JPH0624796B2 - 積層発泡成形体の製造方法 - Google Patents

積層発泡成形体の製造方法

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JPH0624796B2
JPH0624796B2 JP61058618A JP5861886A JPH0624796B2 JP H0624796 B2 JPH0624796 B2 JP H0624796B2 JP 61058618 A JP61058618 A JP 61058618A JP 5861886 A JP5861886 A JP 5861886A JP H0624796 B2 JPH0624796 B2 JP H0624796B2
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sheet
forming
laminated
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俊雄 小林
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の目的
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリプロピレン架橋発泡層を有する積層発泡
成形体の製造方法に関する。
【従来の技術】
ポリプロピレン発泡体は、一般にポリエチレン発泡体に
くらべて、耐熱性、強度、剛性などの物性がすぐれてい
るから、高温用断熱材、包装材、建材、軽量構造材など
として用途が拡大しつつある。 ポリプロピレン(以下「PP」と略記する)は、ポリエ
チレンとくに高圧法低密度ポリエチレンにくらべて溶融
時の粘弾性が低く、PPを主成分とする発泡性材料は発
泡ガスが材料中を移動して逃散しやすいから、品質のよ
い発泡体を得ることが難しい。そこで、PP発泡体の製
造において、架橋剤を配合し材料を適度に架橋して溶融
粘弾性を高くして、発泡ガスが材料から逃げないように
することが、提案された。(たとえば特公昭46−31
754号) しかし、この公報にも記載されているように、PP単独
では発泡性が不十分で発泡倍率が高くとれず、そのうえ
気泡が粗大となる。また、この公報にはPPにポリエチ
レン、エチレン、酢酸ビニル共重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体、エチレン・プロピレン共重合体のよう
な他のポリマーを配合してもよいと記載されているが、
これらのポリマーはPPにくらべて、ラジカル発生剤に
よる架橋反応が速く、PPと混合した場合にはこれらポ
リマー単独の架橋が急速に進行するので、配合率が小さ
い場合は架橋したポリマーが単にPP中に分散するだけ
であって、PPの発泡性を改善できないばかりでなく、
PPとの界面の親和性不足から、むしろ発泡性を損う。 そこで、本発明者らは、PPにラジカル発生剤と架橋助
剤を加えるとともに特定のプロピレンとα−オレフィン
の共重合体を配合したポリプロピレン架橋発泡体用組成
物およびこの組成物を用いた発泡性シートの製造方法を
発明し、提案した(特願昭60−16636号、特願昭
60−10781号)。 これらの技術に従って製造した発泡性シートを用いれ
ば、発泡倍率が高く、独立気泡が均一に分布した、肌の
良好なポリプロピレン架橋発泡体が得られる。
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は、上記したポリプロピレン架橋発泡体用
組成物をレザーのような表皮材と積層し、所望の形状に
発泡成形することによって、代表的には自動車のドアや
天井の内張りとする積層発泡成形体を製造する方法を提
供することにある。 発明の構成
【問題点を解決するための手段】
本発明の積層成形体製造方法は、下記の諸工程からなる
ことを特徴とする。 (イ)メルトフローレート0.1〜50g/10minの
ポリプロピレン(A):60〜95重量部、 メルトフローレート0.05〜20g/10min、プロ
ピレン含有率55〜85モル%、示差走査型熱量計の熱
分析にもとづく結晶融解熱量25〜70Joule/gの、
プロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの
共重合体(B):5〜40重量部、 ラジカル発生剤:上記(A)および(B)の合計量10
0重量部に対して、0.05〜0.5重量部、ならび
に、 架橋助剤:上記(A)および(B)の合計量100重量
部に対して、0.1〜1重量部、 をラジカル発生剤の分解温度以上の温度で溶融混練して
架橋反応を行うこと、 (ロ)上記架橋組成物100重量部に、発泡剤を0.5
〜5重量部の割合で加え、発泡剤の分解温度未満の温度
