JP2881991B2 - 脱穀機の排塵選別制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機体回行時に３番ロスの減少を図ることを
目的としたコンバイン等に用いられる脱穀機の排塵選別
制御装置に関する。

〔従来技術〕

従来、風選部の終端に形成された排塵口部に、揺動自
在な調節弁を設け、この調節弁を３番ロスの多少に応じ
て自動調節式に作動させ、排塵口の面積を変更できるよ
うにした技術は、例えば、実開昭56-96948号公報によっ
て知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

かかる従来装置では、機体回行時には扱室内への穀稗
の供給が少なくなることに起因して選別風が強力に働
き、排塵口から多量の穀粒が機外に飛散する問題があっ
た。

本発明は、機体回行時には排塵制御板をして排塵口を
自動的に塞ぐ方向に作動させて問題解決を図らんとする
ものである。そのため、次のような技術的手段を講じ
た。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち、本発明にかかる技術的手段は、風選部７の
終端に形成された排塵口13部に、該排塵口を開閉する方
向に出退可能な排塵制御板18を設け、一行程の刈取作業
が終了して機体を回行する際の刈取上昇操作を検出する
動作検出機構19を設け、この動作検出機構の検出結果に
基づき、前記排塵制御板18が閉じる方向に作動すべく関
連構成してあることを特徴とするものである。

〔作用〕

一行程の刈取作業が終了して次の行程に移るとき、ま
ず、刈取部を非作業位置まで上昇させてから回行する。
この回行時に刈取部が所定以上に上昇されると、動作検
出機構がそれを検出し、この検出結果に基づき制御板が
排塵口を閉じる方向に進出作動し、穀粒の機外への飛散
ロスが防止される。

〔発明の効果〕

従って、本発明によれば、機体回行時に被選別物が非
常に少ない状態にあっても、選別風によって穀粒が排塵
口から吹き飛ばされることがなく、飛散ロスを未然に防
止することができるに至った。

〔実施例〕

以下本発明の実施例について説明する。

Ａはコンバインの刈取部、Ｂは脱穀機、Ｃは走行クロ
ーラを示す。刈取部Ｂは支点Ｐ周りに昇降可能に構成し
ている。脱穀機Ｂは、扱歯を植設して脱穀する扱胴１を
内装した扱室２を有し、この扱胴１の軸を支承する該扱
室２の前壁と後壁とには、穀稗をこの扱室２へ供給する
供給口３及び脱穀された穀稗を排出する排出口を各々設
け、又この扱室２の扱胴軸方向に沿った一側には、穀稗
の株元を挟持して移送するフイードチエン４を設けてい
る。該扱室２下部の該扱胴１外周に沿って張設された受
網５の下側には、この受網５から落下する脱穀物を受け
て選別する選別装置６を内装した風選部７を設けてい
る。前記選別装置６は、揺動選別装置８とこの揺動選別
装置８に選別風を送る圧風フアン９とからなる。前記揺
動選別装置８は、揺動駆動自在な枠体にグレンパン10と
グレンシーブ11とを前後一連の状態に設けるとともに、
グレンシーブ11の上方から後方にわたってチャフシーブ
12を設けている。そして、前記受網５から漏下してきた
脱穀物をグレンパン10によって受け入れ、比重差選別し
ながら後方のグレンシーブ11へ揺動移送した後、グレン
シーブ11でふるい選別しながら後方へ揺動移送し、後端
から落下放出する。一方、扱室２の排塵落下口2aから排
出される排塵処理物をチャフシーブ12上に受け入れ、ふ
るい選別しながら後方へ揺動移送して排出すべきわら屑
のみその終端からその後方に向かって開口された排塵口
13を介して選別風と共に機外へ排出され、又、浮遊塵は
吸引排塵フアン14によって吸引排出されるようになって
いる。

前記風選部７の底部には、１番受樋15と２番受樋16を
設けている。17は前記排塵口13と２番受樋16との間に斜
設されたリターンパンで、この下側には前記排塵口13を
開閉する方向に出退可能な排塵制御板18を設ける。

前記刈取部Ａには機体回行時の刈取上昇操作を検出す
る動作検出機構19、つまり、刈取部が所定の非作業位置
まで上昇したことを検出するスイッチSWを設け、そし
て、該検出スイッチSWの検出結果に基づき、制御部20,
モータM,連動機構21等を介して前記排塵制御板18が自動
的に排塵口13を閉じる方向に進出作動するよう構成して
いる。刈取部Ａが所定の刈取作業位置まで下降すると、
排塵制御板18は自動的に排塵口13を開く方向に後退作動
するようになっている。

また、一方、扱室２内には、扱胴軸方向に対し所定の
角度で傾斜し、送りを促進する方向と送りに抵抗を付与
する方向とに傾斜角変更可能な送塵板22を設けている。
送塵板22は、支軸22周りに揺動し、調節レバー24によっ
て傾斜角変更調節ができ、図に示す実線の状態位置から
仮想線の状態位置に変更調節すると、処理物の送り抵抗
が付与されて扱室内での滞留時間が長くなり、逆に、仮
想線の状態位置から実線の状態位置に変更調節すると、
処理物の送りが促進されて扱室内での滞留時間が短くな
るようになっている。

従って、機体回行時は扱室内での処理物が少なくなる
ため、負荷が軽くなり、送塵板22による送塵調節を送り
抵抗側に変更すると、扱室から風選部への処理物の排出
が少なくなるので、３番飛散ロスも減少することにな
る。そこで、実施例では、この送塵板22を、前記排塵制
御板18の制御用モータＭによって自動的に調節制御すべ
く前記調節レバー24に連動具25を介して連動構成してい
る。つまり、回行時に刈取部が所定の非作業位置まで上
昇すると、送塵板22は仮想線で示す送り抵抗側に自動変
更されることになる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の１実施例を示すもので、第１図はコンバ
インの要部破断せる側面図である。 図中、符号Ａは刈取部、Ｂは脱穀機、Ｃは走行クロー
ラ、１は扱胴、２は扱室、５は受網、７は風選部、８は
揺動選別装置、９は圧風フアン、13は排塵口、14は吸引
排塵フアン、15は１番受樋、16は２番受樋、17はリター
ンパン、18は排塵制御板、19は動作検出機構、20は制御
部、Ｍは制御モータ、21は連動機構、22は送塵板を示
す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】風選部７の終端に形成された排塵口13部
   に、該排塵口を開閉する方向に出退可能な排塵制御板18
   を設け、一行程の刈取作業が終了して機体を回行する際
   の刈取上昇操作を検出する動作検出機構19を設け、この
   動作検出機構の検出結果に基づき、前記排塵制御板18が
   閉じる方向に作動すべく関連構成してあることを特徴と
   する脱穀機の排塵選別制御装置。