適宜変更
自在であり、要するに揺動選別ケース１６の揺動に伴っ
てチャフプレート３４が調節操作部を反力点として小ス
トロークで往復揺動される状態にリンク機構４１を形成
すればよい。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの全体側面図

【図２】脱穀装置の縦断側面図

【図３】揺動選別ケースの縦断側面図

【符号の説明】

１３ 扱室 １６ 揺動選別ケース ２７ チャフシーブ ３４ チャフプレート ４１ リンク機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱室（１３）からの処理物を駆動揺動に
   伴って搬送選別する揺動選別ケース（１６）に、多数の
   チャフプレート（３４）を処理物搬送方向に並設したチ
   ャフシーブ（２７）を設け、前記チャフプレート（３
   ４）の傾斜角度を変更する目あい調節手段を設けた脱穀
   装置において、前記目あい調節手段を形成するに、調節
   操作部と前記チャフプレート（３４）をリンク機構（４
   １）で連結するとともに、前記揺動選別ケース（１６）
   の揺動に伴って前記チャフプレート（３４）が前記調節
   操作部を反力点として小ストロークで往復揺動される状
   態に前記リンク機構（４１）を形成してある脱穀装置の
   選別部。