で混練し、得られた発泡性材料をシート状に成形するこ
と、 (ハ)発泡性材料のシートに、表皮材シートを、積層す
ること、 (ニ)得られた積層シートを、発泡性材料の層が上に向
いた状態で、発泡剤の分解温度以上の温度に加熱して発
泡させること、 ならびに、 (ホ)発泡した、または発泡しつつある積層シートを所
望の形状に成形すること。 また、本発明の二段製造方法は、下記の工程からなるこ
とを特徴とする。 (イ)メルトフローレート0.1〜50g/10minの
ポリプロピレン(A):60〜95重量部、 メルトフローレート0.05〜20g/10min、プロ
ピレン含有率55〜85モル%、示差走査型熱量計の熱
分析にもとづく結晶融解熱量25〜70Joule/gの、
プロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの
共重合体(B):5〜40重量部、 ラジカル発生剤:上記(A)および(B)の合計量10
0重量部に対して、0.05〜0.5重量部、ならび
に、 架橋助剤:上記(A)および(B)の合計量100重量
部に対して、0.1〜1重量部、をラジカル発生剤の分
解温度以上の温度で溶融混練して架橋反応を行うこと、 (ロ)上記架橋組成物100重量部に発泡剤を0.5〜
5重量部の割合で加え、発泡剤の分解温度未満の温度で
混練し、得られた発泡性材料をシート状に成形し、この
発泡性材料のシートに裏打材を積層してなる芯材を、発
泡性材料の層が上に向いた状態で、発泡剤の分解温度以
上の温度に加熱して発泡させること、 (ハ)発泡した、または発泡しつつある積層芯材シート
を所望の形状に賦形すること(一段目成形)、 ならびに、 (ニ)賦形された発泡積層芯材シートおよびその上に戴
置された表皮材シートを再び加工して、所望の形状にす
ること(二段目成形)。 本発明の方法に用いるPP(A)は、メルトフローレー
トMFR(ASTM D 1238,L)が0.1〜5
0g/10min、好ましくは0.5〜20g/10min
の、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと15モ
ル%以下のエチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の
他のα−オレフィンとの共重合体であって、結晶性のも
のである。MFRが0.1g/10min未満のものは、
架橋処理に際して混練押出しが困難となり工業上有用で
なく、一方50g/10minを超えるものは、発泡性を
改善するのに必要な架橋助剤量が多くなりすぎ、実用的
でない。 本発明の方法に用いるプロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(B)は、MFRが0.05〜20g/1
0min、好ましくは0.1〜10g/10min、プロピレ
ン含有率が55〜85モル%、好ましくは60〜80モ
ル%、示差走査型熱量計(DSC)の熱分析にもとづく
結晶融解熱量が25〜70Joule/g、好ましくは30
〜60Joule/gの、プロピレンと炭素原子数4〜20
のα−オレフィンとのランダム共重合体であり、好まし
くは融点が80〜130℃、より好ましくは90〜12
0℃の範囲のものである。 MFRが0.05g/10min未満のものはPPへの均
一分散が困難であり、一方20g/10minを超えるも
のは、PPと混合し共架橋して発泡性を改善するために
必要な架橋助剤量が多くなりすぎて実用的でない。プロ
ピレン含有率が85モル%を超え、または結晶融解熱量
が70Joule/gを超えるものは、上記PP(A)に混
合しても、気泡の微細さや気泡径の均一性の改善に役立
たない。プロピレン含有率が55モル%未満で結晶融解
熱量が25Joule/g未満のものは、PP(A)との融
点の差が大きすぎて、加熱混練による均一分散性が不足
するばかりでなく、ラジカル発生剤および架橋助剤がラ
ンダム共重合体中に偏在しやすく、PPとの共架橋効率
が低下して気泡が粗大となり、発泡性は改善されない。 また、本発明の方法に用いるプロピン・α−オレフィン
ランダム共重合体(B)は、前記の特性に加えて、3個
のプロピレン連鎖でみたミクロアイソタクティシティ
(以下「MIT」と略記す)が0.7以上、好ましくは
0.8以上であり、沸騰n−ヘプタン不溶分が5重量%
以下、好ましくは3重量%以下であるものがよい。MI
Tが0.7に満たないものを用いた場合には、発泡体の
耐薬品性、とくに有機溶剤に対する耐久性が損われるだ
けでなく、PP発泡体の長所である耐熱性、剛性が低下
する。 ランダム共重合体(B)において、プロプレンと共重合
される炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、
たとえば1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセ
ン、1−オクタデセン等があげられる。 前記のような諸性質を有するプロピレン含有率55ない
し85モル%のプロピレン・α−オレフィン共重合体
(B)は、たとえば(a)少なくともマグネシウム、チ
タンおよびハロゲンを含有する複合体、(b)周期律表
第I族ないし第III族金属の有機金属化合物、および
(c)電子供与体から形成される触媒を用いて、プロピ
レンとα−オレフィンとをランダム共重合させることに
よって得られる。 PP(A)との混合物中のランダム共重合体(B)の量
が5重量部に満たないと、ラジカル発生剤および架橋助
剤が溶融混練して架橋反応を行なう際にそれらの分散性
が改善されないだけでなく、PPのラジカル発生剤によ
る分解が抑制されないので、良好な発泡体が得られな
い。 本発明の方法に用いるラジカル発生剤としては、主とし
て有機ペルオキシド、有機ペルオキシエステルであっ
て、1分間の半減期を得るための分解温度が前記プロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の融点よ
りも高く、さらには前記PP(A)の融点よりも高いも
のが好ましい。 ラジカル発生剤の半減期が100時間になる分解温度
が、実用上40℃以上であるものが好ましい。 そのような有機ペルオキシドの好ましいものを具体的に
あげれば、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シ
クロヘキサン、tert−ブチルペルオキシマレイン酸、te
rt−ブチルペルオキシラウレート、tert−ブチルペルオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、シクロ
ヘキサノンペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソ
プロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペル
オキシアセテート、2,2−ビス−(tert−ブチルペル
オキシ)ブタン、tert−ブチルペルオキシブタン、tert
−ブチルペルオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4
−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ジ−te
rt−ブチルジペルオキシイソフタレート、メチルエチル
ケトンペルオキシド、α,α′−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ペルオキ
シ)ヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジイ
ソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブ
チルペルオキシド、パラ−メンタンヒドロペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン
−2,5−ジヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオ
キシド、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどである。 ラジカル発生剤の量が0.05重量部未満では架橋組成
物の溶融粘弾性の改善が不十分であるから、発泡性材料
の発泡に際してガス抜けが発生し、独立気泡を有する良
好な発泡体が得られない。0.5重量部を超えると、架
橋反応に関与しない余剰なラジカル剤が発生する。余剰
のラジカル発生剤はPPおよび(または)ランダム共重
合体由来のポリマー連鎖部分に開裂を生じさせるため、
PPとランダム共重合体による混合系の溶融粘弾性はむ
しろ低下し、良好な発泡体が得られない。 架橋助剤としては、二重結合を1個または2個以上有す
る不飽和化合物、オキシム化合物、ニトロソ化合物また
はマレイミド化合物などが適当である。これらは、前記
ラジカル発生剤によって前記プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体、および、前記PPの水素引抜きに
よって生じるポリマーラジカルが開裂反応を起す前に架
橋助剤と反応することによって、ポリマーラジカルを安
定化させると同時にプロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体とPPとの相互架橋、およびそれぞれ単独の
架橋の効率を高める働きをする。 架橋助剤は、具体的には、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ジアリルフタレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジビニル
ベンゼン等の多官能性モノマー、キノンジオキシム、ベ
ンゾキノンジオキシム等のオキシム化合物、パラニトロ
ソフェノール、N,N−メタ−フェニレンビスマレイミ
ド、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。こ
れらのうちでは、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジビ
ニルベンゼン、およびこれらの混合物が好ましい。 架橋助剤の量が0.1重量部未満であると、ラジカル発
生剤によるPPおよびランダム共重合体系の架橋反応の
進行が不十分となるから、溶融粘弾性が十分改善されな
い。1重量部を超えると、発泡剤を混合した後、たとえ
ば押し出し成形してシート状にするのが困難になるだけ
でなく、発泡体の外観がよくない。 本発明の方法に用いる発泡剤は、常温で液体または固体
であり、加熱されると分解して気体を発生するものであ
って、分解温度がPPの融点以上であればよい。例をあ
げれば、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリ
ウム、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒド
ラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリ
ヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛などがあ
る。これらの中では、ガスの発生量が多く、ガス発生終
了温度がPPとランダム共重合体との混合系の熱劣化開
始温度よりも十分低い、アゾジカルボンアミド、N,
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トリヒド
ラジノトリアジンが好ましい。 PP、ランダム共重合体、ラジカル発生剤および架橋助
剤を混練する際に、炭素原子数30以上のフェノール系
耐熱安定剤を、PP+ランダム共重合体100重量部に
対して0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5
重量部添加すると、ポリマーラジカルの発生濃度を制御
して架橋効率を高めるとともに、積層シートを加熱し発
泡させる際および発泡体の熱加工の際の酸化劣化を防止
し、かつ使用中の製品の耐熱老化性を高めるので好まし
い。 このような耐熱安定剤としては、たとえば、n−オクタ
デシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−te
rt−ブチルフェニル)プロピオネート、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−tert−ブ
チル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−
S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)ト
リオン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ベンジルベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−
ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−
トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオ
ン、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。 架橋組成物と発泡剤とを混合する際に、PPを一部粉末
にして架橋組成物100重量部に対して15〜50重量
部、好ましくは15〜30重量部の割合で配合しておけ
ば、発泡剤の分散性が向上するから、発泡剤が凝集性で
あっても、気泡が巨大になることはない。 これに加えて、発泡剤に、その二次凝集を防止する機能
を有する添加剤を前もって混合しておけば、発泡剤の材
料中への分散性が向上し、粗大気泡のない良好な積層発
泡体を得ることができる。このような添加剤には、金属
石ケン類、界面活性剤類がある。具体的には、ステアリ
ン酸の金属塩およびステアリルモノグリセライドのよう
な、架橋剤および発泡剤の混練温度で固体である物質が
好ましい。 架橋組成物と発泡剤とを混練した発泡性の材料をシート
に成形する方法としては、ブラベンダー等の二軸混練機
で加熱溶融した架橋組成物に発泡剤を添加して分散し、
ついでカレンダーロールでシート状に成形する方法、プ
レス成形機でシート化する方法、および押出機を用いて
混練したのちTダイまたは環状ダイを通してシート化す
る方法などがある。これらのなかでは、最後の方法、つ
まり混練した後、発泡剤の分解温度未満の温度でTダイ
から押し出して成形する方法は、エネルギー消費量、所
要時間ともに少なく、シートの平面性や押出肌も良好で
あり好ましい。 発泡性材料のシートは、表皮材シートと複合化して積層
シートとする。このとき、それらの間にパッド材をはさ
んで積層してもよい。積層は、たとえば、第1図に示す
方法によって実施する。すなわち、押出機4にとりつけ
たTダイ5から押し出してシート状にした発泡性材料1
1が適度な温度を保っている間に、ロールから繰り出し
た長尺の表皮材13とパッド材12とをロール3A,3
B,3Cとの間に通して一体化し、積層シート1Aを得
る。これをそのまま巻き取るか、カッター6により裁断
して定尺シートにする。 このようにして得た積層シート1Aを加熱して発泡させ
るには次のような方法がある。すなわち、 1)熱板の上に積層シートを置いて加熱する常圧発泡
法、 2)上記1)に加えて、発熱体からの輻射熱の利用、 3)高周波誘導による加熱、 4)オーブンを用いた加熱、および 5)熱風加熱 である。いずれの方法においても、発泡層が軟化して
も、他の材料が発泡層の垂れ下りを防止できるように、
積層シートは発泡性材料の層が上を向くように置くこと
が好ましい。 積層シートは、発泡が起りつつあるか、または発泡がほ
ぼ完了したが、なおシートが可塑性を保っている間に成
形する。加工方法としては、プレス成形、真空成形およ
び圧空成形などがある。発泡がほぼ終ってから成形する
場合の例を、第3図および第4図に示した。加熱および
成形を同時に行なう場合は、プレス型に積層シートを入
れ、型を閉じて加熱するとともに成形し、発泡剤の分解
が終了したら型を開放し、発泡ガスを膨張させて積層発
泡成形体を得る。 発泡性材料と表皮材の間にパッド材の層を設ければ、積
層発泡成形体のクッション性が改善される。パッド材と
しては、PPの発泡シート、ポリエチレンの発泡シー
ト、あるいはポリウレタンフォームなどが好適であるほ
か、クッション性があって発泡性材料のシートとも表皮
材とも融着または接着が容易なものは、何でも使用でき
る。 一方、本発明の二段製造方法は、以下の工程からなる。
すなわち前記の発泡性材料のシートに裏打材を積層して
なる芯材を、発泡性材料の層が上に向いた状態で発泡剤
の分解温度以上の温度に加熱して発泡させ、この発泡し
た、または発泡しつつある積層芯材シートを所望形状に
賦形することからなる一段目成形と、賦形された発泡積
層芯材シートおよびその上に戴置された表皮材シート
を、再び所望形状に加工する二段目成形からなる。 この二段製造法においても、発泡積層芯材シートと表皮
材シートの間にパッド材をはさんで積層する態様が包含
される。 使用される裏打材の例としては、グラスウール、PP不
織布ポリエステル不織布などの無機質または有機質の繊
維状物があげられる。中でもグラスウール、プラスチッ
クとくにポリエステルの不織布が好適に用いられる。こ
の裏打材の厚さは、通常約0.05〜1.0mm程度(目
付約10〜200g/m2程度)が適当である。
【作用】
本発明の積層発泡成形体の製造に用いる発泡性材料の主
成分であるPPを、特定の範囲のMFRをもったものと
し、これに特定のプロピレン−α−オレフィン共重合体
を組み合わせることにより、成分が均一に分散した組成
物が得られ、両者の共架橋が起って材料の溶融粘弾性が
高くなり、発泡ガスが凝集して気泡が粗大になることが
防止される。従って、微細な気泡が均一に分布するとと
もに、発泡倍率の高い発泡層をもった成形体が得られ
る。発泡性材料に発泡剤を混練するに先立って架橋を行
なってあるから、架橋剤および架橋条件また発泡剤など
の選択範囲が広い。これらの利益は、すでに開示した発
明においてみられるものであって、本発明ではそれがす
べて享受できる。 本発明の製造方法では、発泡性材料の発泡に先立って、
いったん表皮材と積層してシートにするから、成形体へ
の加工にあたり、発泡および成形を行なう順序を任意に
選ぶことができる。積層シートはカサばらないので、取
扱いや貯蔵に便利である。 発泡の際に、積層シートの発泡性材料の層を上に向けて
おくので、発泡層が軟化しても表皮層などがこれを支
え、垂れ下りを防いで加工することができる。
【実施例】
ポリプロピレン「B200」(三井石油化学工業(株)
MFR=0.5)のペレット55重量部およびパウダー
15重量部、架橋剤としてジクミルパーオキサイドを
0.2重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼンを0.
5重量部、および安定剤として、テトラキス[メチレン
−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン「Irganox 1010」
(Ciba Geigy社製)、n−オクタデシル−3−(4′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)
プロピオネート「Irganox 1076」(同)、ステア
リン酸カルシウムをそれぞれ0.1重量部ずつからなる
基本的な系に、改質用樹脂として下記のPBRを30重
量部加えて、本発明に使用する組成物を用意した。 PBR:プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、M
FR:7.0g/10min、プロピレン含有率71.0
モル%、結晶融解熱量:50Joule/g、沸騰n−ヘプ
タン不溶分:0.5%、沸騰酢酸メチル可溶分:0.5
%、MIT:0.94 また、比較例として、上記した基本的な系のほか、それ
に下記の樹脂を30重量部ずつ加えたものを含む、8種
類の組成物を用意した。 EPR:エチレン・プロピレンランダム共重合体、MF
R:0.8g/10min、エチレン含有率:80.0モ
ル% EPT:エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
「三井EPT1071」(三井石油化学工業(株)製) TPE:熱可塑性エラストマー「ミラストマー8530
N」(三井石油化学工業(株)製) LDPE:低密度ポリエチレン「ミラソンM−9」(三
井デュポン・ポリケミカル(株)製) HDPE:高密度ポリエチレン「ハイゼックス5000
S」(三井石油化学工業(株)製) EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体「Evaflex V
−5274」(三井デュポン・ポリケミカル(株)製) EEA:エチレン−アクリル酸ビニル共重合体「Mitsu
i−EEA A−702」(三井デュポン・ポリケミカ
ル(株)製) これらの組成物を、高速混合機(ヘンシェルミキサー)
を用いて混合し、押出機で架橋とともに微細ペレット化
した。 これらの架橋した微細ペレットそれぞれ100重量部に
対して、前記ポリプロピレンのパウダー15重量部、お
よび発泡剤のアゾジカルボンアミド100重量部とステ
アリルモノグリセライド5重量部とを低速混合機で混合
した混合物を2重量部加え、高速混合機を用いて混合し
た。 こうして得た発泡性材料を、第1図に示すように、押出
機に開口幅50mm、開口厚さ1mmのフィッシュテール型
のダイを装着したものを用いて、樹脂温度190℃、ス
クリュー回転数40rpmの条件で押出して厚さ1mmのシ
ートにした。この押し出し直後のシート11と、パッド
材12(厚さ2.5mmのポリエチレンフォーム)および
表皮材13(厚さ0.4mmのミラストマー)の積層物と
を、パッド材を中にしてロールにかけて一体化し、第2
図のような層構成の発泡性積層シート1Aにし、定尺に
裁断した。 このようにして用意した9種類の積層シートを、第3図
に示すように発泡性材料層11を上に向けて両端をクラ
ンプ8A,8Bで固定し、上方から約200℃に熱した
ヒーター7で約5分間加熱した。発泡が終了して厚さの
増大した積層シート1Bを、第4図に示す真空成形機の
型9に移して成形した。型からとり出して冷却し、トリ
ミングして、第5図に示す積層発泡成形体1Cを得た。 9種類の成形体について、次の方法で比容積を測定し
た。結果を表に示す。 空気比較法:空気比較式比重計(Beckman社製、Air
Comparison Pycnometer Model 930)を用い、
1−0.5−1気圧操作法で計測した成形体の容積と成
形体の重量との比。 単位はcm3/gである。 外形寸法計測法:ノギスを用いて計測した、厚さ、幅、
長さから求めた成形体の容積との比。 単位はcm3/gである。 また、本発明の発泡層は、気泡の大きさおよび気泡の分
布の均一性においてすぐれており、気泡層の垂れ下り
は、いずれの場合もみとめられなかった。 発明の効果 本発明の方法によって得た積層発泡成形体は、発泡倍率
が高く、独立気泡が均一に分布した外観の美しい発泡層
をもっている。またこの発泡層は、主成分のポリプロピ
レンのすぐれた性質である、高い耐熱性、強度および剛
性を有する。従って、本発明の方法で製造した積層発泡
成形体は、前記した自動車の内装材をはじめとする種々
の用途がある。 発泡性材料を製造するにあたって、架橋剤の混練と発泡
剤の混練とを別々に行なうから、それぞれの工程におけ
る操業条件がゆるやかになるだけでなく、有害な揮発性
成分をあらかじめ除去できる。また、常圧下に短時間で
行う発泡条件を選択できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の積層発泡成形体の製造方法におい
て、積層シートを製造する工程を説明するための概念的
な図である。 第2図は、第1図の工程で製造した積層シートの模式的
な断面図である。 第3図および第4図は、本発明の積層発泡成形体の製造
方法を説明する断面図であって、第3図は積層シートの
発泡工程を、第4図は成形工程をそれぞれあらわす。 第5図は、本発明の方法で製造した積層発泡成形体の一
例を示す、模式的な断面図である。 1A,1B…積層シート、1C…積層発泡成形体 11…シート状発泡体、12…パッド材 13…表皮材 3A,3B,3C…ロール 4…押出機、5…Tダイ 7…ヒーター、9…真空成形型

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程からなることを特徴とする積層
    発泡成形体の製造方法 (イ)メルトフローレート0.1〜50g/10minの
    ポリプロピレン(A):60〜95重量部、 メルトフローレート0.05〜20g/10min、プロ
    ピレン含有率55〜85モル%、示差走査型熱量計の熱
    分析にもとづく結晶融解熱量25〜70Joule/gの、
    プロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの
    共重合体(B):5〜40重量部、 ラジカル発生剤:上記(A)および(B)の合計量10
    0重量部に対して、0.05〜0.5重量部、ならび
    に、 架橋助剤:上記(A)および(B)の合計量100重量
    部に対して、0.1〜1重量部、 をラジカル発生剤の分解温度以上の温度で溶融混練して
    架橋反応を行うこと、 (ロ)上記架橋組成物100重量部に発泡剤を0.5〜
    5重量部の割合で加え、発泡剤の分解温度未満の温度で
    混練し、得られた発泡性材料をシート状に成形するこ
    と、 (ハ)発泡性材料のシートに、表皮材シートを積層する
    こと、 (ニ)得られた積層シートを、発泡性材料の層が上に向
    いた状態で、発泡剤の分解温度以上の温度に加熱して発
    泡させること、 ならびに、 (ホ)発泡した、または発泡しつつある積層シートを所
    望の形状に成形すること。
  2. 【請求項2】発泡性材料シートと表皮材シートの間にパ
    ッド材をはさんで積層する特許請求の範囲第1項に記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】表皮材として、TPE、PVCなどの合成
    樹脂、レザー、カーペットまたは不織布から選んだ材料
    を用いる特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】積層シートを成形する手段が、プレス成
    形、真空成形または圧空成形である特許請求の範囲第1
    項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】下記の工程からなることを特徴とする積層
    発泡成形体の二段製造方法。 (イ)メルトフローレート0.1〜50g/10minの
    ポリプロピレン(A):60〜95重量部、 メルトフローレート0.05〜20g/10min、プロ
    ピレン含有率55〜85モル%、示差走査型熱量計の熱
    分析にもとづく結晶融解熱量25〜70Joule/gの、
    プロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの
    共重合体(B):5〜40重量部、 ラジカル発生剤:上記(A)および(B)の合計量10
    0重量部に対して、0.05〜0.5重量部、ならび
    に、 架橋助剤:上記(A)および(B)の合計量100重量
    部に対して、0.1〜1重量部、 をラジカル発生剤の分解温度以上の温度で溶融混練して
    架橋反応を行うこと、 (ロ)上記架橋組成物100重量部に、発泡剤を0.5
    〜5重量部の割合で加え、発泡剤の分解温度未満の温度
    で混練し、得られた発泡性材料をシート状に成形し、こ
    の発泡性材料のシートに裏打材を積層してなる芯材を、
    発泡性材料の層が上に向いた状態で、発泡剤の分解温度
    以上の温度に加熱して発泡させること、 (ハ)発泡した、または発泡しつつある積層芯材シート
    を所望の形状に賦形すること(一段目成形)、 ならびに、 (ニ)賦形された発泡積層芯材シートおよびその上に戴
    置された表皮材シートを再び加工して、所望の形状にす
    ること(二段目成形)。
  6. 【請求項6】発泡積層芯材シートと表皮材シートの間に
    パッド材をはさんで積層する特許請求の範囲第5項に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】表皮材として、TPE、PVCなどの合成
    樹脂、レザー、カーペットまたは不織布から選んだ材料
    を用いる特許請求の範囲第5項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】積層芯材シートを成形する手段(一段目成
    形)および、これにさらに表皮材を戴置したものを成形
    する手段(二段目成形)が、プレス成形、真空成形また
    は圧空成形である特許請求の範囲第5項に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】裏打材が、無機質はたは有機質の繊維状物
    からなるものである特許請求の範囲第5項に記載の製造
    方法。
  10. 【請求項10】裏打材が、グラスウールまたはプラスチ
    ックの不織布である特許請求の範囲第9項に記載の製造
    方法。
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